JPH0990937A - ピアノ用の金属部品 - Google Patents

ピアノ用の金属部品

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JPH0990937A
JPH0990937A JP7251030A JP25103095A JPH0990937A JP H0990937 A JPH0990937 A JP H0990937A JP 7251030 A JP7251030 A JP 7251030A JP 25103095 A JP25103095 A JP 25103095A JP H0990937 A JPH0990937 A JP H0990937A
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JP
Japan
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pedal
piano
brass
titanium nitride
stainless steel
Prior art date
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Pending
Application number
JP7251030A
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English (en)
Inventor
Yutaka Hagiwara
裕 萩原
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金色の光沢を有し、しかも十分な耐腐食性、
耐摩耗性を備えたピアノ用の金属部品を提供すること。 【解決手段】 ピアノ用のペダル1は、ステンレス鋼板
(SUS304)をプレス加工した成形品で、その表面
には、イオンプレーティング法によって窒化チタンの薄
膜が形成されている。この窒化チタン膜は、プレス品に
対する密着性が良好で、金色の金属光沢を有し、表面硬
度HV (ビッカース硬度)は約1600と超硬質であ
る。したがって、このペダル1によれば、色彩及び光沢
としては黄銅製のペダルと同様な外観を有し、しかも、
傷がつきにくく、変色や光沢の低下を招くことがない。
また、ステンレス鋼板のプレス品であるため、黄銅製の
ペダルよりも軽量で、しかも、ペダルとして十分な強度
も備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピアノ用の金属部
品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ピアノには、多くの黄銅製部
品が使われている。具体例を挙げれば、ピアノのペダル
には、黄銅の無垢材からなるもの、鉄製の芯材に黄銅板
の表皮を被せたもの、あるいは黄銅板をプレス成形した
もの等がある。また、ペダルの他にも、ペダル支えや鍵
盤蓋マーク等の多くが、黄銅製である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様な黄銅製の部品は、表面が腐食しやすく、経時変化に
よって変色するという欠点があった。この様な変色を防
止する手段として、従来は、金メッキなどの方法が使わ
れてはいたが、金は比較的柔らかい金属であるため、表
面に傷がつきやすく、傷によって光沢が失われやすいと
いう問題があった。特に、ペダルの様に足で踏んで使わ
れる部品では、より一層表面に傷がつきやすいため、光
沢が失われやすいという問題が顕著であった。
【0004】更に、ペダルやペダル支えには十分な強度
が要求されるが、黄銅は鋼材等に比べて強度が劣るた
め、同様の部品を鋼材で作製する場合に比べると、より
多量の素材を必要としたり、補強用の芯材を必要とし、
重量の増大を招く点でも材料コストの増大を招く点でも
不利であった。
【0005】こうしたペダル等に関し、単に機能的な面
だけを満足させるのであれば、従来の黄銅製部品をステ
ンレス鋼等により製造するといった方法も考え得るが、
ピアノの場合、各部品のそれぞれに装飾品的な役割もあ
り、金色の光沢が得られない部品で代用することはでき
なかった。
【0006】そこで、本発明は、金色の光沢を有し、し
かも十分な耐腐食性、耐摩耗性を備えたピアノ用の金属
部品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明のピアノ用の金属部品は、請求項1記載の通
り、表面が窒化チタンでコーティングされていることを
特徴とする。より具体的には、請求項2〜請求項4に記
載の通り、前記金属部品として、ペダル、ペダル支え、
鍵盤蓋マークを挙げることができるが、この他にも、従
来、黄銅で作製されていたピアノ用の金属部品のすべて
に、本発明を適用することが可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】上記請求項1記載のピアノ用の金
属部品によれば、部品の表面が窒化チタンでコーティン
グされているので、当該金属部品には窒化チタンの薄膜
による金色の光沢が現れる。しかも、この薄膜は経時変
化によって変色することもない。また、窒化チタンをコ
ーティングすると、金属部品の表面硬度がビッカース硬
度で約1600〜1800ときわめて硬質になるので、
部品表面の耐摩耗性が改善されて、きわめて傷がつきに
くくなる。
【0009】この様に窒化チタンの薄膜によって、ピア
ノ用の金属部品に要求される装飾的な要素と耐摩耗性と
を満足させることができるので、芯となる金属素材は黄
銅以外の金属を比較的自由に選択できる様になる。した
がって、例えば、ステンレス鋼でピアノ用部品を作製す
れば、ステンレス鋼は黄銅よりもヤング率、引張り強
さ、曲げ強さが大きく、しかも比重が小さいので、より
薄い素材で同程度の強度を有する部品を作ることがで
き、あるいは同程度の重量でより強度の高い部品を作る
ことができる。しかも、加工工程を適切に管理すること
により、部品表面の粗さは、黄銅部品以上に滑らかなも
のが容易に得られる。
【0010】更に具体例を交えて説明すれば、請求項2
記載の如く、ペダルの表面を窒化チタンでコーティング
すれば、黄銅製のペダルと同様な金色の光沢を付与で
き、しかも、黄銅製のペダルに比べてきわめて耐摩耗性
が高いので、足で踏んで使われる程度では傷がつかず、
光沢が失われることもない。また、ペダルの素材とし
て、ステンレス鋼、その他の鋼材、あるいは合金類を使
えるので、十分な強度を確保しつつペダルの軽量化を図
ることができる。
【0011】また、請求項3記載の如く、ペダル支えの
表面を窒化チタンでコーティングすれば、ペダルの場合
と同様に金色の光沢を付与でき、しかも、素材としてス
テンレス鋼、その他の鋼材、あるいは合金類を使えるの
で、より軽量で強度的に優れたペダル支えが得られる。
【0012】更に、請求項4記載の如く、鍵盤蓋マーク
の表面を窒化チタンでコーティングすれば、ペダル等の
場合と同様に金色の光沢を付与でき、経時変化によって
変色せず、擦傷などもつきにくいので、光沢が失われ
ず、装飾的な効果が失われない。
【0013】なお、本発明において、金属部品の表面を
窒化チタンでコーティングする方法について特に制限は
なく、物理気相成長法(PVD法)、化学気相成長法
(CVD法)のいずれを利用してでも、窒化チタンの薄
膜を形成可能である。中でも、上記PVD法に分類され
るスパッタリング法又はイオンプレーティング法は、窒
化チタン膜を形成するのに利用でき、しかも比較的密着
力の強い薄膜を形成できるので好適である。
【0014】また、本発明のピアノ用の金属部品は、ア
コースティックピアノはもちろんのこと、同様な外観に
された電子ピアノ等にも採用可能である。以上、本発明
の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定
されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々
なる変形が可能である。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施の形態をより一層明確に
するため、本発明の実施例のいくつかを図面に基づいて
説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の実
施の形態の一例に過ぎず、本発明の実施の形態を、以下
に例示する具体的な材料や形状等に制限するものではな
い。
【0016】[第1実施例]本実施例のピアノ用のペダ
ル1は、ステンレス鋼板(SUS304)製で、その表
面には、イオンプレーティング法によって窒化チタンの
薄膜が形成されている。
【0017】このペダル1を製造するには、まず、プレ
ス成形によってステンレス鋼板を図示の如き形状に加工
する。そして、そのプレス品をイオンプレーティング装
置内に設置し、蒸発源に金属チタンを使用すると共に、
窒素源として窒素ガスを導入して、温度500℃、炉内
圧力10-3〜10-4torrで、表面に窒化チタンのコ
ーティングを施す。こうして形成された窒化チタン膜
は、プレス品に対する密着性が良好で、金色の金属光沢
を有し、表面硬度HV (ビッカース硬度)は約1600
と超硬質であった。
【0018】したがって、このペダル1によれば、色彩
及び光沢としては黄銅製のペダルと同様な外観を有し、
しかも、傷がつきにくく、変色や光沢の低下を招くこと
がない。また、ステンレス鋼板のプレス品であるため、
黄銅製のペダルよりも軽量で、しかも、ペダルとして十
分な強度も備えている。
【0019】[第2実施例]本実施例のピアノ用のペダ
ル2は、従来のペダルと全く同様な黄銅製のもので、そ
の表面にイオンプレーティング法によって窒化チタンの
薄膜が形成されている点だけが、従来とは異なる。
【0020】このペダル2を製造するには、従来と同様
の常法に従って製造されたピアノ用のペダルを、イオン
プレーティング装置内に設置し、第1実施例と同様に、
蒸発源に金属チタンを使用すると共に、窒素源として窒
素ガスを導入して、温度500℃、炉内圧力10-3〜1
-4torrで、表面に窒化チタンのコーティングを施
す。こうして形成された窒化チタン膜は、黄銅に対する
密着性が良好で、金色の金属光沢を有し、表面硬度HV
(ビッカース硬度)は約1600と超硬質であった。
【0021】したがって、このペダル2によれば、色彩
及び光沢としては黄銅製のペダルと同様な外観を有し、
しかも、傷がつきにくく、変色や光沢の低下を招くこと
がない。また、黄銅の表面が完全にコーティングされて
いるので、黄銅の腐食や摩耗を招くこともない。更に、
窒化チタンによるコーティング加工を除いて、従来と全
く同様のものなので、既存の製造設備でもペダルを生産
できる。
【0022】[第3実施例]本実施例のピアノ用の鍵盤
蓋マーク3、4、5、6、7は、それぞれステンレスの
薄板を、「K]、「.」、「A」、「W]、「I」の各
文字の形状に加工したもので、その表面には、イオンプ
レーティング法によって窒化チタンの薄膜が形成されて
いる。
【0023】この鍵盤蓋マーク3〜7を製造するには、
まず、ステンレス鋼板を図示の如き形状に打ち抜き、そ
れをイオンプレーティング装置内に設置し、第1、第2
実施例と同様にして、表面に窒化チタンのコーティング
を施す。こうして形成された窒化チタン膜は、金色の金
属光沢を有し、表面硬度HV (ビッカース硬度)は約1
600と超硬質であった。
【0024】したがって、この鍵盤蓋マーク3〜7を組
み合わせて鍵盤蓋に接着すれば、永続的な金色光沢を有
し、きわめて傷がつきにくい鍵盤蓋マークとなる。 [その他の実施例]上記以外にも、ペダル支えをステン
レス製とし、その表面にイオンプレーティング法によっ
て窒化チタンの薄膜を形成すると、色彩及び光沢として
は黄銅製のものと同様な外観を有し、しかも、黄銅製の
ものよりも軽量で、強度的にも優れたものが得られる。
また、これら以外にも、ピアノで使われている種々の黄
銅製部品について、金色光沢を有する外観を損ねること
なく、ステンレス鋼製、あるいは、アルミ合金製等に代
えることができる。
【0025】また、上記各実施例では、イオンプレーテ
ィング法によって窒化チタンの薄膜を形成する方法を示
したが、これ以外にも、スパッタリング法やCVD法等
によって窒化チタンの薄膜を形成することができる。
【0026】
【発明の効果】以上の如く、本発明のピアノ用の金属部
品によれば、素材となる金属を適宜選択しても金色の光
沢を付与でき、しかも十分な耐腐食性、耐摩耗性をも付
与できる。したがって、ピアノ用の金属部品を、従来よ
りも丈夫で軽量にすることができ、装飾的にも十分満足
できるものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例としてのペダルを示す斜視図であ
る。
【図2】 第2実施例としてのペダルを示す斜視図であ
る。
【図3】 第3実施例としての鍵盤蓋マークを示す斜視
図である。
【符号の説明】
1,2・・・ペダル、3〜7・・・鍵盤蓋マーク。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が窒化チタンでコーティングされて
    いることを特徴とするピアノ用の金属部品。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のピアノ用の金属部品にお
    いて、 該金属部品が、ペダルであることを特徴とするピアノ用
    の金属部品。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のピアノ用の金属部品にお
    いて、 該金属部品が、ペダル支えであることを特徴とするピア
    ノ用の金属部品。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のピアノ用の金属部品にお
    いて、 該金属部品が、鍵盤蓋マークであることを特徴とするピ
    アノ用の金属部品。
JP7251030A 1995-09-28 1995-09-28 ピアノ用の金属部品 Pending JPH0990937A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007513359A (ja) * 2002-07-02 2007-05-24 メルト,マルレーネ 楽器用のアクセサリー部分または操作部分、または、楽器の構成部分
US8744244B2 (en) 2005-09-28 2014-06-03 The University Of Electro-Communications Reproducing apparatus, reproducing method, and storage medium

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