JPH0989356A - 騒音低減方法 - Google Patents
騒音低減方法Info
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- JPH0989356A JPH0989356A JP7246189A JP24618995A JPH0989356A JP H0989356 A JPH0989356 A JP H0989356A JP 7246189 A JP7246189 A JP 7246189A JP 24618995 A JP24618995 A JP 24618995A JP H0989356 A JPH0989356 A JP H0989356A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は空調ダクト、冷却用ダクト等の空気を
通すダクトで発生する騒音を低減する騒音低減方法に関
し、整流効果の評価基準と能動騒音制御の消音効果との
関係に新たに着目し、その知見に基づいて一層効果的な
騒音低減を実現することを目的とする。 【解決手段】ダクト内に気流整流用の金網を配置して能
動騒音制御により騒音低減を行う場合に、該金網として
擾乱速度減衰率の小さいものを配置することで消音効果
を高めるようにした。
通すダクトで発生する騒音を低減する騒音低減方法に関
し、整流効果の評価基準と能動騒音制御の消音効果との
関係に新たに着目し、その知見に基づいて一層効果的な
騒音低減を実現することを目的とする。 【解決手段】ダクト内に気流整流用の金網を配置して能
動騒音制御により騒音低減を行う場合に、該金網として
擾乱速度減衰率の小さいものを配置することで消音効果
を高めるようにした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空調ダクト、冷却用
ダクト等の空気を通すダクトで発生する騒音を低減する
騒音低減方法に関する。近年、労働環境の改善などが望
まれており、冷暖房完備のオフィスはもとより、OA化
の進んだオフィス空間が一般的になってきている。これ
に伴い、従来では目立たなかった空調装置のダクトの空
気騒音が問題になり始め、解決が望まれている。
ダクト等の空気を通すダクトで発生する騒音を低減する
騒音低減方法に関する。近年、労働環境の改善などが望
まれており、冷暖房完備のオフィスはもとより、OA化
の進んだオフィス空間が一般的になってきている。これ
に伴い、従来では目立たなかった空調装置のダクトの空
気騒音が問題になり始め、解決が望まれている。
【0002】
【従来の技術】従来は、空調ダクト、冷却用ダクト等の
内壁に吸音材を貼り、吸音処理することで騒音を低減し
ていた。この吸音材としては、一般的な目安として吸音
させるべき騒音の波長の1/4の厚さの吸音材が必要な
ため、特に低域の騒音を十分に吸音させるにはかなり厚
い吸音材が必要となり、ダクトが非常に大規模なものに
なってしまう。また、内壁に厚い吸音材を貼ると空気抵
抗を生み、吸排気効率が悪くなるという問題点があっ
た。
内壁に吸音材を貼り、吸音処理することで騒音を低減し
ていた。この吸音材としては、一般的な目安として吸音
させるべき騒音の波長の1/4の厚さの吸音材が必要な
ため、特に低域の騒音を十分に吸音させるにはかなり厚
い吸音材が必要となり、ダクトが非常に大規模なものに
なってしまう。また、内壁に厚い吸音材を貼ると空気抵
抗を生み、吸排気効率が悪くなるという問題点があっ
た。
【0003】このため、80年代の終わり頃から空調ダ
クトに能動騒音制御(ANC:Active Noise Control)
を適用することが始まった。能動騒音制御は、図3にそ
の処理系が示されるように、装置内等の空気を送風機1
でダクト2を通して排出する構成において、ダクト2内
の送風機1側に騒音検出マイクロホン5を配置するとと
もに、ダクト排気口側に騒音消去用のスピーカ7と誤差
収集マイクロホン8を配置し、騒音検出マイクロホン5
で検出した騒音と誤差収集マイクロホン8で検出した誤
差とに基づいて消音用適用フィルタ6でその騒音と同振
幅、逆位相の消去用信号を生成してダクト排気口側のス
ピーカ7から放音することで、ダクト2内を伝播してき
た騒音にその消去用信号音を重ね合わせて騒音を消去す
るものである。
クトに能動騒音制御(ANC:Active Noise Control)
を適用することが始まった。能動騒音制御は、図3にそ
の処理系が示されるように、装置内等の空気を送風機1
でダクト2を通して排出する構成において、ダクト2内
の送風機1側に騒音検出マイクロホン5を配置するとと
もに、ダクト排気口側に騒音消去用のスピーカ7と誤差
収集マイクロホン8を配置し、騒音検出マイクロホン5
で検出した騒音と誤差収集マイクロホン8で検出した誤
差とに基づいて消音用適用フィルタ6でその騒音と同振
幅、逆位相の消去用信号を生成してダクト排気口側のス
ピーカ7から放音することで、ダクト2内を伝播してき
た騒音にその消去用信号音を重ね合わせて騒音を消去す
るものである。
【0004】この能動騒音制御を室内空調用の空調ダク
トに適用する場合、空調ダクトはビル等の比較的大きな
室内に用いることが普通であるので、ダクト自体の形状
はストレート形状にでき、ダクト内部の気流も乱れが少
なく排出できる。そのため、能動騒音制御を適用する上
で制御を困難にさせる要因はあまり無い。
トに適用する場合、空調ダクトはビル等の比較的大きな
室内に用いることが普通であるので、ダクト自体の形状
はストレート形状にでき、ダクト内部の気流も乱れが少
なく排出できる。そのため、能動騒音制御を適用する上
で制御を困難にさせる要因はあまり無い。
【0005】一方、能動騒音制御の適用範囲をより狭い
空間、例えば個人の家の個室に設置された空調ダクト、
あるいはOA機器の内部冷却用ダクト等まで広げようと
する場合、これらの適用装置ではダクトを小型化せざる
を得ず、よって風を抵抗無しに流すことが困難になる。
特にダクト長が短くなると、風の流れをスムーズにさせ
るための助走区間も確保できない。この結果、風の乱れ
が発生してこの乱れによりダクト内の音の相関が得られ
なくなり、騒音と同振幅、逆位相の消去音を消音用適用
フィルタ6で正確に生成できなくなる。
空間、例えば個人の家の個室に設置された空調ダクト、
あるいはOA機器の内部冷却用ダクト等まで広げようと
する場合、これらの適用装置ではダクトを小型化せざる
を得ず、よって風を抵抗無しに流すことが困難になる。
特にダクト長が短くなると、風の流れをスムーズにさせ
るための助走区間も確保できない。この結果、風の乱れ
が発生してこの乱れによりダクト内の音の相関が得られ
なくなり、騒音と同振幅、逆位相の消去音を消音用適用
フィルタ6で正確に生成できなくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そのため、特に高速の
気流を伴う上述のようなダクトへ能動騒音制御を適用す
る場合、気流の乱れにより制御性能が劣化する。この対
策として、気流の乱れを整えるために、整流用織金網を
ダクト流路に入れることが一般的であり、整流効果の評
価基準もある。金網を能動騒音制御に用いた例は既に報
告されている。
気流を伴う上述のようなダクトへ能動騒音制御を適用す
る場合、気流の乱れにより制御性能が劣化する。この対
策として、気流の乱れを整えるために、整流用織金網を
ダクト流路に入れることが一般的であり、整流効果の評
価基準もある。金網を能動騒音制御に用いた例は既に報
告されている。
【0007】しかし、従来、整流効果の評価基準と能動
騒音制御の消音効果との関係については着目されておら
ず未知であった。よってこの関係を明確にし、制御効果
を判断できるよう設計法として確立し、効果的な騒音低
減を行えるようにする必要がある。
騒音制御の消音効果との関係については着目されておら
ず未知であった。よってこの関係を明確にし、制御効果
を判断できるよう設計法として確立し、効果的な騒音低
減を行えるようにする必要がある。
【0008】したがって本発明は整流効果の評価基準と
能動騒音制御の消音効果との関係に新たに着目し、その
知見に基づいて一層効果的な騒音低減を実現することを
目的とする。
能動騒音制御の消音効果との関係に新たに着目し、その
知見に基づいて一層効果的な騒音低減を実現することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明においては、ダクト内に気流整流用の金網
を配置して能動騒音制御により騒音低減を行う場合に、
該金網として擾乱速度減衰率の小さいものを配置するこ
とで消音効果を高めるようにした騒音低減方法が提供さ
れる。すなわち、図1に例示されるように、擾乱速度減
衰率Aが小さい金網ほど高い消音効果が得られる。
めに、本発明においては、ダクト内に気流整流用の金網
を配置して能動騒音制御により騒音低減を行う場合に、
該金網として擾乱速度減衰率の小さいものを配置するこ
とで消音効果を高めるようにした騒音低減方法が提供さ
れる。すなわち、図1に例示されるように、擾乱速度減
衰率Aが小さい金網ほど高い消音効果が得られる。
【0010】また本発明においては、他の形態として、
ダクト内に擾乱速度減衰率の小さい気流整流用の金網を
配置して低域騒音を低減させる騒音低減方法が提供され
る。この騒音低減方法においては、上記金網の配置によ
り発生する高域騒音をダクト内壁に吸音材を取り付ける
ことで低減させるようにすることができる。
ダクト内に擾乱速度減衰率の小さい気流整流用の金網を
配置して低域騒音を低減させる騒音低減方法が提供され
る。この騒音低減方法においては、上記金網の配置によ
り発生する高域騒音をダクト内壁に吸音材を取り付ける
ことで低減させるようにすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照して説明する 実施例1 能動騒音制御の効果を判断する設計法を確立するため、
以下の装置を用いて検証実験を行う。図2にはこの実験
装置の概要が示される。この実験装置では送風機1を遮
音性能約−30dB(A) の防音箱9内に設置する。ダクト
内径はH:130×W:140、ダクト外径はH:16
0×W:160である。ここでHは高さ、Wは幅を表
し、単位はmmである。送風機1とダクト2の接続部で
断面積変化があり、損失係数ζ=0.59に相当する圧
力損失がある。ダクト2内平均風速は約12m/sであ
る。ダクト2内のレイノルズ数 Re =ρ・L・v/η
は、空気温度を20°Cと仮定して、1.05×106
である。
照して説明する 実施例1 能動騒音制御の効果を判断する設計法を確立するため、
以下の装置を用いて検証実験を行う。図2にはこの実験
装置の概要が示される。この実験装置では送風機1を遮
音性能約−30dB(A) の防音箱9内に設置する。ダクト
内径はH:130×W:140、ダクト外径はH:16
0×W:160である。ここでHは高さ、Wは幅を表
し、単位はmmである。送風機1とダクト2の接続部で
断面積変化があり、損失係数ζ=0.59に相当する圧
力損失がある。ダクト2内平均風速は約12m/sであ
る。ダクト2内のレイノルズ数 Re =ρ・L・v/η
は、空気温度を20°Cと仮定して、1.05×106
である。
【0012】ダクト2内には整流用織金網10(以下、
単に金網とする)を送風機1よりに設置し、金網10の
下流側に騒音検出マイクロホン5、スピーカ7、誤差収
集マイクロホン8をそれぞれ配置する。最大静圧60m
mH2 Oの送風機1を1基用いているので、開口率45
%〜78%程度の金網を流路に入れても、ダクト内平均
風速(以下、風速とする)はあまり変化しない。発生す
る騒音の殆どはダクト内部を通って排気口4から外部に
放射される。無響室で実測したところ、測定位置を排気
口4の端から10cm離れた位置とした場合、排気口4
から外へ放射される騒音と周囲の暗騒音との差は−15
dB(A) 以上であった。
単に金網とする)を送風機1よりに設置し、金網10の
下流側に騒音検出マイクロホン5、スピーカ7、誤差収
集マイクロホン8をそれぞれ配置する。最大静圧60m
mH2 Oの送風機1を1基用いているので、開口率45
%〜78%程度の金網を流路に入れても、ダクト内平均
風速(以下、風速とする)はあまり変化しない。発生す
る騒音の殆どはダクト内部を通って排気口4から外部に
放射される。無響室で実測したところ、測定位置を排気
口4の端から10cm離れた位置とした場合、排気口4
から外へ放射される騒音と周囲の暗騒音との差は−15
dB(A) 以上であった。
【0013】騒音検出マイクロホン5と誤差収集マイク
ロホン8は風防効果を狙って、厚さ20mmの吸音材1
2の内部に埋め込み設置する。処理系は図3に示すFilt
ered-X NLMS法等によるものを用いる。
ロホン8は風防効果を狙って、厚さ20mmの吸音材1
2の内部に埋め込み設置する。処理系は図3に示すFilt
ered-X NLMS法等によるものを用いる。
【0014】送風機1による騒音を送風機1の近くに設
置した騒音検出用マイクロホン5により取り出し、消音
用適用フィルタ6に入力した後、消音用適用フィルタ6
で生成した消去用信号をスピーカ7に出力する。この消
音用適用フィルタ6では、スピーカ7の前面近くにおい
て、先の送風機1により発生し伝播してきた騒音波形に
対し、送風機1のダクト2内の騒音伝播経路を模擬する
ことにより、騒音波形と同振幅、逆位相の消去用信号を
作成する。そしてスピーカ7の前面近くにおいて、誤差
検出用マイクロホン8を設け、消し残りの音を検出し、
この情報を消音用適用フィルタ6に戻し、フィルタ係数
が最適となるよう修正する。
置した騒音検出用マイクロホン5により取り出し、消音
用適用フィルタ6に入力した後、消音用適用フィルタ6
で生成した消去用信号をスピーカ7に出力する。この消
音用適用フィルタ6では、スピーカ7の前面近くにおい
て、先の送風機1により発生し伝播してきた騒音波形に
対し、送風機1のダクト2内の騒音伝播経路を模擬する
ことにより、騒音波形と同振幅、逆位相の消去用信号を
作成する。そしてスピーカ7の前面近くにおいて、誤差
検出用マイクロホン8を設け、消し残りの音を検出し、
この情報を消音用適用フィルタ6に戻し、フィルタ係数
が最適となるよう修正する。
【0015】金網整流効果の評価基準と能動騒音制御効
果の関係についてこの実験装置を用いて以下のような結
果を得た。
果の関係についてこの実験装置を用いて以下のような結
果を得た。
【0016】〔整流効果の試算〕金網の整流効果を表
す、擾乱速度減衰率Aを図2のダクト条件に照らし合わ
せて以下の近似式により求め判断した。結果を図1に示
す能動騒音制御の効果と共に示す。
す、擾乱速度減衰率Aを図2のダクト条件に照らし合わ
せて以下の近似式により求め判断した。結果を図1に示
す能動騒音制御の効果と共に示す。
【0017】まず、近似式を示す。 Re =ρ・L・v/η (1) Κ=6(1−β)β-2・Re -1/3 (2) α=1.1(1+k)-1/2 (3) A=Δu2 /Δu1 =(1+α−αk)/(1+α+k) (4)
【0018】 但し、(2)式は60>Re >600で有効 (3)、(4)式はK>0.7で有効 Re :金網部レイノルズ係数 ρ:流速密度〔g・cm-3〕 L:金網線径〔cm〕 v:流速〔cm/s〕 η:粘性率〔g・cm-1・sec -1〕 K:抵抗係数 β:開口面積比(開口率)〔×100%〕 α:流出角係数 A:擾乱速度減衰率 Δu1 :金網の上流擾乱速度 Δu2 :金網の下流擾乱速度 である。開口率βは1インチ四方の面積に対する開口部
(風が通過する部分)の比率である。
(風が通過する部分)の比率である。
【0019】〔各種金網に対する能動騒音制御の効果〕
ダクト2内に種々の種類の金網を順番に設置して消音量
を測定するとともに、それらの金網について擾乱速度減
衰率Aを上記近似式で求めて示したものが図1のテーブ
ルである。金網の種類については擾乱速度減衰率Aから
判明した整流効果の高いと予想される金網aから、開口
率の小さい順にhまでに準備した。
ダクト2内に種々の種類の金網を順番に設置して消音量
を測定するとともに、それらの金網について擾乱速度減
衰率Aを上記近似式で求めて示したものが図1のテーブ
ルである。金網の種類については擾乱速度減衰率Aから
判明した整流効果の高いと予想される金網aから、開口
率の小さい順にhまでに準備した。
【0020】図1では、金網としてa〜iの9つがあ
り、このうちiは金網をダクト内に設置していない場合
(金網不使用の場合)である。また金網aは金網fを2
枚縦段にダクト2内に配置したもの、金網dは金網gを
2枚縦段にダクト2内に配置したものであり、いずれも
2枚の金網の間隔はダクト内径と同一とし、開口率は1
枚時の2乗で表している。図1のテーブル中の金網目数
は1インチ四方にある金網の目数で示してある。また、
テーブル中に※印で示した擾乱速度減衰率Aは前述の
(3)、(4)式の近似範囲外のため、誤差が大になっ
ている。
り、このうちiは金網をダクト内に設置していない場合
(金網不使用の場合)である。また金網aは金網fを2
枚縦段にダクト2内に配置したもの、金網dは金網gを
2枚縦段にダクト2内に配置したものであり、いずれも
2枚の金網の間隔はダクト内径と同一とし、開口率は1
枚時の2乗で表している。図1のテーブル中の金網目数
は1インチ四方にある金網の目数で示してある。また、
テーブル中に※印で示した擾乱速度減衰率Aは前述の
(3)、(4)式の近似範囲外のため、誤差が大になっ
ている。
【0021】この図1の結果を得るにあたっては、はじ
めに金網aを用いて金網を入れる流路内の最適位置を調
査し、その最適位置の評価は騒音検出用マイクロホン5
と誤差収集用マイクロホン8の出力同士のコヒーレンス
関数が、広い帯域で最大になるかどうかで行っている。
それによって判明した位置へ種々の金網10を順次に入
れ、その都度、フィルタの係数を学習させて能動騒音制
御による効果を調査する。図4に各金網a〜iを用いた
場合の能動騒音制御による消音量の周波数特性を示す。
消音量と周波数特性はダクト排気口から100mm離れ
た位置で測定している。この図4から分かるように、周
波数500Hz 付近ではb、a、c、d、e 、f、g、
hの順で消音効果が高い。
めに金網aを用いて金網を入れる流路内の最適位置を調
査し、その最適位置の評価は騒音検出用マイクロホン5
と誤差収集用マイクロホン8の出力同士のコヒーレンス
関数が、広い帯域で最大になるかどうかで行っている。
それによって判明した位置へ種々の金網10を順次に入
れ、その都度、フィルタの係数を学習させて能動騒音制
御による効果を調査する。図4に各金網a〜iを用いた
場合の能動騒音制御による消音量の周波数特性を示す。
消音量と周波数特性はダクト排気口から100mm離れ
た位置で測定している。この図4から分かるように、周
波数500Hz 付近ではb、a、c、d、e 、f、g、
hの順で消音効果が高い。
【0022】このように金網の使用によりその擾乱速度
減衰率Aが小さいほど消音量が明らかに上昇する。ま
た、消音量はほぼ開口率に依存する、開口率が同程
度の場合、目数が多いほど消音量が向上する、との結論
が得られる。具体的には金網cと金網bの例より、擾乱
速度減衰率Aが0.31の金網cに対して擾乱速度減衰
率aが0.10の金網bでは0.3dB(A) の消音量向上
の効果を得ることができる。金網hと金網gで目数3か
ら10への変化では消音量0.2dB(A) の消音量向上の
効果を得ることができる。
減衰率Aが小さいほど消音量が明らかに上昇する。ま
た、消音量はほぼ開口率に依存する、開口率が同程
度の場合、目数が多いほど消音量が向上する、との結論
が得られる。具体的には金網cと金網bの例より、擾乱
速度減衰率Aが0.31の金網cに対して擾乱速度減衰
率aが0.10の金網bでは0.3dB(A) の消音量向上
の効果を得ることができる。金網hと金網gで目数3か
ら10への変化では消音量0.2dB(A) の消音量向上の
効果を得ることができる。
【0023】上記の結果より、図2の如く、上流部損失
係数ζ=0.59に相当する圧力損失(2) があり、ダク
トの内径がW:140×H:130、内部流速12m/
sの場合、金網の持つ擾乱速度減衰率Aで能動騒音制御
の消音量がどの程度改善するか判明し、消音量を大きく
するためには、より小さい擾乱速度減衰率Aの金網を用
いて設計すればよいことが分かる。上記のダクト系から
逸脱しても設計法として相対的な関係は利用できる。さ
らに上記検討結果のダクト内のレイノルズ数1.05×
106 や上流部の損失係数ζ=0.59に近ければ、そ
れだけ目的とした消音量に対し精度よく使用金網が設計
できる。
係数ζ=0.59に相当する圧力損失(2) があり、ダク
トの内径がW:140×H:130、内部流速12m/
sの場合、金網の持つ擾乱速度減衰率Aで能動騒音制御
の消音量がどの程度改善するか判明し、消音量を大きく
するためには、より小さい擾乱速度減衰率Aの金網を用
いて設計すればよいことが分かる。上記のダクト系から
逸脱しても設計法として相対的な関係は利用できる。さ
らに上記検討結果のダクト内のレイノルズ数1.05×
106 や上流部の損失係数ζ=0.59に近ければ、そ
れだけ目的とした消音量に対し精度よく使用金網が設計
できる。
【0024】実施例2 他の実施例として、図2のようなダクトで流速6m/
s、ダクトの内径H:260×W:280の場合、これ
でもレイノルズ数Re =ρ・L・v/η は1.05×
106 で、上記図2と流れの状態は同一である。また、
金網部のレイノルズ数も図1のテーブルの線径に対して
2倍の線径を持たせる。この場合、流速6m/sでのレ
イノルズ数は図1のテーブルと同一となる。
s、ダクトの内径H:260×W:280の場合、これ
でもレイノルズ数Re =ρ・L・v/η は1.05×
106 で、上記図2と流れの状態は同一である。また、
金網部のレイノルズ数も図1のテーブルの線径に対して
2倍の線径を持たせる。この場合、流速6m/sでのレ
イノルズ数は図1のテーブルと同一となる。
【0025】ダクトとブロアの接続が図2と同様の断面
積比率でダクト部で急激に断面積拡大している場合、接
続部の損失係数はζ=0.59である。よって、(1)
〜(4)式を使用し擾乱速度減衰率Aを求めることによ
り、図1のテーブルのように消音量に対し、精度よく使
用金網が設計できる。
積比率でダクト部で急激に断面積拡大している場合、接
続部の損失係数はζ=0.59である。よって、(1)
〜(4)式を使用し擾乱速度減衰率Aを求めることによ
り、図1のテーブルのように消音量に対し、精度よく使
用金網が設計できる。
【0026】実施例3 図5は能動騒音制御を行わずに(すなわち図2の処理系
を作動させずに)ダクト内に金網だけを配置した場合の
騒音消去の周波数特性を示すものである。金網による全
帯域での消音効果は余りないが、金網b(図中に○印で
示す特性)は200Hz 以下での消音効果が大きく、6
3Hz の帯域では、金網不使用時(図中の×印で示す特
性)に比べ3dB騒音の低減効果があることが分かる。
を作動させずに)ダクト内に金網だけを配置した場合の
騒音消去の周波数特性を示すものである。金網による全
帯域での消音効果は余りないが、金網b(図中に○印で
示す特性)は200Hz 以下での消音効果が大きく、6
3Hz の帯域では、金網不使用時(図中の×印で示す特
性)に比べ3dB騒音の低減効果があることが分かる。
【0027】しかし、金網bの風切り音による騒音が大
きくなっている周波数(約6kHz)では約4〜6dB騒
音が上昇している。
きくなっている周波数(約6kHz)では約4〜6dB騒
音が上昇している。
【0028】一方、この高域側の帯域の4〜6dBの騒音
は吸音材で容易に吸音が可能である。しかし低域側の6
3Hz の帯域では吸音は吸音材が厚くなるので困難であ
る。よって、擾乱速度減衰率Aの低い金網(例えば金網
bではa=0.31)では低域騒音の減衰(実際には騒
音の発生抑制)効果があるので、これを利用してダクト
内に擾乱速度減衰率Aの低い金網を設置して低域騒音を
減衰させるとともに、この金網の設置により発生する高
域側の騒音は吸音材で吸音するようにする。金網の選択
は擾乱速度減衰率Aに基づいて行う。具体的には擾乱速
度減衰率が小さい金網ほど低域騒音の低減効果がある。
は吸音材で容易に吸音が可能である。しかし低域側の6
3Hz の帯域では吸音は吸音材が厚くなるので困難であ
る。よって、擾乱速度減衰率Aの低い金網(例えば金網
bではa=0.31)では低域騒音の減衰(実際には騒
音の発生抑制)効果があるので、これを利用してダクト
内に擾乱速度減衰率Aの低い金網を設置して低域騒音を
減衰させるとともに、この金網の設置により発生する高
域側の騒音は吸音材で吸音するようにする。金網の選択
は擾乱速度減衰率Aに基づいて行う。具体的には擾乱速
度減衰率が小さい金網ほど低域騒音の低減効果がある。
【0029】
【発明の効果】高速の気流を伴うダクトにおける消音量
が金網により改善される。これは能動騒音制御の消音量
向上にも大いに役立つ。また、擾乱速度減衰率と消音量
との関係をはじめ、消音量はほぼ金網の開口率に依存す
ることや、開口率が同程度の場合ならば目が細かければ
より消音量が向上する、などの結果を金網の設計に反映
させることができる。
が金網により改善される。これは能動騒音制御の消音量
向上にも大いに役立つ。また、擾乱速度減衰率と消音量
との関係をはじめ、消音量はほぼ金網の開口率に依存す
ることや、開口率が同程度の場合ならば目が細かければ
より消音量が向上する、などの結果を金網の設計に反映
させることができる。
【図1】実施例における種々の金網を用いての能動騒音
制御の効果を示すテーブルである。
制御の効果を示すテーブルである。
【図2】実施例における実験装置の概略を示す図であ
る。
る。
【図3】能動騒音制御の処理系を示すブロック図であ
る。
る。
【図4】実施例における実験結果の周波数特性を各金網
について示す図である。
について示す図である。
【図5】他の実施例における実験結果の周波数特性を各
金網について示す図である。
金網について示す図である。
1 送風機 2 ダクト 3 吸気口 4 排気口 5 騒音検出マイクロホン(または音響電気変換器) 6 消音用適応フィルタ 7 スピーカ(または音響電気変換器) 8 誤差収集マイクロホン(または音響電気変換器) 9 防音箱 10 金網 11 スピーカボックス 13 吸音材
Claims (3)
- 【請求項1】ダクト内に気流整流用の金網を配置して能
動騒音制御により騒音低減を行う場合に、該金網として
擾乱速度減衰率の小さいものを配置することで消音効果
を高めるようにした騒音低減方法。 - 【請求項2】ダクト内に擾乱速度減衰率の小さい気流整
流用の金網を配置して低域騒音を低減させる騒音低減方
法。 - 【請求項3】上記金網の配置により発生する高域騒音を
ダクト内壁に吸音材を取り付けることで低減させる請求
項2記載の騒音低減方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7246189A JPH0989356A (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | 騒音低減方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7246189A JPH0989356A (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | 騒音低減方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0989356A true JPH0989356A (ja) | 1997-04-04 |
Family
ID=17144845
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7246189A Withdrawn JPH0989356A (ja) | 1995-09-25 | 1995-09-25 | 騒音低減方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0989356A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7158644B2 (en) | 2000-12-15 | 2007-01-02 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Active noise control system |
-
1995
- 1995-09-25 JP JP7246189A patent/JPH0989356A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7158644B2 (en) | 2000-12-15 | 2007-01-02 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Active noise control system |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021203 |