JPH0989090A - 車両の同期制御装置 - Google Patents
車両の同期制御装置Info
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Abstract
の同期制御装置を提供する。 【解決手段】同期機構と、変速装置12のインプットシ
ャフトに連結された電気モータ51と、レバーが特定の
ギヤ位置に到達する前に通過する特定の予備位置に存在
することを検出する変速操作検出手段と、変速装置12
のインプットシャフト回転数を検出するインプットシャ
フト回転数検出手段と、制御装置とを有する。該制御装
置は、前記変速操作検出手段によってレバーが特定の予
備位置に存在することが検出されたときに、インプット
シャフト回転数及びギヤ比に基づいて変速後のインプッ
トシャフト回転数を予測し、クラッチ装置14が解放さ
れている間に、前記インプットシャフト回転数が予測さ
れたインプットシャフト回転数になるように、電気モー
タ51を同期制御する。
Description
置に関するものである。
レバーによって選択された変速段を達成するために変速
装置を有し、該変速装置は複数のギヤを備え、該ギヤを
選択して噛(し)合させることによって、特定のギヤ比
を設定することができるようになっている。
変速時に異なるギヤ比が設定されることによって、変速
装置の入力側に配設されたインプットシャフトの回転
数、すなわち、インプットシャフト回転数と、変速装置
の出力側に配設されたアウトプットシャフトの回転数、
すなわち、アウトプットシャフト回転数との間に回転数
差が生じる。そこで、変速装置に同期機構を配設し、該
同期機構によってインプットシャフト回転数とアウトプ
ットシャフト回転数とを同期させてギヤを係合させるよ
うにしている。前記同期機構は、変速段に対応させてア
ウトプットシャフトに対して回動自在に支持された歯車
と、アウトプットシャフトと一体的に回転する歯車との
回転数差を摩擦材によって吸収するようになっている。
来の歯車式変速機においては、インプットシャフトに電
気モータを接続し、内燃エンジンによって発生させたエ
ンジントルクに電気モータによって発生させたモータト
ルクを加え、加速性を向上させようとした場合、同期機
構に加わる負担が大きくなり、該同期機構の耐久性が低
くなってしまう。
タを接続すると、インプットシャフトに電気モータのロ
ータが固定されることになり、インプットシャフトのイ
ナーシャが極めて大きくなる。したがって、変速時にお
けるインプットシャフト回転数とアウトプットシャフト
回転数との間の回転数差を同期機構だけで吸収するのは
困難であり、更にインプットシャフト回転数とアウトプ
ットシャフト回転数とを無理に同期させようとすると、
同期機構に損傷を与え、耐久性を著しく低くしてしま
う。
点を解決して、同期機構の耐久性を高くすることができ
る車両の同期制御装置を提供することを目的とする。
両の同期制御装置においては、内燃エンジンと、特定の
噛(かみ)合いクラッチを接続することによって変速段
を達成する常時噛合い式の変速装置と、運転者が操作し
て特定のギヤ位置に移動させることによって変速段を選
択するレバーと、該レバーの操作に対応して、特定の変
速段に対応する噛合いクラッチを接続するクラッチ接続
手段と、前記噛合いクラッチを接続する際に、接続部材
間の回転数差を摩擦材によって吸収する同期機構と、前
記内燃エンジンと変速装置との間において係脱自在に配
設されたクラッチ装置と、前記変速装置のインプットシ
ャフトに連結された電気モータと、前記クラッチ装置を
係脱するアクチュエータと、前記レバーが特定のギヤ位
置に到達する前に通過する特定の予備位置に存在するこ
とを検出する変速操作検出手段と、前記変速装置のイン
プットシャフト回転数を検出するインプットシャフト回
転数検出手段と、制御装置とを有する。
手段によってレバーが特定の予備位置に存在することが
検出されたときに、インプットシャフト回転数及びギヤ
比に基づいて変速後のインプットシャフト回転数を予測
する予測手段と、前記クラッチ装置が解放されている間
に、前記インプットシャフト回転数が予測されたインプ
ットシャフト回転数になるように、前記電気モータを同
期制御するモータ同期制御手段を備える。
は、さらに、前記制御装置は、前記変速操作検出手段に
よって検出された特定の予備位置にレバーが存在するか
どうかに基づいて、次の変速段を推定する変速段推定手
段を備える。本発明の更に他の車両の同期制御装置にお
いては、さらに、前記制御装置は、前記変速操作検出手
段によって検出されたレバーの位置に基づいて、変速装
置が変速動作中であるかどうかを判断する変速動作判断
手段を備える。
いては、さらに、前記変速動作判断手段は、レバーの操
作に対応して摺(しゅう)動するシフトスイッチのオン
・オフに基づいて、変速装置が変速動作中であるかどう
かを判断する。
て図面を参照しながら詳細に説明する。図2は本発明の
実施の形態における自動車用変速機の概念図、図3は本
発明の実施の形態における自動車用変速機の第1の断面
図、図4は本発明の実施の形態における自動車用変速機
の第2の断面図である。
常時噛合い式の変速装置であり、該変速装置12は、例
えば、図示しないシフトレバーを操作して特定の噛合い
クラッチを接続することによって、選択された変速段を
達成させる。また、14は前記変速装置12にエンジン
トルクを選択的に伝達するためのクラッチ装置である。
(クランクシャフト)16と前記変速装置12のインプ
ットシャフト21との間に配設される。前記内燃エンジ
ン11の回転は、クラッチ装置14を介して変速装置1
2に伝達され、該変速装置12において変速が行われ、
加速又は減速された回転がディファレンシャル装置18
に対して出力される。
のフライホイール24を介して前記エンジン出力軸16
に発進クラッチ部材26が接続される。そして、前記フ
ライホイール24に対してトルク伝達部材27が相対回
転自在に支持され、前記フライホイール24とトルク伝
達部材27との間に磁気カップリング28が形成され
る。
フト21の端部に、ダンパ31を介して変速クラッチ部
材32が配設される。前記ダンパ31は、前記発進クラ
ッチ部材26と変速クラッチ部材32とを介してインプ
ットシャフト21に伝達されるエンジントルクの変動を
平滑化する。そして、圧力板100はクラッチカバー3
3と連結され、該クラッチカバー33とレリーズベアリ
ング34とがダイヤフラムスプリング35によって挟持
され保持される。また、前記レリーズベアリング34を
軸方向に移動させることによって、変速クラッチ部材3
2とトルク伝達部材27とを係脱したり、発進クラッチ
部材26及び変速クラッチ部材32とトルク伝達部材2
7とを係脱したりすることができる。
向に移動させるためにレリーズフォーク40が配設さ
れ、該レリーズフォーク40の外端はレリーズシリンダ
41のロッドと対向させられる。前記レリーズシリンダ
41は、図示しない油路を介してアクチュエータと連結
される。したがって、該アクチュエータを作動させ、ア
クチュエータによって発生させられた油圧を前記レリー
ズシリンダ41に供給することにより、前記レリーズベ
アリング34を軸方向に移動させることができる。
レリーズシリンダ41に油圧を供給するとクラッチ解放
状態になり、発進クラッチ部材26及び変速クラッチ部
材32とトルク伝達部材27とは解放される。次に、前
記アクチュエータを作動させ、レリーズシリンダ41に
供給される油圧を低くすると、前記変速クラッチ部材3
2とトルク伝達部材27との係合が開始され、滑動状態
が形成される。このとき、磁気カップリング28を介し
て伝達されたエンジントルクは、変速クラッチ部材32
を介して変速装置12に伝達される。
レリーズシリンダ41に供給される油圧を更に低くする
と、トルク伝達部材27と発進クラッチ部材26とが係
合させられ、クラッチ係合状態が形成される。このと
き、発進クラッチ部材26及び変速クラッチ部材32と
トルク伝達部材27とが係合し、フライホイール24の
回転は、発進クラッチ部材26を介してトルク伝達部材
27に直接伝達され、更に変速クラッチ部材32を介し
て変速装置12に伝達される。
ンプットシャフト21及びアウトプットシャフト22上
に配設された歯数比が異なる複数のギヤセットG1〜G
4を有し、該ギヤセットG1〜G4のうちの一つを選択
して噛合させることによって、特定のギヤ比を設定する
ことができるようになっている。また、前記変速装置1
2は、互いに並列なインプットシャフト21とアウトプ
ットシャフト22との間に配設された同期機構を備え
る。該同期機構は、シンクロナイザリング及びシンクロ
ナイザスリーブを使用する公知のキー式同期機構から成
り、ギヤセットG1、G2間に第1のシンクロナイザ2
00を、ギヤセットG3、G4間に第2のシンクロナイ
ザ300を備える。前記第1のシンクロナイザ200
は、シンクロナイザハブ202、シンクロナイザリング
201、204、スリーブ203、及びシンクロナイザ
ハブ202とスリーブ203との間に配設されたシンク
ロナイザキー210を備える。また、前記第2のシンク
ロナイザ300も前記第1のシンクロナイザ200とほ
ぼ同様の構成を有する。
出力ギヤ55が配設され、該出力ギヤ55から前記変速
装置12において選択された変速段による回転が出力さ
れ、ディファレンシャル装置18に伝達される。該ディ
ファレンシャル装置18は、リングギヤ57を外周に備
えたディファレンシャルケース61、該ディファレンシ
ャルケース61に固定されたピニオン軸62、該ピニオ
ン軸62に回転自在に支持されたピニオン63、及び該
ピニオン63と噛合する左右のサイドギヤ64、65か
ら成る。したがって、ディファレンシャル装置18によ
って、前記リングギヤ57に伝達された回転を左右の駆
動軸67、68に伝達するとともに、該駆動軸67、6
8を差動させて回転数差を吸収することができる。
19、20がそれぞれ固定され、駆動軸67、68に伝
達された回転は前記駆動輪19、20にそれぞれ伝達さ
れる。ところで、前記変速装置12の最も後方(図にお
ける左方)の端部には、3個のギヤ45〜47が配設さ
れ、該ギヤ45〜47を介して前記変速装置12と電気
モータ51とが連結される。そして、該電気モータ51
によってモータトルクが発生させられ、該モータトルク
を、前記ギヤ45〜47を介して前記インプットシャフ
ト21に伝達し、内燃エンジン11を始動させたり、モ
ータトルクだけで車両を走行させたり、前記エンジント
ルクを補助して車両を走行させたりすることができるよ
うになっている。
ャフト21と平行な軸線上に配設され、回転が出力され
る出力軸52、該出力軸52に固定され、回転自在に配
設された回転界磁極としてのロータ53、該ロータ53
の周囲に配設されたステータ54、及び該ステータ54
に巻装されたステータコイル56から成る。前記電気モ
ータ51は、ステータコイル56に供給される電流によ
ってモータトルクを発生させる。そのために、前記ステ
ータコイル56は図示しない電気モータコントローラに
接続され、該電気モータコントローラによって制御され
た電流がステータコイル56に供給されるようになって
いる。
イル56に電流を供給し、電気モータ51をモータ駆動
状態にすると、ロータ53が回転させられ、該ロータ5
3の回転は、ギヤ45〜47を介してインプットシャフ
ト21に伝達される。次に、前記構成の自動車用変速機
の制御装置について説明する。図1は本発明の実施の形
態における自動車用変速機の制御ブロック図、図5は本
発明の実施の形態におけるギヤ位置を示す図である。
G)、12は変速装置(M/T)、14はクラッチ装置
(C/T)、51は電気モータ(M)である。また、7
1は前記クラッチ装置14をクラッチ解放状態、滑動状
態及びクラッチ係合状態にするためのアクチュエータ、
70は該アクチュエータ71の動作を制御するクラッチ
コントローラ、72は前記変速装置12において図示し
ないシフトレバーに、運転者が触れたかどうかを検出す
るシフトスイッチである。本実施の形態において、シフ
トレバー72は運転者によって前記シフトレバーにある
程度以上の力が加えられたときに作動し、検出するよう
になっている。
駆動状態、発電機駆動状態等にするとともに、ステータ
コイル56(図3)を流れる電流を制御する電気モータ
コントローラ、74は制御装置としてのCPU、75は
前記内燃エンジン11を停止させたり、駆動したりする
とともに、スロットル開度を制御するエンジンコントロ
ーラである。
納された制御プログラムに従って、クラッチコントロー
ラ70、アクチュエータ71、電気モータコントローラ
73、エンジンコントローラ75等を統括する。そし
て、76は車速を検出する車速センサ、77は図示しな
いアクセルペダルの踏込量(以下「アクセル踏込量」と
いう。)を検出するアクセル開度センサ、78は前記シ
フトレバーが特定のギヤ位置に到達する前に通過する特
定の予備位置に存在することを検出する変速操作検出手
段としてのシフトポジションセンサである。
5に示すような通常良く知られているH型のシフト・パ
ターンが使用され、シフトレバーをy軸方向に移動させ
るための1−2変速用ライン401、3−4変速用ライ
ン402、後退用ライン403等、及びシフトレバーを
x軸方向に移動させるためのニュートラル用ライン40
4において、予備位置にそれぞれセンサを配設し、シフ
トレバーが特定のギヤ位置に到達する前にセンサ上を通
過すると、予備位置に対応した電圧が発生させられるよ
うになっている。そして、シフトレバーをy軸方向に移
動させることによって発生させられた電圧と、x軸方向
に移動させることによって発生させられた電圧との組合
せに基づいて、シフトレバーがシフト・パターンのどこ
に位置するかを判断することができるようになってい
る。
ラッチ解放状態であるかクラッチ係合状態であるかを検
出するクラッチセンサ、80はインプットシャフト回転
数を検出するインプットシャフト回転数検出手段として
のインプットシャフト回転数センサ、82はアウトプッ
トシャフト回転数を検出するアウトプットシャフト回転
数センサである。
れた車両の走行モードについて説明する。まず、エンジ
ン始動モードにおいては、内燃エンジン11を停止させ
た状態で、かつ、変速装置12がニュートラルの状態で
前記アクチュエータ71を作動させてクラッチ装置14
をクラッチ係合状態にし、前記電気モータ51を駆動し
てモータ駆動状態にする。この場合、モータトルクを内
燃エンジン11に伝達することによって、該内燃エンジ
ン11を始動させることができる。
ッチ装置14をクラッチ解放状態にし、前記電気モータ
51をモータ駆動状態にする。この場合、モータトルク
を駆動輪19、20(図2)に伝達することによって、
モータトルクだけで車両を走行させることができる。そ
して、加速アシストモードにおいては、内燃エンジン1
1を駆動した状態で、クラッチ装置14をクラッチ係合
状態にし、前記電気モータ51をモータ駆動状態にす
る。この場合、エンジントルク及びモータトルクを駆動
輪19、20に伝達し、エンジントルク及びモータトル
クによって車両を走行させることができる。そして、モ
ータトルクによってエンジントルクを効果的に補助し、
車両の加速性を向上させることができる。
燃エンジン11を駆動した状態で、クラッチ装置14を
クラッチ係合状態にし、前記電気モータ51を発電機駆
動状態にする。この場合、エンジントルクを駆動輪1
9、20に伝達し、エンジントルクだけで車両を走行さ
せることができる。しかも、エンジントルクを電気モー
タ51に伝達し、該電気モータ51によって発電するこ
とができる。
いては、変速時にギヤセットG1〜G4において異なる
ギヤ比が設定されることによって、インプットシャフト
回転数とアウトプットシャフト回転数との間に回転数差
が生じる。そこで、変速装置12に図示しない同期機構
を配設し、該同期機構によってインプットシャフト回転
数とアウトプットシャフト回転数とを同期させてギヤセ
ットG1〜G4を係合させるようにしている。
速段を達成するためにギヤセットG1を選択すると、運
転者によるシフト操作によってシンクロナイザスリーブ
203(図4)がギヤセットG1側に移動を開始し、シ
ンクロナイザスリーブ203の内周側に配設されたキー
も同じ方向に移動する。そして、シンクロナイザリング
201は、シンクロナイザキー210に押されて、ギヤ
セットG1のコーン部に押し付けられ、ギヤセットG1
と共に回転を開始する。
かされると、前記シンクロナイザキー210とシンクロ
ナイザスリーブ203とが外れ、該シンクロナイザスリ
ーブ203内のスプラインとシンクロナイザリング20
1のギヤとが噛み合おうとする。この場合、ギヤセット
G1の回転数とシンクロナイザリング201の回転数と
の間にまだ回転数差があるが、ギヤセットG1のコーン
部との間に摩擦が発生するので、シンクロナイザリング
201の回転数はスリップしながら徐々に高くなり、ギ
ヤセットG1の回転数と等しくなっていく。
シンクロナイザスリーブ203内に完全に入るまで両者
が同期することはなく、シンクロナイザリング201に
邪魔されてインプットシャフト21には回転が伝達され
ない。そして、シンクロナイザリング201の回転数と
シンクロナイザスリーブ203の回転数とが等しくなる
と、シンクロナイザリング201のギヤがシンクロナイ
ザスリーブ203内のスプラインに完全に入り、更にギ
ヤセットG1のドライブギヤもシンクロナイザスリーブ
203内に入る。したがって、シンクロナイザスリーブ
203内のスプラインには、シンクロナイザハブ202
及びシンクロナイザリング201が入り、インプットシ
ャフト21が同じ速度で回転するようになり、同期が終
了する。
時に生じる前記回転数差を予測し、電気モータ51によ
ってインプットシャフト21を回転させてインプットシ
ャフト回転数とアウトプットシャフト回転数とを同期さ
せ、同期機構に加わる負担を小さくし、変速を円滑に行
うことができるようにしている。そのために、CPU7
4の変速段推定手段は、前記変速操作検出手段によって
検出された特定の予備位置にシフトレバーが存在するか
どうかに基づいて変速時に次の変速段を予測し、次の変
速段における適正なインプットシャフト回転数をアウト
プットシャフト回転数から計算する。
速を行う場合、車両が有する慣性によってアウトプット
シャフト回転数はほぼ一定の値で推移するのに対して、
ギヤ比が大きくなる分だけインプットシャフト回転数を
高くする必要がある。すなわち、変速後において必要と
される適正なインプットシャフト回転数は、変速前のイ
ンプットシャフト回転数より高くなる。
トの変速を行う場合、車両が有する慣性によってアウト
プットシャフト回転数はほぼ一定の値で推移するのに対
して、ギヤ比が小さくなる分だけインプットシャフト回
転数を低くする必要がある。すなわち、変速後において
必要とされる適正なインプットシャフト回転数は、変速
前のインプットシャフト回転数より低くなる。
における適正なインプットシャフト回転数を予測し、予
測されたインプットシャフト回転数(以下「インプット
シャフト予測回転数」という。)に基づいて、電気モー
タ51に対して適正なトルク指令を出力し、インプット
シャフト21を適正なインプットシャフト回転数で回転
させることによって、インプットシャフト回転数とアウ
トプットシャフト回転数との回転数差をなくす。このよ
うにして、同期機構に加わる負担を小さくし、変速を円
滑に行うことができる。
の動作について説明する。図6は本発明の実施の形態に
おける3−2変速時の自動車用変速機のタイムチャート
である。図は3−2変速時の領域AR1〜AR7におい
て、シフトポジションセンサ78(図1)によって検出
される変速段、シフトスイッチ72の状態、クラッチ装
置14のストローク(以下「クラッチストローク」とい
う。)Sc 、電気モータ51のモータ駆動状態における
回転数(以下「モータ回転数」という。)Nm 、アウト
プットシャフト回転数NO 、インプットシャフト予測回
転数NIP、電気モータ51のモータトルクTm 、及びイ
ンプットシャフト回転数NI の推移を示す。
て図示しないシフトレバーにある程度以上の力が加わ
り、シフトスイッチ72がオンになると、CPU74の
変速動作判断手段は変速装置12が変速動作中であると
判断する。そして、エンジンコントローラ75によって
スロットル開度θthが、クラッチコントローラ70によ
ってクラッチストロークSc が、電気モータコントロー
ラ73のモータ同期制御手段によってモータトルクTm
がそれぞれ同期制御され、図示しないアクセルペダルを
任意量だけ踏み込んだまま、変速を行うことができるよ
うになっている。なお、モータトルクTm を制御する場
合、実際は、ステータコイル56(図3)及び図示しな
いフィールドコイルに供給される電流が制御される。
3速で通常走行させ、領域AR2においてシフトレバー
を操作すると、シフトスイッチ72がオンになり、電気
モータ51に対して「0」のトルク指令が出力される。
また、アクチュエータ71に対して「クラッチ断制御」
の指令が出力され、クラッチ装置14の解放が開始され
る。この場合、電気モータ51のロータ53の慣性は大
きく、インプットシャフト21は同じ速度のインプット
シャフト回転数NI で回転し続ける。なお、領域AR2
において検出される変速段は3速である。
変速段が3速からニュートラルに変わる。次に、領域A
R4においては、検出される変速段はニュートラルのま
まであり、電気モータ51に対して「0」のトルク指令
が出力される。そして、領域AR5において、検出され
る変速段がニュートラルから2速に変わる。この場合、
インプットシャフト予測回転数NIPは2速の変速段で計
算される。その結果、インプットシャフト予測回転数N
IPと実際のインプットシャフト回転数NI との回転数差
が大きくなる。
対して同期必要トルク指令を出力する。次に、領域AR
6において、2速の変速段を達成するのに必要なギヤセ
ットのギヤを噛合させる。同時にシフトスイッチ72を
オフにすることにより電気モータ51に対してマップ指
令トルクが出力される。また、アクチュエータ71に対
して「クラッチ接制御」の指令が出力され、クラッチ装
置14の係合が開始される。
の動作について説明する。図7は本発明の実施の形態に
おける2−3変速時の自動車用変速機のタイムチャート
である。図は2−3変速時の領域AR1〜AR7におい
て、シフトポジションセンサ78(図1)によって検出
される変速段、シフトスイッチ72の状態、クラッチス
トロークSc 、モータ回転数Nm 、アウトプットシャフ
ト回転数NO 、インプットシャフト予測回転数NIP、電
気モータ51のモータトルクTm 、及びインプットシャ
フト回転数NI の推移を示す。
常走行させ、領域AR2において図示しないシフトレバ
ーを操作すると、シフトスイッチ72がオンになり、電
気モータ51(図1)に対してエンジントルク「0」の
トルク指令が出力される。また、アクチュエータ71に
対して「クラッチ断制御」の指令が出力され、クラッチ
装置14の解放が開始される。この場合、電気モータ5
1のロータ53(図3)の慣性は大きく、インプットシ
ャフト21は同じ速度のインプットシャフト回転数NI
で回転し続ける。なお、領域AR2において検出される
変速段は2速である。
変速段が2速からニュートラルに変わる。次に、領域A
R4においては、検出される変速段がニュートラルのま
まであり、電気モータ51に対してエンジントルク
「0」のトルク指令が出力される。そして、領域AR5
において、検出される変速段がニュートラルから3速に
変わる。この場合、インプットシャフト予測回転数NIP
は3速の変速段で計算される。その結果、インプットシ
ャフト予測回転数NIPと実際のインプットシャフト回転
数NI との回転数差が大きくなる。
対して同期必要トルク指令(マイナストルク)を出力す
る。次に、領域AR6において、3速の変速段を達成す
るのに必要なギヤセットのギヤを噛合させる。このと
き、シフトレバーの操作によってシフトスイッチ72が
オフになり、電気モータ51に対してマップ指令トルク
が出力される。また、アクチュエータ71に対して「ク
ラッチ接制御」の指令が出力され、クラッチ装置14の
係合が開始される。
用変速機の動作を示すメインフローチャートである。 ステップS1 シフトポジションセンサ78(図1)の
信号によって、シフトレバーが変速段を選択するための
設定された位置に到達しているかどうかを判断する。シ
フトレバーが変速段を選択するための設定された位置に
到達している場合はステップS2に、到達していない場
合はステップS3に進む。 ステップS2 シフトスイッチ72がオンであるかどう
かを判断する。シフトスイッチ72がオンである場合は
ステップS3に、オフである場合はステップS4に進
む。 ステップS3 アクチュエータ71に対して「クラッチ
断制御」の指令が出力され、クラッチ装置14の解放が
開始される。 ステップS4 アクチュエータ71に対して「クラッチ
接制御」の指令が出力され、クラッチ装置14の係合が
開始される。 ステップS5 シフトポジションセンサ78の信号によ
って、変速段がニュートラルであるかどうかを判断す
る。変速段がニュートラルである場合はステップS10
に、ニュートラルでない場合はステップS6に進む。 ステップS6 シフトポジションセンサ78の信号によ
って、次に選択される変速段を予測する。 ステップS7 ステップS6において予測された変速段
に基づいてインプットシャフト予測回転数NIPを計算す
る。 ステップS8 ステップS7において計算されたインプ
ットシャフト予測回転数NIPと現在のインプットシャフ
ト回転数NI とを比較する。 ステップS9 インプットシャフト予測回転数NIPと現
在のインプットシャフト回転数NI との回転数差がN
〔rpm〕(例えば、50〔rpm〕)以下であるかど
うかを判断する。インプットシャフト予測回転数NIPと
現在のインプットシャフト回転数NI との回転数差がN
〔rpm〕以下である場合はステップS10に、インプ
ットシャフト予測回転数NIPと現在のインプットシャフ
ト回転数NIとの回転数差がN〔rpm〕より大きい場
合はステップS11に進む。 ステップS10 電気モータ51に対して出力されるト
ルク指令を0にする。 ステップS11 インプットシャフト予測回転数NIPと
現在のインプットシャフト回転数NI とを同じ速度にす
るための同期必要トルク指令を計算する。 ステップS12 同期必要トルク指令を出力する。
れば、内燃エンジンと、特定の噛合いクラッチを接続す
ることによって変速段を達成する常時噛合い式の変速装
置と、運転者が操作して特定のギヤ位置に移動させるこ
とによって変速段を選択するレバーと、該レバーの操作
に対応して、特定の変速段に対応する噛合いクラッチを
接続するクラッチ接続手段と、前記噛合いクラッチを接
続する際に、接続部材間の回転数差を摩擦材によって吸
収する同期機構と、前記内燃エンジンと変速装置との間
において係脱自在に配設されたクラッチ装置と、前記変
速装置のインプットシャフトに連結された電気モータ
と、前記クラッチ装置を係脱するアクチュエータと、前
記レバーが特定のギヤ位置に到達する前に通過する特定
の予備位置に存在することを検出する変速操作検出手段
と、前記変速装置のインプットシャフト回転数を検出す
るインプットシャフト回転数検出手段と、制御装置とを
有する。
手段によってレバーが特定の予備位置に存在することが
検出されたときに、インプットシャフト回転数及びギヤ
比に基づいて変速後のインプットシャフト回転数を予測
する予測手段と、前記クラッチ装置が解放されている間
に、前記インプットシャフト回転数が予測されたインプ
ットシャフト回転数になるように、前記電気モータを同
期制御するモータ同期制御手段を備える。
ンプットシャフト回転数及びギヤ比に基づいて変速後の
インプットシャフト回転数が予測される。したがって、
インプットシャフトを適正なインプットシャフト回転数
で回転させることができ、インプットシャフト回転数と
アウトプットシャフト回転数との回転数差をなくすこと
ができる。
し、変速を円滑に行うことができる。本発明の他の車両
の同期制御装置においては、さらに、前記制御装置は、
前記変速操作検出手段によって検出された特定の予備位
置にレバーが存在するかどうかに基づいて、次の変速段
を推定する変速段推定手段を備える。
基づいて変速後のインプットシャフト回転数を計算する
ことができる。したがって、インプットシャフトを適正
なインプットシャフト回転数で回転させることができ、
インプットシャフト回転数とアウトプットシャフト回転
数との回転数差をなくすことができる。
いては、さらに、前記制御装置は、前記変速操作検出手
段によって検出されたレバーの位置に基づいて、変速装
置が変速動作中であるかどうかを判断する変速動作判断
手段を備える。この場合、運転者が変速を行おうとする
と、変速動作判断手段は変速装置が変速動作中であると
判断し、前記電気モータの同期制御を開始する。
いては、さらに、前記変速動作判断手段は、レバーの操
作に対応して摺動するシフトスイッチのオン・オフに基
づいて、変速装置が変速動作中であるかどうかを判断す
る。この場合、運転者が変速を行おうとしてシフトレバ
ーを操作すると、前記変速動作判断手段は、シフトスイ
ッチのオン・オフに基づいて、変速装置が変速動作中で
あると判断し、前記電気モータの同期制御を開始する。
制御ブロック図である。
概念図である。
第1の断面図である。
第2の断面図である。
である。
動車用変速機のタイムチャートである。
動車用変速機のタイムチャートである。
メインフローチャートである。
Claims (4)
- 【請求項1】 内燃エンジンと、特定の噛合いクラッチ
を接続することによって変速段を達成する常時噛合い式
の変速装置と、運転者が操作して特定のギヤ位置に移動
させることによって変速段を選択するレバーと、該レバ
ーの操作に対応して、特定の変速段に対応する噛合いク
ラッチを接続するクラッチ接続手段と、前記噛合いクラ
ッチを接続する際に、接続部材間の回転数差を摩擦材に
よって吸収する同期機構と、前記内燃エンジンと変速装
置との間において係脱自在に配設されたクラッチ装置
と、前記変速装置のインプットシャフトに連結された電
気モータと、前記クラッチ装置を係脱するアクチュエー
タと、前記レバーが特定のギヤ位置に到達する前に通過
する特定の予備位置に存在することを検出する変速操作
検出手段と、前記変速装置のインプットシャフト回転数
を検出するインプットシャフト回転数検出手段と、制御
装置とを有するとともに、該制御装置は、前記変速操作
検出手段によってレバーが特定の予備位置に存在するこ
とが検出されたときに、インプットシャフト回転数及び
ギヤ比に基づいて変速後のインプットシャフト回転数を
予測する予測手段と、前記クラッチ装置が解放されてい
る間に、前記インプットシャフト回転数が予測されたイ
ンプットシャフト回転数になるように、前記電気モータ
を同期制御するモータ同期制御手段を備えることを特徴
とする車両の同期制御装置。 - 【請求項2】 前記制御装置は、前記変速操作検出手段
によって検出された特定の予備位置にレバーが存在する
かどうかに基づいて、次の変速段を推定する変速段推定
手段を備える請求項1に記載の車両の同期制御装置。 - 【請求項3】 前記制御装置は、前記変速操作検出手段
によって検出されたレバーの位置に基づいて、変速装置
が変速動作中であるかどうかを判断する変速動作判断手
段を備える請求項1又は2に記載の車両の同期制御装
置。 - 【請求項4】 前記変速動作判断手段は、レバーの操作
に対応して摺動するシフトスイッチのオン・オフに基づ
いて、変速装置が変速動作中であるかどうかを判断する
請求項1又は2に記載の車両の同期制御装置。
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---|---|---|---|
JP24765095A JP3404195B2 (ja) | 1995-09-26 | 1995-09-26 | 車両の同期制御装置 |
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ID=17166650
Family Applications (1)
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JP24765095A Expired - Lifetime JP3404195B2 (ja) | 1995-09-26 | 1995-09-26 | 車両の同期制御装置 |
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JP (1) | JP3404195B2 (ja) |
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- 1995-09-26 JP JP24765095A patent/JP3404195B2/ja not_active Expired - Lifetime
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