JPH0988998A - トルクリミッタ - Google Patents

トルクリミッタ

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JPH0988998A
JPH0988998A JP27364895A JP27364895A JPH0988998A JP H0988998 A JPH0988998 A JP H0988998A JP 27364895 A JP27364895 A JP 27364895A JP 27364895 A JP27364895 A JP 27364895A JP H0988998 A JPH0988998 A JP H0988998A
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JP
Japan
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outer ring
leaf spring
housing
fitted
pulley
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Withdrawn
Application number
JP27364895A
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English (en)
Inventor
Toshio Iiyama
俊男 飯山
Kiyoshi Shinohara
清 篠原
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Origin Electric Co Ltd
Original Assignee
Origin Electric Co Ltd
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Publication date
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  • One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組み立てが容易で,設計値どおりの安定した
トルクが得られ,トルクの変動が少ないなどの効果を有
する高負荷容量のトルクリミッタを提供する。 【構成】 内側面が略正方形で該正方形の辺の略中央部
に切り欠き部1aの形成されている外輪1と,該外輪の
内側面で底部2cと立ち上げ元部2aと立ち上げ先端部
2bが支持され,立ち上げ中央部2dが上記切り欠き部
に近接するように,外輪の内側面に配設されるコの字形
の板ばね2と,該板ばねに圧入することにより,板ばね
の立ち上げ中央部から予圧を受けるように配設される内
輪3と,上記外輪が圧入されるハウジング5と,該ハウ
ジングと嵌合されることにより上記各部品を一体化する
蓋6とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,回転駆動伝達力を所定
の回転トルク値の時に遮断するトルクリミッタに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来のトルクリミッタとしては,図11
に示すようなものがある。同図において,トルクリミッ
タは,板ばね11によりスペーサ12を介して摩擦板1
3,外輪14に予圧力がかけられ,摩擦板13と外輪1
4間の摩擦力を利用して保持トルク値を作り出してい
る。そして,その保持トルク値を超える回転力が発生し
た場合に,回転伝達トルクが遮断されるようになってい
る。尚,15は内輪,16はナットである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし,このような従
来のトルクリミッタにあっては,次のような問題があっ
た。 (1)摩擦板と外輪との相対すべり摩擦抵抗を利用して
いるが,摩擦板と外輪との平行度を維持しなければなら
ず,そのためにはこれらを支持するスペーサ,板ばね,
ナットの平行度,これら部品を支持する内輪の直角度等
の管理が難しく,芯ずれをおこして斜めになって片側に
当たったりするため,トルクの変動が大きい。 (2)摩擦板,外輪に付着する異物,油気,摩耗粉等の
影響により,遮断トルクの設計値が大きく変化してしま
う。 (3)摩擦板と外輪との間に潤滑剤が流入し難いので,
摩擦板と外輪との摩擦で焼き付けが生じ易く,高速回転
ができないばかりか,寿命も短い。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は,上記課題を解決するために,内側面が略正多角形で
該正多角形の各辺の略中央部に切り欠き部の形成されて
いる外輪と,該外輪の内側面で端部が支持され,各辺の
略中央部が上記切り欠き部に近接するように,外輪の内
側面に配設される略正多角形の板ばねと,該板ばねに圧
入することにより,板ばねの略中央部から予圧を受ける
ように配設される内輪と,上記外輪が圧入されるハウジ
ングまたはプーリと,該ハウジングまたはプーリと嵌合
されることにより上記各部品を一体化する蓋とからなる
ことを特徴とするトルクリミッタを提供するものであ
る。
【0005】請求項2に記載の発明は,上記課題を解決
するために,内側面が略正方形で該正方形の辺の略中央
部に切り欠き部の形成されている外輪と,該外輪の内側
面で底部と立ち上げ元部と立ち上げ先端部が支持され,
立ち上げ中央部が上記切り欠き部に近接するように,外
輪の内側面に配設されるコの字形の板ばねと,該板ばね
に圧入することにより,板ばねの立ち上げ中央部から予
圧を受けるように配設される内輪と,上記外輪が圧入さ
れるハウジングまたはプーリと,該ハウジングまたはプ
ーリと嵌合されることにより上記各部品を一体化する蓋
とからなることを特徴とするトルクリミッタを提供する
ものである。
【0006】請求項3に記載の発明は,上記課題を解決
するために,内側面が略正方形で該正方形の辺の略中央
部に切り欠き部の形成されている外輪と,該外輪の内側
面で底部と立ち上げ元部と立ち上げ先端部が支持され,
立ち上げ中央部が上記切り欠き部に近接するように,外
輪の内側面に隣合わせに90°角度をずらして配設され
る2個のコの字形の板ばねと,該板ばねに圧入すること
により,板ばねの立ち上げ中央部から予圧を受けるよう
に配設される内輪と,上記外輪が圧入されるハウジング
またはプーリと,該ハウジングまたはプーリと嵌合され
ることにより上記各部品を一体化する蓋とからなること
を特徴とするトルクリミッタを提供するものである。
【0007】請求項4に記載の発明は,上記課題を解決
するために,内側面が略正三角形で該正三角形の各辺の
略中央部に切り欠き部の形成されている外輪と,該外輪
の内側面で端部が支持され,各辺の略中央部が上記切り
欠き部に近接するように,外輪の内側面に配設される略
正三角形の板ばねと,該板ばねに圧入することにより,
板ばねの略中央部から予圧を受けるように配設される内
輪と,上記外輪が圧入されるハウジングまたはプーリ
と,該ハウジングまたはプーリと嵌合されることにより
上記各部品を一体化する蓋とからなることを特徴とする
トルクリミッタを提供するものである。
【0008】請求項5に記載の発明は,上記課題を解決
するために,内側面が略正方形で該正方形の各辺の略中
央部に切り欠き部の形成されている外輪と,該外輪の内
側面で端部が支持され,各辺の略中央部が上記切り欠き
部に近接するように,外輪の内側面に配設される略正方
形の板ばねと,該板ばねに圧入することにより,板ばね
の略中央部から予圧を受けるように配設される内輪と,
上記外輪が圧入されるハウジングまたはプーリと,該ハ
ウジングまたはプーリと嵌合されることにより上記各部
品を一体化する蓋とからなることを特徴とするトルクリ
ミッタを提供するものである。
【0009】請求項6に記載の発明は,上記課題を解決
するために,上記外輪とハウジングまたはプーリとが一
つの部品で構成されていることを特徴とする請求項1乃
至5のいずれかに記載のトルクリミッタを提供するもの
である。
【0010】請求項7に記載の発明は,上記課題を解決
するために,上記ハウジングまたはプーリと内輪と蓋と
で形成される空隙に潤滑剤が封入されていることを特徴
とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトルクリミッ
タを提供するものである。
【0011】請求項8に記載の発明は,上記課題を解決
するために,上記板ばねが内輪と比較して相対的に硬度
の低い金属からなることを特徴とする請求項1乃至7の
いずれかに記載のトルクリミッタを提供するものであ
る。
【0012】
【実施例】図1及び図2は本発明の第1の実施例を説明
するための図である。
【0013】これらの図において,1は外輪であり,そ
の内側面はほぼ正方形に形成されており,その正方形の
各辺のほぼ中央部に切り欠き部1aが形成されている。
2はコの字形をした板ばねであり,上記外輪1の内側面
で立ち上げ元部2aと立ち上げ先端部2bと底部2cと
が支持され,立ち上げ中央部2dが上記切り欠き部1a
に近接するように,外輪の内側面に配設される。ここ
で,板ばね2の立ち上げ部と底部の長さはほぼ等しい。
また,板ばね2の底部2cのほぼ中央部に形成されてい
る凹部2eは内輪3が板ばねの底部2cに接触しないよ
うにするためのものであり,外輪の2り欠き部1aと嵌
合される。
【0014】3は内輪であり,内輪に形成されているテ
ーパ3aを利用して上記外輪1に配設されている板ばね
2に圧入することにより,板ばね2の立ち上げ中央部2
dから予圧を受けるように配設される。4は軸であり,
その外側面に形成された凸部4aと上記内輪3の内側面
に形成された凹部3bとを嵌合させることにより内輪と
一体化される。
【0015】5は上記外輪1が圧入されるハウジング,
6は蓋であり,ハウジング5の内側面に形成されている
凹部5aと蓋6の外側面に形成されている凸部6aとを
嵌合させて,両者を一体化させ,同時にこの中に上記各
部品を組み込んでトルクリミッタを完成させる。
【0016】トルクリミッタは次のように組み立てられ
る。
【0017】先ず,ハウジング5に外輪1を圧入する。
次に,板ばね2の立ち上げ元部2a,立ち上げ先端部2
b,及び底部2cが外輪1の内側面に内接するように,
板ばね2を外輪1に配設する。外輪の内側面は板ばね2
の形状に合わせたほぼ正方形をしており,板ばねの立ち
上げ中央部2dが配設される部分には切り欠き部1aが
形成されている。板ばね2の底部2cは,凹部2eが外
輪の切り欠き部1aに嵌合すると共に,ほぼ全面が外輪
の内側面に当接する。
【0018】次に,板ばね2に内輪3に形成されている
テーパ3aを利用して内輪を圧入すると,板ばね2の立
ち上げ中央部2dが切り欠き部1a方向に膨らんで,内
輪3を押圧するような状態になり,この状態で内輪3が
配設される。
【0019】次に,内輪3の内側面に形成されている凹
部3bに軸4の外側面に形成されている凸部4aを嵌合
させ,内輪と軸とを一体化する。
【0020】次に,蓋6の外側面に形成されている凸部
6aとハウジング5の内側面に形成されている凹部5a
とを嵌合させて,両者を一体化させることにより,この
中に上記各部品を組み込んでトルクリミッタを完成させ
る。
【0021】次に作用を説明すると,以下のようにな
る。
【0022】板ばねの立ち上げ元部2a及び立ち上げ先
端部2bを支点として,板ばねの立ち上げ中央部2dが
内輪の外径部に対して予圧をかける寸法設定で配設され
ていることにより,内輪は板ばねによりバランスのよい
均等な一定圧力の負荷を与えられる。
【0023】このような状態で,軸,内輪を回転させる
と,一定トルク値以下にあっては,板ばねを介して外
輪,ハウジングが従動する。この場合,正逆回転におい
て,同一のトルクが発生する。そして,外輪に一定トル
ク値を超える抵抗が負荷されると,軸,内輪が回転した
とき,内輪と板ばねとの接触部にて,摩擦トルクを脱し
て,滑りが発生する。
【0024】図3及び図4は本発明の第2の実施例を説
明するための図である。
【0025】これらの図において,1は外輪であり,そ
の内側面はほぼ正方形に形成されており,その正方形の
4つの辺のほぼ中央部にそれぞれ切り欠き部1aが形成
されている。2,2’は第1の実施例の1/2の幅のコ
の字形をした板ばねであり,上記外輪1の内側面で立ち
上げ元部2a,2’aと立ち上げ先端部2b,2’bと
底部2c,2’cとが支持され,立ち上げ中央部2d,
2’dが上記切り欠き部1aに近接するように,外輪の
内側面に2個の板ばね2,2’が隣合わせに90°角度
をずらして配設される。ここで,板ばね2,2’の立ち
上げ部と底部の長さはほぼ等しい。また,板ばね2,
2’の底部2c,2’cのほぼ中央部に形成されている
凹部2e,2’eは内輪3が板ばねの底部2c,2’c
に接触しないようにするためのものであり,外輪の切り
欠き部1aと嵌合される。
【0026】3は内輪であり,内輪に形成されているテ
ーパ3aを利用して上記外輪1に配設されている板ばね
2,2’に圧入することにより,板ばね2,2’の立ち
上げ中央部2d,2’dから予圧を受けるように配設さ
れる。4は軸であり,その外側面に形成された凸部4a
と上記内輪3の内側面に形成された凹部3bとを嵌合さ
せることにより内輪と一体化される。
【0027】5は上記外輪1が圧入されるハウジング,
6は蓋であり,ハウジング5の内側面に形成されている
凹部5aと蓋6の外側面に形成されている凸部6aとを
嵌合させて,両者を一体化させ,同時にこの中に上記各
部品を組み込んでトルクリミッタを完成させる。
【0028】トルクリミッタは次のように組み立てられ
る。
【0029】先ず,ハウジング5に外輪1を圧入する。
次に,板ばね2の立ち上げ元部2a,立ち上げ先端部2
b,及び底部2cが外輪1の内側面に内接するように,
板ばね2を外輪1に配設する。板ばね2の底部2cは,
凹部2eが外輪の切り欠き部1aに嵌合すると共に,ほ
ぼ全面が外輪の内側面に当接する。次に,板ばね2’を
板ばね2に隣合わせに90°角度をずらして板ばね2と
同様に外輪1の内側面に配設する。
【0030】次に,板ばね2,2’に内輪3に形成され
ているテーパ3aを利用して内輪を圧入すると,板ばね
2,2’の立ち上げ中央部2d,2’dが切り欠き部1
a方向に膨らんで,内輪3を押圧するような状態にな
り,この状態で内輪3が配設される。
【0031】次に,内輪3の内側面に形成されている凹
部3bに軸4の外側面に形成されている凸部4aを嵌合
させ,内輪と軸とを一体化する。
【0032】次に,蓋6の外側面に形成されている凸部
6aとハウジング5の内側面に形成されている凹部5a
とを嵌合させて,両者を一体化させることにより,この
中に上記各部品を組み込んでトルクリミッタを完成させ
る。
【0033】次に作用を説明すると,以下のようにな
る。
【0034】板ばねの立ち上げ元部2a,2’a及び立
ち上げ先端部2b,2’bを支点として,板ばねの立ち
上げ中央部2d,2’dが内輪の外径部に対して4点で
予圧をかける寸法設定で配設されることにより,内輪は
板ばねによりバランスのよい均等な一定圧力の負荷を与
えられる。
【0035】このような状態で,軸,内輪を回転させる
と,一定トルク値以下にあっては,板ばねを介して外
輪,ハウジングが従動する。この場合,正逆回転におい
て,同一のトルクが発生する。そして,外輪に一定トル
ク値を超える抵抗が負荷されると,軸,内輪が回転した
とき,内輪と板ばねとの接触部にて,摩擦トルクを脱し
て,滑りが発生する。
【0036】図5及び図6は本発明の第3の実施例を説
明するための図である。
【0037】これらの図において,1は外輪であり,そ
の内側面はほぼ正三角形に形成されており,その正三角
形の3つの辺のほぼ中央部にそれぞれ切り欠き部1aが
形成されている。2はほぼ正三角形をした板ばねであ
り,上記外輪1の内側面で端部2fが支持され,中央部
2gが上記切り欠き部1aに近接するように配設され
る。
【0038】3は内輪であり,内輪に形成されているテ
ーパ3aを利用して上記外輪1に配設されている板ばね
2に圧入することにより,板ばね2の中央部2gから予
圧を受けるように配設される。4は軸であり,その外側
面に形成された凸部4aと上記内輪3の内側面に形成さ
れた凹部3bとを嵌合させることにより内輪と一体化さ
れる。
【0039】5は上記外輪1が圧入されるハウジング,
6は蓋であり,ハウジング5の内側面に形成されている
凹部5aと蓋6の外側面に形成されている凸部6aとを
嵌合させて,両者を一体化させ,同時にこの中に上記各
部品を組み込んでトルクリミッタを完成させる。
【0040】トルクリミッタは次のように組み立てられ
る。
【0041】先ず,ハウジング5に外輪1を圧入する。
次に,板ばね2の端部2fが外輪1の内側面に内接する
ように,板ばね2を外輪1に配設する。
【0042】次に,板ばね2に内輪3に形成されている
テーパ3aを利用して内輪を圧入すると,板ばね2の中
央部2gが切り欠き部1a方向に膨らんで,内輪3を押
圧するような状態になり,この状態で内輪3が配設され
る。
【0043】次に,内輪3の内側面に形成されている凹
部3bに軸4の外側面に形成されている凸部4aを嵌合
させ,内輪と軸とを一体化する。
【0044】次に,蓋6の外側面に形成されている凸部
6aとハウジング5の内側面に形成されている凹部5a
とを嵌合させて,両者を一体化させることにより,この
中に上記各部品を組み込んでトルクリミッタを完成させ
る。
【0045】次に作用を説明すると,以下のようにな
る。
【0046】板ばねの端部2fを支点として,板ばねの
中央部2gが内輪の外径部に対して3点で予圧をかける
寸法設定で配設されることにより,内輪は板ばねにより
バランスのよい均等な一定圧力の負荷を与えられる。
【0047】このような状態で,軸,内輪を回転させる
と,一定トルク値以下にあっては,板ばねを介して外
輪,ハウジングが従動する。この場合,正逆回転におい
て,同一のトルクが発生する。そして,外輪に一定トル
ク値を超える抵抗が負荷されると,軸,内輪が回転した
とき,内輪と板ばねとの接触部にて,摩擦トルクを脱し
て,滑りが発生する。
【0048】図7及び図8は本発明の第4の実施例を説
明するための図である。
【0049】これらの図において,1は外輪であり,そ
の内側面はほぼ正方形に形成されており,その正方形の
4つの辺のほぼ中央部にそれぞれ切り欠き部1aが形成
されている。2は正方形をした板ばねであり,上記外輪
1の内側面で端部2fが支持され,中央部2gが上記切
り欠き部1aに近接するように配設される。
【0050】3は内輪であり,内輪に形成されているテ
ーパ3aを利用して上記外輪1に配設されている板ばね
2に圧入することにより,板ばね2の中央部2gから予
圧を受けるように配設される。4は軸であり,その外側
面に形成された凸部4aと上記内輪3の内側面に形成さ
れた凹部3bとを嵌合させることにより内輪と一体化さ
れる。
【0051】5は上記外輪1が圧入されるハウジング,
6は蓋であり,ハウジング5の内側面に形成されている
凹部5aと蓋6の外側面に形成されている凸部6aとを
嵌合させて,両者を一体化させ,同時にこの中に上記各
部品を組み込んでトルクリミッタを完成させる。
【0052】トルクリミッタは次のように組み立てられ
る。
【0053】先ず,ハウジング5に外輪1を圧入する。
次に,板ばね2の端部2fが外輪1の内側面に内接する
ように,板ばね2を外輪1に配設する。
【0054】次に,板ばね2に内輪3に形成されている
テーパ3aを利用して内輪を圧入すると,板ばね2の中
央部2gが切り欠き部1a方向に膨らんで,内輪3を押
圧するような状態になり,この状態で内輪3が配設され
る。
【0055】次に,内輪3の内側面に形成されている凹
部3bに軸4の外側面に形成されている凸部4aを嵌合
させ,内輪と軸とを一体化する。
【0056】次に,蓋6の外側面に形成されている凸部
6aとハウジング5の内側面に形成されている凹部5a
とを嵌合させて,両者を一体化させることにより,この
中に上記各部品を組み込んでトルクリミッタを完成させ
る。
【0057】次に作用を説明すると,以下のようにな
る。
【0058】板ばねの端部2fを支点として,板ばねの
中央部2gが内輪の外径部に対して4点で予圧をかける
寸法設定で配設されることにより,内輪は板ばねにより
バランスのよい均等な一定圧力の負荷を与えられる。
【0059】このような状態で,軸,内輪を回転させる
と,一定トルク値以下にあっては,板ばねを介して外
輪,ハウジングが従動する。この場合,正逆回転におい
て,同一のトルクが発生する。そして,外輪に一定トル
ク値を超える抵抗が負荷されると,軸,内輪が回転した
とき,内輪と板ばねとの接触部にて,摩擦トルクを脱し
て,滑りが発生する。
【0060】尚,以上の実施例において,外輪1とハウ
ジング5,及び内輪3と軸4は,それぞれ最初から一体
的に形成されていてもよい。
【0061】また,以上の実施例においては,板ばねが
正三角形と正方形の場合について説明したが,正多角形
ならば,これに限定されることなく,同様に実施するこ
とができる。
【0062】ところで,グリースのような粘度の高い潤
滑剤が,ハウジング5と内輪3と蓋6とで形成される空
隙に充填され,密封された状態となっているので,潤滑
剤が外部に流出することがない。
【0063】また,回転と共に潤滑剤が内輪3と板ばね
2との接触部に染み込むので,潤滑剤が切れて焼き付け
が発生するのを抑えることができ,ばねが溶着したり,
切れたりすることがなくなり,寿命が延びる。
【0064】また,摩耗粉が攪拌により潤滑剤に吸収さ
れるので,内輪と板ばねとの接触部に摩耗粉が浸入する
ことを防止することができる。
【0065】板ばね2は内輪3と比較して相対的に硬度
の低い金属で構成されている。その硬度は,例えば,内
輪がHRC55〜60であるのに対して,板ばねがHR
C40〜50である。従って,板ばねと内輪との摩擦に
よって,板ばねのみが摩耗し,内輪が摩耗することがな
いので,トルクの変動がない。
【0066】次に使用例として,プリンタ,複写機等の
OA機器において,紙が2枚重なって送られてくるのを
防止するために,この発明のトルクリミッタが用いられ
る場合について図9,図10により説明する。
【0067】先ず,紙が1枚づつ送られてくる通常の場
合には,図9に示すように,トルクリミッタの内輪3は
反時計方向に回転しているが,送り出しローラ7が時計
方向に回転して用紙ホッパ8から紙9を送り出してお
り,この送り出しローラ7により紙9及び従動ローラ1
0を介してトルクリミッタの外輪1が時計方向に回転
し,トルクリミッタは空転状態となる。
【0068】次に,紙が2枚重なって送られてくる場合
には,図10に示すように,トルクリミッタの内輪3は
反時計方向に回転している。紙と紙の間の摩擦力よりロ
ーラと紙の間の摩擦力の方が大きいので,送り出しロー
ラ7により下側の紙9は右へ,トルクリミッタにより従
動ローラ10を介して上側の紙9’は左,即ち用紙ホッ
パ8へ戻され,紙が2枚重なって送られてくるのが防止
される。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば次
のような効果が得られる。
【0070】(1)内輪は,板ばねにより,常に必要と
される値までバランスのよい均等な予圧をかけられてい
るので,タイムラグがない。
【0071】(2)支点と作用点が同一平面上にあり,
ずれがないので,安定したトルクが得られ,トルクの変
動が少ない。
【0072】(3)内輪を軸方向から押し込むことによ
り,簡単に組み立てることができるので,能率が向上す
る。
【0073】(4)内輪の外径面に板ばねを接触させる
構造となっており,従来のように端面ではなく,内輪の
外径面を利用しているので,内輪の寸法,面粗度,真円
度をセンターレス仕上げで,容易に高レベルとすること
ができる。
【0074】(5)グリースのような粘度の高い潤滑剤
が,ハウジングと内輪と蓋とで形成される空隙に充填さ
れ,密封された状態となっているので,潤滑剤が外部に
流出することがない。
【0075】(6)回転と共に潤滑剤が内輪と板ばねと
の接触部に染み込むので,潤滑剤が切れて焼き付けが発
生するのを抑えることができ,ばねが溶着したり,切れ
たりすることがなくなり,寿命が延びる。
【0076】(7)摩耗粉が攪拌により潤滑剤に吸収さ
れるので,内輪と板ばねとの接触部に摩耗粉が浸入する
ことを防止することができる。
【0077】(8)板ばねは内輪と比較して相対的に硬
度の低い金属で構成されている。その硬度は,例えば,
内輪がHRC55〜60であるのに対して,板ばねがH
RC40〜50である。従って,板ばねと内輪との摩擦
によって,板ばねのみが摩耗し,内輪が摩耗することが
ないので,トルクの変動がない。
【0078】(9)板ばねの板厚の変更,及び内輪の外
径の変更が容易であるので,トルクの設定が容易である
と共に,板ばねと内輪との接触は面ではなく点であるの
で,回転数に対するトルクの変動が少ない。
【0079】(10)内輪の外径寸法を変えるだけで,
計算どおりにトルク値を変えることができるので,外輪
に板ばねを組み込んだものを多数用意し,外径寸法の異
なる内輪を複数種類用意しておくことにより,種々のト
ルク値のトルクリミッタを容易に構成することができ
る。
【0080】(11)内輪の外径面に板ばねを接触させ
る構造としたので,従来のトルクリミッタよりも小形に
なるばかりでなく,高負荷トルクが可能になる。
【0081】(12)内輪と板ばねを除く全ての部品を
樹脂で構成できるので,錆の発生を防止できると共に,
安価になり経済的である。
【0082】(13)板ばねと内輪との金属同士の接触
摩擦力によるため,温度特性,湿度特性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を説明するための図であ
る。
【図2】本発明の第1の実施例を説明するための図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施例を説明するための図であ
る。
【図4】本発明の第2の実施例を説明するための図であ
る。
【図5】本発明の第3の実施例を説明するための図であ
る。
【図6】本発明の第3の実施例を説明するための図であ
る。
【図7】本発明の第4の実施例を説明するための図であ
る。
【図8】本発明の第4の実施例を説明するための図であ
る。
【図9】本発明の使用例を説明するための図である。
【図10】本発明の使用例を説明するための図である。
【図11】従来のトルクリミッタを説明するための図で
ある。
【符号の説明】
1…外輪 1a…切り欠き
部 2,2’…板ばね 2a,2’a…
立ち上げ元部 2b,2’b…立ち上げ先端部 2c,2’c…
底部 2d,2’d…立ち上げ中央部 2e,2’e…
凹部 2f…端部 2g…中央部 3…内輪 3a…テーパ 3b…凹部 4…軸 4a…凸部 5…ハウジング 5a…凹部 6…蓋 6a…凸部 7…送り出しロ
ーラ 8…用紙ホッパ 9,9’…紙 10…従動ローラ 11…板ばね 12…スペーサ 13…摩擦板 14…外輪 15…内輪 16…ナット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側面が略正多角形で該正多角形の各辺
    の略中央部に切り欠き部の形成されている外輪と,該外
    輪の内側面で端部が支持され,各辺の略中央部が上記切
    り欠き部に近接するように,外輪の内側面に配設される
    略正多角形の板ばねと,該板ばねに圧入することによ
    り,板ばねの略中央部から予圧を受けるように配設され
    る内輪と,上記外輪が圧入されるハウジングまたはプー
    リと,該ハウジングまたはプーリと嵌合されることによ
    り上記各部品を一体化する蓋とからなることを特徴とす
    るトルクリミッタ。
  2. 【請求項2】 内側面が略正方形で該正方形の辺の略中
    央部に切り欠き部の形成されている外輪と,該外輪の内
    側面で底部と立ち上げ元部と立ち上げ先端部が支持さ
    れ,立ち上げ中央部が上記切り欠き部に近接するよう
    に,外輪の内側面に配設されるコの字形の板ばねと,該
    板ばねに圧入することにより,板ばねの立ち上げ中央部
    から予圧を受けるように配設される内輪と,上記外輪が
    圧入されるハウジングまたはプーリと,該ハウジングま
    たはプーリと嵌合されることにより上記各部品を一体化
    する蓋とからなることを特徴とするトルクリミッタ。
  3. 【請求項3】 内側面が略正方形で該正方形の辺の略中
    央部に切り欠き部の形成されている外輪と,該外輪の内
    側面で底部と立ち上げ元部と立ち上げ先端部が支持さ
    れ,立ち上げ中央部が上記切り欠き部に近接するよう
    に,外輪の内側面に隣合わせに90°角度をずらして配
    設される2個のコの字形の板ばねと,該板ばねに圧入す
    ることにより,板ばねの立ち上げ中央部から予圧を受け
    るように配設される内輪と,上記外輪が圧入されるハウ
    ジングまたはプーリと,該ハウジングまたはプーリと嵌
    合されることにより上記各部品を一体化する蓋とからな
    ることを特徴とするトルクリミッタ。
  4. 【請求項4】 内側面が略正三角形で該正三角形の各辺
    の略中央部に切り欠き部の形成されている外輪と,該外
    輪の内側面で端部が支持され,各辺の略中央部が上記切
    り欠き部に近接するように,外輪の内側面に配設される
    略正三角形の板ばねと,該板ばねに圧入することによ
    り,板ばねの略中央部から予圧を受けるように配設され
    る内輪と,上記外輪が圧入されるハウジングまたはプー
    リと,該ハウジングまたはプーリと嵌合されることによ
    り上記各部品を一体化する蓋とからなることを特徴とす
    るトルクリミッタ。
  5. 【請求項5】 内側面が略正方形で該正方形の各辺の略
    中央部に切り欠き部の形成されている外輪と,該外輪の
    内側面で端部が支持され,各辺の略中央部が上記切り欠
    き部に近接するように,外輪の内側面に配設される略正
    方形の板ばねと,該板ばねに圧入することにより,板ば
    ねの略中央部から予圧を受けるように配設される内輪
    と,上記外輪が圧入されるハウジングまたはプーリと,
    該ハウジングまたはプーリと嵌合されることにより上記
    各部品を一体化する蓋とからなることを特徴とするトル
    クリミッタ。
  6. 【請求項6】 上記外輪とハウジングまたはプーリとが
    一つの部品で構成されていることを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれかに記載のトルクリミッタ。
  7. 【請求項7】 上記ハウジングまたはプーリと内輪と蓋
    とで形成される空隙に潤滑剤が封入されていることを特
    徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトルクリミ
    ッタ。
  8. 【請求項8】 上記板ばねが内輪と比較して相対的に硬
    度の低い金属からなることを特徴とする請求項1乃至7
    のいずれかに記載のトルクリミッタ。
JP27364895A 1995-09-26 1995-09-26 トルクリミッタ Withdrawn JPH0988998A (ja)

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