JPH0988816A - 振動式圧縮機 - Google Patents

振動式圧縮機

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JPH0988816A
JPH0988816A JP25271895A JP25271895A JPH0988816A JP H0988816 A JPH0988816 A JP H0988816A JP 25271895 A JP25271895 A JP 25271895A JP 25271895 A JP25271895 A JP 25271895A JP H0988816 A JPH0988816 A JP H0988816A
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JP
Japan
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cylinder
piston
motor
bearing
mover
Prior art date
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Application number
JP25271895A
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English (en)
Inventor
Ichiro Morita
一郎 森田
Makoto Katayama
誠 片山
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷凍サイクル等に使用する振動式圧縮機に関
し、特に信頼性の向上を図る。 【構成】 密閉ケーシング1内に収納されたシリンダ
4、軸受6と、固定子3aと可動子3bとから構成され
るモーター3と、シリンダ4内と軸受6内に嵌められ、
モーター3の可動子3bが固定されたピストン5と、一
端がモーター3の可動子3bまたはピストン5のいずれ
かに固定され、他端がシリンダ4または軸受6のいずれ
かに固定された共振スプリング8と、一端がシリンダ4
に固定されたシリンダヘッド7の高圧室7b下部または
密閉ケーシング1内に配設された油分離機構内に開口
し、他端がシリンダ内周部4aに開口した連通路12と
から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷凍サイクル等に使用す
る振動式圧縮機に関し、特に効率の向上に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来の振動式圧縮機としては、特開昭5
1−57009号公報に示されているものがある。以
下、図面を参照しながら上記従来の振動式圧縮機の一例
を説明する。
【0003】従来の構成を図8に示す。図8において、
1は密閉ケーシング、2は本体である。本体2は、モー
ター3、シリンダ4、ピストン5、軸受6、シリンダヘ
ッド7、共振スプリング8とから構成されており、サス
ペンションスプリング(図示せず)により、密閉ケーシ
ング1内に弾性支持されている。またモーター3は、固
定子3aと可動子3bとから構成されており、可動子3
bはピストン5に固定されている。9は潤滑油であり、
密閉ケーシング1の下部に溜められている。
【0004】シリンダ4と軸受6は、ピストン5が軸方
向に摺動可能なように支持している。共振スプリング8
は、一端がモーター3の可動子3bに固定され、他端が
軸受6固定されており、一部が密閉ケーシング1の下部
に溜められている潤滑油12中に浸っている。
【0005】共振スプリング8が自然長の状態で、ピス
トン5に固定されたモーター3の可動子3bは、固定子
3aに対してシリンダ4側に配設されている。10はシ
リンダ4とピストン5とから構成される圧縮室である。
11は吐出管であり、シリンダヘッド7の高圧室7bに
連通している。
【0006】次に、振動式圧縮機の機構について説明す
る。交流電源を半波整流し、コイル巻線等で形成された
固定子3aに通電することにより、ピストン5に固定さ
れた可動子3bは固定子3aの磁極の方向に磁気可変抵
抗原理により吸引される。そして吸引時に、可動子3b
と軸受6間に配設した共振スプリング8に蓄えられた弾
性力により、逆方向に押され、この繰り返しによりピス
トン5は軸方向の往復運動を繰り返す。
【0007】冷却システム(図示せず)からの冷媒ガス
は、吸入管(図示せず)を介して、密閉ケーシング1内
に導かれ、その後シリンダヘッド7の低圧室7aを介し
てシリンダ4内の圧縮室10に至る。圧縮室10に至っ
た冷媒ガスは、上述したピストン5の往復運動により圧
縮される。
【0008】圧縮された冷媒ガスは、シリンダヘッド7
内に配設されている吐出弁(図示せず)を介して一旦シ
リンダヘッド7内の高圧室7bに吐出された後、吐出管
11を介して冷却システムに吐出される。
【0009】また、密閉ケーシング1内の下部に溜まっ
た潤滑油9は、ピストン5の軸方向の往復運動に伴う共
振スプリング8の伸縮運動によりかく拌され、密閉ケー
シング1内に飛散し、シリンダ4とピストン5間の摺動
部や、軸受6とピストン5間の摺動部を潤滑、シールし
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
のような構成では、圧縮機の運転圧力条件等が変化する
と、ピストン及び可動子の軸方向への移動量(以降スト
ローク)が変化する。そして、ストロークが小さくなる
と、共振スプリング8の伸縮運動に伴う密閉ケーシング
1内への潤滑油の飛散量が減少するため、ピストン5と
シリンダ4間、軸受6間の摺動部への給油量の減少、摺
動部の冷却の不足により、摺動部の異常摩耗が発生する
可能性や、シール性の低下や冷媒ガスの過熱による圧縮
機の能力及び効率が低下する可能性があった。
【0011】また、運転圧力条件の変化等により冷媒循
環量が増加し、圧縮室10に供給された潤滑油が多量に
密閉ケーシング1外に持ち出され、密閉ケーシング1の
下部に溜められた潤滑油の油面が低下すると、共振スプ
リング8が潤滑油9に浸らなくなる。
【0012】そして、ピストン5とシリンダ4間の摺動
部及びピストン5と軸受6間の摺動部への給油不足や冷
却不足により、摺動部の摩耗、シール性の低下、冷媒ガ
スの過熱による体積効率の低下が引き起こされる可能性
があった。
【0013】本発明は、従来の課題を解決するもので、
密閉ケーシング外への潤滑油の持ち出し量を低減すると
ともに、一旦摺動部に供給された潤滑油を繰り返し摺動
部に供給することにより、ストロークが小さくなり、密
閉ケーシング内の潤滑油の飛散量が減少しても、ピスト
ンとシリンダ間等の摺動部に十分な給油を行うとともに
冷却を行い、摺動部の摩耗やシール性の低下、冷媒ガス
の過熱を防止する。
【0014】また、共振スプリング8に蓄えられた弾性
力を利用して、モータ3の往復運動により、ピストン5
を直接シリンダ4に対して軸方向に往復摺動させるた
め、部品の加工精度、組立精度等によりピストン5とシ
リンダ4間の摺動部において、局部的な摺動による摩耗
が発生する可能性があった。
【0015】また、局部的な摺動による摩耗を回避する
ために、ピストン5とシリンダ4間の隙間量の増大によ
る圧縮機の能力及び効率低下が発生したり、部品加工精
度や組立精度の向上に伴うコストアップが発生する可能
性があった。
【0016】本発明は、従来の課題を解決するもので、
ピストンが軸方向に往復運動することにより、ピストン
とシリンダの摺動部間に動圧を発生させ、ピストンとシ
リンダ間の金属接触を防止するとともに、ピストンとシ
リンダ間の隙間をほぼ全周に渡って均一化することによ
り、圧縮室からの冷媒ガスの漏れ量を低減し、圧縮機の
能力及び効率を向上させる。
【0017】また、圧縮機の運転圧力条件等が変化し、
ピストン5及び可動子3bのストロークが大きくなる
と、ピストン5がシリンダヘッド7に衝突し、ピストン
5やシリンダヘッド7が損傷したり、騒音が大きくなる
可能性があった。
【0018】また、ストロークが小さくなると、ピスト
ン5が上死点まで到達しなくなる。その際には、圧縮室
10に吸入された冷媒ガスを十分に昇圧できず、また再
膨張容積が増大するため、圧縮機の能力及び効率が低下
する可能性があった。
【0019】本発明は、従来の課題を解決するもので、
圧縮機の運転圧力条件等が変化し、ピストンのストロー
クが大きくなっても、ピストンがシリンダヘッドに衝突
することを防止し、ピストンやシリンダヘッドが損傷し
たり、騒音が大きくなることを防止する。また、ストロ
ークが小さくなっても、常にピストンを上死点まで到達
させることにより、冷媒ガスの昇圧不足及び再膨張容積
の増大を防止する。
【0020】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明の振動式圧縮機は、密閉ケーシングと、密閉ケー
シング内に収納されたシリンダと、軸受と、固定子と可
動子とから構成されるモーターと、シリンダ内と軸受内
に嵌められ、モーターの可動子が固定されたピストン
と、一端がモーターの可動子またはピストンのいずれか
に固定され、他端がシリンダまたは軸受のいずれかに固
定された共振スプリングと、一端がシリンダに固定され
たシリンダヘッドの高圧室下部または密閉ケーシング内
に配設された油分離機構内に開口し、他端がシリンダ内
周部に開口した連通路とから構成されている。
【0021】また、ピストンの外周部またはシリンダ内
周部の連通路開口部近傍のいずれかに設けられた給油溝
とから構成されている。
【0022】また、密閉ケーシングと、密閉ケーシング
内に収納されたシリンダと、軸受と、固定子と可動子と
から構成されるモーターと、シリンダ内と軸受内に嵌め
られ、モーターの可動子が固定されたピストンと、一端
がモーターの可動子またはピストンのいずれかに固定さ
れ、他端がシリンダまたは軸受のいずれかに固定された
共振スプリングと、ピストンの外周部またはシリンダ内
周部に設けられたダイヤ状の溝とからなるものである。
【0023】また、ピストンの外周部またはシリンダ内
周部に設けられ反モーター側に向かって断面積が減少す
る動圧溝を備えたものである。
【0024】また、ピストンの外周部またはシリンダ内
周部に設けられモーター側に向かって断面積が減少する
動圧溝を設けてなるものである。
【0025】また、密閉ケーシングと、密閉ケーシング
内に収納されたシリンダ、軸受と、固定子と可動子とか
ら構成されるモーターと、シリンダ内と軸受内に嵌めら
れ、モーターの可動子が固定されたピストンと、一端が
モーターの可動子またはピストンのいずれかに固定さ
れ、他端がシリンダまたは軸受のいずれかに固定された
共振スプリングと、共振スプリング、シリンダ、軸受、
モーターの固定子のいずれかで囲まれた背圧室とから構
成されている。
【0026】
【作用】本発明の振動式圧縮機は、密閉ケーシング外へ
の潤滑油の持ち出し量を低減するとともに、一旦摺動部
に供給された潤滑油を繰り返し摺動部に供給することに
より、ストロークが小さくなり、密閉ケーシング内の潤
滑油の飛散量が減少しても、ピストンとシリンダ間等の
摺動部に十分な給油を行うとともに冷却を行い、摺動部
の摩耗やシール性の低下、冷媒ガスの過熱を防止する。
【0027】また、ピストンが軸方向に往復運動するこ
とにより、ピストンとシリンダの摺動部間に動圧を発生
させ、ピストンとシリンダ間の金属接触を防止するとと
もに、ピストンとシリンダ間の隙間をほぼ全周に渡って
均一化することにより、圧縮室からの冷媒ガスの漏れ量
を低減し、圧縮機の能力及び効率を向上させる。
【0028】また、圧縮機の運転圧力条件等が変化し、
ピストンのストロークが大きくなっても、ピストンがシ
リンダヘッドに衝突することを防止し、ピストンやシリ
ンダヘッドが損傷したり、騒音が大きくなることを防止
する。また、ストロークが小さくなっても、常にピスト
ンを上死点まで到達させることにより、冷媒ガスの昇圧
不足及び再膨張容積の増大を防止する。
【0029】
【実施例】以下、本発明による振動式圧縮機の第1の実
施例について、図面を参照しながら説明する。尚、従来
と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を
省略する。
【0030】図1は本発明の第1の実施例による振動式
圧縮機の縦断面図である。図1において、4aはシリン
ダ4の内周部、7bはシリンダヘッド7の高圧室、12
は一端がシリンダヘッド7の高圧室7b下部に開口し、
他端がシリンダ4の内周部4aに開口した連通路であ
る。連通路18としては、オイルキャピラリーのように
比較的絞ったものが望ましい。
【0031】以上のように構成された振動式圧縮機にお
いて、以下その動作を説明する。圧縮機の運転中におい
て、密閉ケーシング1内に飛散し、ピストン5とシリン
ダ4間の摺動部に供給された一部の潤滑油や、冷却シス
テムから圧縮機に吸入された潤滑油は、圧縮室10内に
至り、ピストン5により圧縮された冷媒ガスとともにシ
リンダヘッド7の高圧室7b内に吐出される。
【0032】その際、高圧室7bは一定以上の容積を備
えているため、吐出された潤滑油を含む冷媒ガスの流速
は低下し、潤滑油の一部は高圧室7b内で分離され高圧
室7bの下部に溜まる。また、高圧室7b内に吐出され
た潤滑油を含む冷媒ガスは高圧室7bの壁面に衝突し、
潤滑油の一部は高圧室7b内で分離され高圧室7bの下
部に溜まる。
【0033】そのため、密閉ケーシング1外に持ち出さ
れる潤滑油量を低減することができ、密閉ケーシング1
内の潤滑油不足による摺動部の摩耗や、効率の低下を防
止することができる。
【0034】また、ピストン5とシリンダ4間の摺動部
は、圧縮室10内の圧力と密閉ケーシング1内圧力の中
間圧力であるため、高圧室7bの下部に溜まった潤滑油
は、高圧室7b内の高圧圧力とピストン5とシリンダ4
間の摺動部の中間圧力との圧力差により、連通路12を
介してピストン5とシリンダ4間の摺動部に導かれる。
【0035】そのため、圧縮機の運転圧力条件等が変化
し、ストロークが小さくなり、密閉ケーシング1内への
潤滑油の飛散量の減少に伴うピストン5とシリンダ4間
等の摺動部への給油量が減少しても、一旦圧縮室10に
供給された潤滑油の一部を再びピストン5とシリンダ4
間の摺動部に導くことにより、少量の潤滑油で摺動部を
潤滑、シールすることができ、摺動部の摩耗を防止する
ことができる。
【0036】また、油戻りの悪い冷却システムに使用さ
れた時などにおいて、密閉ケーシング1の下部に溜めら
れた潤滑油9の油面が低下し、共振スプリング8による
密閉ケーシング1内の潤滑油の飛散量が減少しても、一
旦圧縮室10に供給された潤滑油の一部を、再びピスト
ン5とシリンダ4間の摺動部に導くことにより、少量の
潤滑油でピストン5とシリンダ4間の摺動部を潤滑、シ
ールすることができ、摺動部の摩耗を防止することがで
きる。
【0037】さらに、ピストン5とシリンダ4間等の摺
動部に十分な給油を行うとともに冷却を行うことがで
き、摺動部の摩耗やシール性の低下、冷媒ガスの過熱を
防止することができる。
【0038】また、連通路18がオイルキャピラリーの
ように通路抵抗の大きいものであれば、圧縮室10内の
圧力や、ピストン5とシリンダ4間の摺動部にほとんど
影響を及ぼすことはない。
【0039】以上のように本実施例の振動式圧縮機は、
密閉ケーシング1と、密閉ケーシング1内に収納された
シリンダ4、軸受6と、固定子3aと可動子3bとから
構成されるモーター3と、シリンダ4内と軸受6内に嵌
められ、モーター3の可動子3bが固定されたピストン
5と、一端がモーター3の可動子3bに固定され、他端
が軸受6に固定された共振スプリング8と、一端がシリ
ンダ4に固定されたシリンダヘッド7の高圧室7b下部
に開口し、他端がシリンダ4の内周部4aに開口した連
通路12を備えたものであるから、圧縮機の運転圧力条
件等の変化によりストロークが小さくなり、密閉ケーシ
ング1内の飛散した潤滑油によるピストン5とシリンダ
4間等の摺動部への給油量が減少しても、一旦圧縮室1
0に供給された潤滑油の一部を再びピストン5とシリン
ダ4間の摺動部に導くことにより、少量の潤滑油で潤
滑、シールすることができ、摺動部の摩耗も防止でき
る。
【0040】また、油戻りの悪い冷却システムに使用さ
れた時などにおいて、密閉ケーシング1の下部に溜めら
れた潤滑油9の油面が低下し、共振スプリング8による
密閉ケーシング1内の潤滑油の飛散量が減少しても、一
旦圧縮室10に供給された潤滑油の一部を、再びピスト
ン5とシリンダ4間の摺動部に導くことにより、少量の
潤滑油量でピストン5とシリンダ4間の摺動部を潤滑、
シールすることができ、摺動部の摩耗も防止できる。
【0041】さらに、ピストン5とシリンダ4間等の摺
動部に十分な給油を行うとともに冷却を行うことがで
き、摺動部の摩耗やシール性の低下、冷媒ガスの過熱を
防止することができる。
【0042】尚、本実施例では、連通路12は一端がシ
リンダヘッド7の高圧室7b下部に連通しているが、圧
縮された冷媒ガス中に含まれる潤滑油を分離できる油分
離機構内に連通しても同様の効果が得られることは言う
までもない。
【0043】また、本実施例では、密閉ケーシング1内
の潤滑油9を共振スプリング8にて飛散させているが、
ピストン5、可動子3b等の密閉ケーシング1内で可動
するものであれば同様の効果が得られることは言うまで
もなく、また他の給油方式であっても同様の効果が得ら
れることは言うまでもない。
【0044】また、本実施例では、共振スプリング8が
モーター3の可動子3bと軸受6に固定されているが、
ピストン5やシリンダ4に固定されたものであっても同
様の効果が得られることは言うまでもない。
【0045】次に、本発明の振動式圧縮機の第2の実施
例について、図面を参照しながら説明する。尚、第1の
実施例と同一構成については、同一符号を付して詳細な
説明は省略する。
【0046】図2は本発明の第2の実施例による振動式
圧縮機の縦断面図である。図2において、13はピスト
ン5の外周部5aに設けられた給油溝である。給油溝1
3としては、環状溝のようなものが望ましい。
【0047】以上のように構成された振動式圧縮機にお
いて、以下その動作を説明する。ピストン5とシリンダ
4間の摺動部は、圧縮室10内の圧力と密閉ケーシング
1内圧力の中間圧力であるため、高圧室7bの下部に溜
まった潤滑油は、高圧室7b内の高圧圧力とピストン5
とシリンダ4間の摺動部の中間圧力との圧力差により、
連通路12を介してピストン5とシリンダ4間の摺動部
に導かれる。
【0048】そして、ピストン5とシリンダ4間の摺動
部に導かれた潤滑油は、給油溝13を介して、ピストン
5の外周部5a全周に供給されるため、ピストン5とシ
リンダ4間の摺動部全域にわたって潤滑、シールするこ
とができる。
【0049】そのため、運転圧力条件等の変化によりス
トロークが小さくなり、密閉ケーシング1内の飛散した
潤滑油によるピストン5とシリンダ4間等の摺動部への
給油量が減少しても、一旦圧縮室10に供給された潤滑
油の一部を再びピストン5とシリンダ4間の摺動部に導
き、給油溝13により摺動部全域にわたって供給するこ
とができるため、少量の潤滑油で確実に潤滑、シールす
ることができるとともに、局部的な摺動部の摩耗を防止
することができる。
【0050】また、油戻りの悪い冷却システムに使用さ
れた時などにおいて、密閉ケーシング1の下部に溜めら
れた潤滑油9の油面が低下し、共振スプリング8による
密閉ケーシング1内の潤滑油の飛散量が減少しても、一
旦圧縮室10に供給された潤滑油の一部を再びピストン
5とシリンダ4間の摺動部に導き、給油溝13により摺
動部全域にわたって供給することができるため、少量の
潤滑油で確実に潤滑、シールすることができるととも
に、局部的な摺動部の摩耗を防止することができる。
【0051】さらに、ピストン5とシリンダ4間等の摺
動部全域にわたって十分な給油を行うとともに冷却を行
うことができ、摺動部の摩耗やシール性の低下、冷媒ガ
スの過熱を防止することができる。
【0052】以上のように本実施例の振動式圧縮機は、
ピストン5の外周部5aに設けられた給油溝13を備え
たものであるから、運転圧力条件等の変化によりストロ
ークが小さくなり、密閉ケーシング1内の飛散した潤滑
油によるピストン5とシリンダ4間等の摺動部への給油
量が減少しても、一旦圧縮室10に供給された潤滑油の
一部を再びピストン5とシリンダ4間の摺動部に導き、
給油溝13により摺動部全域にわたって供給することが
できるため、少量の潤滑油で潤滑、シールすることがで
きるとともに、局部的な摺動部の摩耗を防止することが
できる。
【0053】また、油戻りの悪い冷却システムに使用さ
れた時などにおいて、密閉ケーシング1の下部に溜めら
れた潤滑油9の油面が低下し、共振スプリング8による
密閉ケーシング1内の潤滑油の飛散量が減少しても、一
旦圧縮室10に供給された潤滑油の一部を再びピストン
5とシリンダ4間の摺動部に導き、給油溝13により摺
動部全域にわたって供給することができるため、少量の
潤滑油で潤滑、シールすることができるとともに、局部
的な摺動部の摩耗を防止することができる。
【0054】さらに、ピストン5とシリンダ4間等の摺
動部全域にわたって十分な給油を行うとともに冷却を行
うことができ、摺動部の摩耗やシール性の低下、冷媒ガ
スの過熱を防止することができる。
【0055】尚、本実施例では、給油溝13はピストン
5の外周部5aに設けているが、シリンダ4の内周部4
a(特に連通路12の開口部近傍)に設けても同様の効
果が得られることは言うまでもない。
【0056】次に、本発明による振動式圧縮機の第3の
実施例について、図面を参照しながら説明する。尚、従
来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明
を省略する。
【0057】図3は本発明の第3の実施例による振動式
圧縮機の縦断面図であり、図4、図5は要部矢視図であ
る。図6は他の実施例による振動式圧縮機の要部矢視図
である。
【0058】まず、図4、図5を参照しながら説明す
る。図4、図5において、14、15、16、17、1
8、19、20、21はピストン5の外周部5aに設け
られたダイヤ状の溝である。
【0059】以上のように構成された振動式圧縮機にお
いて、以下その動作を説明する。圧縮機が運転され、ピ
ストン5が軸方向に往復運動すると、シリンダ4の内周
部4aとピストン5の外周部5a間の摺動部に相対速度
が発生する。この摺動部には、常に潤滑油が供給されて
潤滑、シールしており、ダイヤ状の溝14、15、1
6、17、18、19、20、21内にも潤滑油が存在
している。
【0060】ピストン5がシリンダヘッド7側、即ち端
面5b側に動く時には、ダイヤ状の溝14、15、16
内の潤滑油は封止部14b、15b、16bに導かれ、
クサビ効果により潤滑油の圧力が上昇する。同様に、ダ
イヤ状の溝17、18、19、20、21においても、
潤滑油の圧力が上昇する。
【0061】また、ピストン5が反シリンダヘッド7側
に動く時には、ダイヤ状の溝14、15、16内の潤滑
油は封止部14a、15a、16aに導かれ、同様にク
サビ効果により潤滑油の圧力が上昇する。ダイヤ状の溝
17、18、19、20、21においても同様である。
【0062】従って、ピストン5が軸方向に往復運動し
ている間、その方向を問わず常にピストン外周部5aの
ダイヤ状の溝14、15、16、17、18、19、2
0、21において、潤滑油の圧力が上昇する。
【0063】そして、例えばピストン外周部5aのダイ
ヤ状の溝18とシリンダ4の内周部4a間の隙間(A)
が何らかの要因で小さくなり、円周方向の反対側のダイ
ヤ状の溝14の隙間(B)が大きくなると、隙間が小さ
いほど潤滑油の圧力上昇は大きいため、ダイヤ状の溝1
8での潤滑油の圧力よりもダイヤ状の溝14での潤滑油
の圧力が高くなる。
【0064】その圧力差のために、ピストン5はダイヤ
状の溝14部がシリンダ内周部4a側に動かされ、ダイ
ヤ状の溝18での潤滑油の圧力とダイヤ状の溝14での
潤滑油の圧力がバランスする位置、即ち隙間Aと隙間B
が等しい位置に保持される。その他のダイヤ状の溝につ
いても同様であるため、ピストン5の外周部5aとシリ
ンダ4の内周部4a間の隙間を、円周方向全周にわたっ
てほぼ均一に保つことができる。
【0065】さらに、上述したピストン5とシリンダ4
の摺動部間の隙間を全周にわたってほぼ均一に自動保持
する機能により、ピストン5とシリンダ4の摺動部間の
隙間を、部品加工精度を考慮した最小限にとどめること
ができる。
【0066】従って、ピストン5とシリンダ4間の局部
的な摺動による、機械損失の増大や局部的な摩耗を防止
することができ信頼性が向上すると共に、ピストン5と
シリンダ4間の摺動部における漏れを低減でき、圧縮機
の体積効率の向上を図ることができる。
【0067】次にその他の実施例について、図6を参照
しながら説明する。図6において、22、23はピスト
ン5の外周部5aに設けられ、反モーター3側に向かっ
て断面積が減少する動圧溝である。24、25はピスト
ン5の外周部5aに設けられ、モーター3側に向かって
断面積が減少する動圧溝である。
【0068】ピストン5がシリンダヘッド7側、即ち端
面5b側に動く時には動圧溝24、25内の潤滑油は封
止部24b、25bに導かれ、クサビ効果により潤滑油
の圧力が上昇する。また、ピストン5が反シリンダヘッ
ド7側に動く時には動圧溝22、23内の潤滑油は封止
部22a、23aに導かれ、同様にクサビ効果により潤
滑油の圧力が上昇する。
【0069】従って、ピストン5が軸方向に往復運動し
ている間、その方向を問わず常にピストン外周部5aの
動圧溝22、23、24、25において、潤滑油の圧力
が上昇している。
【0070】その潤滑油の圧力バランスにより、図4、
図5の実施例と同様に、ピストン5の外周部5aとシリ
ンダ4の内周部4a間の隙間を、円周方向全周にわたっ
てほぼ均一に保つことができ、ピストン5とシリンダ4
の摺動部間の隙間を、部品加工精度を考慮した最小限に
とどめることができる。
【0071】従って、ピストン5とシリンダ4間の局部
的な摺動による、機械損失の増大や局部的な摩耗を防止
することができ信頼性が向上すると共に、ピストン5と
シリンダ4間の摺動部における漏れを低減でき、圧縮機
の体積効率の向上を図ることができる。
【0072】以上のように本実施例の振動式圧縮機は、
密閉ケーシング1と、密閉ケーシング1内に収納された
シリンダ4、軸受6と、固定子3aと可動子3bとから
構成されるモーター3と、シリンダ4内と軸受6内に嵌
められ、モーター3の可動子3bが固定されたピストン
5と、一端がモーター3の可動子3bに固定され、他端
が軸受6に固定された共振スプリング8と、ピストン5
の外周部5aに設けられたダイヤ状の溝14〜21、ピ
ストン外周部5aに設けられ反モーター3側に向かって
断面積が減少する動圧溝22、23、ピストン外周部に
設けられモーター3側に向かって断面積が減少する動圧
溝24、25の少なくともいずれかを備えたものである
から、ピストン5の外周部5aとシリンダ4の内周部4
a間の隙間を、円周方向全周にわたってほぼ均一に保つ
ことができるため、ピストン5とシリンダ4間の局部的
な摺動による、機械損失の増大や局部的な摩耗を防止す
ることができ、信頼性が向上する。
【0073】さらにピストン5とシリンダ4の摺動部間
の隙間を全周にわたってほぼ均一に自動保持する機能を
備えているため、ピストン5とシリンダ4の摺動部間の
隙間を、部品加工精度を考慮した最小限にとどめること
ができるため、ピストン5とシリンダ4間の摺動部にお
ける漏れを低減でき、圧縮機の体積効率の向上を図るこ
とができる。
【0074】尚、本実施例では、ダイヤ状の溝14、1
5、16、17、18、19、2021及び動圧溝2
2、23、24、25はピストン5の外周部5aに設け
ているが、シリンダ4の内周部4aに設けても同様の効
果が得られることは言うまでもない。
【0075】また、本実施例では、動圧溝22〜25は
軸方向の深さは一定で、軸方向に溝幅を変えることによ
り溝の断面積を変えているが、軸方向の溝幅が一定で、
軸方向に溝深さを変えたものであっても同様の効果が得
られることは言うまでもない。
【0076】また、本実施例では、共振スプリング8
が、モーター3の可動子3bと軸受6に固定されている
が、ピストン5やシリンダ4に固定されたものであって
も同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0077】次に、本発明による振動式圧縮機の第4の
実施例について、図面を参照しながら説明する。尚、従
来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明
を省略する。
【0078】図7は本発明の第4の実施例による振動式
圧縮機の縦断面図である。図7において、26はシリン
ダ、27は軸受であり、ピストン5が軸方向に可動可能
なように嵌められている。28はモーターであり、28
aはモーター28の固定子である。30は背圧室であ
り、シリンダ26、軸受27、モーター28の固定子2
8aとから形成され、下部に潤滑油31が溜められてい
る。
【0079】以上のように構成された振動式圧縮機にお
いて、以下その動作を説明する。ピストン5が軸方向の
往復運動を繰り返し、冷却システム(図示せず)から一
旦密閉ケーシング1内に導かれた後、圧縮室10内に至
った冷媒ガスを圧縮する。圧縮された冷媒ガス(高圧圧
力)は、シリンダヘッド7内に配設されている吐出弁
(図示せず)を介して一旦シリンダヘッド7内の高圧室
7bに吐出された後、吐出管11を介して冷却システム
に吐出される。
【0080】この圧縮室10における冷媒ガスの圧縮時
において、ピストン5とシリンダ26間の摺動部の隙間
を介して、圧縮された冷媒ガスの一部が背圧室30内に
漏れ、背圧室30内の圧力は圧縮室10内の圧力より低
いものの、密閉ケーシング1内の圧力(低圧圧力)より
は高くなる。
【0081】従って、背圧室30内の圧力は高圧圧力と
低圧圧力の中間圧力となる。この背圧室30内の基本的
な中間圧力は、ピストン5とシリンダ26間の隙間量の
設計により変えることが可能である。
【0082】まず、圧縮機の運転圧力条件等が変化し、
高圧圧力が上昇した際について説明する。高圧圧力が上
昇すると、ピストン5の端部5aに作用するモーター2
8側へのガス圧荷重が増大し、ピストン5のストローク
の中心が反圧縮室10側へ移動する。そのため、ストロ
ークが一定のままでは、ピストン5は上死点まで到達せ
ず、冷媒ガスの昇圧不足及び再膨張容積の増大が発生す
る。
【0083】しかし、高圧圧力の上昇に伴って、より高
い圧力の冷媒がより多く背圧室30内に漏れ込むため、
背圧室30内の中間圧力も上昇する。そのため、背圧室
30内の圧力上昇により、ピストン5の端部5bに作用
する圧縮室10側へのガス圧荷重が増大し、ピストン5
のストローク中心が圧縮室10側へ移動する。
【0084】従って、圧縮機の運転条件が変化し高圧圧
力が上昇しても、ピストン5は常に上死点に到達し、冷
媒ガスの昇圧不足及び再膨張容積の増大を防止すること
ができる。この時、ピストン5のストローク量はあまり
変化しない。
【0085】尚、高圧圧力が上昇し、ピストン5のスト
ロークの中心が反圧縮室10側へ移動した際に、電気的
操作、例えばモーター電圧の増大等により、ストローク
量をアップさせ、ピストン5の端部5aを上死点まで到
達させることも可能であるが、モータ電圧の制御等のた
めの制御回路によるコストアップはもとより、モータ電
圧増大等に伴う圧縮機入力の増大により、圧縮機の効率
は低下してしまう。
【0086】次に、圧縮機の運転圧力条件等が変化し、
高圧圧力が低下した際について説明する。高圧圧力が低
下すると、ピストン5の端部5aに作用するモーター2
8側へのガス圧荷重が減少し、ピストン5のストローク
の中心が圧縮室10側へ移動する。そのため、ストロー
クが一定のままでは、ピストン5はシリンダヘッド7に
衝突しそうになる。
【0087】しかし、高圧圧力の低下に伴って背圧室3
0内の中間圧力も低下するため、ピストン5の端部5b
に作用する圧縮室10側へのガス圧荷重が減少し、ピス
トン5のストローク中心が反圧縮室10側へ移動する。
【0088】従って、圧縮機の運転条件が変化し高圧圧
力が低下しても、ピストン5がシリンダヘッド7に衝突
することを防止し、ピストン5やシリンダヘッド7の損
傷を防止できると共に、衝突による騒音の発生も防止す
ることができる。この時、ピストン5のストローク量は
あまり変化しない。
【0089】尚、高圧圧力が低下し、ピストン5のスト
ロークの中心が圧縮室10側へ移動した際に、電気的操
作、例えばモーター電圧の低下等により、ストローク量
を減少させ、ピストン5の端部5aがシリンダヘッド7
に衝突することを防止することも可能であるが、制御回
路等を必要とするコストの高いものとなってしまう。
【0090】次に、摺動部の給油について述べる。背圧
室30内に潤滑油31を溜め、共振スプリング8の下部
を潤滑油31中に浸すことにより、ピストン5の軸方向
の往復運動とともに伸縮した際に潤滑油31をかく拌
し、背圧室30内に潤滑油31が飛散する。
【0091】この飛散した潤滑油により、シリンダ26
とピストン5間の摺動部や、軸受27とピストン5間の
摺動部に十分な給油を行うとともに冷却を行うことがで
き、摺動部の摩耗やシール性の低下、冷媒ガスの過熱を
防止することができる。
【0092】また、潤滑油を用いない圧縮機であれば、
上述したような給油機構は一切不要であり、単にピスト
ン5の端部5b側に背圧室30を形成すれば、同様の効
果が得られることは言うまでもない。
【0093】以上のように本実施例の振動式圧縮機は、
密閉ケーシング1と、密閉ケーシング1内に収納された
シリンダ26、軸受27と、固定子28aと可動子28
bとから構成されるモーター28と、シリンダ26内と
軸受27内に嵌められ、モーター28の可動子28bが
固定されたピストン5と、一端がモーター28の可動子
28bに固定され、他端が軸受27に固定された共振ス
プリング8と、シリンダ26、軸受27、モーター28
の固定子28aで囲まれた背圧室30を備えたものであ
るから、圧縮機の運転圧力条件等が変化し高圧圧力が上
昇すると、それに伴って背圧室30内の圧力も上昇する
ため、ピストン5は常に上死点に到達し、冷媒ガスの昇
圧不足及び再膨張容積の増大を防止することができる。
この時、ピストン5のストローク量はあまり変化しな
い。
【0094】また、圧縮機の運転圧力条件等が変化し高
圧圧力が低下すると、それに伴って背圧室30内の中間
圧力も低下するため、ピストン5がシリンダヘッド7に
衝突することを防止し、ピストン5やシリンダヘッド7
の損傷を防止できると共に、衝突による騒音の発生も防
止することができる。
【0095】尚、本実施例では、背圧室30がシリンダ
26、軸受27、モーター28の固定子28aで形成さ
れているが、例えば板バネの様な共振スプリング8、シ
リンダ26、軸受27、モーター28の固定子28aの
いずれかにより形成されていれば同様の効果が得られる
ことは言うまでもない。
【0096】また本実施例では、背圧室30内の潤滑油
31を共振スプリング8にて飛散させているが、ピスト
ン5、可動子28b等の背圧室30内で可動するもので
あれば同様の効果が得られることは言うまでもなく、他
の給油方式であっても同様の効果が得られることは言う
までもない。また、潤滑油を用いない圧縮機であれば、
給油機構は一切不要である。
【0097】また、本実施例では、共振スプリング8
が、モーター28の可動子28bと軸受27に固定され
ているが、ピストン5やシリンダ26に固定されたもの
であっても同様の効果が得られることは言うまでもな
い。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、密閉ケー
シングと、密閉ケーシング内に収納されたシリンダ、軸
受と、固定子と可動子とから構成されるモーターと、シ
リンダ内と軸受内に嵌められ、モーターの可動子が固定
されたピストンと、一端がモーターの可動子またはピス
トンのいずれかに固定され、他端がシリンダまたは軸受
のいずれかに固定された共振スプリングと、一端がシリ
ンダに固定されたシリンダヘッドの高圧室下部または密
閉ケーシング内に配設された油分離機構内に開口し、他
端がシリンダ内周部に開口した連通路を備えたものであ
るから、圧縮機の運転圧力条件等の変化によりストロー
クが小さくなり、密閉ケーシング内の飛散した潤滑油に
よるピストンとシリンダ間等の摺動部への給油量が減少
しても、一旦圧縮室に供給された潤滑油の一部を再びピ
ストンとシリンダ間の摺動部に導くことにより、少量の
潤滑油で潤滑、シールすることができ、摺動部の摩耗も
防止できる。
【0099】また、油戻りの悪い冷却システムに使用さ
れた時などにおいて、密閉ケーシングの下部に溜められ
た潤滑油の油面が低下し、共振スプリングによる密閉ケ
ーシング内の潤滑油の飛散量が減少しても、一旦圧縮室
に供給された潤滑油の一部を、再びピストンとシリンダ
間の摺動部に導くことにより、少量の潤滑油量でピスト
ンとシリンダ間の摺動部を潤滑、シールすることがで
き、摺動部の摩耗も防止できる。
【0100】さらに、ピストンとシリンダ間等の摺動部
に十分な給油を行うとともに冷却を行うことができ、摺
動部の摩耗やシール性の低下、冷媒ガスの過熱を防止す
ることができる。
【0101】また、ピストンの外周部またはシリンダ内
周部の連通路開口部近傍のいずれかに設けられた給油溝
を備えたものであるから、運転圧力条件等の変化により
ストロークが小さくなり、密閉ケーシング内の飛散した
潤滑油によるピストンとシリンダ間等の摺動部への給油
量が減少しても、一旦圧縮室に供給された潤滑油の一部
を再びピストンとシリンダ間の摺動部に導き、給油溝に
より摺動部全域にわたって供給することができるため、
少量の潤滑油で確実に潤滑、シールすることができると
ともに、局部的な摺動部の摩耗を防止することができ
る。
【0102】また、油戻りの悪い冷却システムに使用さ
れた時などにおいて、潤滑油の油面が低下し、共振スプ
リングによる密閉ケーシング内の潤滑油の飛散量が減少
しても、ピストンとシリンダ間の摺動部全域にわたっ
て、給油溝により給油することができるため、少量の潤
滑油で確実に潤滑、シールすることができるとともに、
局部的な摺動部の摩耗を防止することができる。
【0103】また、密閉ケーシングと、密閉ケーシング
内に収納されたシリンダ、軸受と、固定子と可動子とか
ら構成されるモーターと、シリンダ内と軸受内に嵌めら
れ、モーターの可動子が固定されたピストンと、一端が
モーターの可動子またはピストンのいずれかに固定さ
れ、他端がシリンダまたは軸受のいずれかに固定された
共振スプリングと、ピストンの外周部またはシリンダ内
周部に設けられたダイヤ状の溝、ピストンの外周部また
はシリンダ内周部に設けられ反モーター側に向かって断
面積が減少する動圧溝、ピストンの外周部またはシリン
ダ内周部に設けられモーター側に向かって断面積が減少
する動圧溝の少なくともいずれかを備えたものであるか
ら、ピストン外周部とシリンダ内周部間の隙間を、円周
方向全周にわたってほぼ均一に保つことができるため、
ピストンとシリンダ間の局部的な摺動による、機械損失
の増大や局部的な摩耗を防止することができ信頼性が向
上する。
【0104】さらに、ピストンとシリンダの摺動部間の
隙間を全周にわたってほぼ均一に自動保持する機能によ
り、ピストンとシリンダの摺動部間の隙間を、部品加工
精度を考慮した最小限にとどめることができるため、ピ
ストンとシリンダ間の摺動部における漏れを低減でき、
圧縮機の体積効率の向上を図ることができる。
【0105】また、密閉ケーシングと、密閉ケーシング
内に収納されたシリンダ、軸受と、固定子と可動子とか
ら構成されるモーターと、シリンダ内と軸受内に嵌めら
れ、モーターの可動子が固定されたピストンと、一端が
モーターの可動子またはピストンのいずれかに固定さ
れ、他端がシリンダまたは軸受のいずれかに固定された
共振スプリングと、共振スプリング、シリンダ、軸受、
モーターの固定子のいずれかで囲まれた背圧室を備えた
ものであるから、圧縮機の運転圧力条件等が変化し高圧
圧力が上昇すると、それに伴って背圧室内の圧力が上昇
するため、ピストンは常に上死点に到達し、冷媒ガスの
昇圧不足及び再膨張容積の増大を防止することができ
る。
【0106】また、圧縮機の運転圧力条件等が変化し高
圧圧力が低下すると、それに伴って背圧室内の中間圧力
も低下するため、ピストンがシリンダヘッドに衝突する
ことを防止し、ピストンやシリンダヘッドの損傷を防止
できると共に、衝突による騒音の発生も防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施例を示す振動式式圧縮
機の縦断面図
【図2】本発明による第2の実施例を示す振動式式圧縮
機の縦断面図
【図3】本発明による第3の実施例を示す振動式式圧縮
機の縦断面図
【図4】同実施例の要部矢視図
【図5】同実施例の要部断面図
【図6】他の実施例の要部矢視図
【図7】本発明による第4の実施例を示す振動式式圧縮
機の縦断面図
【図8】従来の振動式圧縮機の縦断面図
【符号の説明】
1 密閉ケーシング 3 モーター 3a 固定子 3b 可動子 4 シリンダ 4a シリンダ内周部 5 ピストン 5a ピストン外周部 6 軸受 7 シリンダヘッド 7b 高圧室 8 共振スプリング 12 連通路 13 給油溝 14〜21 ダイヤ状の溝 22〜25 動圧溝 26 シリンダ 27 軸受 28 モーター 28a 固定子 28b 可動子 30 背圧室

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉ケーシングと、前記密閉ケーシング
    内に収納されたシリンダと、軸受と、固定子と可動子と
    から構成されるモーターと、前記シリンダ内と前記軸受
    内に嵌められ、前記モーターの可動子が固定されたピス
    トンと、一端が前記モーターの可動子または前記ピスト
    ンのいずれかに固定され、他端が前記シリンダまたは前
    記軸受のいずれかに固定された共振スプリングと、一端
    が前記シリンダに固定されたシリンダヘッドの高圧室下
    部または前記密閉ケーシング内に配設された油分離機構
    内に開口し、他端が前記シリンダ内周部に開口した連通
    路とからなる振動式圧縮機。
  2. 【請求項2】 ピストンの外周部またはシリンダ内周部
    の連通路開口部近傍のいずれかに給油溝を設けてなる請
    求項1記載の振動式圧縮機。
  3. 【請求項3】 密閉ケーシングと、前記密閉ケーシング
    内に収納されたシリンダ、軸受と、固定子と可動子とか
    ら構成されるモーターと、前記シリンダ内と前記軸受内
    に嵌められ、前記モーターの可動子が固定されたピスト
    ンと、一端が前記モーターの可動子または前記ピストン
    のいずれかに固定され、他端が前記シリンダまたは前記
    軸受のいずれかに固定された共振スプリングと、前記ピ
    ストンの外周部または前記シリンダ内周部に設けられた
    ダイヤ状の溝とからなる振動式圧縮機。
  4. 【請求項4】 密閉ケーシングと、前記密閉ケーシング
    内に収納されたシリンダ、軸受と、固定子と可動子とか
    ら構成されるモーターと、前記シリンダ内と前記軸受内
    に嵌められ、前記モーターの可動子が固定されたピスト
    ンと、一端が前記モーターの可動子または前記ピストン
    のいずれかに固定され、他端が前記シリンダまたは前記
    軸受のいずれかに固定された共振スプリングと、前記ピ
    ストンの外周部または前記シリンダ内周部に設けられ、
    反モーター側に向かって断面積が減少する動圧溝とから
    なる振動式圧縮機。
  5. 【請求項5】 密閉ケーシングと、前記密閉ケーシング
    内に収納されたシリンダ、軸受と、固定子と可動子とか
    ら構成されるモーターと、前記シリンダ内と前記軸受内
    に嵌められ、前記モーターの可動子が固定されたピスト
    ンと、一端が前記モーターの可動子または前記ピストン
    のいずれかに固定され、他端が前記シリンダまたは前記
    軸受のいずれかに固定された共振スプリングと、モータ
    ー側に向かって断面積が減少する動圧溝とからなる振動
    式圧縮機。
  6. 【請求項6】 密閉ケーシングと、前記密閉ケーシング
    内に収納されたシリンダと、軸受と、固定子と可動子と
    から構成されるモーターと、前記シリンダ内と前記軸受
    内に嵌められ、前記モーターの可動子が固定されたピス
    トンと、一端が前記モーターの可動子または前記ピスト
    ンのいずれかに固定され、他端が前記シリンダまたは前
    記軸受のいずれかに固定された共振スプリングと、前記
    共振スプリング、前記シリンダ、前記軸受、前記モータ
    ーの固定子のいずれかで囲まれた背圧室とからなる振動
    式圧縮機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5028650A (en) * 1988-01-27 1991-07-02 W. R. Grace & Co.-Conn. Boron nitride sheets
CN113090734A (zh) * 2021-03-29 2021-07-09 中科新松有限公司 组合型活塞、谐波减速机及防止谐波减速机漏油的方法

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