JPH0987584A - 耐熱非粘着性塗料 - Google Patents

耐熱非粘着性塗料

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JPH0987584A
JPH0987584A JP27186595A JP27186595A JPH0987584A JP H0987584 A JPH0987584 A JP H0987584A JP 27186595 A JP27186595 A JP 27186595A JP 27186595 A JP27186595 A JP 27186595A JP H0987584 A JPH0987584 A JP H0987584A
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JP
Japan
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polyamic acid
bis
acid
heat
aminophenyl
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JP27186595A
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English (en)
Inventor
Toru Tomonaga
透 朝長
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Kyocera Chemical Corp
Original Assignee
Toshiba Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、(A)テトラカルボン酸無水物と
ジアミンを反応させたポリアミック酸、該ポリアミック
酸のカルボン酸と塩結合をさせる(B)トリエチルアミ
ンなど三級アミノ基を有する化合物、(C)弗素樹脂粉
末のディスパージョンおよび(D)無機充填剤を必須成
分としてなることを特徴とする耐熱非粘着性塗料であ
る。 【効果】 本発明の本発明の非粘着性塗料は、耐熱性、
密着性に優れ、粗面化処理工程やプライマー処理工程を
削減でき、生産性の向上、原価の低減に寄与した信頼性
の高いものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摺動部あるいは表面の
処理に用いる、特に耐熱性、密着性に優れた耐熱非粘着
性塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の弗素樹脂の利用範囲は拡大の一途
を辿っており、工業製品の摺動部などから家庭用品まで
一般化している。家庭用品においては、フライパン、電
熱調理器の表面処理、炊飯ジャーやポット等の内面処理
等、用途は多岐にわたっており、その処理表面の耐熱
性、下地との密着性等の表面処理塗料の特性が、各々の
製品の優劣の決めてになるようになってきている。
【0003】これらに使用される表面処理塗料には、下
地にプライマーコートを必要とするタイプと、プライマ
ーコートを必要としないタイプとがあり、耐熱レベル、
密着性レベルにより使用用途を棲み分けしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、プライマー
コートを使用するダブルコートタイプは、ある程度の耐
熱と塗膜の密着性を有しているが、プライマー塗布の工
程が入るため、あまり生産性は高くなく、また、プライ
マーコートのいらないシングルコートタイプは、生産性
は高いものの塗膜の密着性、耐熱性の点においてダブル
コートタイプに比べて劣るという欠点があり、両者は、
一長一短がある。また、どちらのタイプを使用する場合
でも、塗膜の密着性を上げるためには、基材の表面をブ
ラスト工程等により粗面化処理を行わなければならなか
った。さらに、特性に関しても、高耐熱化、高密着性化
の要求が強くなってきており、従来はこれらの要望に応
えるものがなかった。
【0005】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、耐熱性、密着性に優れ、生産性が高く原価低減に
寄与した信頼性の高い耐熱非粘着性塗料を提供しようと
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、後述する組成の
塗料が、上記目的を達成できることを見いだし、本発明
を完成したものである。
【0007】即ち、本発明は、 (A)次の一般式で示される繰返し単位を有するポリア
ミック酸、
【0008】
【化2】 (但し、式中、R1 は 4価の有機酸の残基を、R2 は 2
価のジアミンの残基を、n は1 以上の整数をそれぞれ表
す) (B)三級アミノ基を有する化合物 (C)弗素樹脂粉末のディスパージョンおよび (D)無機充填剤を必須成分としてなることを特徴とす
る耐熱非粘着性塗料である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明に用いる(A)ポリアミック酸は、
酸成分とジアミン成分との縮合反応によって得られるも
のである。R1 は酸成分の残基であり、R2 はジアミン
成分の残基である。ここで用いる酸成分としては、具体
的な化合物として、例えば、ピロメリット酸、1,2,3,4-
ベンゼンテトラカルボン酸、1,2,3,4-シクロブタンテト
ラカルボン酸、1,2,4,5-シクロペンタンテトラカルボン
酸、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸、 3,
3′,4,4′−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸、2,3,5
-トリカルボキシシクロペンチル酢酸、3,4-ジカルボキ
シ-1,2,3,4- テトラヒドロナフタレン-1- コハク酸、
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3′,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸、 3,3′,4,4′−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸、 2,3,3′,4′−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸、 3,3′,4,4′−ビフェニル
エーテルテトラカルボン酸(4,4 ′- オキシジフタル
酸)、 2,3,3′,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボ
ン酸、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン、
ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(2,3-
ジカルボキシフェニル)メタン、1,1-ビス(2,3-ジカル
ボキシフェニル)エタン、 2,2−ビス(3,4-ジカルボキ
シフェニル)ヘキサフルオロプロパン、 3,3′,4,4′−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、 2,3,3′,4′−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,3,6,7-ナフタ
レンテトラカルボン酸、1,4,5,8-ナフタレンテトラカル
ボン酸、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸、 3,4,
9,10-テトラカルボキシペリレン、2,2-ビス[4-(3,4-
ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビ
ス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキ
サフルオロプロパン等の無水物又はその低級アルキルエ
ステル等が挙げられ、これらは単独又は混合して使用す
ることができる。
【0011】また、ジアミン成分としては、具体的な化
合物としては、例えば、 4,4′−ジアミノジフェニルメ
タン、 3,3′−ジメチル-4,4′−ジアミノジフェニルメ
タン、 3,3′,5,5′−テトラメチル-4,4′−ジアミノジ
フェニルメタン、 3,3′,5,5′−テトラエチル-4,4′−
ジアミノジフェニルメタン、 3,3′−ジメチル-5,5′−
ジエチル-4,4′−ジアミノジフェニルメタン、 4,4′−
メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、 3,3′−ジメ
チル-4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、 3,3′
−ジメトキシ-4,4′−ジアミノジフェニルメタン、 3,
3′−ジエトキシ-4,4′−ジアミノジフェニルメタン、
ビス(3-アミノフェニル)エーテル、ビス(4-アミノフ
ェニル)エーテル、 3,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、 3,3′−ジエチル-4,4′−ジアミノジフェニルエー
テル、 3,3′−ジメトキシ-4,4′−ジアミノジフェニル
エーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]
エーテル、 3,3′−ジメチル-4,4′−ジアミノジフェニ
ルスルホン、 3,3′−ジエチル-4,4′−ジアミノジフェ
ニルスルホン、 3,3′−ジメトキシ-4,4′−ジアミノジ
フェニルスルホン、 3,3′−ジエトキシ-4,4′−ジアミ
ノジフェニルスルホン、 3,3′−ジメチル-4,4′−ジア
ミノジフェニルプロパン、 3,3′−ジエチル-4,4′−ジ
アミノジフェニルプロパン、 3,3′−ジメトキシ-4,4′
−ジアミノジフェニルプロパン、 3,3′−ジエトキシ-
4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、2,2-ビス[4-(4
-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3-ビス(4
-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェ
ニル)プロパン、 4,4′−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、 3,3′−ジメチル-4,4′−ジアミノジフェニルスル
フィド、 3,3′−ジエチル-4,4′−ジアミノジフェニル
スルフィド、 3,3′−ジメトキシ-4,4′−ジアミノジフ
ェニルスルフィド、 3,3′−ジエトキシ-4,4′−ジアミ
ノジフェニルスルフィド、 2,2′−ジアミノジエチルス
ルフィド、 2,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、m-
フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、1,3-ビス
(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,2-ビス(4-アミノ
フェニル)エタン、1,1-ビス(4-アミノフェニル)エタ
ン、ビス(3-アミノフェニル)スルホン、ビス(4-アミ
ノフェニル)スルホン、o-トルイジンスルホン、ビス
[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス
[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、 4,
4′−ジアミノジベンジルスルホキシド、ビス(4-アミ
ノフェニル)ジエチルシラン、ビス(4-アミノフェニ
ル)ジフェニルシラン、ビス(4-アミノフェニル)エチ
ルホスフィンオキシド、ビス(4-アミノフェニル)フェ
ニルホスフィンオキシド、ビス(4-アミノフェニル)−
N−フェニルアミン、ビス(4-アミノフェニル)−N−
メチルアミン、1,2-ジアミノナフタレン、1,4-ジアミノ
ナフタレン、1,5-ジアミノナフタレン、1,6-ジアミノナ
フタレン、1,7-ジアミノナフタレン、1,8-ジアミノナフ
タレン、2,3-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタ
レン、1,4-ジアミノ-2−メチルナフタレン、1,5-ジアミ
ノ-2−メチルナフタレン、1,3-ジアミノ-2−フェニルナ
フタレン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、
4,4′−ジアミノビフェニル、 3,3′−ジアミノビフェ
ニル、3,3′−ジヒドロキシ-4,4′−ジアミノビフェニ
ル、 3,3′−ジクロロ-4,4′−ジアミノビフェニル、
3,3′−ジメチル-4,4′−ジアミノビフェニル、 3,4′
−ジメチル-4,4′−ジアミノビフェニル、 3,3′−ジメ
トキシ-4,4′−ジアミノビフェニル、 4,4′−ビス(4-
アミノフェノキシ)ビフェニル、2,4-ジアミノトルエ
ン、2,5-ジアミノトルエン、2,6-ジアミノトルエン、3,
5-ジアミノトルエン、1,3-ジアミノ−2,5-ジクロロベン
ゼン、1,4-ジアミノ−2,5-ジクロロベンゼン、1-メトキ
シ−2,4-ジアミノベンゼン、1,3-ジアミノ−4,6-ジメチ
ルベンゼン、1,4-ジアミノ-2,5- ジメチルベンゼン、1,
4-ジアミノ-2−メトキシ-5−メチルベンゼン、1,4-ジア
ミノ−2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、1,4-ビス(2-メ
トキシ-4−アミノペンチル)ベンゼン、1,4-ビス(1,1-
ジメチル-5−アミノペンチル)ベンゼン、1,4-ビス(4-
アミノフェノキシ)ベンゼン、3,5-ジアミノ安息香酸、
2,5-ジアミノ安息香酸、o-キシレンジアミン、m-キシレ
ンジアミン、p-キシレンジアミン、 9,10-ビス(4-アミ
ノフェニル)アントラセン、 3,3′−ジアミノベンゾフ
ェノン、 4,4′−ジアミノベンゾフェノン、2,6-ジアミ
ノピリジン、3,5-ジアミノピリジン、1,3-ジアミノアダ
マンタン、 3,3′−ジアミノ-1,1,1′−ジアダマンタ
ン、N−(3-アミノフェニル)-4−アミノベンズアミ
ド、 4,4′−ジアミノベンズアニリド、4-アミノフェニ
ル-3−アミノベンゾエート、2,2-ビス(4-アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-アミノフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、2-(3-アミノフェニ
ル)−2-(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘ
キサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(2-クロロ-4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、
1,1-ビス(4-アミノフェニル)-1−フェニル-2,2,2−ト
リフルオロエタン、1,1-ビス[4-(4-アミノフェノキ
シ)フェニル]−1-フェニル-2,2,2−トリフルオロエタ
ン、1,3-ビス(3-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン、1,3-ビス(3-アミノフェニル)デカフルオロプロ
パン、2,2-ビス(3-アミノ-4- ヒドロキシフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-アミノ-4- メチル
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(5-アミ
ノ-4- メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4-
ビス(3-アミノフェニル)ブタ−1-エン-3−イン、、1,
3-ビス(3-アミノプロピル)-1,1,3,3- テトラメチルジ
シロキサン、α,ω−ビス(3-アミノプロピル)ポリジ
メチルシロキサン等が挙げられ、これらは単独又は 2種
以上混合して使用することができる。
【0012】本発明に用いるポリアミック酸は、前述し
た酸成分と前述したジアミン成分とを反応させて得ら
れ、 0.5g /N−メチル-2−ピロリドン100 mlの濃度溶
液として、30℃における対数粘度が 0.2〜 4.0の範囲で
あり、より好ましくは 0.3〜 2.0の範囲である。ポリア
ミック酸は、ほぼ等モルの酸成分とジアミン成分とを有
機溶媒中で30℃以下、好ましくは20℃以下の反応温度下
に 3〜12時間、付加重合反応させて得られる。この重合
反応における有機溶媒として、例えばN,N−ジメチル
スルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル-2−ピ
ロリドン、ヘキサメチレンホスホアミド等が挙げられ、
これらは単独又は 2種以上混合して使用することができ
る。使用する酸成分とジアミン成分によっては、汎用の
有機溶剤可溶なポリアミック酸の合成も可能であり、こ
のような場合には、上記のようにして得られたポリアミ
ック酸を、水、メタノール等の貧溶剤へ投入し、ポリマ
ーを析出させた後、十分乾燥後所望の有機溶媒に溶解さ
せる操作を行い、本発明に用いるポリアミック酸とする
ことができる。
【0013】本発明に用いる(B)三級アミノ基を有す
る化合物としては、上述したポリアミック酸中のカルボ
ン酸と塩結合により、結合可能な三級アミノ基を有する
化合物で、低級アルキル三級アミン等が一般的に使用さ
れる。具体的な化合物として、例えば、トリエチルアミ
ン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニ
リン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジ
エチルエタノールアミン、N−メチルモルホリン、N−
エチルモルホリン等が挙げられ、これらは単独又は 2種
以上混合して使用することができる。これらの化合物の
配合割合は、前述のポリアミック酸中のカルボン酸モル
数に対して50〜120 モル%、好ましくは70〜100 モル%
をポリアミック酸に配合する。配合量が50モル%未満で
は、ポリアミック酸の水に対する溶解性が悪く、後述の
弗素樹脂のディスパージョンを混合する際、樹脂の析出
が起こり、塗料とならず好ましくない。120 モル%を超
えるとそれ以上混合しても効果がなく、逆に硬化後の塗
膜中に残り塗膜の強度が低下して好ましくない。混合方
法としては、ポリアミック酸合成後そのまま50〜100
℃、好ましくは60〜80℃に昇温し、攪拌しながら三級ア
ミノ基を有する化合物を滴下し、滴下終了後、1 〜8 時
間、温度を保持したまま攪拌を続けて混合する。
【0014】本発明に用いる(C)弗素樹脂粉末のディ
スパージョンとしては、四フッ化エチレン樹脂粉末、四
フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体粉末あるいは四フッ化エチレンプロピレン共重合
体粉末、ポリクロロトリフルオロエチレン等の弗素樹脂
が水或いは有機溶剤に懸濁分散しているディスパージョ
ンを使用する。具体的なものとして、例えば、ポリフロ
ンTFE D−1,D−2,D−2C,ネオフロンPF
A AD−2CR、ネオフロンFEP ND−1,ND
−2,ND−4,ND−4GY、ネオフロンCTFE
D−30P,D−55P,D−45S(ダイキン工業社
製、商品名)、テフロン30−J,120J、K20−
J(三井・デュポンフロロケミカル社製、商品名)、フ
ルオンAD1、AD639、AD2、AD5、AD66
0(旭アイシーアイフロロポリマーズ社製、商品名)等
が挙げられ、これらは単独又は 2種以上混合して使用す
ることができる。弗素樹脂粉末ディスパージョンの配合
割合は、樹脂固形分に対して 1〜200 重量%、好ましく
は10〜100 重量%含有するように配合することが望まし
い。この配合量が1 重量%未満では、非粘着特性が得ら
れず、また200 重量%を超えると塗膜の密着性、強度が
低下し好ましくない。
【0015】本発明に用いる(D)無機充填剤として
は、平均粒径100 μm 以下、好ましくは50μm 以下であ
るシリカ粉末、ガラスビーズ、金属粉末等を使用するこ
とができる。平均粒径が100 μm を超えると塗料中で沈
降が起こりやすくなり、また、塗膜の平滑性、密着性、
強度が低下し、好ましくない。具体的な無機充填剤とし
ては、クリスタライトA−1、5X、ヒューズレックス
FF、X(龍森社製、商品名)、アエロジル200、R
972(日本アエロジル社製、商品名)、グラスバブル
スS、グラスバブルスK、グラスバブルスB(住友スリ
ーエム社製、商品名)、Q−CEL(旭ガラス社製、商
品名)、ショウバルーンBS、ショウバルーンBSメタ
ライト(昭和電工社製、商品名)等を挙げることがで
き、これらは単独又は 2種以上混合して使用することが
できる。無機充填剤の配合割合は、樹脂固形分に対して
0.1 〜200 重量%、好ましくは0.1 〜100 重量%配合す
ることが望ましい。この配合割合が0.1 重量%未満では
非粘着特性が得られず、また200 重量%を超えると塗料
の粘度が増加し作業性の低下、また塗膜の密着性、強度
が低下し好ましくない。
【0016】本発明の耐熱非粘着性塗料は、上述したポ
リアミック酸、三級アミノ基を有する化合物、弗素樹脂
粉末のディスパージョンおよび無機充填剤を必須成分と
するが、本発明の目的に反しない限度においてまた、必
要に応じて、消泡剤、カップリング剤、分散剤やその他
を添加配合することができる。
【0017】本発明の耐熱非粘着性塗料は、上述した各
成分を配合して例えば三本ロールミル、ディスパース、
ボールミル等により混合処理を行い容易に製造すること
ができる。こうして製造した耐熱非粘着性塗料は、所定
の場所にスプレー、バーコーター、ロールコーター、ス
クリーン印刷等により塗布した後、80〜400 ℃好ましく
は多段ステップで、さらに好ましくは最終硬化温度は弗
素樹脂粉末の溶融する温度以上で、数分間から数時間オ
ーブンで加熱硬化させて使用する。
【0018】
【作用】本発明の耐熱非粘着性塗料は、カルボン酸二無
水物とジアミンより重縮合されるポリアミック酸に塩結
合を導入することにより、従来使用できなかった水系あ
るいは汎用有機溶剤系のディスパージョンを使用できる
ようになり、さらにそのポリアミック酸を樹脂バインダ
ーとして使用することにより、耐熱性を飛躍的に高め、
十分な基材との密着性をもたせ、かつ弗素樹脂粉末と無
機充填剤をフィラーとして併用することによって、非粘
着性、摺動特性を向上させることができたものである。
【0019】
【実施例】次に本発明を実施例によって説明するが、本
発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。
【0020】合成例1 攪拌機、冷却器および窒素導入管を設けたフラスコに乾
燥窒素を通してフラスコ内を置換した後、 4,4′−ジア
ミノジフェニルエーテル20.02gと、N−メチル−2-ピロ
リドン 148.3g を投入して溶解した。溶解後、この溶液
にピロメリット酸二無水物21.81gを粉体のまま、発熱に
注意しながら数回に分割して加えた。反応による発熱を
氷浴中で抑えながら攪拌を続けそのまま 8時間攪拌して
ポリアミック酸溶液(X)を調製した。このポリアミッ
ク酸溶液の一部を水とメタノール混合溶媒中に投入、再
沈殿させて白色のポリアミック酸の粉末を得た。この粉
末をN−メチル−2-ピロリドンで 0.5g /100 ml濃度と
なるように溶解し、30℃の対数粘度を測定したところ1.
61dl/g であった。このポリアミック酸溶液の入ったフ
ラスコをマントルヒーターで60℃に加熱して、攪拌を続
けながらトリエチルアミン20.24gを滴下し、滴下終了
後、4 時間攪拌してポリアミック酸溶液(A)を製造し
た。
【0021】合成例2 攪拌機、冷却器および窒素導入管を設けたフラスコに乾
燥窒素を通してフラスコ内を置換した後、 2,2−ビス
[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン41.05g
とN,N−ジメチルアセトアミド255.5gを加えて溶解し
た。溶解後、これに4,4 ′オキシジフタル酸二無水物3
1.02gを粉体のまま、発熱に注意しながら数回に分割し
て加えた。反応による発熱を氷浴中で抑えながら攪拌を
続けそのまま12時間攪拌してポリアミック酸溶液(Y)
を調製した。このポリアミック酸溶液の一部を水とメタ
ノール混合溶媒中に投入、再沈殿させて白色のポリアミ
ック酸の粉末を得た。この粉末をN−メチル−2-ピロリ
ドンで0.5g/100 ml濃度となるように溶解し、30℃の対
数粘度を測定したところ1.02dl/g であった。このポリ
アミック酸溶液の入ったフラスコをマントルヒーターで
60℃に加熱して、攪拌を続けながらN,N−ジメチルア
ニリン24.23gを滴下し、滴下終了後、8 時間攪拌してポ
リアミック酸溶液(B)を製造した。
【0022】合成例3 攪拌機、冷却器および窒素導入管を設けたフラスコに乾
燥窒素を通してフラスコ内を置換した後、 4,4′−ジア
ミノジフェニルメタン19.83gと、N−メチル-2−ピロリ
ドン 197.0g を加えて溶解した。この溶液に 3,3′,4,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.42gを粉
体のまま、発熱に注意しながら数回に分割して加えた。
反応による発熱を氷浴中で抑えながら攪拌を続けそのま
ま12時間攪拌してポリアミック酸溶液(Z)を調製し
た。このポリアミック酸溶液の一部を水とメタノール混
合溶液中に投入、再沈殿させてポリアミック酸の粉末を
得た。この粉末をN−メチル−2-ピロリドン 0.5g /10
0 ml濃度となるように溶解し、30℃の対数粘度を測定し
たところ 1.21 dl/g であった。このポリアミック酸溶
液の入ったフラスコをマントルヒーターで60℃に加熱し
て、攪拌を続けながらN−メチルモルホリン20.43gを滴
下し、滴下終了後、5 時間攪拌してポリアミック酸溶液
(C)を製造した。
【0023】実施例1 ポリアミック酸溶液(X)32.47 部に、N−メチル-2−
ピロリドン21.13 部、ブチルセロソルブ34.0g 、テフロ
ン30−J(三井・デュポンフロロケミカル社製、商品
名)11.69 部およびアエロジル200(日本アエロジル
社製、商品名)0.71部をホモジナイザーを用いて混練
し、非粘着性耐熱塗料を製造した。
【0024】実施例2 ポリアミック酸溶液(Y)21.64 部に、N−メチル-2−
ピロリドン23.34 部、ネオフロンFEP ND−1(ダ
イキン工業社製、商品名)9.52部およびショウバルーン
BS SF−14(昭和電工社製、商品名)0.5 部をホ
モジナイザーを用いて混練し、非粘着性耐熱塗料を製造
した。
【0025】実施例3 ポリアミック酸溶液(Z)23.80 部に、N−メチル-2−
ピロリドン22.78 部、ブチルセロソルブアセテート45.0
部、フルオンAD1(旭アイシーアイフロロポリマーズ
社製、商品名)7.94部およびグラスバブルズK46(住
友スリーエム社製、商品名)0.48部をホモジナイザーを
用いて混練し、非粘着性耐熱塗料を製造した。
【0026】比較例1 市販のシングルコートタイプ非粘着性塗料を入手した。
【0027】比較例2 市販のダブルコートタイプ非粘着性塗料を入手した。
【0028】実施例1〜3及び比較例1〜2で得た耐熱
非粘着性塗料を用いてアルミ基板上にスプレー塗布し、
熱風乾燥機を用いてそれぞれの条件により硬化してアル
ミ基板表面を処理した。これらの処理基板について塗膜
の密着性および吸湿後の密着性、耐熱性、非粘着性の試
験を行ったのでその結果を表1に示したが、いずれも本
発明が優れており、本発明の顕著な効果が認られた。
【0029】表1において基板前処理とは、基板表面の
粗面化処理のことであり、具体的には1000番のエメリー
紙によって基板表面を擦る粗面化を行った。耐熱性試験
は、塗料硬化物のTGA分析における5 %重量減少温度
を示した。非粘着性試験は、処理済みの基板を250 ℃の
ホットプレート上で熱し、そこに汎用の接着剤を滴下し
た後、基板をホットプレートから外し室温まで放冷した
後、接着剤のこびりつきを指触で確認した。
【0030】
【表1】 *1 :基板前処理後さらにプライマー塗布、硬化を行った。 *2 :80℃×10分+150 ℃×20分+350 ℃×1 時間。 *3 :100 ℃×10分+390 ℃×30分 *4 :100 個中の剥離した個数を示した。 *5 :吸湿処理条件85℃×85%×96hr *6 :○印…こびりつき無し、△印…こびりつき有り。
【0031】
【発明の効果】以上の説明および表1から明らかなよう
に、本発明の非粘着性塗料は、耐熱性、密着性に優れ、
粗面化処理工程やプライマー処理工程を削減でき、生産
性の向上、原価の低減に寄与した信頼性の高いものであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)次の一般式で示される繰返し単位
    を有するポリアミック酸、 【化1】 (但し、式中、R1 は 4価の有機酸の残基を、R2 は 2
    価のジアミンの残基を、n は1 以上の整数をそれぞれ表
    す) (B)三級アミノ基を有する化合物 (C)弗素樹脂粉末のディスパージョンおよび (D)無機充填剤を必須成分としてなることを特徴とす
    る耐熱非粘着性塗料。
JP27186595A 1995-09-26 1995-09-26 耐熱非粘着性塗料 Pending JPH0987584A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011184694A (ja) * 2003-07-31 2011-09-22 Solvay (Sa) 水性ポリマー組成物及びそれから製造される製品

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