JPH0987253A - 新規なピリミジン誘導体、及びそれを含有する液晶組成物並びに液晶素子 - Google Patents

新規なピリミジン誘導体、及びそれを含有する液晶組成物並びに液晶素子

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JPH0987253A
JPH0987253A JP7244497A JP24449795A JPH0987253A JP H0987253 A JPH0987253 A JP H0987253A JP 7244497 A JP7244497 A JP 7244497A JP 24449795 A JP24449795 A JP 24449795A JP H0987253 A JPH0987253 A JP H0987253A
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pyrimidine derivative
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Shinichi Nakamura
真一 中村
Takao Takiguchi
隆雄 滝口
Yoko Kosaka
容子 小坂
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルキル基の長さを変更することが容易であ
り、液晶状態において発現する液晶層の種類や温度範囲
を制御することが可能な、新規なピリミジン誘導体及び
それを含む液晶組成物、液晶素子を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I) 【外1】 (式中、Rは炭素原子数が1から16の直鎖状または分
岐状のアルキル基であり、nは1から10の整数であ
る)で示されるピリミジン誘導体及び該ピリミジン誘導
体を含む液晶組成物、液晶素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なピリミジン誘
導体、及びそれを含有する液晶組成物並びに液晶素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光学活性を有することを特徴とす
る種々の光学素子としては、以下に例示するように多く
のものが知られている。
【0003】1)液晶状態においてコレステリック・ネ
マチック相転移効果を利用するもの〔ジェイ ジェイ
ウイソキ、エイ アダムス、ダブリュ ハアース「フイ
ジックス レビュー レターズ」(J.J.Wysok
i,A.Adams andW.Haas;Phys.
Rev.Lett.)20,1024(1968)〕 2)液晶状態においてホワイト テイラー形ゲスト ホ
スト効果を利用するもの〔ディ エル ホワイト、ジー
エヌ テイラー「ジャーナル オブ アプライド フ
イジックス」(D.L.White and G.N.
Taylor;J.Appl Phys.),45,4
718(1974)〕 3)液晶状態においてカイラルスメクチックC相、H
相、F相、I相、G相、K相、J相の強誘電性効果を利
用するもの〔エヌ エイ クラーク、エス テーラガウ
エル「アプライド フイジックス レターズ」(N.
A.Clarkand S.T.Lagerwall;
Appl.Phys.Lett.),36,899(1
980)〕 4)液晶状態においてコレステリック相を持つものをマ
トリックス中へ固定することにより、その選択散乱特性
を利用し、ノッチフィルターやバンドバスフィルターと
して利用するもの〔エフ ジェイ カーン「アプライド
フイジックスレターズ」(F.J.Kahn;App
l.Phys.Lett),18,231(197
1)〕、円偏光特性を利用した円偏光ビームスプリッタ
ーとして利用するもの〔エス ディ ヤコブ「エス ピ
ー アイ イー」(S.D.Jacobs;SPI
E),37,98(1981)〕等、個々の方式につい
ての詳細な説明は省略するが、いずれも表示素子や変調
素子として重要である。
【0004】これらの光学素子を構成する機能性材料の
主要成分として、あるいは比較的少量ではあるが重要な
機能成分として光学活性化合物が使用される。たとえ
ば、H.Arnold,Z.Phys.Chem,22
6,146(1964)は上記した様な光学素子材料、
特に液晶材料に他の光学活性物質ないしは液晶性化合物
を添加することにより、液晶状態において発現する液晶
相の種類や温度範囲を制御することを開示する。また電
界応答により駆動される液晶材料に大きな双極子を持つ
化合物を導入して、より電界応答性の良好な液晶材料を
得ることも期待される。
【0005】しかしながら、従来知られている光学活性
物質は導入される基の長さの変更が容易でなく、液晶状
態の制御には不向きなものが多かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の事情に
鑑みてなされたものであり、その主要な課題は新規なピ
リミジン誘導体及びそれを含む液晶組成物、液晶素子を
提供するものである。また本発明はアルキル基の長さを
変更することが容易であり、このことよりH.Arno
ld,Z.Phys.Chem.,226,146(1
964)に示されるように液晶状態において発現する液
晶相の種類や温度範囲を制御することが可能な液晶性化
合物およびそれを少なくとも一種類配合成分として含有
する液晶組成物を提供することを目的とする。更に、本
発明は他の機能性中間体と結合して種々の誘導体を製造
することも利用され得る化合物を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は下記一般式
(I)
【0008】
【外4】 (式中、Rは炭素原子数が1から16の直鎖状または分
岐状のアルキル基である。nは1から10の整数であ
る。光学活性体でもよい)で示されるピリミジン誘導
体、及びそれを少なくとも1種含有する液晶組成物およ
び、該液晶組成物を1対の対向する電極および/または
配向膜を有してもよい基板間に配置してなる液晶素子を
提供するものである。
【0009】前記一般式(I)で示される化合物のうち
液晶素子における配向性および応答性の観点から光学活
性である化合物が好ましい。同様の観点から、Rは炭素
原子数が1から10の直鎖状のアルキル基であることが
好ましく、nは2であることがより好ましい。以下、本
発明を詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に前記一般式(I)で示され
る化合物の製造法の一例を示す。
【0011】まず、ヒドロキシカルボン酸エステルをフ
ッ素化し、フルオロカルボン酸エステルとした後、還元
し、フルオロアルコールを得る。それをトシル化し、ジ
エチルマロネートを作用させマロン酸誘導体とした後、
4−ベンジルオキシベンズアミジン塩酸塩と反応させ
る。その後、塩素化、接触還元を経て前記一般式(I)
で示されるピリミジン誘導体を製造する。
【0012】
【外5】 (TsClはp−トルエンスルホン酸クロリドを示し、
R及びnは前記一般式(I)に準ずる)。
【0013】次に一般式(I)で示されるピリミジン誘
導体の具体的な構造式を示す。
【0014】
【外6】
【0015】
【外7】
【0016】
【外8】
【0017】
【外9】
【0018】
【外10】
【0019】
【外11】
【0020】
【外12】 (但し、これらの化合物は光学活性体及びラセミ体の両
方を含む)
【0021】このようにして得られた前記一般式(I)
で示されるピリミジン誘導体は、光学素子を形成する機
能性材料を製造するための中間体として有用であるほ
か、各種光学活性物質を合成する中間体としても用いら
れる。更に、前記一般式(I)で示されるピリミジン誘
導体のうち光学活性な化合物を用い、その光学活性を失
わせることなく、他の機能性中間体と結合させ種々の誘
導体を製造することもできる。
【0022】次に、本発明の液晶組成物は、前記一般式
(I)で示されるピリミジン誘導体を、液晶性化合物に
配合することにより得ることができる。該ピリミジン誘
導体を液晶性化合物からなる液晶性組成物に添加するこ
とにより、組成物の高速応答性などの諸特性の改良がな
され、良好な表示特性が得られる。
【0023】例えば、前記一般式(I)で示されるピリ
ミジン誘導体のうち光学活性化合物は、ネマチック液晶
に添加することにより、TN型セルにおけるリバースド
メインの発生を防止することに有効である。この場合、
得られる液晶組成物の0.01〜50重量%、好ましく
は0.1〜30重量%の割合となるように一般式(I)
で示される光学活性化合物を添加することが望ましい。
【0024】またネマチック液晶もしくはカイラルネマ
チック液晶に添加することにより、カイラルネマチック
液晶として、相転移型液晶素子やホワイト・ティラー形
ゲスト・ホスト型液晶素子に液晶組成物として使用する
ことが可能である。この場合、得られる液晶組成物の
0.01〜80重量%の割合となるように一般式(I)
で示される光学活性化合物を用いることが望ましい。
【0025】また、それ自体で強誘電性のカイラルスメ
クチック液晶状態を呈する液晶組成物に、例えば得られ
る液晶組成物の0.01〜80重量%の割合となるよう
に一般式(I)の光学活性化合物を添加することによ
り、耐久性等の特性を改善することができる。更には、
スメクチック液晶に一般式(I)の光学活性化合物を添
加して、強誘電性カイラルスメクチック相を呈する液晶
組成物とすることもできる。この場合、得られる液晶組
成物の0.01〜80重量%の割合となるように一般式
(I)で示される光学活性化合物を添加することが好ま
しい。このように、カイラルスメクチック液晶やスメク
チック液晶に前記一般式(I)で示される光学活性化合
物を添加することにより、大きな自発分極を有するカイ
ラルスメクチック液晶組成物を得ることができる。また
このカイラルスメクチック液晶組成物を液晶素子に用い
ることにより応答時間を短くし、しきい値電圧を低くす
ることができる。
【0026】本発明で用いられる他の液晶性化合物は主
に次に示すa,bの役割を担う化合物である。 a.スメクチックC相またはカイラルスメクチックC相
を含む液晶相を、安定して有する液晶組成物の成分とな
る液晶性化合物。 b.1成分以上のaで示される液晶性化合物と1成分以
上の本発明の光学活性化合物から成る液晶組成物に必要
に応じて添加することにより、組成物全体の自発分極を
調整することのできる自発分極付与の役割をする液晶性
化合物。
【0027】aの役割を担う液晶性化合物の例を構造式
で以下に示す。
【0028】
【外13】
【0029】
【外14】 (a−1)〜(a−12)式においてR1 ,R2 はそれ
ぞれ炭素原子数が1〜18の直鎖または分岐のアルキル
基、p,qはそれぞれ独立に0または1である。
【0030】
【外15】
【0031】
【外16】
【0032】
【外17】 (a−13)〜(a−34)式においてR1 ,pは前記
定義のとおり、R3 はR2 または
【0033】
【外18】 (ただしr=0〜5 s=0,1 t=1〜10)、Y
1 は単結合,−O−,
【0034】
【外19】 Zは水素原子またはフッ素原子を表す。
【0035】
【外20】
【0036】
【外21】 (a−35)〜(a−47)式においてR3 ,Y1 ,Z
は前記定義のとおり、R4 は炭素原子数が1〜18の直
鎖または分岐のアルキル基、または
【0037】
【外22】 (ただしr=0〜5 s=0,1 t=1〜10)、Y
2 は単結合,−O−,
【0038】
【外23】 を表す。
【0039】次にbの役割を担う液晶性化合物の例を構
造式で以下に示す。
【0040】
【外24】 (b−1)〜(b−6)式においてR1 ,Y1 ,Y2
前記定義のとおり、R5は下記のi)〜iii)式の中
から選ばれる。
【0041】
【外25】 ただしi=0または1,j=1〜10、k=1〜16,
s,tは前記定義の通り。
【0042】本発明の前記一般式(I)で表わされるピ
リミジン誘導体の少なくとも1種を含有する液晶組成物
を、一対の基板間に挟持して液晶素子を得ることができ
る。液晶素子としては、本発明の液晶組成物を用いる以
外は、通常の液晶素子の構成をとることができる。
【0043】図1は強誘電性を利用した液晶素子の構成
を説明するための、本発明のカイラルスメクチック液晶
層を有する液晶素子の一例を示す断面概略図である。
【0044】図1において符号1はカイラルスメクチッ
ク液晶層、2はガラス基板、3は透明電極、4は絶縁性
配向制御層、5はシール材、6は偏向板、7は光源を示
している。
【0045】2枚のガラス基板2には、それぞれIn2
3 ,SnO2 あるいはITO(インジウム チン オ
キサイド;Indium Tin Oxide)等の薄
膜から成る透明電極3が被覆されている。その上にポリ
イミド等の高分子の薄膜をガーゼやアセテート植毛布等
でラビングすることにより液晶をラビング方向に並べる
絶縁性配向制御層4が形成されている。また、絶縁物質
として、例えばシリコン窒化物、水素を含有するシリコ
ン炭化物、シリコン酸化物、硼素窒化物、水素を含有す
る硼素窒化物、セリウム酸化物、アルミニウム酸化物、
ジルコニウム酸化物、チタン酸化物やフッ化マグネシウ
ムなどの無機物質絶縁層を形成し、その上にポリビニル
アルコール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエス
テルイミド、ポリパラキシレン、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリスチレン、セルロー
ス樹脂、メラミン樹脂、ユリヤ樹脂、アクリル樹脂やフ
ォトレジスト樹脂などの有機絶縁物質を配向制御層とし
て形成し、2層で絶縁性配向制御層4が形成されていて
もよく、また無機物質絶縁性配向制御層あるいは有機物
質絶縁性配向制御層単層であっても良い。この絶縁性配
向制御層が無機系ならば蒸着法などで形成でき、有機系
ならば有機絶縁物質を溶解させた溶液、またはその前駆
体溶液(溶剤に0.1〜20重量%、好ましくは0.2
〜10重量%)を用いて、スピンナー塗布法、浸漬塗布
法、スクリーン印刷法、スプレー塗布法、ロール塗布法
等で塗布し、所定の硬化条件下(例えば加熱下)で硬化
させ形成させることができる。
【0046】絶縁性配向制御層4の層厚は通常10Å〜
1μm、好ましくは10Å〜3000Å、さらに好まし
くは10Å〜1000Åが適している。
【0047】この2枚のガラス基板2はスペーサ(不図
示)によって任意の間隔に保たれている。例えば、所定
の直径を持つシリカビーズ、アルミナビーズをスペーサ
ーとしてガラス基板2枚で挟持し、周囲をシール材5、
例えばエポキシ系接着剤を用いて密封する方法がある。
その他、スペーサーとして高分子フィルムやガラスファ
イバーを使用しても良い。この2枚のガラス基板の間に
強誘電性を示す液晶が封入されている。
【0048】カイラルスメクチック液晶が封入されたカ
イラルメクチック液晶層1の厚さは、一般には0.5〜
20μm、好ましくは1〜5μmである。透明電極3
は、駆動回路等を通して外部の電源に接続されている。
また、ガラス基板2の外側には偏向板6が貼り合わせて
ある。図1に示す液晶素子は透過型なので光源7を備え
ている。
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明について更に詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0050】実施例1 光学活性4−{5−(3−フルオロペンチル)ピリミジ
ン−2−イル}フェノール(例示化合物No.2)の製
造 (1)光学活性メチル3−フルオロペンタノエートの製
造 10リットルの反応容器にアルゴン気流下、(R)−メ
チル3−ヒドロキシペンタノエート190g(1.44
mol)と乾燥塩化メチレン3リツトルを仕込み、5℃
以下に冷却した。これにヘキサフルオロプロペンジエチ
ルアミン706.8gの乾燥塩化メチレン2.1リット
ル溶液を5〜10℃以下にて4時間かけて滴下した。そ
の後、同温度にて3時間攪拌した。反応終了後、冷水1
1リットルに注入し、塩化メチレンにて抽出し、水洗、
無水硫酸マグネシウムを加え乾燥した。溶媒留去後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エ
チル=50/1)及び常圧蒸留により精製し、(S)−
メチル3−フルオロペンタノエート40.0gを得た。
収率21%。
【0051】(2)光学活性3−フルオロペンタノール
の製造 2リットルの反応容器にアルゴン気流下、水素化リチウ
ムアルミニウム12.5g(0.329mol)、乾燥
テトラヒドロフラン780mlを仕込み、5℃以下に冷
却した。これに(S)−メチル3−フルオロペンタノエ
ート39.0g(0.291mol)の乾燥テトラヒド
ロフラン200ml溶液を5℃以下で滴下した。同温度
にて1時間攪拌した後、室温に戻して3時間攪拌した。
反応終了後5℃に冷却し、水12.5g、15%水酸化
ナトリウム水溶液12.5g、水37.5gの順に滴下
し、同温度にて15分間攪拌した。析出した結晶をろ別
し、エーテル洗浄してろ液を分液し、有機層を無水硫酸
マグネシウムを加え乾燥した。溶媒留去後、常圧蒸留に
より精製し、(S)−3−フルオロペンタノール28.
7gを得た。収率93%。
【0052】(3)光学活性p−トルエンスルホン酸3
−フルオロペンチルの製造 300mlの反応容器に(S)−3−フルオロペンタノ
ール25.5g(0.241mol)と乾燥ピリジン1
05mlを仕込み、5℃以下に冷却した。これにp−ト
ルエンスルホン酸クロリド91.7g(0.481mo
l)を40分間かけて添加した。同温度にて1時間攪拌
した後、室温に戻し3時間攪拌した。反応終了後、冷却
し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル
にて抽出し、水洗、無機硫酸マグネシウムを加え乾燥し
た。溶媒留去し、(S)−p−トルエンスルホン酸3−
フルオロペンチル61.0gを得た。収率97%。
【0053】(4)光学活性2−(3−フルオロペンチ
ル)マロン酸ジエチルの製造 1リットルの反応容器にアルゴン気流下、乾燥エタノー
ル435mlに金属ナトリウム6.15g(0.267
mol)を加えた。それにマロン酸ジエチル53.7g
(0.336mol)と(S)−P−トルエンスルホン
酸3−フルオロペンチル58g(0.223mol)の
乾燥エタノール溶液145mlを加え、5時間加熱還流
した。反応終了後、ろ過して不溶物を除き、ろ液を溶媒
留去した。飽和食塩水を加え、ジエチルエーテルにて抽
出し、無水硫酸マグネシウムを加え乾燥した。溶媒留去
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/
酢酸エチル=10/1)及び減圧蒸留により精製し、
(S)−2−(3−フルオロペンチル)マロン酸ジエチ
ル29.1g(0.223mol.)を得た。収率53
% b.p.96℃〜98℃/1.5torr。
【0054】(5)光学活性4,6−ジヒドロキシ−5
−(3−フルオロペンチル)−2−(4−ベンジルオキ
シフェニル)ピリミジンの製造 反応容器に氷浴中、乾燥メタノール120mlを入れ、
それに金属ナトリウム7.22g(314.1mmo
l)を加えた。完全に溶解させた後、4−ベンジルオキ
シベンズアミジン塩酸塩30.8g(115.1mmo
l)の乾燥メタノール溶液120mlを滴下し、室温で
1時間攪拌した。それに(S)−2−(3−フルオロペ
ンチル)マロン酸ジエチル26.0g(104.7mm
ol)の乾燥メタノール溶液70mlを滴下し、室温で
96時間攪拌した。反応終了後、希塩酸を加え、中性と
した後、ろ過した。得られた結晶をN,N−ジメチルホ
ルムアミドで再結晶し、(S)−4,6−ジヒドロキシ
−5−(3−フルオロペンチル)−2−(4−ベンジル
オキシフェニル)ピリミジン24.5g(78.5mm
ol)を得た。収率75%。
【0055】(6)光学活性4,6−ジクロロ−5−
(3−フルオロペンチル)−2−(4−ベンジルオキシ
フェニル)ピリミジンの製造 反応容器に(s)−4,6−ジヒドロキシ−5−(3−
フルオロペンチル)−2−(4−ベンジルオキシフェニ
ル)ピリミジン21.7g(56.7mmol)と塩化
ホスホリル200ml、N,N−ジメチルアニリン30
mlを入れ、110℃で36時間攪拌した。反応終了
後、過剰の塩化ホスホリルを留去し、水を加え、トルエ
ンで抽出した。溶媒留去後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン/トルエン=1/2)により精製
し、(S)−4,6−ジクロロ−5−(3−フルオロペ
ンチル)−2−(4−ベンジルオキシフェニル)ピリミ
ジン16.9g(40.3mmol)を得た。収率71
%。
【0056】(7)光学活性4−{5−(3−フルオロ
ペンチル)ピリミジン−2−イル}フェノールの製造 反応容器に(S)−4,6−ジクロロ−5−(3−フル
オロペンチル)−2−(4−ベンジルオキシフェニル)
ピリミジン18.1g(43.1mmol)とパラジウ
ムカーボン(5%)0.86g、ジオキサン300ml
を入れた。それを60℃、常圧で4時間水素添加を行っ
た。反応終了後、冷却し、トルエンを加え、ろ過し触媒
を除去した。溶媒留去後、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(酢酸エチル/トルエン=1/5)により精製
し、(S)−4−{5−(3−フルオロペンチル)ピリ
ミジン−2−イル}フェノール7.76g(29.8m
mol)を得た。収率69% m.p. 132.9
℃。
【0057】実施例2 透明電極としてITO(Indium Tin Oxi
de)膜を形成した2枚のガラス基板上に、それぞれ、
ポリイミド樹脂前駆体(東レ(株)製、SP−510)
をスピンナー塗布により成膜した後、300℃で60分
間焼成してポリイミド膜を形成した。次に、この被膜を
ラビングすることにより配向処理を行い、ラビング処理
軸が直交するようにしてセルを作成した(セル間隔8μ
m)。作成したセルにネマチック液晶組成物(リクソン
GR−63:チッソ(株)製、ビフェニル液晶混合物)
を注入し、TN(ツイステッドネマチック)型セルと
し、これを偏向顕微鏡で観察したところ、リバースメイ
ン(しま模様)が生じていることが認められた。
【0058】前記リクソンGR−63(99重量部)に
対して、本発明の実施例1のピリミジン化合物(1重量
部)を加えた液晶混合物を用いて、上記と同様にしてT
Nセルを作成し、これを偏光顕微鏡で観察したところ、
リバースドメインは認められず均一性のよいネマチック
相となっていた。このことから、本発明の光学活性化合
物はリバース・ドメインの防止に有効であることが認め
られた。
【0059】実施例3 下記の化合物を下記の重量部で混合し、液晶組成物Aを
作製した。
【0060】
【外26】
【0061】
【外27】
【0062】更に、この液晶組成物Aに対して実施例1
で製造した下記ピリミジン誘導体を以下に示す重量部で
混合し液晶組成物Bを作製した。
【0063】
【外28】
【0064】次に、2枚の0.7mm厚のガラス板を用
意し、それぞれのガラス板上にITO膜を形成し、電圧
印加電極を作成し、更にこの上にSiO2 を蒸着させ絶
縁層とした。ガラス板上にシランカップリング剤〔信越
化学(株)製KBM−602〕0.2%イソプロピルア
ルコール溶液を回転数2000r.p.mのスピナーで
15秒間塗布し、表面処理を施した。この後、120℃
にて20分間加熱乾燥処理を施した。更に表面処理を行
なったITO膜付きのガラス板上にポリイミド樹脂前駆
体〔東レ(株)SP−510〕1.5%ジメチルアセト
アミド溶液を回転数2000r.p.mのスピナーで1
5秒間塗布した。成膜後、60分間、300℃加熱縮合
焼成処理を施した。この時の塗膜の膜厚は約250Åで
あった。
【0065】この焼成後の被膜にはアセテート植毛布に
よるラビング処理がなされ、その後、イソプロピルアル
コール液で洗浄し、平均粒径2μmのシリカビーズを一
方のガラス板上に散布した後、それぞれのラビング処理
軸が互いに平行となるようにし、接着シール剤〔チッソ
(株)リクソンボンド〕を用いてガラス板を貼り合わ
せ、60分間、100℃にて加熱乾燥しセルを作成し
た。このセルに液晶組成物Bを等方性液体状態で注入
し、等方相から20℃/hで25℃まで徐冷することに
より、強誘電性液晶素子を作成した。このセルのセル厚
をベレック位相板によって測定したところ約2μmであ
った。この液晶素子内の均一配向性は良好であり、モノ
ドメイン状態が得られた。
【0066】実施例4 実施例3の強誘電性液晶素子を使ってピーク・トウ・ピ
ーク電圧Vpp=20Vの電圧印加により直交ニコル下
での光学的な応答(透過光量変化0%〜90%)を検知
して応答速度(以後、光学応答速度という)を測定し
た。その結果を次に示す。
【0067】 10℃ 25℃ 40℃ 光学応答速度 521μsec 267μsec 145μsec
【0068】比較例1 実施例3で混合した液晶組成物Aをセル内に注入する以
外は全く実施例3と同様の方法で強誘電性液晶素子を作
成し、光学応答速度を測定した。その結果を次に示す。
【0069】 10℃ 25℃ 40℃ 光学応答速度 668μsec 340μsec 182μsec
【0070】
【発明の効果】本発明により新規なピリミジン化合物が
提供される。またこの化合物を少なくとも1種を配合す
ることにより、TN型液晶組成物のリバースドメインの
発生を防止することができる。更に、本発明の化合物を
含有するカイラルスメクチック液晶組成物を液晶素子に
用いることにより配向性、光学応答性などを改善した良
好な表示特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の一例を示す模式的な断面図
である。
【符号の説明】
1 液晶層 2 ガラス基板 3 透明電極 4 絶縁性配向制御層 5 シール材 6 偏向板 7 光源 I0 入射光 I 透過光

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【外1】 (式中、Rは炭素原子数が1から16の直鎖状または分
    岐状のアルキル基であり、nは1から10の整数であ
    る)で示されるピリミジン誘導体。
  2. 【請求項2】 光学活性であることを特徴とする請求項
    1記載のピリミジン誘導体。
  3. 【請求項3】 前記Rが炭素数1から10の直鎖状のア
    ルキル基である請求項1あるいは請求項2に記載のピリ
    ミジン誘導体。
  4. 【請求項4】 前記nが2である請求項1〜3いずれか
    に記載のピリミジン誘導体。
  5. 【請求項5】 下記一般式(I) 【外2】 (式中、Rは炭素原子数が1から16の直鎖状または分
    岐状のアルキル基であり、nは1から10の整数であ
    る)で示されるピリミジン誘導体の少なくとも1種を含
    有することを特徴とする液晶組成物。
  6. 【請求項6】 下記一般式(I) 【外3】 (式中、Rは炭素原子数が1から16の直鎖状または分
    岐状のアルキル基であり、nは1から10の整数であ
    る)で示されるピリミジン誘導体の少なくとも1種を含
    有する液晶組成物を、一対の基板間に挟持してなること
    を特徴とする液晶素子。
JP7244497A 1995-09-22 1995-09-22 新規なピリミジン誘導体、及びそれを含有する液晶組成物並びに液晶素子 Withdrawn JPH0987253A (ja)

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