JPH098721A

JPH098721A - 衛星通信地球局及びその送信電力制御方式

Info

Publication number: JPH098721A
Application number: JP18087495A
Authority: JP
Inventors: Yoshiyuki Takeyasu; 義幸武安
Original assignee: NEC Corp
Current assignee: NEC Corp
Priority date: 1995-06-24
Filing date: 1995-06-24
Publication date: 1997-01-10

Abstract

(57)【要約】【目的】可搬型衛星通信地球局の運用地点の変化に伴
う送信電力の制御を迅速かつ容易に行うことを可能にす
る。【構成】可搬局Ｍ１においては、ＧＰＳ受信機２にお
いて現在の運用地点を測定し、この測定した位置情報
と、予め記録されている通信衛星Ｓのアンテナ指向性利
得のデータベース３に基づいて計算機４が所定の計算を
行い、現在の運用地点に適正な送信電力を決定する。そ
して、この決定された送信電力に基づいて送信系の可変
減衰器１２の減衰量を調整し、送信系の送信電力を制御
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は可搬型の衛星通信地球局
に関し、特に運用地点の変更に応じてその送信電力を適
切に制御することを可能にした衛星通信地球局に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】可搬型の衛星通信地球局では、その運用
地点が変更されると衛星との通信状態が変化されるた
め、これに対応する制御を行う必要がある。すなわち、
衛星に搭載されているアンテナの指向性利得により、地
球上の緯度や経度の相違に伴って地球局での受信利得が
変化され、かつ地球局から衛星に向けての実質的な送信
利得も変化される。このため、地球局の運用位置の変更
にかかわらず衛星と地球局との通信状態を好適に保持す
るための制御を行うことが要求される。

【０００３】例えば、特開平４−２０７３３２号公報に
記載されている衛星通信地球局では、可搬型の地球局に
人工衛星を利用した測位システム（Global Positioning
System ：ＧＰＳ）を搭載し、このＧＰＳを利用して自
局の位置を測定し、この測定結果に基づいて自局のアン
テナが常に衛星方向を向くようにアンテナ方向を制御す
る構成が採用されている。この技術では、自局の移動に
かかわらずアンテナを常に衛星方向に向けることが可能
となる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに地球局のアンテナを常に衛星に向ける制御を行って
も、衛星に搭載のアンテナの指向性利得による地球局と
の通信状態の相違は地球上の運用位置によって決定され
るため、アンテナ方向の制御のみでこの指向性利得によ
る衛星と地球局との通信状態の変化に対処することは難
しい。したがって、従来の可搬型衛星地球局では、自局
の移動位置にかかわらず好適な衛星通信を確保するため
には、その運用位置に応じて受信利得を調整し、あるい
は送信電力を制御することが必要とされる。

【０００５】このため、従来では、例えば、自局の移動
位置を地図上で確認し、この地図上に記載されている衛
星のアンテナ指向性利得データから自局の現在位置にお
ける利得を読み取り、この読み取った値に基づいて自局
の送信電力を制御する等の作業が必要となる。したがっ
て、送信電力制御が極めて煩雑でかつ面倒なものにな
り、可搬型衛星地球局を運用する際の障害となってい
る。また、このような送信電力の制御方法では、衛星の
運行状態の変化に伴ってアンテナ指向性利得が変化した
場合には、直ちにこの変化に対応することができないと
いう問題もある。

【０００６】

【発明の目的】本発明の目的は、可搬型衛星通信地球局
の運用地点の変化に伴う送信電力の制御を迅速かつ容易
に行い得るようにした衛星通信地球局を提供することに
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の衛星通信地球局
は、可搬型の衛星通信地球局に、自局の位置を測定する
ためのＧＰＳ受信機と、このＧＰＳ受信機において測定
された自局の位置情報に基づいて送受信機の送信電力を
制御する手段とを備えることを特徴とする。

【０００８】この送信電力を制御する手段は、衛星のア
ンテナ指向性利得を位置をパラメータとして記録したデ
ータベースと、ＧＰＳ受信機からの自局の位置に基づい
てデータベースを検索し、得られたデータに基づいて自
局の適正送信電力を計算する計算機とを備える構成とす
る。また、計算機は、計算結果に基づいて送信電力を自
動制御することが好ましい。

【０００９】また、本発明の送信電力制御方式は、送信
電力の制御が可能な可搬型の衛星通信地球局と、この衛
星通信地球局と衛星通信を行う基地局とで構成され、衛
星通信地球局には、自局の運用位置を測定するためのＧ
ＰＳ受信機を備え、基地局には衛星通信地球局から送信
される運用位置の位置情報に基づいて適正な送信電力を
得る手段を備えており、基地局は得られた送信電力の値
を衛星通信基地局に向けて送信し、衛星通信地球局は受
信した送信電力の値に基づいて自局の送信電力を制御す
るように構成したことを特徴とする。

【００１０】この場合において、基地局における送信電
力を得る手段は、衛星のアンテナ指向性利得を位置をパ
ラメータとして記録したデータベースと、衛星通信地球
局から送信された位置情報に基づいてデータベースを検
索し、得られたデータに基づいて自局の適正送信電力を
計算する計算機とで構成される。また、複数の衛星通信
地球局が同一の基地局に対してそれぞれの位置情報を送
信し、前記基地局は各衛星通信地球局に対してそれぞれ
に適正な送信電力を送信する構成とすることも可能であ
る。

【００１１】

【作用】本発明の衛星通信地球局では、可搬局において
は、ＧＰＳ受信機において現在の運用地点を測定し、こ
の測定した位置情報と、予め記録されている衛星のアン
テナ指向性利得のデータベースに基づいて所定の計算を
行い、現在の運用地点に適正な送信電力を決定する。そ
して、この決定された送信電力に基づいて可変減衰器の
減衰量を調整し、送信系の送信電力を制御する。

【００１２】本発明の送信電力制御方式では、可搬局に
おいてＧＰＳ受信機を利用して自局の位置を測定し、そ
の測定した位置情報を基地局に送信する。基地局では、
受信した位置情報と、予め記録されている衛星のアンテ
ナ指向性利得のデータベースに基づいて計算を行い、可
搬局の現在の運用地点における適正な送信電力を決定す
る。そして、この送信電力の値を可搬局に送信する。可
搬局では、基地局からの送信電力の値に基づいて可変減
衰器の減衰量を調整し、送信電力を適正な値に制御す
る。

【００１３】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図１は本発明の第１実施例のブロック構成図であ
る。この実施例では、可搬型の衛星通信地球局（以下、
可搬局と略称する）に本発明を適用した例であり、可搬
局が独立して送信電力を制御する例を示している。同図
において、可搬局Ｍ１，Ｍ２，…には通信衛星Ｓを介し
て図外の基地局と通信を行うための送受信機１と、ＧＰ
Ｓ衛星ＳＳを利用して自局の運用地点の位置情報を測定
するＧＰＳ受信機２と、送信電力を求めるためのデータ
ベース３及び計算機４が設けられる。このデータベース
３には、前記通信衛星Ｓのアンテナ指向性利得を緯度、
経度をパラメータとして記憶したデータが蓄積される。
また、前記計算機４はＧＰＳ受信機３で得られた自局の
位置情報に基づいてデータベース３を検索し、この検索
結果に基づいて自局の適正な送信電力を計算する機能を
有している。

【００１４】また、この第１実施例では、前記送受信機
１を構成する送信系として、変調器１１、可変減衰器１
２、電力増幅器１３とが設けられており、この可変減衰
器１２は前記計算機４から出力される適正送信電力値に
基づいて自動的にその減衰量が調整されるように構成さ
れている。

【００１５】この第１実施例では、例えば、可搬局Ｍ１
においては、ＧＰＳ受信機３により現在の運用地点を測
定し、この測定した位置情報を計算機４に入力する。計
算機４は、この位置情報に基づいてデータベース３を検
索し、この検索結果に基づいて所定の計算を行い、現在
の運用地点に適正な送信電力を決定する。そして、この
決定された送信電力に基づいて可変減衰器１２の減衰量
を調整し、これにより送信系の送信電力を制御する。

【００１６】したがって、この可搬局Ｍ１では、自局が
単独で運用地点を測定し、かつその運用地点での適正な
送信電力を求め、この送信電力に基づいて自動的に送信
電力を制御することができる。このため、可搬局Ｍ１の
運用地点が変更された場合でも、自動的に適正な送信電
力に設定でき、送信電力の制御が極めて容易なものとな
る。また、通信衛星Ｓの運行状態が変更される毎にデー
タベース３を更新すれば、常に適正な送信電力を得るこ
とができる。

【００１７】図２は本発明の第２実施例のブロック構成
図である。同図において、Ｍ１，Ｍ２は可搬局、Ｂは通
信衛星Ｓを介して前記可搬局Ｍ１，Ｍ２等と通信を行う
基地局である。図３に各局の構成を示すように、前記可
搬局Ｍ１，Ｍ２は通信衛星Ｓとの間で信号を送受するた
めの送受信機１が設けられており、この送受信機１は、
図示は省略するが前記第１実施例と同様に、その送信系
には変調器と電力増幅器との間に可変減衰器を介挿し、
この可変減衰器における減衰量を調整することで送信電
力の制御を行うように構成される。また、前記送受信機
１には、前記基地局Ｂから送信される後述する送信電力
の値を表示するための表示部６が設けられている。

【００１８】また、前記可搬局Ｍ１，Ｍ２には、ＧＰＳ
受信機２が設けられており、ＧＰＳ衛星ＳＳからの信号
を受信して自局の現在位置、すなわち自局の運用地点の
緯度、経度を測定することができる。この測定により得
られた運用地点の位置情報は、前記送受信機１の送信系
により前記基地局Ｂに対して送信することが可能とされ
ている。

【００１９】また、前記基地局Ｂは、前記通信衛星Ｓを
介して可搬局Ｍ１，Ｍ２との間で通信を行うための送受
信機５と、前記通信衛星Ｓに搭載されているアンテナの
指向性利得を緯度、経度をパラメータとして記録するデ
ータベース３と、前記送受信機１で受信した情報に基づ
いて前記データベース３に対する検索を行ない、かつ検
索したデータに基づいて所定のアルゴリズムでの計算を
行い、その計算結果を送受信機に出力する計算機４とを
備えている。

【００２０】したがって、この構成によれば、例えば可
搬局Ｍ１では移動を行ってその運用地点が変更される毎
に、或いは一定の時間間隔でＧＰＳ受信機２を利用して
自局の位置を測定し、その測定した位置情報を送受信機
１の送信系から送信する。送信された位置情報は通信衛
星Ｓを介して基地局Ｂの送受信機５において受信され
る。基地局Ｂでは、受信した位置情報に基づいて計算機
４がデータベース３を検索し、可搬局Ｍ１の現在の運用
地点における通信衛星Ｓのアンテナ指向性利得を決定す
る。そして、この利得を基に、可搬局Ｍ１の現在の運用
地点での適正な送信電力を計算し、この計算結果を送受
信機５により送信する。

【００２１】可搬局Ｍ１では、基地局Ｂからの計算結果
を送受信機１において受信し、この計算結果を表示部６
に表示する。そして、この表示部６の表示に従って可変
減衰器の減衰量を調整し、送信電力を計算結果に一致す
るように調整する。これにより、可搬局Ｍ１では、現在
の運用地点において、通信衛星Ｓのアンテナ指向性利得
に対応した適正な送信電力に調整されることになる。

【００２２】したがって、この第２実施例においては、
前記した一連の動作のうち、可搬局Ｍ１におけるＧＰＳ
受信機２による運用地点の測定から、基地局Ｂにおける
適正な送信電力の計算及び可搬局Ｍ１での計算結果の受
信までの処理は自動的に行われることになる。このた
め、可搬局Ｍ１においては、送信系の送信電力を表示部
６に表示された送信電力に一致するように調整する作業
を行うだけでよく、送信電力制御を極めて簡単に行うこ
とができる。

【００２３】また、この実施例では、１つの基地局にデ
ータベースを装備しておけば、複数の可搬局が存在する
場合でも、このデータベースを利用して各可搬局の送信
電力を制御することができ、設備経済的にも有利であ
る。また、基地局のデータベースを衛星の運行状態の変
化に伴って随時更新すれば、可搬局ではリアルタイムで
適正な送信電力の設定が可能となる。この場合、同一の
衛星を利用する複数の可搬局に対しても、前記したよう
にこの１つのデータベースを利用して送信電力の制御を
行えば、このデータベースの更新に伴って各可搬局の送
信電力を同時にリアルタイムで制御することが可能とな
る。

【００２４】なお、前記第１実施例を第２実施例と比較
した場合、基地局に対して位置情報を送信する必要がな
く、また基地局からの送信電力情報を受信する必要もな
いため、送信電力制御のためのアルゴリズムは簡略化で
き、しかも迅速な送信電力制御が実現される点で第１実
施例は有利である。また、可変減衰器の減衰量を計算機
により制御しているため、送信電力を自動制御する点で
も有利である。さらに、データベースは、自局の送信系
に対応した独自のデータで構築しておくことにより、自
局に最適な送信電力制御が実現できる。

【００２５】ここで、前記第２実施例においても、受信
した基地局からの信号中の適正送信電力値に基づいて送
信系の減衰器を自動的に制御するように構成してもよ
い。この場合には表示部は省略することもできる。ま
た、基地局では、データベースの一部に複数の可搬局の
それぞれの送信系の特性に対応する個別のデータを設け
ておき、この個別データを利用することで複数の可搬局
のそれぞれに対して、第２実施例のような適切な送信電
力制御を実現することが可能となる。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように本発明の衛星通信地
球局は、可搬型の衛星通信地球局には、自局の位置を測
定するためのＧＰＳ受信機と、このＧＰＳ受信機におい
て測定された自局の位置情報に基づいて送受信機の送信
電力を制御する手段とを備えることにより、可搬局が単
独で運用地点を測定し、これから送信電力を制御するこ
とができる。このため、可搬局の運用地点が変更された
場合でも容易にかつ迅速に適正な送信電力に設定でき、
送信電力の制御が極めて容易なものとなる。また、衛星
の運行状態が変更される毎にデータベースを更新すれ
ば、常に適正な送信電力を得ることができる。

【００２７】また、基地局に対して位置情報を送信する
必要がなく、また基地局からの送信電力情報を受信する
必要もないため、送信電力制御のためのアルゴリズムは
簡略化でき、しかも迅速な送信電力制御が実現できる。
で第１実施例は有利である。また、可変減衰器の減衰量
を計算機により制御しているため、送信電力を自動制御
する点でも有利である。さらに、データベースは、自局
の送信系に対応した独自のデータで構築しておくことに
より、自局に最適な送信電力制御が実現できる。

【００２８】また、本発明の送信電力制御方式は、可搬
局においてＧＰＳ受信機を利用して自局の位置を測定
し、その測定した位置情報を基地局が受信して衛星のア
ンテナ指向性利得のデータベースに基づいて計算を行
い、可搬局の現在の運用地点における適正な送信電力を
決定し、この送信電力の値を可搬局が受信して送信電力
を適正な値に制御しているので、可搬局の送信電力を適
切かつ迅速に制御できることはもとより、１つの基地局
に装備されたデータベースにより複数の可搬局の送信電
力の制御が可能となる。また、データベースを衛星の運
行状態に伴って随時更新すれば、リアルタイムで適正な
送信電力の設定が可能となり、しかも複数の可搬局の送
信電力を同時にリアルタイムで適正に制御することが可
能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例における衛星通信地球局の
ブロック構成図である。

【図２】本発明の第２実施例における衛星通信システム
の構成図である。

【図３】第２実施例の衛星通信地球局と基地局の構成を
示すブロック図である。

【符号の説明】

１送受信機２ＧＰＳ受信機３データベース４計算機５送受信機６表示部１１変調器１２可変減衰器１３電力増幅器

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】送信電力の制御が可能な可搬型の衛星通
信地球局において、自局の位置を測定するための人工衛
星を利用した測位システム受信機と、この測位システム
受信機において測定された自局の位置情報に基づいて前
記送受信機の送信電力を制御する手段とを備えることを
特徴とする衛星通信地球局。
【請求項２】送信電力を制御する手段は、衛星のアン
テナ指向性利得を位置をパラメータとして記録したデー
タベースと、前記測位システム受信機からの自局の位置
に基づいて前記データベースを検索し、得られたデータ
に基づいて自局の適正送信電力を計算する計算機とを備
える請求項１の衛星通信地球局。
【請求項３】計算機は、計算結果に基づいて送信電力
を自動制御する請求項２の衛星通信地球局。
【請求項４】送信電力の制御が可能な可搬型の衛星通
信地球局と、この衛星通信地球局と衛星通信を行う基地
局とで構成され、前記衛星通信地球局には、自局の運用
位置を測定するための人工衛星を利用した測位システム
受信機を備え、前記基地局には、前記衛星通信地球局か
ら送信される運用位置の位置情報に基づいて適正な送信
電力を得る手段を備え、前記基地局は得られた送信電力
の値を前記衛星通信基地局に向けて送信し、前記衛星通
信地球局は前記基地局から送信された送信電力の値を受
信し、この受信した値に基づいて自局の送信電力を制御
するように構成したことを特徴とする衛星通信地球局の
送信電力制御方式。
【請求項５】基地局における送信電力を得る手段は、
衛星のアンテナ指向性利得を位置をパラメータとして記
録したデータベースと、衛星通信地球局から送信された
位置情報に基づいて前記データベースを検索し、得られ
たデータに基づいて自局の適正送信電力を計算する計算
機とで構成される請求項４の衛星通信地球局の送信電力
制御方式。
【請求項６】複数の衛星通信地球局が同一の基地局に
対してそれぞれの位置情報を送信し、前記基地局は各衛
星通信地球局に対してそれぞれに適正な送信電力を送信
する請求項４または５の衛星通信地球局の送信電力制御
方式。