JPH0986490A - 海苔養殖用作業船 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 刈り取った海苔の回収を良好に行なうととも
に回収の作業に手間がかからないようにする。 【解決手段】 船首端から船尾端に亘って船体長さ方向
に延在するガイド部材４が設けられ、海上の海苔網４５
をこのガイド部材４に沿って船上を通過させるととも
に、その間に海苔網４５に付着した海苔４５０を船上で
刈り取るようにした作業船において、上記ガイド部材４
の下側に海苔刈り取り機５が設置されて海苔刈り取り部
が形成され、ガイド部４材の下部には刈り取り５機で刈
り取られて落下する海苔４５０に向けて水を噴射する水
噴射管８が設けられ、この刈り取り機５の下側には刈り
取られた海苔を収容する海苔庫５０が形成され、この海
苔庫５の上側のデッキ上には刈り取られて落下する海苔
を海苔庫５０中に導き入れる導入口６０２が形成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、海上で海苔網に
より養殖した海苔を採取する海苔養殖用作業船に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の海苔養殖用作業船とし
て、船体上部に海苔網用ガイドが取付けられ、このガイ
ドの前端部を船首より前方に突出させるとともにその前
端を海面下に水没させた状態で海苔網に向かって前進す
ることによって、海苔網を船上に導いて船上で海苔を連
続的に採取するようにしたものが知られている。すなわ
ち、海苔養殖用作業船はその船体上に海苔網用ガイドが
設けられ、このガイドは船体前部の海苔回収装置の直上
およびブリッジの上側を通って船尾側へ延在されてい
る。そして船を前進させることにより海上の海苔網を掬
い上げて海苔網用ガイドに沿って船尾方向に移動させつ
つ海苔刈り取り機によって海苔網に付着している海苔を
刈り取り、その下側の海苔庫中に落下させて収納するよ
うにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記作業船において
は、刈り取られた海苔が落下中に風の影響などにより飛
散し、海苔庫の入口の周囲のデッキ上に落下し、あるい
は船外にも飛散して刈り取った海苔の回収が充分に行な
われないという問題がある。そしてデッキ上に落下した
海苔は、作業者がかき集めて海苔庫に入れるが、この作
業にも多くの手間がかかるという問題がある。

【０００４】この発明は、このような従来の欠点を解消
するためになされたものであり、刈り取った海苔の回収
を良好に行なうことができ、しかも回収の作業に手間の
かからない海苔養殖用作業船を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、船上
に、船体長さ方向に延在するガイド部材が設けられ、海
上の海苔網をこのガイド部材に沿って船上を通過させる
とともに、その間に、海苔刈り取り機によって海苔網に
付着した海苔を船上で刈り取るようにした海苔養殖用作
業船において、上記海苔刈り取り機で刈り取られて落下
する海苔に向けて水を噴射する水噴射手段が設けられて
いるものである。

【０００６】この発明では、海苔刈り取り機で刈り取ら
れて落下する海苔に向けて水噴射手段によって水を噴射
することによって、落下する海苔が水分を多く含むこと
になってその重量が増して飛散することなくデッキ上に
落下し、また水噴射手段から噴射された水がウォータカ
ーテンのように作用して落下する海苔が船外に飛散する
のを防止し、刈り取った海苔を効率よく回収することが
できる。

【０００７】請求項２の発明は、上記水噴射手段は、上
記ガイド部材上を移動する海苔網よりも下方に位置しか
つ左右両舷部に位置するように上記ガイド部材に取付け
られているものである。

【０００８】この発明では、水噴射手段は、ガイド部材
上を移動する海苔網よりも下方に位置するように上記ガ
イド部材に取付けられていることから、水噴射手段がガ
イド部材上を移動する海苔網の邪魔にならず、海苔の刈
り取り作業に支障を及ぼすことがないとともに、水噴射
手段を取付けるための格別な部材を必要としない。ま
た、水噴射手段は左右両舷部に位置しているので、海苔
刈り取り機で刈り取られて落下する海苔に向けて両側か
ら水を噴射することができ、刈り取った海苔を一層効率
よく回収することができる。

【０００９】請求項３の発明は、上記水噴射手段は、海
苔刈り取り機の前方から後方に亘って設けられているも
のである。

【００１０】この発明では、前進あるいは後進しながら
海苔の刈り取り作業をすることによって、刈り取った海
苔が海苔刈り取り機の後方あるいは前方に飛散したとし
ても、刈り取った海苔を効率よく回収することができ
る。

【００１１】請求項４の発明は、上記水噴射手段は、船
体長さ方向に延在するとともに複数の水噴射口が形成さ
れたパイプから構成されているものである。

【００１２】この発明では、複数の水噴射口が形成され
たパイプによって水噴射手段を構成したので、複数の水
噴射口の設置を簡単に行なうことができる。

【００１３】請求項５の発明は、上記海苔養殖用作業船
のデッキ上に、海苔を収容する海苔庫の開口部が設けら
れ、この開口部の側方に上記水噴射手段が位置している
ものである。

【００１４】この発明では、水噴射手段から噴射された
水によって、海苔刈り取り機から落下する海苔を海苔庫
の開口部に向かって飛ばすことができ、刈り取った海苔
を効率よく海苔庫に回収することができる。

【００１５】請求項６の発明は、船上に、船体長さ方向
に延在するガイド部材が設けられ、海上の海苔網をこの
ガイド部材に沿って船上を通過させるとともに、その間
に、海苔刈り取り機によって海苔網に付着した海苔を船
上で刈り取るようにした海苔養殖用作業船において、上
記海苔刈り取り機で刈り取られてデッキ上に落下した海
苔に向けて水を噴射する水噴射手段が設けられ、デッキ
上面に、海苔庫に海苔を導き入れる導入路が開口してい
るものである。

【００１６】この発明では、海苔刈り取り機で刈り取ら
れてデッキ上に落下した海苔に向けて水噴射手段によっ
て水を噴射することによって、デッキ上の海苔は水で流
されてデッキ上面に開口した導入路を通って海苔庫に回
収され、刈り取った海苔を効率よく海苔庫に回収するこ
とができる。

【００１７】なお、上記記載において、海苔に向けて水
を噴射するとは、水噴射手段からの水を全て海苔に向け
て噴射し、あるいは噴射方向の中心線を海苔に向けて噴
射するという意味ではなく、水噴射手段から噴射した水
の少なくとも一部が、海苔刈り取り機で刈り取られて落
下する海苔、あるいはデッキ上に落下した海苔に当たる
ように噴射するという意味である。

【００１８】

【発明の実施の形態】図１および図２において、海苔養
殖用作業船１はその船体２の後部にブリッジ３を備え
（ブリッジの床３０）、その前側にはエンジン１０が設
置され、このエンジン１０によりプロペラシャフト１１
０を介して回転駆動されるプロペラ１３が船尾船底に配
置され、その後側には舵板１３０が配置されている。こ
のプロペラシャフト１１０は保持ブラケット１１２によ
り回転可能に保持されている。また船尾船底には船幅方
向のスラストを生じさせる船尾部スラスター１５が設け
られ、船首船底には船首部スラスター１７が設けられて
いる。

【００１９】また船体２上には海苔網用ガイド４が設け
られ、この海苔網用ガイド４の前端部にはガイド延長部
４１が設けられている。このガイド延長部４１の基端部
には跳ね上げ手段４０が設けられ、この跳ね上げ手段４
０を中心として、図１実線の状態から仮想線の状態まで
回転させてガイド延長部４１を水中への没入状態から跳
ね上げることができるようにしている。またガイド延長
部４１の基部付近には支持部４２が形成され、この支持
部４２が船首デッキ上に当接することにより、浸水状態
のガイド延長部４１を支持するようにしている。

【００２０】上記海苔網用ガイド４は、両船側部に沿っ
て船首端から船尾端の後方まで延び、両船側部において
それぞれ支柱４３によって支持されており、船首端から
ブリッジ３付近までは徐々に上昇し、ブリッジ３より後
方では徐々に下降して船尾端の後方まで延びている。

【００２１】上記海苔網用ガイド４の下側には船首部付
近に海苔回収装置（海苔刈り取り機）５が配置され、そ
の下側船体には海苔刈り取り機５によって刈り取られた
海苔を貯留する海苔庫５０が形成されている。またブリ
ッジ３上には酸処理槽７が設けられ、この酸処理槽７は
海苔網用ガイド４に沿ってブリッジ３の後端部まで延び
ている。そしてその後端部において酸処理槽７の下側で
あってブリッジ３の後側には薬液タンク７０が設置さ
れ、酸処理槽７の下流端から薬液タンク７０へ薬液回収
用の回収パイプ（流路）７１が導かれている。また薬液
タンク７０から薬液供給用の供給パイプ（流路）７２が
導出され、この供給パイプ７２の先端部は酸処理槽７の
上流端へ導かれている。

【００２２】ブリッジ３内には運転者１００が操作する
スラスター用の操作ハンドル６が設置され、この操作ハ
ンドル６の操作により船尾部スラスター１５および船首
部スラスター１７に推進力を発生させるように構成さ
れ、上記各スラスター１５，１７に左右方向の推進力を
発生させ、海苔養殖用作業船１の進路を正確に設定でき
るようにしている。

【００２３】また図３および図４にも示すように、海苔
庫５０の上側両側部において、ガイド部材４の両側下部
には刈り取り機５で刈り取られて落下する海苔に向けて
水を噴射する水噴射手段８が設けられている。すなわ
ち、ガイド部材４の下側には、図１および図３に示すよ
うに、パイプ材からなる水供給管４８がガイド部材４の
下面に固定され、この水供給管４８に沿って複数の水噴
射ノズル４９が取付けられており、水供給管４８と水噴
射ノズル４９とによって上記水噴射手段８が形成されて
いる。この水供給管４８の下方には、ブルワーク１６の
内側に位置するように水供給管８１が配置され、この水
供給管８１に沿って複数の水噴射ノズル８４が取付けら
れている。水供給管４８と８１は連結管８２によって互
いに連結され、連結管８２には図示しない水供給源から
高圧水が水供給管８３によって供給される。水供給管４
８，８１は、水噴射ノズル４９，８４が海苔刈り取り機
５の前方と後方に位置するように、海苔刈り取り機５の
前方から後方に亘って設けられている。なお、海苔刈り
取り機５の後方に位置する水噴射ノズル４９の数を、海
苔刈り取り機５の前方に位置するそれよりも多くしてい
る。また、水噴射ノズル４９の全ては海苔刈り取り機５
よりも船体外側に位置しているとともに、水噴射ノズル
４９のうちのいくつかは、後述の海苔庫５０の開口部６
０２の両側方に位置している。

【００２４】なお、水供給管４８と８１の前端と後端
は、図示しない埋め栓によって閉塞され、連結管８２は
前後の埋め栓の間に連結されており、水供給管４８，８
１に供給された全ての水が水噴射ノズル４９，８４から
噴射されるようになっている。

【００２５】水噴射ノズル４９は、その水噴射方向の中
心線が、海苔刈り取り機５によって刈り取られて落下す
る海苔４５０を指向するように位置付けられており、噴
射された水の大半が落下する海苔４５０にかかるように
なっている。また水噴射ノズル８４は、その水噴射方向
の中心線が、海苔刈り取り機５で刈り取られてデッキ６
６上に落下した海苔４５０を指向しており、噴射された
水の大半がデッキ６６上の海苔４５０にかかるようにな
っている。

【００２６】なお、水噴射ノズル４９，８４は、水供給
管４８，８１に対してそれぞれ揺動可能に形成されてお
り、刈り取る海苔４５０の量あるいは風の強さなどによ
って水の噴射方向を変えられるようになっている。上記
実施形態では、水噴射ノズル４９の水噴射方向の中心線
を、海苔刈り取り機５によって刈り取られて落下する海
苔４５０を指向させ、水噴射ノズル８４の水噴射方向の
中心線を、海苔刈り取り機５によって刈り取られてデッ
キ６６上に落下した海苔４５０を指向させたが、必ずし
もこのように構成する必要はなく、水噴射ノズル４９，
８４から噴射した水の少なくとも一部が、海苔刈り取り
機５で刈り取られて落下する海苔４５０、あるいはデッ
キ６６上に落下した海苔４５０に当たるようにその噴射
方向を設定すればよい。

【００２７】上記海苔庫５０の底部には、船体中心線上
に前後方向に延びる下部タンク５５が形成され、この下
部タンク５５の上壁は多孔板５５０により形成されてい
る。この下部タンク５５の一端部には上側が海苔庫５０
中に開口する小容積部からなる取り出し部５１が形成さ
れ、この取り出し部５１には下部タンク５５中を通る取
り出し管５２の一端部が接続され、この取り出し管５２
の他端部は取り出しポンプ５３に接続されている。そし
てこの取り出しポンプ５３からは取り出し管５４が導出
されてその先端部はデッキに設けられた継手５４０に接
続され、この継手５４０にはデッキ上の取り出しホース
５４１が着脱可能に接続され、この取り出しホース５４
１によって図１に示すようにデッキ上に並べられた海苔
篭５４２中に海苔を供給するようにしている。また上記
下部タンク５５には排水ポンプ５７から導出された排水
管５６が接続され、排水ポンプ５７からは船外に導く排
水管５８が導出されている。

【００２８】上記海苔庫５０の上側には、ハッチコーミ
ング６００により刈り取られた海苔の導入口となる開口
部が形成され、この開口部はハッチカバー６０１が取付
けられることにより、海苔導入口となる開口部６０２は
海苔刈り取り時以外は閉鎖されるように構成されてい
る。

【００２９】図５〜図８は海苔庫５０の上側の海苔回収
構造を示し、上記ハッチコーミング６００の周囲に設け
られた溝６０３の後端部には船幅方向に両船側間にわた
ってウォータウェイ６４０が形成され、両船側部におい
てはウォータウェイ６４０の下側に排水溝６５０が形成
され、その側端部は船側板１１に開口しており、この開
口部にポートカバー６５１が取付けられている。このポ
ートカバー６５１は図１、図２および図６に示すよう
に、横断面が半円形で水の抵抗が小さくなるように船首
側は先細りとなって閉じ、船尾端は開口している。上記
ウォータウェイ６４０の両船側部は、図６および図７に
示すように蓋６１によって上側がカバーされている。ま
たウォータウェイ６４０の底板６４には下側の排水溝６
５０に連通する開口部のコーミング６４１が形成される
とともに、海苔庫５０に連通する開口部のコーミング６
４２が設けられている。そして図９に示すように、これ
らのコーミングの内周面にはねじが形成され、このねじ
に螺合するねじが外周部に形成された円板の蓋６４３，
６４４が、それぞれコーミング６４１，６４２に着脱可
能に取付けられている。すなわち、溝６０３、ウォータ
ウェイ６４０、コーミング６４２の開口部によって、デ
ッキ６６上面に開口し、デッキ６６上の海苔４５０を海
苔庫５０に導き入れる導入路６０４が形成されている。

【００３０】上記構成において、海苔養殖場への往き帰
りにはガイド延長部４１は図１仮想線に示すように船上
に跳ねあげておき、船尾スラスター１５は船底部に収納
して（船底下に突出させない状態にし）プロペラ１３に
より船を推進させる。また図５〜図７に示す蓋６４４は
閉じ、蓋６４３を開いて、デッキ６６上に打ち上げられ
た水をウォータウェイ６４０から排水溝６５０、ポート
カバー６５１を通して船外に排出させるようにする。

【００３１】海苔養殖場に着くと、低速で正確な進路制
御が必要となるために、プロペラ１３は停止させて、図
１に示すように船尾スラスター１５を船底下に突出さ
せ、船尾スラスター１５と船首スラスター１７とによっ
て低速で正確な進路調整を行ない、かつ跳ね上げ手段４
０によってガイド延長部４１を図１実線に示すように船
首前方に突出させて浸水させる。また図５〜図７に示す
蓋６４３は閉じて船外への排水は停止し、かつ蓋６４４
を開いてデッキ６６上の水を導入路６０４、すなわちウ
ォータウェイ６４０からコーミング６４２の開口部を通
して海苔庫５０中に流し込むようにしておく。

【００３２】この状態で船を前進させると、図３に示す
ように海中に立てられた支持ポール４６により両端部が
固定されたロープ４７により保持された海苔網４５をガ
イド延長部４１で掬い上げてガイド部材４により船尾方
向に移送させ、この間に刈り取り機５によって海苔網４
５に付着した海苔を刈り取る。

【００３３】刈り取られた海苔４５０は落下するが、両
側から水噴射管８によって噴射された水１００，１０１
が吹き付けられて、落下途中で水を含んで重くなり、か
つ両側から中心方向への噴射水の勢いなどにより下向き
に落下するとともに、噴射された水がウォータカーテン
のように作用することから、風などにより周囲に飛散す
るのが抑制される。またブルワーク１６の部分でも水噴
射管８１から水が噴射されることにより側方への飛散が
抑制されるとともに、デッキ６６上にも水が噴射され
る。デッキ６６上へ落下した海苔は、水噴射管８１から
の水とともにウォータウェイ６４０中に流し込まれ、ウ
ォータウェイ６４０からコーミング６４２の開口部を通
して海苔庫５０中に流し込まれる。

【００３４】上記水噴射ノズル４９の全てが海苔刈り取
り機５よりも船体外側に位置しているので、海苔刈り取
り機５で刈り取られて落下する海苔４５０に確実に水を
かけることができる。また、水噴射ノズル４９は海苔刈
り取り機５の前方から後方に亘って設けられているの
で、前進あるいは後進しながら海苔４５０の刈り取り作
業をすることによって、刈り取った海苔４５０が海苔刈
り取り機５の後方あるいは前方に飛散したとしても、こ
の海苔４５０に確実に水をかけることができる。さら
に、水噴射ノズル４９のうちのいくつかが海苔庫５０の
開口部６０２の両側方に位置していることから、水噴射
ノズル４９から噴射された水によって、海苔刈り取り機
５から落下する海苔４５０を海苔庫５０の開口部６０２
に向かって飛ばすことができ、刈り取った海苔４５０を
効率よく海苔庫５０に回収することができる。

【００３５】海苔庫５０中では刈り取られた海苔が水と
ともに貯留されるが、余分な水は多孔板５５０を通して
下部タンク５５中に入り、排水ポンプ５７により排水管
５６，５８を通して船外に排出される。また取り出しポ
ンプ５３を駆動させることにより取り出し部５１中の海
苔を水とともに吸引し、取り出し管５６，５４から取り
出しホース５４１を通してデッキ上に並べられた海苔篭
５４２中に供給することにより、海苔のみが収穫され
る。

【００３６】このように、刈り取られて落下する海苔
を、水噴射管によって両側から水を吹き付けることによ
り飛散を抑制して落下させ、かつデッキ上に落下した海
苔をガイド溝により自然に海苔庫中に導くようにし、こ
れによって作業の手間がかからずに刈り取った海苔を効
率よく回収するようにしている。

【００３７】またこの水噴射手段８は、ガイド部材４に
対して取付けるようにしているために、特別の取付け部
材は必要とせず、水噴射手段の構成を簡単にしている。

【００３８】

【発明の効果】請求項１記載の発明では、海苔刈り取り
機で刈り取られて落下する海苔に向けて水噴射手段によ
って水を噴射することによって、落下する海苔が水分を
多く含むことになってその重量が増して飛散することな
くデッキ上に落下し、また水噴射手段から噴射された水
がウォータカーテンのように作用して落下する海苔が船
外に飛散するのを防止し、刈り取った海苔を効率よく回
収することができる。

【００３９】請求項２記載の発明では、水噴射手段は、
ガイド部材上を移動する海苔網よりも下方に位置するよ
うに上記ガイド部材に取付けられていることから、水噴
射手段がガイド部材上を移動する海苔網の邪魔になら
ず、海苔の刈り取り作業に支障を及ぼすことがないとと
もに、水噴射手段を取付けるための格別な部材を必要と
しない。また、水噴射手段は左右両舷部に位置している
ので、海苔刈り取り機で刈り取られて落下する海苔に向
けて両側から水を噴射することができ、刈り取った海苔
を一層効率よく回収することができる。

【００４０】請求項３記載の発明では、前進あるいは後
進しながら海苔の刈り取り作業をすることによって、刈
り取った海苔が海苔刈り取り機の後方あるいは前方に飛
散したとしても、刈り取った海苔を効率よく回収するこ
とができる。

【００４１】請求項４記載の発明では、複数の水噴射口
が形成されたパイプによって水噴射手段を構成したの
で、複数の水噴射口の設置を簡単に行なうことができ
る。

【００４２】請求項５記載の発明では、水噴射手段から
噴射された水によって、海苔刈り取り機から落下する海
苔を海苔庫の開口部に向かって飛ばすことができ、刈り
取った海苔を効率よく海苔庫に回収することができる。

【００４３】請求項６記載の発明では、海苔刈り取り機
で刈り取られてデッキ上に落下した海苔に向けて水噴射
手段によって水を噴射することによって、デッキ上の海
苔は水で流されてデッキ上面に開口した導入路を通って
海苔庫に回収され、刈り取った海苔を効率よく海苔庫に
回収することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施態様を示す側面図であり、上側
に船体後半分、下側に船体の前半分を示している。

【図２】図１の平面図であり、上側に船体後半分、下側
に船体の前半分を示している。

【図３】海苔刈り取り部の船体横断面図である。

【図４】海苔庫の間は斜視図である。

【図５】船体中央部における海苔回収用溝部の斜視図で
ある。

【図６】図５の横断面図である。

【図７】図６のＸ−Ｘ線断面図である。

【図８】図６のＹ−Ｙ線断面図である。

【図９】図５の横断面図である。

【符号の説明】

１ 海苔養殖用作業船 ２ 船体 ３ ブリッジ ４ 海苔網用ガイド ５ 海苔回収装置（海苔刈り取り機） ８ 水噴射手段 ４５ 海苔網 ４８ 水供給管 ４９ 水噴射ノズル ５０ 海苔庫 ６００ 海苔庫の開口部を形成するハッチコーミング ６０２ 海苔庫の開口部 ６０４ 海苔庫に海苔を導き入れる導入路 ６４０ ウォータウェイ ６４３，６４４ 蓋 ６５０ 排水溝

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 船上に、船体長さ方向に延在するガイド
   部材が設けられ、海上の海苔網をこのガイド部材に沿っ
   て船上を通過させるとともに、その間に、海苔刈り取り
   機によって海苔網に付着した海苔を船上で刈り取るよう
   にした海苔養殖用作業船において、上記海苔刈り取り機
   で刈り取られて落下する海苔に向けて水を噴射する水噴
   射手段が設けられていることを特徴とする海苔養殖用作
   業船。
2. 【請求項２】 上記水噴射手段は、上記ガイド部材上を
   移動する海苔網よりも下方に位置しかつ左右両舷部に位
   置するように上記ガイド部材に取付けられていることを
   特徴とする請求項１記載の海苔養殖用作業船。
3. 【請求項３】 上記水噴射手段は、上記海苔刈り取り機
   の前方から後方に亘って設けられていることを特徴とす
   る請求項２記載の海苔養殖用作業船。
4. 【請求項４】 上記水噴射手段は、船体長さ方向に延在
   するとともに複数の水噴射口が形成されたパイプから構
   成されていることを特徴とする請求項３記載の海苔養殖
   用作業船。
5. 【請求項５】 上記海苔養殖用作業船のデッキ上に、海
   苔を収容する海苔庫の開口部が設けられ、この開口部の
   側方に上記水噴射手段が位置していることを特徴とする
   請求項１，２，３または４記載の海苔養殖用作業船。
6. 【請求項６】 船上に、船体長さ方向に延在するガイド
   部材が設けられ、海上の海苔網をこのガイド部材に沿っ
   て船上を通過させるとともに、その間に、海苔刈り取り
   機によって海苔網に付着した海苔を船上で刈り取るよう
   にした海苔養殖用作業船において、上記海苔刈り取り機
   で刈り取られてデッキ上に落下した海苔に向けて水を噴
   射する水噴射手段が設けられ、デッキ上面に、海苔庫に
   海苔を導き入れる導入路が開口していることを特徴とす
   る海苔養殖用作業船。