JPH0983309A - 温度補償型リング発振器 - Google Patents

温度補償型リング発振器

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JPH0983309A
JPH0983309A JP7237267A JP23726795A JPH0983309A JP H0983309 A JPH0983309 A JP H0983309A JP 7237267 A JP7237267 A JP 7237267A JP 23726795 A JP23726795 A JP 23726795A JP H0983309 A JPH0983309 A JP H0983309A
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Takeshi Nakamura
中村  剛
Takayuki Aono
孝之 青野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変動に対して発振周波数を安定させるこ
とができ、しかも、小型化が可能な温度補償型リング発
振器を提供する。 【解決手段】 CMOSインバータからなる反転回路1
2を奇数個リング状に連結したリング発振器10と、出
力端子が反転回路12の電源ラインLに接続された演算
増幅器22、及び該演算増幅器22と共に非反転増幅回
路を構成する分圧回路24からなる温度補償回路20と
により構成されている。温度上昇に応じて、分圧回路2
4を構成するトランジスタ26の導通抵抗は増大し、逆
にゲートにしきい値近傍の設定電圧Vqが印加されたト
ランジスタ28の導通抵抗は減少する。その結果、電源
ラインLの電圧が増大し反転回路12の電流駆動能力が
向上するため、温度上昇による反転回路12の電流駆動
能力の低下が相殺され、反転回路12の遅延が略一定と
なり、安定した発振周波数が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度によらず一定
の発振周波数にて発振する温度補償型リング発振器に関
し、特にMOS型半導体集積回路に適した温度補償型発
振回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、発振回路の一つとして、図9
に示すように、奇数個(図では3段)の反転回路INV
をリング状に連結してなるリング発振器OSCが知られ
ている。なお、反転回路INVは、ソースを電源Vdd
に接続したPチャネルMOS型電界効果トランジスタ
(以下、PMOSトランジスタとよぶ)Tr1と、ソー
スを接地したNチャネルMOS型電界効果トランジスタ
(以下、NMOSトランジスタとよぶ)Tr2とからな
り、互いに接続されたゲートを入力端子とし、互いに接
続されたドレインを出力端子とする周知のCMOSイン
バータにより構成されている。
【0003】このようなリング発振器OSCの発振周波
数fは、各反転回路INVの立上がり遅延時間をtpd
r、立下がり遅延時間をtpdf、反転回路INVの連
結段数をNとすると、一般に次式にて与えられる。 f=1/{N(tpdr+tpdf)} ・・・(1) なお、遅延時間tpdr,tpdfは、反転回路INV
を構成するトランジスタTr1,Tr2のドレイン電流
の駆動能力(以下、電流駆動能力とよぶ)と、反転回路
INVの負荷容量とで決まる時定数に依存する。
【0004】そして、トランジスタTr1,Tr2の電
流駆動能力は、温度が上昇する程、低下するという温度
特性を有するため、これに応じて各反転回路INVの遅
延時間tpdr,tpdfは増大し、その結果、リング
発振器OSCの発振周波数は温度に応じて変動し、安定
した発振周波数が得られないという問題があった。
【0005】このような問題を解決するものとして、例
えば、特開平4−139911号公報には、図10に示
すように、PMOSトランジスタTr1及びNMOSト
ランジスタTr2からなるCMOSインバータに、各ト
ランジスタTr1,Tr2に流れるドレイン電流を制御
するための制御用トランジスタTr3(PMOS),T
r4(NMOS)を、各トランジスタTr1,Tr2の
ソース側に夫々直列に接続してなる反転回路INVa
を、奇数個リング状に連結することにより構成されたリ
ング発振器OSCaと、トランジスタTr1,Tr2に
流れるドレイン電流が温度によらず一定となるように制
御用トランジスタTr3,Tr4のゲート電圧を制御
し、各反転回路INVaの遅延時間が一定となるように
する温度補償回路70とにより構成された温度補償型の
リング発振器が開示されている。
【0006】そして、温度補償回路70は、周囲温度を
検出する温度センサ72と、温度センサ72の検出値を
デジタル値に変換するA/D変換回路74と、A/D変
換回路74からのデジタル値をアドレスとして、予め記
憶された所定値を出力するROM76,78と、ROM
76,78の出力値を夫々制御用トランジスタTr3,
Tr4のゲートを駆動するための電圧値に変換するD/
A変換回路80,82とにより構成され、ROM76,
78には、トランジスタTr1,Tr2のドレイン電流
が温度よらず一定となるようなゲート電圧を発生させる
ためのデータが予め記憶されてる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この装置で
は、リング発振器OSCaに付加される温度補償回路7
0が、温度センサ72の検出信号を一旦デジタル値に変
換し、デジタル的にデータを処理した後、再度アナログ
値に変換しているため、構成が複雑になると共に、装置
が大型化し、例えば、集積回路として構成した場合に
も、その占有面積を増大させてしまうという問題があっ
た。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するために、
温度変動に対して発振周波数を安定させることができ、
しかも、小型化が可能な温度補償型リング発振器を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた請求項1に記載の発明は、入力信号を反転し
て出力する反転回路を奇数個リング状に連結してなるリ
ング発振器と、該リング発振器を構成する各反転回路の
遅延時間を制御することにより、該リング発振器の発振
周波数を温度によらず一定となるように温度補償する温
度補償手段と、からなる温度補償型リング発振器におい
て、上記温度補償手段は、非反転入力端子を、第1の設
定電圧が印加される第1の制御端子に接続した演算増幅
器と、該演算増幅器の出力端子と反転入力端子との間に
接続され、その抵抗値が所定の温度特性を有する第1の
素子、及び上記演算増幅器の反転入力端子とグランドと
の間に接続され、その抵抗値が上記第1の素子とは異な
る温度特性を有し、しかも、第2の制御端子に印加され
る第2の設定電圧に応じて温度特性を変更可能な第2の
素子からなり、上記演算増幅器の出力端子から出力され
る補償電圧を分圧して該演算増幅器の反転入力端子に印
加する分圧回路と、を備え、上記第1及び第2の素子の
温度特性の差に応じた温度特性を有する補償電圧によ
り、上記反転回路への印加電圧、或は上記反転回路を構
成する素子を制御して、上記反転回路の遅延時間を制御
することを特徴とする。
【0010】このように構成された請求項1に記載の温
度補償型リング発振器において、温度補償手段に備えら
れた演算増幅器、第1の素子、第2の素子は、周知の非
反転増幅回路を構成する。即ち、第1の素子の抵抗値を
R1(T)、第2の素子の抵抗値をR2(T)、非反転入力
端子に印加される第1の設定電圧をVrefとすると、
演算増幅器の出力端子から出力される補償電圧Vcは、
次式にて表される。
【0011】 Vc=(R1(T)/R2(T)+1)・Vref ・・・(2) なお、Tは温度であり、R1(T),R2(T)は、抵抗値
が温度特性を有することを表す。そして、本発明では、
抵抗値R1(T),R2(T)の温度特性が互いに異なるこ
とから、周囲温度Tの変化に応じてR1(T)/R2(T)
の値が変化し、補償電圧Vcは所定の温度特性を有する
ことになる。例えば、R1(T)/R2(T)の値が、温度
Tに対して単調に増加する場合、補償電圧Vcは、図6
に実線にて示すような特性を有する。なお、簡単のため
に、温度特性を直線にて示す。
【0012】ここで、第1の設定電圧Vrefの設定値
を変化させると、(2)式から明かなように、補償電圧
Vcの電圧レベルが変化し、従って、補償電圧の温度特
性は、図6に点線にて示すように、その傾きを保持した
まま、設定電圧Vrefに応じてシフトする。
【0013】一方、第2の設定電圧Vqを変更して、第
2の素子の抵抗値R2(T)の温度特性を変化させると、
これに応じてR1(T)/R2(T)の値が変化し、延いて
は、図6に一点鎖線にて示すように、温度特性の傾きが
変化する。つまり、第1の素子及び第2の素子の温度特
性の極性(温度Tに対して抵抗値が増加/減少のいずれ
の方向に変化するか)、第1の設定電圧Vref及び第
2の設定電圧Vqを適宜選択,設定することにより、任
意の温度特性(電圧レベル、傾き)を有する補償電圧V
cを生成できる。
【0014】従って、本発明の温度補償型リング発振器
によれば、演算増幅器と分圧回路とにより温度に応じて
生成される補償電圧Vcの温度特性を任意に設定できる
ため、この補償電圧Vcをそのままリング発振器の遅延
時間を制御するための制御信号として用いることがで
き、その結果、従来装置において温度センサの検出信号
を、リング発振器の制御に適した制御信号に変換するた
めに用いられていたA/D変換器74,ROM76,7
8,D/A変換回路80,82といった構成を省略でき
るため、当該温度補償型リング発振器を大幅に小型化で
きる。
【0015】次に、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の温度補償型リング発振器において、上記第1の
素子は、ソースを上記演算増幅器の出力端子に接続し、
ドレイン及びゲートを該演算増幅器の反転入力端子に接
続したPチャネルMOS型トランジスタからなると共
に、上記第2の素子は、ソースを接地し、ドレインを上
記演算増幅器の反転入力端子に接続し、ゲートを第2の
制御端子に接続したNチャネルMOS型トランジスタか
らなり、上記第2の制御端子には、第2の設定電圧とし
て、NチャネルMOS型トランジスタのしきい値近傍の
所定電圧を印加することを特徴とする。
【0016】このように構成された請求項2に記載の温
度補償型リング発振器においては、第1の素子としての
PチャネルMOS型トランジスタは、温度上昇に対して
ドレイン電流の駆動能力が低下するため導通抵抗(式
(2)のR1(T)に相当)が大きくなり、一方、第2の
素子としてのNチャネルMOS型トランジスタは、温度
上昇に対してドレイン電流の駆動能力が向上するため導
通抵抗(式(2)のR2(T)に相当)が小さくなる。
【0017】ここで、図7は、MOS型トランジスタの
ドレイン電流Idの特性である。図7に示すように、M
OS型トランジスタのドレイン電流Idは、ドレイン・
ソース間電圧Vdを一定とした場合、ゲート・ソース間
電圧Vgの増大に応じて指数関数的に増大し、しかも、
ゲート・ソース間電圧Vgが所定電圧Vaより大きい領
域では、温度Tの上昇に応じて減少し、所定電圧Vaよ
り小さい領域では、温度Tの上昇に応じて増大する特性
を有する。そして、温度Tに対してドレイン電流Idが
変化しない所定電圧Vaにおける特性曲線の接線を延長
し、ドレイン電流Id=0となるゲート・ソース間電圧
Vgをしきい値Vtと呼ぶ。
【0018】即ち、ドレインとゲートとが接続された第
1の素子としてのPチャネルMOS型トランジスタで
は、ゲート・ソース間電圧Vgとドレイン・ソース間電
圧Vdとが等しく、しかも、ドレイン・ソース間電圧V
dは、通常、所定電圧Vaより十分に大きくなることか
ら、温度Tの上昇に応じて導通抵抗が大きくなるのであ
り、また、ゲートが第2の制御端子に接続された第2の
素子としてのNチャネルMOS型トランジスタは、ゲー
ト・ソース間電圧Vgがしきい値近傍に設定されるた
め、温度Tの上昇に応じて導通抵抗が小さくなるのであ
る。
【0019】このように、本発明によれば、第1及び第
2の素子のいずれもが、温度Tの上昇に対して、(2)
式におけるR1(T)/R2(T)の値を増大させるように
変化するため、温度Tに対する感度のよい補償電圧Vc
を生成することができる。また、本発明において所定の
温度特性を有する補償電圧Vcを発生させるための主要
な構成要素である分圧回路は、PチャネルMOS型トラ
ンジスタ及びNチャネル型MOSトランジスタのドレイ
ンを互いに接続してなり、CMOSインバータと略同様
の構成をしているため、特に、当該温度補償型リング発
振器をCMOS集積回路上に構成する場合、容易にしか
も小型に作製することができる。
【0020】次に、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載の温度補償型リング発振器において、上記反転回
路は、ソース及びバルクを電源ラインに接続したPチャ
ネルMOS型トランジスタと、ソース及びバルクを接地
したNチャネルMOS型トランジスタとを、ゲート同士
を互いに接続して入力とし、ドレイン同士を互いに接続
して出力としてなるCMOSインバータからなり、上記
電源ラインを、上記演算増幅器の出力端子に接続して、
上記補償電圧が上記反転回路に印加されるように構成
し、温度上昇による上記反転回路の遅延時間の増大を、
温度上昇に応じて上記反転回路に印加される補償電圧が
増大することによる遅延時間の減少により相殺して、上
記反転回路の遅延時間を一定とすることを特徴とする。
【0021】このように構成された請求項3に記載の温
度補償型リング発振器においては、反転回路に電源を供
給する電源ラインに、温度補償手段からの補償電圧が印
加されており、温度Tの上昇に応じて、反転回路の電源
電圧は大きくなる。ところで、反転回路を構成する各M
OS型トランジスタは、その導通時のゲート・ソース間
電圧Vgが反転回路に印加される電源電圧に略等しく、
温度特性の極性が反転する所定電圧Vaに比べて十分に
大きいため、温度Tが上昇するとドレイン電流Idの駆
動能力が低下する。
【0022】一方、反転回路の電源電圧を大きくする
と、導通状態となるトランジスタのゲート・ソース間電
圧Vgが大きくなるため、ドレイン電流Idの駆動能力
が向上する。つまり、ドレイン電流Idの駆動能力と反
転回路の負荷容量とにより決まる反転回路の遅延時間
は、温度上昇に応じて増大し、また、電源電圧の増大に
応じて減少する。
【0023】従って、本発明の温度補償型リング発振器
によれば、温度上昇による反転回路の遅延時間の増大
は、温度上昇に応じて補償電圧Vc、即ち反転回路の電
源電圧が増大することによる遅延時間の減少により相殺
されるため、反転回路の遅延時間を温度Tによらず略一
定とすることができ、その結果、安定した発振周波数を
得ることができる。
【0024】また、本発明によれば、反転回路の遅延時
間の制御を行うために、反転回路に何等加工を施す必要
がなく、従来のリング発振器に温度補償手段を付加する
という最小限の構成の追加にて、リング発振器の発振周
波数を安定化させることができる。
【0025】また次に、請求項4に記載の発明は、請求
項3に記載の温度補償型リング発振器において、上記分
圧回路を構成する第1の素子としてのPチャネルMOS
型トランジスタは、バルクがソースに接続されているこ
とを特徴とする。
【0026】このように構成された請求項4に記載の温
度補償型リング発振器においては、第1の素子としての
PチャネルMOS型トランジスタの特性が、電源電圧と
は関係なく決定されるため、温度補償手段が出力する補
償電圧も、電源電圧の影響を受けることなく生成され
る。
【0027】従って、本発明の温度補償型リング発振器
によれば、当該装置に印加される電源電圧が変更された
としても、第1及び第2の設定電圧を変更することなく
同じ設定にて、様々な電源電圧の装置にて使用すること
ができる。また、このように電源電圧の影響を受けない
ため、電源の安定度が悪く、使用中に電源電圧が変動す
るような場合であっても、安定した発振周波数を得るこ
とができる。
【0028】更に、請求項5に記載の発明は、請求項2
に記載の温度補償型リング発振器において、上記反転回
路は、出力または入力に、一方のドレインを他方のソー
スに夫々接続したPチャネルMOS型トランジスタ及び
NチャネルMOS型トランジスタからなるアナログスイ
ッチを備えると共に、上記リング発振器は、上記補償電
圧発生手段からの補償電圧を上記アナログスイッチのN
チャネルMOS型トランジスタのゲートに印加すると共
に、該補償電圧を、上記反転回路の出力の中心電圧に対
して、該補償電圧とは対象的な電圧レベルに変換して上
記アナログスイッチのPチャネルMOS型トランジスタ
のゲートに印加するレベル変換回路を備え、上記補償電
圧により上記アナログスイッチの導通状態が制御される
ように構成し、温度上昇による上記アナログスイッチの
導通状態の劣化を、温度上昇に応じて該アナログスイッ
チを構成する各トランジスタのゲート・ソース間電圧が
増大することにより相殺して、上記反転回路の遅延時間
を一定とすることを特徴とする。
【0029】このように構成された請求項5に記載の温
度補償型リング発振器においては、レベル変換回路が、
温度補償手段からの補償電圧、及びこの補償電圧をレベ
ル変換した電圧を、アナログスイッチを構成するNチャ
ネルMOS型トランジスタ及びPチャネルMOS型トラ
ンジスタのゲートに夫々印加する。そして、補償電圧が
印加されるNチャネルMOS型トランジスタのゲート電
圧は、温度Tの上昇に応じて大きくなり、レベル変換回
路にてレベル変換された電圧が印加されるPチャネルM
OS型トランジスタのゲート電圧は、温度Tの上昇に応
じて小さくなる。
【0030】ところで、MOS型トランジスタにて構成
されたアナログスイッチでは、温度Tの上昇に応じて、
各トランジスタのドレイン電流Idの駆動能力が低下す
るため、アナログスイッチの電流駆動能力は低下する。
一方、アナログスイッチを構成するNチャネルMOS型
トランジスタは、ゲート電圧が大きい程、また、Pチャ
ネルMOS型トランジスタは、ゲート電圧が小さい程、
ドレイン電流Idの駆動能力が向上するため、温度Tの
上昇に応じて、アナログスイッチの電流駆動能力は向上
する。
【0031】従って、本発明の温度補償型リング発振器
によれば、温度上昇によるアナログスイッチの電流駆動
能力の低下分が、補償電圧Vcによりゲート電圧が制御
されることによる電流駆動能力の向上分にて相殺される
ため、アナログスイッチの電流駆動能力を温度Tによら
ず略一定とすることができる。
【0032】ここで、このアナログスイッチの電流駆動
能力を、CMOSインバータの温度補償範囲内における
電流駆動能力の最悪値より小さく設定すれば、アナログ
スイッチの電流駆動能力が反転回路の電流駆動能力とな
るため、反転回路の遅延時間は、CMOSインバータの
電流駆動能力には関係なく、アナログスイッチの電流駆
動能力と、負荷容量とにより決定される。
【0033】その結果、反転回路の遅延時間が温度によ
らず略一定となるため、リング発振器の発振周波数を安
定化させることができる。なお、本発明によれば、リン
グ発振器にアナログスイッチとレベル変換回路とを追加
する必要があるが、温度補償手段の演算増幅器を、電流
駆動能力の小さい素子にて構成することができ、温度補
償手段をより小型に構成できるため、全体として、当該
温度補償型リング発振器を小型化することができる。
【0034】即ち、本発明においては、演算増幅器は、
アナログスイッチのゲート信号を発生させればよく、請
求項3に記載の温度補償型リング発振器のように、反転
回路の電源を供給するものではないため、電流駆動能力
の小さい素子を用いて構成することができるのである。
【0035】また更に、請求項6に記載の発明は、請求
項1ないし請求項5のいずれかに記載の温度補償型リン
グ発振器において、上記温度補償手段は、更に、上記第
1及び第2の制御端子の夫々に、該各制御端子への印加
電圧を設定するための設定手段を備え、該設定手段は、
デジタル値を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶さ
れるデジタル値に応じた電圧を生成して上記制御端子に
印加するD/A変換器と、からなることを特徴とする。
【0036】このように構成された請求項6に記載の温
度補償型リング発振器においては、記憶手段に記憶され
たデジタル値が、D/A変換器にて所定のアナログ値に
変換され、第1或は第2の設定電圧として、第1及び第
2の制御端子に印加される。なお、記憶手段は、従来装
置のROMのように、所定温度毎に、その温度に応じた
データを記憶するためものではなく、設定電圧を微調整
するためのものであるため、僅かなビット数(nビット
あれば2n 段階の調整が可能)でよく、これに対応し
て、D/A変換器もビット数の小さな小型のものを用い
ることができる。
【0037】従って、本発明によれば、従来装置と同様
に、記憶手段及びD/A変換器を備えているにも関わら
ず、従来装置に比べて小型に構成できる。また、本発明
によれば、第1及び第2の設定電圧を設定するための手
段を、当該温度補償型リング発振器の外部に外付けする
必要がなく、当該温度補償型リング発振器を用いて構成
される装置を小型化できる。
【0038】しかも記憶手段は、第1及び第2の設定電
圧を最適な値に設定することができ、このため、特に、
当該温度補償型リング発振器を集積回路上に構成する場
合には、リング発振器の発振周波数の精度を高いレベル
に維持することができる。即ち、当該温度補償型リング
発振器を集積回路上に構成する場合、半導体プロセス上
のばらつきにより、リング発振器や温度補償手段を構成
する各種素子の特性が変動すると、リング発振器の遅延
時間の温度特性と、温度補償手段にて生成される補償電
圧の温度特性とがずれてしまい、遅延時間の温度変動が
相殺されず、発振周波数の精度を悪化させてしまうので
あるが、記憶手段の記憶内容を設定するだけで、第1及
び第2の設定電圧を調整でき、簡単に補償電圧の特性を
微調整できるため、リング発振器の発振周波数の精度を
悪化させてしまうことがないのである。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。図1は、本発明が適用された第1実施例の
温度補償型リング発振器の全体構成を表す電気回路図で
ある。
【0040】図1に示すように、本実施例の温度補償型
リング発振器2は、奇数個の反転回路12をリング状に
連結してなるリング発振器10と、反転回路12の遅延
時間を温度補償する温度補償回路20とにより構成され
ている。このうちリング発振器10を構成する反転回路
12は、ソース及びバルクを電源ラインLに接続したP
MOSトランジスタ14と、ソース及びバルクを接地し
たNMOSトランジスタ16とからなり、互いに接続さ
れたゲートを入力端子とし、互いに接続されたドレイン
を出力端子とする周知のCMOSインバータにより構成
されている。
【0041】一方、温度補償回路20は、非反転入力端
子を所定の第1の設定電圧Vrefが印加される制御端
子T1に接続した演算増幅器22と、演算増幅器22の
出力電圧を分圧して反転入力端子に印加する分圧回路2
4とからなり、所謂非反転増幅回路として構成されてい
る。
【0042】そして、演算増幅器22の出力端子が、温
度補償回路20の出力端子として、リング発振器10を
構成する各反転回路12の電源ラインLに接続されてお
り、温度補償回路20は、リング発振器10の各反転回
路12に、分圧回路24の分圧比と設定電圧Vrefと
により決まる補償電圧Vcを供給している。
【0043】ここで、分圧回路24は、ソース及びバル
クを演算増幅器22の出力端子に接続し、ドレイン及び
ゲートを反転入力端子に接続したPMOSトランジスタ
26と、ソース及びバルクを接地し、ドレインを演算増
幅器22の反転入力端子に接続し、ゲートを制御端子T
2に接続したNMOSトランジスタ28とにより構成さ
れている。なお、制御端子T2には、しきい値近傍の所
定電圧が設定電圧Vqとして印加され、NMOSトラン
ジスタ28のドレイン電流が正の温度特性を有するよう
にされている。
【0044】このように構成された分圧回路24におい
て、PMOSトランジスタ26の導通抵抗R1(T)は、
温度Tの上昇に応じて増大し、NMOSトランジスタ2
8の導通抵抗R2(T)は、温度Tの上昇に応じて減少す
る。このため、演算増幅器22の反転入力端子への印加
電圧は、温度Tの上昇に応じて低下し、その結果、演算
増幅器22の出力端子に表れる電圧、即ち、補償電圧V
cは、これに応じて増大する。
【0045】ところで、反転回路12は、これを構成す
るMOSトランジスタ14,16の特性により、温度T
の上昇に応じて電流駆動能力が低下する。すると、次段
の反転回路12の入力に印加される電圧信号の立上が
り、立下がりが鈍るため、遅延時間が増大する。一方、
電源ラインLに印加される電圧、即ち補償電圧Vcが大
きくなると、これに応じて、MOSトランジスタ14,
16の導通時におけるゲート・ソース間電圧Vgが大き
くなるため、反転回路12は電流駆動能力が向上し、遅
延時間が減少する。この様子を図8に示す。
【0046】図8は、反転回路12の電流駆動能力の変
化、即ち、反転回路12を構成するMOSトランジスタ
14,16のドレイン電流の変化量△Idを表す説明図
であり、特性Aは、温度Tをパラメータとし、また特性
Bは、補償電圧Vcをパラメータとして表したものであ
る。なお、温度To,補償電圧Voの時のドレイン電流
Idを基準としている。
【0047】即ち、第1の設定電圧Vrefを適宜設定
して、リング発振器10に電源電圧として印加される補
償電圧Vcを調整することにより、リング発振器10の
発振周波数を所定値に設定すると共に、第2の設定電圧
Vqを適宜設定して、補償電圧Vcの温度特性を調整
し、図8に示すように、補償電圧Vcに対するドレイン
電流の変化量△Idの特性が、温度Tに対するドレイン
電流の変化量△Idの特性とは、対象的なものとなるよ
うに設定すれば、ドレイン電流の変化量△Idが互いに
相殺され、反転回路12の電流駆動能力が一定となり、
反転回路12の遅延時間が一定となるのである。
【0048】以上説明したように、本実施例の温度補償
型リング発振器2によれば、温度上昇による反転回路1
2の遅延時間の増大を、温度上昇に応じて補償電圧V
c、即ち反転回路12の電源電圧が上昇することによる
遅延時間の減少により相殺するようにされているので、
反転回路12の遅延時間は温度によらず略一定となり、
その結果、リング発振器10の発振周波数を安定化する
ことができる。
【0049】また、本実施例の温度補償型リング発振器
2によれば、リング発振器10に遅延を制御するための
手段を何等付加することなく、温度補償回路20を付加
するという最小限の構成変更にて作製することができ、
しかも温度補償回路20は、演算増幅器22と、MOS
トランジスタ26,28からなる分圧回路24とにより
構成された極めて簡易なものであるため、容易にしかも
小型に構成できる。
【0050】また、本実施例においては、分圧回路24
を構成するPMOSトランジスタ26のバルクがソース
に接続され、補償電圧Vcが温度T及び設定電圧Vre
f,Vqのみの影響を受け、電源電圧の影響を受けるこ
とのないようにされており、また、反転回路12を構成
するPMOSトランジスタ14のバルクもソースに接続
され、反転回路12の遅延時間の特性が、温度T及び補
償電圧Vcのみの影響を受け、電源電圧の影響を受ける
ことがないようにされている。
【0051】従って、本実施例の温度補償型リング発振
器2によれば、使用する電源電圧の大きさを変更したと
しても、補償電圧Vcは変化しないため、設定電圧Vr
ef,Vqの設定を変更することなくそのまま使用する
ことができ、また、電源の精度が悪く、電源電圧が変動
するような場合であっても、発振周波数が変動すること
がないため、装置の操作性,信頼性を向上させることが
できる。
【0052】次に、第2実施例について説明する。本実
施例の温度補償型リング発振器4は、第1実施例と同様
に、リング発振器10と、温度補償回路30とにより構
成されている。なお、リング発振器10は、第1実施例
にて説明したものと全く同様であるため、ここでは説明
を省略する。
【0053】一方、温度補償回路30は、図2に示すよ
うに、第1実施例の温度補償回路20と同様に、非反転
増幅回路を構成する演算増幅器22及び分圧回路24を
備え、更に、第1の設定電圧Vrefを発生させるため
のデジタル値を記憶するメモリ32と、第2の設定電圧
Vqを発生させるためのデジタル値を記憶するメモリ3
4と、メモリ32に記憶されたデジタル値に基づいて所
定の電圧値を発生させ、制御端子T1に印加するD/A
変換回路36と、メモリ34に記憶されたデジタル値に
基づいて電圧値を発生させ、制御端子T2に印加するD
/A変換回路38とを備えることにより構成されてい
る。
【0054】ここで、図3は、メモリ32,34及びD
/A変換回路36,38の詳細な構成を表す電気回路図
である。図3に示すように、メモリ32(メモリ34も
全く同じ構成)は、夫々が1ビットのデータを記憶する
メモリセル56を4個備えてなる周知の4ビットEPR
OMとして構成されている。即ち、メモリセル56は、
ソースを接地し、ゲートをデータ書込端子Wに接続した
セルトランジスタ58と、ドレインをセルトランジスタ
58のドレインに接続し、ソースを電源Vddに接続
し、ゲートを接地したPチャネルMOS型トランジスタ
からなる負荷トランジスタ60と、セルトランジスタ5
8のドレイン電位を、所定のしきい値にてコンパレート
して出力するインバータ62とにより構成されている。
【0055】そして、セルトランジスタ58は、ゲート
・基板間に周囲から絶縁されたフローティングゲートを
有し、このフローティングゲートに電荷が蓄積されてい
るか否かにより、メモリセル56の出力が決まる。即
ち、フローティングゲートに電荷が蓄積されていない場
合、セルトランジスタ58は導通状態となり、ドレイン
電位がLow レベルとなるため、インバータ62を介する
ことによりメモリセル56の出力はHighレベルとなる。
一方、フローティングゲートに電荷が蓄積されている場
合、セルトランジスタ58は非導通状態となり、ドレイ
ン電位がHighレベルとなるためメモリセルの出力はLow
レベルとなる。
【0056】なお、メモリセル56へのデータの書込、
即ちフローティングゲートへの電荷の蓄積は、ゲート及
びドレインに高電圧(10〜20V)を印加してドレイ
ン電流を流すことにより行い、データの消去、即ちフロ
ーティングゲートに蓄積された電荷の放出は、セルトラ
ンジスタ58に紫外線を照射することにより行う。
【0057】一方、D/A変換回路36(D/A変換回
路38も全く同じ構成)は、抵抗値Rの抵抗を3個,及
び抵抗値2Rの抵抗を5個用いてなるはしご形抵抗回路
64を中心に構成された周知のR−2R型D/A変換回
路であり、4ビットのデジタル値を入力する入力端子の
夫々には、デジタル入力バッファとしてのインバータ6
6が設けられ、抵抗回路64にて生成された電圧信号を
外部に出力する出力端子には、アナログ出力バッファと
して構成された演算増幅器68が設けられている。
【0058】そして、このD/A変換回路36,38
は、メモリ32,34に記憶されたデジタル値に応じて
16段階の電圧値を設定する。以上説明したように、本
実施例の温度補償型リング発振器4は、第1実施例の温
度補償型リング発振器4に、メモリ32,34と、D/
A変換回路36,38を付加したものであるため、第1
実施例と同様の効果が得られるだけでなく、本実施例に
よれば、設定電圧Vref,Vqを変更することによ
り、補償電圧Vcの温度特性を容易に微調整できるた
め、装置の信頼性を向上させることができる。
【0059】即ち、例えば、当該温度補償型リング発振
器4をCMOS集積回路として構成した場合、製造上の
ばらつきにより、反転回路12や分圧回路24を構成す
るMOSトランジスタ14,16,26,28等の特性
がばらつき、反転回路12の遅延時間の温度特性や、補
償電圧Vcの温度特性が、設計時とはずれてしまうこと
があるが、設定電圧Vref,Vqの設定を変更するこ
とにより、補償電圧Vcの温度特性を、ずれてしまった
特性に合わせて微調整できるため、発振周波数の温度に
対する安定性を悪化させることがなく、信頼性を向上さ
せることができるのである。
【0060】また、本実施例によれば、設定電圧Vre
f,Vqを設定するための設定器具を外付けする必要が
ないので、当該温度補償型リング発振器4を用いて構成
される装置をより小型化できる。なお、本実施例におい
ては、設定電圧Vref,Vqを4ビットにて設定する
ようにされているが、必要に応じてビット数を増減させ
てもよい。
【0061】また、メモリ32,34として、EPRO
Mを用いているが、記憶された内容が保持されるもので
あればどのようなものでもよく、例えば、EEPRO
M,フラッシュメモリ,バッテリバックアップされたR
AM,ヒューズ等でもよい。更に、D/A変換回路3
6,38としてR−2R型を用いているが、△Σ型等を
用いてもよい。
【0062】次に、第3実施例について説明する。本実
施例の温度補償型リング発振器6は、第1及び第2実施
例と同様に、リング発振器40と、温度補償回路20a
とにより構成されている。なお、温度補償回路20a
は、第1実施例の温度補償回路20において、分圧回路
24に代えて、PMOSトランジスタ26のバルクを、
ソースではなく、電源Vddに接続してなる分圧回路2
4aを用いている以外は、第1実施例の温度補償回路2
0と全く同様である。
【0063】これは、本実施例では、第1及び第2実施
例とは異なり、後述するリング発振器40が電源Vdd
に接続され、電源電圧の変動の影響を受けるように構成
されているため、分圧回路24aも電源電圧の変動の影
響が反映されるように、ソースではなく、電源Vddに
接続されているのである。
【0064】一方、リング発振器40は、リング状に連
結された奇数個の反転回路42と、温度補償回路20a
からの補償電圧Vcに基づき、反転回路42の遅延時間
を制御するため、補償電圧Vcをレベル変換した電圧を
補償電圧Vcと共に各反転回路42に供給するレベル変
換回路46とにより構成されている。
【0065】このうち反転回路42は、ソース及びバル
クを電源Vddに接続したPMOSトランジスタ14、
及びソース及びバルクを接地したNMOSトランジスタ
16を、互いに接続されたゲートを入力端子とし、互い
に接続されたドレインを出力端子としてなる周知のCM
OSインバータと、一方のドレインを他方のソースに夫
々接続し、その一端をCMOSインバータの出力に接続
し、他端を当該反転回路42の出力端子としたNMOS
トランジスタ48及びPMOSトランジスタ50からな
る周知のアナログスイッチ44とにより構成されてい
る。
【0066】なお、アナログスイッチ44は、NMOS
トランジスタ48のゲートが第1の制御ラインLnに接
続され、PMOSトランジスタ50のゲートが第2の制
御ラインLpに接続され、これら第1及び第2の制御ラ
インLn,Lpの電圧レベルに応じて、反転回路42の
出力の電流駆動能力を制御するようにされている。
【0067】また、レベル変換回路46は、ソース及び
バルクを電源Vddに接続したPMOSトランジスタ5
2と、ソース及びバルクを接地し、ドレインをPMOS
トランジスタ52のドレイン及びゲートに接続したNM
OSトランジスタ54と、により構成され、NMOSト
ランジスタ54のゲートに、温度補償回路20aの出
力、及び第1の制御ラインLnが接続され、PMOSト
ランジスタ52のドレイン及びゲートに、第2の制御ラ
インLpが接続されている。
【0068】そして、レベル変換回路46では、NMO
Sトランジスタ54が補償電圧Vcに応じた導通状態と
なり、補償電圧Vcが大きいほどNMOSトランジスタ
54のドレイン電位が下降し、逆に、補償電圧Vcが小
さいほどドレイン電位は上昇する。しかもその電位は、
PMOSトランジスタ52のゲートと同電位にされてい
るため、PMOSトランジスタ52に、NMOSトラン
ジスタ54と同じ大きさのドレイン電流を流すような電
位となり、通常、電源電圧の1/2に対して、補償電圧
Vcとは略対象的な電位となる。その結果、補償電圧V
cの上昇に応じて、アナログスイッチ44を構成するN
MOSトランジスタ48のゲート電圧は大きくなり、ま
たPMOSトランジスタ50のゲート電圧は小さくなる
ことにより、いずれのトランジスタ48,50もドレイ
ン電流の駆動能力が向上し、即ちアナログスイッチ44
の電流駆動能力が向上する。
【0069】ところで、アナログスイッチ44の電流駆
動能力は、PMOSトランジスタ14及びNMOSトラ
ンジスタ16からなるCMOSインバータの電流駆動能
力より小さくなるように設定されており、反転回路42
の電流駆動能力は、アナログスイッチ44の電流駆動能
力のみにより決定される。
【0070】そして、アナログスイッチ44は、これを
構成するMOSトランジスタ48,50の特性により、
温度Tの上昇に応じて電流駆動能力が低下するが、この
温度に対する電流駆動能力の特性は、第2の設定電圧V
qを適宜設定し、補償電圧Vcに対する電流駆動能力の
特性を調整することにより相殺することができ、その結
果、アナログスイッチ44の電流駆動能力,延いては反
転回路42の遅延時間を、温度によらず略一定とするこ
とができる。
【0071】以上説明したように、本実施例の温度補償
型リング発振器6によれば、反転回路42の電流駆動能
力は、CMOSインバータによらずアナログスイッチ4
4により決定されるようにされており、しかも、アナロ
グスイッチ44の電流駆動能力が温度によらず一定とな
るように温度補償されているため、反転回路42の遅延
時間が一定となり、延いては、リング発振器40の発振
周波数を安定化することができる。
【0072】また本実施例によれば、反転回路42を構
成するCMOSインバータ、アナログスイッチ44、及
びレベル変換回路46は、すべてPMOSトランジスタ
とNMOSトランジスタとを組み合わせて構成されてい
るため、当該温度補償型リング発振器6を容易にCMO
S集積回路として実現することができる。
【0073】更に、本実施例によれば、補償電圧Vc
は、レベル変換回路46及びアナログスイッチ44の各
NMOSトランジスタ54,48のゲートに所定電圧を
印加するものであり、第1及び第2実施例のように、反
転回路42に電源を供給するためのものではないため、
演算増幅器22を電流駆動能力の小さい素子を用いて構
成することができ、温度補償回路20aをより小型化で
きる。
【0074】次に、第4実施例について説明する。本実
施例の温度補償型リング発振器8は、第1ないし第3実
施例と同様に、リング発振器40と温度補償回路30a
とにより構成されている。そして、図5に示すように、
リング発振器40は、第3実施例にて説明したものと全
く同様であり、また、温度補償回路30aは、第2実施
例の温度補償回路30において、分圧回路24に代え
て、PMOSトランジスタ26のバルクを、ソースでは
なく、電源Vddに接続してなる分圧回路24aを用い
ている以外は、第2実施例の温度補償回路30と全く同
様である。
【0075】従って、本実施例によれば、第3実施例と
同様に、温度補償回路30aからの補償電圧Vcによ
り、アナログスイッチ44の電流駆動能力を制御して、
各反転回路42の遅延が温度によらず一定となるように
されているので、安定した発振周波数を得ることができ
る。
【0076】また、第2実施例と同様に、メモリ32,
34及びD/A変換回路36,38により設定電圧Vr
ef,Vqを設定し、補償電圧Vcの温度特性を微調整
できるようにされているので、当該温度補償型リング発
振器8をCMOS集積回路上に構成する場合であって
も、発振周波数の温度に対する安定性を劣化させること
がなく、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の温度補償型リング発振器の全体
構成を表す電気回路図である。
【図2】 第2実施例の温度補償型リング発振器の全体
構成を表す一部ブロック図を含む電気回路図である。
【図3】 メモリとD/A変換回路の詳細構成を表す電
気回路図である。
【図4】 第3実施例の温度補償型リング発振器の全体
構成を表す電気回路図である。
【図5】 第4実施例の温度補償型リング発振器の全体
構成を表す一部ブロック図を含む電気回路図である。
【図6】 補償電圧Vcと、第1及び第2の設定電圧V
ref,Vqとの関係を表す説明図である。
【図7】 MOS型トランジスタの電流特性を表すグラ
フである。
【図8】 反転回路において遅延が相殺される原理を表
す説明図である。
【図9】 従来のリング発振器の構成を表す電気回路図
である。
【図10】 従来の温度補償型リング発振器の構成を表
す説明図である。
【符号の説明】
2,4,6…温度補償型リング発振器 10…リング
発振器 12,42…反転回路 14,26,50,52…P
MOSトランジスタ 16,28,48,54…NMOSトランジスタ 20,20a,30,30a…温度補償回路 22,
68…演算増幅器 24,24a…分圧回路 32,34…メモリ 36,
38…D/A変換回路 40…リング発振器 44…アナログスイッチ 4
6…レベル変換回路 56…メモリセル 58…セルトランジスタ 60
…負荷トランジスタ 62,66…インバータ 64…抵抗回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を反転して出力すると共に、温
    度に応じて反転動作の遅延時間が変動する反転回路を奇
    数個リング状に連結してなるリング発振器と、 該リング発振器を構成する各反転回路の遅延時間を制御
    することにより、該リング発振器の発振周波数を温度に
    よらず一定となるように温度補償する温度補償手段と、 からなる温度補償型リング発振器において、 上記温度補償手段は、 非反転入力端子を、第1の設定電圧が印加される第1の
    制御端子に接続した演算増幅器と、 該演算増幅器の出力端子と反転入力端子との間に接続さ
    れ、その抵抗値が所定の温度特性を有する第1の素子、
    及び上記演算増幅器の反転入力端子とグランドとの間に
    接続され、その抵抗値が上記第1の素子とは異なる温度
    特性を有し、しかも、第2の制御端子に印加される第2
    の設定電圧に応じて温度特性を変更可能な第2の素子か
    らなり、上記演算増幅器の出力端子から出力される補償
    電圧を分圧して該演算増幅器の反転入力端子に印加する
    分圧回路と、 を備え、上記第1及び第2の素子の温度特性の差に応じ
    た温度特性を有する補償電圧により、上記反転回路への
    印加電圧、或は上記反転回路を構成する素子を制御し
    て、上記反転回路の遅延時間を制御することを特徴とす
    る温度補償型リング発振器。
  2. 【請求項2】 上記第1の素子は、ソースを上記演算増
    幅器の出力端子に接続し、ドレイン及びゲートを該演算
    増幅器の反転入力端子に接続したPチャネルMOS型ト
    ランジスタからなると共に、 上記第2の素子は、ソースを接地し、ドレインを上記演
    算増幅器の反転入力端子に接続し、ゲートを第2の制御
    端子に接続したNチャネルMOS型トランジスタからな
    り、 上記第2の制御端子には、第2の設定電圧として、Nチ
    ャネルMOS型トランジスタのしきい値近傍の所定電圧
    を印加することを特徴とする請求項1に記載の温度補償
    型リング発振器。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の温度補償型リング発振
    器において、 上記反転回路は、ソース及びバルクを電源ラインに接続
    したPチャネルMOS型トランジスタと、ソース及びバ
    ルクを接地したNチャネルMOS型トランジスタとを、
    ゲート同士を互いに接続して入力とし、ドレイン同士を
    互いに接続して出力としてなるCMOSインバータから
    なり、 上記電源ラインを、上記演算増幅器の出力端子に接続し
    て、上記補償電圧が上記反転回路に印加されるように構
    成し、 温度上昇による上記反転回路の遅延時間の増大を、温度
    上昇に応じて上記反転回路に印加される補償電圧が増大
    することによる遅延時間の減少により相殺して、上記反
    転回路の遅延時間を一定とすることを特徴とする温度補
    償型リング発振器。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の温度補償型リング発振
    器において、 上記分圧回路を構成する第1の素子としてのPチャネル
    MOS型トランジスタは、バルクがソースに接続されて
    いることを特徴とする温度補償型リング発振器。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の温度補償型リング発振
    器において、 上記反転回路は、出力または入力に、一方のドレインを
    他方のソースに夫々接続したPチャネルMOS型トラン
    ジスタ及びNチャネルMOS型トランジスタからなるア
    ナログスイッチを備えると共に、 上記リング発振器は、上記補償電圧発生手段からの補償
    電圧を上記アナログスイッチのNチャネルMOS型トラ
    ンジスタのゲートに印加すると共に、該補償電圧を、上
    記反転回路の出力の中心電圧に対して、該補償電圧とは
    対象的な電圧レベルに変換して上記アナログスイッチの
    PチャネルMOS型トランジスタのゲートに印加するレ
    ベル変換回路を備え、上記補償電圧により上記アナログ
    スイッチの導通状態が制御されるように構成し、 温度上昇による上記アナログスイッチの導通状態の劣化
    を、温度上昇に応じて該アナログスイッチを構成する各
    トランジスタのゲート・ソース間電圧が増大することに
    より相殺して、上記反転回路の遅延時間を一定とするこ
    とを特徴とする温度補償型リング発振器。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載の温度補償型リング発振器において、 上記温度補償手段は、更に、上記第1及び第2の制御端
    子の夫々に、該各制御端子への印加電圧を設定するため
    の設定手段を備え、 該設定手段は、 デジタル値を記憶する記憶手段と、 該記憶手段に記憶されるデジタル値に応じた電圧を生成
    して上記制御端子に印加するD/A変換器と、 からなることを特徴とする温度補償型リング発振器。
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