JPH0982585A - シリコンウエハの貼り合わせ方法 - Google Patents

シリコンウエハの貼り合わせ方法

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JPH0982585A
JPH0982585A JP24161695A JP24161695A JPH0982585A JP H0982585 A JPH0982585 A JP H0982585A JP 24161695 A JP24161695 A JP 24161695A JP 24161695 A JP24161695 A JP 24161695A JP H0982585 A JPH0982585 A JP H0982585A
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JP
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silicon
film
bonding
temperature
silicon wafer
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JP24161695A
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English (en)
Inventor
Masaharu Muramatsu
雅治 村松
Katsumi Shibayama
勝己 柴山
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコンウエハ同士を貼り合わせた場合に撓
んだり、貼り合わせ部にボイドが生じ易かった。 【解決手段】 接着剤となるBPSG(ボロン・リン・
シリケート゛ ガラス)の最低軟化温度において、支持基
板601の一方の面にシリコン酸化膜602を形成し、
他方の面にBPSG603を堆積させる。また、CCD
が形成されたシリコンウエハ605にも、BPSG60
3を堆積させる。次に、互いのBPSG603を重ね合
わせ(図f)、BPSGの最低軟化点温度よりも高温に
加熱する(図g)。次に、前述した軟化温度形成温度ま
で降温すると、支持基板601は、凹形状から偏平形状
に次第に変化する。このように中心付近から接着が行わ
れるので、ボイド(空気層)が生じることはない。ま
た、最後にシリコン酸化膜602を除去すると、撓みの
ない偏平な状態となる(図j)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貼り合わせ層を有
したSOI(Silicon-on-Insulator) ウエハの製造技術
に関し、特に、接着剤を用いて2つのシリコンウエハを
貼り合わせるシリコンウエハの貼り合わせ方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】電荷転
送型半導体装置(CCD)を用いた実用的なCCD撮像
デバイスでは、フレーム転送(FT)、フル・フレーム
転送(FFT)、インターライン転送(IT)構成の三
つの方式が代表的である。このうち計測用としては主に
フル・フレーム転送方式が用いられる。
【0003】このフル・フレーム転送方式は、蓄積部が
無く受光部の面積が大きくとれるという特長があるた
め、光の利用率が高く、計測用など微弱光の用途に広く
用いられている。その反面、入射光が転送電極で吸収さ
れるため、吸収係数が大きい入力光、例えば波長が短い
青色の光に対する感度が著しく低下するという欠点があ
る。この受光部は、通常、ポリシリコン電極が隙間なく
表面を覆い、それぞれの電極の分離のために厚さ数ミク
ロンにも及ぶPSG(リンガラス)膜が重ねられた構造
となっており、特にポリシリコン電極は400nm以下
の波長の光や低エネルギーの電子線などを吸収してしま
うため、光電変換に寄与することができないという問題
があった。
【0004】この点に関しては、基板を15μm〜20
μm程度に薄くして、光を裏面から照射する構造にした
裏面入射型CCDがある。表面はポリシリコン電極が隙
間なく覆っており、短波長光を吸収してしまうが、裏面
には障害物がなく、短波長光等吸収係数が大きい照射に
対しても、高感度が期待できる。
【0005】裏面入射型CCDは、200nm程度の短
波長光まで感度があり、さらに、軟X線のダイレクト検
出や、電子衝撃型CCD撮像デバイスにも応用される。
このデバイスは、電子衝撃により生じる、信号電荷の増
倍作用を利用できるので高感度デバイスとして期待され
る。
【0006】ここで裏面入射型CCDの製造プロセスの
代表例を図3に示す。
【0007】使用するウエハは、P/P+ エピタキシャ
ルウエハであり、エピタキタキシャル層の比抵抗は30
Ω−cmであり、厚さは30μmである。また、基板の
比抵抗は0.01Ω−cm、厚さは500μmである。
【0008】まず、CCDについては、アルミニウム配
線104を含めた全ての製造プロセスを終了させる(図
3(a))。なお、受光部シリコンを薄形化後に、アル
ミニウム配線を施すことも考えられるが、薄形化した膜
の部分にフォトリソグラフィーを行うことは困難であ
り、また、アルミニウム配線プロセス中に、薄形化した
膜部分が破れることも十分に考えられる。つまり、薄形
化する前にできる限り多くのプロセスを終了しておくこ
とが望ましい。なお、図中、参照番号101がP+型基
板、102がP型エピタキシャル成長層、103が表面
に形成してあるCCDである。
【0009】次に、裏面にクローム/金層を堆積させた
後、薄形化したい部分のクローム/金層を取り除き、ク
ローム/金パターン105を形成する(図3(b))。
【0010】次に、CCD103の形成面(表面)を保
護するため、ワックス107を用いて、この形成面側を
ホルダ106に貼り付ける。この後、CCD裏面側の受
光部となる部位のみを薄形化し、CCDの周辺は枠とし
て残す(図3(c))。この際、HF:HNO3:CH3COOH =
1:3 :8 をエッチング液とし、基板101の裏面シリ
コンをエッチングする。このエッチング液は硝酸リッチ
であるため、弗酸による溶解律速でエッチングが進む。
溶解律速であるため液の撹拌を十分に行い、常に新しい
エッチヤントをエッチング面に当てないと、膜厚が著し
く不均一になる。しかしどんなに撹拌を行っても、エッ
チングしている部分と枠の部分の境界では、エッチヤン
トの回り込みなどによりエッチングが速く進み、膜厚が
不均一になりやすい。
【0011】ここで、酸系のエッチヤントとして溶解律
速のエッチヤントが広く使用されている理由を説明す
る。もし弗酸リッチならば、酸化律速でエッチングが進
む。使用ウエハがP /P+なので、P+層のみ選択的にエ
ツチングできれば膜厚の絶対値や均一性において優れた
ものが製作できる。実際、酸化律速のエッチャントを使
用すれぱ、P +層のエッチング速度が速く、膜厚のコン
トロールが非常に行いやすい。
【0012】しかし現実には、CCDはインターナルゲ
ッタリングを行っており、P+層の中には多数の結晶欠
陥があり、結晶欠陥はP+層同様にエッチング速度が大
きい。従って、エッチヤントとして酸化律速の液を使用
すると、エッチング途中にあった結晶欠陥がエツチング
面の膜厚を不均一にさせ、受光面を雲らせる結果とな
る。このような理由でCCDには酸化律速のエッチヤン
トは使用できず、膜厚のコントロールは行いにくいが、
やむを得ず溶解律速のエッチヤントを使用することにな
る。
【0013】ここで、膜厚の測定を行い、不十分であれ
ば前述した薄形化処理を繰り返す。
【0014】ウエハはホルダー106に張り付けられて
いるので、膜厚を測定するためには一度ホルダーからウ
エハをはずさなくてはならない。しかし、すでにCCD
の受光部は膜厚が相当薄くなっており、基板101から
はずす際、或は、ワックス107を除去するための洗浄
の際などに、特に破損しやすい。
【0015】次に、120℃、水蒸気中で48時間酸化を
行う(図3(d))。すでにアルミニウム配線104が
形成されているので、高温を加えての酸化はできない。
従って低温で非常に長い時間を掛けて酸化を行う。これ
によって基板101の裏面側の表面に、シリコン酸化膜
108が形成される。
【0016】次に、裏面の入射面にアキュームレーショ
ンを形成する。短波長に対する感度を上げるためには裏
面入射面シリコンをアキュームレーション状態にし、効
率良く光電子がCCDのポテンシヤル井戸に到達できる
構造としなくてはいけない。
【0017】一般的にはP型シリコンに対してボロンを
イオン注入すれば良いが、イオン注入層はアモルファス
状態になり、その後の熱処理で再結晶化とイオン注入原
子の活性化が行われなくてはいけない。通常、この熱処
理はアニールと呼ばれ、600℃付近と1000℃付近の熱処
理を連続して行う、いわゆる2ステップアニールが好ま
しい。アニールが不足すれば、発生した光電子がCCD
のポテンシヤル井戸に到達しにくい構造となり、高感度
を得ることは困難である。
【0018】しかし実際には、CCDにはすでにアルミ
ニウム配線104が施されているので、このような高温
のアニールはできない。このため、イオン注入による裏
面入射面のアキュームレーションは大きな制約を受け
る。高感度を得るためには、イオン注入によるアキュー
ムレーションが好ましいが、適用は困難であり、裏面入
射面にあるシリコン酸化膜を負に帯電させる、というよ
うな消極的なアキュームレーションが多く採用されてい
るのが現状である。UV光を裏面入射面の酸化膜に照射
することにより、酸化膜を負に帯電させることができる
(図3(e))。しかしこのアキュームレーションは、
放置しておくと放電され、アキュームレーションとして
の効果が弱くなることが分かっている。即ち持続性に問
題がある。この問題を回避するには、CCD上に施して
ある金属配線の形成をアルミニウムに代えて、タングス
テン、モリブテン、またはこれらのシリサイドなど、い
わゆる高融点金属で形成すれば良い。高融点金属で配線
が行われていれば、高温熱処理に耐えるから、イオン注
入後理想的なアニール(高温アニール)を行うことがで
きる。イオン注入による不純物プロファイルは安定なも
のであるから、アキュームレーションの持続性は良く、
安定した高感度が得られることになる。
【0019】最後に、ダイシングしてパッケージに組み
立て、裏面入射型CCDの製造工程は終了する。
【0020】ここで、裏面入射型CCDにおいて、裏面
薄形化の必要性について説明する。
【0021】前述したように、裏面入射型CCDは、シ
リコンウエハの裏面が光の入射面となる。通常、CCD
を形成するシリコンウエハの厚さは、400 〜600ミクロ
ンである。例えば吸収係数が大きいエネルギー線の代表
例として、200nmから300nmの紫外線のような短波長光
は、そのほとんどが表面からわずかに入ったところで吸
収されてしまう。具体的には、0 .01μmである。従っ
て数百ミクロンの厚さがある表面照射型の通常のCCD
を、そのまま裏面入射型として使用しても、裏面で発生
した光電子は、表面にあるCCDのポテンシャル井戸
に、効率よく拡散していくことができず、ほとんどは再
結合して失われてしまう。また、そのうちのいくらかは
ポテンシヤル井戸まで到達できたとしても、長い道程を
拡散してくる間に信号同士が混じり合い、いわゆる解像
度を著しく低下させる。
【0022】従って裏面入射型CCDでは、受光面であ
る裏面を、研磨、エッチングによって薄くして、発生し
た電子が最短距離で、表面のポテンシヤル井戸に到達で
きるようにしなくてはいけない。図4にCCDの断面を
示す。裏面入射型CCDの代表的な受光面シリコンの厚
さは15〜20μmである。図4において、201がクロッ
ク線、202がポリシリコン電極、203がゲート酸化
膜、204がP型シリコン層、205が裏面入射面に形
成されているシリコン酸化膜である。
【0023】更に図5に示すように、裏面入射面には、
アキュームレーション層と称するポテンシヤルのスロー
プを設けなければならない。図5において、301がク
ロック線、302がポリシリコン電極、303がゲート
酸化膜、304が裏面入射面酸化膜、305がP 型シリ
コン層である。
【0024】アキュームレーションとは、裏面入射面3
04付近で生じた信号電荷が、CCDコレクションウェ
ル306に移動しやすいような、内部ポテンシヤルを設
けることである(点線)。アキュームレーション層がな
い場合、ポテンシヤルは図5の実線で示す状態であり、
表面付近で生じた信号電荷は、コレクションウェルと言
うよりはむしろ、裏面シリコン−シリコン酸化膜の界面
方向に押しやられ、再結合して失われる。
【0025】裏面入射面には反射防止膜として厚さ数十
オングストロームから数百オングストロームのシリコン
酸化膜304がある。電子線照射の場合は、シリコン酸
化膜は薄い又は無いのが望ましい。
【0026】ここで、以上説明した、従来の裏面入射型
CCDの問題点をまとめる。従来の裏面入射型CCD
は、15〜20μmに薄形化した受光部をチップ周辺の薄形
化していない“枠部分”で保護した、いわゆる枠付き保
護構造であり、薄形化したシリコンがプロセス中または
組立等で非常に破損しやすいという問題点があった。こ
れは、薄膜部に物が接触する際や、水洗時に於いても薄
形化部に強く水流が当たると破れを生じることがあっ
た。
【0027】また、前述のように薄形化部は物理的に非
常に弱いので、薄形化部分の面積、即ち受光面積が制限
される点が揚げられる。具体的には13mm×13mm
程度(12μmピッチ、1024ch.×1024ch.に相当)
が限度であり、これより大面積のCCDには適用できな
い。
【0028】さらにもう1つの問題点は、薄形化部は15
〜20μmのシリコン膜厚であり、CCDが形成してある
サイドには数μmの厚さの保護膜(シリコン酸化膜、シ
リコン窒化膜等)や金属配線が付いている。このため、
シリコンとの熱膨張係数の差による応力で、薄膜部、即
ち入射面が大きくたわむことになる。受光面、入射面が
たわむということは、光学系の焦点を、たわみに応じて
調整しなくてはならず、このようなことは実用上不可能
である。
【0029】そこで、薄形化したシリコンの保護及びた
わみを生じさせない方法として、種々の方法が提案され
ている。具体的には、薄形化前にCCDが形成してある
サイドを張り合わせ面として、別のシリコン基板等に張
り合わせ、その後薄形化を行う。このようにすれば、薄
形化時にはすでに保護がなされているし、薄形化後にた
わみを生じることもない。
【0030】CCDが形成してあるシリコン基板、及び
保護用としてのシリコン基板は、非常にフラットであ
り、堅く又面積も大きい。このような物同士を、ボイド
なしで、綺麗に張り合わせるのは極めて困難である。ボ
イドがあると、薄形化後にボイド部分が膨らんだ形とな
り、たわみと同様、フオーカス合わせにおいて問題を生
じる。
【0031】シリコン基板同士を貼り合わせる具体的な
方法として、シリコンウエファの直接接着技術がある
(応用物理第63巻第1l号(1994)“ULSIのための貼り合
わせSOI技術”)。
【0032】最初に、室温、大気圧に於いて、シリコン
ウエハの鏡面同士を重ねる。このままでは浮遊した状態
であるため、ウエハの周辺の一部を数百gの重さで押さ
えるとウエハがわずかに変形して接触し、結合が始ま
る。結合の波のスピードは数cm/sec.であり、最終的
にウエハ全体が結合する。なお、上記文献によれば、最
初の接触点を2 カ所にすると空気ボイドが必ず生ずると
明記されている。
【0033】以上は室温で行われる。接着の機構は、OH
基と水の間に働く水素結合と、分子間力であり、結合力
は小さい。200〜1000℃の熱処理で、Si−O結合に変遷
する。結合力は大きいが、室温で閉じこめられた過剰水
分によるボイドが形成されてしまう。通常、貼り合わせ
ウエハは、1100℃程度の熱処理が加えられる。
【0034】裏面入射型CCDの薄形化部の保護とし
て、シリコン基板を張り付けることは、前述したとおり
有用であるが、シリコン貼り合わせ技術は、全くの鏡面
同士を貼り合わせるものであり、すでにメタル配線まで
施して、貼り合わせ面に大きな凹凸がある場合には適用
できない。また 1100℃もの高温熱処理は、CCDにと
って許容できる温度ではない。
【0035】一方、半導体基板同士を貼り合わせる技術
は、特開平5-21763、特開平6-163862などに開示されて
おり、特に、特開昭53−114361号公報には、BSG、BPSG
を用いてシリコン基板同士を、ボイドなしで貼り合わせ
る技術が開示されている。表面に凹凸があるCCDを、
鏡面シリコン基板に貼り付けるのであるから、その凹凸
以上の厚みが、接着剤であるBSG、BPSGに必要である。
また、ボイドを生じさせないためには、ボイドの原因と
なる空気の逃げ道を作っておけばよく、このため、支持
基板になる側のシリコン基板の貼り合わせ面に、縦横に
V溝が形成してある(図6(a)参照)。BSG 、BPSGの
軟化温度は1000℃〜900℃である。CCDと、V溝付き
シリコン基板とを重ねた後、接着層の軟化点以上の高温
中にいったん入れ、冷却する。貼り合わせ時には、閉じ
こめられた空気層は近くのV溝に入るので、接着層にボ
イドは生じないというものである。
【0036】原理的にはうまく働きそうだが、これを裏
面入射型CCDの薄形化の保護として使用するには以下
のような問題点がある。
【0037】この方法では、まず、V溝502が形成さ
れたシリコン基板501の貼り合わせ面にBSGまたはBPS
G(参照番号503)を堆積させると共に(図6
(b))、CCDを形成してあるウエハ504の貼り合
わせ面にも、BSG またはBPSG(参照番号505)を堆積
させる(図6(c))。この後、図6(d)に示すよう
に貼り合わせる。室温で張り合わせた後、BSG、BPSG
(503、505)を軟化させ接着力を得るために、10
00℃〜900℃まで加熱する。V溝502内の空気が外気
と遮断した構造(閉気孔)では、加熱によってV溝の空
気が膨張するので、ボイドが発生してしまう。このボイ
ドの発生を避けるためには、V溝502内の空気が外気
と通じた構造(開気孔)とすることが考えられる。
【0038】しかし開気孔の場合、接着強度が弱く、後
工程で薬品などが空孔部に入り、これがその後の熱工程
で外部に出て素子特性に悪影響を及ぼす場合がありこの
観点からは、空孔は閉気孔とする必要がある。
【0039】これらの理由により、V溝構造の支持基板
を用いて、CCDの薄形化部を保護するのは難しいこと
が分かる。
【0040】本発明は、このような課題を解決すべく為
されたものであり、その目的は、ボイドを生じることな
く、しかも、撓みを生じることなく、シリコンウエハ同
士を貼り合わせることを可能にする、新たな貼り合わせ
方法を提案することにある。なお、このような貼り合わ
せ方法は、上述したような裏面入射型CCDの保護構造
を形成する場合にも、勿論、適用可能である。
【0041】
【課題を解決するための手段】そこで、各請求項にかか
るシリコンウエハの貼り合わせ方法は、接着剤を用いて
シリコンウエハ同士を貼り合わせるシリコンウエハの貼
り合わせ方法であって、まず、接着剤の最低軟化温度に
おいて、第1のシリコンウエハの一方の面に対し、シリ
コンよりも熱膨張係数が小さい値を有する膜を形成する
(第1工程)。このような温度条件でこの膜を形成する
と、形成温度よりも降温した状態では、第1のシリコン
ウエハとの熱膨張係数の差異から、第1のシリコンウエ
ハは、この膜が形成された面を凸として反る状態とな
る。
【0042】次いで、第1のシリコンウエハの他方の面
に対し、PSG(リン・シリケート゛ガラス)、BSG
(ボロン・シリケードガラス)、BPSG(ボロン・リ
ン・シリケート゛ ガラス)などの接着剤による接着剤層
を形成する(第2工程)。
【0043】また、一方の面に半導体素子が形成された
第2のシリコンウエハに対し、この一方の面に接着剤に
よる接着剤層を形成する(第3工程)。
【0044】次いで、第1及び第2のシリコンウエハの
互いの接着剤層を重ね合わせて、この接着剤の最低軟化
点温度よりも高温で熱処理を行う(第4工程)。この
際、第1のシリコンウエハは、膜の形成温度よりも高い
温度では、この膜の形成面が凹面となるように反り返る
状態となる。
【0045】次いで、第4工程を経た前記第1及び第2
のシリコンウエハを、少なくとも前記膜の形成温度まで
2℃/min〜3℃/minのスピードでゆっくり降温
する。これにより、第1のシリコンウエハは、この膜を
形成した際と同じ形状、即ち、偏平な形状となる。この
ように、第1のシリコンウエハが、凹状態から偏平状態
に、その形状が次第に変化するため、重ね合わせた第1
及び第2のシリコンウエハは、中心付近の1点から次第
に接合が開始する。このため、この接合部内に、たとえ
空気層(ボイドによる隙間)が生じた場合にも、次第に
外側に押し出される状態となり、この接合部内に空気層
が形成されることはない。そして、この温度において、
2つのシリコンウエハの互いの接合面は、歪みのない、
まっすぐな状態となって接合される。
【0046】請求項2にかかるシリコンウエハの貼り合
わせ方法では、第1及び第2のシリコンウエハを室温ま
で冷却すると、貼り合わされた2つのシリコンウエハ
は、一体となった状態のまま、前述した膜の面が凸とな
った湾曲した形状に変形するが、第1のシリコンウエハ
に形成されている膜を除去することで(第6工程)、加
えられていた応力から開放されるため、貼り合わされた
2つのシリコンウエハは歪みの無い、まっすぐな状態と
なる。
【0047】また、請求項3にかかるシリコンウエハの
貼り合わせ方法では、これら第1の膜及び第2の膜をシ
リコン酸化膜で形成する。
【0048】また、請求項4にかかるシリコンウエハの
貼り合わせ方法では、前述した第1工程は、接着剤の最
低軟化温度において、第1のシリコンウエハの両面に対
し第1の膜を形成し、この後、一方の面に形成された第
1の膜を除去する工程を含んで構成する。
【0049】
【発明の実施の形態】以下の実施の形態では、シリコン
ウエハの貼り合わせ方法を、裏面入射型CCDの保護構
造としてCCDにシリコンウエハを貼り合わせる場合を
例に説明する。
【0050】以下、工程順に説明する。
【0051】まず、図1(a)に示すシリコンウエハで
形成される支持基板(シリコン基板)601の両側の表
面に、十分に厚いシリコン酸化膜602を形成する(図
1(b))。形成するシリコン酸化膜602の厚さは、
たとえば、601の厚さが500μmであれば、1μm 程度
の厚さに形成する。なお、この酸化膜を形成する際の温
度は重要であり、以下のように定める。
【0052】後述するように、貼り合わせの際に用いる
接着剤として、PSG、BPSGを用いるが、支持基板
601の酸化は、使用する接着剤の軟化している最低温
度で行う必要がある。ここでBPSGを例にとると、膜
中のリン及びボロンの濃度がそれぞれ5wt%とすれ
ば、BPSGの最低軟化温度は約950℃である。従っ
て、この場合、支持基板601の酸化を950℃で行
う。
【0053】次に、このようにして支持基板601の両
面に形成したシリコン酸化膜602のうち、片側の面の
シリコン酸化膜602を除去する(図1(c))。な
お、この除去はフッ酸溶液を用いた化学エッチングによ
り行う。シリコン酸化膜602はシリコンよりも熱膨張
係数が一桁小さいので、片面のシリコン酸化膜を除去し
てしまうと、支持基板は大きく反ることになる。反り量
は、シリコン酸化膜602とシリコンの厚さ、酸化温度
で決まる。なお、図1(c)は室温まで冷却した状態を
示している。
【0054】次に、シリコン酸化膜602を除去した側
の面に、BPSG(ボロン・リン・シリケート゛ ガラ
ス)603を堆積させる(図1(d))。このBPSG
603は、後に実施する貼り合わせ工程において接着剤
として機能するものであり、この面が貼り合わせ面とな
る。なお、この接着剤はBPSGの他に、PSG、BS
Gを用いても良い。
【0055】一方、既にCCDが形成されたシリコンウ
エハ605には、CCDの形成面(表面)にも、接着剤
としてのBPSG603を同様に堆積させる(図1
(e))。図中、参照番号604は、シリコンウエハ6
05上に堆積した薄膜である。また、このCCD上に施
された金属配線は、タングステン、モリブデン、又はこ
れらのシリサイドなど、いわゆる高融点金属で形成され
ている。
【0056】次に、支持基板601とシリコンウエハ6
05とを、互いのBPSG層が対向するように重ね合わ
せる(図2(f))。図示したように、室温状態では、
支持基板601は、貼り合わせ面に対して凸型に反って
おり、中央部付近は接触していない。
【0057】次に、重ね合わせた支持基板601とシリ
コンウエハ605に対して、貼り合わせのための熱処理
を行う。貼り合わせ時の熱処理は、接着剤となるBPS
G603の最低軟化温度よりも一旦高くし(即ち、シリ
コン酸化膜602を形成した際の温度よりも高くし)、
この後、徐々に降温していく。なお熱処理中、適当な重
さのおもりを乗せても良い。図2(g)のように、シリ
コン酸化膜602の形成温度より高い状況では、支持基
板601は室温の時とは逆に、凹型に一旦反り、CCD
が形成してあるシリコンウエハ605と一点で接触す
る。降温と共に支持基板601の反りは小さくなるか
ら、徐々に接着面積は拡大し、酸化膜を形成した温度
(950℃)では、撓みなく、まっすぐな状態となる
(図2(h))。このように一旦高温まであげ、徐々に
降温することにより、中心付近から接着が行われるの
で、ボイド(空気層)が生じることはない。
【0058】さらに降温を続け、室温まで温度を低下さ
せると、シリコン酸化膜602とシリコンとの熱膨張係
数の差異により、図2(i)に示すように、貼り合わせ
たウエハは凸型に反った形態となる。
【0059】以上のプロセスで貼り合わせ工程は終了す
るが、支持基板601側に残るシリコン酸化膜602
を、フッ酸溶液による化学エッチングで除去すること
で、反りは無くなり、撓みのない、偏平な状態となる
(図2(j))。
【0060】このようにして裏面入射型CCD(参照番
号605)のおもて面に対し、支持基板601を貼り付
ける。そして、この後、図3(c)以降で説明したよう
に、裏面入射型CCDに対して、裏面側から薄形化処理
が施される。そして、さらにアキュームレーションに伴
う700℃以上の熱処理が加えられるが、接着剤として
用いるBPSG、PSGや、支持基板の耐熱性は700
℃以上であるため、理想的なアキュームレーションが形
成される。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、各請求項にかかる
シリコンウエハの貼り合わせ方法によれば、貼り合わせ
の際の温度を調整することで、第2のシリコンウエハ上
において、第1のシリコンウエハの貼り合わせ面の形状
が第2のシリコンウエハ側に凸の形状から偏平な形状に
次第に変形する。このため、互いの接触部が中心部から
次第に外周部に広がるため、接合部内にボイドを生じさ
せることなく、2つのシリコンウエハを接合することが
可能となる。
【0062】特に、請求項2にかかる貼り合わせ方法の
ように、貼り合わせた2つのシリコンウエハを室温まで
降温させると、前述した膜の面が凸となった湾曲した形
状に変形するが、第1のシリコンウエハに形成されてい
る膜を除去することで、加えられていた応力を取り除く
ことができる。この結果、貼り合わされた2つのシリコ
ンウエハを、室温において、歪みの無い、まっすぐな状
態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は、実施形態にかかる貼り合わ
せ工程を順に示す工程図である。
【図2】(f)〜(j)は、図1に続く、貼り合わせ工
程を示す工程図である。
【図3】(a)〜(e)は、裏面入射型CCDの従来の
製造方法を順に示す工程図である。
【図4】裏面入射型CCDの要部の断面図である。
【図5】裏面入射型CCDの断面のポテンシャルプロフ
ァイルを示す図である。
【図6】(a)〜(d)は、2つのシリコンウエハを貼
り合わせる、従来の方法を示す工程図である。
【符号の説明】
601…支持基板、602…シリコン酸化膜、603…
BPSG、605…シリコンウエハ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着剤を用いてシリコンウエハ同士を貼
    り合わせるシリコンウエハの貼り合わせ方法であって、 前記接着剤の最低軟化温度において、第1のシリコンウ
    エハの一方の面に対し、シリコンよりも熱膨張係数が小
    さい値の膜を形成する第1工程と、 前記第1のシリコンウエハの他方の面に対し、前記接着
    剤による接着剤層を形成する第2工程と、 一方の面に半導体素子が形成された第2のシリコンウエ
    ハに対し、当該一方の面に前記接着剤による接着剤層を
    形成する第3工程と、 前記第1及び第2のシリコンウエハの互いの前記接着剤
    層を重ね合わせ、この接着剤の最低軟化点温度よりも高
    温で熱処理を行う第4工程と、 第4工程を経た前記第1及び第2のシリコンウエハを、
    降温する第5工程とを備えるシリコンウエハの貼り合わ
    せ方法。
  2. 【請求項2】 前記第5工程の後に、前記第1のシリコ
    ンウエハに形成した前記膜を除去する第6工程をさらに
    備える請求項1記載のシリコンウエハの貼り合わせ方
    法。
  3. 【請求項3】 前記膜は、シリコン酸化膜である請求項
    1又は2に記載のシリコンウエハの貼り合わせ方法。
  4. 【請求項4】 前記第1工程は、前記接着剤の最低軟化
    温度において、前記第1のシリコンウエハの両面に対し
    前記膜を形成し、この後、一方の面に形成された前記第
    1の膜を除去する工程を含む請求項1〜3のいずれかに
    記載のシリコンウエハの貼り合わせ方法。
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