JPH0982250A - インデックス方式カラー受像管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高輝度、軽量、大型にして表示画像の黒レベ
ルを大幅に低くすることができるインデックス方式カラ
ー受像管を構成することを目的とする。 【解決手段】 インデックス方式カラー受像管におい
て、ほぼ矩形状平坦なフェースプレート10の内面に形成
された複数色のストライプ状画像表示用蛍光体層とイン
デックス信号発生用蛍光体層とを有するスクリーン16
を、複数個の電子銃18から放出される電子ビームにより
複数個の領域に分割して走査する構造とし、特に外囲器
内にインデックス信号発生用蛍光体層からのインデック
ス信号光を複数個の領域に対応して設けられたインデッ
クス信号検出装置26方向に反射する反射部材29を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、インデックス方
式カラー受像管装置に係り、特に１つのスクリーンを複
数の電子銃から放出される電子ビームにより複数の領域
に分割して走査することにより、カラー画像を再生する
インデックス方式カラー受像管装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にカラー受像管は、図７に示すよう
に、パネル１の内面に設けられた３色蛍光体層からなる
スクリーン２に対向してシャドウマスク３が配置され、
このシャドウマスク３により、ファンネル４のネック５
内に設けられた１個の電子銃６から放出される３電子ビ
ーム７を選別して、それぞれ所定の蛍光体層に入射させ
ることにより、カラー画像を再生するシャドウマスク方
式が実用化されている。しかしこのシャドウマスク方式
のカラー受像管は、シャドウマスク３の電子ビーム透過
率が約２０％と低いため、電子銃６から放出される全電
子ビームのエネルギに対するスクリーン２の発光効率が
低く、カラー受像管の高輝度化の障害となっている。ま
たシャドウマスク３に衝突して吸収される電子ビームの
エネルギにより、シャドウマスク３は熱変形し、色純度
が劣化しやすいなどの問題がある。

【０００３】この電子銃から放出される全電子ビームの
エネルギに対するスクリーンの発光効率を高めることが
できるカラー受像管の一例として、シャドウマスクを用
いることなく、スクリーンにストライプ状の画像表示用
３色蛍光体層のほかに、ストライプ状のインデックス信
号発生用蛍光体層を設け、電子ビームの走査によりこの
インデックス信号発生用蛍光体層から得られる発光を検
出する光電変換装置からなるインデックス信号検出装置
を設けて、色切換えをおこなうインデックス方式カラー
受像管が古くから知られている。

【０００４】このインデックス方式カラー受像管によれ
ば、高輝度が得られる。しかしこのカラー受像管は、ス
クリーンを走査する電子ビームのスポット径を、スクリ
ーン全域にわたり画像表示用蛍光体層のストライプ幅以
下にするすることが要求される。しかし受像管を大型に
すると、電子銃からスクリーンまでの距離が長くなり、
電子銃の電子光学的倍率が大きくなるため、スクリーン
全域にわたり電子ビームのスポット径を小さくすること
が困難となる。また電子ビームの走査位置を常時検出す
るためには、インデックス信号発生用蛍光体層からイン
デックス信号検出装置により検出しうる発光が得られる
ようにインデックス信号発生用蛍光体層を励起しなけれ
ばならず、このインデックス信号発生用蛍光体層を励起
する電子ビームの最低エネルギにより、表示画像の黒レ
ベルが決まる。ところが、受像管が大型になるにしたが
って、スクリーンからインデックス信号検出装置までの
距離が大きくなるため、インデックス信号検出装置に到
達する光量が減少し、表示画像の黒レベルの低下を招く
ようになる。

【０００５】このインデックス方式カラー受像管の問題
点を解決する受像管として、特公平４−５３０６７号公
報には、小型のインデックス方式カラー受像管を複数個
所定の関係に配置して一体化し、一方、蛍光体層を連続
的に並列形成してスクリーンを実質的に一つのスクリー
ンとし、このスクリーンを複数の領域に分割して走査す
ることにより得られる画像を合成して一つのカラー画像
を再生するようにしたインデックス方式カラー受像管が
示されている。この受像管によれば、高輝度かつ大型の
インデックス方式カラー受像管を構成することが可能で
ある。

【０００６】また特願平５−２１１９９９号明細書に
は、平坦なフェースプレートの内面に所定間隔で並列形
成されたストライプ状の光吸収層とこの光吸収層の間隙
部に設けられたストライプ状の３色蛍光体層からなる蛍
光体スクリーンを設け、この蛍光体スクリーンを複数の
電子銃から放出される電子ビームにより複数の領域に分
割して走査し、各領域に描かれる画像を合成して１つの
合成画像を表示するシャドウマスク型カラー受像管が示
されている。このカラー受像管では、平坦なフェースプ
レートに加わる大気圧荷重を支えるため、真空外囲器の
内側に支持体が配置されている。このように構成する
と、軽量かつ大型のカラー受像管を実現することができ
る。

【０００７】したがって上記特公平４−５３０６７号公
報のインデックス方式カラー受像管と特願平５−２１１
９９９号明細書のカラー受像管とから高輝度、軽量かつ
大型のインデックス方式カラー受像管が実現可能であ
る。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、インデ
ックス方式カラー受像管を大型にしようとすると、電子
銃からスクリーンまでの距離が長くなり、電子銃の電子
光学的倍率が大きくなるため、インデックス方式カラー
受像管に要求される電子ビームのスポット径をスクリー
ン全域にわたり小さくすることが困難となる。またスク
リーンからインデックス信号検出装置までの距離も大き
くなり、インデックス信号発生用蛍光体層からインデッ
クス信号検出装置に到達する光量が減少するため、表示
画像の黒レベルの低下を招くなどの問題がある。

【０００９】このインデックス方式カラー受像管の問題
点を解決する受像管として、小型のインデックス方式カ
ラー受像管を複数個所定の関係に配置して一体化し、一
方、蛍光体層を連続的に並列形成してスクリーンを実質
的に一つのスクリーンとし、このスクリーンを複数の領
域に分割して走査することにより得られる画像を合成し
て一つの合成カラー画像を再生するようにしたインデッ
クス方式カラー受像管が提案されている。この受像管に
よれば、高輝度かつ大型のインデックス方式カラー受像
管を構成することが可能である。

【００１０】しかし一般にインデックス方式カラー受像
管の表示画像の黒レベルを下げて画像特性を良好にする
ためには、インデックス信号発生用蛍光体層を走査する
電子ビームの電流密度をできる限り低くすることが必要
である。しかし上記従来のインデックス方式カラー受像
管は、電子ビームの電流密度をできる限り低くして、表
示画像の黒レベルを下げることに、なんら考慮が払われ
ていない。

【００１１】この発明は、上記問題点に鑑みて成された
ものであり、高輝度、軽量、大型にして表示画像の黒レ
ベルを大幅に低くすることができるインデックス方式カ
ラー受像管を構成することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】インデックス方式カラー
受像管において、ほぼ矩形状平坦なフェースプレート、
このフェースプレートと対向するほぼ矩形状平坦なリア
プレートおよびこのリアプレートに設けられた複数個の
ファンネルを有する外囲器と、その複数個のファンネル
内にそれぞれ設けられた複数個の電子銃と、フェースプ
レートの内面に形成された複数色のストライプ状画像表
示用蛍光体層とインデックス信号発生用蛍光体層とを有
し、複数個の電子銃から放出される電子ビームにより複
数個の領域に分割して走査されるスクリーンと、その複
数個の領域に対応して設けられ、電子ビームの走査によ
り上記対応する領域のインデックス信号発生用蛍光体層
からのインデックス信号光を検出する複数個のインデッ
クス信号検出装置と、外囲器内に配置され、インデック
ス信号発生用蛍光体層からのインデックス信号光を複数
個の領域に対応して設けられたインデックス信号検出装
置方向に反射する反射部材とを有する構造とした。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態を説明する。

【００１４】図１および図２にその実施の一形態である
インデックス方式カラー受像管を示す。このカラー受像
管は、ほぼ矩形状平坦なフェースプレート１０、このフ
ェースプレート１０の周辺部に設けられたスカート部１
１に接合されたほぼ矩形状平坦なリアプレート１２およ
びこのリアプレート１２に設けられた複数個の開孔１３
のまわりに接合された複数個のファンネル１４からなる
真空外囲器を有する。図示例では、リアプレート１２
に、水平方向（Ｘ軸方向）に４個、垂直方向（Ｙ軸方
向）に３個、合計１２の開孔１３個が設けられ、その各
開孔のまわりに１２個のファンネル１４が接合されてい
る。上記フェースプレート１０の有効部内面には、後述
するスクリーン１６が設けられている。また各ファンネ
ル１４のネック１７内には、単電子ビームを放出する電
子銃１８が配設されている。そしてこの電子銃１８から
放出される電子ビームを各ファンネル１４の外側に装着
された偏向装置１９の発生する磁界により水平、垂直方
向に偏向して、上記スクリーン１６を複数の領域、図示
例では、上記電子銃１８の配置に対応して、水平方向に
４個、垂直方向に３個、合計１２個の領域Ｒ1 〜Ｒ12に
分割して走査し、各領域Ｒ1 〜Ｒ12に描かれる画像を合
成して、一つの合成画像が得られるものとなっている。
以下、スクリーン１６を１２個の領域Ｒ1 〜Ｒ12に分割
して走査される場合について説明する。

【００１５】上記スクリーン１６は、図３に示すよう
に、フェースプレート１０の有効部内面に水平方向に所
定間隔で並列形成された垂直方向に細長いストライプ状
の光吸収層２１、この光吸収層２１の間隙部に所定配列
で形成された垂直方向に細長いストライプ状の３色蛍光
体層Ｂ，Ｇ，Ｒ、およびこれら光吸収層２１および画像
表示用３色蛍光体層Ｂ，Ｇ，Ｒの背面に設けられたアル
ミニウム蒸着膜２２からなる画像表示用蛍光体スクリー
ンと、上記アルミニウム蒸着膜２２を介して上記光吸収
層２１と重なる位置に、所定間隔で光吸収層２１と同方
向に設けられたストライプ状のインデックス信号発生用
蛍光体層２４とから構成されている。そのインデックス
信号発生用蛍光体層２４の配列は、各領域の水平走査開
始側で変化している。

【００１６】また上記リアプレート１２には、上記各フ
ァンネル１４を挟んで水平方向の両側に各一対の光透過
窓が設けられ、この各光透過窓の外面上に、図４に示す
ように、上記電子ビームにより分割して走査される１２
個の領域Ｒ1 〜Ｒ12に対応して、光電変換装置からなる
各一対のインデックス信号検出装置２６が設けられてい
る。

【００１７】また上記領域Ｒ1 〜Ｒ12の隣接領域との交
点には、上記外囲器内が真空であるため、平坦なフェー
スプレート１０およびリアプレート１２に加わる大気圧
荷重を支える６個の柱状支持体２７が配置されている。
この支持体２７のフェースプレート１０側端部は、図３
に示したように、ストライプ状光吸収層２１の長手方向
に長い楔形状に形成され、その先端は、上記隣接領域の
交点上に位置する光吸収層２１に接している。

【００１８】さらにこのカラー受像管においては、図２
および図３に示したように、上記１２個の領域を各別に
仕切るように外囲器内に、電子ビームの走査により得ら
れる各領域のインデックス信号発生用蛍光体層２４の発
光を対応するインデックス信号検出装置２６方向に反射
する平板状の反射部材２９が設けられている。この反射
部材２９は、好ましくは鏡面反射するものがよい。

【００１９】このように構成されたインデックス方式カ
ラー受像管では、電子銃１８から放出される電子ビーム
によりスクリーン１６を１２個の領域Ｒ1 〜Ｒ12に分割
して走査し、この走査により各領域Ｒ1 〜Ｒ12に設けら
れているインデックス信号発生用蛍光体層２４の発光を
対応するインデックス信号検出装置２６で検出し、この
検出によりインデックス信号検出装置２６から送出され
る信号に基づいて、電子銃１８および偏向装置１９を制
御することにより、各領域Ｒ1 〜Ｒ12に分割画像を表示
する。そしてその各分割画像を繋いで１つの合成画像を
表示する。

【００２０】この場合、このカラー受像管においては、
上述したように各領域Ｒ1 〜Ｒ12を各別に仕切る反射部
材２９が設けられ、図５に示すように、この反射部材２
９により各領域Ｒ1 〜Ｒ12のインデックス信号発生用蛍
光体層２４の発光を対応するインデックス信号検出装置
２６方向に反射するため、従来インデックス信号検出装
置に達しないインデックス信号発生用蛍光体層の発光を
インデックス信号検出装置に集める。その結果、反射部
材２９を設けない場合にくらべて、インデックス信号発
生用蛍光体層２４を走査する電子ビームの密度を大幅に
低くすることができ、表示画像の黒レベルを下げること
ができる。

【００２１】しかもフェースプレート１０とリアプレー
ト１２を平坦にし、これら両プレート１０，１２に加わ
る大気圧荷重を支える支持体２７を配置した構造にした
ことにより、軽量かつ大型のインデックス方式カラー受
像管を構成することができる。

【００２２】なお、上記実施の形態では、反射部材を平
板状としたが、この反射部材は、円滑な曲面あるいは凹
凸をもつ不連続曲面としてもよく、このような曲面にす
ることにより、インデックス信号発生用蛍光体層２４の
発光を効果的にインデックス信号検出装置方向に反射で
き、またその反射光の強度を制御でき、インデックス信
号検出装置に対する集光能力をより一層向上させること
ができ、画像表示特性を良好にすることができる。

【００２３】

【発明の効果】フェースプレートの内面に形成された複
数色の画像表示用蛍光体層とインデックス信号発生用蛍
光体層とを有するスクリーンを、複数の電子銃から放出
される電子ビームにより、複数の領域に分割して走査す
ることにより、各領域に得られる画像を合成して一つの
合成画像を表示するインデックス方式カラー受像管にお
いて、真空外囲器内に各領域を仕切る反射部材を設け、
この反射部材により、各領域のインデックス信号発生用
蛍光体層の発光を各領域に対応して設けられたインデッ
クス信号検出装置方向に反射させると、インデックス信
号発生用蛍光体層を走査する電子ビームの密度を大幅に
低くすることができ、表示画像の黒レベルを下げること
ができ、画像表示特性の良好な大型のインデックス方式
カラー受像管を構成することができる。しかもフェース
プレートとリアプレートを平坦にし、これら両プレート
に加わる大気圧荷重を支持体により支える構造にしたこ
とにより、軽量かつ大型のインデックス方式カラー受像
管を構成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１（ａ）はこの発明の実施の一形態であるイ
ンデックス方式カラー受像管の正面側からみた斜視図、
図１（ｂ）は背面側からみた斜視図である。

【図２】図２（ａ）は図１（ａ）のＡ−Ａ断面図、図２
（ｂ）はＢ−Ｂ断面図である。

【図３】図３（ａ）は上記インデックス方式カラー受像
管のスクリーンの構成を示す斜視図、図３（ｂ）は断面
図である。

【図４】電子ビームにより分割して走査される複数の領
域に対するインデックス信号検出装置の配置を示す図で
ある。

【図５】インデックス信号発生用蛍光体層の発光を反射
する反射部材の作用を説明するための図である。

【図６】通常のカラー受像管の構成を示す図である。

【符号の説明】

１０…フェースプレート １２…リアプレート １４…ファンネル １６…スクリーン １８…電子銃 ２１…光吸収層 ２４…インデックス信号発生用蛍光体層 ２６…インデックス信号検出装置 ２７…支持体 ２９…反射部材 Ｂ，Ｇ，Ｒ…画像表示用３色蛍光体層 Ｒ1 〜Ｒ12…領域

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ほぼ矩形状平坦なフェースプレート、こ
   のフェースプレートと対向するほぼ矩形状平坦なリアプ
   レートおよびこのリアプレートに設けられた複数個のフ
   ァンネルを有する外囲器と、 上記複数個のファンネル内にそれぞれ設けられた複数個
   の電子銃と、上記フェースプレートの内面に形成された
   複数色のストライプ状画像表示用蛍光体層とインデック
   ス信号発生用蛍光体層とを有し、上記複数個の電子銃か
   ら放出される電子ビームにより複数個の領域に分割して
   走査されるスクリーンと、 上記複数個の領域に対応して設けられ、上記電子ビーム
   の走査により上記対応する領域のインデックス信号発生
   用蛍光体層からのインデックス信号光を検出する複数個
   のインデックス信号検出装置と、 上記外囲器内に配置され、上記インデックス信号発生用
   蛍光体層からのインデックス信号光を上記複数個の領域
   に対応して設けられたインデックス信号検出装置方向に
   反射する反射部材とを具備することを特徴とするインデ
   ックス方式カラー受像管。