JPH09806A - 脱気液製造方法及び装置及び超音波洗浄方法及び装置 - Google Patents

脱気液製造方法及び装置及び超音波洗浄方法及び装置

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JPH09806A
JPH09806A JP15346095A JP15346095A JPH09806A JP H09806 A JPH09806 A JP H09806A JP 15346095 A JP15346095 A JP 15346095A JP 15346095 A JP15346095 A JP 15346095A JP H09806 A JPH09806 A JP H09806A
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liquid
cleaning
degassed
fluid
degassed liquid
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JP15346095A
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Hideo Takahashi
英雄 高橋
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械加工や鋳物(金属/樹脂)整形時のバリ
取り、洗浄、殺菌等に使用する脱気された洗浄液を製造
するための脱気液製造方法及び装置及び超音波洗浄方法
及び装置に関し、簡単な構成で脱気液を長時間脱気した
状態に維持できる脱気液製造方法及び超音波洗浄方法及
び装置を提供することを目的とする。 【構成】 洗浄液L1を収容する洗浄容器2に、洗浄液
L1より比重が小さく、かつ、洗浄液L1に溶解しない
保護液L2を供給する保護液注入系6を設け、脱気され
た洗浄液L1に保護液L2を混入し、洗浄液L1の表面
に保護液L2の膜を形成することにより、洗浄液L1の
空気との接触を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脱気液製造方法及び装置
及び超音波洗浄方法及び装置に係り、特に、機械加工や
鋳物(金属/樹脂)成形時のバリ取り、洗浄、殺菌等に
使用する脱気された洗浄液を製造する脱気液製造方法及
び装置及び洗浄方法及び装置に関する。
【0002】近年、ディスク装置等が大容量、高密度化
するに従って、それらに用いられる機械部品の加工時に
発生するバリや埃などの洗浄が重要な工程となってい
る。一方、生産性を向上させるために洗浄等の工程を効
率的に行なう必要がある。特に超音波洗浄では、いかに
強いキャビテーションを発生させるかが重要なポイント
となっており、これには洗浄液への空気の溶解を減少さ
せる必要があった。
【0003】
【従来の技術】図7に従来の真空脱気超音波洗浄装置の
動作説明図を示す。従来の真空脱気超音波洗浄装置11
は主に市水、純水よりなる洗浄液L11を収容する容器
12と、容器12内を真空とし、洗浄液L11を脱気さ
せる真空ポンプ13と、容器12内に収容された洗浄液
L11を超音波振動させる超音波振動子14とより構成
されていた。
【0004】従来の真空脱気超音波洗浄装置11により
機械加工物等の洗浄を行なう場合にはまず図 (A)に
示すように洗浄液L11を容器に収容した状態で容器1
2の蓋12aを閉じ、真空ポンプ13を駆動することに
より容器12内を減圧状態とすることにより洗浄液L1
1に溶解した空気を排除する、いわゆる真空脱気を行な
う。これは洗浄液L11に空気が溶解した状態で洗浄液
L11を超音波振動させると超音波が伝わりにくくな
り、キャビテーションが弱くなることにより洗浄効率が
低下するためである。
【0005】次に、図7(B)に示すように被洗浄物1
5を洗浄液L11に浸し、超音波振動子14を駆動して
洗浄液L11を超音波振動させ、被洗浄物15を超音波
洗浄する。以上により被洗浄物15の洗浄が終了する。
次に新たに洗浄物15を超音波洗浄する場合には洗浄液
L11は外気と直接接触しているため、再び空気が溶解
しているので、図7(A)に示す真空脱気を再び実行し
た後に超音波洗浄を行う。このように従来の真空脱気超
音波洗浄装置では洗浄の毎に真空脱気を行っていた。
【0006】しかしながら、上記の真空脱気超音波洗浄
装置を用いて、真空脱気を行なう場合、約60〔L〕の
洗浄液L11で、洗浄液L11の酸素溶解量DO値を1.
0 ppm 以下とするには約30分の時間を要し、作業効率
が良くなかった。作業効率を向上させるため、洗浄液を
循環させ、常時、脱気を行なうシステムが開発されてい
る。図8に常時脱気を行なう超音波洗浄装置の説明図を
示す。図8に示す真空脱気超音波洗浄装置16は超音波
振動子14が設けられた洗浄容器12と、洗浄容器12
に収容された洗浄液L11を引き込み真空脱気した後、
再び洗浄容器12に脱気された洗浄液を注入する真空脱
気部17とより構成され、洗浄容器12内の洗浄液L1
1に常に脱気状態に保持され、連続して超音波洗浄が行
なえる構成とされていた。
【0007】また、脱気した洗浄液をできるだけ長い期
間脱気状態に維持させるため、図9に示すように洗浄容
器12に収容された洗浄液L11表面にプラスチック等
の固体よりなる球体18を浮遊させ、洗浄液L11表面
の空気との接触面積を低減させ、洗浄液L11への空気
の溶解を小さくし、洗浄液L11をできるだけ長い期間
脱気状態に維持させる構成も提案されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の図7
に示すような真空脱気超音波洗浄装置では洗浄毎に真空
脱気を行なう必要があるため、1度の洗浄を行なう毎に
洗浄作業を停止させなければならず、生産性が悪い等の
問題点があった。
【0009】また、図8に示す真空脱気超音波洗浄装置
では超音波洗浄を行なう部分とは別に連続的に脱気が行
なえる真空脱気装置が必要になるため、高価なものとな
ると共に装置が大型になってしまい、また、真空脱気装
置を常時動作させる必要があるため、ランニングコスト
が高くなる等の問題点があった。
【0010】さらに、図9に示す真空脱気超音波洗浄装
置では比較的安価に脱気状態を延ばすことはできるもの
の、洗浄液を十分に密封することはできないため、十分
な脱気状態を保持できない等の問題点があった。本発明
は上記の点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、脱
気液を長時間脱気した状態に維持できる脱気液製造方法
及び装置及び超音波洗浄方法及び装置を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、溶
解気体が排除された脱気液を製造する脱気液製造方法に
おいて、前記脱気液の表面に前記脱気液を外気から断絶
する層を形成する流体を前記脱気液に混入することを特
徴とする。
【0012】請求項2は、前記流体を前記脱気液より比
重が小さく、かつ、前記脱気液への溶解が小さい流体物
質としたことを特徴とする。請求項3は、前記脱気液を
水を主成分とする液体とし、前記流体を炭化水素系有機
溶剤としたことを特徴とする。
【0013】請求項4は、前記液体を有機溶剤とし、前
記流体を水としたことを特徴とする。請求項5は、前記
流体を不活性ガスとしたことを特徴とする。請求項6
は、液体より溶解気体を排除した脱気液を製造する脱気
液製造装置において、脱気液を収容する収容手段と、前
記収容手段に前記脱気液の表面に前記脱気液を外気と断
絶する層を形成する流体を供給する流体供給手段とを有
することを特徴とする。
【0014】請求項7は、前記収容手段に収容された前
記脱気液より酸素を排除する脱気手段とを有することを
特徴とする。請求項8は、被洗浄物を洗浄液に浸して該
洗浄液を超音波により振動させて該被洗浄物を洗浄する
超音波洗浄方法において、前記洗浄液の表面に前記洗浄
液を外気と遮断する層を形成する流体を前記洗浄液に混
入することを特徴とする。
【0015】請求項9は、前記洗浄液を水に界面活性剤
を混入した液体としたことを特徴とする。請求項10
は、被洗浄物を洗浄液に浸して該洗浄液を超音波により
振動させて該被洗浄物を洗浄する超音波洗浄装置におい
て、前記洗浄液を収容する容器と、前記洗浄液の表面に
前記洗浄液を外気と遮断する層を形成する流体を前記容
器に供給する流体供給手段とを有することを特徴とす
る。
【0016】
【作用】本発明の請求項1によれば、溶解気体が排除さ
れた脱気液に脱気液の表面に脱気液を外気から断絶する
層を形成する流体を混入することにより、脱気液の表面
に流体の層が形成され、脱気液が外気に接触することが
ないため、脱気液に気体が溶解することがなく、脱気液
の寿命を延ばすことができる。
【0017】請求項2によれば、流体を脱気液より比重
が小さく、かつ、脱気液への溶解が小さい流体物質とす
ることにより流体を脱気液に混入したとき、流体が脱気
液より浮上し、脱気液表面を被覆するため、脱気液表面
に流体の層が形成され、脱気液の空気との接触を防止で
き、脱気液を長寿命化できる。
【0018】請求項3によれば、脱気液を市水、純水等
としたときに流体として水より比重が小さく、かつ、水
への溶解が小さい液剤を用いることにより、脱気液であ
る水の表面に液剤の膜を形成することができるため、水
が直接空気と接触することがないため、脱気液を脱気状
態に長時間維持でき、脱気液を長寿命化できる。
【0019】請求項4によれば、脱気液を水より比重の
大きい有機溶剤とし、流体を水とすることにより、有機
溶剤の表面に水の膜が形成され、脱気液である有機溶剤
が空気に直接接触することがないため、脱気液を脱気状
態に長時間維持でき、脱気液を長寿命化できる。
【0020】請求項5によれば、流体を不活性ガスとす
ることにより、脱気液に流体を混入すると、不活性ガス
が脱気液の表面に溶解せずに浮上し、脱気液表面に不活
性ガスの層が形成され、脱気液が直接外気と接触するこ
とがなくなるため、脱気液を脱気状態に長時間維持で
き、脱気液を長寿命化できる。
【0021】請求項6によれば、脱気液を収容する収容
手段に対して流体供給手段により脱気液の表面に脱気液
を外気と断絶する層を形成する流体を供給することがで
きるため、収容手段で容易に脱気液と流体とを混合で
き、脱気液表面に流体の膜を形成でき、したがって、脱
気液が直接空気と接触することがなくなるため、脱気液
を長寿命化することができる。
【0022】請求項7によれば、脱気手段を設けること
により流体により表面が外気と遮断された脱気液から酸
素を排除できるため、脱気液を長期にわたって脱気状態
に保持でき、脱気液を長寿命化できる。請求項8によれ
ば、超音波洗浄を行なう際に超音波により振動される洗
浄液に洗浄液表面に洗浄液を外気と遮断する層を形成す
る流体を混合することにより、洗浄液表面に流体の層を
形成することができるため洗浄液が空気と直接接触する
ことがなくなり、洗浄液を長期にわたって脱気状態に保
持できる。したがって、洗浄毎に脱気を行なう必要がな
くなり、洗浄の効率を向上させることができるため、機
械加工品等の生産性を向上させることが可能となる。
【0023】請求項9によれば、洗浄液として水に界面
活性剤を混合した液体を用いることにより被洗浄物の汚
れが取れやすくなり、また洗浄液への超音波の伝導を容
易に行なえ、キャビテーションの発生を防止できるた
め、洗浄時間を短縮でき、したがって、洗浄液への外気
の溶解をより低減させることができ、洗浄液を長寿化で
きると共に、洗浄の効率を向上させることができるた
め、生産性を向上させることが可能となる。さらに界面
活性剤により被洗浄物の表面に膜が形成され、防錆効果
も得ることができる。
【0024】請求項10によれば、流体供給手段により
収容手段に洗浄液表面に洗浄液を外気と遮断する層を形
成する流体を供給できる構成とすることにより、洗浄液
に容易に流体を混合でき、洗浄液表面に膜を形成できる
ため、洗浄液の外気との接触を防止でき、洗浄液を脱気
状態に長期間保持でき、したがって、洗浄液の長寿命化
が計れ、ひいては、洗浄作業等の効率化が可能となる。
【0025】
【実施例】図1に本発明の真空脱気超音波洗浄装置の一
実施例のブロック構成図を示す。本実施例の真空脱気超
音波洗浄装置1は主に洗浄液L1及び洗浄液L1を酸素
から保護する保護液L2を収容する洗浄容器2,洗浄容
器2に収容された洗浄液L1を超音波で振動させる超音
波発生部3,洗浄容器2に収容された洗浄液L1を浄化
すると共に洗浄液L1の温度を制御する浄化系4,洗浄
液L1に溶解した気体を脱気する真空脱気系5,保護液
L2を補完する保護液注入系6,超音波発生部3,浄化
系4,真空脱気系5,保護液注入系6の動作を制御する
制御部7より構成される。
【0026】洗浄容器2は例えば腐蝕しにくいSUS3
04等のステンレス材よりなり、直径φが450mm,高
さHが200mmの有底円筒状をなす洗浄槽8,SUS3
04等のステンレス材よりなり、洗浄槽8の開口部を閉
塞するための蓋9より構成される。洗浄槽8の底部には
収容された液体を排出するための排水口8a,側面上位
には収容された液体から酸素を除去するいわゆる脱気を
行なうための脱気口8b,側面中位には浄化系4により
浄化された循環液を注入するための注入口8c,側面下
位には保護液L2を注入するための注入口8dが設けら
れている。
【0027】排水口8aには洗浄液L1の交換時などに
洗浄槽8内に収容された液体を排出するための排水バル
ブV1が接続されると共に洗浄液L1を浄化するための
浄化系4の洗浄液L1の引き込み側の管路が接続され
る。超音波発生部3は洗浄槽8の底面下部に設けられ、
洗浄槽8に収容された洗浄液L1に対して超音波を注入
する超音波振動子3a,超音波振動子3aを超音波で振
動させる駆動信号を供給する超音波発振器3b,超音波
洗浄指示が操作入力され、超音波発振器3bを駆動させ
る操作部3cより構成される。超音波発生部3では操作
部3cに洗浄指示が入力されると、超音波発振器3bが
駆動され、超音波駆動信号が発振される。超音波発振器
3bで発振された超音波駆動信号は超音波振動子3aに
供給され、超音波振動子3aを振動させる。超音波振動
子3aで発生した超音波振動は洗浄槽8内に収容された
洗浄液L1に伝達され、洗浄液L1を振動させる。この
とき、洗浄液L1内に被洗浄物を浸すと、洗浄液L1の
振動によって、被洗浄物に付着した埃や加工時に発生し
たバリが洗浄される。
【0028】浄化系4は一端が洗浄槽8の排水口8aに
接続され、洗浄槽8から浄化系4への洗浄液の流入を制
御するバルブ4a,一端がバルブ4aの他端に接続され
流入した洗浄液より異物を排除するストレーナ4b,ス
トレーナ4bの他端に接続され、洗浄液を循環させるポ
ンプ4c,ポンプ4cから排出された洗浄液中の酸素を
吸着し、排除する脱酸素部4d,脱酸素部4dで酸素が
排除された洗浄液より10μ以上のゴミ等の異物を除去
するフィルタ4e,フィルタ4eでゴミ等の異物が除去
された洗浄液を加熱して所望の温度とするヒータ4f,
一端がヒータ4fで接続され、他端が洗浄槽8の注入口
8cに接続され、ヒータ4fで加熱された洗浄液の洗浄
槽8への注入を制御するバルブ4g,バルブ4a,バル
ブ4gを駆動するモータ4h,4i,管路の温度を監視
する温度計4j,4k,4l,管路の圧力を監視する圧
力計4mより構成される。
【0029】真空脱気系5は一端が洗浄槽8の上位に設
けられた脱気口8bに接続されたバルブ5a,バルブ5
aの他端が吸引側に接続され、排気側が開放された真空
ポンプ5b,大気導入用バルブ5c,5d,5e,バル
ブ5c,5dの開閉を制御するモータ5f,5g,真空
ポンプ5bに供給する冷却水の流量を制御する流量調整
弁5h,安全弁5i,洗浄槽8内の圧力を監視する圧力
計5jより構成される。
【0030】保護液注入系6は保護液L2が収容された
タンク6a及び洗浄槽8の注入口8dとの間に接続さ
れ、保護液L2の洗浄槽8への注入を制御するバルブ6
b,及び、バルブ6bの開閉を制御するモータ6cより
構成される。制御部7は洗浄液循環動作、真空脱気動
作、保護液注入動作等の指示を行なう操作部7a及び操
作部7aの操作に応じて浄化系4,真空脱気系5,保護
液注入系6のバルブモータを制御するコントローラ7b
より構成される。
【0031】図2乃至図5に本発明の一実施例の動作説
明図を示す。本実施例の真空脱気超音波洗浄装置1で被
洗浄物の洗浄を行なう場合、まず、図2(A)に示すよ
うに洗浄容器2の蓋9を開いて洗浄液L1を排気口8a
より下側で、被洗浄物が洗浄液L1に浸る量を注入す
る。ここで洗浄液L1は市水、純水等の水に界面活性剤
を適量値混入したものを用いる。
【0032】水に混入して好適な界面活性剤の名称と適
量値をいくつか例示すると次の表1に示す通りである。
【0033】
【表1】
【0034】洗浄容器2に上記のような洗浄液L1を注
入した後、蓋9を閉めて操作部7aを操作して真空脱気
動作を行なう指示を行なう。操作部7aにより真空脱気
動作指示が行なわれると、コントローラ7bは真空ポン
プ5bを駆動した後、モータ5f,5gをバルブ5gが
閉、バルブ5aが開となるように制御する。
【0035】真空ポンプ5bが駆動され、バルブ5gが
閉、バルブ5aが開となると、洗浄容器2の空間部分が
排気され、減圧され図2(B)に示されるように、洗浄
液L1に溶解した空気(酸素)が脱気される。洗浄液L
1が脱気された後、操作部7aを操作して保護液注入動
作指示を行なう。操作部7aにより保護液注入動作指示
を行なわれると、コントローラ7bはモータ6cを駆動
してバルブ6bを開く。
【0036】バルブ6bが開かれると、図3(A)に示
されるようにタンク6aに収容された保護液L2が注入
口8cより洗浄容器2内に注入される。保護液L2は洗
浄液L1より比重が小さく、かつ、洗浄液L1に溶解し
にくい液剤より構成される。このため、保護液L2は洗
浄液L1の表面に浮上し、洗浄液L1の表面に膜を形成
する。保護液L2としては炭化水素系(石油類)の液剤
や、有機溶剤が考えられる。
【0037】炭化水素系(石油類)の液剤としては日本
石油(株)の日石アイソゾール200,300,40
0,出光興産(株)のグフニークリーナーM,NM,東
ソー(株)のHC−60G,70G,日鉱石油化学
(株)のNSクリーン100,110,200,また有
機溶剤としてはフッ素系溶剤、MEK(メチルエチルケ
トン)、アセトン、アルコール等が考えられる。また、
このとき、注入される保護液L2の量は、洗浄液L1表
面に形成される保護液L2の厚さが洗浄液L1に超音波
振動子3aより発生する振動周波数28kHzの定在波
の波長λの1/2以上となる量に設定される。保護液L
2の量はバルブ6bの開度及び開時間によって設定さ
れ、コントローラ7bは上記条件を満たすべくモータ6
cを制御する。
【0038】洗浄液L1に所定量の保護液L2が注入さ
れ、所定の膜厚の膜が形成されると、コントローラ7b
はモータ6cを駆動してバルブ6bを閉じ、モータ5
f,5gを駆動してバルブ5aを閉じ、バルブ5gを開
き、真空ポンプ5bを停止させる。コントローラ7bに
よりバルブ5gが開かれると洗浄容器2は大気圧とさ
れ、蓋9を開くことが可能となる。
【0039】次に操作部7aを操作して浄化系4の駆動
指示を行なう。操作部7aにより浄化系4の駆動指示が
行なわれると、コントローラ7bはモータ4h,4iを
駆動してバルブ4a,4gを開くと共にポンプ4c,ヒ
ータ4fを動作させ洗浄液L1を循環させつつ、加熱
し、洗浄液L1の温度を例えば50℃という洗浄に好適
な一定温度に保持する。このとき、洗浄液L1は脱酸素
剤が充填された脱酸素部4d及びフィルタ4eを通過
し、脱気及び異物の除去が行なわれ、洗浄液L1を洗浄
が良好に行なえる状態に維持される。このとき、脱酸素
部4dは脱酸素剤により酸素の除去が行なわれる構成で
あり、真空脱気システム等に比べて小型で、安価に構成
でき、装置が大型化、高価格化することはない。
【0040】温度計4j,4lをモニタした結果、洗浄
液L1が50℃となったところで、図3(B)に示すよ
うに蓋9を開け被洗浄物10を洗浄槽8に洗浄液L1に
浸るように挿入する。次に操作部3cを操作して超音波
発振器3bを動作させ、超音波振動子3aを振動させる
ことにより図4に示すように被洗浄物10を超音波洗浄
する。
【0041】このとき、洗浄液L1の表面には保護液L
2の膜が超音波振動によって洗浄液L1が外気に接触し
ない厚さで形成されているため、洗浄液L1は外気と接
触することがなく、したがって、洗浄液L1に空気(酸
素)が溶解することがない。このため、洗浄液L1をキ
ャビテーションの発生を弱めることなく洗浄が行なえる
脱気した状態に維持でき、脱気動作を行なうことなく、
次の洗浄を効率的に行なうことができ、洗浄作業を短時
間で、しかも停止させることなく行なえ、作業効率を向
上させることができる。また、本実施例では、浄化系4
に設けられた脱酸素部4dで脱酸素剤による酸素の除去
が行なわれており、比較的簡単な構成で、大量ではない
が酸素の除去を行なうことができ、洗浄液L1内の空気
濃度をより小さく維持でき、さらに効率的な洗浄作業が
可能とされている。
【0042】また、本実施例では洗浄液L1を洗浄槽8
に入れた後に保護液L2を洗浄液L1に混入したが、予
め、洗浄槽8に保護液L2を注入した後に、洗浄液L1
を洗浄槽8に加えてもよく、さらに、洗浄液L1と保護
液L2とを同時に洗浄槽8に混入してもよい。
【0043】なお、本実施例では保護液2により洗浄液
L1の外気との接触を防止しているが、保護液2に代え
て不活性ガスを用いることも可能である。不活性ガスを
用いる場合には図1に示されたタンク6aに保護膜2に
代えて、不活性ガスを充填しておき、コントローラ7b
により洗浄液L1の表面に洗浄液L1が外気と接触しな
いように不活性ガスの層が形成すべくバルブ6bをコン
トロールする。
【0044】図5,図6に本発明の一実施例の変形例の
動作説明図を示す。コントローラ7bは真空脱気系5を
駆動して、洗浄液L1の真空脱気を行なった後、真空脱
気系5を停止させ、洗浄容器2内を大気圧とし、モータ
6cを駆動してバルブ6bを開く。バルブ6bを開くこ
とにより図5(A)に示されるようにタンク6aからバ
ルブ6b,及び注入口8dを介して洗浄容器2内に不活
性ガスG1が供給される。不活性ガスG1は気体である
ため、洗浄液L1の表面に浮上して洗浄液L1の表面に
不活性ガスG1の層を形成する。
【0045】コントローラ7bは以後、バルブ6bが開
いた状態に保持されるようにモータ6cを制御し、図5
(B),図6に示すように被洗浄物10の挿入時及び洗
浄時にも不活性ガスG1を常時供給し、洗浄液L1表面
に層を形成する。この不活性ガスG1の層により洗浄液
L1が外気と接触することがなく、洗浄液L1に空気が
溶融することを防止できる。
【0046】ここで、不活性ガスG1としてはネオン
(Ne),ヘリウム(He)等が考えられる。ネオン、
ヘリウムの溶解度(ml/ml)は水に対して次の表2
に示されるように空気に比べて小さく、洗浄液L1に溶
解することなく洗浄液L1表面に不活性ガスG1の層を
形成できる。
【0047】
【表2】
【0048】また、ネオン(Ne)は空気より比重が大
きく、洗浄槽8に溜まりやすいため、空気より比重の小
さいヘリウムより吐出量を小さくできるので、ランニン
グコストを低減できる。また、本実施例では洗浄液L1
を界面活性剤を混入した水としたが、これに限ることは
なく、保護液L2として上げた炭化水素系液剤や有機溶
剤、油類(例えば日本石油(株)のGS5N)等を用い
ることもできる。このとき、有機溶剤、炭化水素系液
剤、油類を洗浄液L1とした場合は比重が小さいため、
変形例に示したようにネオン、ヘリウム等の不活性ガス
を用いた層で洗浄液L1を空気から遮断すると良好な結
果が得られる。
【0049】
【発明の効果】上述の如く、本発明の請求項1によれ
ば、溶解気体が排除された脱気液に脱気液の表面に脱気
液を外気から断絶する層を形成する流体を混入すること
により、脱気液の表面に流体の層が形成され、脱気液が
外気に接触することがないため、脱気液に気体が溶解す
ることがなく、脱気液の寿命を延ばすことができる等の
特長を有する。
【0050】請求項2によれば、流体を脱気液より比重
が小さく、かつ、脱気液への溶解が小さい流体物質とす
ることにより流体を脱気液に混入したとき、流体が脱気
液より浮上し、脱気液表面を被覆するため、脱気液表面
に流体の層が形成され、脱気液の外気との接触を防止で
き、脱気液を長寿命化できる等の特長を有する。
【0051】請求項3によれば、脱気液を市水、純水等
としたときに流体として水より比重が小さく、かつ、水
への溶解が小さい液剤を用いることにより、脱気液であ
る水の表面に液剤の膜を形成することができるため、水
が直接外気と接触することがないため、脱気液を脱気状
態に長時間維持でき、脱気液を長寿命化できる等の特長
を有する。
【0052】請求項4によれば、脱気液を水より比重の
大きい有機溶剤とし、流体を水とすることにより、有機
溶剤の表面に水の膜が形成され、脱気液である有機溶剤
が外気に直接接触することがないため、脱気液を脱気状
態に長時間維持でき、脱気液を長寿命化できる等の特長
を有する。
【0053】請求項5によれば、流体を不活性ガスとす
ることにより、脱気液に流体を混入すると、不活性ガス
が脱気液の表面に溶解せずに浮上し、脱気液表面に不活
性ガスの層が形成され、脱気液が直接外気と接触するこ
とがなくなるため、脱気液を脱気状態に長時間維持で
き、脱気液を長寿命化できる等の特長を有する。
【0054】請求項6によれば、脱気液を収容する収容
手段に対して流体供給手段により脱気液の表面に脱気液
を外気と断絶する層を形成する流体を供給することがで
きるため、収容手段で容易に脱気液と流体とを混合で
き、脱気液表面に流体の膜を形成でき、したがって、脱
気液が直接空気と接触することがなくなるため、脱気液
を長寿命化することができる等の特長を有する。
【0055】請求項7によれば、脱気手段を設けること
により流体により表面が外気と遮断された脱気液から溶
解気体を排除できるため、脱気液を長期にわたって脱気
状態に保持でき、脱気液を長寿命化できる等の特長を有
する。請求項8によれば、超音波洗浄を行なう際に超音
波により振動される洗浄液に洗浄液表面に洗浄液を外気
と遮断する層を形成する流体を混合することにより、洗
浄液表面に流体の層を形成することができるため洗浄液
が空気と直接接触することがなくなり、洗浄液を長期に
わたって脱気状態に保持できる。したがって、洗浄毎に
脱気を行なう必要がなくなり、洗浄の効率を向上させる
ことができるため、機械加工品等の生産性を向上させる
ことが可能となる等の特長を有する。
【0056】請求項9によれば、洗浄液として水に界面
活性剤を混合した液体を用いることにより被洗浄物の汚
れが取れやすくなり、また洗浄液への超音波の伝導を容
易に行なえ、キャビテーションの発生を防止できるた
め、洗浄時間を短縮でき、したがって、洗浄液への外気
の溶解をより低減させることができ、洗浄液を長寿化で
きると共に、洗浄の効率を向上させることができるた
め、生産性を向上させることが可能となる。さらに界面
活性剤により被洗浄物の表面に膜が形成され、防錆効果
も得ることができる等の特長を有する。
【0057】請求項10によれば、流体供給手段により
収容手段に洗浄液表面に洗浄液を外気と遮断する層を形
成する流体を供給できる構成とすることにより、洗浄液
に容易に流体を混合でき、洗浄液表面に膜を形成できる
ため、洗浄液の外気との接触を防止でき、洗浄液を脱気
状態に長期間保持でき、したがって、洗浄液の長寿命化
が計れ、ひいては、洗浄作業等の効率化が可能となる等
の特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のブロック構成図である。
【図2】本発明の一実施例の動作説明図である。
【図3】本発明の一実施例の動作説明図である。
【図4】本発明の一実施例の動作説明図である。
【図5】本発明の一実施例の変形例の動作説明図であ
る。
【図6】本発明の一実施例の変形例の動作説明図であ
る。
【図7】従来の真空脱気超音波洗浄装置の一例を説明す
るための図である。
【図8】従来の真空脱気超音波洗浄装置の他の例を説明
するための図である。
【図9】従来の真空脱気超音波洗浄装置の一例を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1 真空脱気超音波洗浄装置 2 洗浄容器 3 超音波発生部 4 浄化系 4d 脱酸素部 5 真空脱気系 6 保護液注入系 7 制御部 L1 洗浄液 L2 保護液 B1 保護用ガス

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解気体が排除された脱気液を製造する
    脱気液製造方法において、 前記脱気液の表面に前記脱気液を外気から断絶する層を
    形成する流体を前記脱気液に混入することを特徴とする
    脱気液製造方法。
  2. 【請求項2】 前記流体は前記脱気液より比重が小さ
    く、かつ、前記脱気液への溶解が小さい流体物質である
    ことを特徴とする請求項1記載の脱気液製造方法。
  3. 【請求項3】 前記脱気液は水を主成分とする液体、前
    記流体は炭化水素系液剤であることを特徴とする請求項
    1又は2記載の脱気液製造方法。
  4. 【請求項4】 前記液体は水より比重の大きい有機溶
    剤、前記流体は水であることを特徴とする請求項1又は
    2記載の脱気液製造方法。
  5. 【請求項5】 前記流体は不活性ガスであることを特徴
    とする請求項1又は2記載の脱気液製造方法。
  6. 【請求項6】 液体より溶解気体を排除した脱気液を製
    造する脱気液製造装置において、 脱気液を収容する収容手段と、 前記収容手段に前記脱気液の表面に前記脱気液を空気と
    断絶する層を形成する流体を供給する流体供給手段とを
    有することを特徴とする脱気液製造装置。
  7. 【請求項7】 前記収容手段に収容された前記脱気液よ
    り溶解気体を排除する脱気手段とを有することを特徴と
    する請求項6記載の脱気液製造装置。
  8. 【請求項8】 被洗浄物を洗浄液に浸して該洗浄液を超
    音波により振動させて該被洗浄物を洗浄する超音波洗浄
    方法において、 前記洗浄液の表面に前記洗浄液を外気と遮断する層を形
    成する流体を前記洗浄液に混入することを特徴とする超
    音波洗浄方法。
  9. 【請求項9】 前記洗浄液は水に界面活性剤を混入した
    ことを特徴とする請求項8記載の超音波洗浄方法。
  10. 【請求項10】 被洗浄物を洗浄液に浸して該洗浄液を
    超音波により振動させて該被洗浄物を洗浄する超音波洗
    浄装置において、 前記洗浄液を収容する容器と、 前記洗浄液の表面に前記洗浄液を外気と遮断する層を形
    成する流体を前記容器に供給する流体供給手段とを有す
    ることを特徴とする超音波洗浄装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010247123A (ja) * 2009-04-20 2010-11-04 Asahi Kasei Chemicals Corp シール剤吐出部品の洗浄方法
CN104249068A (zh) * 2013-06-28 2014-12-31 朗姆研究公司 气体喷射器微粒去除方法和装置
JP2021030146A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 本多電子株式会社 超音波脱気方法及び装置

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