JPH0980627A - 透過型プリズムスクリーン及び投影システム - Google Patents

透過型プリズムスクリーン及び投影システム

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JPH0980627A
JPH0980627A JP7260785A JP26078595A JPH0980627A JP H0980627 A JPH0980627 A JP H0980627A JP 7260785 A JP7260785 A JP 7260785A JP 26078595 A JP26078595 A JP 26078595A JP H0980627 A JPH0980627 A JP H0980627A
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screen
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prism
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 視野角の大きな方向において大きな光指向性
を有するようにする。 【解決手段】 フレネルレンズシート1により略平行光
となった光がプリズムシート3に入射する。プリズムシ
ート3は、光軸方向が高さ方向となるような例えば正三
角錐状の凹部30が出射側の面にセグメント状に多数形
成されている。凹部30の一方の斜面301に反射した
光は、隣接する凹部30の斜面302を透過し、光軸に
対して大きな角度で出射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、プロジェクシ
ョンテレビ等に採用されると好適な透過型のスクリーン
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロジェクションテレビやビデオプロジ
ェクター等では、従来より透過型のスクリーンが用いら
れている。図10は、従来の透過型スクリーンの構造を
説明する平面断面概略図である。図10に示す透過型ス
クリーンは、光の入射順に、フレネルレンズシート1
と、レンチキュラーレンズシート2とから構成されてい
る。フレネルレンズシート1は、ブラウン管等の投影器
からの光を略平行光に変換するためのものである。ま
た、レンチキュラーレンズシート2は、垂直方向又は水
平方向に長い多数のシリンドリカルレンズを横に並べた
のと光学的に等価であり、光を横に広げて水平方向又は
垂直方向の視野角を大きくするために使用されている。
【0003】図11は、図10に示すような従来の透過
型スクリーンの光指向性を示した図である。図11にお
いて、横軸は視野角、縦軸は明るさを示している。従来
のプロジェクションテレビ等では、スクリーンの正面に
立つ観察者にとって画像は最も良く見えるように設計が
行われている。つまり、図11に実線で示すように、視
野角0度即ちスクリーンの法線方向上で最も明るく見
え、視野角が大きくなるにつれ光が少なくなって見にく
くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】プロジェクションテレ
ビ等の投影型のTVシステムも、従来見られた「画像が
暗く見づらい」等の欠点も少しずつ解消され、本格的な
普及期に入りつつある。それとともに、従来には無かっ
た新しいタイプのシステムも検討されている。このよう
な新しく検討されているタイプのシステムの一つに、水
平設置型テレビというのがある。これは、テーブルの表
面等にスクリーンを嵌め込む等して画面を水平にし、ソ
ファ等に座りながら斜め上から画面を見るようにするシ
ステムである。
【0005】このような水平設置型テレビでは、斜め上
から画面を見るので、当然のことながらこの方向の視野
角での明るさが大きいことが好ましい。その一方で、視
野角0度即ち画面を真上から見る場合は少ないから、こ
の方向での明るさは小さくて構わない。つまり、図11
に点線で示すような光指向性を達成することが必要にな
ってくる。本願発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、視野角の大きな方向において大
きな光指向性を有するようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の発明は、投影面に配置される
シート状の透過型プリズムスクリーンであって、光軸方
向が高さ方向となるような角錐状又は円錐状の凹部が出
射側の面にセグメント状に多数形成されているプリズム
シートを有する。同様に上記課題を解決するため、請求
項2記載の発明は、請求項1の構成において、凹部はす
べて同一の寸法形状の正多角錐状である。同様に上記課
題を解決するため、請求項3記載の発明は、請求項1の
構成において、凹部は二種類の三角錐状のものからな
り、そのうちの第一の種類の凹部は、高さ方向に対して
0度から20度以内の角度のほぼ垂直な二つの面と一つ
の斜面とからなるものであり、第二の種類の凹部は、同
じく高さ方向に対して0度から20度以内の角度のほぼ
垂直な一つのと二つの斜面とからなるものであり、さら
に、第一の種類の凹部の前記一つの斜面は第二の種類の
凹部の前記一つのほぼ垂直な面に対向するよう配置さ
れ、第二の種類の凹部の前記二つの斜面は第一の種類の
凹部の前記二つのほぼ垂直な面に対向するよう配置され
ている。同様に上記課題を解決するため、請求項4記載
の発明は、請求項1,2又は3の構成において、プリズ
ムシートが、透光性の樹脂より形成され、金型を使用し
た成形法によって製作されるという構成を有する。同様
に上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、水
平な投影面に画像を投影する投影器と、当該投影面の位
置に配置された請求項1,2,3又は4記載の透過型プ
リズムスクリーンとを有する投影システムである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。図1は、本願発明の第一の実施形態の透
過型プリズムスクリーンの側面断面概略図、図2は図1
の透過型プリズムスクリーンにおけるプリズムシートを
上から見た平面部分概略図、図3は図1の透過型プリズ
ムスクリーンの作用を説明する断面部分概略図、図4は
図1の透過型プリズムスクリーンの作用を説明する平面
部分概略図、図5は、図1の透過型プリズムスクリーン
の光指向性を説明する図である。
【0008】図1に示す透過型プリズムスクリーンは、
光の入射順に、フレネルレンズシート1と、プリズムシ
ート3とが配置されて構成されている。この透過型プリ
ズムスクリーンは、水平な姿勢で配置されており、光は
鉛直な光軸で下方から入射するものとする。
【0009】まず、フレネルレンズシート1としては、
従来と同様に光を略平行光にするためのものであり、従
来と同様のものが使用できる。尚、スクリーンの入射側
に、コリメータレンズ等の光を略平行光にする光学素子
が配置されていれば、フレネルレンズシート1は不要で
ある。
【0010】次に、プリズムシート3は、本実施形態の
透過型プリズムスクリーンの大きな特徴点を成すもので
ある。このプリズムシート3は、フレネルレンズシート
1と同様、透光性の材料から形成された全体が薄い板状
の部材である。フレネルレンズシート1とプリズムシー
ト3とは、端部をネジ止めしたりテープを貼り付けたり
することで固定されている。また、透光性の有機系接着
剤などで両者が接着されている場合もある。
【0011】そして、このプリズムシート3は、その出
射側の面に、図1に示すよう凹部30が多数形成されて
いる。この凹部30は、光軸方向が高さ方向となるよう
な正三角錐状となっている。各々の凹部30は全て同じ
寸法であり、図2に示すようにセグメント状に緻密に並
設されている。
【0012】次に、図3及び図4を使用して、本実施形
態の透過型プリズムスクリーンの作用について説明す
る。前述の通り、下方からスクリーンに入射する光はま
ずフレネルレンズシート1に入射し、フレネルレンズシ
ート1を出た光は略平行光になる。この光は、上側のプ
リズムシート3に入射する。入射した光は、凹部30の
斜面301に達してこの斜面301で反射する。反射し
た光は、隣接する凹部30の斜面302に向かって進行
し、この斜面302を透過して出射する。
【0013】ここで、図3に示すように、プリズムシー
ト3に入射した光が最初に達する斜面301の角度を、
光が全反射するような角度に設定し、反射した光が達す
る隣りの凹部30の斜面302の角度を臨界角以内の角
度に設定すれば、光は殆ど損失することなく斜め上に出
射していく。
【0014】特に、図3のものとは異なるが、隣り合う
凹部30の斜面301,302で形成される角度が60
度になるよう各々の凹部30を形成しておけば、最初に
達する斜面301への入射角は60度となる。そして、
光はやはり60度の出射角で出射して隣りの凹部30の
斜面302に向かい、この凹部30の斜面302に対し
ては0度の入射角で入射することになる。従って、理論
上光はこの斜面302を全て透過して出射し、出射角
は、光軸の方向を基準とすると60度となる。
【0015】つまり、この図3に示す例では、鉛直な光
軸方向に沿って進む平行光が、プリズムシート3によっ
て、水平面から30度斜め上方に向かう光に変換された
状態となるのである。このため、出射した光の指向性
は、図5に示す通り、60度の視野角付近において最も
明るい状態となる。このため、画面を斜め上から見る水
平設置型のプロジェクションテレビ等に使用されると極
めて好適なものとなる。この際、本実施形態では、正三
角錐状の凹部30を形成しているので、スクリーンから
出射した光は、水平方向では六つの方向で指向性を有す
る。
【0016】この点をさらに詳しく説明すると、図4に
示す通り、斜面301に反射した光を方向Aに指向性を
有し、斜面302に反射した光を方向Bに指向性を有
し、斜面303に反射した光を方向Cに指向性を有し、
斜面304に反射した光を方向Dに指向性を有し、斜面
305に反射した光を方向Eに指向性を有し、斜面30
6に反射した光を方向Fに指向性を有する。従って、画
面の斜め上の六つの方向のどこからでも明るく見やすい
状態となる。尚、図4では、斜面301,303,30
5が一つの凹部を形成している。
【0017】本実施形態では、従来使用されていたレン
チキュラーレンズシート2は、使用されていない。これ
は、光を横方向に広げるというレンチキュラーレンズシ
ートの作用を本実施形態におけるプリズムシート3がさ
らに効果的に行えるためであり、プリズムシート3がレ
ンチキュラーレンズシートの代用になるからである。但
し、各請求項の発明は、レンチキュラーレンズの使用を
伴うことを排除するものではない。
【0018】上述したプリズムシート3の作用におい
て、正四角錐状の凹部30が出射側の面に形成されてい
る点は、入射光束を損失なく大きな視野角に指向させる
ために有効となっている。すなわち、図3に示す通り、
フレネルレンズシート1により略平行光となった光束
は、プリズムシート3に入射して凹部30の斜面301
に反射する。そして、反射した光束は、隣りの凹部30
の斜面302に達するが、この際、反射した光束は水平
方向よりも若干斜め上の方向に進む。この場合、光束が
最初の斜面301の幅d1いっぱいの幅を有してこのd
1の幅の部分に反射としたとすると、隣りの凹部30の
斜面302の反射部分の幅は、このd1より常に大きい
d2となる。従って、最初の斜面301に反射した光束
は、原理的には全て隣りの凹部30の斜面302の幅d
2以内に入ってこれを透過することになる。
【0019】鉛直な方向の光を単に斜め上の方向の光に
変換するだけならば、錐状の凹部は入射側の面に形成さ
れていても良い。しかしながら、この場合は、最初の斜
面の幅いっぱいに反射した光束の幅は、隣りの斜面に入
射する際、当該斜面の幅よりも常に大きくなってしま
う。従って、両端部分の光束が斜面からはみ出てしまい
複雑な屈折をするため、その部分だけ損失となる。
【0020】また、入射側の面に、凹部でなく錐状の凸
部を形成した場合は、実施形態の構成とほぼ光学的には
等価である。しかしながら、出射側の面を透過する際に
反射が生じるため、この部分で損失が避けられない。ま
た、このようなシート状の光学素子は、圧縮成形法や紫
外線硬化法によって製作するのが簡便であるが、表面に
多数の凸部を有するものを成形は、金型を多数の凹部を
有するように作らなければならないので、非常に困難で
ある。従って、実施形態のものは、金型製作の容易さと
いう点でも優れている。また尚、出射側の面に錐状の凸
部を形成した構成は、入射側の面に凹部を形成した構成
とほぼ等価であり、光の損失が大きいという点で不利で
ある。
【0021】尚、本実施形態のプリズムシート3の凹部
30の内部空間の媒質は空気であるが、プリズムシート
3とは異なる屈折率の材料で凹部30を埋めるようにし
ても良い。特に、黒色の塗料等で凹部30をある程度の
深さで埋めることによって色合いが鮮明になるといった
ブラックストライプ的な効果を得るようにすることも可
能である。また、プリズムシート3が直接露出すると、
凹部30にゴミが溜まったりする問題があるので、透光
性のカバーでプリズムシート3の出射側を被うようにし
ても良い。
【0022】次に、上記実施形態に属する透過型プリズ
ムスクリーンの実施例について、以下に説明する。ま
ず、フレネルレンズシート1及びプリズムシート3は、
アクリル等の透光性の樹脂で圧縮成形法又は紫外線硬化
法により製作される。フレネルレンズシート1の全体の
厚さは1〜5mmで、例えば焦点距離700mm程度の
コリメータレンズに等価となるよう成形される。
【0023】また、プリズムシート3は、全体の厚さが
1〜5mm程度で、凹部30は、開口が一辺0.1〜3
mm程度の正三角形で高さが0.1〜4mm程度の三角
錐状とされる。尚、フレネルレンズシート1及びプリズ
ムシート3の大きさは、必要な画面の大きさによって決
まるが、例えば1m×1m(又は直径1m)程度であ
る。また、プリズムシート3をシリコンゴム等の光拡散
材料を混入させて成形し、プリズムシート3に光拡散作
用を持たせる場合もある。
【0024】尚、上記製法によりプリズムシート3を製
作する場合、金型が必要になるが、実施形態のプリズム
シート3が凹部30を有するよう成形を行えば良いの
で、金型には凹部30に対応した凸部を形成することに
なる。このような金型は、削り出し加工によって充分な
精度で製作できる。
【0025】次に、本願発明の第二の実施形態について
説明する。図6は、本願発明の第二の実施形態の透過型
プリズムスクリーンの側面断面概略図、図7は図6の透
過型プリズムスクリーンにおけるプリズムシートの斜視
概略図である。
【0026】この実施形態の透過型プリズムスクリーン
も、第一の実施形態のものと同様、光の入射順にフレネ
ルレンズシート1とプリズムシート3とを重ね合わせて
接着した構成となっている。この実施形態の透過型スク
リーンは、プリズムシート3に形成された凹部30の形
状が正四角錐状である点で、第一の実施形態のものと異
なっている。
【0027】この第二の実施形態のものでも、第一の実
施形態と同様、視野角の大きな斜め上の方向に大きな指
向性で光を出射させることができる。尚、この場合、斜
面の向きは4種類なので、水平方向でいうと前後左右の
四つの方向で光指向性が大きくなる分布となる。
【0028】次に、本願発明の第三の実施形態について
説明する。図8は、本願発明の第三の実施形態の透過型
プリズムスクリーンで使用されたプリズムシートを上か
ら見た平面部分概略図である。
【0029】この実施形態の透過型プリズムスクリーン
も、第一の実施形態のものと同様、光の入射順にフレネ
ルレンズシート1とプリズムシート3とを重ね合わせて
接着した構成となっている。この実施形態の透過型スク
リーンの特徴は、プリズムシート3に形成された凹部の
形状が第一の実施形態と同様に三角錐状であるではある
が、正三角錐状ではなく頂角が偏心した三角錐状である
点である。
【0030】即ち、図8に示す通り、この実施形態のプ
リズムシートは、二種類の三角錐状のものからなり、そ
のうちの第一の種類の凹部32は、高さ方向に対して0
度から20度以内の角度のほぼ垂直な二つの面と一つの
斜面とからなるものであり、第二の種類の凹部33は、
同じく高さ方向に対して0度から20度以内の角度のほ
ぼ垂直な一つのと二つの斜面とからなる第二の種類から
なる。そして、図8に示す通り、第一の種類の凹部32
の一つの斜面は、第二の種類の凹部33の一つのほぼ垂
直な面に対向するよう配置され、第二の種類の凹部33
の前記二つの斜面は、第一の種類の凹部32二つの前記
ほぼ垂直な面に対向するよう配置されている。
【0031】上記構成の第三実施形態の透過型プリズム
スクリーンにおいても、第一第二の実施形態と同様、視
野角の大きな斜め上の方向に大きな指向性で光を出射さ
せることができる。そして、この第三の実施形態では、
第一の実施形態における水平方向の六つの指向性(A,
B,C,D,E,F)のうち、片側の三つの方向にのみ
指向性を有する。即ち、図8に示す通り、スクリーンか
ら出射される光の水平方向の指向性は、第一の種類の凹
部32の一つの斜面に反射した光の指向性Gと、第二の
種類の凹部33の二つの斜面に反射した光の指向性H,
Iに限られることになる。尚、ほぼ垂直な面を高さ方向
に対して20度以内に限定するのは、あまり大きくする
と、上記三つの方向G,H,I以外の方向へに指向性が
大きくなってしまうからである。
【0032】このような第二の実施態様の構成は、水平
な投影面に対して一方の側に見る人が位置している場合
に特に好適な構成である。例えば、テレビゲーム機等で
は、水平な画面に対して手前側に人が座り、この方向か
らのみ画面を見るよう構成される。この場合には、この
人が座った側からのみ画面が良く見えればよく、他の側
からは見えづらくてもよい。従って、上記のような構成
をスクリーンを使用すれば、一つの側から極めて明るく
画面を見ることができ、好適である。
【0033】尚、この図8では、二種類の凹部32,3
3はいずれも開口の形が正三角形となるよう形成されて
いるが、これに限定されるものではなく、二等辺三角形
等の他の形でも良いことは勿論である。特に、二等辺三
角形の頂角が適当に変えると、第二の種類の凹部33の
二つの斜面が成す角が変わる。従って、開口の頂角を適
宜選定することにより、図8に示した三つの指向性G,
H,Iの広がり角を調整することができる。
【0034】次に、本願発明の透過型プリズムスクリー
ンのさらに別の実施形態について、簡単に説明する。上
記第一第二の実施形態の説明では、プリズムシート3の
凹部30,31が正三角錐状又は正四角錐状である場合
について説明したが、これに限られない。例えば、第一
又は第二の実施形態のものと同様な効果を有するものと
しては、正五角錐状、正六角錐状等でも良い。さらに、
円錐状の凹部でも実施可能である。
【0035】また、水平方向での光指向性の分布が不均
一でも良いのであれば、正角錐以外の角錐状でも良い。
尚、「角錐状」とはいずれの場合も厳密な意味ではな
く、実際の製品では斜面や稜線が丸みを帯びて曲面にな
っている場合もある。同様な趣旨から、凹部は底(錐状
の先端部)が丸くなっている場合もある。特に、凹部の
斜面が球面や円筒面の一部であるように成形すると、ス
クリーンを出射する光の方向性に相当程度広がりを持た
せることができる。例えば、成形を行う金型の製作の際
に、円弧状の先端部を有する切削工具を使用すると、凹
部の斜面の形状は凹部の外側方向に凸な円筒面状とな
る。
【0036】また、光の損失を少なくする凹部の配置と
して重要なのは、図2,図7及び図8に示したように、
各々の凹部30,31,32,33の斜面が常に向かい
合う配置することが重要である。斜面が向かい合うこと
によって、一方の斜面に反射した光が他方の斜面を透過
して損失なく出射されるからである。
【0037】尚、このような凹部30,31,32,3
3が全て同一の大きさになっている点は、請求項1の発
明にとっては必須要件ではない。多少大きさが異なる場
合でも実施可能である。しかし、大きさが大きく異なる
凹部を採用すると、隣りの斜面を透過していく際の光の
損失が大きくなる問題があるので、注意を要する。
【0038】「プリズムシート」や「プリズムスクリー
ン」という用語の意味について、補足的に説明すると、
「プリズムシート」はプリズム状のものがセグメント状
に多数配列されたシート状の光学素子という意味であ
り、「プリズムスクリーン」はそのようなプリズムシー
トを使用したスクリーンという意味である。発明者が認
識するところによれば、透過型のスクリーンについてこ
のような構造を採用したものは、従来存在しない。従っ
て、「透過型プリズムスクリーン」という名称自体、新
規なものである。
【0039】次に、上記各実施形態の透過型プリズムス
クリーンを使用した投影システムの発明の実施形態につ
いて説明する。図9は、本願発明の投影システムの実施
形態の概略構成図である。図9に示す投影システムは、
直方体状のケーシング4と、このケーシング4の上面に
嵌め込まれた透過型プリズムスクリーン5と、この透過
型プリズムスクリーン5に画像を投影する投影器6等か
ら構成されている。
【0040】ケーシング4は、上面40が水平になるよ
うにして配置される。この上面40には、透過型プリズ
ムスクリーン5の寸法形状に適合した開口が設けられて
おり、この開口に透過型プリズムスクリーン5が嵌め込
まれている。尚、透過型プリズムスクリーン5の上側に
は保護カバー板7が嵌め込まれている。この保護カバー
板7は、透過型プリズムスクリーンを傷等から保護する
ためのものである。
【0041】透過型プリズムスクリーン5は、前述した
各実施形態のいずれかのものが採用される。大きさは例
えば1m×1m程度(円形の場合は直径1m程度)であ
る。投影器6としては、ブラウン管や液晶ディスプレイ
等が使用される。なお、投影器6からの光は、平面反射
鏡8を介して透過型プリズムスクリーン5に投影され
る。
【0042】上記のような構成の投影システムによれ
ば、前述した実施形態の透過型プリズムスクリーン5を
使用しているので、画面を斜め上から大きな視野角で見
る場合に、画面が明るく見やすくなる。従って、水平設
置型のプロジェクションテレビやビデオプロジェクター
等として特に好適な構成となる。
【0043】
【発明の効果】以上説明した通り、本願の請求項1の透
過型プリズムスクリーンによれば、視野角の大きな方向
に大きな光指向性を有するスクリーンが構成でき、投影
面が水平に設定される場合等に極めて好適なものとなる
他、光の損失も少なくて明るい画面が得られる。また、
請求項2の透過型プリズムスクリーンによれば、請求項
1の効果に加え、出射光の水平方向での光指向性分布が
均一となり、水平に置かれた画面を取り囲んで見るよう
な場合に好適なものとなる。また、請求項3の透過型プ
リズムスクリーンによれば、上記請求項1の効果に加
え、出射光の水平方向での光指向性分布が特定の側での
み極めて大きくなるので、水平に置かれた画面を専ら特
定の側からのみ見るような場合に極めて好適なものとな
る。また、請求光4の透過型プリズムスクリーンによれ
ば、請求項1,2,3又は4の透過型プリズムスクリー
ンを安価に大量生産することが可能となる。さらに、請
求項5の投影システムによれば、上記請求項1,2,3
又は4の効果を得ながら、水平な投影面に画像を投影し
てこれを鑑賞することができ、新しいタイプのシステム
を提供することでプロジェクションテレビ等の需要をさ
らに拡大させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第一の実施形態の透過型プリズムス
クリーンの側面断面概略図である。
【図2】図1の透過型プリズムスクリーンにおけるプリ
ズムシートを上から見た平面部分概略図である。
【図3】図1の透過型プリズムスクリーンの作用を説明
する断面部分概略図である。
【図4】図1の透過型プリズムスクリーンの作用を説明
する平面部分概略図である。
【図5】図1の透過型プリズムスクリーンの光指向性を
説明する図である。
【図6】本願発明の第二の実施形態の透過型プリズムス
クリーンの側面断面概略図である。
【図7】図6の透過型プリズムスクリーンのプリズムシ
ートの斜視概略図である。
【図8】本願発明の第三の実施形態の透過型プリズムス
クリーンで使用されたプリズムシートを上から見た平面
部分概略図である。
【図9】本願発明の投影システムの実施形態の概略構成
図である。
【図10】従来の透過型スクリーンの構造を説明する平
面断面概略図である。
【図11】図10に示すような従来の透過型スクリーン
の光指向性を示した図である。
【符号の説明】
1 フレネルレンズシート 3 プリズムシート 30 凹部 31 凹部 32 第一の種類の凹部 33 第二の種類の凹部
【手続補正書】
【提出日】平成7年10月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】上述したプリズムシート3の作用におい
て、正四角錐状の凹部30が出射側の面に形成されてい
る点は、入射光束を損失なく大きな視野角に指向させる
ために有効となっている。すなわち、図3に示す通り、
フレネルレンズシート1により略平行光となった光束
は、プリズムシート3に入射して凹部30の斜面301
に反射する。そして、反射した光束は、隣りの凹部30
の斜面302に達するが、この際、反射した光束は水平
方向よりも若干斜め上の方向に進む。この場合、光束が
最初の斜面301の幅いっぱいの幅を有してこの幅の部
分に反射としたとすると、隣りの凹部30の斜面302
の反射部分の幅は、前の斜面301の幅より常に大きい
ものとなる。従って、最初の斜面301に反射した光束
は、原理的には全て隣りの凹部3る。従って、最初の斜
面301に反射した光束は、原理的には全て隣りの凹部
30の斜面302の幅以内に入ってこれを透過すること
になる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図10】
【図4】
【図7】
【図9】
【図11】
【図8】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投影面に配置されるシート状の透過型プ
    リズムスクリーンであって、光軸方向が高さ方向となる
    ような角錐状又は円錐状の凹部が出射側の面にセグメン
    ト状に多数形成されているプリズムシートを有すること
    を特徴とする透過型プリズムスクリーン。
  2. 【請求項2】 前記凹部はすべて同一の寸法形状の正多
    角錐状であることを特徴とする請求項2記載の透過型プ
    リズムスクリーン。
  3. 【請求項3】 前記凹部は二種類の三角錐状のものから
    なり、そのうちの第一の種類の凹部は、高さ方向に対し
    て0度から20度以内の角度のほぼ垂直な二つの面と一
    つの斜面とからなるものであり、第二の種類の凹部は、
    同じく高さ方向に対して0度から20度以内の角度のほ
    ぼ垂直な一つのと二つの斜面とからなるものであり、さ
    らに、第一の種類の凹部の前記一つの斜面は第二の種類
    の凹部の前記一つのほぼ垂直な面に対向するよう配置さ
    れ、第二の種類の凹部の前記二つの斜面は第一の種類の
    凹部の前記二つのほぼ垂直な面に対向するよう配置され
    ていることを特徴とする請求項1記載の透過型プリズム
    スクリーン。
  4. 【請求項4】 前記プリズムシートは、透光性の樹脂よ
    り形成され、金型を使用した成形法によって製作される
    ことを特徴とする請求項1,2又は3記載の透過型プリ
    ズムスクリーン。
  5. 【請求項5】 水平な投影面に画像を投影する投影器
    と、当該投影面の位置に配置された請求項1,2,3又
    は4記載の透過型プリズムスクリーンとを有することを
    特徴とする投影システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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