JPH0979810A - 薄膜状手袋のピンホール検査装置 - Google Patents

薄膜状手袋のピンホール検査装置

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JPH0979810A
JPH0979810A JP7259488A JP25948895A JPH0979810A JP H0979810 A JPH0979810 A JP H0979810A JP 7259488 A JP7259488 A JP 7259488A JP 25948895 A JP25948895 A JP 25948895A JP H0979810 A JPH0979810 A JP H0979810A
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JP
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brush
glove
thin
thin film
film glove
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Application number
JP7259488A
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English (en)
Inventor
Hisao Iizuka
久夫 飯塚
Noboru Ubukata
昇 生形
Hiroyuki Yamazaki
裕之 山崎
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G C KK
NIIMI KAGAKU KOGYO KK
GC Corp
Original Assignee
G C KK
NIIMI KAGAKU KOGYO KK
GC Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯科診療において使用されるビニールやラテ
ックスを原材料として形成されている薄膜状手袋のピン
ホールの有無を検査するためのピンホール検査装置を提
供する。 【解決手段】 内部に装入して薄膜状手袋を膨満させる
ための少なくとも表面が導電性を有する所定量の粒子1
と、該粒子1を収容する容積を持ち一端の開口部2aの
外側に薄膜状手袋の袖部が装着される上下に回転可能な
筒状体2と、筒状体2の内部に立設されていて開口部2
aから外へ突き出る電極3と、膨満された薄膜状手袋の
表面に導電性のブラシ4bを配備するブラシ部4と、ブ
ラシ4bを薄膜状手袋の表面に沿って相対的に移動させ
るべくブラシ部4を支持するガイド部5と、電極3とブ
ラシ4bとの間に高電圧を印加させるための高電圧供給
部6と、電極3とブラシ4bとの間で通電が有った場合
にこれを検知する検知部7とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科の診察,治療
及び処置に際し術者である歯科医師や歯科衛生士が施術
する時に着用するビニールやラテックス(ゴム)を原材
料として薄膜状に形成されている手袋に、ピンホールが
存在しているか否かを検査するための薄膜状手袋のピン
ホール検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯科の診察,治療及び処置において歯科
医師や歯科衛生士が着用するビニールやラテックスを原
材料として形成された歯科用の薄膜状手袋(以下、単に
薄膜状手袋と言うことがある)は、その使用目的が患者
から術者への感染予防にある。そして、このような薄膜
状手袋は、最近の伝染性の病気(エイズやB型肝炎等)
に対する関心の高まりから急激にその需要を増大してい
る。
【0003】ところが、現在の技術水準では薄膜状手袋
の製法上の特性からその膜面にピンホール(製造時に原
材料中に残存していた気胞などによる極小の穴)の発生
は避けられないものとして存在している。そして、薄膜
状手袋にこのピンホールが存在していると、薄膜状手袋
を着用していても病気の感染予防ができなくなってしま
う。何故なら、このピンホールから患者の体液と共にウ
ィルスが薄膜状手袋の中に侵入し、手指に傷などがある
とそこから術者の体内に入り感染させてしまう可能性が
生じるからである。
【0004】従って、これら薄膜状手袋の製品としての
検査は、目視による外観の適合条件の他、薄膜状手袋の
性能及びピンホールの有無を確認するための試験方法が
「歯科用ゴム手袋 規格」として厚生省からの通知の中
に明示されている。この「規格」に記載されているピン
ホール試験方法は水1000ccを使用する水密性試験であ
り、その内容は袖部開口部を上向きにしてそこに筒を取
り付け締め具で固定して吊り下げた薄膜状手袋内に水を
満たすことで膨満伸展させ、室温においてそのまま2分
間経過したときの薄膜状手袋からの水漏れの有無を目視
によって調べるものである。ここで薄膜状手袋の外側に
水漏れによる濡れや水滴が生じていた場合には不良品と
判定することになる。
【0005】しかしながら、このような水を使用したピ
ンホール試験方法を総ての製品の出荷検査として用いる
ことは不可能である。その理由は試験に時間的な手間が
掛かり過ぎるばかりでなく、試験内容が慎重に行われな
くてはならないことによる。これは、具体的には、少な
くとも2分という待ち時間が必要でありしかもその前後
の段取りにも時間が掛かるのみならず、薄膜状手袋の表
面に結露したり水滴が付着してしまうとピンホールによ
る水漏れと区別がつかなくなってしまうので、薄膜状手
袋の表面に結露したり水滴が付着しないように慎重に準
備を進めなければならないからである。しかも、この水
密性試験では、薄膜状手袋の使用目的上重要な部分であ
る指部はそれほど伸展せず、掌部のみが膨満して伸展さ
せられてしまう傾向にある。
【0006】これらの問題の他、水を使うことに起因す
る別な問題がある。それは、水は汚れ易いので清浄性の
維持が困難であるため、繰り返し使用には適していない
ことである。更に、薄膜状手袋一枚当たりの試験に要す
る時間は、段取りや実質の検査に要する時間だけでなく
手袋の乾燥滅菌までをも含めて考えると相当な時間とな
ってしまうことである。つまり、検査対象の薄膜状手袋
全数に水密性試験を実施すれば、相当なコスト高となっ
てしまうという問題がある。
【0007】このような問題に対処するため複雑な形状
をしている薄膜状手袋を効率良く検査する方法として採
られた策が圧縮空気を利用する方法である。これは、薄
膜状手袋の内部にエアーガンなどを使用して圧縮空気を
吹き込み、薄膜状手袋を一枚ずつ膨らませてピンホール
の有無を検査する方法である。この圧縮空気を利用した
検査方法を採用することにより、厚生省が規定している
薄膜状手袋のピンホール試験方法に比べて作業能率の
点、即ち多数を効率良く検査するということについては
格段に向上したのであるが、新たな問題を提起すること
になった。
【0008】それは、検査に使用するものが圧縮空気で
あるため圧縮空気の供給量などを規定することが困難で
あり、また薄膜状手袋にはその大きさに色々な種類があ
りしかもその形状が複雑であるため数値化した検査規格
の設定が困難なことである。更に、薄膜状手袋に穴が開
いていて、それが比較的大きな場合には圧縮空気がその
穴から洩れ出して膨らんだ薄膜状手袋は急速に萎んで形
状が変化して行くために不良品と判別できるが、穴がピ
ンホールのように非常に小さい場合には圧縮空気が微量
ずつしか洩れ出さないので短時間では殆ど萎まないから
形状の変化も無いため、検査員はかなり注意深く観察し
ていないとこの変化を捕らえることはできない。
【0009】従って、このように圧縮空気を吹き込んで
膨らまされた薄膜状手袋の大きさや形状の変化を良品・
不良品の判別基準とした場合には、ピンホールが存在し
ていても膨らんだ薄膜状手袋の形状が見た目には殆ど変
化しないことで良品と判定されてしまう可能性がある。
また、圧縮空気を利用した場合でも水密性試験の場合と
同様に指部がそれほど伸展しないで掌部のみが膨満伸展
させられてしまう傾向がある。
【0010】このような事態を防ぐために、従来は検査
員が手作業でピンホールが比較的多く見出され且つ重要
な部分でもある薄膜状手袋の指部に圧縮空気を移動させ
てその指部を更に膨らませることにより、ピンホールの
有無の検査を行っていた。この時、検査員は薄膜状手袋
の膨満した部分の色のムラなどを頼りにしてピンホール
を見出すことに努めるのであるが、人為的な作業である
ため反復再現が困難であったり、ピンホールの見落とし
が出てしまうことは止むを得ないことであり、しかも内
部の圧縮空気を移動させて指部を一本ずつ膨らませるこ
とは検査員にとり依然として煩わしい作業であったので
ある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、複雑な形状
をしているが故に液体や気体などの不定形の物質を利用
してしか行えずしかも検査に要する人件費などのコスト
が嵩み、見落としなどのミスが出易い従来の人為的・官
能的な薄膜状手袋のピンホールの有無の検査に代えて、
厚生省からの通知の中に示された水密性試験の趣旨であ
る水漏れを目で確認するということに近似した意味を有
していて薄膜状手袋をほぼ満遍なく伸展させた状態下で
機械的・計数的な検査が検査対象である全数の薄膜状手
袋に対して実施でき、また薄膜状手袋の大きさや厚みに
合わせた条件設定や検査対象の薄膜状手袋全数を殆ど同
一条件で検査することが可能で、更に検査員の行為とし
て必要な作業を軽減して薄膜状手袋のピンホールの有無
の検査の煩わしさを解消すると共に小型化することもで
きる薄膜状手袋のピンホール検査装置を提供することを
課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を解決すべく鋭意検討した結果、薄膜状手袋の原材料で
あるラテックスやビニールが絶縁材料であることに着眼
し、これらの絶縁材料で形成された薄膜状手袋のピンホ
ール検査装置を、薄膜状手袋の内部に装入して該薄膜状
手袋を膨満させるための少なくとも表面が導電性材料で
形成されている所定量の粒子と、その外側に薄膜状手袋
の袖部が装着可能な大きさであって装着される薄膜状手
袋の内部に向く開口部を有していて且つ該開口部を上下
に回転可能なようにして支持されている前記所定量の粒
子を収容する容積を持つ筒状体と、該筒状体の内部に立
設されていて前記開口部から先端が外へ突き出る長さを
有する電極と、通電可能にされている導電性の毛状素材
で形成されているブラシが間断なく又は所定間隔を空け
て植立されたブラシ支えを配備しているブラシ部と、前
記所定量の粒子により膨満させられている薄膜状手袋の
表面に前記ブラシを当接させるか又はその極く近傍に位
置させて薄膜状手袋に対して該ブラシを相対的に移動さ
せるべく前記ブラシ部を支持するためのガイド体を配備
しているガイド部と、前記電極とブラシ支えに植立され
ている前記ブラシとの間に電位差がある状態にして高電
圧を印加させるための高電圧供給部と、該電極と該ブラ
シとの間で通電が有った場合にこれを検知する検知部と
から構成すれば良いことに着目し、これらが備えられて
いれば前記した課題が解決できることを究明して本発明
を完成したのである。
【0013】そして前述したような構成において、所定
量の粒子を収容する容積を持つ複数個の筒状体を各々の
開口部が同じ向きにならないようにして配備し該複数個
の筒状体の中間点の側面又は中間に配備されている支持
部材に取り付けられている支持棒を回転軸として上下に
回転可能なようにして支持したり、所定量の粒子が内部
に装入されて膨満した薄膜状手袋の少なくとも2方向か
らブラシが向けられるようにブラシ支えを配備するブラ
シ部の構成にしたり、電極とブラシ支えに植立されてい
るブラシとの間に電位差がある状態にして高電圧を印加
させる高電圧供給部をその印加電圧を自由に設定可能で
あるようにしたり、電極とブラシとの間で通電が有った
場合にこれを検知する検知部に通電が有ったことを通知
する手段及び/又は薄膜状手袋に表示する手段を付加す
れば、より好ましいことも究明したのである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明に係る薄
膜状手袋のピンホール検査装置について詳細に説明す
る。図1は本発明に係る薄膜状手袋のピンホール検査装
置の1実施例の配置や構成を示す斜視説明図、図2は図
1に示した本発明に係る薄膜状手袋のピンホール検査装
置において、筒状体が上下に2個組み合わされていて下
側の筒状体に検査対象の薄膜状手袋を装着してピンホー
ルの有無の検査を行っている状態を示した正面説明図、
図3はブラシ及びブラシ支えなどから成るブラシ部を2
組用いてブラシが2方向から薄膜状手袋に当接するよう
にされたブラシ部の他の実施例の斜視説明図、図4は図
3に示したブラシ部を装備したピンホール検査装置を用
いて薄膜状手袋のピンホールの有無の検査を行っている
状態を示した正面説明図、図5は検査対象の薄膜状手袋
内を満たしている少なくとも表面が導電性材料で形成さ
れている粒子への通電構造を示す部分断面説明図であ
る。
【0015】図面中、1はビニールやラテックスなどの
絶縁材料で形成されている薄膜状手袋10の内部に装入
されてこの薄膜状手袋10を膨満させるための少なくと
も表面が導電性材料で形成されている粒子であり、その
大きさは直径が1〜2mm程度が好適である。この粒子の
大きさは特に均一にする必要はなく種々の大きさのもの
を組合せ用いても良い。この粒子1は、その目的・機能
上、導電性を有していることが必要であり、しかも薄膜
状手袋10の内部に装入されるため検査の際に薄膜状手
袋10を破損してしまうことの無いようになるべく球形
又は角が無い不定型の粒状で軽量な素材を使用すること
が好ましい。従って、アルミニウムやアルミ合金系の素
材を用いれば条件を満たすことになるが、例えば非導電
性の粒子状に成型された樹脂製のものの表面に導電性の
材料をメッキしたものを用いることもできる。また、カ
ーボンのように最初から導電性を有する素材を粒子に加
工して用いれば、金属よりも軽量な粒子1を得ることが
可能になる。
【0016】2は中空の円筒状の筒状体であり、その一
端は薄膜状手袋10を装着した時にその内部に向けて開
口している開口部2aであり、また他端は塞がっていて
底部をなしていて、この底部の開口部2aと反対側に支
持部材2bが配備されていて、この支持部材2bに開口
部2aを上下に回転可能なようにして支持する支持棒2
cが取り付けられている。この筒状体2には、その内部
に薄膜状手袋10の大きさに応じてその量が設定されて
いる粒子1を収容するのであるが、薄膜状手袋10の大
きさはSS(最小),S(小),M(中),L(大)の
4種類あるのが一般的であるのでこれら種々の大きさに
対応する為には粒子1の量を例えば400〜800ccの幅で設
定する必要がある。従って、筒状体2は前述した各種類
に対応する量の粒子1を収容でき、好ましくは更に若干
のゆとりがあるような容積を有する大きさにすれば良い
のである。
【0017】また、開口部2aの外周は筒状体2の他の
部分の外周より若干大きくして段差があるようにしてお
くと、検査のために装着された薄膜状手袋10が筒状体
2から外れ難くできるので好ましい。この開口部2aの
外周の大きさは、検査のために装着される薄膜状手袋1
0の袖部10aの大きさより若干大きくされていて薄膜
状手袋10の装着部が伸展した状態で装着されるように
されていることが好ましいが、薄膜状手袋10の袖部1
0aの大きさより若干小さい開口部2aであっても、抜
け落ちないようにするための締め具2dを用いて装着す
れば良いため特に支障はない。
【0018】3は粒子1がその表面に接していれば電気
が流れるようにするために金属やカーボンなどの導電性
材料で形成されている棒状の電極であり、筒状体2の底
部の中央に立設されている。この電極3の上端には検査
対象の薄膜状手袋10が引っ掛かって破損したりするこ
とのないように、また検査員の作業能率をも考慮して電
極3の他の部分の外形寸法より大きい寸法の截頭円錐状
部や截頭円錐状部の更に先端に円柱状部を有する形状や
球状の電極保護具3aを配備しておくことが好ましい。
この時、電極保護具3aは非導電性材料を使用すれば電
極3に高電圧を印加されている状態で誤って検査員が触
れても不測の事態が発生しないので好ましい。また、こ
の電極3は検査対象となる薄膜状手袋10の大きさに合
わせて交換可能なように着脱自在にしておいても良い。
【0019】そして、この電極3は前記開口部2aから
外へ突き出るような長さを有して配備されていて、電極
保護具3aが検査対象の薄膜状手袋10の中指の付け根
付近に位置されるようにしておくと粒子1と電極3との
接触面積が増えるのでその接触も確実となり、しかも検
査終了後に薄膜状手袋10内を満たしていた粒子1を再
び筒状体2の中へ戻す時に薄膜状手袋10が折れ曲がら
ないようにするための役割をも担わせることができる。
また、この電極3に高電圧を印加させるための電線3b
を接続するには、図5に示す如く筒状体2の底部におい
てこれを支える支持部材2bと支持棒2cとの内部を電
線3bが通るようにしておくと、この電線3bが作業の
邪魔になることもないので使い勝手の点で好ましいもの
になる。
【0020】4は電線4cを介して通電される導電性の
素材で形成されブラシ4bが間断なく又は所定間隔を空
けて植立せしめられているブラシ支え4a及びこのブラ
シ支え4aを支持するブラシ支え支持具4dから成るブ
ラシ部であり、少なくとも一方向からブラシ4bが薄膜
状手袋10の表面に当接するか又はその極く近傍に位置
するように配置されるものである。ここでブラシ部4の
幅は、横幅が検査対象である薄膜状手袋10の横幅(一
般的にはLサイズで約105mmである)より大きくされて
いれば目的・機能上充分な大きさであるが、ブラシ部4
の向きを薄膜状手袋10の長手方向(つまり縦方向)に
する場合とか斜め方向にする場合とかが想定できるの
で、この長さは特に限定されるものではない。このよう
にブラシ部4を縦にしたり斜めにしたりすることを可能
にするには、図示はしないがブラシ支え4aをブラシ支
え支持具4dとの間で回転可能であるような構造にすれ
ば良い。このような構造にすることでブラシ部4が任意
角度にて固定できるようになる。また、このブラシ部4
は図示した実施例のようにその上下方向に1本又は数本
しか存在しない場合の他に、例えば洋服ブラシや歯ブラ
シの如く多数本が存在しているものであっても良いこと
は言うまでもない。
【0021】ここで、ブラシ支え4aにおけるブラシ4
bを植立する部分に関する構成について説明する。本発
明に係る薄膜状手袋のピンホール検査装置においては、
ブラシ支え4a自体が導電性のあるものを用いても良い
が、ブラシ支え4aが絶縁材料で形成されていて、その
内部のブラシ4bが植立されている部分に接触するよう
に例えば導電性を有する薄板などを全幅に亘り配備して
おけばブラシ4b全体を導電可能な状態にすることがで
きる。そして、前述した導電性を有するブラシ支え4a
又はこの薄板と電線4cとを連結すれば、総てのブラシ
4bを通電可能な状態にすることができる。しかして、
前述した粒子1(電極3)とブラシ4bとから成る高電
圧印加用の電気回路が成立する。
【0022】ところで、図1に示すようにブラシ4bが
一方からのみ薄膜状手袋10に当接されるような構成と
なっている場合には、筒状体2が支持部材2b上で手動
又は電動、例えばモータ駆動によって回転するようにさ
れていると作業能率を高めるので好ましい。
【0023】この他、図2において示すように粒子1,
筒状体2及び電極3から成る一式を支持部材2aを挟ん
でもう一式を互いの開口部2aが反対側となるようにし
て配備し、更にこの2個の筒状体2の側面の中間点又は
中間に配備されている支持部材2bに取り付けられてい
る支持棒2cを回転軸として上下に回転可能なようにし
て支持しておくと、例えば下側の薄膜状手袋10の検査
中に上側の筒状体2において検査済みの薄膜状手袋10
を取り外した後、新たな検査対象の薄膜状手袋10を上
側の筒状体2に装着することにより、作業の無駄(手待
ち時間など)が半減することになる。このように筒状体
2が上下に2個配備されていると作業効率がより一層向
上する。また、同様な目的において2個以上配備されて
いても良いことは言うまでもない。
【0024】次に、ブラシ部4と検査対象である薄膜状
手袋10との位置関係について説明する。図1、図2及
び図4に示した実施例ではブラシ部4のみが上下に移動
する装置を開示しているが、所望の動きは薄膜状手袋1
0に対してブラシ4bを相対的に移動させれば得られる
から、ブラシ部4と薄膜状手袋10との少なくともいず
れか一方が上下に移動できれば良い。
【0025】ところで、このブラシ部4と薄膜状手袋1
0とのいずれが移動するにしても、図3におけるブラシ
部4のもう一つの実施例のように検査対象である薄膜状
手袋10を両側から挟み込むようにしてブラシ4bが向
けられるようにしたり、図示しないがブラシ支え4aが
略環状をなしていてその全周方向から薄膜状手袋10に
ブラシ4bが当接するようにされていたり、又はブラシ
支え4aがL字状をなしていて前方及び右方の二方向で
薄膜状手袋10に当接するか又はその極く近傍に位置さ
せておいて薄膜状手袋10に対してブラシ4bを相対的
に移動させれば、効率良く検査が行えるのである。つま
り、ブラシ部4が薄膜状手袋10の両側又は全周方向に
配されている場合には上方(指部から袖部へ)又は下方
(袖部から指部へ)への一動作で検査を行うことができ
るし、L字状のブラシ支え4aを使用する場合には例え
ば上から下へブラシ部4を移動させた後に電極3を軸と
して支持部材3b上で筒状体2を180度回転させ、そ
の後にブラシ部4を下から上へ移動させて検査を行えば
良い。
【0026】また、薄膜状手袋10のピンホールの有無
の検査に際しては、ブラシ4bが薄膜状手袋10の表面
に当接しながら移動することが望ましいが、粒子1の少
なくとも表面が導電性材料で形成されているため、電極
3とブラシ4bとの間の電位差がそのまま粒子1とブラ
シ4bとの間の電位差となるために、ブラシ4bが直接
薄膜状手袋10に当接していなくてもブラシ4bがその
極く近傍に位置しているだけで、薄膜状手袋10にピン
ホールがあれば放電が起きる(火花が飛ぶ)のである。
これは、ブラシ4bが薄膜状手袋10の表面に当接して
いても少なくても薄膜状手袋10の厚み分だけブラシ4
bは粒子1と隔てられているので、この放電(火花)は
電極3(粒子1)とブラシ4bとの間に通電(電気の流
れ)をもたらすものであるから、ピンホールの存在が確
認できることになるからである。
【0027】更に、前述したブラシ部4のもう一つの実
施例である図3におけるブラシ部4のように、ブラシ支
え支持具4dにはブラシ位置調整具4eが取り付けられ
ていて、このブラシ位置調整具4eに配備されている左
右それぞれ2本ずつの都合4本の摺動棒4fにより左右
のブラシ支え4aがそれぞれ位置を変更できるようにさ
れていても良い。この位置の変更は検査対象の薄膜状手
袋10の種々の大きさに合わせて最適な位置を設定する
時などにおいては便利なものとなる。そして、この位置
の調整は人手により行っても良いが、ブラシ位置調整具
4eが電気や圧縮空気により稼働するアクチュエーター
であっても良い。このアクチュエーターと位置検知セン
サーとを組み合わせれば、薄膜状手袋10の位置を自動
的に検知してブラシ支え4a(ブラシ4b)を最適位置
に個別に位置させて検査を行うことができてより好まし
いものになる。
【0028】5は内部に装入された粒子1により膨満さ
せられている薄膜状手袋10の表面にブラシ4bを当接
させるか又はその極く近傍に位置させてブラシ部4を支
持し且つ上下動させるためのガイド部である。そしてこ
のガイド部5は、図示した各実施例においては基台8に
立設されておりその両側にガイド溝5bが内部の中空部
まで連通している筒状のガイド体5aと基台8上に配備
されている昇降用モータ5cとで構成されている。この
ガイド溝5bはブラシ支え支持具4dが回転しないよう
にするためのものであり、結果的にブラシ部4の方向性
を定めるものである。
【0029】また、ブラシ支え支持具4dの上下動をも
たらす構成は、具体的には筒状のガイド体5aの内部の
中空部に配置されていて基台8上に配備された昇降用モ
ータ5cの駆動によりその根元に固定されているカサ歯
車を介して回転せしめられるネジ棒とこのネジ棒と螺合
するナット状部とから成り、このナット状部にガイド体
5aの両側にガイド溝5bを貫通したブラシ支え支持具
4dの部分が固定されている構造であり、昇降用モータ
5cを駆動してこのネジ棒を回転(正転又は反転)させ
れば、このネジ棒の回転に応じてブラシ支え支持具4d
が所定の方向性を保ったまま上下動することになる。こ
のような構造にすれば、駆動部分が露出しないので外観
が良くしかも検査員が駆動部分に接触して不測の事態が
生ずる危険性が無くて好ましいが、この図示した実施例
の他、図示はしないが例えばモータとベルトと滑車とを
組合わせて上下させる構成にしたり、油圧シリンダー又
は空気シリンダーを用いこれらのシリンダーのピストン
ロッドの先端にブラシ支え支持具4dを取り付けてポン
プ及びオイルや圧縮空気を利用した前記ピストンロッド
の上下を行わせるような構成にすれば同等の動きが得ら
れることは言うまでもない。
【0030】6は高電圧供給部であり、1万ボルト位ま
での高電圧が供給可能にされている。そして、この高電
圧供給部6で発生させられた高電圧の一方は電線4cを
通してブラシ4bに印加され、もう一方は支持棒2cの
内部に配備された電線3bを通して粒子1(電極3)に
印加されることになる。しかして、ブラシ4bと粒子1
(電極3)との間で高電圧印加による電位差が生じ、薄
膜状手袋10にピンホールが有ればそのピンホールを通
じて放電する(火花が飛ぶ)のである。
【0031】また、この高電圧供給部6においては、電
圧設定ツマミ6aにて電圧表示メータ6bを見ながら自
由に電圧が設定できるようにされている。この電圧設定
を自由にした理由は、印加される電圧が高電圧であるこ
とに由来している。つまり、検査対象となっている薄膜
状手袋10には極く薄いものから厚手のものまで様々な
厚みがあり、極く薄い規格で製造された薄膜状手袋10
に例えば9000ボルトを印加して検査を行うとピンホール
が無くても放電する(火花が飛ぶ)ことがある。これ
は、粒子1が内部に装入されて膨満した極く薄い薄膜状
手袋10の伸長して更に薄くなった部分を高電圧故に突
き抜けて放電が起きる(火花が飛ぶ)ことがあるためで
あり、このような現象が発生すると本来ピンホールが無
い良品でも不良品と判定されてしまうことになる。
【0032】この放電(火花)が有ったことで不良品と
して判定され選別されることは本発明の目的に合致した
ものであるが、ここでは本来ピンホールが無い良品の薄
膜状手袋10であっても電圧が高過ぎたため放電(火
花)によりピンホールが開けられてしまうことが問題に
なる。従って、検査対象の薄膜状手袋10が例えば厚手
から極く薄いものへ変更されたにも拘らず、これに対応
し切れなくて不良品を新たに作ってしまう前述したよう
な問題の発生を防ぐため電圧が自由に設定できるように
しておくことが好ましいのである。
【0033】7は検査対象の薄膜状手袋10にピンホー
ルが存在していて粒子1(電極3)とブラシ4bとの間
で放電が起きた(火花が飛んだ)場合にこれを検知する
検知部である。この検知部7には、粒子1(電極3)と
ブラシ4bとの間で放電が起きた(火花が飛んだ)こと
で通電したことを検知したら、それを検査員に通知する
ための手段として警告灯7a及び/又は警告ブザー7b
が付加されていれば、検査員が薄膜状手袋10にピンホ
ールが存在していたことを光及び/又は音で知ることに
なって好ましい。
【0034】また、検知部7における粒子1(電極3)
とブラシ4bとの間で放電が起きた(火花が飛んだ)こ
とで通電があったことを検知するための構成の例として
は、例えば放電がある(火花が飛ぶ)ことは高電圧印加
回路に電気が流れることであるから、この電気が流れた
ことを検知するための検知回路を高電圧印加回路に併設
すれば良い。そうすれば放電して(火花が飛んで)通電
が起きると同時に検知回路がこれを検知して警告を発す
るようにすることができる。この他、この検知部7に例
えばインク噴射装置を配備しておき、検査対象の薄膜状
手袋10にピンホールが存在していて粒子1(電極3)
とブラシ4bとの間で放電が起きた(火花が飛んだ)こ
とが検知されると、警告を発すると同時に又は警告を発
しないでもピンホールのある当該薄膜状手袋10にイン
クを吹き着けて不良品の目印としても良い。この目印が
あれば、良品と不良品の仕分けが確実にできるし、後に
不良品が混在することを防ぐことができて好ましい。
【0035】次に、上記した如き構成の本発明に係る薄
膜状手袋のピンホール検査装置の使用方法について図4
に基づいて説明する。先ず、検査対象となる薄膜状手袋
10の大きさ(SS〜L)に対応した量の粒子1を上側
の筒状体2に予め収容しておく。しかる後、検査員が検
査対象である薄膜状手袋10の袖部10aをその上側の
筒状体2の外側に装着する。ここで、検査中に薄膜状手
袋10が外れないよう袖部10aが筒状体2の中程に位
置する程度まで十分挿入しておくことが望ましいが、筒
状体2の外側に弾性素材から成る締め具2dを配備して
おいて、筒状体2へ装着後に薄膜状手袋10の上からこ
の締め具2dを開口部2aの外側の段差より支持部材2
b側に位置させるようにして取り付ければ、それほど挿
入部分を長くしなくても検査中に薄膜状手袋10が筒状
体2から外れてしまうことがないようにする抜け止め効
果が発揮できる。
【0036】次に、高電圧供給部6に配備されているメ
インスイッチ9をONにし、検査対象である薄膜状手袋
10の厚みに応じて電圧設定ツマミ6aにて電圧表示メ
ータ6bを見ながら所定の印加する高電圧に設定するの
である。この電圧設定の操作は、一定の厚さの薄膜状手
袋10の検査専用装置として使用する場合には不要とな
ることは言うまでもない。
【0037】前述したような事前の準備を整えておいて
筒状体2を回転させるための電動モータ(図示無し)を
駆動する回転スイッチ(図示無し)を操作して筒状体2
を上下に回転させるのである。この筒状体2の上下回転
は手動で行っても良いが、作業能率を考えれば電動モー
タを使用して電気で行う方がより好ましい。そして、筒
状体2が上下に回転する(傾き出す)に伴い筒状体2の
内部に収容されていた粒子1は徐々に薄膜状手袋10の
中へ注ぎ込まれることになる。しかして、図5に示すよ
うに、指部の先端に始まり掌部まで薄膜状手袋10の内
部は少なくともその表面が導電性の粒子1で満たされ
る。この粒子1は指部の穴径よりも充分小さいので、指
部の内部に確実に入り込むと共に指部及び掌部が満遍な
く膨満された状態になる。
【0038】かかる状態において、ブラシ部4は検査前
のAの位置に位置している。そして、検査員はスイッチ
(図示なし)を操作して電極3(粒子1)とブラシ4b
との間に高電圧を印加させると共に昇降用モータ5cを
駆動させブラシ部4をAからB(検査途中の一位置)方
向へ移動させるようにするのである。このスイッチは、
検査員が両手を自由に使えるようにしておくため足で操
作するフットスイッチ(図示なし)にしておくことが好
ましい。また、ガイド部5にはリミットスイッチを配備
しておき、ブラシ部4が所定位置まで上昇したら自動的
にブラシ部4が元のAの位置に戻るようにすることは通
常の配慮である。このような操作を行うに際し、図3に
示すような両側からブラシ4bが向けられている場合に
は、ブラシ4bの長さは少なくとも膨満した薄膜状手袋
10の半分程度(20〜30mm)あれば良い。その理由は、
ブラシ部4の一回の動作で検査を済ますことが可能にな
るので作業性を向上させるからである。
【0039】また、図1に示すようにブラシ部4が一方
にのみある場合には、ブラシ部4をAの位置からB方向
へ移動させ上側の所定位置に達したら筒状体2を180
度回転させ薄膜状手袋10のそれまでブラシ4bに接し
ていなかった側がブラシ4bに接するようにして後、上
側の所定位置からA方向へブラシ部4を移動させるので
ある。このような動作を行わせれば、ブラシ部4は図1
及び図3のいずれの場合においても、ブラシ4bが薄膜
状手袋10の全周に当接するか又は極く近傍の位置を移
動することになる。しかして、薄膜状手袋10にピンホ
ールがあれば、そのピンホールを通してブラシ4bと粒
子1との間で放電する(火花が飛ぶ)ことになり、そし
て検知部7に電極3とブラシ4bとの間で通電が有った
ことを通知する手段及び/又は薄膜状手袋10に表示す
る手段が付加されていれば、この検知部7に付設された
警告灯7aが点灯するか又は警告ブザー7bが警告音を
発したり、その薄膜状手袋10に目印が付けられたりし
て、不良品として仕分けされることになる。
【0040】かくして検査が終了したら、電極3(粒子
1)とブラシ4bとに印加されている高電圧を切り、図
1,図2及び図4のいずれの実施例の場合においてもブ
ラシ部4を下側の所定位置Aまで下げると共に再度筒状
体2を上下に回転させて前述の操作を繰り返すことにな
る。この時、電極3が薄膜状手袋10の内部における支
え棒(背骨に相当する)の役割を果たし、粒子1の重み
で薄膜状手袋10が筒状体2の開口部2aのところで折
れ曲がってしまうことを防ぐことになる。しかして、薄
膜状手袋10が折れ曲がることがないから薄膜状手袋1
0の内部を満たしていた粒子1は筒状体2の中に速やか
に戻り得るのである。
【0041】また、この種の高電圧を使用する装置にお
いて人体(検査員)を保護するための安全機構などの配
備が必要であり、当然本発明に係る薄膜状手袋のピンホ
ール検査装置においても当業者が通常考えられる範囲内
でこれら安全機構を配備しても、前述した本発明に係る
検査装置の各構成要素の機能に変更を強いるものではな
いことは言うまでもない。この他、例えばブラシ部4が
その位置を固定されていて、内部に粒子1を満たした薄
膜状手袋10が上下動することにより指部から手首部ま
での全部がブラシ4bと当接する構成にしても本発明に
係る薄膜状手袋のピンホール検査装置の目的や効果と同
等のものが得られることは言うまでもない。
【0042】
【発明の効果】以上に詳述した如く本発明に係る薄膜状
手袋のピンホール検査装置は、従来のピンホールの有無
を検査する試験が抱えていた問題点を悉く解決し得たも
のである。これら問題解決の糸口は、従来の慎重な取り
扱いが必要である水を利用した方法や圧縮空気を利用し
た方法では重要な指部はそれほど伸展せず掌部のみが膨
満伸展させられる傾向があり、水や圧縮空気を用いて機
械化するにしても限界があることに気付いたことであ
る。
【0043】そして、水や圧縮空気に代えて新たな検査
手段として取り扱いの楽な固体である少なくともその表
面が導電性材料で形成されている粒子を使用する方法を
見出し得たことが本発明の核となる点である。この表面
が導電性材料で形成されている粒子を使用すれば、水と
同様に重力を利用して検査対象の薄膜状手袋の指部の隅
々にまで該粒子を行き渡らせることが可能となると共
に、水を利用した方法や圧縮空気を利用した方法に比べ
ると薄膜状手袋の指部及び掌部を満遍なく伸展させる状
態が得られるという全く新規な視点での薄膜状手袋のピ
ンホール検査装置を完成したのである。しかして、水密
性試験と同じような条件下で機械的・計数的な検査を簡
便にして短時間で成し遂げ、しかも全数の薄膜状手袋の
検査を可能にしたのである。
【0044】また、水密性試験による方法では水漏れが
微量の場合にはその事実を検査員が見落としてしまうこ
ともあるが、本発明に係る薄膜状手袋のピンホール検査
装置では検査員が特に注意を払わなくても自動的に機械
的・計数的な検査を進めて行くため見落とすようなこと
がないばかりか、検査に水を使用していないから検査後
の薄膜状手袋をいちいち乾燥させるような後処理作業が
不要になるため楽であり、そして当然のことながら水を
使用していないので極めて衛生的でもあるという利点を
も有している。
【0045】ところで、本発明者らが行った本発明に係
る薄膜状手袋のピンホール検査装置を使用した比較実験
では、熟練した検査員が圧縮空気利用による検査で良品
と判断した薄膜状手袋の約1割にピンホールを見出して
いる。このように本発明に係る薄膜状手袋のピンホール
検査装置は、従来の圧縮空気利用による検査以上の薄膜
状手袋のピンホールの検出能力を持つにも拘らず、担当
する検査員の実作業としては薄膜状手袋の着脱とスイッ
チ操作のみという極く短時間の簡単な作業で済むのであ
る。
【0046】更に、本発明に係る薄膜状手袋のピンホー
ル検査装置は、薄膜状手袋の種々の大きさや厚みに対応
して粒子の量や電圧条件を色々に設定することができる
ものとなっていても、装置の操作を習熟しなければ操作
できない程に複雑な機構とはなっていない。これは即
ち、誰でも簡単に操作することが可能で、しかも検査そ
のものには人的な判断を必要とする要素が存在しないか
ら、後日の確認試験(再現試験)をも可能にするもので
ある。
【0047】そして、本発明に係る薄膜状手袋のピンホ
ール検査装置は、装置自体を大仰にするような必要のあ
る構成要素はないから小型化が可能である。つまりこれ
は筒状体に装着された薄膜状手袋が上下に回転するだけ
のゆとりを持つ空間があればどこにでも設備することが
できるし、検査において検査員の行為として必要な作業
をも軽減してもいるので、例えば検査員が複数の本発明
に係る薄膜状手袋のピンホール検査装置を操作しながら
薄膜状手袋の検査を行うことも可能である。その結果、
薄膜状手袋1枚当たりに要する検査人件費を更に削減す
ることにもつながる。
【0048】以上に述べたように、本発明に係る薄膜状
手袋のピンホール検査装置は、厚生省が通知した薄膜状
手袋の検査要領に開示された水密性試験と同じような検
査条件を設定しているにも拘らず、薄膜状手袋の指部及
び掌部を満遍なく伸展させた状態下で機械的・計数的な
ピンホールの有無の検査を検査対象である全数の薄膜状
手袋に実施することができ、しかして1枚当たりの検査
コストを大幅に低減させ得たものであり、また同様の絶
縁材料を原料とする薄膜状成型品のピンホールの検査に
も応用可能であるなど、歯科医療分野に貢献するところ
の非常に大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜状手袋のピンホール検査装置
の1実施例の配置や構成を示す斜視説明図である。
【図2】図1に示した本発明に係る薄膜状手袋のピンホ
ール検査装置において、筒状体が上下に2個組み合わさ
れていて下側の筒状体に検査対象の薄膜状手袋を装着し
てピンホールの有無の検査を行っている状態を示した正
面説明図である。
【図3】ブラシ及びブラシ支えなどから成るブラシ部を
2組用いてブラシが2方向から薄膜状手袋に当接するよ
うにされたブラシ部の他の実施例の斜視説明図である。
【図4】図3に示したブラシ部を装備したピンホール検
査装置を用いて薄膜状手袋のピンホールの有無の検査を
行っている状態を示した正面説明図である。
【図5】検査対象の薄膜状手袋内を満たしている少なく
とも表面が導電性材料で形成されている粒子への通電構
造を示す部分断面説明図である。
【符号の説明】
1 粒子 2 筒状体 2a 開口部 2b 支持部材 2c 支持棒 2d 締め具 3 電極 3a 電極保護具 3b 電線 4 ブラシ部 4a ブラシ支え 4b ブラシ 4c 電線 4d ブラシ支え支持具 4e ブラシ位置調整具 4f 摺動棒 5 ガイド部 5a ガイド体 5b ガイド溝 5c 昇降用モータ 6 高電圧供給部 6a 電圧設定ツマミ 6b 電圧表示メータ 7 検知部 7a 警告灯 7b 警告ブザー 8 基台 9 メインスイッチ 10 薄膜状手袋 10a 袖部 A 検査前のブラシ部の位置 B 検査途中のブラシ部の一位置
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61C 19/06 A61C 19/06 Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜状手袋(10)の内部に装入して該薄
    膜状手袋(10)を膨満させるための少なくとも表面が導
    電性材料で形成されている所定量の粒子(1)と、その外
    側に薄膜状手袋(10)の袖部(10a)が装着可能な大き
    さであって装着される薄膜状手袋(10)の内部に向く開
    口部(2a)を有していて且つ該開口部(2a)を上下に回
    転可能なようにして支持されている前記所定量の粒子
    (1)を収容する容積を持つ筒状体(2)と、該筒状体(2)
    の内部に立設されていて前記開口部(2a)から先端が外
    へ突き出る長さを有する電極(3)と、通電可能にされて
    いる導電性の毛状素材で形成されているブラシ(4b)が
    間断なく又は所定間隔を空けて植立されたブラシ支え
    (4a)を配備しているブラシ部(4)と、前記所定量の粒
    子(1)により膨満させられている薄膜状手袋(10)の表
    面に前記ブラシ(4b)を当接させるか又はその極く近傍
    に位置させて薄膜状手袋(10)に対して該ブラシ(4b)
    を相対的に移動させるべく前記ブラシ部(4)を支持する
    ためのガイド体(5a)を配備しているガイド部(5)と、
    前記電極(3)とブラシ支え(4a)に植立されている前記
    ブラシ(4b)との間に電位差がある状態にして高電圧を
    印加させるための高電圧供給部(6)と、該電極(3)と該
    ブラシ(4b)との間で通電が有った場合にこれを検知す
    る検知部(7)とから成ることを特徴とする薄膜状手袋の
    ピンホール検査装置。
  2. 【請求項2】 所定量の粒子(1)を収容する容積を持つ
    複数個の筒状体(2)が各々の開口部(2a)が同じ向きに
    ならないようにして配備されていて、更に該複数個の筒
    状体(2)の中間点の側面又は中間に配備されている支持
    部材(2b)に支持棒(2c)が取り付けられていて、複数
    個の筒状体(2)が該支持棒(2c)を回転軸として上下に
    回転可能なようにして支持されている請求項1に記載の
    薄膜状手袋のピンホール検査装置。
  3. 【請求項3】 ブラシ部(4)が、所定量の粒子(1)が内
    部に装入されて膨満した薄膜状手袋(10)表面の少なく
    とも2方向からブラシ(4b)が向けられるようにブラシ
    支え(4a)が配備されているブラシ部である請求項1又
    は2に記載の薄膜状手袋のピンホール検査装置。
  4. 【請求項4】 電極(3)とブラシ支え(4a)に植立され
    ているブラシ(4b)との間に電位差がある状態にして高
    電圧を印加させる高電圧供給部(6)がその印加電圧を自
    由に設定可能にされている請求項1から3までのいずれ
    か1項に記載の薄膜状手袋のピンホール検査装置。
  5. 【請求項5】 電極(3)とブラシ(4b)との間で通電が
    有った場合にこれを検知する検知部(7)に、通電が有っ
    たことを通知する手段及び/又は薄膜状手袋(10)に表
    示する手段が付加されている請求項1から4までのいず
    れか1項に記載の薄膜状手袋のピンホール検査装置。
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