JPH0979181A - 可変案内羽根付き流体機械 - Google Patents

可変案内羽根付き流体機械

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JPH0979181A
JPH0979181A JP7256720A JP25672095A JPH0979181A JP H0979181 A JPH0979181 A JP H0979181A JP 7256720 A JP7256720 A JP 7256720A JP 25672095 A JP25672095 A JP 25672095A JP H0979181 A JPH0979181 A JP H0979181A
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fluid machine
angle
flow rate
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JP7256720A
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English (en)
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Hideomi Harada
英臣 原田
Kazuo Takei
和生 武井
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Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
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Publication date
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Priority to CNA021226997A priority patent/CN1536231A/zh
Priority to CN96119912A priority patent/CN1089143C/zh
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  • Control Of Positive-Displacement Air Blowers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体機械を設計点流量以外の流量域で運転し
たときに発生する不安定現象を回避して流体機械を広い
流量範囲で運転できる可変案内羽根付き流体機械を提供
する。 【解決手段】 流体機械本体あるいは配管に設けられ
た状態量検出装置S1〜S3と、必要とされる流体機械の
運転状態を入力する入力装置23と、入力装置23によ
って入力された運転状態が達成できるように検出された
吸込流量とヘッドとから入口案内羽根6の角度を算出す
る入口羽根角度算出部21aと、状態量検出装置によっ
て検出された状態量の微小測定時間ごとの変動値を算出
してこの変動値を予め定められたしきい値と比較する変
動量判断部21bとを有する演算処理装置21と、入口
案内羽根6を算出された角度に駆動制御する第1制御駆
動装置24と、状態量の変動値が上記しきい値以下とな
るようにディフューザ羽根角度を制御駆動する第2制御
駆動装置25とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠心及び斜流形の流体
ポンプ、気体用のブロワ、圧縮機などの流体機械に係
り、特に入口案内羽根及びディフューザ羽根付き流体機
械に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、遠心及び斜流のポンプ
を設計点以外の流量域で運転すると、羽根車、ディフュ
ーザなどの各構成要素で流れの剥離等が発生し、これら
の原因によって、当該ポンプの効率が、設計点流量のそ
れと比べて低下する欠点があった。
【0003】これを解決するためには、入口案内羽根や
ディフューザ羽根を可変にして、羽根車に流入する流れ
や羽根車から流出する流れにこれらの案内羽根を最適に
適合するように、各案内羽根の角度を調節して性能を向
上させる試みがなされてきた。
【0004】その代表的なものとして特公平4−181
58号、特公平4−18159号、特開昭63−239
398号、特開昭63−230999号がある。しか
し、これらは、入口案内羽根、ディフューザ羽根の種々
の角度における圧縮機全体性能を無次元化した特性とし
て把握しておく必要があり、さらに当該圧縮機を装置に
組み込んで最適な案内羽根の角度を算出する場合、角度
を変えた数点で圧縮機全体性能を計測しないと最適点が
決定できず、案内羽根角度を確定するまでに時間が掛か
る欠点があった。また、制御方法が非常に複雑になり、
装置のコストと制御用ソフトに多大なコストが掛かる欠
点があった。
【0005】一方、羽根車出口の流れ角度を算出する方
法として特開平4−81598号がある。この方法では
流れ角度を算出する方法にいくつかの仮定が入るのと、
一般に羽根車出口では流れが歪むために壁面の静圧から
流れ角度を算出することに無理があり、さらに流れが不
安定となる領域では、精度上に問題があるなどの欠点が
多かった。
【0006】また、入口案内羽根やディフューザ羽根の
角度を変えるとポンプの特性が大幅に変わるために、羽
根車から流出する流れの角度を何らかの方法で把握する
手段を用いない場合は、各案内羽根の角度ごとに性能試
験を前もって詳細に行い、この試験結果をもとに入口案
内羽根やディフューザ羽根の角度を決めるという方法が
取られてきた。
【0007】さらに、この方法を用いてポンプの運転を
自動制御する場合、入口案内羽根やディフューザ羽根の
角度を、少なくとも3回は変えて(特公平4−1815
9号)、当該ポンプのその時点での運転状態を把握し
て、入口案内羽根やディフューザ羽根の角度を決定する
方法を取らねばならず、設定までの時間がかかり、特に
サージング点付近の運転などのように瞬時に状態を決定
しなければならない運転点では問題が多かった。
【0008】特に、サージングが発生するような低流量
域での羽根車出口流れの流出角度は、出口部の幅方向で
異なっているため、ディフューザ羽根の角度を流れの角
度に合致させることは難しい。また、回転数が変わるよ
うな制御ではこれらの制御がさらに難しくなり、制御装
置も高級になり、装置のコストと制御ソフトのコストが
かかる欠点があった。
【0009】本発明は上述の事情に鑑みなされたもの
で、流体機械を設計点流量以外の流量域で運転したとき
に発生する不安定現象を回避して流体機械を広い流量範
囲で運転できる可変案内羽根付き流体機械を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決するためになされたもので、請求項1の発明は、入口
案内羽根とディフューザ羽根を具備した流体機械におい
て、流体機械本体あるいは配管に設けられた状態量検出
装置と、必要とされる流体機械の運転状態を入力する入
力装置と、該入力装置によって入力された運転状態が達
成できるように検出された吸込流量とヘッドとから入口
案内羽根の角度を算出する入口羽根角度算出部と、上記
状態量検出装置によって検出された状態量の微小測定時
間ごとの変動値を算出してこの変動値を予め定められた
しきい値と比較する変動量判断部とを有する演算処理装
置と、上記入口案内羽根を算出された角度に駆動制御す
る第1制御駆動装置と、上記状態量の変動値が上記しき
い値以下となるようにディフューザ羽根角度を制御駆動
する第2制御駆動装置とを備えたことを特徴とする可変
案内羽根付き流体機械である。
【0011】この発明においては、演算処理装置の入口
羽根角度算出部が、検出された吸込流量とヘッドとから
入口案内羽根の角度を算出し、第1制御駆動装置が入口
案内羽根を算出された角度に駆動制御し、これにより、
入力装置から入力された必要な運転状態が達成される。
そして、演算処理装置の変動量判断部がセンサからの出
力信号を処理して状態量の微小測定時間ごとの変動値を
算出し、この変動値と予め求めた変動値のしきい値とを
比較してサージングの予兆を検出する。状態量の変動値
はサージングを検知する有効な指標値であり、これに基
づいてサージングの検出が迅速になされ、さらにこれに
基づいて第2制御駆動装置が、変動値がしきい値以下に
なるように、ディフューザ羽根角度を制御し、サージン
グの発生を抑制する。
【0012】請求項2に記載の発明は、上記演算処理装
置が、基準の流量・圧力係数特性曲線と要求される運転
点を通る特定の曲線との交点、及び要求される運転点の
流量圧力係数に基づき、入口案内羽根角度を決定するこ
とを特徴とする請求項1に記載の可変案内羽根付き流体
機械である。請求項3に記載の発明は、上記微小測定時
間が、羽根車の羽根の通過に起因する変動の影響を相殺
するための必要最小限の時間として設定されることを特
徴とする請求項1又は2に記載の可変案内羽根付き流体
機械である。請求項4に記載の発明は、上記変動値が、
上記微小測定時間においてさらにこれを細分したサンプ
リング時間ごとに得た状態量データの標準偏差として与
えられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
に記載の可変案内羽根付き流体機械である。
【0013】請求項5に記載の発明は、上記サンプリン
グ時間が、羽根車の羽根の通過に起因する変動の影響を
相殺するための必要最大限の時間として設定されること
を特徴とする請求項4に記載の可変案内羽根付き流体機
械である。請求項6に記載の発明は、上記演算処理装置
に、上記微小測定時間又は上記サンプリング時間を設定
するための入力装置が設けられていることを特徴とする
請求項1ないし5のいずれかに記載の可変案内羽根付き
流体機械である。請求項7に記載の発明は、第2制御駆
動装置は、上記ディフューザ羽根角度を変えたときに流
量の調節を行うために吸込弁もしくは吐出弁あるいは両
方の開度制御を行うことを特徴とする請求項1ないし6
のいずれかに記載の可変案内羽根付き流体機械である。
請求項8に記載の発明は、上記状態量の変動値が上記し
きい値以下となるように流体機械の回転数制御を行うこ
とを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の可
変案内羽根付き流体機械である。請求項9に記載の発明
は、必要とされる流体機械の運転状態において、状態量
の変動値を予め定められたしきい値以下となるように、
入口案内羽根の角度とディフューザ羽根角度を交互に制
御することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに
記載の可変案内羽根付き流体機械である。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る可変案内羽根付き流体機
械の一実施例を図1乃至図9を参照して説明する。
【0015】図1及び図2は、本発明が適用される単段
遠心圧縮機を示す図であり、図1はその縦断面図、図2
はその部分側面図である。これは、吸込配管1から流入
する流体に羽根車2によって運動エネルギーを与え、こ
れをディフューザ3に送って昇圧し、スクロール4から
吐出配管5に送り出すものである。吸込配管1には、扇
状の入口案内羽根6が周方向に複数配置され、これに
は、伝達機構7を介してアクチュエータ8が連結されて
いる。下流側のディフューザ3にはディフューザ羽根3
aが配置され、これも伝達機構9を介してアクチュエー
タ10に接続されている。吸込配管1には、吸込流量を
測定するための流量センサ11が設けられ、また配管及
びディフューザには圧力センサS1〜S3が設けられてい
る。すなわち、センサS1 は吸い込み配管7に取付けら
れ、センサS2 はディフューザ4の入口2カ所に取付け
られ、センサS3 は吐出配管9に取付けられている。羽
根車2の軸には回転数センサ12が設けられている。
【0016】図3は、この流体機械の制御系の構成を示
すブロック図である。この図に示されるように、可変案
内羽根付き流体機械は演算処理装置21を備えており、
これは、流体機械の回転数、吸込流量及びヘッド上昇を
測定算出し、吸込流量による最適なディフューザ羽根3
aの角度を決定する入口羽根角度算出部21aと、セン
サS1ないしS3によって検出された各部の圧力の微小測
定時間ごとの変動値を算出してこの変動値を予め定めら
れたしきい値と比較する変動量判断部21bと、入口案
内羽根6が全開のときの流体機械性能を前もって記憶し
ておく記憶部21cとを有する。さらに、必要とされる
流体機械の運転状態や、後述する定数K1ないしK3を入
力する入力装置23、入口案内羽根6を可変制御する第
1制御駆動装置24、ディフューザ羽根3aを可変制御
する第2制御駆動装置25、羽根車2の回転数、即ち流
体機械の回転数を制御する第3制御駆動装置26を備え
ている。
【0017】圧力センサS1 ,S2 ,S3 からの変動波
形信号は、信号増幅器13に入力され、信号増幅器13
で増幅された信号はローパスフィルタ(L.P.F)1
4を介して演算処理装置21に入力されるようになって
いる。演算処理装置21の出力信号は、第1、第2及び
第3の制御駆動装置24,25,26に入力される。な
お、センサS1 〜S3 に接続された増幅器13、フィル
タ13、入力インターフェース、演算処理装置21等の
機能は、一つのマイクロプロセッサで行うことも可能で
ある。また、入口羽根角度算出部21a、変動量判断部
21b、記憶部21cなどを個別のマイクロプロセッサ
で処理してもよい。
【0018】本流体機械では、入力装置23によって入
力された要求性能が発揮できるように、入口羽根角度算
出部21aで入口案内羽根6の角度を算出して入口案内
羽根6を駆動制御し、変動量判断部21bで状態量の変
動値を算出し、最適ディフューザ羽根角度(後述する)
になるようにディフューザ羽根3aを駆動制御し、さら
に、回転数を駆動制御して運転するようになっている。
【0019】図4は、制御装置において、入口案内羽根
6を流体機械の要求性能を発揮できるように設定し、さ
らにディフューザ羽根3aを駆動制御してサージングを
防止しつつ安定な運転を行なうためのフローチャートを
示すものである。まず、ステップ1で、羽根車2の回転
数を所定の限界を超えない適当な値に設定しておく。次
にステップ2において、羽根車2の回転数N、要求され
る流量Q及びヘッドHに対応する入口案内羽根6の角度
αを決定する。これは、要求する流量Q、ヘッドHの
入力、流量係数φ、圧力係数ψの計算、流量係数
φ、圧力係数ψを通る2次曲線係数の算出、入口案内
羽根0度のときの特性との交点φ′,ψ′の計算、次
の式に基づき入口案内羽根の角度を算出(kは定数)、
の手順で行なう。(1)式については後述する。 α=arctan(k(ψ′−ψ)/φ′) (1)
【0020】次に、ステップ3で第1制御駆動装置24
を作動して入口案内羽根6の角度制御を行う。次に、ス
テップ4でセンサS1 〜S3 によって状態量の変動を測
定し、また、流量Q、ヘッドHを測定し、φ”,ψ”を
計算する。次に、ステップ5で状態量の微小時間ごとの
変動値を算出し、しきい値と比較演算して、変動値がし
きい値以下でない場合には、ステップ6で第2制御駆動
装置25を作動してディフューザ羽根3aの角度の変更
を行い、ステップ4及びステップ5を行なう。
【0021】変動値がしきい値以下である場合には、ヘ
ッドHが所定値であるかどうかを判断し(ステップ
7)、所定値であれば、そこで運転を継続する。ヘッド
が所定値でない場合には、ヘッドと所定値の大小関係を
判断し(ステップ8)、ヘッドが小さい場合は、ステッ
プ9で、次の式に基づきα′を計算し、(α′−α)だ
け入口案内羽根6の角度を減少させる。 α’=arctan(k(ψ”−ψ)/φ”)
【0022】次に、ステップ10で入口案内羽根角度が
下限値であるかどうか判断し、NOであればステップ4
に戻ってそれ以降のステップを繰り返す。また、YES
であれば、ステップ11において回転数が限界値である
かを判断し、YESであればそのままで運転を継続する
(所望のヘッドは得られない)。NOであれば、ステッ
プ12で回転数を(予め定めた所定のピッチだけ)増加
させ、ステップ4に戻ってそれ以降のステップを繰り返
す。
【0023】ステップ8でヘッドが所定値より大きいと
判断される場合は、ステップ13で上の式に基づきα′
を計算し、(α′−α)だけ入口案内羽根角度を増加さ
せる。次に、ステップ14で入口案内羽根角度が上限値
であるかどうか判断し、NOであればステップ4に戻っ
てそれ以降のステップを繰り返す。また、YESであれ
ば、ステップ15で回転数を(予め定めた所定のピッチ
だけ)減少させ、ステップ4に戻ってそれ以降のステッ
プを繰り返す。
【0024】以下に、式(1)の求め方を示す。図5
は、流体機械の特性曲線と抵抗曲線の説明図である。最
初の条件として、入口案内羽根が0度のときの性能は既
知とする。次に、任意要項(与えられた要項)の、流量
Q及びヘッドHから、流量係数φ(4・Q/(π・D2 2
・U2 ))及び圧力係数ψ(g・H/(U2 2))を計算
する。この任意要項点(φ,ψ)と原点(固定抵抗があ
る場合にはその値は既知として、ψ軸の切片の値を求め
る)を通る抵抗曲線を2次曲線と仮定して、この抵抗曲
線の係数を求める。この抵抗曲線と、既知の入口案内羽
根0度のときの特性曲線との交点の座標(φ′,ψ′)
を数値計算等で求める。
【0025】座標値φ′から、流量Q′を次の式で求め
る。 Q′=φ′・π・D2 2・U2 /4 羽根車入口面積をA1 とすると、次の式から羽根車入口
軸流速度Cm1が求まる。 Cm1=Q′/A1 =φ′・π・D2 2・U2 /(4・A1 ) 流体機械のヘッドH′は、羽根車出口周速U2 と絶対速
度の周方向成分Cu2との積U2 ・Cu2と、羽根車入口周
速U1と絶対速度の周方向成分Cu1 との積U1・Cu1
差から次式で求められる。 H′=(U2・Cu2−U1・Cu1)/g ここで、ψ′=(g・H′/U2 2)であるから、ψ′=
(U2 ・Cu2−U1 ・Cu1)/U2 2となる。今、入口案
内羽根角度は0度としているので絶対速度の周方向成分
Cu1は0となる。従って、羽根車出口の絶対速度の周方
向速度成分Cu2は次の式で求められる。 Cu2=U2 ・ψ′
【0026】本発明者の研究によれば、羽根車出口での
絶対速度の周方向速度成分Cu2は流量にだけ依存して、
入口案内羽根角度によって変わらないことがわかった。
この結果を用いると、任意要項(与えられた要項)のψ
は、 ψ=(U2 2・ψ′−U1 ・Cu1)/U2 2 =ψ′−U1 ・Cu1/U2 2 と表されるので、羽根車入口での絶対速度の周方向速度
成分Cu1は Cu1=(ψ′−ψ)・U2 2/U1 となる。
【0027】任意要項を満足させるための入口案内羽根
の角度は、羽根車入口での二乗平均径をD1rms とする
と、 α1 =arctan(Cu1/Cm1) =arctan(A1 ・(ψ′−ψ)・U2 /(D2 2・φ′・U1 )) =arctan(A1 ・(ψ′−ψ)/(D2 ・D1rms ・φ′)) ここで定数kを k=A1 /(D2 ・D1rms ) とすると、 α1 =arctan(k(ψ′−ψ)/φ′) となり、上記式が求められる。
【0028】上記の演算処理装置21による判断の元と
なる変動値Fpの求め方を図6及び図7を用いて説明す
る。図6(a)は上記センサの出力の波形信号を示すも
のであり、左側がディフューザの周方向2カ所の位置で
測定した圧力変動、右側が吸込配管及び吐出配管で測定
した圧力変動の測定結果を示すものである。この図から
明らかなように、流量が設計点流量より少なくなると、
まずディフューザでの圧力の変動値が大きくなり(の
左図)、さらに流量を低下させると配管での変動が大き
くなり(の右図)、サージングが発生することがわか
る。
【0029】また、図6(b)は、設計流量を基準とし
た無次元流量と圧縮機のヘッドを設計流量でのヘッドを
基準として無次元化した無次元ヘッド係数との関係を示
す図である。図6(b)における,,は、それぞ
れ図6(a)の3通りの流量,,に対応してい
る。
【0030】従って、このような状態量の変動を定量的
に把握することにより、適当なしきい値に基づいてサー
ジング発生を早期に検知し、迅速な対応が採れる。図7
において、Tは1回の変動値を算出する微小時間であ
り、δtは変動値を算出する元となる圧力値Pi(Q,
t)のサンプリングピッチである。変動値Fp,Fp*
は、時間Tの間にδtのピッチで測定された状態量の単
位時間当たりの標準偏差であり、以下の式で与えられ
る。 Fp(Q)=[1/TΣ{Pi(Q,t)−Mi
(Q)}21/2 ただし、 Mi(Q)=1/TΣPi(Q,t) 一定のバイアスを持ついわゆるDCデータも、そうでな
いACデータもいずれも上式で取り扱うことができる。
【0031】測定時間Tは、状態量の変動の指標値を精
度良く算出でき、しかも迅速な対応が採れるように短い
時間であることが必要である。この実施例では、このよ
うな時間Tを設定する目安として60/ZN(秒)を用
いる。ここで、Nは羽根車2の回転数(回/分)で、Z
は羽根車2の羽根の枚数Zであり、従って、60/ZN
は、羽根車2が回転することによる本質的に発生する圧
力等の状態量の変動の周期である。Tは、このような本
質的変動による影響を受けない程度に大きく設定する必
要があり、従って、以下のような条件が課される。 T≧K1・60/ZN 従って、実際には、Tはこの下限値に設定すればよい。
ここで、K1は流体機械によって決まる定数で、当該機
械の試験時、あるいは量産品であればその代表品の性能
を予め調べ、定数入力装置15によって設定しておく。
【0032】次に、サンプリングピッチであるδtの設
定方法について述べる。このようなサンプリング周期δ
tは、正確な指標値を算出するという観点からは小さい
程好ましい。しかし、過度のサンプリングによりコンピ
ュータに負荷が掛かって算出に時間が掛かるのは却って
好ましくない。この実施例では、このような時間δtを
設定する目安として、ここでも60/ZN(秒)を用い
る。すなわち、δtを、羽根車2が回転することによる
本質的に発生する圧力等の状態量の変動による影響を受
けない程度に小さく設定する必要がある。従って、以下
のような条件が課される。 δt≦K・60/ZN
【0033】さらに、この実施例では、図6で説明した
ように、設計点の場合と、より低流量で運転が不安定
になる及びの場合においてそれぞれ振幅周期が異な
ることに鑑み、設定を変えるようにしている。すなわ
ち、ヘッドが右上がりになる不安定領域を検出する場
合のサンプリング周期δtは、K2・60/ZNであ
り、サージング現象を検出する場合のサンプリング周
期δtは、K3・60/ZNである。ここで、K2,K3
は流体機械によって決まる定数で、K1の場合と同様
に、当該機械の試験時、あるいは量産品であればその代
表品の性能を予め調べ、定数入力装置23によって設定
しておく。
【0034】流体機械の運転時の変動値は、その都度上
記のように算出されるが、サージング発生の判断基準と
なる変動値(しきい値γ)の求め方を以下に示す。図8
は本発明者の研究によって得られたデータで、横軸は、
各運転点の流量を設計点の流量で無次元化した無次元流
量、縦軸は圧力の変動値を設計点での変動値(=Fp
d)で無次元化した無次元変動値を示す。図中の○印は
ディフューザ壁面での圧力の測定結果から得られたも
の、□印は吸込配管での圧力の測定結果から得られたも
のを示す。ここでの条件は、以下の通りである。 N=9000rpm, Z=17 K1=2000, K2=5, K3=20
【0035】この結果から、吸込配管での無次元変動値
が急激に大きくなってサージング状態(無次元変動値8
の点)に達する前に無次元変動値が大きくなり始めるこ
とがわかる。ここで、ポンプが安定的に運転できる限界
値を適宜設定してこれをしきい値とすればよい。この例
では、Fp/Fpdとして1.5が限界となると判定
し、しきい値γとして1.5Fpdを用いる。この場
合、変動値がしきい値に達していても、無次元変動値が
無次元流量に対して減少していれば系は安定の方向に向
かうのでサージングにはならない。そこで、微小無次元
流量の変化に対する微小無次元変動値の変化d(Fp)
/dQ量が正である場合はしきい値を超える流量を検出
してもサージングではないと判断するようにしてもよ
い。
【0036】以上説明したように、本実施例では、入力
装置23によって入力された要求性能が発揮できるよう
に入口案内羽根6の角度を算出して、入口案内羽根6を
駆動制御して運転がされる。入口案内羽根6の角度を変
えると羽根車内の流れ状態が変わり、従って、羽根車出
口流れ状態も変わるが、圧縮機の無次元吸込流量を測定
し、図8の関係に従ってディフューザ羽根3aの最適角
度が一義的に決定される。そして、ディフューザ羽根を
制御してもヘッドが所定値を満足しない場合は、さらに
回転数をも制御して不安定状態を回避しながら運転され
る。従って、いかなる状態でも当該圧縮機の無次元流量
さえわかればディフューザ羽根の角度を羽根車出口流れ
に最適に合致させて運転することが可能となった。
【0037】図9に一例として、横軸はこの装置を取付
けた遠心圧縮機の無次元流量、縦軸は上から圧力係数及
び効率をとって、この装置を取付けた遠心圧縮機の性能
を示すが、広い運転範囲で高効率な運転ができることが
確認された。
【0038】図10に、ディフューザ羽根を固定して、
入口案内羽根だけを可変にした場合の遠心圧縮機の全体
性能を示すが、図9に示す本発明による装置の性能はこ
の図に比べて大流量,小流量とも、性能が大幅に改善さ
れていることが分かり、本発明による効果が明らかであ
る。
【0039】図1乃至図9に図示した実施例において
は、制御駆動装置を第1、第2、第3制御駆動装置に機
能別に分離したが、1つの制御駆動装置としてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、流
体機械を設計点流量以外の流量域で運転したときに発生
する不安定現象を回避して、流体機械を広い流量範囲で
安定に運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可変案内羽根付き流体機械の一例であ
る単段遠心圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】本発明の可変案内羽根付き流体機械の一例であ
る単段遠心圧縮機を示す部分側面図である。
【図3】本発明に係る可変案内羽根付き流体機械の一実
施例を示すブロック図である。
【図4】本発明の可変案内羽根付き流体機械の処理手順
を示すフローチャートである。
【図5】流体機械の特性曲線と抵抗曲線の説明図であ
る。
【図6】ポンプの各所における圧力変動状態を示す図で
ある。
【図7】本発明の流体機械における変動値の求め方を説
明するグラフである。
【図8】本発明の流体機械における変動値のしきい値の
求め方を示すグラフである。
【図9】本発明の装置の無次元流量と効率及びヘッド係
数との関係を示す図である。
【図10】従来の装置の無次元流量と効率及びヘッド係
数との関係を示す図である。
【符号の説明】 1 吸込配管 2 羽根車 3 ディフューザ 3a ディフューザ羽根 5 吐出配管 6 入口案内羽根 5 第1制御駆動装置 7,9 伝達機構 8,10 アクチュエータ 21 演算処理装置 21a 入口羽根角度算出部 21b 変動量判断部 21c 記憶部 23 入力装置 24 第1制御駆動装置 25 第2制御駆動装置 26 第3制御駆動装置 S1,S2,S3 圧力センサ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入口案内羽根とディフューザ羽根を具備
    した流体機械において、 流体機械本体あるいは配管に設けられた状態量検出装置
    と、 必要とされる流体機械の運転状態を入力する入力装置
    と、 該入力装置によって入力された運転状態が達成できるよ
    うに検出された吸込流量とヘッドとから入口案内羽根の
    角度を算出する入口羽根角度算出部と、上記状態量検出
    装置によって検出された状態量の微小測定時間ごとの変
    動値を算出してこの変動値を予め定められたしきい値と
    比較する変動量判断部とを有する演算処理装置と、 上記入口案内羽根を算出された角度に駆動制御する第1
    制御駆動装置と、 上記状態量の変動値が上記しきい値以下となるようにデ
    ィフューザ羽根角度を制御駆動する第2制御駆動装置と
    を備えたことを特徴とする可変案内羽根付き流体機械。
  2. 【請求項2】 上記演算処理装置は、基準の流量・圧力
    係数特性曲線と要求される運転点を通る特定の曲線との
    交点、及び要求される運転点の流量圧力係数に基づき、
    入口案内羽根角度を決定することを特徴とする請求項1
    に記載の可変案内羽根付き流体機械。
  3. 【請求項3】 上記微小測定時間は、羽根車の羽根の通
    過に起因する変動の影響を相殺するための必要最小限の
    時間として設定されることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の可変案内羽根付き流体機械。
  4. 【請求項4】 上記変動値は、上記微小測定時間におい
    てさらにこれを細分したサンプリング時間ごとに得た状
    態量データの標準偏差として与えられることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の可変案内羽根付
    き流体機械。
  5. 【請求項5】 上記サンプリング時間は、羽根車の羽根
    の通過に起因する変動の影響を相殺するための必要最大
    限の時間として設定されることを特徴とする請求項4に
    記載の可変案内羽根付き流体機械。
  6. 【請求項6】 上記入力装置において、上記微小測定時
    間又は上記サンプリング時間を設定することができるよ
    うになっていることを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれかに記載の可変案内羽根付き流体機械。
  7. 【請求項7】 上記第2制御駆動装置は、上記ディフュ
    ーザ羽根角度を変えたときに流量の調節を行うために吸
    込弁もしくは吐出弁あるいは両方の開度制御を行うこと
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の可変
    案内羽根付き流体機械。
  8. 【請求項8】 上記状態量の変動値が上記しきい値以下
    となるように流体機械の回転数制御を行うことを特徴と
    する請求項1ないし7のいずれかに記載の可変案内羽根
    付き流体機械。
  9. 【請求項9】 必要とされる流体機械の運転状態におい
    て状態量の変動値を予め定められたしきい値以下とする
    ことができるように、入口案内羽根の角度とディフュー
    ザ羽根角度を交互に制御することを特徴とする請求項1
    ないし8のいずれかに記載の可変案内羽根付き流体機
    械。
JP7256720A 1995-09-08 1995-09-08 可変案内羽根付き流体機械 Pending JPH0979181A (ja)

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CN96119912A CN1089143C (zh) 1995-09-08 1996-09-09 具有可变角流体导叶的涡轮机械
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007509268A (ja) * 2003-10-10 2007-04-12 ヨーク・インターナショナル・コーポレーション 遠心圧縮機内の安定性を制御するシステム及び方法
WO2022113666A1 (ja) * 2020-11-27 2022-06-02 三菱重工業株式会社 制御装置、制御方法およびプログラム

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