JPH0842492A - 可変案内羽根付き流体機械 - Google Patents

可変案内羽根付き流体機械

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JPH0842492A
JPH0842492A JP7142502A JP14250295A JPH0842492A JP H0842492 A JPH0842492 A JP H0842492A JP 7142502 A JP7142502 A JP 7142502A JP 14250295 A JP14250295 A JP 14250295A JP H0842492 A JPH0842492 A JP H0842492A
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JP
Japan
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fluid machine
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diffuser
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JP7142502A
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English (en)
Inventor
Hideomi Harada
英臣 原田
Kazuo Takei
和生 武井
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Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
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Publication date
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  • Control Of Positive-Displacement Air Blowers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体機械の設計点流量より小流量で発生する
サージングを迅速かつ精度良く検出できるサージング検
出装置を提供する。 【構成】 ディフューザ羽根4aを具備した流体機械に
おいて、流体機械本体あるいは配管に設けられた状態量
検出装置と、この状態量検出装置によって検出された状
態量の微小測定時間ごとの変動値を算出し、この変動値
を予め定められたしきい値と比較する演算処理装置13
と、上記状態量の変動値が上記しきい値以下となるよう
にディフューザ羽根角度を制御する制御装置14とを備
えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠心及び斜流形の流体
ポンプ、気体用のブロワ、圧縮機などの流体機械に係
り、特に入口案内羽根及びディフューザ羽根付き流体機
械に関するものである。なお本明細書では上記流体機械
を総称してポンプと称する。
【0002】
【従来の技術】遠心または斜流のポンプを設計点より少
ない流量で運転すると、羽根車、ディフューザなどで流
れの剥離が起こり、流れに周期的な変動が発生する。さ
らにこれが引き金となって、系全体が大きく自励振動を
起こすサージングが発生するようになり、ポンプの運転
が不能となる。この現象を回避するためには、この現象
をポンプ運転時に迅速に検出して、何らかの方法を講じ
ることによりサージング現象を回避しなければならな
い。
【0003】従来、サージングを検出する方法として
は、圧力、流量、温度、性能の時間平均値を測定して、
前もって測定してあった値と比較することによって、サ
ージング状態を判断していた。サージングを急激な温度
上昇の検出で行うものとして特公平5−53956号、
特開昭62−113889号、特開昭59−77089
号、特開昭59−79097号、特開昭56−2496
号などがある。また圧力の上昇で検出を行うものとして
特開昭63−161362号、特開昭58−57098
号、特開昭55−114896号などがあり、ハブとシ
ュラウドのディフューザの差圧で行うものとして特開平
3−199700号、ディフューザ羽根の圧力面と負圧
面の圧力差で検出するものとして特開昭62−5179
4号があり、また圧力の波形で検出するものとして特開
昭63−94098号がある。さらに、翼の圧力係数の
変化率で検出するものとして特開昭57−129297
号、軸振動の微分で検出するものとして特開平4−47
197号、マイクロフォンで軸の振動を検知するものと
して特開平3−213696号がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の方法
は、いずれも、圧力、温度等の時間平均値を測定して、
これを前もって測定しておいたサージング時の値と比較
するという間接的な方法であって、正確かつ迅速なサー
ジングの検出は困難であった。つまり、前もって性能試
験を行ってサージング点を規定しても、サージングの発
生点は配管系の容積により影響を受けるために、実際の
装置で性能試験の際と異なる容積の配管が用いられた場
合には、正確な検出ができないという問題があった。ま
た、各状態値の時間平均値を測定するため、検出に一定
の遅れが発生し、従って、迅速な対応ができず、実用性
に乏しかった。
【0005】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
で、流体機械の設計点流量より小流量で発生するサージ
ングを迅速かつ精度良く検出できるサージング検出装置
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】サージングは配管系の自
励振動であるために、配管内の流体及びポンプそれ自体
が振動する。従って、この振動そのものを検出すればサ
ージングを速やかに検出することができることは理解さ
れる。本願発明は、サージングの発生と直結する指標と
なる振動振幅を正確かつ迅速に算出することにより上述
した目的を達成しようとするものである。
【0007】発明者らは、ポンプの吸い込み配管、ディ
フューザ、吐出配管にそれぞれ圧力センサを取付けて、
圧縮機の流量を変化させる実験を行った。図15(a)
は上記センサの出力の波形信号を示すものであり、左側
がディフューザの周方向2カ所の位置で測定した圧力変
動、右側が吸込配管及び吐出配管で測定した圧力変動の
測定結果を示すものである。この図から明らかなよう
に、流量が設計点流量より少なくなると、まずディフュ
ーザでの圧力の変動値が大きくなり(の左図)、さら
に流量を低下させると配管での変動が大きくなり(の
右図)、サージングが発生することがわかる。
【0008】また、図15(b)は、設計流量を基準と
した無次元流量と圧縮機のヘッドを設計流量でのヘッド
を基準として無次元化した無次元ヘッド係数との関係を
示す図である。図15(b)における,,は、そ
れぞれ図15(a)の3通りの流量,,に対応し
ている。
【0009】従って、このような状態量の変動を定量的
に把握することにより、適当なしきい値に基づいてサー
ジング発生を早期に検知し、迅速な対応が採れる。その
ためには、上記のような各箇所での状態量の変動の特性
を考慮した測定と、それに基づく算出方法の採用が必要
である。
【0010】また、図16は羽根車出口の状態を示す模
式図である。羽根車2から流出する流体の流れ方向をa
(設計流量),b(小流量),c(大流量)の矢印で示
す。この図から明らかなように設計点以外の流量では、
大流量ではディフューザ4の羽根4aの圧力面側、小流
量ではディフューザ4の羽根4aの負圧面側、の流れの
迎え角が過大になり、流れが剥離して図6(無次元流量
とディフューザ損失との関係を示す図)に示すようにデ
ィフューザでの損失が増大する。その結果、圧縮機の全
体性能は図7(無次元流量と無次元ヘッド係数との関係
を示す図)に示すようになり、設計点より小流量側で右
上がりな特性(不安定)が現れるようになるばかりでな
く、ある流量でサージングが発生し、図15に示すよう
に配管での圧力変動が大きくなり、運転ができなくな
る。
【0011】本発明は、上記のような実験結果と考察を
踏まえてなされたもので、請求項1に記載の発明は、デ
ィフューザ羽根を具備した流体機械において、流体機械
本体あるいは配管に設けられた状態量検出装置と、この
状態量検出装置によって検出された状態量の微小測定時
間ごとの変動値を算出し、この変動値を予め定められた
しきい値と比較する演算処理装置と、上記状態量の変動
値が上記しきい値以下となるようにディフューザ羽根角
度を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする可変
案内羽根付き流体機械である。請求項2に記載の発明
は、上記微小測定時間は、羽根車の羽根の通過に起因す
る変動の影響を相殺するための必要最小限の時間として
設定されることを特徴とする請求項1に記載の可変案内
羽根付き流体機械である。請求項3に記載の発明は、上
記変動値は、上記微小測定時間においてさらにこれを細
分したサンプリング時間ごとに得た状態量データの標準
偏差として与えられることを特徴とする請求項1又は2
に記載の可変案内羽根付き流体機械である。
【0012】請求項4に記載の発明は、上記サンプリン
グ時間は、羽根車の羽根の通過に起因する変動の影響を
相殺するための必要最大限の時間として設定されること
を特徴とする請求項3に記載の可変案内羽根付き流体機
械である。請求項5に記載の発明は、上記演算処理装置
には、上記微小測定時間又は上記サンプリング時間を設
定するための入力装置が設けられていることを特徴とす
る請求項1ないし4のいずれかに記載の可変案内羽根付
き流体機械である。請求項6に記載の発明は、上記制御
装置は、上記ディフューザ羽根角度を変えたときに流量
の調節を行うために吸込弁もしくは吐出弁あるいは両方
の開度制御を行うことを特徴とする請求項1ないし5の
いずれかに記載の可変案内羽根付き流体機械である。請
求項7に記載の発明は、上記制御装置は、上記状態量の
変動値が上記しきい値以下となるように流体機械の回転
数制御を行うことを特徴とする請求項1ないし6のいず
れかに記載の可変案内羽根付き流体機械である。請求項
8に記載の発明は、ディフューザ羽根及び入口案内羽根
を具備した流体機械において、流体機械本体あるいは配
管に設けられた状態量検出装置と、この状態量検出装置
によって検出された状態量の微小測定時間ごとの変動値
を算出し、この変動値を予め定められたしきい値と比較
する演算処理装置と、上記状態量の変動値が上記しきい
値以下となるようにディフューザ羽根角度もしくは入口
案内羽根あるいはこれら両方を制御する制御装置とを備
えたことを特徴とする可変案内羽根付き流体機械であ
る。
【0013】
【作用】請求項1に記載の発明においては、演算処理装
置がセンサからの出力信号を処理して状態量の微小測定
時間ごとの変動値を算出し、この変動値と予め求めた変
動値のしきい値とを比較してサージングの予兆を検出す
る。状態量の変動値はサージングを検知する有効な指標
値であり、これに基づいてサージングの検出が迅速にな
され、さらにこれに基づいて制御装置が、変動値がしき
い値以下になるように、ディフューザ羽根角度を制御
し、サージングの発生を抑制する。請求項2に記載の発
明においては、上記微小測定時間を適当に設定すること
により、羽根車の羽根の通過に起因する変動の影響を相
殺し、正確なサージング検出の指標値が迅速に得られ
る。
【0014】請求項3に記載の発明においては、変動値
が、上記微小測定時間においてさらにこれを細分したサ
ンプリング時間ごとに得た状態量データの標準偏差とし
て与えられ、これがサージングを最も直接的に教える指
標値となる。請求項4に記載の発明においては、サンプ
リング時間を適当に設定することにより、羽根車の羽根
の通過に起因する変動の影響を相殺し、コンピュータに
負荷を掛けることなく、従って、正確なサージング検出
の指標値が迅速に得られる。請求項5に記載の発明にお
いては、入力装置を介して微小測定時間又はサンプリン
グ時間が適宜設定される。請求項6に記載の発明におい
ては、制御装置がディフューザ羽根角度を変えたとき
に、吸込弁もしくは吐出弁あるいは両方の開度制御を行
い、流量の調節を行う。請求項7に記載の発明において
は、制御装置が、さらに流体機械の回転数制御を行って
状態量の変動値をしきい値以下に抑える。請求項8に記
載の発明においては、演算処理装置がセンサからの出力
信号を処理して状態量の微小測定時間ごとの変動値を算
出し、この変動値と予め求めた変動値のしきい値とを比
較してサージングの予兆を検出する。状態量の変動値は
サージングを検知する有効な指標値であり、これに基づ
いてサージングの検出が迅速になされ、さらにこれに基
づいて制御装置が、変動値がしきい値以下になるよう
に、ディフューザ羽根角度もしくは入口案内羽根あるい
はこれら両方をを制御し、サージングの発生を抑制す
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係るサージング検出装置の一
実施例を添付の図面を参照して説明する。図1は、本発
明のサージング検出装置が取付けられる単段遠心圧縮機
の縦断面図であり、図1(a)はその縦断面図、図1
(b)はその部分側面図である。この図において、符号
1はケーシングであり、ケーシング1内には回転軸3に
取り付けられた羽根車2が回転自在に収容されている。
符号4は、案内羽根付きディフューザであり、案内羽根
によって羽根車から送られる流体をガイドしながら昇圧
し、円環状のスクロール5に送る。羽根車2の入口側の
吸い込み配管7の上流側には、入口案内羽根8が設けら
れ、これの開度を変えることによって流体の流量を調整
するようになっている。羽根車2の下流にあるディフュ
ーザ4のディフューザ羽根4aは複数の歯車9を介して
アクチュエータ10に連結され、羽根角度は可変になっ
ている。アクチュエータ10は図2に示す制御装置14
に接続されている。
【0016】図2は、本発明のサージング検出装置の構
成を示す図であり、流量、速度、圧力のいずれか一つま
たはこれらのうちの複数の状態量を検出するセンサがポ
ンプ本体あるいは配管に取付けられている。すなわち、
センサS1 は吸い込み配管7に取付けられ、センサS2
はディフューザ4の入口2カ所に取付けられ、センサS
3 は吐出配管9に取付けられている。
【0017】そして、これらセンサS1 ,S2 ,S3
らの変動波形信号は、信号増幅器11に入力され、信号
増幅器11で増幅された信号はローパスフィルタ(L.
P.F)12を介して演算処理装置13に入力されるよ
うになっている。演算処理装置13の出力信号は、制御
装置14に入力される。また、演算処理装置13には、
後述する制御定数を入力するための定数入力装置15が
設けられている。なお、センサS1 〜S3 に接続された
増幅器11、フィルタ12、入力インターフェース、演
算処理装置13等の機能は、一つのマイクロプロセッサ
で行うことも可能である。
【0018】図3は、演算処理装置13及び制御装置1
4において制御を行うフローチャートを示し、ステップ
11でセンサS1 〜S3 によって状態量の変動測定を行
い、ステップ12でこの状態量の微小時間ごとの変動値
を算出してしきい値と比較演算し、変動値がしきい値以
下でない場合には、ステップ13でディフューザ羽根角
度の変更を行う。
【0019】上記の演算処理装置13による判断の元と
なる変動値Fpの求め方を図4を用いて説明する。この
図において、Tは1回の変動値を算出する微小時間であ
り、δtは変動値を算出する元となる圧力値Pi(Q,
t)のサンプリングピッチである。変動値Fp,Fp*
は、時間Tの間にδtのピッチで測定された状態量の単
位時間当たりの標準偏差であり、以下の式で与えられ
る。 Fp(Q)=[1/TΣ{Pi(Q,t)−Mi
(Q)}21/2 ただし、 Mi(Q)=1/TΣPi(Q,t) 一定のバイアスを持ついわゆるDCデータも、そうでな
いACデータもいずれも上式で取り扱うことができる。
【0020】測定時間Tは、状態量の変動の指標値を精
度良く算出でき、しかも迅速な対応が採れるように短い
時間であることが必要である。この実施例では、このよ
うな時間Tを設定する目安として60/ZN(秒)を用
いる。ここで、Nは羽根車2の回転数(回/分)で、Z
は羽根車2の羽根の枚数Zであり、従って、60/ZN
は、羽根車2が回転することによる本質的に発生する圧
力等の状態量の変動の周期である。Tは、このような本
質的変動による影響を受けない程度に大きく設定する必
要があり、従って、以下のような条件が課される。 T≧K1・60/ZN 従って、実際には、Tはこの下限値に設定すればよい。
ここで、K1は流体機械によって決まる定数で、当該機
械の試験時、あるいは量産品であればその代表品の性能
を予め調べ、定数入力装置15によって設定しておく。
【0021】次に、サンプリングピッチであるδtの設
定方法について述べる。このようなサンプリング周期δ
tは、正確な指標値を算出するという観点からは小さい
程好ましい。しかし、過度のサンプリングによりコンピ
ュータに負荷が掛かって算出に時間が掛かるのは却って
好ましくない。この実施例では、このような時間δtを
設定する目安として、ここでも60/ZN(秒)を用い
る。すなわち、δtを、羽根車2が回転することによる
本質的に発生する圧力等の状態量の変動による影響を受
けない程度に小さく設定する必要がある。従って、以下
のような条件が課される。 δt≦K・60/ZN
【0022】さらに、この実施例では、上述したよう
に、設計点の場合と、より低流量で運転が不安定にな
る及びの場合においてそれぞれ振幅周期が異なるこ
とに鑑み、設定を変えるようにしている。すなわち、
ヘッドが右上がりになる不安定領域を検出する場合のサ
ンプリング周期δtは、K2・60/ZNであり、サ
ージング現象を検出する場合のサンプリング周期δt
は、K3・60/ZNである。ここで、K2,K3は流体
機械によって決まる定数で、K1の場合と同様に、当該
機械の試験時、あるいは量産品であればその代表品の性
能を予め調べ、定数入力装置15によって設定してお
く。
【0023】流体機械の運転時の変動値は、その都度上
記のように算出されるが、サージング発生の判断基準と
なる変動値(しきい値γ)の求め方を以下に示す。図5
は本発明者の研究によって得られたデータで、横軸は、
各運転点の流量を設計点の流量で無次元化した無次元流
量、縦軸は圧力の変動値を設計点での変動値(=F
*)で無次元化した無次元変動値を示す。図中の○印
はディフューザ壁面での圧力の測定結果から得られたも
の、□印は吸込配管での圧力の測定結果から得られたも
のを示す。ここでの条件は、以下の通りである。 N=9000rpm, Z=17 K1=2000, K2=5, K3=20
【0024】この結果から、吸込配管での無次元変動値
が急激に大きくなってサージング状態(無次元変動値8
の点)に達する前に無次元変動値が大きくなり始めるこ
とがわかる。ここで、ポンプが安定的に運転できる限界
値を適宜設定してこれをしきい値とすればよい。この例
では、Fp/Fp*として1.5が限界となると判定
し、しきい値γとして1.5Fp*を用いる。この場
合、変動値がしきい値に達していても、無次元変動値が
無次元流量に対して減少していれば系は安定の方向に向
かうのでサージングにはならない。そこで、微小無次元
流量の変化に対する微小無次元変動値の変化d(Fp)
/dQ量が正である場合はしきい値を超える流量を検出
してもサージングではないと判断するようにしてもよ
い。
【0025】図3のステップ12,13,14のような
制御を行った結果、ディフューザ羽根での損失は図6の
破線で示すように低減させることができ、圧縮機の全体
性能は図7の破線で示すように向上させることができ、
不安定現象を回避して安定した特性が得られる。
【0026】ディフューザ羽根4aの角度を変えるとポ
ンプの全体性能も変わるので、サージングを回避するた
めにディフューザ羽根の角度を変えて要求するヘッドが
得られなかった場合で、回転数が変えられるポンプにお
いては、回転数を変化させることも可能である。この場
合には演算処理装置13に判断機能を追加することによ
って実現可能である。
【0027】また、ディフューザ羽根4aの角度を変え
た場合にはポンプの運転点が若干変わることになり、流
量が所定の値と異なる場合が生じる。その際に吸込弁、
吐出弁あるいは両方の開度を制御装置で制御して流量を
調整することによって安定した運転を行うことが可能と
なる図3のフロー図に戻って、状態量の変動値がしきい
値以下の場合には、ステップ14で流量計測を行い、ス
テップ15で流量が設定値以内か否かを判断し、設定値
以内でない場合にはステップ16で吸込弁、吐出弁ある
いは両方の開度変更を行う。
【0028】図8に、従来のディフューザ羽根を固定し
た装置での全体性能と、本発明による装置での性能の比
較を示す。本発明による装置の性能は従来のものに比べ
て、締切り流量付近まで安定して運転できることがわか
る。
【0029】次に、本発明の可変案内羽根付き流体機械
の第2実施例を図9乃至図14を参照して説明する。圧
縮機の特性が不安定になる原因はディフューザばかりで
なく、羽根車にもある。図9は羽根車2の入口での流れ
状態を示す。羽根車2に流入する流体の流れ方向をd
(設計流量),e(小流量),f(大流量)の矢印で示
す。この図から明らかなように設計点以外の流量では、
大流量では羽根車の圧力面側、小流量では羽根車の負圧
面側の流れの迎え角が過大になり、流れが剥離して図1
0(無次元流量と羽根車損失との関係を示す図)に示す
ように羽根車での損失が増大する。
【0030】その結果、ディフューザ羽根を可変にし
て、ディフューザ羽根での損失を図6の破線のようにし
たとしても、全体性能は図11(無次元流量と無次元ヘ
ッド係数の関係を示す図)に示すように羽根車入口部で
流れの失速により不安定領域が現れる。そこで、これを
解決するために、羽根車2の入口の入口案内羽根8の角
度を変えて図12に示すように入口の流れに旋回を与
え、羽根車に対する流入角度を図12のeからe′に変
える。すると当然羽根車出口の流れも変化するので、こ
れに適合するようにディフューザ羽根4aも動かすと、
図11の破線に示す性能が得られ、右上がり部分のない
安定した運転ができ、締切りまでサージングを起こさず
に運転が可能となる。
【0031】状態量の変動としては、圧力、流量、速
度、軸振動のいずれか一つまたは複数にしてもよく、状
態量を感知するセンサの位置はディフューザ部が最も良
いが、ポンプ本体のいずれかの位置、配管でも可能であ
る。入口案内羽根を動かすことによって流量が変わるの
で、演算処理装置により、流量及びヘッドを再度測定計
算し、所定の性能が発揮できるように入口案内羽根を微
調整する。
【0032】入口案内羽根及びディフューザ羽根の角度
を変えるとポンプの全体性能も変わるので、サージング
を回避するためにディフューザ羽根の角度を変えて要求
するヘッドが得られなかった場合で、回転数が変えられ
るポンプにおいては、回転数を変化させることも可能で
ある。この場合には演算処理装置に判断機能を追加する
ことによって実現可能である。
【0033】図13に、従来のディフューザ羽根を固定
し、入口案内羽根だけを可変にした装置の、ポンプの全
体性能を示す。流量がある値以下ではサージングが発生
するために運転ができない。図14に示すディフューザ
羽根及び入口案内羽根を可変とする本発明による装置の
性能は、これに比べて締切り流量までサージングを起こ
さずに運転できることがわかる。
【0034】以上説明した各実施例においては、演算処
理装置13及び制御装置14をそれぞれ1ユニット設置
した例を示したが、演算処理装置及び制御装置を機能別
に分離してそれぞれ複数の演算処理装置及び制御装置と
してもよい。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、流
体機械を設計点流量以下の流量域で運転したときに発生
するサージング等の不安定現象を回避して、流体機械を
広い流量範囲で運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサージング検出装置が取付けられる単
段遠心圧縮機の縦断面図であり、図1(a)は縦断面
図、図1(b)は部分側面図である。
【図2】本発明に係るサージング検出装置の一実施例を
示すブロック図である。
【図3】本発明に係るサージング検出装置の処理手順を
示すフローチャートである。
【図4】本発明に係るサージング検出装置における変動
値の求め方を説明するグラフである。
【図5】本発明に係るサージング検出装置の変動値のし
きい値の求め方を示すグラフである。
【図6】無次元流量とディフューザ損失との関係を示す
図である。
【図7】無次元流量と無次元ヘッド係数との関係を示す
図である。
【図8】無次元流量と効率及びヘッド係数との関係を示
す図である。
【図9】羽根車入口の流体の状態を示す模式図である。
【図10】無次元流量と羽根車損失との関係を示す図で
ある。
【図11】無次元流量と無次元ヘッド係数の関係を示す
図である。
【図12】羽根車と入口案内羽根との関係を示す模式図
である。
【図13】従来のポンプの性能を示す図である。
【図14】本発明の可変案内羽根付き流体機械の性能を
示す図である。
【図15】ポンプの各所における圧力変動状態を示す図
である。
【図16】羽根車出口の流体の状態を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 ,S2 ,S3 センサ 1 吸込配管 2 羽根車 4 ディフューザ部 4a ディフューザ羽根 9 吐出配管 11 信号増幅器 12 フィルタ 13 演算処理装置 14 制御装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディフューザ羽根を具備した流体機械に
    おいて、 流体機械本体あるいは配管に設けられた状態量検出装置
    と、 この状態量検出装置によって検出された状態量の微小測
    定時間ごとの変動値を算出し、この変動値を予め定めら
    れたしきい値と比較する演算処理装置と、 上記状態量の変動値が上記しきい値以下となるようにデ
    ィフューザ羽根角度を制御する制御装置とを備えたこと
    を特徴とする可変案内羽根付き流体機械。
  2. 【請求項2】 上記微小測定時間は、羽根車の羽根の通
    過に起因する変動の影響を相殺するための必要最小限の
    時間として設定されることを特徴とする請求項1に記載
    の可変案内羽根付き流体機械。
  3. 【請求項3】 上記変動値は、上記微小測定時間におい
    てさらにこれを細分したサンプリング時間ごとに得た状
    態量データの標準偏差として与えられることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の可変案内羽根付き流体機械。
  4. 【請求項4】 上記サンプリング時間は、羽根車の羽根
    の通過に起因する変動の影響を相殺するための必要最大
    限の時間として設定されることを特徴とする請求項3に
    記載の可変案内羽根付き流体機械。
  5. 【請求項5】 上記演算処理装置には、上記微小測定時
    間又は上記サンプリング時間を設定するための入力装置
    が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4の
    いずれかに記載の可変案内羽根付き流体機械。
  6. 【請求項6】 上記制御装置は、上記ディフューザ羽根
    角度を変えたときに流量の調節を行うために吸込弁もし
    くは吐出弁あるいは両方の開度制御を行うことを特徴と
    する請求項1ないし5のいずれかに記載の可変案内羽根
    付き流体機械。
  7. 【請求項7】 上記制御装置は、上記状態量の変動値が
    上記しきい値以下となるように流体機械の回転数制御を
    行うことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記
    載の可変案内羽根付き流体機械。
  8. 【請求項8】 ディフューザ羽根及び入口案内羽根を具
    備した流体機械において、 流体機械本体あるいは配管に設けられた状態量検出装置
    と、 この状態量検出装置によって検出された状態量の微小測
    定時間ごとの変動値を算出し、この変動値を予め定めら
    れたしきい値と比較する演算処理装置と、 上記状態量の変動値が上記しきい値以下となるようにデ
    ィフューザ羽根角度もしくは入口案内羽根あるいはこれ
    ら両方を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする
    可変案内羽根付き流体機械。
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