JP3145622B2 - 可変案内羽根付き流体機械 - Google Patents

可変案内羽根付き流体機械

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JP3145622B2 JP25671695A JP25671695A JP3145622B2 JP 3145622 B2 JP3145622 B2 JP 3145622B2 JP 25671695 A JP25671695 A JP 25671695A JP 25671695 A JP25671695 A JP 25671695A JP 3145622 B2 JP3145622 B2 JP 3145622B2
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  • Control Of Positive-Displacement Air Blowers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠心及び斜流形の
流体ポンプ、気体用のブロワ、圧縮機などの流体機械に
係り、特に入口案内羽根及びディフューザ羽根付き流体
機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、遠心及び斜流のポンプを設計点以
外の低流量域で運転すると、羽根車、ディフューザなど
の構成要素で流れの剥離等が発生し、これらの原因によ
って、当該ポンプで発生できる流量に対する圧力の上昇
率が低下して、配管系との不安定現象(サージング等)
が発生してしまい、運転が不能となる欠点があった。こ
れを解決するために、ポンプに接続された配管の他にバ
イパス(送風機、圧縮機の場合には放風)用の配管を設
け、当該ポンプが不安定現象が発生する流量でバイパス
用配管のバルブを開くことによって、装置側の流量は減
少させても当該ポンプの運転状態は変わらないようにす
るなどの方法を採用して不安定現象発生点を回避してい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法は装置側で不安定現象を回避するものであるので、ポ
ンプの不安定現象発生点流量を予め決めておき、その流
量になったときにバイパス用配管のバルブを開く制御を
行わなければならない。したがって、この方法では、ポ
ンプの不安定現象発生点流量を正確に把握できないと装
置全体の制御が正確にできないのと、ポンプの回転速度
を変えたときの特性も正確に把握しておかなければ装置
全体の制御が正確にできないので、ポンプを連続的に変
化させるような運転状態では追随できないなどの欠点が
あった。
【0004】また、バイパス用配管のバルブを開くこと
によって不安定現象発生点を回避しても、当該ポンプ自
体の運転状態は変わらないのでポンプに不必要な運転を
させることになり、省エネルギーの観点から問題が多か
った。さらにバイパス用配管やバルブが必要なので装置
がコスト高になる欠点があった。
【0005】本発明は上述の事情に鑑みなされたもの
で、流体機械を設計点流量以下の流量域で運転したとき
に発生する不安定現象を回避して流体機械を広い流量範
囲で運転できる可変案内羽根付き流体機械を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、以下のよう
な認識に基づいて行われた。図1は、流体機械(圧縮
機)の羽根車出口の状態を示す模式図である。羽根車2
から流出する流体の流れ方向をa(設計流量),b(小
流量),c(大流量)の矢印で示す。この図から明らか
なように設計点以外の流量では、大流量ではディフュー
ザ3の羽根3aの圧力面側、小流量ではディフューザ3
の羽根3aの負圧面側、の流れの迎え角が過大になり、
流れが剥離して図2(無次元流量とディフューザ損失と
の関係を示す図)に示すようにディフューザでの損失が
増大する。その結果、圧縮機の全体性能は図3(無次元
流量と無次元ヘッド係数との関係を示す図)に示すよう
になり、設計点より小流量側で右上がりな特性(不安
定)が現れるようになるばかりでなく、ある流量でサー
ジングが発生し、配管での圧力変動が大きくなり、運転
ができなくなる。
【0007】これを解決するためには、ディフューザ羽
根角度を可変にして、流量が低下したときの羽根車出口
流れ(図1のbの流れ)に適合するように動かせば、デ
ィフューザ羽根での損失は図2の破線で示すように低減
させることができる。その結果、圧縮機の全体性能は図
3の破線で示すように向上させることができ、不安定現
象を回避して安定した特性が得られる。
【0008】本発明は、上記の認識に基づいてなされた
もので、本発明に係る可変案内羽根付き流体機械は、デ
ィフューザ羽根を具備した流体機械において、吸込流量
の変化に基づいて変わる流体機械又は原動機の状態量を
検出する検出装置と、予め求められた上記状態量とディ
フューザ羽根角度との関係に基づいてディフューザ羽根
角度を決定し制御する制御装置とを備えている。
【0009】本発明者らが考案したディフューザ羽根の
研究によれば、ポンプの無次元吸込流量に対する羽根車
出口でのディフューザ羽根の最適角度は図4に示したよ
うに、ほぼ直線で表され、流量0までディフューザ羽根
を制御すれば、サージング現象を回避できることがわか
った。
【0010】ポンプの場合、回転数を変えたときの無次
元吸込流量に対する羽根車出口でのディフューザ羽根の
最適角度はほぼ一本の直線で表されるが(図4の直線N
1)、圧縮機の場合はガスの圧縮性のために、回転数ごと
に直線の傾きは異なる(図4の直線N1 〜N4)。この傾
きは羽根車出口の状態を予測することにより計算で求め
ることができる。
【0011】従って、いかなる状態でも当該ポンプの無
次元吸込流量さえわかればディフューザ羽根の角度を羽
根車出口流れに最適に合致させて運転できることが可能
となる。また、ポンプの吸込流量と一定の対応関係を持
つような状態量と、ディフューザ羽根角度の関係を、吸
込流量との関係を介して又は直接的に求めておき、これ
らの状態量を測定してディフューザ羽根角度を制御する
ことができることも理解される。
【0012】このような状態量としては、例えば、ポン
プ用電動機の入力電流、回転数及びトルク、吸込圧力、
配管内流体速度、吸込及び吐出口での流体温度差、音、
バルブ開度などがあり、圧縮機で発生する熱をガスクー
ラー等で冷却する場合にはその熱交換量も指標となる。
以下に各々説明する。
【0013】1)電動機の入力電流 電動機駆動の場合、吸込流量に関連した状態量として電
動機の入力電流を検出することによって吸込流量をある
程度まで捕捉することができる。電動機動力は L=ηm・ηp・V・A=ρ・g・H・Q/η ここで ηm:電動機効率 ηp:電動機力率 V:電動機入力電圧 A:電動機入力電流 ρ:流体密度 H:ヘッド Q:吸込流量 η:被動機の効率 と表され、電動機電流は吸込流量の関数であることがわ
かる。しかし、この場合、被動機の効率が流量の低下と
共に低下するのと、取り扱い流体の密度、ヘッド等が変
わると電動機入力が変わるので、電動機入力によって捕
捉できる流量の限界がある。
【0014】2)電動機の回転数及びトルク 電動機動力は L=T・ω と表される。ここで T:トルク ω:角速度 と表されるので、電動機の回転角速度及びトルクを測定
することによって吸込流量をある程度捕捉することが可
能である。電動機の回転数が一定の場合にはトルクの測
定だけで良い。
【0015】3)吸込圧力 配管中の流量は Q=A・v=A・(ρ・(Pt−Ps)/2)1/2 ここで A:配管断面積 v:配管内流体の平均速度 Pt:全圧 Ps:静圧 と表される。大気圧から吸い込むとすれば、全圧は一定
とできるので、静圧がわかれば吸込流量がわかることに
なる。従って、圧縮機の入口絞り部の静圧を測定するこ
とによって、吸込流量を捕捉することが可能である。こ
の場合、低流量時に羽根車から逆流する流れを除いて吸
い込み流れの静圧を正しく測定する必要がある。
【0016】4)吐出圧力 吐出流量を測定しても吸込流量を捕捉することが可能で
ある。圧縮性ガスを扱う機械の場合には吐出流量から吸
込流量を求めるには流体の密度を測定する方法を加味し
なければならないが、ポンプなどの非圧縮流体を扱う場
合には、吐出流量は吸込流量に一致する。
【0017】5)配管内流体速度 配管内の流体速度を測定すれば吸入圧力の場合と同様に
吸込流量を捕捉することが出来る。流速測定には熱線風
速計、レーザ流速計、超音波流速計等がある。
【0018】6)吸込吐出温度 圧縮機の場合流量によって入口出口の温度差が変化す
る。図5はある圧縮機の入口出口の温度差を流量を横軸
にとって示したもので、温度差と吸込流量にはある関係
があることがわかる。圧縮機の場合、この温度差を基に
仕事係数が求まるが(図6)、温度差とほぼ同じ傾向を
示すので、この値を測定しても吸込流量を捕捉すること
が可能である。図6では2種類の回転数N1,N2で行っ
た結果を同様に示した。
【0019】7)ガスクーラ冷却水温度差 圧縮機で発生する熱量をガスクーラ等で冷却する場合、
熱交換量は L=(T1−T2)・Cp・W ここで T1:ガスクーラ入口流体温度 T2:ガスクーラ入口流体温度 Cp:比熱 W:流体量 圧縮機の熱量は吸込流量に関係するので、ガスクーラの
冷却熱量を即ち流体の温度差を測定することによって吸
込流量をある程度捕捉することが可能である。
【0020】8)音 圧縮機で発生する騒音、あるいは流速に関係したストロ
ーハル数の測定を行うことによって流量を捕捉すること
も可能である。
【0021】9)バルブ開度 圧縮機等が取付けられた装置の吸込あるいは吐出バルブ
の開度と流量とは関係があるので、バルブ開度を測定す
ることによって、流量を捕捉することは可能である。 以上の結果、ポンプの吸込流量の変化に基づいて変わる
流体機械又は原動機の状態量からディフューザ羽根の角
度を決定し、ディフューザ羽根を可変制御できる制御装
置によってディフューザ羽根を制御すれば、ポンプの不
安定現象を回避して運転できることになる。
【0022】回転数を制御できる制御装置を有する場合
には、図4の状態量によって決定できるディフューザ羽
根角度に従って、ディフューザ羽根を制御し、ヘッドが
所定値を満足しない場合は、回転数をも制御して不安定
状態を回避しながら運転できる。上記吸込流量とディフ
ューザ羽根角度の関係を、ほぼ直線的な関係となるよう
にしてもよい。
【0023】上記直線関係を、羽根車の回転数によって
勾配が決まるようにしてもよい。 上記制御装置を、上記
ディフューザ羽根角度を変えたときにヘッドが所定値を
満足しない場合に、流体機械の回転数制御を行うように
してもよい。 上記流体機械は入口案内羽根を有し、上記
制御装置を、上記ディフューザ羽根角度を変えたときに
ヘッドが所定値を満足しない場合に、流体機械の入口案
内羽根角度を変えるようにしてもよい。
【0024】なお、上記においては、吸込流量とディフ
ューザ羽根角度との関係を実験的に求めたが、この関係
を理論的に求めることもできる。請求項の発明は、こ
れに着目してなされたもので、ディフューザ羽根を具備
した流体機械において、吸込流量の変化に基づいて変わ
る流体機械又は原動機の状態量を検出する検出装置と、
吸込流量とディフューザ羽根角度との下記の関係に基づ
いて、前記検出装置によって検出された状態量からディ
フューザ羽根角度を制御する制御装置とを備えたことを
特徴とする可変案内羽根付き流体機械である。 α=arctan(Q/(KN−KQ)) (1) ここにおける記号は以下の通りである。 α:ディフューザ羽根角度 Q:吸込流量 K=(πDσbB:定数 N:回転数 K=cotβ:定数 σ:すべり係数 β:周方向からの羽根出口角度 D:羽根車外径 b:羽根車出口幅 B:ブロッケージ係数
【0025】ディフューザ羽根を具備した流体機械にお
いて、吸込流量の変化に基づいて変わる流体機械又は原
動機の状態量を検出する検出装置と、この状態量から吸
込流量を算出し、吸込流量及び回転数とディフューザ羽
根角度との下記の関係に基づいて、前記検出装置によっ
て検出された状態量からディフューザ羽根角度を制御す
る制御装置とを備えるようにしてもよい。 α=arctan(Q/(KN−KQ)) ここにおける記号は以下の通りである。 α:ディフューザ羽根角度 Q:吸込流量 K=(πDσbB:定数 N:回転数 K=cotβ:定数 σ:すべり係数 β:周方向からの羽根出口角度 D:羽根車外径 b:羽根車出口幅 B:ブロッケージ係数
【0026】請求項に記載の発明は、ディフューザ羽
根を具備した流体機械において、吸込流量の変化に基づ
いて変わる流体機械又は原動機の状態量および入口、出
口の圧力比を検出する検出装置と、吸込流量及び圧力比
とディフューザ羽根角度との下記の関係に基づいて、前
記検出装置によって検出された状態量及び圧力比からデ
ィフューザ羽根角度を制御する制御装置とを備えたこと
を特徴とする可変案内羽根付き流体機械である。
【数3】ここにおける記号は以下の通りである。 α:ディフューザ羽根角度 Q:吸込流量 K=(πDσbB:定数 N:回転数 K=cotβ:定数 P:圧縮機入口出口圧力比 κ:比熱比 σ:すべり係数 β:周方向からの羽根出口角度 D:羽根車外径 b:羽根車出口幅 B:ブロッケージ係数
【0027】ディフューザ羽根を具備した流体機械にお
いて、吸込流量の変化に基づいて変わる流体機械又は原
動機の状態量および入口、出口の圧力比を検出する検出
装置と、この状態量から吸込流量を算出し、吸込流量、
回転数及び圧力比とディフューザ羽根角度との下記の関
係に基づいて、前記検出装置によって検出された状態
量、回転数及び圧力比からディフューザ羽根角度を制御
する制御装置とを備えるようにしてもよい。
【数4】ここにおける記号は以下の通りである。 α:ディフューザ羽根角度 Q:吸込流量 K=(πDσbB:定数 N:回転数 K=cotβ:定数 P:圧縮機入口出口圧力比 κ:比熱比 σ:すべり係数 β:周方向からの羽根出口角度 D:羽根車外径 b:羽根車出口幅 B:ブロッケージ係数
【0028】ィフューザ羽根を具備した流体機械にお
いて、吸込流量の変化に基づいて変わる流体機械又は原
動機の状態量を検出する検出装置と、この状態量及び、
予め求められた吸込流量とディフューザ羽根間の面積と
の関係に基づいて、ディフューザ羽根間の面積を制御す
る制御装置とを備えるようにしてもよい。このような請
求項1又は2の発明の構成は、以下のような考察に基づ
くものである。羽根車出口の流量をQ、羽根車外径を
、羽根車出口幅をb、羽根車出口部のブロッケー
ジ係数をBとすると、羽根車出口の半径方向速度成分C
は、 Cm=Q/(πDB) (3 ) と表せる。流体が非圧縮であると仮定すると、Q2は入
口流量Qと等しいので、 Cm=Q/(πDB) (4 ) となる。
【0029】なお、ディフューザ内に流体が流れる場
合、実際の流れでは境界層のために壁面近くの速度は主
流に比べて小さくなる。主流の速度をU、境界層内の速
度をuとして境界層内の速度が主流の速度より遅いため
に不足する流量は、
【数5】 で表される。排除厚さをδ* としてこの厚さ部分に、主
流速度Uと等しい流れが流れたとした場合の流量はUδ
* と表される。両者は等しいので境界層の排除厚さは、
【数6】 と表される。(例えば、「流体力学(2)」(コロナ
社)、「内部流れの力学」(養賢堂))
【0030】一般には、この排除厚さによる流路幅の減
少分を考慮して流路断面内の平均速度を計算するが、流
体機械の場合、羽根車から流出する流れは流路幅方向に
均一ではなく(例えば、日本機械学会論文集44巻38
4号、「遠心羽根車の相対速度分布と性能に関する研
究」図20)、主流の速度より遅い領域は、境界層によ
る厚さより更に大きくなる。従って、幾何学上の流路幅
に対して、境界層及び速度の歪みによる流路幅の修正を
行わなければ流路断面内速度が過小評価され、それに基
づいて計算される流れの角度も誤差が大きくなる。そこ
で本発明ではこの流路幅の修正量としてブロッケージ係
数を考慮にいれた。
【0031】一方、羽根車出口の周方向速度成分Cu2
は、すべり係数をσ、周方向からの羽根車出口角度をβ
2、羽根車周速度をU2とすると、 Cu2=σU2−Cm2cotβ2 (7) と表せる。従って、羽根車出口の流れ角、すなわちディ
フューザの羽根角度αは、 α=arctan(Cm2/Cu2) =arctan(Q/(πσD222B−Qcotβ2)) (8) となる。ここで、 K1=(πD22σb22B, K2=cotβ2 (9) と置き、Nを回転数とすると、 α=arctan(Q/(K1N−K2Q)) (10 ) となる。一方、圧縮性流体の場合、羽根車出口流量Q2
は、圧縮機入口・出口の圧力比をPr、比熱比をκとす
ると、簡便的に、
【数7】 と表せる。従って、
【数8】 となるので、(5),(10)式から羽根車出口流れ角
すなわちディフューザ羽根角αは、
【数9】 となる。
【0032】このようにして、非圧縮性流体を扱う流体
機械では吸込流量及び回転数、圧縮性流体を扱う機械で
は吸込流量、回転数と入口、出口の圧力比を検出する検
出装置によってディフューザ流れ角度を算出して、ディ
フューザ羽根を流れ角度に一致するように制御すること
によって、流れの剥離を抑制してサージングを回避する
ことができる。
【0033】また、ディフューザ羽根を具備した流体機
械において、吸込流量の変化に基づいて変わる流体機械
又は原動機の状態量を検出する検出装置と、入口、出口
の圧力比を検出する検出装置と、これらの検出装置によ
り検出された状態量と圧力比から、予め求められた吸込
流量、圧力比とディフューザ羽根間の面積との関係に基
づいて、ディフューザ羽根間の面積を制御する制御装置
とを備えるようにしてもよい
【0034】この発明の基本的考え方は、以下の通りで
ある。ディフューザ羽根間で形成される面積をAとす
る。この面積を通過する速度は、羽根車の出口絶対速度
をCとし、羽根車からディフューザ羽根までの区間での
減速割合を減速係数をK1としてK1Cと表される。ここ
でCは羽根車出口半径方向速度成分をCm2 、周方向速
度成分をCu2とすると、
【数10】 と表される。この羽根と羽根の間を通過する流量Q
2は、 Q2=K1CA (15 ) と表される。周方向速度成分Cu2は(5)式と同様
に、 Cu2=σU2−Cm2cotβ2 (16 ) と表される。
【0035】従って、Q2 は、
【数11】 となる。一方、Q2は(3)式から、 Q2=πD22B・Cm2 (18 ) と表されるので、羽根車出口半径方向速度成分Cm2は Cm2=Q/πD22B (19 ) 従って、
【数12】 となる。
【0036】ここで、 K2=πD22B (21 ) K3=(K2σπD22 (22 ) K4=2K2σπD2cotβ2 (23 ) K5=1+cot2β2 (24 ) とおき、流体が非圧縮であり、吸込流量をQ、回転数を
Nとすると、面積Aは、
【数13】 と表すことができる。圧縮性流体の場合には、圧縮機入
口出口の圧力比をPr、比熱比をκとすると、羽根車出
口の流量は簡便的に、
【数14】 となる。
【実施例】以下、本発明に係る可変案内羽根付き流体機
械の一実施例を図7乃至図10を参照して説明する。図
7ないし図9は、本発明が適用される単段遠心圧縮機を
示す図であり、図7はその縦断面図、図8はその部分側
面図、図9は制御系を含むブロック図である。これは、
吸込配管1から流入する流体に羽根車2によって運動エ
ネルギーを与え、これをディフューザ3に送って昇圧
し、スクロール4から吐出配管5に送り出すものであ
り、羽根車の主軸は電動機Mに連結されている。吸込配
管1には、扇状の入口案内羽根6が周方向に複数配置さ
れ、これには、伝達機構7を介してアクチュエータ8が
連結されている。下流側のディフューザ3にはディフュ
ーザ羽根3aが配置され、これも伝達機構9を介してア
クチュエータ10に接続されている。これらのアクチュ
エータ8,10には制御駆動装置11が設けられ、これ
にはCPU12が接続されている。この圧縮機には流体
を冷却するガスクーラ13が設けられている。
【0037】この圧縮機には、本体又は付属機械の各所
にセンサが取り付けられている。すなわち、S1は電動
機の入力電流を検出する電流計であり、S2,S3は主軸
のトルクを検出するトルクセンサ及び回転数センサ、S
4は吸込配管1に設けられた吸込圧力センサ、S5ないし
7は吐出配管に設けられた吐出圧力センサ、流体速度
センサ及び流体温度センサであり、S8は吸込配管1に
設けられた吸込温度センサ、S9及びS10はガスクーラ
13の入口と出口の温度センサ、S11は音センサ、S1 2
はバルブ開度計である。これらのセンサS1〜S12は検
出装置インタフェイス14に接続され、これを介してC
PU12に入力される。
【0038】図10は、本発明の可変案内羽根付き流体
機械の処理手順を示すフローチャートである。まず、ス
テップ1で、羽根車2の回転数を所定の限界を超えない
適当な値に設定しておく。次にステップ2において、羽
根車2の回転数N、要求される流量Q及びヘッドH等か
ら入口案内羽根6の角度αを決定する。次に、ステップ
3で状態量を測定し、ステップ4で図4に示す関係に基
づいて、或いはステップ4’で上述した計算式に基づい
てディフューザ羽根角度を決定する。
【0039】次に、ステップ5で制御駆動装置及びアク
チュエータを作動して入口案内羽根6の角度制御を行
う。次に、ステップ6でヘッドHが所定値であるかどう
かを判断し、所定値であれば、そこで運転を継続する。
ヘッドが所定値でない場合には、ステップ7でヘッドと
所定値の大小関係を判断し、ヘッドが小さい場合は、ス
テップ8で入口案内羽根6の角度を減少させる。
【0040】次に、ステップ9で入口案内羽根角度が下
限値であるかどうか判断し、NOであればステップ3に
戻ってそれ以降のステップを繰り返す。また、YESで
あれば、ステップ10において回転数が限界値であるか
を判断し、YESであればそのままで運転を継続する。
この場合には、所望のヘッドは得られない。NOであれ
ば、ステップ11で回転数を(予め定めた所定量だけ)
増加させ、ステップ3に戻ってそれ以降のステップを繰
り返す。
【0041】ステップ7でヘッドが所定値より大きいと
判断される場合は、ステップ12で入口案内羽根角度を
増加させる。次に、ステップ13で入口案内羽根角度が
上限値であるかどうか判断し、NOであればステップ3
に戻ってそれ以降のステップを繰り返す。また、YES
であれば、ステップ14で回転数を(予め定めた所定量
だけ)減少させ、ステップ3に戻ってそれ以降のステッ
プを繰り返す。
【0042】図11に、従来のディフューザ羽根を固定
した装置での全体性能と、本発明による装置での性能の
比較を示す。本発明による装置の性能は従来のものに比
べて、締切り流量付近まで安定して運転できることがわ
かる。
【0043】なお、状態量とディフューザ羽根角度の関
係は、上述したような吸込流量との関係を介して求める
こともできるが、両者の関係を直接的に求めて用いても
良いことは勿論である。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、流
体機械を設計点流量以下の流量域で運転したときに発生
するサージング等の不安定現象を回避して、流体機械を
広い流量範囲で運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】羽根車出口の流体の状態を示す模式図である。
【図2】無次元流量とディフューザ損失との関係を示す
図である。
【図3】無次元流量と無次元ヘッド係数との関係を示す
図である。
【図4】吸込流量又は状態量とディフューザ羽根角度と
の関係を示す図である。
【図5】流量と圧縮機の入口及び出口の温度差の関係を
示すグラフである。
【図6】流量と仕事係数の関係を示すグラフである。
【図7】本発明の可変案内羽根付き流体機械の一例であ
る単段遠心圧縮機を示す縦断面図である。
【図8】図8の部分側面図である。
【図9】本発明の可変案内羽根付き流体機械の制御系を
含めたブロック図である。
【図10】本発明の可変案内羽根付き流体機械の処理手
順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施例の可変案内羽根付き流体機
械の効果を説明するグラフである。
【符号の説明】
2 羽根車 3 ディフューザ部 3a ディフューザ羽根 8,10 アクチュエータ S1〜S12 検出装置 12 制御装置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−241498(JP,A) 特開 昭54−131104(JP,A) 特開 昭56−66489(JP,A) 特開 平4−81598(JP,A) 実開 昭62−43200(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04D 27/00 101

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディフューザ羽根を具備した流体機械に
    おいて、 吸込流量の変化に基づいて変わる流体機械又は原動機の
    状態量を検出する検出装置と、 この状態量から吸込流量を算出し、吸込流量とディフュ
    ーザ羽根角度との下記の関係に基づいて、前記検出装置
    によって検出された状態量からディフューザ羽根角度を
    制御する制御装置とを備えたことを特徴とする可変案内
    羽根付き流体機械。 【数1】α=arctan(Q/(KN−KQ)) ここにおける記号は以下の通りである。 α:ディフューザ羽根角度 Q:吸込流量 K=(πDσbB:定数 N:回転数 K=cotβ:定数 σ:すべり係数 β:周方向からの羽根出口角度 D:羽根車外径 b:羽根車出口幅 B:ブロッケージ係数
  2. 【請求項2】 ディフューザ羽根を具備した流体機械に
    おいて、 吸込流量の変化に基づいて変わる流体機械又は原動機の
    状態量および入口、出口の圧力比を検出する検出装置
    と、 吸込流量及び圧力比とディフューザ羽根角度との下記の
    関係に基づいて、前記検出装置によって検出された状態
    量及び圧力比からディフューザ羽根角度を制御する制御
    装置とを備えたことを特徴とする可変案内羽根付き流体
    機械。 【数2】α=arctan((1/P1/κQ/
    (KN−(1/P1/κQ)) ここにおける記号は以下の通りである。 α:ディフューザ羽根角度 Q:吸込流量 K=(πDσbB:定数 N:回転数 K=cotβ:定数 P:圧縮機入口出口圧力比 κ:比熱比 σ:すべり係数 β:周方向からの羽根出口角度 D:羽根車外径 b:羽根車出口幅 B:ブロッケージ係数
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