JP3606637B2 - 可変案内羽根付き流体機械 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、遠心及び斜流形の流体ポンプ、気体用のブロワ、圧縮機などの流体機械に係り、特に入口案内羽根及びディフューザ羽根付き流体機械に関するものである。なお本明細書では上記流体機械を総称してポンプと称する。
【0002】
【従来の技術】
従来、遠心及び斜流のポンプを設計点以外の低流量域で運転すると、羽根車、ディフューザなどの構成要素で流れの剥離等が発生し、これらの原因によって、当該ポンプで発生できる流量に対する圧力の上昇率が低下して、配管系との不安定現象(サージング等)が発生してしまい、運転が不能となる欠点があった。
これを解決するために、ポンプに接続された配管の他にバイパス(送風機、圧縮機の場合には放風)用の配管を設け、当該ポンプが不安定現象が発生する流量でバイパス用配管のバルブを開くことによって、装置側の流量は減少させても当該ポンプの運転状態は変わらないようにするなどの方法を採用して不安定現象発生点を回避していた。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この方法は装置側で不安定現象を回避するものであるので、ポンプの不安定現象発生点流量を予め決めておき、その流量になったときにバイパス用配管のバルブを開く制御を行わなければならない。したがって、この方法では、ポンプの不安定現象発生点流量を正確に把握できないと装置全体の制御が正確にできないのと、ポンプの回転速度を変えたときの特性も正確に把握しておかなければ装置全体の制御が正確にできないので、ポンプを連続的に変化させるような運転状態では追随できないなどの欠点があった。
【0004】
また、バイパス用配管のバルブを開くことによって不安定現象発生点を回避しても、当該ポンプ自体の運転状態は変わらないのでポンプに不必要な運転をさせることになり、省エネルギーの観点から問題が多かった。さらにバイパス用配管やバルブが必要なので装置がコスト高になる欠点があった。
【0005】
本発明は上述の事情に鑑みなされたもので、流体機械を設計点流量以下の流量域で運転したときに発生する不安定現象を回避して流体機械を広い流量範囲で運転できる可変案内羽根付き流体機械を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその作用】
この発明は、以下のような認識に基づいて行われた。
図1は流体機械(圧縮機)の羽根車出口の状態を示す模式図である。羽根車2から流出する流体の流れ方向をa(設計流量),b(小流量),c(大流量)の矢印で示す。この図から明らかなように設計点以外の流量では、大流量ではディフューザ3の羽根3aの圧力面側、小流量ではディフューザ3の羽根3aの負圧面側、の流れの迎え角が過大になり、流れが剥離して図2(無次元流量とディフューザ損失との関係を示す図)に示すようにディフューザでの損失が増大する。その結果、圧縮機の全体性能は図3(無次元流量と無次元ヘッド係数との関係を示す図)に示すようになり、設計点より小流量側で右上がりな特性(不安定)が現れるようになるばかりでなく、ある流量でサージングが発生し、配管での圧力変動が大きくなり、運転ができなくなる。
【0007】
これを解決するためには、ディフューザ羽根角度を可変にして、流量が低下したときの羽根車出口流れ(図1のbの流れ)に適合するように動かせば、ディフューザ羽根での損失は図2の破線で示すように低減させることができる。その結果、圧縮機の全体性能は図3の破線で示すように向上させることができ、不安定現象を回避して安定した特性が得られる。
【0008】
本発明は、上記の認識に基づいてなされたもので、ディフューザ羽根を具備した流体機械において、流体機械の吸込量を検出する検出装置と、前記ディフューザ羽根の角度を制御する駆動機構と、低流量領域の吸込流量に対して予め求められたディフューザ羽根の最適角度の関係が締切領域に到る迄略直線関係にあることを記憶した制御装置とを備え、該制御装置は、上記検出装置によって検出された前記吸込流量が低流量領域に存在する時に、前記吸込流量から前記最適角度にディフューザ羽根角度を決定し制御すると共に、ヘッドが所定値を満足しない場合に、羽根車の回転数を制御することを特徴とするものである。
【0009】
本発明者らが考案したディフューザ羽根の研究によれば、ポンプの無次元吸込流量に対する羽根車出口でのディフューザ羽根の最適角度は図4に示したように、ほぼ直線で表され、流量0までディフューザ羽根を制御すれば、サージング現象を回避できることがわかった。
【0010】
ポンプの場合、回転数を変えたときの無次元吸込流量に対する羽根車出口でのディフューザ羽根の最適角度はほぼ一本の直線で表されるが(図4の直線N1)、圧縮機の場合はガスの圧縮性のために、回転数ごとに直線の傾きは異なる(図4の直線N1 〜N4)。この傾きは羽根車出口の状態を予測することにより計算で求めることができる。
【0011】
従って、いかなる状態でも当該ポンプの無次元吸込流量さえわかればディフューザ羽根の角度を羽根車出口流れに最適に合致させて運転できることが可能となる。
その結果、ポンプの無次元吸込流量及びこの無次元吸込流量からディフューザ羽根の角度を決定し、ディフューザ羽根を可変制御できる制御装置によってディフューザ羽根を制御すれば、ポンプの不安定現象を回避して運転できることになる。
【0012】
回転数を制御できる制御装置を有する場合には、図4の吸込流量によって決定できるディフューザ羽根角度に従って、ディフューザ羽根を制御し、ヘッドが所定値を満足しない場合は、回転数をも制御して不安定状態を回避しながら運転できる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明に係る可変案内羽根付き流体機械の一実施例を図5乃至図10を参照して説明する。
図5及び図6は本発明が適用される単段遠心圧縮機を示す図であり、図5はその縦断面図、図6はその部分側面図である。羽根車2の下流にあるディフューザ3のディフューザ羽根3aは、複数の歯車4を介してアクチュエータ5に連結されている。また圧縮機の吸込側には、吸込流量を検出する検出装置6が設置されている。アクチュエータ5は制御装置7に接続されており、ディフューザ羽根3aの羽根角度が可変になっている。
【0014】
図7は、本発明の可変案内羽根付き流体機械の処理手順を示すフローチャートである。回転数制御をする場合には、ステップ1で回転数設定を行う。なお、回転数制御をしない場合には、次のステップに進む。次に、ステップ2で吸込流量を測定し、ステップ3で図4に示す無次元吸込流量とディフューザ羽根角度との関係よりディフューザ羽根角度を決定する。そして、ステップ4でディフューザ羽根角度の変更を行う。回転数制御を行う場合には、ステップ5でヘッドが所定値を満足するか否かを判定し、満足しない場合にはステップ1に戻る。
【0015】
図8は、上記のような圧縮機を用いて得たデータをまとめたものである。横軸に各運転点の流量を設計点の流量で無次元化した無次元流量、縦軸にディフューザ羽根の角度を取って示したものである。ここでは、その流量、回転数において羽根角度を変え、流れが最も安定であるときの羽根角度をプロットした。流れの安定度は、配管やポンプケーシングに設置した圧力センサの変動を目安とした。○印は羽根車の周速マッハ数が1.21で、入口案内羽根の角度が0度の時、□印は羽根車の周速マッハ数が0.87で、入口案内羽根の角度が0度の時、△印は羽根車の周速マッハ数が0.87で、入口案内羽根の角度が60度の時の実験結果をプロットしたものである。
【0016】
この結果によるとディフューザの羽根の角度は流量によってほぼ直線的に変化し、羽根車の周速マッハ数、即ち回転数によって傾きが異なることがわかる。また、回転数が同じ場合、入口案内羽根の角度が変わってもディフューザ羽根の角度は流量だけに依存していることがわかる。
【0017】
図9に、従来のディフューザ羽根を固定した装置での全体性能と、本発明による装置での性能の比較を示す。本発明による装置の性能は従来のものに比べて、締切り流量付近まで安定して運転できることがわかる。
【0018】
図10は、本発明の可変案内羽根付き流体機械の他の実施例の処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップ1で入口案内羽根(図でIGVと表記)の角度の設定を行う。次に、ステップ2で吸込流量を測定し、ステップ3で図4に示す無次元吸込流量とディフューザ羽根角度を決定する。そして、ステップ4でディフューザ羽根角度の変更を行う。さらに、ステップ5で、入口案内羽根の角度が90度(全閉状態)か否かを判断し、全閉であれば制御を終了する。全閉でなければ、ステップ6においてヘッドが所定値を満足するか否かを判定し、所定値であれば制御を終了する。所定値を満足しない場合は、ステップ7で、さらにヘッドが所定値よりも大きいか否かを判断し、所定値よりも大きい場合には入口案内羽根の角度を増加(閉方向)させ(ステップ8)、小さい場合には入口案内羽根の角度を減少(開方向)させる(ステップ9)ように制御する。
なお、図5乃至図10に図示した実施例においては、制御装置を1ユニット設置した例を示したが、制御装置を機能別に分離して複数の制御装置としてもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、流体機械を設計点流量以下の流量域で運転したときに発生するサージング等の不安定現象を回避して、流体機械を広い流量範囲で運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】羽根車出口の流体の状態を示す模式図である。
【図2】無次元流量とディフューザ損失との関係を示す図である。
【図3】無次元流量と無次元ヘッド係数との関係を示す図である。
【図4】無次元吸込流量とディフューザ羽根角度との関係を示す図である。
【図5】本発明の可変案内羽根付き流体機械の一例である単段遠心圧縮機を示す縦断面図である。
【図6】図5の部分側面図である。
【図7】本発明の可変案内羽根付き流体機械の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施例の可変案内羽根付き流体機械の効果を説明するグラフである。
【図9】無次元流量と効率及びヘッド係数との関係を示す図である。
【図10】本発明の可変案内羽根付き流体機械の他の実施例の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 羽根車
3 ディフューザ部
3a ディフューザ羽根
4 歯車
5 アクチュエータ
6 検出装置
7 制御装置
【産業上の利用分野】
本発明は、遠心及び斜流形の流体ポンプ、気体用のブロワ、圧縮機などの流体機械に係り、特に入口案内羽根及びディフューザ羽根付き流体機械に関するものである。なお本明細書では上記流体機械を総称してポンプと称する。
【0002】
【従来の技術】
従来、遠心及び斜流のポンプを設計点以外の低流量域で運転すると、羽根車、ディフューザなどの構成要素で流れの剥離等が発生し、これらの原因によって、当該ポンプで発生できる流量に対する圧力の上昇率が低下して、配管系との不安定現象(サージング等)が発生してしまい、運転が不能となる欠点があった。
これを解決するために、ポンプに接続された配管の他にバイパス(送風機、圧縮機の場合には放風)用の配管を設け、当該ポンプが不安定現象が発生する流量でバイパス用配管のバルブを開くことによって、装置側の流量は減少させても当該ポンプの運転状態は変わらないようにするなどの方法を採用して不安定現象発生点を回避していた。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この方法は装置側で不安定現象を回避するものであるので、ポンプの不安定現象発生点流量を予め決めておき、その流量になったときにバイパス用配管のバルブを開く制御を行わなければならない。したがって、この方法では、ポンプの不安定現象発生点流量を正確に把握できないと装置全体の制御が正確にできないのと、ポンプの回転速度を変えたときの特性も正確に把握しておかなければ装置全体の制御が正確にできないので、ポンプを連続的に変化させるような運転状態では追随できないなどの欠点があった。
【0004】
また、バイパス用配管のバルブを開くことによって不安定現象発生点を回避しても、当該ポンプ自体の運転状態は変わらないのでポンプに不必要な運転をさせることになり、省エネルギーの観点から問題が多かった。さらにバイパス用配管やバルブが必要なので装置がコスト高になる欠点があった。
【0005】
本発明は上述の事情に鑑みなされたもので、流体機械を設計点流量以下の流量域で運転したときに発生する不安定現象を回避して流体機械を広い流量範囲で運転できる可変案内羽根付き流体機械を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその作用】
この発明は、以下のような認識に基づいて行われた。
図1は流体機械(圧縮機)の羽根車出口の状態を示す模式図である。羽根車2から流出する流体の流れ方向をa(設計流量),b(小流量),c(大流量)の矢印で示す。この図から明らかなように設計点以外の流量では、大流量ではディフューザ3の羽根3aの圧力面側、小流量ではディフューザ3の羽根3aの負圧面側、の流れの迎え角が過大になり、流れが剥離して図2(無次元流量とディフューザ損失との関係を示す図)に示すようにディフューザでの損失が増大する。その結果、圧縮機の全体性能は図3(無次元流量と無次元ヘッド係数との関係を示す図)に示すようになり、設計点より小流量側で右上がりな特性(不安定)が現れるようになるばかりでなく、ある流量でサージングが発生し、配管での圧力変動が大きくなり、運転ができなくなる。
【0007】
これを解決するためには、ディフューザ羽根角度を可変にして、流量が低下したときの羽根車出口流れ(図1のbの流れ)に適合するように動かせば、ディフューザ羽根での損失は図2の破線で示すように低減させることができる。その結果、圧縮機の全体性能は図3の破線で示すように向上させることができ、不安定現象を回避して安定した特性が得られる。
【0008】
本発明は、上記の認識に基づいてなされたもので、ディフューザ羽根を具備した流体機械において、流体機械の吸込量を検出する検出装置と、前記ディフューザ羽根の角度を制御する駆動機構と、低流量領域の吸込流量に対して予め求められたディフューザ羽根の最適角度の関係が締切領域に到る迄略直線関係にあることを記憶した制御装置とを備え、該制御装置は、上記検出装置によって検出された前記吸込流量が低流量領域に存在する時に、前記吸込流量から前記最適角度にディフューザ羽根角度を決定し制御すると共に、ヘッドが所定値を満足しない場合に、羽根車の回転数を制御することを特徴とするものである。
【0009】
本発明者らが考案したディフューザ羽根の研究によれば、ポンプの無次元吸込流量に対する羽根車出口でのディフューザ羽根の最適角度は図4に示したように、ほぼ直線で表され、流量0までディフューザ羽根を制御すれば、サージング現象を回避できることがわかった。
【0010】
ポンプの場合、回転数を変えたときの無次元吸込流量に対する羽根車出口でのディフューザ羽根の最適角度はほぼ一本の直線で表されるが(図4の直線N1)、圧縮機の場合はガスの圧縮性のために、回転数ごとに直線の傾きは異なる(図4の直線N1 〜N4)。この傾きは羽根車出口の状態を予測することにより計算で求めることができる。
【0011】
従って、いかなる状態でも当該ポンプの無次元吸込流量さえわかればディフューザ羽根の角度を羽根車出口流れに最適に合致させて運転できることが可能となる。
その結果、ポンプの無次元吸込流量及びこの無次元吸込流量からディフューザ羽根の角度を決定し、ディフューザ羽根を可変制御できる制御装置によってディフューザ羽根を制御すれば、ポンプの不安定現象を回避して運転できることになる。
【0012】
回転数を制御できる制御装置を有する場合には、図4の吸込流量によって決定できるディフューザ羽根角度に従って、ディフューザ羽根を制御し、ヘッドが所定値を満足しない場合は、回転数をも制御して不安定状態を回避しながら運転できる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明に係る可変案内羽根付き流体機械の一実施例を図5乃至図10を参照して説明する。
図5及び図6は本発明が適用される単段遠心圧縮機を示す図であり、図5はその縦断面図、図6はその部分側面図である。羽根車2の下流にあるディフューザ3のディフューザ羽根3aは、複数の歯車4を介してアクチュエータ5に連結されている。また圧縮機の吸込側には、吸込流量を検出する検出装置6が設置されている。アクチュエータ5は制御装置7に接続されており、ディフューザ羽根3aの羽根角度が可変になっている。
【0014】
図7は、本発明の可変案内羽根付き流体機械の処理手順を示すフローチャートである。回転数制御をする場合には、ステップ1で回転数設定を行う。なお、回転数制御をしない場合には、次のステップに進む。次に、ステップ2で吸込流量を測定し、ステップ3で図4に示す無次元吸込流量とディフューザ羽根角度との関係よりディフューザ羽根角度を決定する。そして、ステップ4でディフューザ羽根角度の変更を行う。回転数制御を行う場合には、ステップ5でヘッドが所定値を満足するか否かを判定し、満足しない場合にはステップ1に戻る。
【0015】
図8は、上記のような圧縮機を用いて得たデータをまとめたものである。横軸に各運転点の流量を設計点の流量で無次元化した無次元流量、縦軸にディフューザ羽根の角度を取って示したものである。ここでは、その流量、回転数において羽根角度を変え、流れが最も安定であるときの羽根角度をプロットした。流れの安定度は、配管やポンプケーシングに設置した圧力センサの変動を目安とした。○印は羽根車の周速マッハ数が1.21で、入口案内羽根の角度が0度の時、□印は羽根車の周速マッハ数が0.87で、入口案内羽根の角度が0度の時、△印は羽根車の周速マッハ数が0.87で、入口案内羽根の角度が60度の時の実験結果をプロットしたものである。
【0016】
この結果によるとディフューザの羽根の角度は流量によってほぼ直線的に変化し、羽根車の周速マッハ数、即ち回転数によって傾きが異なることがわかる。また、回転数が同じ場合、入口案内羽根の角度が変わってもディフューザ羽根の角度は流量だけに依存していることがわかる。
【0017】
図9に、従来のディフューザ羽根を固定した装置での全体性能と、本発明による装置での性能の比較を示す。本発明による装置の性能は従来のものに比べて、締切り流量付近まで安定して運転できることがわかる。
【0018】
図10は、本発明の可変案内羽根付き流体機械の他の実施例の処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップ1で入口案内羽根(図でIGVと表記)の角度の設定を行う。次に、ステップ2で吸込流量を測定し、ステップ3で図4に示す無次元吸込流量とディフューザ羽根角度を決定する。そして、ステップ4でディフューザ羽根角度の変更を行う。さらに、ステップ5で、入口案内羽根の角度が90度(全閉状態)か否かを判断し、全閉であれば制御を終了する。全閉でなければ、ステップ6においてヘッドが所定値を満足するか否かを判定し、所定値であれば制御を終了する。所定値を満足しない場合は、ステップ7で、さらにヘッドが所定値よりも大きいか否かを判断し、所定値よりも大きい場合には入口案内羽根の角度を増加(閉方向)させ(ステップ8)、小さい場合には入口案内羽根の角度を減少(開方向)させる(ステップ9)ように制御する。
なお、図5乃至図10に図示した実施例においては、制御装置を1ユニット設置した例を示したが、制御装置を機能別に分離して複数の制御装置としてもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、流体機械を設計点流量以下の流量域で運転したときに発生するサージング等の不安定現象を回避して、流体機械を広い流量範囲で運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】羽根車出口の流体の状態を示す模式図である。
【図2】無次元流量とディフューザ損失との関係を示す図である。
【図3】無次元流量と無次元ヘッド係数との関係を示す図である。
【図4】無次元吸込流量とディフューザ羽根角度との関係を示す図である。
【図5】本発明の可変案内羽根付き流体機械の一例である単段遠心圧縮機を示す縦断面図である。
【図6】図5の部分側面図である。
【図7】本発明の可変案内羽根付き流体機械の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施例の可変案内羽根付き流体機械の効果を説明するグラフである。
【図9】無次元流量と効率及びヘッド係数との関係を示す図である。
【図10】本発明の可変案内羽根付き流体機械の他の実施例の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 羽根車
3 ディフューザ部
3a ディフューザ羽根
4 歯車
5 アクチュエータ
6 検出装置
7 制御装置
Claims (2)
- ディフューザ羽根を具備した流体機械において、
流体機械の吸込量を検出する検出装置と、前記ディフューザ羽根の角度を制御する駆動機構と、低流量領域の吸込流量に対して予め求められたディフューザ羽根の最適角度の関係が締切領域に到る迄略直線関係にあることを記憶した制御装置とを備え、該制御装置は、上記検出装置によって検出された前記吸込流量が低流量領域に存在する時に、前記吸込流量から前記最適角度にディフューザ羽根角度を決定し制御すると共に、ヘッドが所定値を満足しない場合に、羽根車の回転数を制御することを特徴とする可変案内羽根付き流体機械。 - 前記流体機械は入口案内羽根を有し、前記制御装置は、上記ディフューザ羽根角度を変えたときにヘッドが所定値を満足しない場合に、前記流体機械の入口案内羽根角度を変えることを特徴とする請求項1記載の可変案内羽根付き流体機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14250195A JP3606637B2 (ja) | 1994-05-23 | 1995-05-17 | 可変案内羽根付き流体機械 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-132559 | 1994-05-23 | ||
JP13255994 | 1994-05-23 | ||
JP14250195A JP3606637B2 (ja) | 1994-05-23 | 1995-05-17 | 可変案内羽根付き流体機械 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002255316A Division JP2003097494A (ja) | 1994-05-23 | 2002-08-30 | 可変案内羽根付き流体機械 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0842490A JPH0842490A (ja) | 1996-02-13 |
JP3606637B2 true JP3606637B2 (ja) | 2005-01-05 |
Family
ID=26467102
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14250195A Expired - Fee Related JP3606637B2 (ja) | 1994-05-23 | 1995-05-17 | 可変案内羽根付き流体機械 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3606637B2 (ja) |
-
1995
- 1995-05-17 JP JP14250195A patent/JP3606637B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0842490A (ja) | 1996-02-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041005 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
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