JP3093963B2 - 可変案内羽根付き流体機械 - Google Patents

可変案内羽根付き流体機械

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JP3093963B2
JP3093963B2 JP07256718A JP25671895A JP3093963B2 JP 3093963 B2 JP3093963 B2 JP 3093963B2 JP 07256718 A JP07256718 A JP 07256718A JP 25671895 A JP25671895 A JP 25671895A JP 3093963 B2 JP3093963 B2 JP 3093963B2
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  • Control Of Positive-Displacement Air Blowers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠心及び斜流形の液体
ポンプ、気体用のブロワ、圧縮機などの流体機械に係
り、特に入口案内羽根及びディフューザ羽根付き流体機
械に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、遠心及び斜流のポンプ
を設計点以外の流量域で運転すると、羽根車、ディフュ
ーザなどの各構成要素で流れの剥離等が発生し、これら
の原因によって、当該ポンプの効率が、設計点流量のそ
れと比べて低下する欠点があった。これを解決するため
に、ポンプに可変の入口案内羽根やディフューザ羽根を
取付けてこれを流れに適合するように動かして運転する
方法が取られてきた。
【0003】その代表的なものとして、特公平4−18
158号、特公平4−18159号、特開昭63−23
9398号、特開昭63−230999号、特開昭55
−107097号等がある。
【0004】ところで、ディフューザ羽根を当該ポンプ
の運転状態に適合させるように最適に制御するには、羽
根車から流出する流れを前もって正確に把握しておく必
要がある。さらに、入口案内羽根があるポンプでは、入
口案内羽根の角度を変えると羽根車から流出する流れ
が、案内羽根の角度ごとに変化してしまうので、当該ポ
ンプの性能を入口案内羽根の角度ごとに前もって把握し
ておく必要がある。
【0005】上記のような従来の技術においては、入口
案内羽根の角度ごとにディフューザ羽根角度を決めて試
験を行い、このデータを基に案内羽根を制御しなければ
ならないので、制御方法が非常に複雑になり、装置およ
び制御用ソフトに多大なコストがかかる欠点があった。
さらに、当該ポンプを装置に組み込んで、最も適した案
内翼の角度で運転するには最適値を自動的に選択するま
での時間がかかるなどの欠点が多かった。
【0006】羽根車出口の流れ角度を算出する方法とし
て、特開平4−81598号があるが、この方法では流
れ角度を算出する方法にいくつかの仮定が入るのと、一
般に羽根車出口では流れが歪むため壁面の静圧から流れ
角度を算出することに無理があり、さらに流れが不安定
となる領域では、精度上に問題があるなどの欠点が多か
った。
【0007】また、ディフューザ羽根に圧力孔を設け、
この圧力を測定して羽根車から流出する流れ方向を算出
する方法として特開昭57−56699号があるが、こ
の方法は翼厚さの薄いディフューザ羽根では採用するこ
とができず、また、加工上のコストが掛かるなどの欠点
も多かった。
【0008】ディフューザ羽根の圧力面側、負圧面側の
壁面圧力を測定する方法としては特開昭62−5179
4号があるが、ディフューザの壁面に圧力孔があるため
にディフューザ羽根を回転させた場合、角度によって圧
力孔の相対的な位置が変わり、場合によっては圧力孔が
ディフューザ羽根の影に隠れてしまい、測定が不能とな
る欠点があった。
【0009】また、入口案内羽根やディフューザ羽根の
角度を変えるとポンプの特性が大幅に変わるために、羽
根車から流出する流れの角度を何らかの方法で把握する
手段を用いない場合は、各案内羽根の角度ごとに性能試
験を前もって詳細に行い、この試験結果をもとに入口案
内羽根やディフューザ羽根の角度を決めるという方法が
取られてきた。
【0010】さらに、この方法を用いてポンプの運転を
自動制御する場合、入口案内羽根やディフューザ羽根の
角度を、少なくとも3回は変えて(特公平4−1815
8号、特公平4−18159号)当該ポンプのその時点
での運転状態を把握して、入口案内羽根やディフューザ
羽根の角度を決定する方法を取らねばならいので、設定
までの時間がかかり、特にサージング点付近の運転など
のように瞬時に状態を決定しなければならない運転点で
は問題が多かった。
【0011】また、回転数が変わるような制御ではこれ
らの制御がさらに難しくなり、制御装置も高級になり、
装置のコストと制御ソフトのコストがかかる欠点があっ
た。
【0012】ディフューザ羽根上に圧力孔を設けてこの
圧力を測定して羽根の角度を決める方法として特開昭5
7−56699号があるが、羽根車から流出する流れ
は、ポンプの作動状態によって幅方向に大きく変化する
ために、ディフューザ羽根の中央付近だけで測定する
と、流れ角度の誤差が大きいという欠点がある。
【0013】また、ディフューザ羽根面上に圧力孔があ
るので、流れの全圧を測定する場合もあり、高速の流れ
を扱うものでは静圧に比べて圧力レベルが大きくなっ
て、圧力検出装置として測定範囲の過大なものを使う必
要があり、測定精度に問題が生じる欠点があった。ま
た、この方法は、翼厚さの薄いディフューザ羽根では採
用することができず、コストも掛かるなどの問題もあっ
た。
【0014】本発明は上述の事情に鑑みなされたもの
で、流体機械を設計点流量以下の流量域で運転したとき
に発生する不安定現象を回避し、さらに不安定現象の生
じない領域では最も性能が高くなるようにディフューザ
羽根を制御して流体機械を広い流量範囲で高性能に運転
できる可変案内羽根付き流体機械を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、角度を可変としたディフューザ羽根を具備した流体
機械において、羽根車からの流出角度を算定する手段を
備え、前記ディフューザ羽根を前記羽根車からの流出角
度に対して最大揚力が得られる迎え角相当角だけ傾けた
状態で保持するように制御する制御駆動装置を有するこ
とを特徴とする可変案内羽根付き流体機械である
た、流体機械本体及び/又は配管に圧力、流速、温度又
は振動等の状態量検出手段を設け、これにより流出角度
とディフューザ羽根角度の偏差を推定してディフューザ
羽根角度を調整するようにしてもよい 求項2に記載
の発明は、角度を可変としたディフューザ羽根を具備し
た流体機械において、基準流量を設定し、この基準流量
より大きい流量においては、ディフューザ羽根を羽根車
からの流出角度に対して最大揚力が得られる迎え角相当
角だけ傾けた状態で保持するように制御し、上記基準流
量以下においては、変動圧力検出装置で検出された圧力
値の変動値を算出し、この変動値が予め定められたしき
い値以下、あるいはこの変動値が最小値になるまでディ
フューザ羽根を制御する制御装置とを備えたことを特徴
とする可変案内羽根付き流体機械である。
【0016】図1は、この発明に想到するに至った考え
方を説明するもので、羽根車8出口の状態を示す模式図
である。羽根車8から流出する流体の流れ方向をa(設
計流量),b(小流量),c(大流量)の矢印で示す。
この図から明らかなように、設計点以外の流量では、大
流量ではディフューザ羽根4の圧力面側、小流量ではデ
ィフューザ羽根4の負圧面側の流れの迎え角が過大にな
り、流れが剥離してしまう。この結果、図2(a)に無
次元吸込流量と無次元ディフューザ損失との関係として
示すように、ディフューザでの損失が増大する。その結
果、ポンプの全体性能は、図2(b)に無次元吸込流量
とポンプ効率との関係として示すように設計点より小流
量側及び大流量側で効率が低下してしまう。
【0017】本発明のディフューザ羽根は、羽根と羽根
の間のピッチ(節)と羽根の弦長との比である弦節比が
小さい小弦節比ディフューザ羽根を用いている。このデ
ィフューザ羽根は、通常用いられている羽根付きディフ
ューザとその原理が全く異なっている。通常の羽根付き
ディフューザは羽根と羽根の間で流路を形成し、入口と
出口で形成される流路の拡大を用いて流れを減速させて
昇圧を行わせるものである。しかし、本発明に用いたデ
ィフューザ羽根は、取付けのピッチが粗く、羽根間では
流路が構成されない。このディフューザの昇圧の原理
は、流れに置かれた翼の周りの循環によって静圧回復を
行わせるようにしたものである。以下にその説明を示
す。
【0018】流れにおかれた翼の周りの循環は、以下の
式で表される。 Γ=(Cu1−Cu2)t (1) ここで、Cu:ディフューザの周方向の速度成分 t:翼のピッチ 添字1:ディフューザ入口 2:ディフューザ出口 と表され、ディフューザ出口の静圧は Ps2=ρ(Cu1 2−Cu2 2)/2+Ps1 =ρ(Cu1−Cu2)・(Cu1+Cu2)/2+Ps1 =ρΓ(Cu1+Cu2)/2t+Ps1 (2) ρ:流体の密度 と表される。
【0019】羽根の循環はまた次の式で示される。 Γ=L/(W・ρ) (3) ここで、 L:羽根の揚力 W:羽根上流速度 翼に働く揚力は次式で与えられる。 L=CL・l・ρ・W2/2 (4) CL:羽根の揚力係数 l:羽根長さ よって、 Γ=CL・l・W/2 (5) と表され、循環の大きさが揚力係数に比例していること
がわかる。一般に、翼の性能は翼に対する流れの迎え角
に依存し、迎え角が大きくなるに連れて揚力係数も増大
するが、迎え角が大きくなり過ぎると翼の負圧面で流れ
が剥離して失速を起こす。揚力と迎え角の関係は風胴実
験等によって求められている。
【0020】本発明のディフューザは、この原理に基づ
いて翼形形状を持つ羽根を周方向に配置して、遠心ディ
フューザとして構成したものである。式(2)によって
ディフューザ出口の圧力は翼の循環量に依存し、式
(5)によってその循環量は翼の揚力係数に比例するこ
とがわかる。従って、ディフューザ出口の圧力を高める
には羽根の迎え角を剥離しない程度に大きくして、高い
揚力係数を保つようにすればよいことになる。
【0021】本発明では、羽根車から流出する流れの方
向を検出する。そして、揚力係数の最大量にある割合を
乗じた揚力係数になるところでの迎え角βを求め、羽根
車出口の流れ角αにこの迎え角βを加えてディフューザ
羽根が最も有効に作用する角度を計算し、現時点のディ
フューザ羽根との偏差角を求め、これを一致させるよう
にディフューザ羽根を制御するものである。
【0022】翼の揚力係数にある割合を乗じるのは、遠
心ディフューザの場合は半径が増大するに従って面積が
増大して流れの減速が起こるので、翼面上の境界層に対
して逆の圧力勾配が大きくなり、単独翼あるいは2次元
翼列の試験結果よりも失速が早く起こることを考慮した
ものである。この割合はディフューザでの昇圧の程度に
よって異なるので、設計状態に応じて適正に決定する必
要がある。この適正値は予め実験によって決定してもよ
いし、数値計算等によって求めてもよい。
【0023】図3は、ディフューザ羽根角度を3種類変
えた場合、ディフューザ部の静圧力回復係数をディフュ
ーザ羽根に対する流れの迎え角を横軸にとって実験的に
調べた結果を示すもので、この実験の場合、ディフュー
ザでの静圧回復係数が最大を示すのは迎え角が3度程度
のときであることがわかる。この角度は流れのマッハ
数、レイノルズ数、羽根が取付けられるディフューザ
幅、羽根車から流出する幅方向の流れの歪み等によって
変わるので、機種によって予め決定しておくか、ディフ
ューザでの運転状態を監視してディフューザ羽根角度を
決定する必要がある。次に、ディフューザでの運転状態
を監視してディフューザ羽根角度を決定する方法を述べ
る。
【0024】ディフューザ羽根の角度によってディフュ
ーザでの静圧上昇値が大きく変化するのは図3に示した
実験結果から明らである。図3で、迎え角0度は羽根車
から流出する流れの方向とディフューザ羽根角度とが一
致した場合で、これはディフューザ入口と出口の静圧力
を測定することによって検出することが可能である。な
お、ディフューザ入口と出口の静圧力を測定する代わり
に圧縮機入口、出口の圧力等を測定することによって、
ディフューザ部での性能を検出することも可能である。
【0025】図3に示したように、ディフューザ羽根角
度が適正値を越えると静圧回復量が低下し始めるので、
まず、ディフューザ羽根の度を羽根車から流出する流れ
の角度に一致させてから、これを少しずつずらせてゆ
き、ディフューザ入口、出口の静圧力差が最大となる時
のディフューザ羽根角度を検出すれば、最適な角度の状
態に設定することが可能である。あるいは、ディフュー
ザ出口付近の静圧力を1点だけ測定し、ディフューザ羽
根の角度が羽根車から流出する流れの角度に一致したと
きとの圧力と比較してその値が最大となる時のディフュ
ーザ羽根角度を検出すれば、最適な角度の状態に設定す
ることが可能である。
【0026】さらに、ディフューザ羽根角度が大きくな
り過ぎるとディフューザ羽根面上で失速が起きるので、
羽根面上あるいはディフューザ壁面上に変動圧力を検出
できる圧力センサや、流れの壁面剪断応力を測定できる
センサ等を取付けておいて、これらのセンサの出力信号
から境界層の剥離を検出することによって、剥離が生じ
ない角度までディフューザ羽根の角度を変えて、最適な
角度に設定することが可能である。
【0027】また、発明者らは、ポンプの吸い込み配
管、ディフューザ、吐出配管にそれぞれ圧力センサを取
付けて、圧縮機の流量を変化させる実験を行った。図4
(a)は上記センサの出力の波形信号を示すものであ
り、左側がディフューザの周方向2カ所の位置で測定し
た圧力変動、右側が吸込配管及び吐出配管で測定した圧
力変動の測定結果を示すものである。この図から明らか
なように、流量が設計点流量より少なくなると、まずデ
ィフューザでの圧力の変動値が大きくなり(の左
図)、さらに流量を低下させると配管での変動が大きく
なり(の右図)、サージングが発生することがわか
る。
【0028】図4(b)は、設計流量を基準とした無次
元流量と圧縮機のヘッドを設計流量でのヘッドを基準と
して無次元化した無次元ヘッド係数との関係を示す図で
ある。図4(b)における,,は、それぞれ図4
(a)の3通りの流量,,に対応している。従っ
て、このような状態量の変動を定量的に把握することに
より、適当なしきい値に基づいてサージング発生を回避
した安定な運転を行なうことが可能である。
【0029】
【実施例】以下、本発明に係る可変案内羽根付き流体機
械の一実施例を図5乃至図11を参照して説明する。
【0030】図5及び図6は本発明が適用される単段遠
心圧縮機を示す図であり、図5はその縦断面図、図6は
その部分側面図である。これらの図に示されるように、
ディフューザ羽根4は複数の歯車11を介して第1制御
駆動装置の一部を構成するアクチュエータ12に連結さ
れ、羽根角度は可変になっている。また入口案内羽根6
は複数の歯車13を介して第2制御駆動装置の一部を構
成するアクチュエータ14に連結され、羽根角度は可変
になっている。
【0031】図7は、本発明の可変案内羽根付き流体機
械の制御機構を説明するブロック図である。図7に示さ
れるように可変案内羽根付きポンプは、演算部1と記憶
部2とからなる演算処理装置Uと、必要とされるポンプ
の運転状態を入力できる入力装置3、ディフューザ羽根
4を可変制御できる第1制御駆動装置5と、入口案内羽
根6を可変制御できる第2制御駆動装置7、羽根車8の
回転数、即ちポンプの回転数を制御できる第3制御駆動
装置9を備えている。
【0032】図8はディフューザ羽根の取付けられる盤
上に設けた圧力孔の説明図であり、図8(a)は正面
図、図8(b)は断面図である。これらの穴は一つの盤
上でも別の盤上に1つずつでも構わない。図8に示され
るように、ディフューザ羽根4の取り付けられる円盤1
0上に圧力孔11が設けられている。11−1はディフ
ューザ羽根圧力面の圧力検出用圧力孔、11−2はディ
フューザ羽根負圧面の圧力検出用圧力孔、11−3は入
口側に設けた基準圧力の検出用圧力孔を示す。この3個
の圧力孔にはそれぞれ圧力検出器が設けられ、これよっ
てそれぞれの位置での圧力が検出される。
【0033】圧力検出器の出力は、図7に示すように制
御機構の演算処理装置Uに入力され、ここにおいて、圧
力孔11−3の圧力によって流れの動圧ΔPdが計算さ
れる。演算処理装置Uは、さらに圧力孔11−1と圧力
孔11−2の圧力差(P1−P2)を計算し、これとΔP
dの比、ξ=(P1−P2)/ΔPdを求め、この値から
当該ディフューザの羽根角度を算出する。これは、例え
ば図9に示すグラフに沿って行われる。この図は、本発
明者が圧縮機を用いて得たデータをまとめて、横軸は、
各運転点の流量を設計点の流量で無次元化した無次元流
量、縦軸は、本発明によるディフューザ羽根の角度を取
って示したものである。
【0034】図9において、無次元流量が0.6より大
きな流量では、図8に示した11−3における圧力によ
って流れの動圧ΔPdを計算し、圧力孔11−1及び1
1−2における圧力の差(P1−P2)との比ξ=(P1
−P2)/ΔPdを求め、この値から当該ディフューザ
の羽根角度とこれに適当な迎え角β(図10)を加えた
角度を演算処理装置Uにより算出し、さらにディフュー
ザ羽根4を第1駆動装置5によって可変制御して決定し
た羽根角度を示す。ここで、迎え角βは、記述したよう
に、揚力係数の最大量にある割合を乗じた揚力係数にな
るところでの迎え角として求める。
【0035】なお、動圧ΔPdは、以下のようにして求
められる。羽根車出口の半径方向速度成分Cm2は、Pr
を羽根車入口の圧力Piと、圧力孔11−3の圧力P3
の比(Pr=P3/Pi)とし、吸込流量をQ、羽根車出
口のブロッケージをBとすると、 Cm2=(1/Pr(1/k)Q/(πD22B) と表される。羽根車出口の周方向速度成分Cu2は、羽
根車のすべり係数をσ、羽根車の周速をU2、羽根車出
口の羽根角度をβ2とすると、 Cu2=σU2−Cm2cotβ2 と表される。従って、羽根車出口の絶対速度Cは、 C2=Cm2 2+Cu2 2 と表される。羽根車出口の密度ρ2は、羽根車入口の密
度をρ1とすると、 ρ2=ρ1(Pr(1/k) 表され、従って、羽根車出口の動圧ΔPdは、 ΔPd=C2/2ρ2 から求まる。従って、ξは、 ξ=(P1−P2)/ΔPd から求まる。
【0036】流れ角に対するξの値は、予め検定風胴に
て求めておく。図11は、その一例を示すもので、横軸
に流れに対する羽根角度、縦軸に検定時の11−1と1
1−2の差圧と、動圧ΔPd(これは、流れの全圧Pt
と静圧Psの差を測定すれば求まる。これは、上記の方
法とは異なる一般的な方法である。)の比から求めたξ
の値を示した。この曲線を記憶装置に記憶しておき、上
記方法から求めた圧縮機出口でのξから、羽根に対する
流れの角度を求めることができる。一方、羽根車出口で
の流れ角αは、 α=arctan(Cm2/Cu2) から求まるから、両者の差を計算すれば、ディフューザ
羽根の流れの角度に対しての偏差角を求めることができ
る。この偏差角度分だけディフューザ羽根の角度を修正
すれば、羽根車から流出する流れにディフューザ羽根の
角度を一致させることができる。一回で一致できない場
合は、数回このステップを繰り返せば完全に一致させる
ことが可能である。
【0037】また、図9において、無次元流量が0.6
より小さな流量域においては、図8に示した11−3の
圧力孔を変動圧力測定装置に接続して、微小時間ごとの
振幅の変動値Fpを求め、これとしきい値Fpdを比較
することによって、微小時間ごとの振幅の変動値がしき
い値以下になるようにディフューザ羽根4を第1駆動装
置5によって可変制御して決定した羽根角度を示す。変
動値Fpの求め方を図12を用いて説明する。この図に
おいて、Tは1回の変動値を算出する微小時間であり、
δtは変動値を算出する元となる圧力値Pi(Q,t)
のサンプリングピッチである。変動値Fp,Fpdは、
時間Tの間にδtのピッチで測定された状態量の単位時
間当たりの標準偏差であり、以下の式で与えられる。 Fp(Q)=[1/TΣ{Pi(Q,t)−Mi
(Q)}21/2 ただし、 Mi(Q)=1/TΣPi(Q,t) 一定のバイアスを持ついわゆるDCデータも、そうでな
いACデータもいずれも上式で取り扱うことができる。
【0038】測定時間Tは、状態量の変動の指標値を精
度良く算出でき、しかも迅速な対応が採れるように短い
時間であることが必要である。この実施例では、このよ
うな時間Tを設定する目安として60/ZN(秒)を用
いる。ここで、Nは羽根車8の回転数(回/分)で、Z
は羽根車8の羽根の枚数Zであり、従って、60/ZN
は、羽根車8が回転することによる本質的に発生する圧
力等の状態量の変動の周期である。Tは、このような本
質的変動による影響を受けない程度に大きく設定する必
要があり、従って、以下のような条件が課される。 T≧K1・60/ZN 従って、実際には、Tはこの下限値に設定すればよい。
ここで、K1は流体機械によって決まる定数で、当該機
械の試験時、あるいは量産品であればその代表品の性能
を予め調べ、定数入力装置3によって設定しておく。
【0039】次に、サンプリングピッチであるδtの設
定方法について述べる。このようなサンプリング周期δ
tは、正確な指標値を算出するという観点からは小さい
程好ましい。しかし、過度のサンプリングによりコンピ
ュータに負荷が掛かって算出に時間が掛かるのは却って
好ましくない。この実施例では、このような時間δtを
設定する目安として、ここでも60/ZN(秒)を用い
る。すなわち、δtを、羽根車2が回転することにより
本質的に発生する圧力等の状態量の変動による影響を受
けない程度に小さく設定する必要がある。従って、以下
のような条件が課される。 δt≦K・60/ZN
【0040】さらに、この実施例では、図4で説明した
ように、設計点の場合と、より低流量で運転が不安定
になる及びの場合においてそれぞれ振幅周期が異な
ることに鑑み、設定を変えるようにしている。すなわ
ち、ヘッドが右上がりになる不安定領域を検出する場
合のサンプリング周期δtは、K2・60/ZNであ
り、サージング現象を検出する場合のサンプリング周
期δtは、K3・60/ZNである。ここで、K2,K3
は流体機械によって決まる定数で、K1の場合と同様
に、当該機械の試験時、あるいは量産品であればその代
表品の性能を予め調べ、入力装置3によって設定してお
く。
【0041】流体機械の運転時の変動値は、その都度上
記のように算出されるが、サージング発生の判断基準と
なる変動値(しきい値γ)の求め方を以下に示す。図1
3は本発明者の研究によって得られたデータで、横軸
は、各運転点の流量を設計点の流量で無次元化した無次
元流量、縦軸は圧力の変動値を設計点での変動値(=F
pd)で無次元化した無次元変動値を示す。図中の○印
はディフューザ壁面での圧力の測定結果から得られたも
のを示す。ここでの条件は、以下の通りである。 N=9000rpm, Z=17 K1=2000, K2=5, K3=20
【0042】この結果から、無次元流量が0.6より小
さな流量域から無次元変動値8が増大することがわか
る。ここで、ポンプが安定的に運転できる限界値を適宜
設定してこれをしきい値とすればよい。この例では、F
p/Fpdとして1.5が限界となると判定し、しきい
値γとして1.5Fpdを用いる。次に、それぞれの流
量においてこの値がこのグラフで示されるしきい値以下
になるようにデイフューザ羽根を回転させることによ
り、図9に示した無次元流量0.6以下の領域での関係
が得られる。この図から、無次元流量が0.6より小さ
な流量におけるディフューザ羽根角度は、流量に比例し
て変わることがわかる。これとポンプの吸込流量及びヘ
ッド上昇を演算処理装置Uにより算出し、さらにディフ
ューザ羽根4を第1制御駆動装置5によって可変制御す
れば、ディフューザ羽根4を最適に制御できることにな
る。
【0043】図14に、一例として、横軸はこの装置を
取付けた遠心圧縮機の無次元流量、縦軸は上から圧力係
数及び効率をとって、この装置を取付けた遠心圧縮機の
性能を示すが、広い運転範囲で高効率な運転ができるこ
とが確認された。
【0044】図15に、ディフューザ羽根を固定して、
入口案内羽根だけを可変にした場合の遠心圧縮機の全体
性能を示すが、図14に示す本発明による装置の性能は
この図に比べて大流量、小流量とも、性能が大幅に改善
されていることが分かり、本発明による効果が明らかで
ある。ポンプの場合、回転数を変えた場合にも無次元特
性としては同一の結果が得られる。
【0045】図5乃至図14に図示した実施例において
は、演算処理装置Uを1ユニット設置した例を示した
が、演算処理装置を機能別に分離して複数の演算処理装
置としてもよい。また、制御駆動装置を第1、第2、第
3制御駆動装置に機能別に分離したが、1つの制御駆動
装置としてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、流
体機械を設計点流量以外の流量域で運転したときに発生
する不安定現象を回避して、流体機械を広い流量範囲で
運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】羽根車出口の流体の状態を示す模式図である。
【図2】(a)は、無次元吸込流量と無次元ディフュー
ザ損失との関係を示す図であり、(b)は、無次元吸込
流量とポンプ効率との関係を示す図である。
【図3】ディフューザ部の静圧力回復係数とディフュー
ザ羽根に対する流れの迎え角の関係を示す図である。
【図4】ポンプの各所における圧力変動状態を示す図で
ある。
【図5】本発明の可変案内羽根付き流体機械の一例であ
る単段遠心圧縮機を示す縦断面図である。
【図6】本発明の可変案内羽根付き流体機械の一例であ
る単段遠心圧縮機を示す部分側面図である。
【図7】本発明に係る可変案内羽根付き流体機械の一実
施例を示すブロック図である。
【図8】ディフューザ羽根の取付けられる盤上に設けた
圧力孔を示す図であり、(a)は正面図、(b)は断面
図である。
【図9】無次元流量とディフューザ羽根角度との関係を
示すグラフである。
【図10】羽根車出口の流体の状態を示す模式図であ
る。
【図11】子め検定風胴にて求めた流れ角に対するξの
関係を示すグラフである。
【図12】本発明の可変案内羽根付き流体機械における
変動値の求め方を説明するグラフである。
【図13】本発明の可変案内羽根付き流体機械における
しきい値の求め方を示すグラフである。
【図14】本発明の無次元流量と効率及びヘッド係数と
の関係を示す図である。
【図15】従来の技術の無次元流量と効率及びヘッド係
数との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04D 27/00 101

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角度を可変としたディフューザ羽根を具
    備した流体機械において、羽根車からの流出角度を算定する手段を備え、前記 ディ
    フューザ羽根を前記羽根車からの流出角度に対して最大
    揚力が得られる迎え角相当角だけ傾けた状態で保持する
    ように制御する制御駆動装置を有することを特徴とする
    可変案内羽根付き流体機械。
  2. 【請求項2】 角度を可変としたディフューザ羽根を具
    備した流体機械において、 基準流量を設定し、この基準流量より大きい流量におい
    ては、ディフューザ羽根を羽根車からの流出角度に対し
    最大揚力が得られる迎え角相当角だけ傾けた状態で保
    持するように制御し、 上記基準流量以下においては、変動圧力検出装置で検出
    された圧力値の変動値を算出し、この変動値が予め定め
    られたしきい値以下、あるいはこの変動値が最小値にな
    るまでディフューザ羽根を制御する制御装置とを備えた
    ことを特徴とする可変案内羽根付き流体機械。
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