JPH0979116A - ２サイクルエンジン - Google Patents
２サイクルエンジンInfo
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- JPH0979116A JPH0979116A JP7257010A JP25701095A JPH0979116A JP H0979116 A JPH0979116 A JP H0979116A JP 7257010 A JP7257010 A JP 7257010A JP 25701095 A JP25701095 A JP 25701095A JP H0979116 A JPH0979116 A JP H0979116A
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- JP
- Japan
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- piston
- fuel
- injection nozzle
- rib
- cycle engine
- Prior art date
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02F—CYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
- F02F1/00—Cylinders; Cylinder heads
- F02F1/18—Other cylinders
- F02F1/22—Other cylinders characterised by having ports in cylinder wall for scavenging or charging
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B75/00—Other engines
- F02B75/02—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
- F02B2075/022—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
- F02B2075/025—Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Fuel-Injection Apparatus (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ピストンの耐久性を図り信頼性を向上するこ
と、混合気のリーン化を容易にして低燃費を達成するこ
と、排気口にリブを備えた２サイクルエンジンにおける
リブ部の潤滑性を向上して熱変形を防止すること、を課
題とする。 【解決手段】 噴射ノズル１６をシリンダ２部を外側か
ら内側へ貫通して設けるとともに、噴射ノズル１６をピ
ストン５の上死点あるいはその近傍におけるピストンヘ
ッド５ｂの内面（裏面）に向け上向きに傾斜させ、クラ
ンクケース３へ供給される燃料の一部又は混合気の一部
を、クランクケース３内を経由させず噴射ノズル１６か
らピストンヘッド５ｂの内面に噴射させることによって
ピストン５を冷却するようにしている。
と、混合気のリーン化を容易にして低燃費を達成するこ
と、排気口にリブを備えた２サイクルエンジンにおける
リブ部の潤滑性を向上して熱変形を防止すること、を課
題とする。 【解決手段】 噴射ノズル１６をシリンダ２部を外側か
ら内側へ貫通して設けるとともに、噴射ノズル１６をピ
ストン５の上死点あるいはその近傍におけるピストンヘ
ッド５ｂの内面（裏面）に向け上向きに傾斜させ、クラ
ンクケース３へ供給される燃料の一部又は混合気の一部
を、クランクケース３内を経由させず噴射ノズル１６か
らピストンヘッド５ｂの内面に噴射させることによって
ピストン５を冷却するようにしている。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、ピストン等の冷
却機構を備えた２サイクルエンジン（２ストロークサイ
クルエンジン）に関するもので、詳しくは高出力タイプ
の２サイクルエンジンの燃料供給装置に関するものであ
る。
却機構を備えた２サイクルエンジン（２ストロークサイ
クルエンジン）に関するもので、詳しくは高出力タイプ
の２サイクルエンジンの燃料供給装置に関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】この種の２サイクルエンジンに、例えば
実開昭６０−１９４１４９号公報に記載のエンジンがあ
る。このエンジンは、図示は省略するが、ピストン・ヘ
ッド内面に冷却フィンを設け、ピストン・ヘッドとピス
トンピン孔のボスとの間に、ピストン内部からピストン
外周まで延びる貫通孔を設け、ピストンの外周側にその
貫通孔とクランク室とを連通する混合気流通通路を設け
た構造からなっている。この構造によると、エンジン運
転時に貫通孔が掃気通路の出口と対向した状態で、多量
の混合気が掃気通路を介してクランク室とピストン内部
との間を流通するので、クランク室からの混合気がピス
トン内に流入して冷却フィンに接触することにより、ピ
ストンヘッドが冷却される。
実開昭６０−１９４１４９号公報に記載のエンジンがあ
る。このエンジンは、図示は省略するが、ピストン・ヘ
ッド内面に冷却フィンを設け、ピストン・ヘッドとピス
トンピン孔のボスとの間に、ピストン内部からピストン
外周まで延びる貫通孔を設け、ピストンの外周側にその
貫通孔とクランク室とを連通する混合気流通通路を設け
た構造からなっている。この構造によると、エンジン運
転時に貫通孔が掃気通路の出口と対向した状態で、多量
の混合気が掃気通路を介してクランク室とピストン内部
との間を流通するので、クランク室からの混合気がピス
トン内に流入して冷却フィンに接触することにより、ピ
ストンヘッドが冷却される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載の２サイクルエンジンは、次のような点で改良
の余地がある。
報に記載の２サイクルエンジンは、次のような点で改良
の余地がある。
【０００４】 クランクケース（クランク室）内に流
入して温度がやや上昇した混合気を利用してピストンを
冷却するので、冷却効率が悪い。
入して温度がやや上昇した混合気を利用してピストンを
冷却するので、冷却効率が悪い。
【０００５】 ２サイクルエンジンにおいて高出力化
を図るためには、排気口の開口幅を拡大することが有効
であるが、拡大し過ぎると、ピストンリングおよびピス
トンが排気口から外方へ張り出すおそれがある。その対
策として、排気口の中央部にリブを設ける方法がある
が、この場合、ピストンリングおよびピストンとリブと
の間の接触部の面圧が高くなり、摩耗しやすくなるうえ
に、リブが高温の排気ガスにさらされるので、リブが変
形するおそれがある。
を図るためには、排気口の開口幅を拡大することが有効
であるが、拡大し過ぎると、ピストンリングおよびピス
トンが排気口から外方へ張り出すおそれがある。その対
策として、排気口の中央部にリブを設ける方法がある
が、この場合、ピストンリングおよびピストンとリブと
の間の接触部の面圧が高くなり、摩耗しやすくなるうえ
に、リブが高温の排気ガスにさらされるので、リブが変
形するおそれがある。
【０００６】また、２サイクルエンジンは、一般的に次
のような課題を具有している。すなわち、 エンジンの高出力化を推進すると、爆発回数が４サ
イクルエンジンに比べてその２倍（エンジン１回転毎に
１爆発）と多く、ピストンへの熱負荷が高いために、冷
却が不十分であると、ピストンが焼き付きを起こすおそ
れがある。
のような課題を具有している。すなわち、 エンジンの高出力化を推進すると、爆発回数が４サ
イクルエンジンに比べてその２倍（エンジン１回転毎に
１爆発）と多く、ピストンへの熱負荷が高いために、冷
却が不十分であると、ピストンが焼き付きを起こすおそ
れがある。
【０００７】 低燃費化を図るために混合気をリーン
化（希薄化）しようとすると、通常（空気／燃料濃度が
理論混合比に比べて濃い状態でのリーン化）では混合気
の温度が次第に上昇するので、上記の発生頻度が一層
高まるために低燃費化が困難である。
化（希薄化）しようとすると、通常（空気／燃料濃度が
理論混合比に比べて濃い状態でのリーン化）では混合気
の温度が次第に上昇するので、上記の発生頻度が一層
高まるために低燃費化が困難である。
【０００８】この発明は上述の点に鑑みなされたもの
で、1)とくに高出力２サイクルエンジンにおいて、ピス
トンの耐久性を図り信頼性を向上すること、2)混合気の
リーン化を容易にして低燃費を達成すること、3)排気口
にリブを備えた２サイクルエンジンにおいて、リブ部の
潤滑性を向上するとともに熱変形を防止すること、を課
題としている。
で、1)とくに高出力２サイクルエンジンにおいて、ピス
トンの耐久性を図り信頼性を向上すること、2)混合気の
リーン化を容易にして低燃費を達成すること、3)排気口
にリブを備えた２サイクルエンジンにおいて、リブ部の
潤滑性を向上するとともに熱変形を防止すること、を課
題としている。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めにこの発明の２サイクルエンジンは、噴射ノズルをシ
リンダ部の外側から内側へ貫通し、ピストンの上死点あ
るいはその近傍における該ピストンヘッドの内面（裏
面）に向けて上向きに傾斜させて配設し、クランクケー
スへ供給される燃料の一部又は混合気の一部を、クラン
クケース内を経由させず前記噴射ノズルから前記ピスト
ンヘッドの内面に噴射させることによってピストンを冷
却するようにしている。
めにこの発明の２サイクルエンジンは、噴射ノズルをシ
リンダ部の外側から内側へ貫通し、ピストンの上死点あ
るいはその近傍における該ピストンヘッドの内面（裏
面）に向けて上向きに傾斜させて配設し、クランクケー
スへ供給される燃料の一部又は混合気の一部を、クラン
クケース内を経由させず前記噴射ノズルから前記ピスト
ンヘッドの内面に噴射させることによってピストンを冷
却するようにしている。
【００１０】請求項２記載のように、前記クランクケー
スに逆止弁を介して接続された吸気管に燃料噴射装置を
配備し、該燃料噴射装置の燃料供給部と前記噴射ノズル
とを接続することが好ましい。
スに逆止弁を介して接続された吸気管に燃料噴射装置を
配備し、該燃料噴射装置の燃料供給部と前記噴射ノズル
とを接続することが好ましい。
【００１１】請求項３記載のように、排気口の中央部に
縦向きのリブを備えた２サイクルエンジンにおいて、該
リブの幅より狭い幅の縦向きのスリットを前記ピストン
の側周面の前記リブ対応位置に形成し、前記ピストンが
上死点近傍に移動した状態で前記噴射ノズルが前記スリ
ットを通してピストンの内部に臨むようにし、前記スリ
ット部および前記ピストンヘッドの内面に前記噴射ノズ
ルから燃料又は混合気を噴射させることが一層好まし
い。
縦向きのリブを備えた２サイクルエンジンにおいて、該
リブの幅より狭い幅の縦向きのスリットを前記ピストン
の側周面の前記リブ対応位置に形成し、前記ピストンが
上死点近傍に移動した状態で前記噴射ノズルが前記スリ
ットを通してピストンの内部に臨むようにし、前記スリ
ット部および前記ピストンヘッドの内面に前記噴射ノズ
ルから燃料又は混合気を噴射させることが一層好まし
い。
【００１２】上記の構成を有する請求項１にかかる２サ
イクルエンジンによれば、ピストンが上死点又はその付
近へ移動する際に、その移動時に発生する吸引力により
あるいは燃料噴射装置による噴射力により、クランクケ
ースへ供給される直前の燃料の一部又は混合気の一部が
ピストンヘッドの内面へ向けて噴射される。そしてピス
トンヘッドの内面に噴射された燃料が気化することによ
ってピストンヘッド部分を中心に冷却され、ピストン全
体の温度上昇が抑えられる。本発明ではクランクケース
へ供給される前の燃料又は混合気が噴射されるが、それ
らの温度はクランクケース内に供給されたものに比べて
かなり低いので、ピストンの冷却作用が高く、効果的に
冷却される。
イクルエンジンによれば、ピストンが上死点又はその付
近へ移動する際に、その移動時に発生する吸引力により
あるいは燃料噴射装置による噴射力により、クランクケ
ースへ供給される直前の燃料の一部又は混合気の一部が
ピストンヘッドの内面へ向けて噴射される。そしてピス
トンヘッドの内面に噴射された燃料が気化することによ
ってピストンヘッド部分を中心に冷却され、ピストン全
体の温度上昇が抑えられる。本発明ではクランクケース
へ供給される前の燃料又は混合気が噴射されるが、それ
らの温度はクランクケース内に供給されたものに比べて
かなり低いので、ピストンの冷却作用が高く、効果的に
冷却される。
【００１３】請求項２記載の２サイクルエンジンでは、
ピストンが上死点近傍へ移動するときの吸引力（吸い込
み力）に頼らず、燃料噴射装置による噴射力で燃料がピ
ストンヘッドの内面に強制的に噴射されるから、効率良
くピストンを冷却できる。
ピストンが上死点近傍へ移動するときの吸引力（吸い込
み力）に頼らず、燃料噴射装置による噴射力で燃料がピ
ストンヘッドの内面に強制的に噴射されるから、効率良
くピストンを冷却できる。
【００１４】請求項３記載の２サイクルエンジンでは、
ピストンが上死点又はその付近へ移動する際に、ピスト
ンのスリットを通して噴射ノズルから燃料又は混合気が
ピストンの内面に向けて噴射されると同時に、スリット
の近傍および排気口のリブに向けても噴射される。した
がってピストンが冷却されるだけでなく、リブが冷却さ
れて熱的変形が抑制されるとともに、リブに噴射された
燃料によりピストンあるいはピストンリングとの間の潤
滑性が向上され、リブの摩耗が軽減される。
ピストンが上死点又はその付近へ移動する際に、ピスト
ンのスリットを通して噴射ノズルから燃料又は混合気が
ピストンの内面に向けて噴射されると同時に、スリット
の近傍および排気口のリブに向けても噴射される。した
がってピストンが冷却されるだけでなく、リブが冷却さ
れて熱的変形が抑制されるとともに、リブに噴射された
燃料によりピストンあるいはピストンリングとの間の潤
滑性が向上され、リブの摩耗が軽減される。
【００１５】
【発明の実施の形態】以下、この発明の２サイクルエン
ジンについてその実施形態を図面に基づいて説明する。
ジンについてその実施形態を図面に基づいて説明する。
【００１６】図１は本実施例の２サイクルエンジンの要
部を概略的に示す断面図で、ピストンが上死点付近に上
がった状態を表し、図２は図１の２サイクルエンジンの
ピストンが下死点付近へ下がった状態を概略的に示す断
面図である。図３は図２のIII−III線断面図で、図４は
ピストンを示す斜視図である。
部を概略的に示す断面図で、ピストンが上死点付近に上
がった状態を表し、図２は図１の２サイクルエンジンの
ピストンが下死点付近へ下がった状態を概略的に示す断
面図である。図３は図２のIII−III線断面図で、図４は
ピストンを示す斜視図である。
【００１７】図１および図２に示すように、２サイクル
エンジン１は、シリンダ２の上端にシリンダヘッド２ａ
をボルト２ｂで一体に締結し、シリンダ２の下端にクラ
ンクケース３を一体に形設した一般的な構造からなる。
クランクケース３内にはクランク４が回転可能にクラン
クシャフト４ａにより軸支され、シリンダ２内に摺動自
在に配装されたピストン５のピストンピン５ａとクラン
クシャフト４ａとが、コンロッド６を介して連結されて
いる。シリンダ２の内部とクランクケース３の内部とは
複数の掃気通路７により連通され、各掃気通路７の上端
の掃気口７ａ（図２）はシリンダ２内に臨んでいる。
エンジン１は、シリンダ２の上端にシリンダヘッド２ａ
をボルト２ｂで一体に締結し、シリンダ２の下端にクラ
ンクケース３を一体に形設した一般的な構造からなる。
クランクケース３内にはクランク４が回転可能にクラン
クシャフト４ａにより軸支され、シリンダ２内に摺動自
在に配装されたピストン５のピストンピン５ａとクラン
クシャフト４ａとが、コンロッド６を介して連結されて
いる。シリンダ２の内部とクランクケース３の内部とは
複数の掃気通路７により連通され、各掃気通路７の上端
の掃気口７ａ（図２）はシリンダ２内に臨んでいる。
【００１８】シリンダ２の各掃気口７ａよりやや高い位
置に排気口８が形成され、この排気口８の中央部にはリ
ブ９が縦向きに形成されている。またシリンダ２の内周
壁およびリブ９の内壁に、シリンダライナ１０が装着さ
れている。また、クランクケース３には吸気管１１の一
端が連結され、その入口（吸気口）にリードバルブ１２
が介設されている。吸気管１１には燃料噴射装置１３が
配備され、本例では吸気管１１の下流側に接続されるエ
アクリーナ（図示せず）を通して吸気管１１内に吸引供
給される空気と、燃料噴射装置１３の燃料供給部（図示
せず）から噴射される燃料とが吸気管１１内で混合さ
れ、混合気としてクランクケース３内へ噴射されるよう
になっている。
置に排気口８が形成され、この排気口８の中央部にはリ
ブ９が縦向きに形成されている。またシリンダ２の内周
壁およびリブ９の内壁に、シリンダライナ１０が装着さ
れている。また、クランクケース３には吸気管１１の一
端が連結され、その入口（吸気口）にリードバルブ１２
が介設されている。吸気管１１には燃料噴射装置１３が
配備され、本例では吸気管１１の下流側に接続されるエ
アクリーナ（図示せず）を通して吸気管１１内に吸引供
給される空気と、燃料噴射装置１３の燃料供給部（図示
せず）から噴射される燃料とが吸気管１１内で混合さ
れ、混合気としてクランクケース３内へ噴射されるよう
になっている。
【００１９】さて、本発明にかかる２サイクルエンジン
は次の特徴的構成を備えている。すなわち、図４のよう
に、ピストン５のスカート部５’には縦向きのスリット
１５が貫通して形成されている。このスリット１５は、
図３から分かるように、リブ９の幅よりも狭く且つリブ
９と対応する位置に配置されている。このため、ピスト
ン５が排気口８よりも上方にあるときには、スリット１
５がリブ９で覆われるため、排気口８はピストン５によ
って閉塞される。
は次の特徴的構成を備えている。すなわち、図４のよう
に、ピストン５のスカート部５’には縦向きのスリット
１５が貫通して形成されている。このスリット１５は、
図３から分かるように、リブ９の幅よりも狭く且つリブ
９と対応する位置に配置されている。このため、ピスト
ン５が排気口８よりも上方にあるときには、スリット１
５がリブ９で覆われるため、排気口８はピストン５によ
って閉塞される。
【００２０】また、図１に示すように排気口８のリブ９
の位置のすぐ下方に、燃料の噴射ノズル１６がシリンダ
２の下部側周壁２ｃを貫通し、ノズル先端１６ａをシリ
ンダ２内に臨ませて上向きに傾斜して配設されている。
噴射ノズル１６の向きは、図１のように、ピストン５が
上死点付近に達した状態で、ピストンヘッド５ｂの内面
に形成された冷却フィン５ｃにほぼ均等に噴射されるよ
うに設定されている。噴射ノズル１６の基端側は燃料送
給パイプ１７により、燃料噴射装置１３の燃料供給部
（図示せず）と接続され、燃料送給パイプ１７と噴射ノ
ズル１６との間には逆止弁１８が介設されている。そし
て、燃料噴射装置１３から噴射される燃料の一部（例え
ば１０〜２０％）が、噴射ノズル１６を通してピストン
ヘッド５ｂの内面およびその周辺へ噴射される。また、
本例では噴射ノズル１６からリブ９の内面（ライナ１
０）へも燃料が噴射される。
の位置のすぐ下方に、燃料の噴射ノズル１６がシリンダ
２の下部側周壁２ｃを貫通し、ノズル先端１６ａをシリ
ンダ２内に臨ませて上向きに傾斜して配設されている。
噴射ノズル１６の向きは、図１のように、ピストン５が
上死点付近に達した状態で、ピストンヘッド５ｂの内面
に形成された冷却フィン５ｃにほぼ均等に噴射されるよ
うに設定されている。噴射ノズル１６の基端側は燃料送
給パイプ１７により、燃料噴射装置１３の燃料供給部
（図示せず）と接続され、燃料送給パイプ１７と噴射ノ
ズル１６との間には逆止弁１８が介設されている。そし
て、燃料噴射装置１３から噴射される燃料の一部（例え
ば１０〜２０％）が、噴射ノズル１６を通してピストン
ヘッド５ｂの内面およびその周辺へ噴射される。また、
本例では噴射ノズル１６からリブ９の内面（ライナ１
０）へも燃料が噴射される。
【００２１】本例では、燃料噴射装置１３から燃料を噴
射ノズル１６へ供給するが、これに代えて、燃料噴射装
置１３の燃料供給部から吸気管１１内に燃料を噴射し、
空気と混合した状態の、いわゆる混合気の一部（例えば
１５％）を燃料送給パイプ１７により噴射ノズル１６へ
送給し、ピストン５のヘッド５ｂの内面に噴射するよう
にしてもよい。なお、図１および図２における符号２１
は点火プラグ、２２はシリンダ２のウオータジャケッ
ト、２３はシリンダヘッド２ａのウオータジャケットを
示す。図４の符号２４はピストンピン孔を示す。
射ノズル１６へ供給するが、これに代えて、燃料噴射装
置１３の燃料供給部から吸気管１１内に燃料を噴射し、
空気と混合した状態の、いわゆる混合気の一部（例えば
１５％）を燃料送給パイプ１７により噴射ノズル１６へ
送給し、ピストン５のヘッド５ｂの内面に噴射するよう
にしてもよい。なお、図１および図２における符号２１
は点火プラグ、２２はシリンダ２のウオータジャケッ
ト、２３はシリンダヘッド２ａのウオータジャケットを
示す。図４の符号２４はピストンピン孔を示す。
【００２２】次に、上記のように構成された本例にかか
る２サイクルエンジン１について、その動作を説明す
る。
る２サイクルエンジン１について、その動作を説明す
る。
【００２３】 図１に示すように、ピストン５が下死
点（図２）付近からシリンダ２内を上昇する際に、燃料
噴射装置１３から燃料が吸気管１１内に噴射されて空気
と混合され、混合気として開放されたリードバルブ１２
からクランクケース３内に流入する。同時に、燃料噴射
装置１３から燃料の一部が燃料送給パイプ１７を通って
噴射ノズル１６へ送られ、この噴射ノズル１６から、ピ
ストン５のスリット１５を通してピストンヘッド５ｂの
内面の冷却フィン５ｃおよびリブ９の内面（ライナ１
０）に噴射される。この結果、燃料が気化するときの潜
熱作用でピストンヘッド５ｂ部およびリブ９がそれぞれ
冷却される。また、リブ９の内面に噴射された燃料は潤
滑剤としても機能するため、ピストン５あるいはピスト
ンリング（図示せず）とリブ９との間の摩擦が低減され
る。
点（図２）付近からシリンダ２内を上昇する際に、燃料
噴射装置１３から燃料が吸気管１１内に噴射されて空気
と混合され、混合気として開放されたリードバルブ１２
からクランクケース３内に流入する。同時に、燃料噴射
装置１３から燃料の一部が燃料送給パイプ１７を通って
噴射ノズル１６へ送られ、この噴射ノズル１６から、ピ
ストン５のスリット１５を通してピストンヘッド５ｂの
内面の冷却フィン５ｃおよびリブ９の内面（ライナ１
０）に噴射される。この結果、燃料が気化するときの潜
熱作用でピストンヘッド５ｂ部およびリブ９がそれぞれ
冷却される。また、リブ９の内面に噴射された燃料は潤
滑剤としても機能するため、ピストン５あるいはピスト
ンリング（図示せず）とリブ９との間の摩擦が低減され
る。
【００２４】この間に、クランクケース３内に流入した
混合気が掃気通路７からシリンダ２内のピストン５の上
方に流入し、上昇するピストン５により徐々に圧縮さ
れ、ピストン５が上死点に達した状態で点火プラグ２１
が点火され、爆発する。
混合気が掃気通路７からシリンダ２内のピストン５の上
方に流入し、上昇するピストン５により徐々に圧縮さ
れ、ピストン５が上死点に達した状態で点火プラグ２１
が点火され、爆発する。
【００２５】 ピストン５が下降を始め、排気口８が
開口すると、排気ガスが排気口８から排出される。そし
て、ピストン５は下死点まで下降するが、この状態で
は、図２のように噴射ノズル１６はピストン５で閉塞さ
れているから、噴射ノズル１６から燃料が噴射されるこ
とがなく、またピストン５が下降する間に、噴射ノズル
１６から混合気等が逆流しようとしても、逆止弁１８に
よって燃料噴射装置１３への逆流は阻止される。
開口すると、排気ガスが排気口８から排出される。そし
て、ピストン５は下死点まで下降するが、この状態で
は、図２のように噴射ノズル１６はピストン５で閉塞さ
れているから、噴射ノズル１６から燃料が噴射されるこ
とがなく、またピストン５が下降する間に、噴射ノズル
１６から混合気等が逆流しようとしても、逆止弁１８に
よって燃料噴射装置１３への逆流は阻止される。
【００２６】 燃料噴射装置１３（の燃料供給部）か
ら噴射する燃料の噴射時期および噴射量は、エンジンご
とに噴射マップが作成され、その噴射マップに基づいて
コントロールされる。すなわち、例えばスロットルバル
ブ、エンジン回転数およびエンジン温度に基づいて、燃
料噴射装置１３を経由して噴射ノズル１６から噴射する
燃料又は混合気の噴射時期および噴射量がコントロール
される。これにより、一層効率的にピストン５の冷却が
行われる。
ら噴射する燃料の噴射時期および噴射量は、エンジンご
とに噴射マップが作成され、その噴射マップに基づいて
コントロールされる。すなわち、例えばスロットルバル
ブ、エンジン回転数およびエンジン温度に基づいて、燃
料噴射装置１３を経由して噴射ノズル１６から噴射する
燃料又は混合気の噴射時期および噴射量がコントロール
される。これにより、一層効率的にピストン５の冷却が
行われる。
【００２７】上記に本発明の２サイクルエンジンの一実
施例を示したが、下記のように実施することもできる。
施例を示したが、下記のように実施することもできる。
【００２８】a) 燃料噴射装置１３を配備せず、キャブ
レター（図示せず）を吸気管１１に接続し、吸気管１１
内に導入された混合気の一部を、ピストン５がシリンダ
２内を上昇する時に発生する吸引力を利用して、噴射ノ
ズル１６からピストンヘッド５ｂの内面に向けて噴射さ
せることができる。
レター（図示せず）を吸気管１１に接続し、吸気管１１
内に導入された混合気の一部を、ピストン５がシリンダ
２内を上昇する時に発生する吸引力を利用して、噴射ノ
ズル１６からピストンヘッド５ｂの内面に向けて噴射さ
せることができる。
【００２９】b) 排気口８にリブ９が設けられていない
構造のエンジン、したがってピストン５にスリット１５
を設けていない場合にも同様に適用できる。この場合に
は、例えば、噴射ノズル１６を排気口８から円周方向に
位置をずらせて、ピストン５のスカート５’の下部に形
成された半円形状の切欠き部（図１の符号５”参照）に
対応する位置に設けるとともに、噴射ノズル１６の向き
をピストンヘッド５ｂの内面に向ける。
構造のエンジン、したがってピストン５にスリット１５
を設けていない場合にも同様に適用できる。この場合に
は、例えば、噴射ノズル１６を排気口８から円周方向に
位置をずらせて、ピストン５のスカート５’の下部に形
成された半円形状の切欠き部（図１の符号５”参照）に
対応する位置に設けるとともに、噴射ノズル１６の向き
をピストンヘッド５ｂの内面に向ける。
【００３０】c) 噴射ノズル１６の向きは、必ずしもピ
ストン５の上死点におけるピストンヘッド５ｂの内面に
限らず、ピストン５が上死点に達する前（ただし、ピス
トン５のストロークの中間位置よりシリンダヘッド２ａ
寄り）におけるピストンヘッド５ｂの内面に向けてもよ
い。なお、請求項１では「ピストンの上死点あるいはそ
の近傍」と表現しているが、「その近傍」がこの例に相
当する。
ストン５の上死点におけるピストンヘッド５ｂの内面に
限らず、ピストン５が上死点に達する前（ただし、ピス
トン５のストロークの中間位置よりシリンダヘッド２ａ
寄り）におけるピストンヘッド５ｂの内面に向けてもよ
い。なお、請求項１では「ピストンの上死点あるいはそ
の近傍」と表現しているが、「その近傍」がこの例に相
当する。
【００３１】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
この発明の２サイクルエンジンには、次のような効果が
ある。
この発明の２サイクルエンジンには、次のような効果が
ある。
【００３２】(1) 先行技術に比べてピストンの冷却効率
が高く、ピストンの温度上昇を効果的に抑制するので、
ピストンの耐久性が図られ信頼性が向上し、また混合気
のリーン化が容易で低燃費化が容易に達成される。
が高く、ピストンの温度上昇を効果的に抑制するので、
ピストンの耐久性が図られ信頼性が向上し、また混合気
のリーン化が容易で低燃費化が容易に達成される。
【００３３】(2) 請求項２記載の２サイクルエンジンで
は、燃料噴射装置による噴射力で燃料あるいは混合気が
ピストンヘッドの内面に向けて強制的に噴射されるか
ら、ピストンが効率良く冷却される。
は、燃料噴射装置による噴射力で燃料あるいは混合気が
ピストンヘッドの内面に向けて強制的に噴射されるか
ら、ピストンが効率良く冷却される。
【００３４】(3) 請求項３記載の排気口にリブを備えた
２サイクルエンジンでは、ピストンが冷却されるだけで
なく、リブが冷却されて熱的変形が抑制されるととも
に、リブに噴射された燃料によりピストンあるいはピス
トンリングとの間の潤滑性が向上し、リブの摩耗が軽減
される。
２サイクルエンジンでは、ピストンが冷却されるだけで
なく、リブが冷却されて熱的変形が抑制されるととも
に、リブに噴射された燃料によりピストンあるいはピス
トンリングとの間の潤滑性が向上し、リブの摩耗が軽減
される。
【図１】本発明の一実施例にかかる２サイクルエンジン
の要部を概略的に示す断面図で、ピストンが上死点付近
に上昇した状態を表す。
の要部を概略的に示す断面図で、ピストンが上死点付近
に上昇した状態を表す。
【図２】図１の２サイクルエンジンのピストンが下死点
付近へ下がった状態を概略的に示す断面図である。
付近へ下がった状態を概略的に示す断面図である。
【図３】図２のIII−III線断面図である。
【図４】図１の２サイクルエンジンに使用するピストン
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
１ ２サイクルエンジン ２ シリンダ ３ クランクケース ５ ピストン ５ｂ ピストンヘッド ８ 排気口 ９ リブ １１ 吸気管 １３ 燃料噴射装置 １５ スリット １６ 噴射ノズル １７ 燃料送給パイプ １８ 逆止弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ０２Ｂ 25/16 Ｆ０２Ｂ 25/16 Ｒ Ｆ０２Ｆ 1/22 Ｆ０２Ｆ 1/22 Ｃ 3/22 3/22 Ｚ Ｆ０２Ｍ 61/14 ３１０ Ｆ０２Ｍ 61/14 ３１０Ｚ
Claims (3)
- 【請求項１】 噴射ノズルをシリンダ部の外側から内側
へ貫通し、ピストンの上死点あるいはその近傍における
該ピストンヘッドの内面に向けて上向きに傾斜させて配
設し、 クランクケースへ供給される燃料の一部又は混合気の一
部を、クランクケース内を経由させず前記噴射ノズルか
ら前記ピストンヘッドの内面に噴射させることによって
ピストンを冷却するようにしたことを特徴とする２サイ
クルエンジン。 - 【請求項２】 前記クランクケースに逆止弁を介して接
続された吸気管に燃料噴射装置を配備し、該燃料噴射装
置の燃料供給部と前記噴射ノズルとを接続した請求項１
記載の２サイクルエンジン。 - 【請求項３】 排気口の中央部に縦向きのリブを備えた
２サイクルエンジンにおいて、該リブの幅より狭い幅の
縦向きのスリットを前記ピストンの側周面の前記リブ対
応位置に形成し、前記ピストンが上死点近傍に移動した
状態で前記噴射ノズルが前記スリットを通してピストン
の内部に臨むようにし、前記スリット部および前記ピス
トンヘッドの内面に前記噴射ノズルから燃料又は混合気
を噴射させる請求項１又は２記載の２サイクルエンジ
ン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7257010A JP2789443B2 (ja) | 1995-09-08 | 1995-09-08 | ２サイクルエンジン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7257010A JP2789443B2 (ja) | 1995-09-08 | 1995-09-08 | ２サイクルエンジン |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0979116A true JPH0979116A (ja) | 1997-03-25 |
| JP2789443B2 JP2789443B2 (ja) | 1998-08-20 |
Family
ID=17300477
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7257010A Expired - Fee Related JP2789443B2 (ja) | 1995-09-08 | 1995-09-08 | ２サイクルエンジン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2789443B2 (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2007076811A2 (de) | 2005-12-21 | 2007-07-12 | Mahle International Gmbh | Kolben für einen verbrennungsmotor |
| CN104747272A (zh) * | 2013-12-26 | 2015-07-01 | 本田技研工业株式会社 | 带燃料喷射的二冲程发动机 |
| RU2744395C1 (ru) * | 2020-07-10 | 2021-03-09 | Владимир Александрович Ворогушин | Устройство смесеобразования двухтактного двигателя |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62111161A (ja) * | 1985-11-06 | 1987-05-22 | シユタイル−ダイムレル−プ−フ・アクチエンゲゼルシヤフト | ２サイクル内燃機関 |
| JPH02140460A (ja) * | 1987-10-26 | 1990-05-30 | Outboard Marine Corp | ２行程機関 |
| JPH03260373A (ja) * | 1990-03-09 | 1991-11-20 | Suzuki Motor Corp | 二サイクルエンジン |
-
1995
- 1995-09-08 JP JP7257010A patent/JP2789443B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62111161A (ja) * | 1985-11-06 | 1987-05-22 | シユタイル−ダイムレル−プ−フ・アクチエンゲゼルシヤフト | ２サイクル内燃機関 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2007076811A2 (de) | 2005-12-21 | 2007-07-12 | Mahle International Gmbh | Kolben für einen verbrennungsmotor |
| US7900551B2 (en) | 2005-12-21 | 2011-03-08 | Mahle International Gmbh | Piston for an internal combustion engine |
| CN104747272A (zh) * | 2013-12-26 | 2015-07-01 | 本田技研工业株式会社 | 带燃料喷射的二冲程发动机 |
| JP2015124704A (ja) * | 2013-12-26 | 2015-07-06 | 本田技研工業株式会社 | ２ストロークエンジン |
| US9546632B2 (en) | 2013-12-26 | 2017-01-17 | Honda Motor Co., Ltd. | Two-stroke engine with fuel injection |
| RU2744395C1 (ru) * | 2020-07-10 | 2021-03-09 | Владимир Александрович Ворогушин | Устройство смесеобразования двухтактного двигателя |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2789443B2 (ja) | 1998-08-20 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |