JP4120553B2 - シリンダ内壁面に掃気または排気のための開口部を備える2サイクル式内燃機関 - Google Patents

シリンダ内壁面に掃気または排気のための開口部を備える2サイクル式内燃機関 Download PDF

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Description

本発明は、シリンダ内壁面に掃気または排気のための開口部を備える2サイクル式内燃機関に関する。
2サイクル式内燃機関は、掃気(給気)および排気を行う方式の違いによって、頭上弁式、シュニーレ式、ユニフロー式の3つの方式に分類される。この内、シュニーレ式およびユニフロー式の2サイクル式内燃機関は、掃気ポートまたは排気ポートがシリンダ周壁に接続されており、シリンダ内壁面に掃気ポートまたは排気ポートの開口部(掃気口または排気口)が設けられている(例えば特許文献1)。
特開平5−44479号公報 特開平4−358765号公報 特開2002−4865号公報 実開平5−7951号公報
シリンダ内壁面に開口部(掃気口または排気口)が設けられた2サイクル式内燃機関は、シリンダ内壁面に付着した余分なエンジンオイルがピストンリングによって掻き落とされ、掃気口または排気口に排出されやすい。エンジンオイルが排気口に排出されると、エンジンオイルの補充が必要になると共に、排気エミッションへの悪影響をも引き起こす可能性があるという問題がある。また、エンジンオイルが掃気口に排出されても、排出されたエンジンオイルは次サイクルの掃気流と共にシリンダ内に運ばれ、燃焼ガスと共に排気口へと排出されるため、同様の問題が生ずる。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、シリンダ内壁面に掃気または排気のための開口部が設けられた2サイクル式内燃機関において、エンジンオイルの開口部への排出を抑制することを可能とする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の内燃機関は、2サイクル式内燃機関であって、
シリンダの周壁に接続され、ピストンの上下動によって前記シリンダに面する開口部が開閉する、掃気または排気のためのポートを備え、
前記シリンダ内壁において、前記ポートの開口部の周囲に沿って溝が設けられている、ことを特徴とする。
この内燃機関では、ピストンリングによって掻き落とされた余分なエンジンオイルが、開口部の周囲に設けられた溝内に流入するため、シリンダ内壁面の掃気または排気のための開口部へのエンジンオイルの排出を抑制することができる。
上記内燃機関において、前記溝は、前記溝の前記シリンダに面する部分の幅が、前記ピストンに設置されているピストンリングの厚さより小さい形状に形成されている、としてもよい。
この構成によれば、ピストンリングが溝内に噛み込まれて変形することを防止すると共に、ピストンリング摺動面の摩擦を抑制することができる。この結果、ガスシールを維持することができると共に、フリクションの増加を抑制することができる。
また、上記内燃機関において、前記溝は、前記溝の前記ポートの開口部の上側に位置する上側溝部と、前記溝の前記ポートの開口部の下側に位置する下側溝部とのそれぞれが、前記シリンダの中心軸に垂直な平面に平行な部分の長さが前記開口部の幅の1/2以下となるような形状に形成されているとしてもよい。
この構成によれば、ピストンリングにより掻き落とされ溝内に流入した余分なエンジンオイルは、シリンダの中心軸に垂直な平面に平行な部分においては滞留するものの、それ以外の部分においては、溝の傾斜に沿って溝内を斜め下方に流れるため、エンジンオイルの開口部への排出を、さらに抑制することができる。また、ピストンリングが溝内に噛み込まれて変形することを確実に防止することができる。
さらに、上記内燃機関において、前記溝は、前記シリンダの中心軸に垂直な平面に平行な直線部分を持たない形状に形成されているとしてもよい。
この構成によれば、エンジンオイルの開口部への排出を、さらに確実に抑制することができると共に、ピストンリングが溝内に噛み込まれて変形することをさらに確実に防止することができる。
上記内燃機関において、前記溝は、前記ポートの開口部の上側に位置する上側溝部と、前記ポートの開口部の下側に位置する下側溝部とに、分断された形状に形成されているとしてもよい。
この構成によれば、開口部が開口する直前に、溝を通って、シリンダ内の燃焼ガスがポート内あるいはクランクケース内に漏洩することを抑制することができ、高い熱効率を維持することができる。
上記内燃機関において、前記ポートを複数備え、
それぞれの前記ポートの開口部の周囲に沿って前記溝が設けられており、前記溝のそれぞれは、他の1つの前記溝に対して、前記シリンダの中心軸に関し線対称となるように設けられているとしてもよい。
この構成によれば、ピストンのピストンリングに作用する摩擦力がシリンダの中心軸に関して対称となり、ピストンおよびピストンリングの姿勢が安定し、圧縮漏れやガス漏れを抑制することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、内燃機関や、内燃機関の吸排気装置、内燃機関の吸排気方法等の態様で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.第5実施例:
F.変形例:
A.第1実施例:
図1は、本発明の第1実施例としてのガソリンエンジン100の構成を概念的に示した説明図である。図1には、ガソリンエンジン100のシリンダの中心で断面を取ったときのシリンダの構造が示されている。
このガソリンエンジン100の燃焼室は、シリンダブロック140内に設けられた中空円筒形のシリンダ142と、シリンダ142内を上下に摺動するピストン152と、シリンダブロック140の上部に設けられたシリンダヘッド130によって形成されている。本実施例では、シリンダブロック140とシリンダヘッド130とが一体となったモノブロック構造の例を用いている。なお、シリンダブロック140とシリンダヘッド130とで構成される筒状体を、広義の「シリンダ」と呼ぶ。また、本明細書においては、シリンダ142の中心軸に沿って、ピストン152がシリンダヘッド130に近づく方向を上方向と、ピストン152がシリンダヘッド130から離れる方向を下方向として説明する。
シリンダヘッド130には、混合気に火花点火を行うための点火プラグ136が設けられている。一方、シリンダブロック140には、シリンダ142内に新気を導入するための掃気ポート146と、シリンダ142内の排気ガスを排出するための排気ポート148とが設けられている。
掃気ポート146および排気ポート148はシリンダ142の周壁部に接続されており、掃気ポート146および排気ポート148のシリンダ142に面する開口部(掃気口および排気口)は、ピストン152の上下動によって開閉される。
排気ポート148の排気口の上縁は、掃気ポート146の掃気口の上縁より上方に位置し、また、排気ポート148の排気口の下縁は、掃気ポート146の掃気口の下縁より上方に位置している。従って、ピストン152が上死点から下降していくと、先に排気ポート148の排気口が開き始め、続いて掃気ポート146の掃気口が開き始める。また、先に排気ポート148の排気口が全開の状態となり、続いて掃気ポート146の掃気口が全開の状態となる。掃気ポート146の掃気口は、ピストン152の下死点近傍において全開の状態となるように構成されている。一方、ピストン152が下死点から上昇していくと、先に掃気ポート146の掃気口が閉じ始め、続いて排気ポート148の排気口が閉じ始める。また、先に掃気ポート146の掃気口が全閉の状態となり、続いて排気ポート148の排気口が全閉の状態となる。
掃気ポート146は、シリンダ142とは反対側の端部において、シリンダブロック140に設けられた給気サージタンク144に接続されている。一方、排気ポート148は、シリンダ142とは反対側の端部において、シリンダブロック140に設けられた排気サージタンク149に接続されている。また、掃気ポート146には、ポート内に燃料噴霧を噴射する燃料噴射弁14が設けられている。
このように、ガソリンエンジン100は、シリンダ142の下部に掃気ポート146と排気ポート148とが接続された、いわゆるシュニーレ式の2サイクル式エンジンである。
掃気ポート146には、新気を導く吸気通路12が給気サージタンク144を介して接続されており、排気ポート148には、排気ガスが通過する排気通路16が排気サージタンク149を介して接続されている。排気通路16の下流には、大気汚染物質を浄化するための触媒26と、過給器50のタービン52とが設けられている。排気通路16内を通過する排気ガスはタービン52を回転させた後、大気に放出される。また、吸気通路12には、過給器50のコンプレッサ54が設けられている。コンプレッサ54は、シャフト56を介してタービン52に接続されており、排気ガスによってタービン52が回転するとコンプレッサ54も回転する。その結果、コンプレッサ54はエアクリーナ20から吸い込んだ空気を加圧した後、掃気ポート146に向かって圧送する。
コンプレッサ54で加圧すると空気温度が上昇するので、吸入空気を冷却するために、コンプレッサ54の下流側にはインタークーラ62が設けられている。また、吸気通路12内にはサージタンク60や、スロットル弁22も設けられている。サージタンク60は、燃焼室が空気を吸い込んだときに生じる圧力波を緩和させる作用を有しており、またスロットル弁22は電動アクチュエータ24によって適切な開度に設定されて、吸入空気量を調整する機能を有している。
ピストン152は、コネクティングロッド154を介してクランクシャフト156に接続されており、クランクシャフト156には、クランク角度を検出するクランク角センサ32が取り付けられている。
このガソリンエンジン100の動作は、エンジン制御用ユニット(以下、ECU)30によって制御されている。ECU30は、エンジン回転速度Neやアクセル開度θacを検出し、これらに基づいてスロットル弁22の開度の制御や、点火プラグ136の点火タイミング制御、燃料噴射弁14の燃料噴射制御を実行する。エンジン回転速度Neはクランク角センサ32によって検出され、アクセル開度θacはアクセルペダルに内蔵されたアクセル開度センサ34によって検出される。
図2は、第1実施例におけるシリンダの断面を拡大して示す説明図である。また図3は、図2のA−A断面を示す説明図である。掃気ポート146および排気ポート148は、シリンダ142の中心軸に垂直な平面(以下「基準平面」と呼ぶ)にほぼ平行となるように形成されており(図2)、また、シリンダ142の中心軸方向に向かってシリンダ142に接続されている(図3)。掃気ポート146と排気ポート148とは、シリンダ142を挟んで対向するように配置されている(図3)。
また、掃気ポート146および排気ポート148のシリンダ142に面する開口部(掃気口および排気口)付近には、リブ(突起)145,147がそれぞれ設けられており(図3)、リブ145,147により掃気口および排気口は左右に2分割されている。
図4は、図2のB部を拡大して示す説明図である。図4では、膨張行程においてピストン152が下降しているときの状態を示している。また、図5は、シリンダ内から見た排気ポートの排気口周辺の形状を示す説明図である。
ピストン152の上部に設けられた2つのリング溝152aには、それぞれピストンリング153が取り付けられている(図4)。ピストンリング153は、自己の張力によりシリンダ142に密着しており、シリンダ142内の気密を保持して圧縮漏れやガス漏れを防止すると共に、シリンダ142内壁のエンジンオイルを掻き落とし、適切な油膜を作る作用も行っている。ピストンリング153は、膨張行程においては、シリンダ142内の高圧の燃焼ガスによって、リング溝152aの下面に強く押しつけられている。
シリンダ142の周壁に接続された排気ポート148の、シリンダ142に面する開口部(排気口)は、略長方形形状であり、前述の通り、リブ147(図3)によって左右に2分割されている(図5)。シリンダ142内壁面には、排気ポート148の排気口の周囲に沿って、溝部143が設けられている(図4、図5)。溝部143の断面形状は、略半円形状であり、溝部143のシリンダ142に面する部分の幅はピストンリング153の厚さよりも小さい(図4)。また、溝部143は、左右に2分割されている排気ポート148の排気口を、一体として囲むように設けられている(図5)。
ピストン152が上死点から下降していくと、シリンダ142の内壁に付着した余分なエンジンオイルは、シリンダ142に密着しているピストンリング153によって掻き落とされ、ピストンリング153の下端面付近に溜まっていく。ピストンリング153下端面付近に溜まったエンジンオイルは、ピストンリング153が溝部143の排気口より上側部分を通過する際に、溝部143の内部に流入する。従って、その後、ピストンリング153が排気口を通過する際には、ピストンリング153下端面付近には余分なエンジンオイルは残っておらず、排気口へのエンジンオイルの排出が抑制される。
また、ピストン152が下死点から上昇するとき(掃気行程)も、同様に、ピストンリング153上端面付近に溜まった余分なエンジンオイルは、ピストンリング153が溝部143の排気口より下側部分を通過する際に、溝部143の内部に流入するため、排気口へのエンジンオイルの排出が抑制される。
また、掃気ポート146のシリンダ142に面する開口部(掃気口)の周囲にも同様の溝部が設けられており、同様に掃気口へのエンジンオイルの排出を抑制している。
このようにして、シリンダ142の内壁面に設けられた掃気または排気のための開口部(掃気口または排気口)に、エンジンオイルが排出されるのを抑制することができる。
なお、このような効果は、予めシリンダ内に形成された混合気を圧縮して自着火燃焼させる予混合圧縮自着火燃焼方式を採用するガソリンエンジンにおいて、顕著である。すなわち、予混合圧縮自着火燃焼方式では、高圧縮比で燃料を一気に自着火燃焼させるため、シリンダ内の圧力が非常に高圧となって、エンジンオイルが開口部(掃気口または排気口)に排出されやすいが、開口部の周囲に溝部を設けることにより、開口部へのエンジンオイルの排出を抑制することができる。
また、前述のとおり、溝部143は、溝部143のシリンダ142に面する部分の幅が、ピストンリング153の厚さよりも小さくなるような形状に形成されている。従って、ピストンリング153が溝部143内に噛み込まれて変形することを防止すると共に、ピストンリング153摺動面の摩擦を抑制することができる。この結果、ガスシールを維持することができると共に、フリクションの増加を抑制することができる。
B.第2実施例:
図6は、第2実施例における、シリンダ内から見た排気ポートの排気口周辺の形状を示す説明図である。図5に示した第1実施例との違いは、シリンダ内から見た排気ポート148の排気口および溝部143の形状である。それ以外の構成は、第1実施例と同じである。
第2実施例では、溝部143aは、排気ポート148aの排気口の上側に位置する部分(上側溝部)および下側に位置する部分(下側溝部)が、基準平面に対して傾斜している略平行四辺形形状である。すなわち、基準平面に平行な部分を持たない形状である。また、同様に、排気ポート148aの排気口の形状は、上縁および下縁が基準平面に対して傾斜している略平行四辺形形状である。排気口は、第1実施例と同様に、リブ147aによって左右に2分割されている。
溝部143aの形状をこのようにすると、ピストンリング153により掻き落とされ溝部143aの内部に流入した余分なエンジンオイルは、溝部143aの傾斜に沿って溝内を斜め下方(図の矢印方向)に流れる。すなわち、溝部143aの上側溝部および下側溝部において、溝部143aの内部にエンジンオイルが滞留しない。従って、ピストン152の上下往復運動に伴うエンジンオイルの排気口内への排出を、より抑制することができる。
また、溝部143aの形状は、基準平面に平行な部分を持たない形状であるため、ピストンリング153が溝部143a内に噛み込まれて変形することをより確実に防止することができる。
なお、同様に、掃気ポート146の掃気口の形状と、その周囲に設ける溝部の形状とを、上述した排気口の形状および排気口の周囲に設けた溝部の形状と同様の形状とすることにより、エンジンオイルの掃気口内への排出をより抑制できると共に、ピストンリング153が掃気口の周囲に設けられた溝部内に噛み込まれて変形することをより確実に防止することができる。
C.第3実施例:
図7は、第3実施例における、シリンダ内から見た排気ポートの排気口周辺の形状を示す説明図である。図5に示した第1実施例との違いは、シリンダ内から見た排気ポート148の排気口および溝部143の形状である。それ以外の構成は、第1実施例と同じである。
第3実施例では、溝部143bの形状は、横長の略楕円形状である。従って、溝部143bの、排気ポート148bの排気口の上側に位置する部分(上側溝部)および下側に位置する部分(下側溝部)において、基準平面にほぼ平行な部分を有するものの、その部分の長さは排気ポート148bの排気口の幅の1/2以下となっている。また、同様に、排気ポート148bの排気口の形状は、横長の略楕円形状であり、第1実施例と同様に、リブ147bによって左右に2分割されている。
溝部143bの形状をこのようにすると、ピストンリング153により掻き落とされ溝部143bの内部に流入した余分なエンジンオイルは、基準平面に平行な部分においては滞留するものの、それ以外の部分においては、第2実施例と同様に溝部143bの傾斜に沿って溝内を斜め下方(図の矢印方向)に流れる。従って、ピストン152の上下往復運動に伴うエンジンオイルの排気口内への排出を、抑制することができる。
また、溝部143bの形状は、基準平面に平行な直線部分を持たない形状であるため、ピストンリング153が溝部143b内に噛み込まれて変形することをより確実に防止することができる。
なお、同様に、掃気ポート146の掃気口の形状と、その周囲に設ける溝部の形状とを、上述した排気口の形状および排気口の周囲に設けた溝部の形状と同様の形状とすることにより、エンジンオイルの掃気口内への排出をより抑制できると共に、ピストンリング153が掃気口の周囲に設けられた溝部内に噛み込まれて変形することをより確実に防止することができる。
D.第4実施例:
図8は、第4実施例におけるシリンダ内から見た排気ポートの排気口周辺の形状を示す説明図である。図6に示した第2実施例との違いは、シリンダ内から見た溝部143の形状である。それ以外の構成は、第2実施例と同じである。
第4実施例では、溝部143cは、第2実施例の溝部143aが上下に分断された形状に形成されている。すなわち、溝部143cは、排気ポート148aの排気口の上側に位置する部分(上側溝部)143cuと、下側に位置する部分(下側溝部)143cdとが独立して形成されており、排気口の左右には溝が形成されていない。そして、溝部143cの上側溝部143cuおよび下側溝部143cdは、それぞれ、基準平面に対して傾斜している。
溝部143cをこのような形状とすることにより、第2実施例と同様に、ピストン152の上下往復運動に伴うエンジンオイルの排気口内への排出を抑制することができる。さらに溝部143cを上下に分割して形成することにより、排気ポート148aの排気口が開口する直前に、溝部143cを通って、シリンダ142内の燃焼ガスがポート内あるいはクランクケース内に漏洩することを抑制することができる。すなわち、排気口の開口直前には、ピストン152に取り付けられたピストンリング153(図4)が溝部143cの上側溝部143cuを通過する。このとき、上側溝部143cu内には、シリンダ142内の燃焼ガスが流入する。この燃焼ガスは非常に高圧のため、溝部143cのように非常に小さな間隙内であっても漏洩してしまうが、本実施例では、溝部143cは、上側溝部143cuと下側溝部143cdとが分断されているため、上側溝部143cu内に流入した燃焼ガスが下側溝部143cdに漏洩することはない。従って、燃焼ガスがポート内あるいはクランクケース内に漏洩することを抑制することができ、高い熱効率を維持することができる。
なお、同様に、掃気ポート146の掃気口の周囲に設ける溝部の形状を、上述した排気口の周囲に設ける溝部の形状と同様の形状とすることにより、掃気口の周囲に設けられた溝部からの燃焼ガスの漏洩を抑制することができる。
E.第5実施例:
図9は、第5実施例におけるシリンダの断面を拡大して示す説明図である。また図10は、図9のC−C断面を示す説明図である。図2および図3に示した第1実施例との違いは、掃気ポート146および排気ポート148が複数設けられ、それに伴って給気サージタンク144および排気サージタンク149も複数設けられていることである。それ以外の構成は、第1実施例と同じである。
本実施例では、掃気ポート146eと排気ポート148eとがそれぞれ2つ設けられている。また、シリンダブロック140のシリンダ142を挟んで両側に、給気サージタンク144eと排気サージタンク149eとがそれぞれ2つ設けられており、給気サージタンク144eの上部に排気サージタンク149eが位置している。
シリンダ142と給気サージタンク144eとを接続している掃気ポート146eは、基準平面にほぼ平行となるように形成されている。一方、シリンダ142と排気サージタンク149eとを接続している排気ポート148eは、基準平面に対して、排気口に近い部分ほど下方に位置するような勾配を持って形成されている。掃気ポート146eの掃気口および排気ポート148eの排気口の垂直方向位置は、第1実施例と同様である。
2つの掃気ポート146eは、シリンダ142の中心軸を挟んで対向するように配置されており、2つの掃気ポート146eの掃気口は、シリンダ142の中心軸に関して互いに線対称の関係となっている。そして、2つの掃気口のそれぞれの周囲には、第1実施例と同様に図示しない溝部143が設けられている。2つの掃気口の周囲に設けられた2つの溝部143は、シリンダ142の中心軸に関して互いに線対称の関係となっている。すなわち、溝部143上の任意の点と、シリンダ142の中心軸に関して線対称の関係にある点は他の溝部143上に位置している関係となっている。
同様に、2つの排気ポート148eも、シリンダ142の中心軸を挟んで対向するように配置されており、2つの排気ポート148eの排気口は、シリンダ142の中心軸に関して互いに線対称の関係となっている。そして、2つの排気口のそれぞれの周囲にも溝部が設けられ、2つの溝部は、シリンダ142の中心軸に関して互いに線対称の関係となっている。
このように、シリンダ142に面する開口部(掃気口および排気口)の周囲に設けられた溝部を、シリンダ142の中心軸に関して互いに線対称の関係となっている組として配置することにより、ピストン152のピストンリング153に作用する摩擦力もシリンダ142の中心軸に関して対称となる。従って、ピストン152およびピストンリング153の姿勢が安定し、圧縮漏れやガス漏れを抑制することができる。
F.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
F1.変形例1:
上記実施例では、掃気口および排気口がシリンダ内壁面に設けられたシュニーレ式の2サイクル式エンジンについて説明したが、掃気口または排気口のどちらか一方のみがシリンダ内壁面に設けられたユニフロー式の2サイクル式エンジンであるとしてもよい。すなわち、シリンダ内壁面に開口部(掃気口または排気口)を有する2サイクル式エンジンであればよい。
F2.変形例2:
上記実施例では、溝部は、リブによって左右に2分割された開口部(掃気口または排気口)を一体として囲むように設けられているが、分割されたそれぞれの開口部毎に囲むように溝部を設けるとしてもよい。
F3.変形例3:
上記実施例では、開口部(掃気口または排気口)の形状は、その周囲に設けられた溝部の形状と略同一形状としているが、異なった形状としてもよい。例えば、溝部の形状が略平行四辺形形状である第2実施例において、開口部の形状を略長方形形状としてもよい。ただし、開口部の形状を、その周囲に設けられた溝部の形状と略同一形状とすると、シリンダ内壁面の溝部と開口部との間に余分なエンジンオイルが溜まることが防止できるため、好ましい。
本発明の第1実施例としてのガソリンエンジンの構成を概念的に示した説明図。 第1実施例におけるシリンダの断面を拡大して示す説明図。 図2のA−A断面を示す説明図。 図2のB部を拡大して示す説明図。 第1実施例におけるシリンダ内から見た排気ポートの排気口周辺の形状を示す説明図。 第2実施例におけるシリンダ内から見た排気ポートの排気口周辺の形状を示す説明図。 第3実施例におけるシリンダ内から見た排気ポートの排気口周辺の形状を示す説明図。 第4実施例におけるシリンダ内から見た排気ポートの排気口周辺の形状を示す説明図。 第5実施例におけるシリンダの断面を拡大して示す説明図。 図9のC−C断面を示す説明図。
符号の説明
12...吸気通路
14...燃料噴射弁
16...排気通路
20...エアクリーナ
22...スロットル弁
24...電動アクチュエータ
26...触媒
32...クランク角センサ
34...アクセル開度センサ
50...過給器
52...タービン
54...コンプレッサ
56...シャフト
60...サージタンク
62...インタークーラ
100...ガソリンエンジン
130...シリンダヘッド
136...点火プラグ
140...シリンダブロック
142...シリンダ
143...溝部
143a...溝部
143b...溝部
143c...溝部
143cd...下側溝部
143cu...上側溝部
144...給気サージタンク
144e...給気サージタンク
145...リブ
146...掃気ポート
146e...掃気ポート
147...リブ
147a...リブ
147b...リブ
148...排気ポート
148a...排気ポート
148b...排気ポート
148e...排気ポート
149...排気サージタンク
149e...排気サージタンク
152...ピストン
152a...リング溝
153...ピストンリング
154...コネクティングロッド
156...クランクシャフト

Claims (2)

  1. 2サイクル式内燃機関であって、
    シリンダの周壁に接続され、ピストンの上下動によって前記シリンダに面する開口部が開閉する、掃気または排気のためのポートを備え、
    前記シリンダ内壁において、前記ポートの開口部の周囲に沿って溝が設けられており、
    前記溝は、前記ポートの開口部を囲むようにかつ分断されることなく配置されていると共に、前記シリンダの中心軸に垂直な平面に平行な直線部分を持たない形状に形成されている、内燃機関。
  2. 請求項1記載の内燃機関であって、
    前記溝は、前記ポートの複数の開口部を一体として囲むように配置されている、内燃機関。
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