JPH0978964A

JPH0978964A - 巻取式建物用網戸

Info

Publication number: JPH0978964A
Application number: JP23796495A
Authority: JP
Inventors: Masaru Inoue; 勝井上
Original assignee: Anritsu Corp
Current assignee: Anritsu Corp
Priority date: 1995-09-18
Filing date: 1995-09-18
Publication date: 1997-03-25

Abstract

(57)【要約】【課題】網戸を分解することなく、巻取力が不足して
いる巻取りローラの巻ばねを外部から適当な強さに調整
できて、網体をスムースに巻取ることのできる巻取式建
物用網戸を提供する。【解決手段】網戸用枠体１の一側部に巻取りローラ６
を回転自由に支持した支持軸７を軸支して、前記支持軸
７に挿嵌した巻ばね９により、前記巻取りローラ６を前
記支持軸７に対して回転させて網体２を巻取るようにし
た巻取り式網戸において、前記支持軸７を前記巻取りロ
ーラ６に対して前記巻取りローラ６の巻取り回転方向と
同一方向にのみ回転させる一方向回転伝達機構Ｘを設け
ると共に、前記支持軸７を外部から回転操作可能とし
て、前記支持軸７の回転操作により前記巻ばね９を巻き
締め可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、建物の窓等に配
設される網戸、より詳しくは巻取式の開閉構造を有する
巻取式網戸に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種巻取式網戸は、例えば、特
開昭６０−１９８９２号公報に開示されるように、網戸
用枠体の上框部に巻取りローラを回転自由に支持した支
持軸を軸支して、巻取りローラに前記枠体の内部空間を
開閉する網体の一端部を固定すると共に、前記枠体に該
枠体内を上下に移動する開閉用桟を設けて、該開閉用桟
に前記網体の他端部を固定する一方、前記支持軸に巻ば
ねを挿嵌して、該巻ばねの一端を前記巻取りローラに係
止し、他端を前記支持軸に係止して、前記巻ばねの反力
により、前記巻取りローラを前記支持軸に対して回転さ
せて前記網体を巻取るように構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従
来の建物用網戸は、網戸の製造組立ての際に、前記巻取
りローラ内に装填された巻ばねを、あらかじめある程度
巻き締めたうえで、前記ローラに組付けている。すなわ
ち、巻取りローラは、網戸の開状態を維持でき、かつ、
スムースな開閉動作が行えるように、網戸を開状態にし
たときでも巻取りローラにある程度の巻取り力がかかる
ように、巻ばねを巻締めて調整したうえで組み込まれて
いる。

【０００４】しかしながら、かかる場合においては、長
期間網戸を開閉しているうちに、前記巻ばねが緩み、巻
ばねの反力が減退する場合や、組付け前の巻き締め調整
が適当でない場合等には、巻取力が不足して、網体の巻
取りがスムースにいかないという問題が生じる。この場
合、組付けられた網戸を分解して巻ばねを巻締めて再調
整することは煩雑であり、また、組付けが接着等による
場合は、分解再調整が不可能である。

【０００５】本発明は以上のような問題に鑑みてなされ
たものであり、網戸を分解することなく、巻取力が不足
している巻取りローラの巻ばねを外部から適当な強さに
調整できて、網体を常にスムースに巻取ることのできる
巻取式建物用網戸を提供することを目的とするものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そこで、上記目的を達成
するために、本発明は、網戸用枠体１の一側部に巻取り
ローラ６を回転自由に支持した支持軸７を軸支して、前
記巻取りローラ６に前記枠体１の内部空間を開閉する網
体２の一端部を固定すると共に、前記枠体２に該枠体１
内を移動する開閉用桟３を移動自由に設けて、該開閉用
桟３に前記網体２の他端部を固定する一方、前記支持軸
７に巻ばね９を挿嵌して、該巻ばね９の一端を前記巻取
りローラ６側に係止し、他端を前記支持軸７側に係止し
て、前記巻ばね９の反力により、前記巻取りローラ６を
前記支持軸７に対して回転させて前記網体２を巻取るよ
うにした巻取り式網戸において、前記支持軸７を前記巻
取りローラ６に対して前記巻取りローラ６の巻取り回転
方向と同一方向にのみ回転させる一方向回転伝達機構Ｘ
を設けると共に、前記支持軸７を外部から回転操作可能
として、前記支持軸７の回転操作により前記巻ばね９を
巻き締め可能とした。

【０００７】

【発明の作用効果】本発明によると、前記巻取りローラ
６の巻取力が不足して、前記網体２の巻取りがスムース
にいかない場合には、前記支持軸７を外部から回転操作
して、巻ばね９を巻き締める。このとき、前記巻取りロ
ーラ６に対して前記巻取りローラ６の巻取り回転方向と
同一方向にのみ回転させる一方向回転伝達機構Ｘが設け
られているため、前記支持軸７は前記巻ばね９を巻き締
める方向にのみ回転して、前記巻ばね９の反力によって
巻戻ることない。

【０００８】従って、網戸を分解することなく、前記巻
ばね９を外部から巻き締めて、巻取力が不足している前
記巻取りローラ６の前記巻ばね９を外部から適当な強さ
に調整して、前記網体２を常にスムースに巻取ることが
できる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を、
図に基づいて説明する。

【００１０】図１乃至図４に示す建物用網戸において、
１は網戸用の枠体であり、上框部１ａ、下框部１ｂ、左
框部１ｃ，右框部１ｄとから構成されており、右框部１
ｄに、網体２の巻取用ローラ６と該巻取りローラ６を回
転自由に支持する支持軸７と、前記巻取りローラ６の下
端部に組付けた補助軸８とを内装すると共に、前記右框
部１ｄの長さ方向両端に組付ける上下ブラケット４，５
に、前記支持軸７及び補助軸８を軸支している。さら
に、前記上下框部１ａ，１ｂには、開閉用桟３を、左右
方向に移動して開閉できるように嵌め込んでおり、この
開閉用桟３に前記網体２の一側端を固定すると共に、前
記網体２の他側端を前記巻取りローラ６に固定してい
る。

【００１１】具体的には、図５に示すとおり、前記巻取
りローラ６は、略半円形状の中空部６５を備えた長尺の
中空円筒形状のアルミ管から形成され、該巻取りローラ
６の両端を開放すると共に、外周側面に略Ｔ字状の溝条
６４を長手方向に穿設している。

【００１２】前記支持軸７は、前記巻取りローラ６の全
長よりも短く形成して、前記支持軸７の一端部に板状の
偏平部７１を形成するとともに、該支持軸７の他端から
前記巻取りローラ６の外径と同径の円盤状の鍔部６１ａ
と前記中空部６５に内嵌可能な挿嵌部６１ｂとを一体形
成してなる支持部材６１を回動可能に挿通する。また、
前記支持軸７に長尺の巻ばね９を挿嵌して、この巻ばね
９の一端を、前記支持軸７の一端部に螺入した螺子１３
の軸部に係止し、前記巻ばね９の他端を、前記巻ばね９
の後方から挿通した支持部材６２に巻き付けて固定す
る。前記支持部材６２は前記中空部６５に内嵌可能な挿
嵌部６２ａを備えている。

【００１３】このように前記支持部材６１と前記巻ばね
９と前記支持部材６２とを組付けた前記支持軸７を、前
記巻取りローラ６の一端から挿嵌すると、前記支持軸７
は前記巻取りローラ６に対して回転自由となる一方、前
記支持部材６１，６２は前記巻取りローラ６に対して相
対回転不能であるため、前記巻取りローラ６を回転不能
とした状態で前記支持軸７を巻き取り方向に回転する
と、巻ばね９を巻き締めることとなる。

【００１４】そして、前記支持軸７の先端を、右框部１
ｄの上端に組付ける上部ブラケット４に挿入すると共
に、前記補助軸８を、右框部１ｄの下端に組付ける下部
ブラケット５に挿入して、前記右框部１ｄに前記巻取り
ローラ６を回転自由に支持するのである。

【００１５】この上部ブラケット４は、薄形箱状の上部
ブラケット本体４１ａと、該ブラケット４を上框部１ａ
にビス止めするための挿入足４１ｂと、前記ブラケット
本体に嵌合する裏蓋４３とから形成されており、また前
記下部ブラケット５は、下部ブラケット本体５ａと、該
ブラケット５を下框部１ｂにビス止めするための挿入足
５ｂとから形成されている。

【００１６】一方、前記開閉用桟３の上下端には、断面
略エ字状の摺動部材３３を取付けて、該摺動部材３３
を、それぞれ前記上下框部１ａ，１ｂに、摺動自在に嵌
め込んで、前記開閉用桟３を左右方向に移動して開閉で
きるようにしている。

【００１７】そして、前記開閉用桟３に、前記網体２の
一側端を固定すると共に、前記網体２の他側端には前記
溝条６４に係合可能な略Ｔ字状に形成された突起部２１
を形成して、前記溝条６４に前記突起部２１を係合する
ことにより、前記網体２の他側端を前記巻取りローラ６
に固定しているのである。

【００１８】従って、以上の構成で、開閉用桟３を左右
に摺動させて、網体２を巻取りローラ６に巻取りまたは
巻き戻しさせることによって、網戸を開閉するのであ
る。

【００１９】しかして、本発明は、以上の巻き取り式網
戸において、前記巻取りローラ６を支持する前記支持軸
７に、前記支持軸７を前記巻取りローラ６に対して前記
巻取りローラ６の巻取り回転方向と同一方向にのみ回転
させる一方向回転伝達機構Ｘを設けると共に、前記支持
軸７を外部から回転操作可能として、前記支持軸７の回
転操作により前記巻ばね９を巻き締め可能としている。

【００２０】前記一方向回転伝達機構Ｘは、基本的には
逆転防止歯４２ｄと逆転防止爪４３ａとからなるもので
あり、本実施形態では、図６に示すように、上部ブラケ
ット本体４１内に逆転防止歯４２ｄを備えるラチェット
ホイル４２を組み込むと共に、裏蓋４３に逆転防止爪４
３ａを形成することにより前記一方向回転伝達機構Ｘを
構成しているのである。

【００２１】すなわち、前記ラチェットホイル４２を、
前記上部ブラケット本体４１の上面に穿設された円形の
孔４１ｃに嵌合するつまみ部４２ｂと、該つまみ部４２
ｂより径大で、かつ裏面に１２個の逆転防止歯４２ｄを
備える円盤状のホイル４２ａと、前記支持軸７の偏平部
７１が嵌入可能な長方形状の嵌合孔４２ｅを有する円筒
状の軸部４２ｃとで一体的に形成する一方、前記裏蓋４
３には、前記軸部４２ｃが嵌合可能な孔４３ｂを穿設
し、且つ略コ字状の溝を穿設して逆転防止爪４３ａを形
成して、該爪４３ａを前記逆転防止歯４２ｄと噛合うよ
うに前記ラチェットホイル４２に対向して設けている。
なお、本実施形態においては、前記上下ブラケット４、
５は、合成樹脂等の素材から形成されているため、前記
裏蓋４３に、略コ字状溝によって画成された前記逆転防
止爪４３ａは、一定の可撓性を有している。

【００２２】そして、前記ラチェットホイル４２を、前
記つまみ部４２ｂが外部に臨むように、前記上部ブラケ
ット本体４１に嵌め込む一方、前記裏蓋４３の裏面側に
突出する逆転防止爪４３ａを、前記逆転防止歯４２ｄに
噛合い可能とするように、前記裏蓋４３を、前記ブラケ
ット本体４１に組み込むと、前記ラチェットホイル４２
は、該ホイル４２の裏面側に設けられた逆転防止歯４２
ａと前記裏蓋４３に設けられた逆転防止爪４３ａの係合
により、一方向にのみ回転可能となり、これにより、前
記一方向回転伝達機構Ｘを構成するのである。

【００２３】さらに、前記ホイル４２の前記軸部４２ｃ
は、前記支持軸７の偏平部７１が嵌合孔４２ｅに嵌合し
て、前記支持軸７と連結しているので、ホイル４２と一
体的に形成されたつまみ部４２ｂを外部から回転操作す
ることにより、前記支持軸７を回転操作することができ
るのである。

【００２４】なお、前記開閉用桟３には把手３１が設け
られており、また前記開閉用桟３における左框部１ｃと
接する面には、鉄片３２が設けられ、対向する左框部１
ｃには、前記鉄片３２と対応する部位に磁石１２が設け
られており、巻取りローラ６の巻取り力に抗して、網戸
の閉状態を維持できるようにしている。

【００２５】また、本実施形態では、前記網体２の上下
両縁には、その全長にわたって多数の突起２１を、一定
間隔をおいて一列状に形成する一方、前記枠体１の上下
框部１ａ、１ｂの内側面には、図４に示すように、前記
開閉用桟３の開閉動作全域にわたって、溝１１を備えた
ランナー部材１０を挿入して、該ランナー部材１０の溝
１１に前記突起列が摺動自在となるように挿通してい
る。

【００２６】この場合、網戸を閉状態にして、すなわ
ち、前記網体２を前記巻取りローラ６から引き出し展開
した状態では、前記網体２の上下両縁に取り付けられた
前記突起２１が前記溝１１の口縁内面に係合しているた
め、前記網体２の上下両端部が前記ランナー部材１０か
ら不用意に抜け出ることがなく、また、スムースな開閉
ができることとなる。

【００２７】また、前記ランナー部材１０は、前記枠体
１とは別体に形成されており、合成樹脂等の素材から形
成されているため、滑りがよく、開閉操作がスムースに
行うことができると共に、枠体１に、直接溝等を形成す
る必要がなく、上下框部１ａ，１ｂ内に前記ランナー部
材１０を挿入するだけでよいため、製造が容易かつ安価
にできることとなる。

【００２８】なお、前記巻ばね９を前記支持軸７に装着
する場合、図５に示すように、前記巻ばね９の前記支持
軸７と係合する側の先端部分のみを、前記支持軸７に密
接するように装着すると、前記巻ばね９は前記支持軸７
と略同心位置に装着できるので、前記巻ばね９が巻き戻
る際に、前記巻ばね９が前記支持軸７に対してブレるこ
となく巻き戻ることができ、従って、前記巻取りローラ
７をスムースに回転させることができる。

【００２９】以上の構成からなる巻取り式網戸におい
て、前記巻取りローラ６の巻取力が不足して、前記網体
２の巻取りがスムースにいかない場合には、前記開閉用
桟３を開状態にするか若しくは前記開閉用桟３を押さえ
て、前記開閉用桟３が動かない状態にしておいて、外部
から、前記上部ブラケット４に設けられた前記つまみ部
４２ｂを巻取り回転方向と同一方向に回転させる。

【００３０】前記つまみ部４２ｂは、一方向回転伝達機
構Ｘを構成しているため、巻取り方向にのみ回転すると
共に、前記つまみ部４２ｂは、前記支持軸７と連結して
いるため、前記つまみ部４２ｂの回転に伴って、前記支
持軸７も、巻取方向に回転して、前記支持軸７に固定し
てある前記巻ばね９が、巻き締められることとなる。こ
の場合、前記支持軸７には一方向回転伝達機構Ｘが設け
られているため、前記支持軸７を、巻ばね９の反力によ
って巻き戻ることなく巻き締めることができる。

【００３１】この結果、網戸を分解することなく、前記
巻ばね９を外部から巻き締めて、巻取力が不足している
前記巻取りローラ６の前記巻ばね９を外部から適当な強
さに調整して、網体をスムースに巻取ることができるこ
ととなる。

【００３２】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる網戸の開閉途中の全体構造を示
す概略斜視図。

【図２】同網戸の概略縦断面図。

【図３】同網戸の閉状態における概略横断面図。

【図４】図１におけるＡ−Ａ線概略断面図。

【図５】本発明にかかる巻取りローラ及び支持軸等の斜
視図。

【図６】同上部ブラケットの分解斜視図。

【図７】図６におけるＢ−Ｂ線断面図。

【図８】本発明にかかるつまみ部の正面図。

【符号の説明】

１網戸用枠体２網体３開閉用桟６巻取りローラ７支持軸９巻ばねＸ一方向回転伝達機構

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】網戸用枠体（１）の一側部に巻取りローラ
（６）を回転自由に支持した支持軸（７）を軸支して、
前記巻取りローラ（６）に前記枠体（１）の内部空間を
開閉する網体（２）の一端部を固定すると共に、前記枠
体（１）に該枠体（１）内を移動する開閉用桟（３）を
移動自由に設けて、該開閉用桟（３）に前記網体（２）
の他端部を固定する一方、前記支持軸（７）に巻ばね
（９）を挿嵌して、該巻ばね（９）の一端を前記巻取り
ローラ（６）側に係止し、他端を前記支持軸（７）側に
係止して、前記巻ばね（９）の反力により、前記巻取り
ローラ（６）を前記支持軸（７）に対して回転させて前
記網体（２）を巻取るようにした巻取り式網戸におい
て、前記支持軸（７）を前記巻取りローラ（６）に対して前
記巻取りローラ（６）の巻取り回転方向と同一方向にの
み回転させる一方向回転伝達機構（Ｘ）を設けると共
に、前記支持軸（７）を外部から回転操作可能として、
前記支持軸（７）の回転操作により前記巻ばね（９）を
巻き締め可能としていることを特徴とする巻取式網戸。