JPH0977827A - 塩化ビニリデン系樹脂成形物 - Google Patents

塩化ビニリデン系樹脂成形物

Info

Publication number
JPH0977827A
JPH0977827A JP23681595A JP23681595A JPH0977827A JP H0977827 A JPH0977827 A JP H0977827A JP 23681595 A JP23681595 A JP 23681595A JP 23681595 A JP23681595 A JP 23681595A JP H0977827 A JPH0977827 A JP H0977827A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinylidene chloride
molded product
unit
copolymer
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP23681595A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Anazawa
昇 穴沢
Hiroaki Adachi
弘明 足立
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP23681595A priority Critical patent/JPH0977827A/ja
Publication of JPH0977827A publication Critical patent/JPH0977827A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に比べて、結晶化度を高め、バリヤー性
を向上させた塩化ビニリデン系共重合体からなる塩化ビ
ニリデン系樹脂成形物を提供する。 【解決手段】(a)式−(CH2 −CCl2 )−で表さ
れる単位60〜99.899重量%、(b)一般式−
(CH2 −CXY)−で表される単位0.1〜39.9
99重量%、(c)式−(CH2 −CCl2 −CH=C
Cl−CH2 −CCl2 )−で表される単位0.001
〜0.02重量%、を必須構成単位として含み、かつ、
ゲルパーミエーションクロマトグラフ法によって測定し
た重量平均分子量(Mw)が5,000〜500,00
0である塩化ビニリデン系共重合体からなることを特徴
とする塩化ビニリデン系樹脂成形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な成形物に関
するものである。さらに詳しくは、本発明は、塩化ビニ
リデンを主成分とした共重合体からなる成形物のバリヤ
ー性を改良することを目的として、結晶化度を高めた成
形物に関するものである。本発明の成形物は、食品、医
薬品包装材料等に使用される酸素遮断性、防湿性等に優
れたラップ、フィルム、シート、容器等に利用すること
ができる。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニリデンを主成分とする共
重合体からなる成形物は、酸素遮断性、防湿性等に優れ
ているため、例えば塩化ビニリデンと塩化ビニルの共重
合体、塩化ビニリデンとアクリル酸メチルエステルの共
重合体などからなるラップ、フィルム、シート、容器等
が食品、医薬品包装材料等に使用されている。
【0003】しかしながら、食生活や流通形態等の変化
は、包装材料等のさらなるバリヤー性改良を求め続けて
いる。塩化ビニリデンを主成分とした共重合体は結晶性
高分子であるが、その成形物が優れたバリヤー性を有す
るための必要条件の1つは、成形物の結晶化度が高いこ
とである。
【0004】共重合体中の塩化ビニリデン含有量を増加
させると、成形物の結晶化度は高くなり、バリヤー性は
向上する。しかし、同時に共重合体の結晶融解温度も高
くなるため、成形温度を高くする必要があり、そのため
熱分解しやすくなり、得られる成形物が熱分解により着
色したり、熱分解により発生した炭化物が成形物中に混
入する等の欠点を有する。
【0005】従って、塩化ビニリデン含有量を増加させ
ずに、成形物の結晶化度を高める方法の確立が望まれて
いた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の塩化ビニリデンを主成分とした共重合体からなる
成形物が有する欠点を克服するため、成形物の結晶化度
を高めることを目的としてなされたものであり、塩化ビ
ニリデン含有量を増加させずに、結晶化度を高めた塩化
ビニリデン系樹脂成形物を提供することを目的とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する塩化ビニリデンを主成分とする共重
合体からなる成形物を開発すべく鋭意研究を重ねた結
果、塩化ビニリデン由来の単位、特定の不飽和モノマー
由来の単位、特定の不飽和基含有塩素化物由来の単位を
必須構成単位として含み、それぞれ所定の割合で含有す
る共重合体からなる成形物により、その目的を達成し得
ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
【0008】すなわち、本発明は、(a)式−(CH2
−CCl2 )−で表される単位60〜99.899重量
%、(b)一般式−(CH2 −CXY)−〔式中のXは
HまたはCH3 、YはCN、ClまたはC(=O)OC
Z 2Z+1、zは1〜12の整数である。〕で表される単
位0.1〜39.999重量%、(c)式−(CH2
CCl2 −CH=CCl−CH2 −CCl2 )−で表さ
れる単位0.001〜0.02重量%、を必須構成単位
として含み、かつ、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フ法によって測定した重量平均分子量(Mw)が5,0
00〜500,000である塩化ビニリデン系共重合体
からなることを特徴とする塩化ビニリデン系樹脂成形物
に関するものである。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
成形物を構成する共重合体において、(a)単位を形成
するモノマーとしては塩化ビニリデンが挙げられる。本
発明の成形物を構成する共重合体においては、前記塩化
ビニリデンから形成される単位の含有量は60〜99.
899重量%、好ましくは80〜98重量%の範囲であ
る。この含有量が60重量%未満では、酸素遮断性及び
防湿性などの塩化ビニリデンを主成分とした共重合体の
特性が不十分であるし、99.899重量%を越えると
共重合体の分解点と融点が近くなり成形の際に分解が起
き、これから得られる成形品の色調、外観が悪くなる。
(a)単位は、共重合体中にブロック的に存在し、平均
的な(a)単位のブロック数は2以上となる。
【0010】本発明の成形物を構成する共重合体におい
て、(b)単位を形成する特定の不飽和モノマーは、一
般式−(CH2 −CXY)−〔式中のXはHまたはCH
3 、YはCN、ClまたはC(=O)OCZ 2Z+1、z
は1〜12の整数である。〕で表される単位を形成する
化合物である。このような特定の不飽和モノマー由来の
単位を形成するモノマーとしては、塩化ビニリデンと共
重合性に富むものであれば何でも良いが、産業上有用な
ものとして、例えば、塩化ビニル、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクリル酸メチルエステル、アク
リル酸エチルエステル、アクリル酸プロピルエステル、
アクリル酸イソプロピルエステル、アクリル酸n−ブチ
ルエステル、アクリル酸オクチルエステル、アクリル酸
i−ブチルエステル、アクリル酸t−ブチルエステル、
アクリル酸n−オクチルエステル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシルエステル、アクリル酸ラウリルエステル、メ
タクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステ
ル、メタクリル酸プロピルエステル、メタクリル酸イソ
プロピルエステル、メタクリル酸n−ブチルエステル、
メタクリル酸i−ブチルエステル、メタクリル酸t−ブ
チルエステル、メタクリル酸n−オクチルエステル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル
エステル等を挙げることができる。これらのうち、単位
(b)の一般式において、XがH、YがClまたはC
(=O)OCZ 2Z+1〔ただし、zは1〜8の整数〕で
表されるモノマー、例えば、塩化ビニル、アクリル酸メ
チルエテスル、アクリル酸n−ブチルエステル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸メチル
エステルが好ましい。これらのモノマーは、それぞれ単
独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。
【0011】本発明の成形物を構成する共重合体におい
ては、前記モノマーから形成される単位の含有量は0.
1〜39.999重量%、好ましくは1.999〜1
9.999重量%の範囲である。この含有量が0.1重
量%未満では、これから得られる共重合体の分解点と融
点が近くなり成形の際に分解が起き、これから得られる
成形品の色調、外観が悪化する。また39.999重量
%を越えると酸素遮断性及び防湿性などの塩化ビニリデ
ンを主成分とした共重合体の特性が不十分になる。
(b)単位は、共重合体中にランダム的に存在し、平均
的な(b)単位のブロック数は3以下となる。
【0012】本発明の成形物を構成する共重合体の
(c)単位は、(a)単位と(b)単位からなる共重合
体を成形する時の、(a)単位部の脱HCl反応を制御
することによって得ることができる。本発明の成形物を
構成する共重合体の(c)単位の含有量は0.001〜
0.02重量%の範囲にあることが必要である。0.0
01重量%未満は、(a)単位部の脱HCl反応制御で
は得ることが困難な領域である。0.02重量%を越え
ると成形物の結晶化度が低下しすぎて、成形物のバリヤ
ー性が不十分なものとなる。
【0013】本発明の成形物を構成する共重合体は、前
記特定量の(a)(b)及び(c)単位を必須構成単位
とするものである。これら構成単位の含有量は、一般的
に高分解能のプロトン核磁気共鳴吸収測定装置(H−N
MR)で測定できる。(a)(b)単位は常法にて測定
できる。(c)単位の測定条件を以下に示す。測定装置
として日本電子製α−400を使用し、重水素化テトラ
ヒドロフランに共重合体を5%溶解した溶液を、測定温
度約23℃の条件下、H−NMRで測定し、そのスペク
トル中のテトラメチルシランを基準とした化学シフトが
7.01ppmのシングレットのピークの強度を用い算
出する。
【0014】本発明の成形物を構成する共重合体は、前
期特定量の(a)(b)及び(c)単位を必須構成成分
とするものであるが、さらに、これらの単位に加えて、
使用目的など必要に応じ10重量%を超えない範囲で他
の共重合可能な単量体単位を含むこともできる。該共重
合可能な単量体としては、例えば、環状ビニルエーテル
類、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフ
ィン類、酢酸ビニル、n−酪酸ビニルなどのカルボン酸
ビニルエステル類、酢酸イソプロペニル、プロピオン酸
イソプロペニルなどのカルボン酸イソプロペニルエステ
ル類、シクロアルキルビニルエーテル類、アリールビニ
ルエーテル類、スチレンなどの芳香族ビニル化合物、フ
マル酸、マレイン酸などの不飽和結合含有多塩基酸のジ
またはモノエステル類や無水物類、ヒドロキシエチルア
クリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシ
ジルメタクリレート、モノ(2−メタクリロイルオキシ
エチル)アシッドホスフェート、スルホエチルメタクリ
レート、アクリル酸、メタクリル酸などの反応基含有ア
クリレート及びメタクリレート類、クロトン酸及びその
エステル類、アクリルアミド類、アリルエーテル類、カ
ルボン酸アリルエステル類、アリルアルコール等が挙げ
られる。これらの共重合可能な単量体は1種用いても良
いし、2種以上組み合わせても良い。
【0015】本発明の成形物を構成する共重合体の分子
量は、テトラヒドロフランを溶媒とし、分子量既知の単
分散ポリスチレンを標準物質として用いたゲルパーミエ
ーションクロマトグラフ法(以下、GPC法という)に
より測定して求めた重量平均分子量(Mw)が5,00
0〜500,000の範囲にあることが必要である。重
量平均分子量(Mw)が5,000未満では、成形物の
力学強度が不十分であり、500,000を超えると、
成形性が低下する。また、重量平均分子量(Mw)と数
平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、1.1〜2
0の範囲にあり、好ましくは1.5〜5の範囲にある。
【0016】GPC法による分子量の測定条件例を以下
に示す。測定装置として東ソー製8000シリーズを使
用し、共重合体をテトラヒドロフランに0.05%溶解
し測定する。このような組成及び分子量を有する共重合
体から構成される本発明の成形物の結晶化度は、相対的
に、示差走査熱量測定(DSC)で求めることができ
る。測定条件例を以下に示す。島津製作所社製DSC−
50を測定装置として使用し、成形物を10℃/分の速
度で40℃から190℃まで昇温した時の結晶融解エネ
ルギーを測定し、エネルギーが大きい方が、相対的に成
形物の結晶化度が高いものと考えられる。
【0017】また、このような組成及び分子量を有する
共重合体から構成される本発明の成形物の酸素透過率
は、JIS−K7126に準拠して23℃、65%RH
の条件下で測定する。本発明の成形物を構成する共重合
体は、溶媒の存在下又は不存在下に、所定割合の単量体
混合物を、重合開始源として重合開始剤や電離性放射線
などを用い共重合させることにより製造することができ
る。
【0018】該重合開始剤としては、重合形式や所望に
応じて用いられる溶媒の種類に応じて、水溶性のものあ
るいは油溶性のものが適宜用いられる。水溶性重合開始
剤としては、例えば過硫酸カリウム等の加硫酸塩、過酸
化水素、あるいはこれらと亜硫酸水素ナトリウム、チオ
硫酸ナトリウムなどの還元剤との組み合わせから成るレ
ドックス開始剤、さらには、これらに少量の鉄、第一鉄
塩、硝酸銀などを共存させた無機系開始剤、ジコハク酸
パーオキサイド、ジグルタール酸パーオキサイド、モノ
コハク酸パーオキサイドなどの二塩基酸過酸化物、アゾ
ビスイソブチルアミジン二塩基酸塩などの有機系開始剤
が挙げられる。また、油溶性開始剤としては、例えばt
−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオ
キシアセテート、t−ブチルパーオキシピバレート、t
−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートなどのパ
ーオキシエステル型過酸化物、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、ジn−プロピルパーオキシジカーボ
ネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオ
キシジカーボネートなどのジアルキルパーオキシジカー
ボネート型過酸化物、イソブチリルパーオキサイド、ラ
ウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドな
どのジアシルパーオキサイド型過酸化物、アゾビスイソ
ブチロニトリルなどのアゾ型重合開始剤などが挙げられ
る。
【0019】これらの重合開始剤の使用量は、その種
類、共重合反応条件などに応じて適宜選ばれるが、通常
使用する単量体全量に対して、0.001〜5重量%、
好ましくは0.01〜2%の範囲で選ばれる。また、重
合方法については特に制限はなく、例えば塊状重合法、
懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法などを用いること
ができるが、重合反応操作の安定性、生成共重合体の分
離の容易さなどの点から、水性媒体中での乳化重合法及
び懸濁重合法などが好んで用いられる。
【0020】水性媒体中で共重合させる場合には、通常
分散安定剤として懸濁剤や乳化剤を用いることが望まし
い。さらに、重合形式については特に制限はなく、回分
式、半連続式、連続式のいずれも用いることができる。
該共重合反応における反応温度は、通常−30〜+15
0℃の範囲内で、重合開始源や重合媒体の種類に応じて
適宜選ばれ、例えば水性媒体中で共重合を行う場合に
は、通常0〜100℃、好ましくは10〜90℃の範囲
で選ばれる。また、反応圧力については特に制限はない
が、通常0.1〜100kg/cm2、好ましくは0.
5〜30kg/cm2の範囲で選ばれる。さらに、該共
重合反応は、適当な連鎖移動剤を添加して行うことがで
きる。
【0021】本発明の成形物を構成する共重合体から成
形物を得るに当っては、種々の添加剤を使用することが
できる。添加剤としては、可塑剤、顔料、滑り剤、防曇
剤、抗酸化剤、塩化水素補足剤などが挙げられる。該共
重合体と添加剤の調整は、該共重合体と添加剤とを、例
えばボールミル、ペイントシェーカー、サンドミル、ジ
ェットミル、三本ロール、ニーダー等、通常熱可塑樹脂
の組成物の調整に用いられている混合機を用いて均質に
混合することにより行うことができる。この際、所望に
応じ、顔料分散安定剤、紫外線吸収剤などを添加するこ
ともできる。
【0022】本発明の成形物は、公知の成形手段、例え
ばインフレーション法、Tダイ法等の押出成形法、射出
成形法、ブロー成形法等により、ラップ、フィルム、シ
ート、容器等の形状で得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、実施例及び比較例を挙げ
て、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら
の実施例のみに限定されるものではない。
【0024】
【実施例1】34リットルの撹拌機付き反応器に、ヒド
ロキプロピルメチルセルロース10gを溶解した脱イオ
ン水10kgを投入し、撹拌開始後系内を30℃にて窒
素置換する。その後、塩化ビニリデン単量体(VDC)
8.2kg、塩化ビニル単量体(VC)1.8kg、ジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート15gからなる
混合物を投入し、反応器内を42℃に昇温して重合を開
始する。42℃で15時間、その後更に53℃まで常温
し、53℃で18時間重合した後、未反応単量体を回
収、降温後スラリーを取り出す。得られたスラリーを遠
心式の脱水機にかけ水を分離し、水分を約20%含有す
る粉末状の塩化ビニリデン共重合体を得た。
【0025】この水分を20%含有する塩化ビニリデン
共重合体5kgに対して、アセチルクエン酸トリブチル
200g、エポキシ化アマニ油40g、これに脱イオン
水10kg加えてスラリー状態で、常温で60分間撹拌
した。これを遠心式の脱水機で脱水し、熱風式乾燥機を
用いて50℃で20時間乾燥した。得られた塩化ビニリ
デン共重合体粉末を、スクリュー径30mmφ、L/D
=22の単軸の押出機(田辺プラスチック機械株式会社
製、VS30−22押出機)によりサーキュラーダイを
通じて、1kg/hrの速度で、スクリューバレル温度
170℃、ダイ温度170℃にて押出した。押出された
筒状溶融物を5℃の水にて急冷し、その後インフレーシ
ョン法により、横4倍、縦4倍に延伸し、厚み10μm
の延伸フィルムを得た。
【0026】このフィルム50mgを重水素化テトラヒ
ドロフラン1ミリリットルに溶解し、フィルムを構成す
る共重合体組成を、400MHzのH−NMRで測定し
た結果、塩化ビニリデン単位89.124重量%、塩化
ビニル単位10.868重量%、式−(CH2 −CCl
2 −CH=CCl−CH2 −CCl2 )−で表される単
位0.008重量%であった。尚、式−(CH2 −CC
2 −CH=CCl−CH2 −CCl2 )−で表される
単位は、H−NMRスペクトル中のテトラメチルシラン
を基準とした化学シフトが7.01ppmのシングレッ
トのピークを用いて算出する。また、このフィルムを構
成する共重合体の重量平均分子量は97,000であっ
た。
【0027】さらに、このフィルムの、示差走査熱量測
定(DSC)による40℃から190℃まで10℃/分
の昇温速度下での結晶融解エネルギーは、9.84J/
gであった。また、このフィルムの酸素透過率は、60
cc/m2・day・atmであった。
【0028】
【実施例2】実施例1の方法で得られた塩化ビニリデン
共重合体粉末を、押出速度を3kg/hrとする以外
は、実施例1ど同様の方法で、インフレーション法によ
り、横4倍、縦4倍に延伸し、厚み10μmの延伸フィ
ルムを得た。このフィルム50mgを重水素化テトラヒ
ドロフラン1ミリリットルに溶解し、フィルムを構成す
る共重合体組成を、実施例1と同様の方法で測定した結
果、塩化ビニリデン単位89.116重量%、塩化ビニ
ル単位10.865重量%、式−(CH2 −CCl2
CH=CCl−CH2 −CCl2 )−で表される単位
0.019重量%であった。また、このフィルムを構成
する共重合体の重量平均分子量は97,000であっ
た。
【0029】さらに、このフィルムの、示差走査熱量測
定(DSC)による40℃から190℃まで10℃/分
の昇温速度下での結晶融解エネルギーは、9.48J/
gであった。また、このフィルムの酸素透過率は、62
cc/m2・day・atmであった。
【0030】
【比較例1】実施例1の方法で得られた塩化ビニリデン
共重合体粉末を、押出速度を10kg/hrとする以外
は、実施例1ど同様の方法で、インフレーション法によ
り、横4倍、縦4倍に延伸し、厚み10μmの延伸フィ
ルムを得た。このフィルム50mgを重水素化テトラヒ
ドロフラン1ミリリットルに溶解し、フィルムを構成す
る共重合体組成を、実施例1と同様の方法で測定した結
果、塩化ビニリデン単位89.107重量%、塩化ビニ
ル単位10.864重量%、式−(CH2 −CCl2
CH=CCl−CH2 −CCl2 )−で表される単位
0.029重量%であった。また、このフィルムを構成
する共重合体の重量平均分子量は97,000であっ
た。
【0031】さらに、このフィルムの、示差走査熱量測
定(DSC)による40℃から190℃まで10℃/分
の昇温速度下での結晶融解エネルギーは、9.16J/
gであった。また、このフィルムの酸素透過率は、66
cc/m2・day・atmであった。
【0032】
【比較例2】実施例1の方法で得られた塩化ビニリデン
共重合体粉末を、押出速度を制御可能な最低速度である
0.2kg/hrとする以外は、実施例1ど同様の方法
で、延伸フィルムを得ようとしたが、樹脂の押出機内で
の滞留時間が長くなり、熱分解した樹脂がダイより押出
され、成膜に至らなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、従来に比べて結晶化度
が高くなり、バリヤー性が改良された、塩化ビニリデン
を主成分とした共重合体からなる成形物を提供すること
ができる。本発明による成形物は、食品、医薬品包装材
料等に使用される酸素遮断性、防湿性等に優れたラッ
プ、フィルム、シート、容器等として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 220:20)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)式−(CH2 −CCl2 )−で表
    される単位60〜99.899重量%、(b)一般式−
    (CH2 −CXY)−〔式中のXはHまたはCH3 、Y
    はCN、ClまたはC(=O)OCZ 2Z+1、zは1〜
    12の整数である。〕で表される単位0.1〜39.9
    99重量%、(c)式−(CH2 −CCl2 −CH=C
    Cl−CH2 −CCl2 )−で表される単位0.001
    〜0.02重量%、を必須構成単位として含み、かつ、
    ゲルパーミエーションクロマトグラフ法によって測定し
    た重量平均分子量(Mw)が5,000〜500,00
    0である塩化ビニリデン系共重合体からなることを特徴
    とする塩化ビニリデン系樹脂成形物。
  2. 【請求項2】 単位(b)の一般式において、XがH、
    YがClまたはC(=O)OCZ 2Z+1〔ただし、zは
    1〜8の整数〕である請求項1記載の塩化ビニリデン系
    樹脂成形物。
  3. 【請求項3】 (a)式−(CH2 −CCl2 )−で表
    される単位80〜98重量%、(b)一般式−(CH2
    −CXY)−で表される単位1.999〜19.999
    重量%である請求項1又は2記載の塩化ビニリデン系樹
    脂成形物。
JP23681595A 1995-09-14 1995-09-14 塩化ビニリデン系樹脂成形物 Withdrawn JPH0977827A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23681595A JPH0977827A (ja) 1995-09-14 1995-09-14 塩化ビニリデン系樹脂成形物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23681595A JPH0977827A (ja) 1995-09-14 1995-09-14 塩化ビニリデン系樹脂成形物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0977827A true JPH0977827A (ja) 1997-03-25

Family

ID=17006196

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23681595A Withdrawn JPH0977827A (ja) 1995-09-14 1995-09-14 塩化ビニリデン系樹脂成形物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0977827A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105980259A (zh) * 2014-02-18 2016-09-28 株式会社吴羽 保鲜膜
KR20190099340A (ko) * 2017-05-16 2019-08-26 가부시끼가이샤 구레하 염화 비닐리덴계 수지 필름 및 염화 비닐리덴계 수지 조성물

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105980259A (zh) * 2014-02-18 2016-09-28 株式会社吴羽 保鲜膜
KR20190099340A (ko) * 2017-05-16 2019-08-26 가부시끼가이샤 구레하 염화 비닐리덴계 수지 필름 및 염화 비닐리덴계 수지 조성물

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3655631A (en) Polymerisation process
US4797458A (en) Colloidal stable vinyl halide polymerizations with mercaptan chain transfer agents
JP3437022B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH0977827A (ja) 塩化ビニリデン系樹脂成形物
JPH0428704A (ja) 塩化ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
AU637396B2 (en) Dispersant system for making polyvinyl chloride which produces low color chlorinated polyvinyl chloride
JP3339257B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
US4931518A (en) Low molecular weight copolymers of vinyl halide/vinyl acetate produced by aqueous polymerization with mercaptan
US3583956A (en) Vinyl chloride polymers
US4746705A (en) Vinyl chloride polymer composition containing (meth)acrylate-alpha methyl styrene copolymer
US3627853A (en) Chlorination of vinyl chloride block copolymers
JPH0977828A (ja) 改良された塩化ビニリデン系樹脂成形物
US4048260A (en) Thermoplastic compositions with improved processing properties
US5096988A (en) Process for preparing vinyl chloride polymer with two-stage addition of dispersion stabilizers
US3836510A (en) Vinyl halide terpolymer and bulk process for preparation
US4871780A (en) Porous copolymer resins
JP3284798B2 (ja) 艶消し性塩化ビニル系重合体の製造方法及び該重合体組成物の製造方法
US3945985A (en) Method for preparing vinyl halide polymers having improved processing characteristics and polymers prepared thereby
US3790542A (en) Method for polymerizing vinyl chloride
US5112522A (en) Mercaptan chain transfer agent compositions useful in aqueous polymerizations
US4918151A (en) Aqueous suspension process for producing low molecular weight vinyl copolymers
JP2934394B2 (ja) 共重合体
JP3239613B2 (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JP3015452B2 (ja) 塩化ビニル系共重合体及びその製造方法
JP2921948B2 (ja) 塩化ビニル系共重合体

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20021203