JP2934394B2 - 共重合体 - Google Patents

共重合体

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JP2934394B2 JP9093595A JP9093595A JP2934394B2 JP 2934394 B2 JP2934394 B2 JP 2934394B2 JP 9093595 A JP9093595 A JP 9093595A JP 9093595 A JP9093595 A JP 9093595A JP 2934394 B2 JP2934394 B2 JP 2934394B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、新規な共重合体に関
するものである。さらに詳しくは、この発明は塩化ビニ
リデンを主成分とした共重合体の成形性を改良するため
に、共重合体の再結晶化温度を一定範囲内に制御した共
重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニリデンを主成分とした共
重合体は、酸素バリヤー性、水蒸気バリヤー性および耐
熱性などに極めて優れていることから、多くの分野にお
いて幅広く用いられている。その用途の例としてフィル
ム、コーティング、繊維分野での利用がある。例えば塩
化ビニリデンと塩化ビニルの共重合体、塩化ビニリデン
とアクリロニトリルの共重合体および塩化ビニリデンと
メタクリル酸メチルエステルの共重合体などを用いたフ
ィルム、容器、コーティング材料、繊維などが知られて
おり、食品、薬品の包装などの分野に使用されている。
【0003】塩化ビニリデンを主成分とした共重合体
は、結晶性高分子であるので、成形の際に共重合体を溶
融させ、共重合体を非晶状態にしたのち成形し、再結晶
化させる必要がある。また塩化ビニリデンを主成分とし
た共重合体は、熱分解点と融点が近いため、成形で重合
体を溶融する際に分解が生じ、物性が低下する。このた
め共重合を行い、共重合体の融点を低下させ、成形の際
の分解を抑制している。一方、融点を低下させると結晶
化が進行する温度も低下し、成形したのちの共重合体の
結晶化が遅れる。そして酸素バリヤー性、水蒸気バリヤ
ー性、耐熱性および機械物性などは結晶化の進行と共に
向上する。このため成形性を向上させ物性を安定化させ
るためには、共重合体の再結晶化温度を一定の範囲内に
制御することが重要となる。
【0004】融点や再結晶化温度を制御するためには、
これまで前述の様な共重合体のコモノマーの選択が行わ
れている。しかしながら、アクリロニトリル、メタクリ
ル酸メチルエステルなどのコモノマーは、共重合体の酸
素バリヤー性および水蒸気バリヤー性を低下させ、特に
熱安定性を著しく低下させることが知られている。そし
てこれらの共重合体から得られる成形体は分解により着
色する。また塩化ビニルなどのコモノマーは連鎖移動性
を有し、重合生産性を低下させるという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な従来の共重合体が有する欠点を克服し、塩化ビニリデ
ンを主成分とした共重合体の成形性を改良することを目
的とするものである。
【0006】
〔式中のXはHまたはCH3 、YはCN、ClまたはC(=O)OCZ 2Z+1(ただし、z は1〜12の整数)を表す。〕
この発明においては、(b)単位のXがH、YがClま
たはC(=O)OCZ2Z+1(ただし、z は1〜4の整
数)が好ましい。
【0007】また、上記共重合体において、(c)単位
を0.005〜1重量%含む場合が好ましい。さらに、
(a)単位が80〜98重量%、(b)単位が1.99
9〜19.999重量%の共重合体が好ましい。以下、
この発明を詳細に説明する。
【0008】この発明の共重合体において、(a)単位
を形成するモノマーとしては塩化ビニリデンが挙げられ
る。共重合体中の(a)単位の量は、60〜99.89
9重量%、好ましくは80〜98重量%の範囲である。
60重量%未満では、成形体の酸素バリヤ−性および水
蒸気バリヤ−性などの特性が不充分であるし、99.8
9重量%を越えると共重合体の熱分解点と融点が近くな
るため加熱成形の際に熱分解が起き、これから得られる
成形体の色調、外観が悪くなる。(a)単位は、共重合
体中にブロック的に存在し、平均的な(a)単位のブロ
ック数は2以上である。
【0009】この発明の共重合体において、(b)単位
を形成する特定の不飽和モノマーの具体例としては、塩
化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
クリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、
アクリル酸プロピルエステル、アクリル酸イソプロピル
エステル、アクリル酸n−ブチルエステル、アクリル酸
i−ブチルエステル、アクリル酸t−ブチルエステル、
アクリル酸オクチルエステル、アクリル酸ラウリルエス
テル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチ
ルエステル、メタクリル酸プロピルエステル、メタクリ
ル酸イソプロピルエステル、メタクリル酸n−ブチルエ
ステル、メタクリル酸i−ブチルエステル、メタクリル
酸t−ブチルエステル、メタクリル酸オクチルエステ
ル、メタクリル酸ラウリルエステルなどが挙げられる。
この中で、塩化ビニルおよびC1 〜C4 のアクリル酸エ
ステルが好ましく、さらに熱安定性および残存モノマー
回収の点から塩化ビニル、アクリル酸メチルエステルが
好ましい。これらのモノマーは、それぞれ単独で用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】共重合体中の(b)単位の量は0.1〜3
9.999重量%、好ましくは1.999〜19.99
9重量%である。含有量が0.1重量%未満では、得ら
れる共重合体の熱分解点と融点が近くなり、加熱成形の
際に熱分解が生じ、これから得られる成形体の色調、外
観が悪化する。また39.999重量%を越えると成形
体の酸素バリヤー性および水蒸気バリヤー性などの特性
が不充分になる。(b)単位は、共重合体中にランダム
的に存在し、平均的な(b)単位のブロック数は3以下
である。
【0011】この発明の共重合体において、(c)単位
を形成するには、不飽和基を有する塩素化合物を共重合
させる方法などが挙げられる。このような特定の不飽和
基を有する塩素化合物由来の単位を形成させるには、た
とえばモノクロロアセチレンを共重合させる方法などが
ある。共重合体中の(c)単位の量は0.001〜5重
量%、好ましくは0.005〜1重量%である。0.0
01重量%未満では得られる共重合体の熱分解点と融点
が近くなり、加熱成形の際に熱分解が生じ、また成形時
の共重合体の溶融性が低下して、これから得られる成形
品の外観が悪化する。5重量%を越えると再結晶化温度
が低下しすぎて成形後の結晶化が進行しにくくなり、成
形品の物性が安定しなくなる。
【0012】この発明の共重合体の必須構成単位
(a)、(b)および(c)の確認および含有量は、一
般に、高分解能のプロトン核磁気共鳴吸収測定装置(H
−NMR)で測定できる。この発明の共重合体は、前記
特定量の(a)、(b)および(c)単位を必須構成単
位とするが、使用目的など必要に応じて10重量%を越
えない範囲で他の共重合可能な単量体単位を含むことも
できる。
【0013】共重合可能な単量体としては、例えば環状
ビニルエーテル類、エチレン、プロピレン、イソブチレ
ンなどのオレフィン類、ハロオレフィン類、酢酸ビニ
ル、n−酪酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル
類、酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニル
などのカルボン酸イソプロペニルエステル類、シクロア
ルキルビニルエーテル類、アリールビニルエーテル類、
アラルキルビニルエーテル類、スチレンなどの芳香族ビ
ニル化合物、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリエ
トキシシランなどの加水分解性シリル基と不飽和結合を
有するシラン化合物、フマル酸、マレイン酸などの不飽
和結合含有多塩基酸のジまたはモノエステル類や酸無水
物類、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、モノ
(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェ
ート、スルホエチルメタクリレート、アクリル酸、メタ
クリル酸などの反応基含有アクリレートおよびメタクリ
レート類、クロトン酸およびそのエステル類、アクリル
アミド類、アリルエーテル類、カルボン酸アリルエステ
ル類、アリルアルコールなどが挙げられる。これらの共
重合可能な単量体は1種用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0014】この発明の共重合体の分子量は、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフ(GPC)法により測定し
て求めた重量平均分子量(Mw)が5,000〜50
0,000、好ましくは10,000〜200,000
の範囲にある。重量平均分子量(Mw)が前記範囲を逸
脱すると成形性が低下する。また、重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、
1.1〜20、好ましくは1.5〜5の範囲にある。
【0015】このような組成および分子量を有するこの
発明の共重合体は、(c)単位を含まない共重合体の再
結晶化温度(T1)と前記の共重合体に(c)単位を導
入した共重合体の再結晶化温度(T2)の差(ΔTc,
ΔTc=T1−T2)を、0.1℃から100℃の間に
コントロールできる。ΔTcが0.1℃より低いと成形
機内での溶融性が低下するため、成形時の共重合体の分
解や共重合体の未溶融部が生じ、外観などの物性が低下
する。またΔTcが100℃を越えると成形後の結晶化
が遅延し、物性の経時変化を生じ、物性が安定化しなく
なる。この発明の共重合体は、およそ100℃〜0℃の
再結晶化温度を有している。なお、共重合体の再結晶化
温度は、一般的に示差走査熱量測定(DSC)で求める
ことができる。この発明の共重合体は、溶媒の存在下ま
たは不存在下に、所定割合の単量体混合物を、重合開始
源として重合開始剤や電離性放射線などを用い共重合さ
せることにより製造することができる。
【0016】重合開始剤としては、重合形式や所望に応
じて用いられる溶媒の種類に応じて、水溶性のものある
いは油溶性のものが適宜用いられる。水溶性重合開始剤
としては、例えば過硫酸カリウム等の加硫酸塩、過酸化
水素、あるいはこれらと亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫
酸ナトリウムなどの還元剤との組み合わせから成るレド
ックス開始剤、さらには、これらに少量の鉄、第一鉄
塩、硝酸銀などを共存させた無機系開始剤、ジコハク酸
パーオキサイド、ジグルタール酸パーオキサイド、モノ
コハク酸パーオキサイドなどの二塩基酸過酸化物、アゾ
ビスイソブチルアミジン二塩基酸塩などの有機系開始剤
が用いられる。また、油溶性開始剤としては、例えばt
−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオ
キシアセテート、t−ブチルパーオキシピバレート、t
−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートなどのパ
ーオキシエステル型過酸化物、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、ジn−プロピルパーオキシジカーボ
ネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオ
キシジカーボネートなどのジアルキルパーオキシジカー
ボネート型過酸化物、イソブチリルパーオキサイド、ラ
ウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドな
どのジアシルパーオキサイド型過酸化物、アゾビスイソ
ブチロニトリルなどのアゾ型重合開始剤などが用いられ
る。
【0017】これらの重合開始剤の使用量は、その種
類、共重合反応条件などに応じて適宜選ばれるが、通常
使用する単量体全量に対して、0.001〜5重量%、
好ましくは0.01〜2%の範囲から選ばれる。また、
重合方法としては、たとえば塊状重合法、懸濁重合法、
乳化重合法、溶液重合法などを用いることができるが、
重合反応操作の安定性、生成共重合体の分離の容易さな
どの点から、水性媒体中での乳化重合法および懸濁重合
法などが好ましく用いられる。水性媒体中で共重合させ
る場合には、通常、分散安定剤として懸濁剤や乳化剤を
用いることが望ましい。さらに、重合形式については特
に制限はなく、回分式、半連続式、連続式のいずれも用
いることができる。
【0018】共重合反応における反応温度は、通常−3
0〜+150℃の範囲内で、重合開始源や重合媒体の種
類に応じて適宜選ばれ、例えば水性媒体中で共重合を行
う場合には、通常0〜100℃、好ましくは10〜90
℃の範囲で選ばれる。また、反応圧力については特に制
限はないが、通常0.1〜100kg/cm2 、好まし
くは0.5〜30kg/cm2 の範囲で選ばれる。さら
に、この共重合反応は適当な連鎖移動剤を添加して行う
ことができる。この発明の共重合体からなる成形体は、
酸素バリヤー性、水および水蒸気バリヤー性に優れるの
で、熱成形で厚さ1〜100μmのフィルムなどを作成
して食品などの包装材料に使用したり、コーティング材
として各種プラスチックフィルムなどに塗布して酸素バ
リヤー性、水および水蒸気バリヤー性を付与することが
できる。
【0019】この発明の共重合体を主成分とした成形体
を得るに当っては、種々の添加剤を使用することができ
る。添加剤としては、可塑剤、顔料、滑り剤、防曇剤、
抗酸化剤、塩化水素補足剤などが挙げられる。共重合体
と添加剤の調整は、共重合体と添加剤とを例えばボール
ミル、ペイントシェーカー、サンドミル、ジェットミ
ル、三本ロール、ニーダー等、通常熱可塑樹脂の組成物
の調整に用いられている混合機を用いて均質に混合する
ことにより行うことができる。この際、所望に応じ、顔
料分散安定剤、紫外線吸収剤などを添加することもでき
る。
【0020】また、成形体は、この発明の共重合体パウ
ダーをプレス成形機、押出機、射出成形機などのプラス
チック用成形加工機を用いて得ることができる。この発
明の共重合体を主成分とする成形体は、酸素バリヤー
性、水および水蒸気バリヤー性、耐熱性などに優れ、色
調も良好で、食品、医薬品の容器・包装材料や繊維とし
て、例えば電子レンジでの食品加熱用容器・包装材料、
食品を冷蔵庫に保存する際の容器・包装材料、獣肉およ
び魚肉のソーセージフィルムとして有用である。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。実施例では以下の測定方法を使用した。 (1)共重合体の組成 高分解のプロトン核磁気共鳴吸収測定装置(H−NM
R)にて測定した。各単位の含有量は以下のようにして
求めた。(a)、(b)の各単位は常法にて測定した。
(c)単位は、重水素化テトラヒドロフランに共重合体
を5%溶解した溶液を、測定温度約23℃の条件下、4
00MHzのH−NMRで測定し、そのスペクトル中の
テトラメチルシランを基準とした化学シフトが7.01
ppmのシングレットのピ−クを用いて計算した。測定
装置としては日本電子製α−400を使用した。 (2)重量平均分子量 ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフ(GPC)法を用
いた。共重合体をテトラヒドロフランに0.05%溶解
し、分子量既知の単分散ポリスチレンを標準物質として
測定した。測定装置としては東ソ−製8000シリ−ズ
を使用した。 (3)共重合体の再結晶化温度 示差走査熱量測定(DSC)を用いた。共重合体を10
℃/分の速度で180℃まで昇温、1分間保持し、その
後10℃/分の速度で降温して、結晶化ピ−クより共重
合体の再結晶化温度を求めた。測定装置としてはパ−キ
ンエルマ−社製DSC−7を使用した。
【0022】
【実施例1】内容積100ミリリットルのガラス性アン
プル管に、メチルセルロースを1.8重量%含むイオン
交換水を8.3gおよびイオン交換水を51.8g仕込
み、王冠で栓をし−30℃で一晩凍結させた。そして開
冠し空間部を窒素置換の後、ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネートを20重量%含むアセチルクエン酸トリ
ブチルを0.75g、塩化ビニリデンを31g、塩化ビ
ニルを19g、モノクロルアセチレンを0.033gを
仕込み、王冠で栓をした。このアンプル管を室温の水中
に投入し解凍した後、振とう機にセットして昇温を開始
した。45℃で30時間振とうした後、振とう機よりア
ンプル管を取り出し−30℃で凍結させた。凍結後アン
プルの王冠に小穴を開け残存モノマーなどのガスを抜
き、王冠を外し解凍し、ろ過、水洗し45℃で真空乾燥
した。
【0023】得られた生成物はパウダ−状であり、44
gであった。この生成物の組成を測定した結果、塩化ビ
ニリデン単位が88.248重量%、塩化ビニル単位が
11.739重量%、(c)単位が0.013重量%の
共重合体で、重量平均分子量は36,000であった。
この共重合体10gを170℃加熱2分で熱プレスし厚
さ450μmのシートを作成した。このシートは透明
で、表面は平滑であり、JISK7105に準じた色調
を表すb値は3.7であった。また、再結晶化温度は9
9℃であり、ΔTcは4℃であった。図1は、本実施例
の共重合体のH−NMRスペクトルチャートであり、図
2は図1の拡大図である。
【0024】
【実施例2】内容積100ミリリットルのガラス性アン
プル管に、メチルセルロースを1.8重量%含むイオン
交換水を8.3gおよびイオン交換水を51.8g仕込
み、王冠で栓をし−30℃で一晩凍結させた。そして開
冠し空間部を窒素置換の後、ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネートを20重量%含むアセチルクエン酸トリ
ブチルを0.75g、塩化ビニリデンを31g、塩化ビ
ニルを19g、モノクロルアセチレンを0.065gを
仕込み、王冠で栓をした。このアンプル管を室温の水中
に投入し解凍した後、振とう機にセットして昇温を開始
した。45℃で30時間振とうした後、振とう機よりア
ンプル管を取り出し−30℃で凍結させた。凍結後アン
プルの王冠に小穴を開け残存モノマーなどのガスを抜
き、王冠を外し解凍し、ろ過、水洗し45℃で真空乾燥
した。得られた生成物はパウダ−状であり、43gであ
った。この生成物の組成を測定した結果、塩化ビニリデ
ン単位が89.513重量%、塩化ビニル単位が10.
442重量%、(c)単位が0.045重量%からなる
共重合体であった。また、この共重合体の重量平均分子
量は36,000であった。この共重合体10gを17
0℃加熱2分で熱プレスし厚さ450μmのシートを作
成した。このシートは透明で、表面は平滑であり、JI
SK7105に準じた色調を表すb値は7.5であっ
た。また、再結晶化温度は92℃であり、ΔTcは11
℃であった。
【0025】
【比較例1】内容積100ミリリットルのガラス性アン
プル管に、メチルセルロースを1.8重量%含むイオン
交換水を8.3gおよびイオン交換水を51.8g仕込
み、王冠で栓をし−30℃で一晩凍結させた。そして開
冠し空間部を窒素置換の後、ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネートを20重量%含むアセチルクエン酸トリ
ブチルを0.37g、塩化ビニリデンを31g、塩化ビ
ニルを19gを仕込み、王冠で栓をした。このアンプル
管を室温の水中に投入し解凍した後、振とう機にセット
して昇温を開始した。40℃で16時間振とうした後、
振とう機よりアンプル管を取り出し−30℃で凍結させ
た。凍結後アンプルの王冠に小穴を開け残存モノマーな
どのガスを抜き、王冠を外し解凍し、ろ過、水洗し45
℃で真空乾燥した。得られた生成物は15gであった。
この生成物の組成を測定した結果、塩化ビニリデン単位
が88重量%、塩化ビニル単位が12重量%からなる共
重合体であった。また、この共重合体の重量平均分子量
は72,000であった。この共重合体10gを170
℃加熱2分で熱プレスし厚さ450μmのシートを作成
した。このシートは未溶融の共重合体が存在するため透
明性に劣り、外観に凹凸が見られた。また、再結晶化温
度は103℃であった。
【0026】
【比較例2】内容積100ミリリットルのガラス性アン
プル管に、メチルセルロースを1.8重量%含むイオン
交換水を8.3gおよびイオン交換水を51.8g仕込
み、王冠で栓をし−30℃で一晩凍結させた。そして開
冠し空間部を窒素置換の後、ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネートを20重量%含むアセチルクエン酸トリ
ブチルを0.37g、塩化ビニリデンを31g、塩化ビ
ニルを19g、モノクロルアセチレンを15仕込み、王
冠で栓をした。このアンプル管を室温の水中に投入し解
凍した後、振とう機にセットして昇温を開始した。40
℃で16時間振とうした後、振とう機よりアンプル管を
取り出し−30℃で凍結させた。凍結後アンプルの王冠
に小穴を開け残存モノマーなどのガスを抜き、王冠を外
し解凍し、ろ過、水洗し45℃で真空乾燥を行った。得
られた生成物は15gであった。この生成物の組成を測
定した結果、塩化ビニリデン単位が82重量%、塩化ビ
ニル単位が12重量%、(c)単位が6重量%からなる
共重合体で、重量平均分子量は72,000であった。
この共重合体10gを170℃加熱2分で熱プレスし、
厚さ450μmのシートを作成した。このシートは濃茶
色に着色し濁りがあり、JISK7105に準じた色調
を表すb値は48であった。また、再結晶化温度は−7
℃であり、ΔTcは110℃であった。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば
再結晶化温度を一定範囲内に制御した成形性に優れた共
重合体が得られ、しかもこれを主成分とする成形体は、
色調・外観に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の共重合体のH−NMRスペクトルチ
ャ−トである。
【図2】図1の拡大図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 238:00)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)、(b)、(c)を必須構成
    単位とし、各構成単位を(a)60〜99.899重量
    %、(b)0.1〜39.999重量%、(c)0.0
    01〜5重量%の割合で含み、かつゲルパーミエーショ
    ンクロマトグラフ法によって測定した重量平均分子量
    (Mw)が5,000〜500,000であることを特
    徴とする共重合体。 (a) −(CH2 −CCl2 )− (b) −(CH2 −CXY)− (c) −(CH2 −CCl2 −CH=CCl−CH2
    −CCl2 )− 〔式中のXはHまたはCH3 、YはCN、ClまたはC
    (=O)OCz H2Z+1(ただし、z は1〜12の整数)
    を表す。〕
  2. 【請求項2】 (b)単位のXがH、YがClまたはC
    (=O)OCz H2Z +1(ただし、z は1から4の整数)
    である請求項1記載の共重合体。
  3. 【請求項3】 (c)単位を0.005〜1重量%含む
    請求項1記載の共重合体。
  4. 【請求項4】 (a)単位を80〜98重量%、(b)
    単位を1.999〜19.999重量%含む請求項1記
    載の共重合体。
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