JPH0977556A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

Info

Publication number
JPH0977556A
JPH0977556A JP7234370A JP23437095A JPH0977556A JP H0977556 A JPH0977556 A JP H0977556A JP 7234370 A JP7234370 A JP 7234370A JP 23437095 A JP23437095 A JP 23437095A JP H0977556 A JPH0977556 A JP H0977556A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tio
bao
dielectric
resonance frequency
molar ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7234370A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3696947B2 (ja
Inventor
Mikio Takimoto
幹夫 滝本
Hisakazu Fujimoto
久和 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikko Co Ltd
Nikko KK
Original Assignee
Nikko Co Ltd
Nikko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikko Co Ltd, Nikko KK filed Critical Nikko Co Ltd
Priority to JP23437095A priority Critical patent/JP3696947B2/ja
Publication of JPH0977556A publication Critical patent/JPH0977556A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3696947B2 publication Critical patent/JP3696947B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比誘電率と無負荷Q値とが大きく、共振周波
数の温度係数の絶対値が小さく、しかも、耐還元性が向
上してCu電極形成を可能にした誘電体磁器組成物を実
現する。 【解決手段】 この誘電体磁器組成物は、組成式が下式
(1) であるか、または、BaO−xTiO2 (4.2≦
x≦4.6)1モルと(Li1/2 Ln1/2 )TiO
3 (ここで、Lnは、La、Nd、SmおよびPrから
なる群から選ばれる少なくとも1つの元素である)yモ
ル(0<y≦0.1)とを混合し焼成して得られる。 【化1】 (4.200 ≦x≦4.600 ;0.000<y≦0.100 ;z=y;Ln
は、La、Nd、SmおよびPrからなる群から選ばれる少なく
とも1つの元素である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波領域な
どで使用される誘電体磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波領域において、誘電体共振器
やマイクロ波回路用基板として誘電体が使用されてい
る。これらの用途に使用される誘電体磁器には、高い比
誘電率、高い無負荷Q値、共振周波数の温度係数の絶対
値が小さいことが求められている。マイクロ波などの高
周波の波長は誘電体磁器組成物中では1/εr 1/2 (ε
rは誘電体磁器組成物の比誘電率)倍に短縮されるた
め、比誘電率が大きい誘電体磁器組成物ほど、機器を小
型化したり基板を薄型化したりできる。
【0003】従来、マイクロ波領域で使用される誘電体
材料としては、BaO−TiO2 系磁器、および、Ba
O−TiO2 系磁器のBaおよび/またはTiの一部を
Zrで置換した磁器、複合ペロブスカイト系磁器などが
知られている。これらの誘電体材料には、無負荷Q値が
低かったり、共振周波数の温度係数が大きかったり、C
u電極を形成する際の還元雰囲気で著しく無負荷Q値が
低下したりする。また、複合ペロブスカイト系磁器は、
NbまたはTaを主原料とするので非常に高価になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、比誘
電率と無負荷Q値とが大きく、共振周波数の温度係数の
絶対値が小さく、しかも、耐還元性が向上してCu電極
形成を可能にした誘電体磁器組成物を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の誘電体磁器組成
物は、組成式が、
【0006】
【化2】
【0007】(ここで、4.2≦x≦4.6であり;0
<y≦0.1であり;z=yであり;Lnは、La、N
d、SmおよびPrからなる群から選ばれる少なくとも
1つの元素である)であるものである。組成式(1) は、
TiO2 、Li2 O、およびLn2 3 の、BaOに対
するモル比が所定の範囲であること、または、Ba、T
i、Li、Ln、およびOを含む誘電体磁器組成物にお
いて、Ba、Ti、Li、およびLnのモル比が、Ba
O、TiO2 、Li2 O、およびLn2 3 の形に換算
して所定の範囲であることを意味する。
【0008】本発明の誘電体磁器組成物は、BaO−x
TiO2 (ここで、4.2≦x≦4.6である)1モル
と(Li1/2 Ln1/2 )TiO3 (ここで、Lnは、L
a、Nd、SmおよびPrからなる群から選ばれる少な
くとも1つの元素である)yモル(ここで、0<y≦
0.1である)とを混合し焼成して得られたものであ
る。BaO−xTiO2 は、TiO2 の、BaOに対す
るモル比が所定の範囲であること、または、Ba、T
i、およびOを含むものにおいて、Ba、およびTiの
モル比が、BaO、およびTiO2 の形に換算して所定
の範囲であることを意味する。(Li1/2 Ln1/2 )T
iO3 は、TiO2 、Li2 O、およびLn23 のモ
ル比が所定の範囲であること、または、Ti、Li、L
n、およびOを含むものにおいて、Ti、Li、および
Lnのモル比が、TiO2 、Li2 O、およびLn2
3 の形に換算して所定の範囲であることを意味する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体磁器組成物は、下
記組成式で表される。
【0010】
【化3】
【0011】(ここで、4.2≦x≦4.6であり;0
<y≦0.1であり;z=yであり;Lnは、La、N
d、SmおよびPrからなる群から選ばれる少なくとも
1つの元素である) 組成式(1) の誘電体磁器組成物は、好ましくは、4.4
≦x≦4.5、0.010≦y≦0.05、z=yであ
る。
【0012】組成式(1) は、TiO2 、Li2 O、およ
びLn2 3 の、BaOに対するモル比が所定の範囲で
あること、または、Ba、Ti、Li、Ln、およびO
を含む誘電体磁器組成物において、Ba、Ti、Li、
およびLnのモル比が、BaO、TiO2 、Li2 O、
およびLn2 3 の形に換算して所定の範囲であること
を意味する。
【0013】本発明の誘電体磁器組成物は、BaO−x
TiO2 を1モルと(Li1/2 Ln 1/2 )TiO3 をy
モルの割合で混合し焼成して得られたものである。ここ
で、4.2≦x≦4.6であり;0<y≦0.1であ
り;Lnは、La、Nd、SmおよびPrからなる群か
ら選ばれる少なくとも1つの元素であり、好ましくは、
4.4≦x≦4.5であり;0.01≦y≦0.05で
あり;Lnは、La、Nd、SmおよびPrからなる群
から選ばれる少なくとも1つの元素である。
【0014】BaO−xTiO2 は、TiO2 の、Ba
Oに対するモル比が所定の範囲であること、または、B
a、Ti、およびOを含むものにおいて、Ba、および
Tiのモル比が、BaO、およびTiO2 の形に換算し
て所定の範囲であることを意味する。(Li1/2 Ln
1/2 )TiO3 は、TiO2 、Li2 O、およびLn2
3 のモル比が所定の範囲であること、または、Ti、
Li、Ln、およびOを含むものにおいて、Ti、L
i、およびLnのモル比が、TiO2 、Li2 O、およ
びLn2 3 の形に換算して所定の範囲であることを意
味する。
【0015】xの値が前記範囲を下回ると共振周波数の
温度係数が+10ppm以上になるという問題があり、
xの値が前記範囲を上回ると無負荷Q値が小さくなると
いう問題がある。yの値が前記範囲を下回ると比誘電率
が低くなり、無負荷Q値も低くなり、また、焼成密度も
低くなり焼成密度を上げようとして焼成温度を上げると
焼成物にクラックが入るという重大な欠点がある。yの
値が前記範囲を上回ると共振周波数の温度係数が10p
pm以上とプラス側に大きくなるという問題がある。
【0016】本発明の誘電体磁器組成物は、たとえば、
計量工程と湿式混合工程と乾燥工程と仮焼工程と粉砕工
程と成形工程と焼成工程とを含む方法により作られる
が、製造方法に限定はない。計量工程は、化学的に高純
度の、バリウム;チタン;リチウム;ランタンとネオジ
ムとサマリウムとプラセオジムとからなる群から選ばれ
る少なくとも1つの、炭酸塩、酸化物などの出発原料
(たとえば、炭酸バリウム、二酸化チタン、炭酸リチウ
ム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸
化プラセオジム)の粉末をBa・Ti・Li・La・N
d・Sm・Prが所定のモル比となるように計量する工
程である。湿式混合工程は、計量された粉末を水および
/またはアルコール(たとえば、メチルアルコール、エ
チルアルコール)などの溶媒と共に湿式混合する工程で
ある。乾燥工程は、湿式混合物から溶媒を除去して乾燥
する工程である。仮焼工程は、乾燥工程で得られた乾燥
物を空気などの酸素含有ガス雰囲気中で750〜110
0℃の温度で1〜5時間仮焼する工程である。粉砕工程
は、仮焼物を水および/またはアルコール(たとえば、
メチルアルコール、エチルアルコール)などの溶媒の存
在下で粉砕する工程である。成形工程は、粉砕物を、溶
媒を含んだまま加圧成形(圧力はたとえば800〜15
00kg/cm2 )する工程である。焼成工程は、成形物を
空気などの酸素含有ガス雰囲気中で1200〜1400
℃の温度で1〜10時間焼成する工程である。得られた
焼成物をそのまま誘電体磁器組成物としたり、あるい
は、必要に応じて焼成物の形状および大きさを適宜加工
して誘電体磁器組成物としたりすることができる。混合
や粉砕は、たとえば、樹脂ポットミル、樹脂ボールミ
ル、アルミナ製ボールミルまたはジルコニア製ボールを
使用して数時間〜数十時間程度行われる。出発原料、粉
砕物などは、得られる誘電体磁器組成物の均一性を高め
るために、たとえば、60メッシュ(タイラー標準ふる
い)通過品、好ましくは200メッシュ(タイラー標準
ふるい)通過品、より好ましくは250メッシュ(タイ
ラー標準ふるい)通過品として次の工程に供される。
【0017】本発明の誘電体磁器組成物は、または、予
め調製した、BaO−xTiO2 と(Li1/2
1/2 )TiO3 とを所定の割合で混合し焼成する方法
により作られる。この方法では、たとえば、BaO−x
TiO2 仮焼粉と(Li1/2 Ln1/ 2 )TiO3 仮焼粉
とを水および/またはアルコール(たとえば、メチルア
ルコール、エチルアルコール)などの溶媒と共に粉砕し
混合する。得られた混合物を加圧成形(圧力はたとえば
800〜1500kg/cm2 )する。得られた成形物を空
気などの酸素含有ガス雰囲気中で1200〜1400℃
の温度で1〜10時間焼成する。得られた焼成物をその
まま誘電体磁器組成物としたり、あるいは、必要に応じ
て焼成物の形状および大きさを適宜加工して誘電体磁器
組成物としたりすることができる。混合や粉砕は、たと
えば、樹脂ポットミル、樹脂ボールミル、アルミナ製ボ
ールミルまたはジルコニア製ボールを使用して数時間〜
数十時間程度行われる。出発原料、粉砕物などは、得ら
れる誘電体磁器組成物の均一性を高めるために、たとえ
ば、60メッシュ(タイラー標準ふるい)通過品、好ま
しくは200メッシュ(タイラー標準ふるい)通過品、
より好ましくは250メッシュ(タイラー標準ふるい)
通過品として次の工程に供される。
【0018】BaO−xTiO2 は、計量工程と湿式混
合工程と乾燥工程と仮焼工程とを含む方法により作られ
る。計量工程は、化学的に高純度の、バリウム;チタン
の、炭酸塩、酸化物などの出発原料(たとえば、炭酸バ
リウム、二酸化チタン)の粉末をBa・Tiが所定のモ
ル比となるように計量する工程である。湿式混合工程
は、計量された粉末を水および/またはアルコール(た
とえば、メチルアルコール、エチルアルコール)などの
溶媒と共に湿式混合する工程である。乾燥工程は、湿式
混合物から溶媒を除去して乾燥する工程である。仮焼工
程は、乾燥工程で得られた乾燥物を空気などの酸素含有
ガス雰囲気中で750〜1100℃の温度で1〜5時間
仮焼する工程である。
【0019】(Li1/2 Ln1/2 )TiO3 は、計量工
程と湿式混合工程と乾燥工程と仮焼工程とを含む方法に
より作られる。計量工程は、化学的に高純度の、チタ
ン;リチウム;ランタンとネオジムとサマリウムとプラ
セオジムとからなる群から選ばれる少なくとも1つの、
炭酸塩、酸化物などの出発原料(たとえば、二酸化チタ
ン、炭酸リチウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化
サマリウム、酸化プラセオジム)の粉末をTi・Li・
La・Nd・Sm・Prが所定のモル比となるように計
量する工程である。湿式混合工程は、計量された粉末を
水および/またはアルコール(たとえば、メチルアルコ
ール、エチルアルコール)などの溶媒と共に湿式混合す
る工程である。乾燥工程は、湿式混合物から溶媒を除去
して乾燥する工程である。仮焼工程は、乾燥工程で得ら
れた乾燥物を空気などの酸素含有ガス雰囲気中で750
〜1100℃の温度で1〜5時間仮焼する工程である。
【0020】本発明では、La、Nd、SmおよびPr
からなる群から選ばれる少なくとも2つのランタノイド
元素を含むときには、これらの出発原料粉末として、そ
れら2以上のランタノイド元素を含有するものが使用で
き、分離コストが省ける分だけ原料が安くなる。2以上
のランタノイド元素を含有する原料粉末が狙いとする組
成比に対してランタノイド元素を不足している場合に
は、不足分のランタノイド原料粉末を添加することによ
り狙いとする組成比が得られる。
【0021】本発明の誘電体磁器組成物は、誘電体共振
器、誘電体基板、磁器コンデンサなどの誘電体として利
用可能である。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の実施例と、本発明の範囲を
外れた比較例とを示すが、本発明は下記実施例に限定さ
れない。 (実施例1〜18および比較例1〜14)上記組成式
(1) の誘電体磁器組成物の実施例と比較例とを示す。
【0023】化学的に高純度である、BaCO3 、Li
2 CO3 、La2 3 、Nd2 3、Sm2 3 、Pr
6 11、およびTiO2 の各粉末を所定のモル比(表1
〜2のx,y,zの値とLnの種類参照)になるように
計量した。次に、これらの粉末を樹脂のボールミルに入
れ、樹脂製ボールと純水とを加えて20時間混合した。
混合により得られたスラリーを乾燥し、乾燥物をアルミ
ナ製さやに入れて750〜〜1000℃で1〜5時間仮
焼した。仮焼物を、混合に用いたのと同じ樹脂製ボール
ミルに入れ、樹脂製ボールと純水とを加えて20時間粉
砕した。粉砕により得られたスラリーを60メッシュの
タイラー標準ふるいに通し、通過品を10mmφ金型に充
填し、100MPaの圧力でプレスし、直径10mmで厚
み6mmの円柱状の成形体を得た。この成形体を空気中で
1200〜1400℃の温度で1〜5時間焼成し焼成体
を得た。焼成体の端面をラップ加工し、誘電体円柱共振
器法による測定から共振周波数と無負荷Qと比誘電率と
を求めた。共振周波数は8〜10GHzであった。共振
周波数の温度係数は−30℃から+70℃の範囲で測定
し、次式で計算した。また、焼成体の焼結状態を目視に
より調べた。焼成体に、クラックが生じていたり(クラ
ックと表示)、大きな粒成長が起きていたり(粒成長大
と表示)するなどの異常が見られないものを良好と表示
した。
【0024】
【数1】
【0025】(ここで、τf は共振周波数の温度係数で
あり、f70は70℃における共振周波数であり、f-30
は−30℃における共振周波数であり、f20は20℃に
おける共振周波数である) 結果を表1〜2に示した。 (実施例19〜22)BaO−xTiO2 と(Li1/2
Ln1/2 )TiO3 (ここで、Lnは、La、Nd、S
mおよびPrからなる群から選ばれる少なくとも1つの
元素である)とを混合し焼成した場合の誘電体磁器組成
物の実施例と比較例とを示す。
【0026】化学的に高純度である、BaCO3 および
TiO2 の各粉末を所定のモル比(表3のxの値参照)
になるように計量した。次に、これらの粉末を樹脂製の
ボールミルに入れ、樹脂製ボールと純水とを加えて20
時間混合した。混合により得られたスラリーを乾燥し、
乾燥物をアルミナ製さやに入れて750〜〜1000℃
で1〜5時間仮焼した。
【0027】化学的に高純度である、Li2 CO3 、N
2 3 、およびTiO2 の各粉末を所定のモル比にな
るように計量した。次に、これらの粉末を樹脂製のボー
ルミルに入れ、樹脂製ボールと純水とを加えて20時間
混合した。混合により得られたスラリーを乾燥し、乾燥
物をアルミナ製さやに入れて750〜〜1000℃で1
〜5時間仮焼した。
【0028】各仮焼物を所定のモル比(表3のx,yの
値とLnの種類参照)で、混合に用いたのと同じ樹脂製
ボールミルに入れ、樹脂製ボールと純水とを加えて20
時間粉砕し混合した。得られたスラリーを60メッシュ
のタイラー標準ふるいに通し、通過品を10mmφ金型に
充填し、100MPaの圧力でプレスし、直径10mmで
厚み6mmの円柱状の成形体を得た。この成形体を空気中
で1200〜1400℃の温度で1〜5時間焼成し焼成
体を得た。焼成体の端面をラップ加工し、誘電体円柱共
振器法による測定から共振周波数と無負荷Qと比誘電率
とを求めた。共振周波数は8〜10GHzであった。共
振周波数の温度係数は−30℃から+70℃の範囲で測
定し、上式で計算した。また、焼成体の焼結状態を目視
により調べた。焼成体に、クラックが生じていたり(ク
ラックと表示)、大きな粒成長が起きていたり(粒成長
大と表示)するなどの異常が見られないものを良好と表
示した。
【0029】結果を表3に示した。比較のために、同じ
元素組成の実施例5〜8のデータも表3に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】表1〜3にみるように、上記組成式でy=
0の場合、比較例1〜6で示したように焼結状態が悪
く、すべてクラックを生じた。本発明で規定する範囲で
は、例えば実施例8にみるように、比誘電率は、38.
2、無負荷Q値は4350、τfは、3ppmと非常に
優れた値となり、しかも焼結状態も良好である。また、
LnをLa、Nd、Sm、Prのいずれを用いても焼結
状態は良好で電気特性も優れた値となり、特にτfは1
0ppm以下と実用上優れたものとなる。
【0034】表3にみるように、BaO−xTiO2
焼粉に(Li1/2 Ln1/2 )TiO 3 (実施例ではLn
=Nd)仮焼粉を添加した方が比誘電率、無負荷Q値、
τfがさらに改善される。また、耐還元性の評価とし
て、表1〜2の実施例試料と比較例試料にCu導体の焼
成条件の1例である900℃のN2 雰囲気中で焼成を行
い、焼成前と焼成後の電気特性を比較し、また、外観の
変化を調べた。外観に異常ない場合は異常なしと表示
し、変色した場合は変色ありと表示した。結果を表4に
示した。
【0035】
【表4】
【0036】表4にみるように、本発明で規定する範囲
内の組成では、N2 雰囲気中で焼成後も電気特性は焼成
前のレベルを維持またはほぼ維持し耐還元性に優れたも
のである。
【0037】
【発明の効果】本発明の誘電体磁器組成物は、組成式が
上式(1) であるので、比誘電率と無負荷Q値とが大き
く、共振周波数の温度係数の絶対値が小さく、しかも、
耐還元性が向上してCu電極形成を可能にする。本発明
の誘電体磁器組成物は、BaO−xTiO2 (ここで、
4.2≦x≦4.6である)1モルと(Li1/2 Ln
1/2 )TiO3 (ここで、Lnは、La、Nd、Smお
よびPrからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素
である)yモル(ここで、0<y≦0.1である)とを
混合し焼成して得られたものであるので、比誘電率と無
負荷Q値とが大きく、共振周波数の温度係数の絶対値が
小さく、しかも、耐還元性が向上してCu電極形成を可
能にする。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成式が、 【化1】 (ここで、4.2≦x≦4.6であり;0<y≦0.1
    であり;z=yであり;Lnは、La、Nd、Smおよ
    びPrからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素で
    ある)である誘電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】BaO−xTiO2 (ここで、4.2≦x
    ≦4.6である)1モルと(Li1/ 2 Ln1/2 )TiO
    3 (ここで、Lnは、La、Nd、SmおよびPrから
    なる群から選ばれる少なくとも1つの元素である)yモ
    ル(ここで、0<y≦0.1である)とを混合し焼成し
    て得られた誘電体磁器組成物。
JP23437095A 1995-09-12 1995-09-12 誘電体磁器組成物 Expired - Fee Related JP3696947B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23437095A JP3696947B2 (ja) 1995-09-12 1995-09-12 誘電体磁器組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23437095A JP3696947B2 (ja) 1995-09-12 1995-09-12 誘電体磁器組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0977556A true JPH0977556A (ja) 1997-03-25
JP3696947B2 JP3696947B2 (ja) 2005-09-21

Family

ID=16969951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23437095A Expired - Fee Related JP3696947B2 (ja) 1995-09-12 1995-09-12 誘電体磁器組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3696947B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0873979A1 (en) * 1997-04-24 1998-10-28 Ngk Spark Plug Co., Ltd Dielectric material and process for producing the same
JP5651703B2 (ja) * 2010-10-20 2015-01-14 太陽誘電株式会社 積層セラミックコンデンサ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0873979A1 (en) * 1997-04-24 1998-10-28 Ngk Spark Plug Co., Ltd Dielectric material and process for producing the same
US6165927A (en) * 1997-04-24 2000-12-26 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Dielectric material and process for producing the same
JP5651703B2 (ja) * 2010-10-20 2015-01-14 太陽誘電株式会社 積層セラミックコンデンサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP3696947B2 (ja) 2005-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003002743A (ja) 誘電体磁器組成物
JP3696947B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JPH0255884B2 (ja)
JP2501649B2 (ja) マイクロ波誘電体セラミックス
JPH0742165B2 (ja) マイクロ波誘電体セラミックス
JPH06275126A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH07114824A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH0580764B2 (ja)
JP2887244B2 (ja) 高周波用誘電体磁器組成物
JP3347613B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JPH06333422A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH06325620A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH04114919A (ja) 複合ペロブスカイト型誘電体磁器粉末の製造方法
JPH0877828A (ja) 誘電体磁器組成物及びその製造方法
JPH08115616A (ja) 誘電体磁器組成物およびその比誘電率調整方法
JP2001302334A (ja) 誘電体磁器組成物
JP2001302333A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH06333421A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH04357616A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH06333425A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH0676628A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH0612913A (ja) 誘電体磁器組成物及びその製造方法
JPH07257970A (ja) 導電性セラミックス
JPH06325621A (ja) 誘電体磁器組成物
JPH09241073A (ja) 高周波用誘電体磁器組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050303

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050701

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080708

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090708

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090708

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100708

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110708

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees