JPH0976403A - 熱成形用シートと熱成形品 - Google Patents

熱成形用シートと熱成形品

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JPH0976403A
JPH0976403A JP26206995A JP26206995A JPH0976403A JP H0976403 A JPH0976403 A JP H0976403A JP 26206995 A JP26206995 A JP 26206995A JP 26206995 A JP26206995 A JP 26206995A JP H0976403 A JPH0976403 A JP H0976403A
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JP
Japan
Prior art keywords
sheet
thermoplastic resin
thermoforming
natural organic
skin material
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Pending
Application number
JP26206995A
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English (en)
Inventor
Yasunori Ikuga
康則 生賀
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた熱成形性を維持しつつ、マット調の落
ち着いた外観、さらっとした感触を有し、しかも吸放湿
性効果により、ベトつき感が少ない熱成形用シートと該
シートより得られる熱成形品を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 天然有機物微粉末含有表皮材1を有す
る熱成形用シート、天然有機物微粉末含有表皮材1
に、熱可塑性樹脂発泡シート3及び内装材2を積層して
なる熱成形用シート、天然有機物微粉末含有表皮材1
に、熱可塑性樹脂発泡シート3、熱可塑性樹脂シート4
及び内装材2を積層してなる熱成形用シート、及び前
記熱成形用シートを熱成形してなる熱成形品を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鞄,ケース,トレ
イ等の素材として好適な熱成形用シートと、該シートよ
り得られる熱成形品に関するものであって、詳しくは優
れた熱成形性を維持しつつ、マット調の落ち着いた外
観、さらっとした感触を有し、しかも吸放湿性効果によ
り、べとつき感が少ない熱成形用シートと該シートより
得られる熱成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、天然皮革調の外観を有する熱成形用シートが種々提
案されている。例えば、表皮層として合成皮革(伸び率
が縦,横方向共に100%以上の織布を用いた基布を使
用)を用い、芯材層として架橋ポリオレフィン発泡シー
ト(伸び率が縦,横方向共に100%以上)を用い、か
つ、内装材として織布(伸び率が縦,横方向共に100
%以上の織布)を用いた熱成形用複合シートが提案され
ている(実公平3−37944号公報)。このシートは
皮革調或いはマット調の外観を有するものの、手触り感
が悪く、汗でベタつき易く、特に成形後は、延伸される
ため、手触り感はさらに低下してしまうという欠点があ
った。
【0003】また、50〜200メッシュの皮革粉を配
合した単層の熱可塑性樹脂シート又はフィルムが提案さ
れている(特開昭62−256900号公報)が、この
ものは真空成形に限定されており、その成形品は極く限
られたものである。さらに、両外層にポリオレフィン系
熱可塑性エラストマーからなるシートを用い、中間層に
熱可塑性樹脂発泡シートを用いた3層構造のシートが提
案されている(実開平1−3423号公報)が、このシ
ートは外観,感触ともに満足できるものではなかった。
【0004】本発明は、このような従来技術の欠点を解
消し、優れた熱成形性を維持しつつ、マット調の落ち着
いた外観、さらっとした感触を有し、しかも吸放湿性効
果により、ベトつき感が少ない熱成形用シートと該シー
トより得られる熱成形品を提供することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1記載
の本発明は、天然有機物微粉末含有表皮材を有する熱成
形用シートを提供するものである。
【0006】次に、請求項7記載の本発明は、上記請求
項1記載の熱成形用シートを熱成形してなる熱成形品を
提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面により説明す
る。図1は、本発明の熱成形用シートの第1の態様(単
層シート)を示す説明図である。また、図2は、本発明
の熱成形用シートの第2の態様(3層積層シート)を示
す説明図である。図中、符号1は天然有機物微粉末含有
表皮材(天然有機物微粉末含有表皮層)であり、符号2
は内装材であり、符号3は熱可塑性樹脂発泡シート(熱
可塑性樹脂発泡層)である。
【0008】本発明の熱成形用シートは、天然有機物微
粉末含有表皮材1を有するものであれば良く、図1に示
すように、天然有機物微粉末含有表皮材1のみからなる
単層シートであっても良いし、図2や後述の図3に示す
ような、他の層を積層した多層積層シートであっても良
い。図2は、天然有機物微粉末含有表皮材(天然有機物
微粉末含有表皮層)1に、熱可塑性樹脂発泡シート(熱
可塑性樹脂発泡層)3を介して、内装材2を積層した3
層積層シートを示している。
【0009】ここで天然有機物微粉末含有表皮材1とし
ては、天然有機物微粉末を配合した熱可塑性樹脂フィ
ルム又はシート、天然有機物配合塗膜を有する熱可塑
性樹脂フィルム又はシート、天然有機物微粉末を配合
した合成皮革又は人工皮革、或いは天然有機物配合塗
膜を有する合成皮革又は人工皮革を用いる。上記と
は、天然有機物と熱可塑性樹脂フィルム又はシートとを
組み合わせたものであり、上記とは、天然有機物と
合成皮革又は人工皮革とを組み合わせたものである。
【0010】ここで熱可塑性樹脂フィルム又はシートと
しては、例えばポリウレタン,ポリ塩化ビニル(PV
C),オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO),
ポリプロピレン(PP),ポリエチレン(PE),アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS),
ポリアミド等の熱可塑性樹脂、或いはこれらの複合樹脂
からなるフィルム又はシートが用いられる。この熱可塑
性樹脂フィルム又はシートとしては、離型紙,エンボス
ロール等により、表面に皮革調シボ(絞)を施した皮革
調フィルムが、外観も良好で傷が目立ちにくいため特に
好ましい。また、上記の如き熱可塑性樹脂フィルム又は
シートの裏面に、ポリウレタン樹脂等のエラストマーフ
ィルムを積層した、熱可塑性樹脂フィルム又はシートの
積層品を用いることもできる。
【0011】また、合成皮革又は人工皮革としては、ポ
リウレタン,PVC,TPO等の合成皮革又は人工皮革
用の樹脂と基布を組み合わせたものが用いられる。ここ
で合成皮革又は人工皮革における基布としては、伸び率
が高い織布又は編布が一般的である。
【0012】本発明においては、上記の如き熱可塑性樹
脂フィルム又はシート、或いは合成皮革又は人工皮革
に、天然有機物を配合したもの、または上記の如き熱可
塑性樹脂フィルム又はシート、或いは合成皮革又は人工
皮革に、天然有機物配合塗膜を形成したものを、天然有
機物微粉末含有表皮材1として用いる。
【0013】ここで天然有機物とは、天然皮革粉、シル
ク粉及びセルロース粉よりなる群から選択された1種以
上のものをいう。天然有機物としては、天然皮革粉及び
シルク粉が手触り感や吸放湿性の面から好ましい。この
天然有機物としては、平均粒径が50μm以下、好まし
くは10μm以下のものを用いる。天然有機物の平均粒
径が50μmを超えたものであると、ザラツキ感が大き
くなり、手触り感が悪くなるため好ましくない。。
【0014】天然有機物を、上記の如き熱可塑性樹脂フ
ィルム又はシート、或いは合成皮革又は人工皮革に配合
する場合、その配合量は、通常、3〜50重量%,好ま
しくは10〜30重量%である。配合量が多い程タッチ
感は向上し、ベトツキ感は低減するが、多過ぎると強度
が低下してしまい、また、経済性も低下する。
【0015】このようにして得られた、天然有機物を配
合した熱可塑性樹脂フィルム又はシート等を、そのまま
天然有機物微粉末含有表皮材1として用いることもでき
るが、必要に応じて基布を貼り合わせることもできる。
この場合に用いられる基布としては、通常、合成皮革の
基布に供される織物,編物,不織布等が挙げられる。以
上の如き、天然有機物微粉末含有表皮材1の厚みは、特
に制限はないが、積層シートの表皮層として用いる場
合、強度,加工性,経済性から、20〜100μmとす
ることが好ましい。
【0016】図1に示す本発明の熱成形用シートは、上
記の如き天然有機物微粉末含有表皮材1のみからなる単
層シートである。次に、図2に示す本発明の熱成形用シ
ートは、上記の如き天然有機物微粉末含有表皮材(天然
有機物微粉末含有表皮層)1に、熱可塑性樹脂発泡シー
ト(熱可塑性樹脂発泡層)3を介して、内装材2を積層
した3層積層シートである。
【0017】ここで内装材2としては、熱成形可能なも
のであればよく、織布,編布,植毛,不織布や合成皮
革,天然皮革等の中から、用途,意匠性,加工性,経済
性等を考慮して適宜選択して用いればよい。経済性を優
先するならば、熱可塑性樹脂シート4にエンボス模様を
施すだけでも良い。
【0018】また、熱可塑性樹脂発泡シート3として
は、例えばポリウレタン,ポリエチレン(PE),ポリ
プロピレン(PP),ポリスチレン(PS)等の熱可塑
性合成樹脂からなる発泡シートを用いることができる。
なお、発泡倍率は5〜20倍とし、厚みは1〜5mmと
することが好ましい。
【0019】さらに、図3は、本発明の熱成形用シート
の第3の態様を示す説明図であり、図2に示す第2の態
様(3層積層シート)のものに、さらに熱可塑性樹脂シ
ート4(熱可塑性樹脂層4)を積層した4層積層シート
である。この熱可塑性樹脂シート4(熱可塑性樹脂層
4)は、通常、熱可塑性樹脂発泡シート(熱可塑性樹脂
発泡層)3と内装材2との間に積層される。
【0020】すなわち、図3に示すものは、内装材2の
厚み、樹脂の物性等から、保型性,クッション性等を補
うために、熱可塑性樹脂発泡シート(熱可塑性樹脂発泡
層)3と内装材2との間に、熱可塑性樹脂シート4(熱
可塑性樹脂層4)を設けたものである。なお、この場
合、熱可塑性樹脂シート4(熱可塑性樹脂層4)として
エンボス模様を付けたシートを用いることにより、内装
材2を省略することもできる。
【0021】ここで熱可塑性樹脂シート4としては、例
えば、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリスチレン等
の熱可塑性樹脂からなるシートを用いることができる。
成形性,剛性,耐久性から、ポリプロピレンが好まし
い。この熱可塑性樹脂シート4は、保形性を補うため
に、設けられるものである。厚みは、要求される剛性
(保形性)により決定されるが、成形性から、0.2〜
2mmが好ましい。
【0022】なお、本発明における各層の厚みの比率は
特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよいが、
通常、天然有機物微粉末含有表皮材(天然有機物微粉末
含有表皮層)1:熱可塑性樹脂発泡シート(熱可塑性樹
脂発泡層)3:熱可塑性樹脂シート(熱可塑性樹脂層)
4:内装材2=0.1〜1:0〜5:0〜1:0〜1で
あり、積層シ−ト全体の厚さは1〜6mm程度である。
【0023】本発明では、本発明の目的を特に損わない
限り、これらの積層シートの内外に他の層を設け、さら
に多層の積層シートとしてもよい。
【0024】本発明の熱成形用シートは、以上の如きも
のであるが、図1に示す第1の態様(単層シート)より
はむしろ、図2に示す第2の態様(3層積層シート)或
いは図3に示す第3の態様(4層積層シート)が好まし
い。
【0025】以上の如き本発明の熱成形用シートは、熱
成形性が改良されており、真空成形,圧空成形,プラグ
アシスト成形,熱プレス成形等の熱成形により、容易に
所望の形状に成形されて、鞄,ケース,トレー等の最終
製品とされる。
【0026】請求項7記載の本発明は、このように請求
項1記載の本発明の熱成形用シートを熱成形してなる熱
成形品を提供するものである。熱成形の手段は、特に制
限はなく、上記のように真空成形,圧空成形,プラグア
シスト成形,熱プレス成形等が挙げられる。また、熱成
形品の形状も特に制限はなく、上記のように鞄,ケー
ス,トレー等の如き形状のものとされる。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例により、詳しく説明す
る。 実施例1 皮革調シボ(紋)のある離型紙上に、平均粒径が5μm
の皮革粉を30重量%の割合で配合した合成皮革用ポリ
ウレタン樹脂を塗工,乾燥して、厚み60μmの皮革調
フィルムを得た。天然有機物微粉末含有表皮材(天然有
機物微粉末含有表皮層)1として、上記皮革調フィルム
を用い、内装材2として、ポリエステルトリコット布を
用い、熱可塑性樹脂発泡シート(熱可塑性樹脂発泡層)
3として、発泡倍率が8倍で厚みが3mmの電子線架橋
型ポリエチレン発泡シートを用い、天然有機物微粉末含
有表皮材(天然有機物微粉末含有表皮層)1としての皮
革調フィルムと、内装材2としてのポリエステルトリコ
ット布との間に、熱可塑性樹脂発泡シート(熱可塑性樹
脂発泡層)3としての電子線架橋型ポリエチレン発泡シ
ートを接着剤でラミネートし、次いで離型紙を剥離させ
て、表面が皮革様である3層積層シート(図2に示
す。)を得た。た。
【0028】次に、熱成形機に、この3層積層シート
(すなわち熱成形用シートA)をクランプ5で保持し、
幅145mm、奥行き105mm、深さ15mmの凹型
金型6を取り付け、プラグ7を用いて、図4に示すよう
にして、真空成形した。この結果、図5に示す如き成形
品を得た。この成形品についての成形性,表面外観及び
表面の肌ざわりの評価を第1表に示す。
【0029】実施例2 実施例1において、天然有機物微粉末含有表皮材(天然
有機物微粉末含有表皮層)1として、皮革粉の代わり
に、平均粒径が5μmのシルク粉を配合したものを用い
たこと以外は、実施例1と同様にして行ない、成形品を
得た。この成形品についての成形性,表面外観及び表面
の肌ざわりの評価を第1表に示す。
【0030】比較例1 実施例1において、表皮層に皮革粉を配合しなかったこ
と以外は、実施例1と同様にして、3層積層シートを
得、次いで実施例1と同様にして成形品を得た。この成
形品についての成形性,表面外観及び表面の肌ざわりの
評価を第1表に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明の熱成形用シートは、マット調の
落ち着いた外観のみならず、さらっとした感触(肌ざわ
り)を有するものである。しかも本発明の熱成形用シー
トは、吸放湿性効果によりベトつき感が少ない。さら
に、本発明の熱成形用シートは、優れた熱成形性を保持
しており、従ってデザインの自由度が高く、製造工程を
簡略化することができる。それ故、本発明の熱成形用シ
ートは鞄,ケース,トレイ等各種成形品の素材として極
めて有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の熱成形用シートの第1の態様
を示す説明図である。
【図2】図2は、本発明の熱成形用シートの第2の態様
を示す説明図である。
【図3】図3は、本発明の熱成形用シートの第3の態様
を示す説明図である。
【図4】図4は、実施例1における真空成形の模様を示
す説明図である。
【図5】図5は、実施例1において得られた成形品を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 天然有機物微粉末含有表皮材(天然有機物微粉末含
有表皮層) 2 内装材 3 熱可塑性樹脂発泡シート(熱可塑性樹脂発泡層) 4 熱可塑性樹脂シート(熱可塑性樹脂層) 5 クランプ 6 凹型金型 7 プラグ A 熱成形用シート

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然有機物微粉末含有表皮材を有する熱
    成形用シート。
  2. 【請求項2】 天然有機物が、天然皮革粉、シルク粉及
    びセルロース粉よりなる群から選択された1種以上のも
    のである請求項1記載の熱成形用シート。
  3. 【請求項3】 天然有機物微粉末含有表皮材が、天然有
    機物微粉末を配合した熱可塑性樹脂フィルム又はシート
    である請求項1記載の熱成形用シート。
  4. 【請求項4】 天然有機物微粉末含有表皮材が、天然有
    機物微粉末を配合した合成皮革又は人工皮革である請求
    項1記載の熱成形用シート。
  5. 【請求項5】 天然有機物微粉末含有表皮材に、熱可塑
    性樹脂発泡シート及び内装材を積層してなる請求項1記
    載の熱成形用シート。
  6. 【請求項6】 天然有機物微粉末含有表皮材に、熱可塑
    性樹脂発泡シート、熱可塑性樹脂シート及び内装材を積
    層してなる請求項1記載の熱成形用シート。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の熱成形用シートを熱成形
    してなる熱成形品。
JP26206995A 1995-09-18 1995-09-18 熱成形用シートと熱成形品 Pending JPH0976403A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002225122A (ja) * 2001-02-07 2002-08-14 Sumitomo Chem Co Ltd 発泡積層体の製造方法
WO2021241409A1 (ja) 2020-05-25 2021-12-02 富士フイルム株式会社 組成物、シート状成形体、人工皮革およびシート状成形体の製造方法

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