JPH0976110A - スローアウェイ式ボールエンドミル - Google Patents
スローアウェイ式ボールエンドミルInfo
- Publication number
- JPH0976110A JPH0976110A JP23449195A JP23449195A JPH0976110A JP H0976110 A JPH0976110 A JP H0976110A JP 23449195 A JP23449195 A JP 23449195A JP 23449195 A JP23449195 A JP 23449195A JP H0976110 A JPH0976110 A JP H0976110A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- end mill
- tip
- outer peripheral
- throw
- mounting seat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23C—MILLING
- B23C5/00—Milling-cutters
- B23C5/02—Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
- B23C5/10—Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
- B23C5/1009—Ball nose end mills
- B23C5/1027—Ball nose end mills with one or more removable cutting inserts
- B23C5/1045—Ball nose end mills with one or more removable cutting inserts having a cutting insert, the cutting edge of which subtends substantially 90 degrees
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Milling Processes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 スローアウェイ式ボールエンドミルにおい
て、チップ取付座14の底面14Aと半球状をなすエン
ドミル本体11の先端部12の外周面12Aとの交差稜
線部12Bにおけるクラック等の発生を防止し、工具寿
命の延長を図って安定した切削を可能とする。 【解決手段】 エンドミル本体11の先端部12の外周
面12Aに、この外周面12Aとスローアウェイチップ
15が着座するチップ取付座14のエンドミル回転方向
側を向く底面14Aとの交差稜線部12Bに沿って、エ
ンドミル本体11の周方向に交差稜線部12B側に向か
うに従い、先端部12の外周面12Aがなす半球の径方
向内周側に向かう補強面27を形成する。この補強面2
7は、円筒壁面状に形成され、チップ取付座14の底面
14Aとの交差角βは90°〜100°の範囲に設定さ
れている。
て、チップ取付座14の底面14Aと半球状をなすエン
ドミル本体11の先端部12の外周面12Aとの交差稜
線部12Bにおけるクラック等の発生を防止し、工具寿
命の延長を図って安定した切削を可能とする。 【解決手段】 エンドミル本体11の先端部12の外周
面12Aに、この外周面12Aとスローアウェイチップ
15が着座するチップ取付座14のエンドミル回転方向
側を向く底面14Aとの交差稜線部12Bに沿って、エ
ンドミル本体11の周方向に交差稜線部12B側に向か
うに従い、先端部12の外周面12Aがなす半球の径方
向内周側に向かう補強面27を形成する。この補強面2
7は、円筒壁面状に形成され、チップ取付座14の底面
14Aとの交差角βは90°〜100°の範囲に設定さ
れている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンドミル本体の
略半球状をなす先端部に、円弧状の切刃を有するスロー
アウェイチップ(以下、チップと称する。)が着脱自在
に装着されてなるスローアウェイ式ボールエンドミルに
関するものである。
略半球状をなす先端部に、円弧状の切刃を有するスロー
アウェイチップ(以下、チップと称する。)が着脱自在
に装着されてなるスローアウェイ式ボールエンドミルに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のスローアウェイ式ボールエンド
ミルとしては、例えば図6ないし図8に示すようなもの
が知られている。これは、特開平2−114418号公
報に記載された、いわゆる2枚刃のスローアウェイ式ボ
ールエンドミルであって、軸線O回りに回転される略円
柱状のエンドミル本体1の先端部2が上記軸線O上に中
心を有して先端側に膨らむ半球状をなしており、この先
端部2に、上記軸線Oを挟むようにして互いに反対側
に、軸線O方向先端側から見て図8に示すようにL字型
に切り欠かれるようにして一対のチップポケット3,3
が形成され、これらのチップポケット3,3のエンドミ
ル回転方向(図8において白抜き矢線方向)側を向く壁
面に形成されたチップ取付座4,4に、それぞれチップ
5がクランプネジ6によって着脱自在に装着された構成
となっている。
ミルとしては、例えば図6ないし図8に示すようなもの
が知られている。これは、特開平2−114418号公
報に記載された、いわゆる2枚刃のスローアウェイ式ボ
ールエンドミルであって、軸線O回りに回転される略円
柱状のエンドミル本体1の先端部2が上記軸線O上に中
心を有して先端側に膨らむ半球状をなしており、この先
端部2に、上記軸線Oを挟むようにして互いに反対側
に、軸線O方向先端側から見て図8に示すようにL字型
に切り欠かれるようにして一対のチップポケット3,3
が形成され、これらのチップポケット3,3のエンドミ
ル回転方向(図8において白抜き矢線方向)側を向く壁
面に形成されたチップ取付座4,4に、それぞれチップ
5がクランプネジ6によって着脱自在に装着された構成
となっている。
【0003】ここで、上記チップ取付座4は、チップポ
ケット3の上記壁面からエンドミル回転方向後方側に一
段後退して上記先端部2の外周面2Aに交差するように
形成された平面状の底面4Aと、この底面4Aから屹立
する壁面4Bとから画成されており、一方チップ5は略
円弧状の切刃7とこの切刃7の接線方向に延びる直線状
の切刃8とを一対ずつ有する平板状のものである。そし
て、このチップ5は、その上面をすくい面としてエンド
ミル回転方向側に向けるとともに、一の円弧状切刃7が
工具先端の回転中心から後端外周側に延びるように、ま
たこの円弧状切刃7に連なる直線状切刃8が軸線O方向
に向けて延びるように配置され、さらにこれらの切刃
7,8とは反対側の切刃7,8に連なる側面を上記壁面
4Bに当接させてチップ取付座4に取り付けられてい
る。なお、この公報に記載されたボールエンドミルにお
いては、チップ取付座4の上記底面4Aにキー状の凸部
が形成される一方、この底面4Aに着座するチップ5の
下面にはキー溝状の凹部が形成されていて、チップ5は
この凹部を上記凸部に嵌合させてチップ取付座4に着座
されている。
ケット3の上記壁面からエンドミル回転方向後方側に一
段後退して上記先端部2の外周面2Aに交差するように
形成された平面状の底面4Aと、この底面4Aから屹立
する壁面4Bとから画成されており、一方チップ5は略
円弧状の切刃7とこの切刃7の接線方向に延びる直線状
の切刃8とを一対ずつ有する平板状のものである。そし
て、このチップ5は、その上面をすくい面としてエンド
ミル回転方向側に向けるとともに、一の円弧状切刃7が
工具先端の回転中心から後端外周側に延びるように、ま
たこの円弧状切刃7に連なる直線状切刃8が軸線O方向
に向けて延びるように配置され、さらにこれらの切刃
7,8とは反対側の切刃7,8に連なる側面を上記壁面
4Bに当接させてチップ取付座4に取り付けられてい
る。なお、この公報に記載されたボールエンドミルにお
いては、チップ取付座4の上記底面4Aにキー状の凸部
が形成される一方、この底面4Aに着座するチップ5の
下面にはキー溝状の凹部が形成されていて、チップ5は
この凹部を上記凸部に嵌合させてチップ取付座4に着座
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
スローアウェイ式ボールエンドミルでは、上述のように
半球状をなすエンドミル本体1の先端部2を先端視にL
字型に切り欠くようにしてチップポケット3が形成され
た上、このチップポケット3の壁面からさらに一段後退
するようにしてチップ取付座4の底面4Aが形成されて
いるため、このチップ取付座4の底面4Aとエンドミル
本体1の先端部2の半球状をなす外周面2Aとは、図7
や図8に示すように互いに鋭角の交差角αで交差するこ
ととなり、その交差稜線部における強度が確保し難くな
る。その一方で、切削時に切刃7,8に作用する切削負
荷の主分力は、チップ5を介して、チップ取付座4の底
面4Aの特に外周辺稜部側、すなわち先端部2の外周面
2Aとの交差稜線部側に集中することとなるから、過大
な切削負荷が作用した場合には、この交差稜線部からエ
ンドミル本体1にクラックが発生したり、この交差稜線
部自体が欠損したりするおそれが生じる。また、上記エ
ンドミルのように、チップ取付座4の底面4Aにキー状
の凸部等が形成されている場合には、この凸部が底面4
Aから突出する部分に応力が集中し易く、クラックの発
生を一層助長する結果となる。
スローアウェイ式ボールエンドミルでは、上述のように
半球状をなすエンドミル本体1の先端部2を先端視にL
字型に切り欠くようにしてチップポケット3が形成され
た上、このチップポケット3の壁面からさらに一段後退
するようにしてチップ取付座4の底面4Aが形成されて
いるため、このチップ取付座4の底面4Aとエンドミル
本体1の先端部2の半球状をなす外周面2Aとは、図7
や図8に示すように互いに鋭角の交差角αで交差するこ
ととなり、その交差稜線部における強度が確保し難くな
る。その一方で、切削時に切刃7,8に作用する切削負
荷の主分力は、チップ5を介して、チップ取付座4の底
面4Aの特に外周辺稜部側、すなわち先端部2の外周面
2Aとの交差稜線部側に集中することとなるから、過大
な切削負荷が作用した場合には、この交差稜線部からエ
ンドミル本体1にクラックが発生したり、この交差稜線
部自体が欠損したりするおそれが生じる。また、上記エ
ンドミルのように、チップ取付座4の底面4Aにキー状
の凸部等が形成されている場合には、この凸部が底面4
Aから突出する部分に応力が集中し易く、クラックの発
生を一層助長する結果となる。
【0005】本発明は、このような背景の下になされた
もので、その目的とするところは、上述のようなスロー
アウェイ式ボールエンドミルにあって、チップ取付座の
底面と半球状をなすエンドミル本体の先端部外周面との
交差稜線部におけるクラック等の発生を防止し、工具寿
命の延長を図って安定した切削を可能とすることにあ
る。
もので、その目的とするところは、上述のようなスロー
アウェイ式ボールエンドミルにあって、チップ取付座の
底面と半球状をなすエンドミル本体の先端部外周面との
交差稜線部におけるクラック等の発生を防止し、工具寿
命の延長を図って安定した切削を可能とすることにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、か
かる目的を達成するために、本発明は、エンドミル本体
の先端部の外周面に、この外周面とチップ取付座の底面
との交差稜線部に沿って、エンドミル本体の周方向に上
記交差稜線部側に向かうに従い、該エンドミル本体の先
端部外周面がなす半球の径方向内周側に向かう補強面を
形成したことを特徴とするものであり、半球状をなす上
記先端外周面をそのままチップ取付座の底面に交差させ
た従来のボールエンドミルに比べ、底面と外周面との交
差角を上記補強面によって大きく確保することが可能と
なり、これにより上記交差稜線部におけるエンドミル本
体の強度を向上させてクラック等の発生を抑えることが
できる。
かる目的を達成するために、本発明は、エンドミル本体
の先端部の外周面に、この外周面とチップ取付座の底面
との交差稜線部に沿って、エンドミル本体の周方向に上
記交差稜線部側に向かうに従い、該エンドミル本体の先
端部外周面がなす半球の径方向内周側に向かう補強面を
形成したことを特徴とするものであり、半球状をなす上
記先端外周面をそのままチップ取付座の底面に交差させ
た従来のボールエンドミルに比べ、底面と外周面との交
差角を上記補強面によって大きく確保することが可能と
なり、これにより上記交差稜線部におけるエンドミル本
体の強度を向上させてクラック等の発生を抑えることが
できる。
【0007】ここで、この交差稜線部におけるエンドミ
ル本体の強度を一層高めるには、上記補強面とチップ取
付座との底面との交差角は、直角または鈍角に設定され
るのが望ましく、さらに90°〜100°の範囲に設定
されるのがより望ましい。また、半球状のエンドミル本
体先端部にかかる補強面を形成する成形性を考慮する
と、上記補強面は、上記交差稜線部に直交する断面にお
いて直線状をなす円筒壁面状に形成されるのが望まし
い。さらに、このような補強面を形成することで、従来
のボールエンドミルに比べて、切刃の外径が同じでもエ
ンドミル本体先端部がなす半球の径を大きくすることが
できるので、この先端部の外周面を、上記軸線回りの回
転軌跡が上記チップのエンドミル外周側を向く逃げ面に
連なるように形成することにより、エンドミル本体の先
端部における一層の強度向上と剛性の確保とを図ること
ができる。
ル本体の強度を一層高めるには、上記補強面とチップ取
付座との底面との交差角は、直角または鈍角に設定され
るのが望ましく、さらに90°〜100°の範囲に設定
されるのがより望ましい。また、半球状のエンドミル本
体先端部にかかる補強面を形成する成形性を考慮する
と、上記補強面は、上記交差稜線部に直交する断面にお
いて直線状をなす円筒壁面状に形成されるのが望まし
い。さらに、このような補強面を形成することで、従来
のボールエンドミルに比べて、切刃の外径が同じでもエ
ンドミル本体先端部がなす半球の径を大きくすることが
できるので、この先端部の外周面を、上記軸線回りの回
転軌跡が上記チップのエンドミル外周側を向く逃げ面に
連なるように形成することにより、エンドミル本体の先
端部における一層の強度向上と剛性の確保とを図ること
ができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1ないし図5は、本発明の一の
実施形態を示すものである。これらの図において、エン
ドミル本体11は図1に示すように先端側に向かうに従
い縮径する円柱状をなし、その先端部12は、エンドミ
ル本体11の回転軸線O上に中心を有する略半球状に形
成されていて、この先端部12に、図3および図4に示
すように軸線Oを挟んで互いに反対側に、エンドミル本
体1の外周がL字状に切り欠かれるようにして一対のチ
ップポケット13,13が形成されている。そして、こ
れらのチップポケット13,13のエンドミル回転方向
(図中白抜き矢線方向)側を向く壁面13Aに形成され
たチップ取付座14,14に、それぞれチップ15,1
5がクランプネジ16,16によって着脱自在に装着さ
れている。
実施形態を示すものである。これらの図において、エン
ドミル本体11は図1に示すように先端側に向かうに従
い縮径する円柱状をなし、その先端部12は、エンドミ
ル本体11の回転軸線O上に中心を有する略半球状に形
成されていて、この先端部12に、図3および図4に示
すように軸線Oを挟んで互いに反対側に、エンドミル本
体1の外周がL字状に切り欠かれるようにして一対のチ
ップポケット13,13が形成されている。そして、こ
れらのチップポケット13,13のエンドミル回転方向
(図中白抜き矢線方向)側を向く壁面13Aに形成され
たチップ取付座14,14に、それぞれチップ15,1
5がクランプネジ16,16によって着脱自在に装着さ
れている。
【0009】ここで、これらのチップ15,15は超硬
合金等の硬質材料から形成された平板状のものであり、
そのすくい面とされる上面17の辺稜部には、略1/4
円弧状をなす切刃18とこの円弧状の切刃18に滑らか
に接する直線状の切刃19とが一対ずつ、上記クランプ
ネジ16が挿通されるネジ穴20に関して対称に形成さ
れている。また、上記円弧状の切刃18が直線状の切刃
19と鋭角に交差する一対の端部には、これら切刃1
8,19に鈍角に交差するようにそれぞれ小切刃21,
21が形成されている。さらに、これらのチップ15,
15は、上記切刃18,19に連なって逃げ面とされる
側面22に逃げ角が付された、いわゆるポジティブチッ
プであり、また上記上面17の周縁には、切刃18,1
9から離間してチップ内方に向かうに従い漸次隆起する
隆起面23が、切刃18,19に沿って上面17の周縁
を周回するように形成されている。
合金等の硬質材料から形成された平板状のものであり、
そのすくい面とされる上面17の辺稜部には、略1/4
円弧状をなす切刃18とこの円弧状の切刃18に滑らか
に接する直線状の切刃19とが一対ずつ、上記クランプ
ネジ16が挿通されるネジ穴20に関して対称に形成さ
れている。また、上記円弧状の切刃18が直線状の切刃
19と鋭角に交差する一対の端部には、これら切刃1
8,19に鈍角に交差するようにそれぞれ小切刃21,
21が形成されている。さらに、これらのチップ15,
15は、上記切刃18,19に連なって逃げ面とされる
側面22に逃げ角が付された、いわゆるポジティブチッ
プであり、また上記上面17の周縁には、切刃18,1
9から離間してチップ内方に向かうに従い漸次隆起する
隆起面23が、切刃18,19に沿って上面17の周縁
を周回するように形成されている。
【0010】さらに、これらのチップ15,15の着座
面とされる下面24には、上記ネジ穴20に関して対称
に、かつ互いに平行に、一対の凹溝25,25が形成さ
れている一方、この下面24が着座する上記チップ取付
座14の底面14Aには、やはり互いに平行に一対の突
条26,26が形成されており、これら凹溝25,25
が突条26,26に係合した状態でチップ15がチップ
取付座14に着座されるようになされている。さらにま
た、両チップ15,15は、その切刃18,19の軸方
向すくい角が正角側に向けられるように、図2に示すよ
うに軸線Oに対して傾斜して取り付けられている。また
図3に示すように、一方のチップ15は、その円弧状の
切刃18が略1/4円弧状をなすように形成され、エン
ドミル本体11先端の回転中心Cの極近傍からエンドミ
ル本体11の外周後端側に向けて延びるように配置され
ているのに対し、他方のチップ15においては、円弧状
の切刃18は1/4円弧には満たず、回転中心から僅か
に離間した位置から外周後端側に延びるように、かつ芯
上がりとなるように配置されている。
面とされる下面24には、上記ネジ穴20に関して対称
に、かつ互いに平行に、一対の凹溝25,25が形成さ
れている一方、この下面24が着座する上記チップ取付
座14の底面14Aには、やはり互いに平行に一対の突
条26,26が形成されており、これら凹溝25,25
が突条26,26に係合した状態でチップ15がチップ
取付座14に着座されるようになされている。さらにま
た、両チップ15,15は、その切刃18,19の軸方
向すくい角が正角側に向けられるように、図2に示すよ
うに軸線Oに対して傾斜して取り付けられている。また
図3に示すように、一方のチップ15は、その円弧状の
切刃18が略1/4円弧状をなすように形成され、エン
ドミル本体11先端の回転中心Cの極近傍からエンドミ
ル本体11の外周後端側に向けて延びるように配置され
ているのに対し、他方のチップ15においては、円弧状
の切刃18は1/4円弧には満たず、回転中心から僅か
に離間した位置から外周後端側に延びるように、かつ芯
上がりとなるように配置されている。
【0011】そして、本実施形態では、上記エンドミル
本体11の半球状をなす先端部12の外周面12Aに、
この外周面12Aとチップ取付座14の底面14Aとの
交差稜線部12Bに沿って、エンドミル本体11の周方
向に向けて上記交差稜線部12B側に向かうに従い、こ
の先端部12の外周面12Aがなす半球の径方向内周側
に向かう補強面27が形成されている。この補強面27
は、先端部12の外周面12Aを、上記交差稜線部12
Bに沿って円筒壁面状に面取りして成るものであり、半
球状をなす上記先端部12Aからこれに連なる円柱状の
部分にまで、チップ取付座14が形成された範囲に亙っ
て延設されている。従って、この補強面27は、交差稜
線部12Bに直交する断面において図5に示すように直
線状を呈することとなり、また上記円柱状の部分におい
ては平面状に形成される。ここで、この補強面27とチ
ップ取付座14の底面14Aとの交差角βは、本実施形
態では直角または鈍角に設定されており、望ましくは9
0°〜100°の範囲に設定されている。さらに本実施
形態では、上記エンドミル本体11の先端部12の外周
面12Aは、その軸線O回りの回転軌跡が、チップ取付
座14に装着されたチップ15のエンドミル外周側を向
く側面22、すなわち切削に供される切刃18,19の
逃げ面に連なるように形成されている。
本体11の半球状をなす先端部12の外周面12Aに、
この外周面12Aとチップ取付座14の底面14Aとの
交差稜線部12Bに沿って、エンドミル本体11の周方
向に向けて上記交差稜線部12B側に向かうに従い、こ
の先端部12の外周面12Aがなす半球の径方向内周側
に向かう補強面27が形成されている。この補強面27
は、先端部12の外周面12Aを、上記交差稜線部12
Bに沿って円筒壁面状に面取りして成るものであり、半
球状をなす上記先端部12Aからこれに連なる円柱状の
部分にまで、チップ取付座14が形成された範囲に亙っ
て延設されている。従って、この補強面27は、交差稜
線部12Bに直交する断面において図5に示すように直
線状を呈することとなり、また上記円柱状の部分におい
ては平面状に形成される。ここで、この補強面27とチ
ップ取付座14の底面14Aとの交差角βは、本実施形
態では直角または鈍角に設定されており、望ましくは9
0°〜100°の範囲に設定されている。さらに本実施
形態では、上記エンドミル本体11の先端部12の外周
面12Aは、その軸線O回りの回転軌跡が、チップ取付
座14に装着されたチップ15のエンドミル外周側を向
く側面22、すなわち切削に供される切刃18,19の
逃げ面に連なるように形成されている。
【0012】しかるに、このように構成されたスローア
ウェイ式ボールエンドミルにおいては、上記補強面27
を形成することによって、図5に鎖線で示すように半球
状をなす先端部外周面をそのままチップ取付座の底面に
交差させた従来のボールエンドミルの交差角αに比べ、
チップ取付座14の底面14Aと先端部12の外周面1
2Aとの交差角βを大きく確保することが可能となり、
これにより交差稜線部12Bにおけるエンドミル本体1
1の強度を向上させることができる。このため、切削時
に切刃18,19からチップ15を介してエンドミル本
体の上記交差稜線部12Bに過大な負荷が作用しても、
これに抗し得て、この交差稜線部12Bからクラックが
生じたり、あるいは該交差稜線部12Bに欠損が生じた
りするような事態を防止し、工具寿命を延長して安定し
た切削を促すことが可能となる。とりわけ、本実施形態
や上述した従来のボールエンドミルのように、チップ取
付座14の底面14Aにキー状の突条26,26(凸
部)が形成され、これらの突条26,26をチップ15
の凹溝25,25(凹部)に係合させてチップ15を取
り付ける構成を採った場合には、この突条26が底面1
4Aから突出する部分においてクラックなどが発生し易
くなるので、上記補強面27によって交差稜線部12B
に補強を図るのは特に有効である。
ウェイ式ボールエンドミルにおいては、上記補強面27
を形成することによって、図5に鎖線で示すように半球
状をなす先端部外周面をそのままチップ取付座の底面に
交差させた従来のボールエンドミルの交差角αに比べ、
チップ取付座14の底面14Aと先端部12の外周面1
2Aとの交差角βを大きく確保することが可能となり、
これにより交差稜線部12Bにおけるエンドミル本体1
1の強度を向上させることができる。このため、切削時
に切刃18,19からチップ15を介してエンドミル本
体の上記交差稜線部12Bに過大な負荷が作用しても、
これに抗し得て、この交差稜線部12Bからクラックが
生じたり、あるいは該交差稜線部12Bに欠損が生じた
りするような事態を防止し、工具寿命を延長して安定し
た切削を促すことが可能となる。とりわけ、本実施形態
や上述した従来のボールエンドミルのように、チップ取
付座14の底面14Aにキー状の突条26,26(凸
部)が形成され、これらの突条26,26をチップ15
の凹溝25,25(凹部)に係合させてチップ15を取
り付ける構成を採った場合には、この突条26が底面1
4Aから突出する部分においてクラックなどが発生し易
くなるので、上記補強面27によって交差稜線部12B
に補強を図るのは特に有効である。
【0013】また、上記構成のスローアウェイ式ボール
エンドミルにおいては、この補強面27とチップ取付座
14の底面14Aとがなす交差角βが上述のように直角
または鈍角とされており、交差角αが鋭角とされた従来
のボールエンドミルに比べてより確実に交差稜線部12
Bにおけるクラック等を防止することができる。特に、
この交差角βを上述の如く90°〜100°の範囲に設
定した場合には、このように確実に交差稜線部12Bに
おける強度を確保しつつも、チップ取付座14に装着さ
れたチップ15の下面24とこの補強面27との間に奥
行きの深い凹所が形成されるのを防ぐことができ、かか
る凹所に切屑等が滞留して円滑な切削に支障を来すよう
な事態を未然に防ぐことができる。
エンドミルにおいては、この補強面27とチップ取付座
14の底面14Aとがなす交差角βが上述のように直角
または鈍角とされており、交差角αが鋭角とされた従来
のボールエンドミルに比べてより確実に交差稜線部12
Bにおけるクラック等を防止することができる。特に、
この交差角βを上述の如く90°〜100°の範囲に設
定した場合には、このように確実に交差稜線部12Bに
おける強度を確保しつつも、チップ取付座14に装着さ
れたチップ15の下面24とこの補強面27との間に奥
行きの深い凹所が形成されるのを防ぐことができ、かか
る凹所に切屑等が滞留して円滑な切削に支障を来すよう
な事態を未然に防ぐことができる。
【0014】さらに、この補強面27としては、上述し
たような円筒壁面状とするほかに、エンドミル本体11
の周方向に膨らむ多段面状や凸曲面状に形成することも
可能ではあるが、本実施形態のような円筒壁面状とした
場合には、チップ取付座14の底面14Aに対して一定
の上記交差角βで面取りを施すようにして当該補強面2
7を形成することが可能であり、比較的簡単にこの補強
面27をエンドミル本体11に形成することができて、
エンドミル本体11の成形性を損なうことがないという
利点が得られる。一方、本実施形態では、この補強面2
7を形成することにより、上記従来のエンドミルでは図
5に鎖線で示すようにエンドミル本体の先端部外周面を
その回転軌跡がチップの下面に交差するように形成せざ
るを得なかったのを、この外周面12Aの軸線O回りの
回転軌跡が図5に破線で示すようにチップ15の逃げ面
とされる側面22に交差するように形成することがで
き、すなわち先端部12を従来より一回り大きく形成す
ることが可能となる。従って、本実施形態によれば、こ
の先端部12全体における剛性を向上させて、エンドミ
ル本体11自体の強度を高めることが可能となり、一層
の工具寿命の延長と更なる切削の安定化とを図ることが
可能となる。
たような円筒壁面状とするほかに、エンドミル本体11
の周方向に膨らむ多段面状や凸曲面状に形成することも
可能ではあるが、本実施形態のような円筒壁面状とした
場合には、チップ取付座14の底面14Aに対して一定
の上記交差角βで面取りを施すようにして当該補強面2
7を形成することが可能であり、比較的簡単にこの補強
面27をエンドミル本体11に形成することができて、
エンドミル本体11の成形性を損なうことがないという
利点が得られる。一方、本実施形態では、この補強面2
7を形成することにより、上記従来のエンドミルでは図
5に鎖線で示すようにエンドミル本体の先端部外周面を
その回転軌跡がチップの下面に交差するように形成せざ
るを得なかったのを、この外周面12Aの軸線O回りの
回転軌跡が図5に破線で示すようにチップ15の逃げ面
とされる側面22に交差するように形成することがで
き、すなわち先端部12を従来より一回り大きく形成す
ることが可能となる。従って、本実施形態によれば、こ
の先端部12全体における剛性を向上させて、エンドミ
ル本体11自体の強度を高めることが可能となり、一層
の工具寿命の延長と更なる切削の安定化とを図ることが
可能となる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エンドミル本体の半球状をなす先端部の外周面に、チッ
プ取付座の底面との交差稜線部に沿って補強面を形成す
ることにより、この交差稜線部におけるエンドミル本体
の強度を確保することができ、切削時の負荷等によって
この交差稜線部からクラックが発生したり、該交差稜線
部に欠損が生じたりするような事態を防止することがで
きる。そして、これにより、工具寿命の延長を図って安
定した切削を促すことが可能となる。
エンドミル本体の半球状をなす先端部の外周面に、チッ
プ取付座の底面との交差稜線部に沿って補強面を形成す
ることにより、この交差稜線部におけるエンドミル本体
の強度を確保することができ、切削時の負荷等によって
この交差稜線部からクラックが発生したり、該交差稜線
部に欠損が生じたりするような事態を防止することがで
きる。そして、これにより、工具寿命の延長を図って安
定した切削を促すことが可能となる。
【図1】本発明の一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示す実施形態の先端部分の側面図であ
る。
る。
【図3】図1に示す実施形態の軸線O方向先端視の正面
図である。
図である。
【図4】図1におけるAA断面図である。
【図5】図4に示す断面図の交差稜線部12B周辺の拡
大図である。
大図である。
【図6】従来のスローアウェイ式ボールエンドミルを示
す平面図である。
す平面図である。
【図7】図6に示すボールエンドミルの側面図である。
【図8】図6に示すボールエンドミルの軸線O方向先端
視の正面図である。
視の正面図である。
11 エンドミル本体 12 エンドミル本体の先端部 12A 先端部12Aの外周面 12B 外周面12Aとチップ取付座14の底面14A
との交差稜線部 13 チップポケット 14 チップ取付座 14A チップ取付座の底面 15 チップ 18,19 切刃 22 チップ15の側面 27 補強面 O エンドミル本体11の回転軸線 β チップ取付座14の底面14Aと補強面27との交
差角
との交差稜線部 13 チップポケット 14 チップ取付座 14A チップ取付座の底面 15 チップ 18,19 切刃 22 チップ15の側面 27 補強面 O エンドミル本体11の回転軸線 β チップ取付座14の底面14Aと補強面27との交
差角
Claims (5)
- 【請求項1】 軸線回りに回転されるエンドミル本体の
略半球状をなす先端部にチップポケットが形成され、こ
のチップポケットのエンドミル回転方向側を向く壁面に
形成されたチップ取付座に、略1/4円弧状の切刃を有
するスローアウェイチップが、上記切刃が上記エンドミ
ル本体の先端内周側から後端外周側に向けて延びるよう
に着脱自在に装着されてなるスローアウェイ式ボールエ
ンドミルにおいて、 上記エンドミル本体の先端部の外周面には、この外周面
と上記スローアウェイチップが着座する上記チップ取付
座のエンドミル回転方向側を向く底面との交差稜線部に
沿って、上記エンドミル本体の周方向に上記交差稜線部
側に向かうに従い、該エンドミル本体の先端部外周面が
なす上記半球の径方向内周側に向かう補強面が形成され
ていることを特徴とするスローアウェイ式ボールエンド
ミル。 - 【請求項2】 上記補強面と上記チップ取付座との底面
との交差角が直角または鈍角に設定されていることを特
徴とする請求項1に記載のスローアウェイ式ボールエン
ドミル。 - 【請求項3】 上記交差角が90°〜100°の範囲に
設定されていることを特徴とする請求項2に記載のスロ
ーアウェイ式ボールエンドミル。 - 【請求項4】 上記補強面は、上記交差稜線部に直交す
る断面において直線状をなす円筒壁面状に形成されてい
ることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか
に記載のスローアウェイ式ボールエンドミル。 - 【請求項5】 上記エンドミル本体の略半球状をなす先
端部外周面は、上記軸線回りの回転軌跡が上記スローア
ウェイチップのエンドミル外周側を向く逃げ面に連なる
ように形成されていることを特徴とする請求項1ないし
請求項4のいずれかに記載のスローアウェイ式ボールエ
ンドミル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23449195A JPH0976110A (ja) | 1995-09-12 | 1995-09-12 | スローアウェイ式ボールエンドミル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23449195A JPH0976110A (ja) | 1995-09-12 | 1995-09-12 | スローアウェイ式ボールエンドミル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0976110A true JPH0976110A (ja) | 1997-03-25 |
Family
ID=16971866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23449195A Withdrawn JPH0976110A (ja) | 1995-09-12 | 1995-09-12 | スローアウェイ式ボールエンドミル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0976110A (ja) |
-
1995
- 1995-09-12 JP JP23449195A patent/JPH0976110A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021203 |