JPH0975671A - ガス反応器 - Google Patents

ガス反応器

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JPH0975671A
JPH0975671A JP7230457A JP23045795A JPH0975671A JP H0975671 A JPH0975671 A JP H0975671A JP 7230457 A JP7230457 A JP 7230457A JP 23045795 A JP23045795 A JP 23045795A JP H0975671 A JPH0975671 A JP H0975671A
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JP
Japan
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gas
electrode
gas reactor
reactor according
housing
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Withdrawn
Application number
JP7230457A
Other languages
English (en)
Inventor
Akinori Ishii
昭典 石井
Takeshi Minobe
剛 弥延
Yuji Hayashi
佑二 林
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Hokushin Industries Corp
Fujitsu Ltd
Hokushin Industry Co Ltd
Original Assignee
Hokushin Industries Corp
Fujitsu Ltd
Hokushin Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスを効率的に活性化ないし浄化できるガス
反応器を提供する。 【解決手段】 本発明のガス反応器は、吸気口14の前
段に脱酸素処理部30が設けられており、排気ガスが筒
状部材32内に供給されると、この排気ガス中に存在す
る酸素は、陰極とされた電極34の表面に化学的な親和
力で吸着される。電極34に吸着された酸素は、電源3
8から電子の供給を受けて、この電子と、電極34によ
る触媒活性により酸素イオン(O2-)に還元される。酸
素イオンは電極34、36間の電位差に従って筒状部材
32中を移動し、陽極である電極36まで移動する。酸
素イオンは電極34で電子を放出し再び酸素分子(O
2 )となって電極36の外部空間に放出される。ガス中
から酸素が除去されたガスが吸気口14を介してハウジ
ング10内へ流入して、ガスの活性化ないし浄化がなさ
れる。この場合、酸素が除去されたガスが活性化ないし
浄化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス反応器に関す
るものであって、より詳しくは、工場や自動車などから
排出されるガスを効率よく活性化ないし浄化するための
ガス反応器に関する。
【0002】
【従来の技術】工業技術の発展に伴って、各種工場から
排出される排気ガス中の有害成分が、地域住民の健康を
害し、ぜんそくなどの呼吸器系の病気を引き起こすばか
りでなく、大気汚染の重要な要因となってきたことは周
知のとおりであり、また、近年、とみに自動車産業の発
展に伴って、自動車、特にディーゼル車から排出される
COX 、NOX 、SOX などの汚染ガスが、沿道住民の
みならず、これまた大気汚染の原因となっていること
は、全世界的な問題として認識されていることであり、
その対策が急がれているところである。
【0003】その対策としては、工場排気ガスのように
大規模な対策が必要なものから、自動車のように比較的
コンパクトな装置が要求されるものまで、さまざまな排
気ガス装置が提案されている。これら、従来のガス反応
器では、汚染ガスの浄化性能を上げるためには、複数個
の比較的大きな装置を組み合わせたり、多量の触媒を使
用したりする必要がある。そのため、装置が大型化した
り、装置のコストが高くなるという問題がある。このた
め、装置の小型化、コスト低減を図るための種々の提案
がなされており、その一例として、プラズマ放電を利用
したガス反応器を利用したガス反応器などが有効なもの
として使用されてきている。
【0004】ところが、これらガス反応器の性能面での
レベルが必ずしも満足できるものではなく、排気ガス対
策が遅々として進まない現状に、行政側もこれを黙認す
ることができず、さらに高いレベルの排気ガス対策を求
めてきている。このような現状にあって、最近になっ
て、触媒を用いたガス浄化方法と、放電プラズマを利用
したガス浄化方法とを組み合わせた効率的にガスを浄化
できるガス反応器が提案された(「信学技報」1993-01
社団法人 電子情報通信学会)。この報文によれば、リ
ードスイッチを用いた触媒・プラズマ・リアクタ素子を
用いて、NOX 、SOX 、COx などの処理対象ガスを
分解することにより、Rn接点金属の触媒作用とグロー
放電のプラズマ分解作用の両作用を相乗させ、効率的な
ガスの浄化が達成されることが報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記報
文は、相乗的にガス浄化を達成しうるシステムの基本的
な理論が説明されているだけで、具体的にどのような装
置が使用されるものであるのかは開示されていない。
【0006】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、工場や自動車
などから排出されるガスを効率よく活性化ないし浄化で
きるガス反応器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、より効果
的なガス反応器の具体化を試行錯誤により検討した結
果、ハウジング内に導入されたガスに、回転するファン
によって乱流を起こさせると共に、プラズマ発生手段に
より、回転羽根とハウジングとのギャップにグロー放電
を発生させ、このグロー放電に伴うプラズマ作用による
ガスの浄化を行わせるか、および/または、回転羽根の
表面、および/または、ハウジングの内壁に形成された
触媒作用を有する金属層との接触面積を大きくすること
によって、効率的に相乗的なガス浄化作用を達成し得る
ガス反応器を完成するに至った。しかも、吸気口の前段
に、脱酸素機構が設けられ、この脱酸素機構に、ガスを
接触させ、酸素の含量を低くした状態で、前記金属層お
よび/またはプラズマに接触させることにより、著しく
効果的なガス反応を達成できるガス反応器を完成するに
至った。
【0008】すなわち、本発明によれば、少なくとも1
枚の回転羽根を有するファンと、ガスが流入される吸気
口と該吸気口から流入されたガスを排出するための排出
口を備えると共に前記ファンを前記回転羽根との間にギ
ャップを有した状態で収容するハウジングと、前記ハウ
ジングの内面の前記回転羽根と対向する部位及び回転羽
根の表面の少なくとも一方に形成された触媒作用を有す
る金属層と、前記吸気口よりもガスの流れ方向上流側に
配置された脱酸素機構と、を備えており、前記脱酸素機
構が、固体電解質セラミックスによって形成された筒状
部材と、酸素還元触媒活性及び電子導電性を有する金属
又は金属酸化物セラミックスからなり前記筒状部材の内
面に固着される第1電極と、酸素還元触媒活性及び電子
導電性を有する金属又は金属酸化物セラミックスからな
り前記筒状部材の外面に固着される第2電極と、前記第
1電極と第2電極との間に電流を印加する電流印加手段
と、を備えてなることを特徴とするガス反応器が提供さ
れる。
【0009】また、本発明によれば、請求項1記載のガ
ス反応器であって、前記筒状部材の前記第1電極及び第
2電極の固着された部位を加熱する加熱手段が設けられ
てなるガス反応器が提供される。
【0010】また、本発明によれば、請求項1又は2記
載のガス反応器であって、プラズマを前記ギャップに発
生させるプラズマ発生手段を備えてなるガス反応器が提
供される。
【0011】また、本発明によれば、請求項1ないし3
のいずれか1項記載のガス反応器であって、前記金属層
が、複数種類の金属を露出状態で固着したものであるガ
ス反応器が提供される。
【0012】また、本発明によれば、請求項1ないし4
のいずれか1項記載のガス反応器であって、前記金属層
が、複数種類の金属を積層状態で形成したものであるガ
ス反応器が提供される。
【0013】また、本発明によれば、請求項1ないし5
のいずれか1項記載のガス反応器であって、前記金属層
が、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウムの少なく
とも1種類の貴金属が固着されたものであるガス反応器
が提供される。
【0014】また、本発明によれば、少なくとも1枚の
回転羽根を有するファンと、ガスが流入される吸気口と
該吸気口から流入されたガスを排出するための排出口を
備えると共に前記ファンを前記回転羽根との間にギャッ
プを有した状態で収容するハウジングと、プラズマを前
記ギャップに発生させるプラズマ発生手段と、前記吸気
口のガスの流れ方向上流側に配置された脱酸素機構と、
を備えており、前記脱酸素機構が、固体電解質セラミッ
クスによって形成された筒状部材と、酸素還元触媒活性
及び電子導電性を有する金属又は金属酸化物セラミック
スからなり前記筒状部材の内面に固着される第1電極
と、酸素還元触媒活性及び電子導電性を有する金属又は
金属酸化物セラミックスからなり前記筒状部材の外面に
固着される第2電極と、前記第1電極と第2電極との間
に電圧を印加する電圧印加手段と、前記筒状部材の前記
第1電極及び第2電極の固着された部位を加熱する加熱
手段と、を備えてなることを特徴とするガス反応器が提
供される。
【0015】また、本発明によれば、請求項3又は7記
載のガス反応器であって、前記プラズマ発生手段が、ハ
ウジングの外壁面に設けられた磁石層と、前記ハウジン
グの内壁面に設けられた電極(a) と、前記内壁面と対向
したファンの少なくとも先端部に設けられた電極(b)
と、両電極間に高周波を印加することによって高密度の
プラズマを発生可能な高周波印加手段と、を備えてなる
ガス反応器が提供される。
【0016】また、本発明によれば、請求項1ないし8
のいずれか1項記載のガス反応器であって、前記ハウジ
ング内の前記ギャップよりもガスの流れ方向上流側に、
ガスの流れ方向へ向けて次第に外径が大きくなるガス流
変更部材が設けられてなるガス反応器が提供される。
【0017】また、本発明によれば、請求項9記載のガ
ス反応器であって、前記ガス流変更部材が、円すい形状
に設けられているガス反応器が提供される。
【0018】また、本発明によれば、請求項1ないし1
0のいずれか1項記載のガス反応器であって、前記回転
羽根が、同一の回転軸に複数設けられ各々が回転軸と一
体となって回転するガス反応器が提供される。
【0019】また、本発明によれば、請求項1ないし1
0のいずれか1項記載のガス反応器であって、前記回転
羽根が、同一の回転軸に複数設けられ各々が独立に回転
軸に対して相対回転するガス反応器が提供される。
【0020】また、本発明によれば、請求項1ないし1
2のいずれか1項記載のガス反応器であって、前記回転
羽根の回転方向の断面形状が、階段状を形成しているガ
ス反応器が提供される。
【0021】また、本発明によれば、請求項1ないし1
3のいずれか1項記載のガス反応器であって、前記回転
羽根の平面形状が、左右非対称であるガス反応器が提供
される。
【0022】また、本発明によれば、前記回転羽根の長
さが、少なくとも部分的に異なるガス反応器が提供され
る。
【0023】また、本発明によれば、請求項1ないし1
2のいずれか1項記載のガス反応器であって、前記回転
羽根が請求項13ないし15に記載された少なくとも2
種を併用したものであるガス反応器が提供される。
【0024】また、本発明によれば、請求項1ないし1
6のいずれか1項記載のガス反応器であって、前記ハウ
ジングの内壁が略円筒形に形成されたものであるガス反
応器が提供される。
【0025】また、本発明によれば、請求項1ないし1
7のいずれか1項記載のガス反応器であって、前記ハウ
ジングの内壁に凹凸面が形成されているガス反応器が提
供される。
【0026】また、本発明によれば、請求項1ないし1
8のいずれか1項記載のガス反応器であって、前記ハウ
ジングの内壁が傾斜状に形成されているガス反応器が提
供される。
【0027】また、本発明によれば、請求項1ないし1
9のいずれか1項記載のガス反応器であって、前記ファ
ンが、吸気口から吹き込まれるガス圧によって回転可能
に構成されたものであるガス反応器が提供される。
【0028】また、本発明によれば、請求項1ないし2
1のいずれか1項記載のガス反応器であって、前記ファ
ンが、動力源によって回転可能に構成されたものである
ガス反応器が提供される。
【0029】また、本発明によれば、請求項1ないし2
1記載のガス反応器であって、前記ガス反応器が、産業
用エンジンの吸気系又は排気系に装着されたものである
ガス反応器が提供される。
【0030】
【発明の実施の形態】請求項1の発明に係るガス反応器
では、吸気口を介してハウジング内に流入されたガス
は、ファンの回転によって乱流とされ、ハウジングの内
面の前記回転羽根と対向する部位及び回転羽根の表面の
少なくとも一方に形成された触媒作用を有する金属層に
きわめて効果的に接触して、効率的な活性化ないし浄化
がなされる。
【0031】しかも、請求項1の発明では、ハウジング
内にガスが流入する前に、ガスは、脱酸素機構に接触し
て、ガス中の酸素濃度が低減される。このため、触媒作
用を有する金属に接触することによるガスの活性化ない
し浄化がより効果的になされる。すなわち、請求項1の
発明では、固体電解質セラミックスからなる筒状部材の
内面及び外面の各々に、酸素還元触媒活性及び電子導電
性を有する金属又は金属酸化物セラミックスからなる第
1電極及び第2電極が固着されている。このため、第1
電極とび第2電極が接する空気中の酸素の濃度差によっ
て、Nernstの式に従って起電力を生じ酸素センサーとな
る。この場合において、第1電極/筒状部材/第2電極
では、第1電極の還元触媒作用による酸素のイオン化、
酸素イオン(O2-)の筒状部材中の移動、第2電極での
酸素イオン(O2-)の酸化、O2ガスの放出が起こる。
さらに、第1電極及び第2電極間に電流印加手段によっ
て、直流電流を印加すると、第1電極/筒状部材/第2
電極を通じて酸素イオン(O2-)が移動する酸素ポンプ
となり、移動した酸素イオンが第2電極で酸化されて酸
素となって筒状部材外部へ放出される。
【0032】また、請求項2の発明に係るガス反応器で
は、請求項1の構成に加えて加熱手段が設けられてお
り、この加熱手段によって、筒状部材の第1電極及び第
2電極の固着された部位が加熱され、顕著な酸素イオン
拡散がなされ、筒状部材中のガスから酸素が極めて効率
的に除去される。
【0033】請求項3の発明に係るガス反応器は、請求
項1の発明と同様、吸気口を介してハウジング内に流入
されたガスは、ファンの回転によって乱流とされ、触媒
作用を有する金属層にきわめて効果的に接触して、効率
的な活性化ないし浄化がなされる。さらに、請求項3の
発明では、請求項1のガス反応器の構成に加えてプラズ
マを前記ギャップに発生させるプラズマ発生手段が設け
られている。このため、請求項1における金属層の触媒
によるガスの活性化ないし浄化に加えて、プラズマによ
るガスの活性化ないし浄化がなされ、ガスの活性化ない
し浄化がより効率的になされる。請求項3の発明では、
ファンの回転によって、プラズマは、リング状に、か
つ、ガスの流れ方向へ奥行きを持った状態となるので、
ガスとプラズマとの接触時間が充分に確保され、ガスの
活性化ないし浄化力が高められる。
【0034】請求項4の発明に係るガス反応器では、請
求項1ないし3のいずれか1項記載のガス反応器であっ
て、前記金属層が、複数種類の金属を露出状態で固着し
たものである。このため、ハウジング内に流入されたガ
スが、複数種類の金属層の各々により触媒作用を受け、
ガスの活性化ないし浄化が効率的に行える。
【0035】請求項5の発明に係るガス反応器では、請
求項1ないし4のいずれか1項記載のガス反応器であっ
て、前記金属層が、複数種類の金属を積層状態で形成さ
れている。これによりガスが異なった種類の金属層に接
触して、効率的に活性化ないし浄化される。
【0036】請求項6の発明に係るガス反応器は、金属
層が、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウムの少な
くとも1種類の貴金属が固着れおり、白金等の貴金属が
ガスの活性化ないし浄化に有効に作用する。
【0037】請求項7の発明に係るガス反応器は、触媒
を有する金属層を設けてない点を除けば、請求項2の発
明と構成が同一であり、請求項3記載の発明と同様のプ
ラズマによる作用により、効率的にガスの活性化ないし
浄化がなされる。
【0038】請求項8の発明に係るガス反応器は、ハウ
ジングの外壁面及び内壁面の各々に設けられた磁石層及
び電極(a) と、ハウジングの内壁面と対向したファンの
少なくとも先端部に設けられた電極(b) と、両電極間に
高周波を印加することによって高密度のプラズマを発生
可能な高周波印加手段と、によって高密度のプラズマが
発生可能となっており、高密度のプラズマによってガス
の活性化ないし浄化が効率的に行われる。
【0039】請求項9の発明に係るガス反応器は、ハウ
ジング内のギャップよりもガスの流れ方向上流側に、ガ
スの流れ方向へ向けて次第に外径が大きくなるガス流変
更部材が設けられている。したがって、ハウジング内へ
流入されたガスは、ガス流変更部材の表面に当たって、
ハウジングの内壁面へ向かうようなガス流とされ、ハウ
ジング内面の回転羽根と対向する部位及び回転羽根の表
面の少なくとも一方に形成され触媒作用を有する金属層
にガスを効率良く接触させることができ、および/又は
プラズマにガスを効率良く接触させることができるた
め、ガスの活性化ないし浄化が効率的になされる。
【0040】請求項10の発明に係るガス反応器は、ガ
ス流変更部材が、円すい形状に設けられており、ハウジ
ング内へ流入されたガスは、請求項9の発明と同様の作
用により、効率よく活性化ないし浄化される。
【0041】請求項11の発明に係るガス反応器は、回
転羽根が、同一の回転軸に複数設けられ各々が回転軸と
一体となって回転するように構成されている。このた
め、ハウジング内に流入されたガスが、回転軸と一体回
転する回転羽根によって乱流とされ、さらに、この乱流
が、回転軸と一体回転する他の回転羽根によって、さら
に、広領域に拡散するような複雑な乱流となる。これに
より、触媒とガスとの接触、および/またはプラズマと
ガスとの接触がより効率的になって著しく卓越したガス
活性化ないし浄化効果が発揮される。
【0042】請求項12の発明に係るガス反応器は、同
一の回転軸に複数設けられ各々が独立に回転軸に対して
相対回転するように構成されている。これによれば、ハ
ウジング内に導入されたガスが、回転軸に対して相対回
転する回転羽根によって乱流とされ、さらに、この乱流
が、回転羽根とは独立かつ回転軸に対して相対回転する
他の回転羽根によって、さらに、広い領域に拡散するよ
うな複雑な乱流となる。これにより、触媒とガスとの接
触、および/またはプラズマとガスとの接触がより効率
的になって著しく卓越したガス活性化ないしガス浄化効
果が発揮される。
【0043】請求項13の発明に係るガス反応器は、回
転羽根の回転方向の断面形状が、階段状に構成されてい
る。このため、ガスの流れを、ハウジング内面の回転羽
根と対向する部位及び回転羽根の表面の少なくとも一方
に形成され触媒作用を有する金属層と効率的に接触さ
せ、および/またはガスの流れをプラズマと効率的に接
触させることのできるような流れにでき、ハウジング内
に流入されたガスの活性化ないし浄化が効率的になされ
る。
【0044】請求項14の発明に係るガス反応器は、回
転羽根の平面形状が、左右非対称に構成されている。こ
のため、これにより、ガスの流れを、ハウジング内面の
回転羽根と対向する部位及び回転羽根の表面の少なくと
も一方に形成され触媒作用を有する金属層と効率的に接
触、および/またはガスの流れをプラズマと効率的に接
触させることのできるような流れにすることができ、ハ
ウジング内に流入されたガスの活性化ないし浄化が効率
的になされる。
【0045】請求項15の発明に係るガス反応器は、回
転羽根の長さが、少なくとも部分的に異なった状態の構
成されている。このため、ガスの流れは、ハウジング内
面の回転羽根と対向する部位及び回転羽根の表面の少な
くとも一方に形成され触媒作用を有する金属層と効率的
に接触、および/またはガスの流れをプラズマと効率的
に接触させることのできるような流れにされ、ハウジン
グ内に流入されたガスの活性化ないし浄化が効率的にな
される。
【0046】請求項16の発明に係るガス反応器は、回
転羽根が請求項13ないし15に記載された少なくとも
2種を併用して構成されている。このため、ガスの流れ
は、ハウジング内面の回転羽根と対向する部位及び回転
羽根の表面の少なくとも一方に形成され触媒作用を有す
る金属層と効率的に接触、および/またはガスの流れを
プラズマに効率的に接触させることのできるような流れ
にされ、ハウジング内に流入されたガスの活性化ないし
浄化が効率的になされる。
【0047】請求項17の発明に係るガス反応器は、ハ
ウジングの内壁が略円筒形に形成されている。これによ
り、プラズマによるガスの反応速度が速くなると共に、
プラズマによる反応により生じた活性種の活性寿命が長
くなり、効率的なガス活性化ないしガス浄化がなされ
る。
【0048】請求項18の発明に係るガス反応器は、ハ
ウジングの内壁に凹凸面が形成されている。このため、
プラズマによるガスの反応速度が速くなると共に、プラ
ズマによる反応により生じた活性種の活性寿命が長くな
り、ハウジング内に流入されたガスの活性化ないし浄化
が効率的になされる。
【0049】請求項19の発明に係るガス反応器は、ハ
ウジングの内壁が傾斜状に形成されている。このため、
プラズマによるガスの反応速度が速くなると共に、プラ
ズマによる反応により生じた活性種の活性寿命が長くな
り、ハウジング内に流入されたガスの活性化ないし浄化
が効率的になされる。
【0050】請求項20の発明に係るガス反応器は、フ
ァンが、吸気口から吹き込まれるガス圧によって回転可
能に構成されている。このため、ファンを駆動するため
の駆動装置が不要となる。
【0051】請求項21の発明に係るガス反応器は、フ
ァンが、動力源によって回転可能に構成されている。こ
のため、ファンの回転数を動力源によって、ガスの乱流
状態を高める回転数に調節することにより、効率的なガ
スの活性化ないし浄化がなされる。
【0052】請求項22の発明に係るガス反応器は、ガ
ス反応器が、産業用エンジンの吸気系、排気系、及び燃
料系の少なくとも一の系に装着されるものである。本発
明の態様として、ガス反応器を産業用エンジンの排気系
のみに設けた場合には、産業用エンジンから排出される
ガスは、排気系においてガス反応器によって、活性化な
いし浄化されてクリーンな状態とされる。また、ガス反
応器を産業用エンジンの吸気系のみに設けた場合は、予
め活性化ないし浄化されたガスがエンジン内に取り込ま
れるため、エンジンから排出されるガスがクリーンなも
のとなる。なお、本発明において、産業用エンジンと
は、自動車、船舶、トラクター等に設けられるエンジン
を意味している。
【0053】
【発明の具体的説明】本発明のガス反応器の構成を、図
面に基づいて説明する。図1は、本発明のガス反応器の
一例を示す側断面図であり、図2は、図1のA−A線断
面図である。本発明のガス反応器は、ガス反応部20及
びこの前段に設けられる脱酸素処理部30を備えてい
る。ガス反応部20は、ハウジング10を備えており、
このハウジング10に、吸気口14と排気口15が形成
されている。ハウジング10内には、回転羽根11を有
するファン12が配置されている。
【0054】ファン12は、図1には、ハウジング10
内に2個設けられているが、3個以上であってもよく、
単一個であってもよい。本発明においては、回転するフ
ァン12とハウジング10の内壁13との微小ギャップ
19にグロー放電を生じせしめることが重要であるが、
さらに、ハウジング10内をガスが乱流状態で流通する
ことも、ガス浄化効率の点で好ましいものである。な
お、図1には、図示していないが、ハウジング10の内
壁13及び回転羽根11の前記内壁と対向する部位に
は、各々電極設けられると共に、これらの電極間に高周
波を印加する高周波印加手段が設けられており、微小ギ
ャップ19にプラズマを発生させることができるように
なっている。
【0055】本発明では、上記の如く、ガスがハウジン
グ10内を乱流状態で流通することが望ましく、したが
って、回転状態の回転羽根11と、ハウジング10の内
壁13とが一定の間隔で構成されているもの、つまり、
内壁13が円筒形状の構成が最も好ましいものであり、
この構成に加えて、さらに内壁面に凹凸を形成したり、
傾斜状に形成したり、あるいはこれらの構成を適宜組み
合わせることによって、より一層効率的なガス浄化効果
が達成される。
【0056】またファン12は、少なくとも1枚の回転
羽根11を有することを基本構成とするものであり、そ
の回転羽根11は、図3に示すように回転方向の断面形
状が階段状のもの、平面形状が左右非対称であるもの、
羽根の長さが少なくとも部分的に異なるもの、あるい
は、これら回転羽根11の構成の少なくとも2種を併用
したものを使用することがガス浄化効率の点で一層優れ
ている。
【0057】また、ファン12の他の態様として、ファ
ン12にガス流変更部材25が固着されたものを挙げる
ことができる(図4参照)。すなわち、図4に示す如
く、ファン12における回転羽根11よりも吸気口14
側には、円すい形状のガス流変更部材25が設けられて
いる。このガス流変更部材25は、吸気口14側から排
気口15側へ向けて外径が次第に大きくなるように配置
されている。このように、ファン12にガス流変更部材
25を設けることにより、吸気口14を介して、ハウジ
ング10内に流入したガスは、ガス流変更部材25の外
周面25Aに当たって、この外周面25Aにガイドされ
て、ハウジング10の内壁13へ向かう流れとなる。し
たがって、ガスは、ファン12と内壁13との微小ギャ
ップ19に確実に供給されるようになり、グロー放電に
よるガスの浄化が極めて有効に行える。
【0058】上記では、ガス流変更手段25を円すい形
状にしているが、ガス流変更手段25は、外周が、吸気
口14側から排気口15側へ向けて外形が次第に大きく
なるようなものであればよく、例えば、三角すい形状、
四角すい形状、円すい台形状等であってもよい。また、
ファン12としては、回転軸(図示せず)に2枚の回転
羽根を固着させる態様を挙げることができる。なお、回
転軸は、動力源に連結して構成することができ、この動
力源によって、回転軸が回転すると、2枚の回転羽根も
回転軸と共に回転する。
【0059】この構成によれば、ハウジング10内に導
入されたガスは、回転軸と一体回転する回転羽根によっ
て乱流とされ、さらに、この乱流が、回転軸と一体回転
する他方の回転羽根によって、さらに、広領域に拡散す
るような複雑な乱流となるため、その分触媒との接触面
積が大となるので分解効率が高くなり、ガス浄化効率の
点で好ましい。なお、上記では、回転軸に固着する回転
羽根を2枚としているが、3枚以上固着しても、ガス浄
化に好適な乱流を形成する効果を十分に発揮できること
は言うまでもない。
【0060】また、ファン12は、2枚の回転羽根を、
回転軸に、回転可能に支持させて、各々の回転羽根が各
々別個独立に、回転軸に対して相対回転するように構成
できる。この場合、動力源との接続はあってもよいが、
動力源がなくても、ガス圧によって回転羽根を各々別個
独立に回転させることができる。この構成によれば、ハ
ウジング10内に導入されたガスが回転軸に対して相対
回転する回転羽根によって乱流とされ、さらに、この乱
流が、この回転羽根とは別個独立にかつ回転軸に対して
相対回転する他の回転羽根によって、さらに、広領域に
拡散するような複雑な乱流となるため、ガス浄化効率の
点で好ましい。なお、上記では、回転軸に対して相対回
転可能な回転羽根を2枚設けているが、3枚以上設けて
も、ガス浄化に好適な乱流を形成する効果を十分に発揮
し得るのは言うまでもない。
【0061】前記吸気口14、及び排気口15は、ハウ
ジング10の対向する面にそれぞれ設けられていること
が好ましく、その形状は、必ずしも図1に示したように
ハウジング10の中央部分に形成されている必要はな
く、例えば、ガスの進入方向および排出方向の壁面に、
少なくとも部分的にすのこ状または格子状などの任意の
形状の開口が形成されていれば良い。またその構成部位
は、図1に示したように横方向の両サイドに形成するば
かりでなく、図5に示すように、上下方向に形成しても
良いことはもちろんであり、その際には、入口と出口
は、ハウジング10の一方の端部から他方の端部にガス
が流通するように設けることが浄化効率の点で好まし
い。
【0062】本発明においては、該ファン12の回転羽
根11面、及びハウジング10の内壁13の少なくとも
一方に、触媒作用を有する金属層を形成しておくことに
技術的な特徴を有している。触媒作用を有する金属は、
従来、知られており、例えば、遷移金属として分類され
るイリジウム、クロム、コバルト、ジルコニウム、セシ
ウム、タングステン、タンタル、チタン、鉄、テルル、
ニオブ、ニッケル、白金、バナジウム、ハフニウム、パ
ラジウム、マンガン、モリブデン、ルテニウム、レニウ
ム、ロジウムなどが例示される。これらの中でも、白
金、パラジウム、ルテニウム、ロジウムの貴金属が最も
好ましく使用される。
【0063】これらの金属層を形成するには、自体公知
の電気メッキ方法または化学メッキ方法によるメッキ法
が好ましく採用されるが、該金属を箔状にして接着剤で
固着するなどの任意の方法も採用できる。メッキ法にて
金属層を形成する場合には、使用する金属の種類によっ
ても相違するが、通常、室温ないし50℃で20分ない
し2時間の条件でメッキ層を構成することができる。金
属層の厚みは特に限定されるわけではないが、通常、3
ないし10μm程度に形成されることが好ましい。
【0064】上記に例示した触媒作用を有する金属は、
NOX 等の大気汚染物質の浄化に効果を発揮できるが、
パラジウムは、特に、Cmn (CH4 、C24 等)
の浄化に極めて優れていることが判明した。
【0065】ハウジング10を構成する材質は、金属、
ガラス、セラミックス、あるいはメッキ等によって金属
層の形成が可能なポリフェニレンエーテルなどの機能性
高分子材料で構成することができる。本発明のファン1
2は、羽根に金属層を形成することが必要であると共
に、プラズマ発生手段によって微小ギャップ19にグロ
ー放電が生じることが必要であり、その要求に応えるた
めに、金属によって構成されていることが好ましい。
【0066】本発明において、前記金属層は、前述した
ファン12の羽根の枚数や形状と共にさまざまな組み合
わせによって、より効率的なガス浄化が達成されるもの
である。すなわち、ファン12の回転羽根11の枚数お
よび形状は、回転によってグロー放電が一層生じ易いよ
うに構成されることが好ましく、図6に示すように、回
転方向に対して隙間(gap)が小から大へ広がるよう
な形状に構成することが好ましい。また、回転羽根11
およびハウジング内壁に形成される金属層は、単独の金
属ばかりでなく、同時に複数の金属を固着して、よりす
ぐれたガスの浄化効率を高めることができる。
【0067】その一例として、回転羽根11の表面に複
数の金属、例えば、白金とパラジウムが露出した状態で
任意の形状に組み合わせて金属層を形成する態様が挙げ
られる。また、少なくとも2枚の羽根にそれぞれ異なる
金属層を形成する態様、つまり、1枚の羽根の表面に白
金層を形成し、他の羽根の表面にパラジウム層を形成す
るものも、ガス浄化効率を効率的に達成するために有効
である。さらに、少なくとも1枚の羽根に複数の金属を
積層状態で形成する態様、つまり、例えば、羽根の表面
に第1層として白金の層を形勢し、その上からパラジウ
ムの層を形成する例が挙げられる。この場合は、表面層
を構成する金属が摩耗等によって消耗したとしても、第
2層を形成する金属層が、新たにガス浄化機能を発揮す
ることができるようになる。
【0068】また、かかる金属層の形成は、ハウジング
内壁についても当然あて嵌まり、複数の金属を露出状態
で組み合わせたり、積層状態で形成することは回転羽根
11の場合と同様に有効である。これらの態様におい
て、金属の種類を任意に変更したり、各態様を任意に組
み合わせて用いることは当然本発明の技術思想に包含さ
れるものであることが理解されるであろう。
【0069】本発明のガス反応器におけるファン12
は、動力源のON/OFFで、始動/停止するように構
成した場合は、回転速度の調整が任意にできることか
ら、一層有効なガス浄化効率が挙げられるが、あえて動
力源を使用しなくとも、装置内に吹き込まれるガスの流
体圧によってもファン12を始動させることができ、そ
れによって、回転する回転羽根11からグロー放電が発
生し、これに伴うプラズマ作用によりガス浄化の達成を
可能にする。この際、ハウジング10内のガスは乱流状
態で流動していることから、プラズマ作用によるガスの
浄化は一層効率的に達成される。
【0070】ハウジング10内のガスの状態を乱流状態
にすることのメリットは、前記ファン12の回転羽根1
1に形成された触媒作用を有する金属層と有効に接触す
ることによっても認められ、これらの作用が併用された
場合には、著しく優れた相乗的なガス浄化効果が得られ
ることになる。
【0071】本発明において、より有効なガスの浄化効
果を達成するためには、ガスと金属層との接触面積を大
きくすることが重要であり、そのためには、金属層の形
成面積を大きくし、かつ、前記ファン12の回転力を上
げることが好ましいのであるが、通常、経費や装置の大
きさ等の制限もあり、実用的なものとしては、1分間当
りの金属層に対するガスの接触面積は、30cc/mi
n前後であることが好ましい。また、ファン12の始動
を動力源によって行う時は、装置内のファン12と連結
した自体公知のスイッチ(図示せず)のON/OFFに
よって行う。その際、ファン12の回転数はスイッチに
連結した制御機構によって適宜に調整することができ
る。
【0072】なお、本発明のガス反応器は、減圧条件下
で作動させることが、グロー放電の安定化ならびに維持
を行う上で好ましく、したがって、ガス反応器を密閉系
において作動させることが推奨される。
【0073】本発明のガス反応器の好ましい他の態様
は、回転するファン12とハウジング内壁との間に高密
度のプラズマを生起させることにより、ガスの分解効率
を著しく高めることである。回転するファン12とハウ
ジング内壁との間に高密度のプラズマを生起させるため
に、本発明においては、図7に側断面図で示すように、
ハウジング10の外壁面に磁石層17、内壁面に電極1
9(a) を設けるとともに、内壁面と対向したファン11
の少なくとも先端部にも電極19(b) を設け、該電極間
に、例えばECR(40.68MHZ )程度の高周波を
印加することによって、電極間には、電子密度で1020
/m2 以上という高密度のプラズマ18が発生し、これ
によってNox などのガスを効率的に分解することがで
きる。
【0074】前記電極間に高密度のプラズマを生起させ
る原理は、モデル的に図解した図8に示したECR(E
lectoron Cyclotron Resona
nce)効果によって説明される。つまり、前記電極1
9(a),19(b) 間に高周波を印加することによって、図
8におけるA→B→Cの変化が起こり、C状態になった
段階で、19(a),19(b)間に高密度のプラスズマが生
起し、このプラズマの生起がガス中のNox 等の分解を
高めるものである。
【0075】電極としては、Pt、Rh、Pdなどの貴
金属が使用されるが、Rhが最も好ましく用いられる。
【0076】本発明のガス反応器は、吸気口14から吹
き込まれるガスを、ファン12に接触する前段で脱酸素
処理部と接触させて、酸素の含量を、例えば、ppmオ
ーダーまで低下させておき、この状態でファン12に接
触させることによって、ガス浄化効率は著しく向上す
る。
【0077】排ガス中に酸素が共存していると、NOx
が有効に除去することができないばかりでなく、反応が
NO生成方向になることが知られており、最近では、炭
化水素類を用いて触媒を適切に選択することによってN
Ox選択還元が可能になるという報告がなされている。
【0078】以下に、脱酸素処理部30を説明する。脱
酸素処理部30は、図1に示す如く、固体電解質セラミ
ックスによって形成された筒状部材32を備えている。
この筒状部材32の材料としては、固体電解質セラミッ
クスである、安定化ジルコニアに代表される蛍石型酸化
物セラミックスを使用している。
【0079】筒状部材32は、開口端面32Aがハウジ
ング10の側壁10Aに固着されており、開口32Bが
吸気口14Bに連通されている。筒状部材32の内面に
は、筒状の電極34が固着されており、筒状部材32の
外面には、筒状の電極36が固着されている。電極3
4、36の材料としては、酸素還元活性及び電子導電性
を有する金属、酸素還元活性及び電子導電性を有する金
属酸化物セラミックス一般を使用できるが、具体的に
は、プラチナ、銀、金、パラジウム、ルテニウム、銅、
鉄、希土類複合化合物であるABO3 型の構造を持つペ
ロブスカイト型酸化物等を例示でき、特に、ペロブスカ
イト型酸化物を使用するのが、筒状部材32に電荷を供
給する点、電極界面での酸素分子の還元反応を促進する
点で好ましい。
【0080】また、脱酸素処理部30は、電源38を備
えており、電極34と電極36との間に直流電流を印加
できるようになっている。さらに、脱酸素処理部30
は、ヒータ31を備えており、このヒータ31は電極3
6の周囲に間隔をおいて配置されている。筒状部材32
の電極34及び36の固着された部位が加熱されるよう
になっている。この場合の加熱温度は、300℃ないし
1000℃、特に、800℃ないし1000℃とするの
が、電源装置の小型化の点で好ましい。また、筒状部材
32の材料である安定化ジルコニアは、室温ないし30
0℃では、電気抵抗が非常に高く、酸素イオンを移動さ
せる充分な電流を流すことがでない。なお、安定化ジル
コニアは、300℃以上で、電気抵抗が104 Ω以下に
なり、数ミリアンペア程度の電流を流すことが可能とな
る。
【0081】上記の脱酸素処理部30における脱酸素処
理は、以下の通りである。すなわち、自動車等からの排
気ガスが、筒状部材32内に供給されると、この排気ガ
ス中に存在する酸素は、陰極とされた電極34の表面に
化学的な親和力で吸着される。電極34に吸着された酸
素は、電源38から電子の供給を受けて、この電子と、
電極34による触媒活性により酸素イオン(O2-)に還
元される。酸素イオンは電極34、36間の電位差に従
って筒状部材32中を移動し、陽極である電極36まで
移動する。酸素イオンは電極34で電子を放出し再び酸
素分子(O2 )となって電極36の外部空間に放出され
る。
【0082】そして、ガス中から酸素が除去されたガス
が吸気口14を介してハウジング10内へ流入して、ガ
スの活性化ないし浄化がなされる。この場合、酸素が除
去されたガスが活性化ないし浄化されるので、ガスの活
性化ないし浄化が極めて効率的になされる。なお、図1
にのみ脱酸素処理部30を図示しているが、図4、図
5、図7の実施例においても、ガス反応部の前段に脱酸
素処理部30が設けられている。
【0083】
【実施例】以下に実施例によって本発明を説明する。実施例1 内径7mm、外径10mm、長さ300mmの安定化ジ
ルコニアチューブの中央部分(長さ100mm)の内外
両面にプラチナを塗布、焼成によって電極を形成した。
チューブには、ガスポンプ、酸素濃度計(東レエンジニ
アリング社製)を、電極には、定電流電源(ケスレー2
37)を接続した。チューブの電極部分は円筒形電熱ヒ
ータで覆い、650℃に保持した。酸素濃度約0.9%
に調整したガスを100m/minの流速でチューブに
流し内側電極に対して40mAの定電流を印加して酸素
濃度の変化を酸素濃度系に接続した記録計に記録した。
記録結果を図9に示す。図9より、定電流を印加した、
経過時間16分から40分までの間において酸素濃度低
減機能が発揮されることが明らかとなった。
【0084】実施例2 実施例1と同様の装置で、酸素濃度を4%に調節したガ
スを100ml/minの流速で流し、チューブの電極
部分を340ないし830℃に保持して内側電極に10
ないし40mAの定電流を印加して酸素濃度変化を読み
取った。その結果を図10に示す。また、ジルコニアチ
ューブを450℃に保温し、酸素濃度を0.25、2.
33、4.55%に調節したガスを100ml/min
の流速で流し、内側電極に対して−10ないし−40m
Aの定電流を印加して酸素濃度を読み取った。その結果
を図11に示す。図10及び図11から、電極を有する
ジルコニアチューブの酸素排出量は450℃以上で3〜
4mlmin−1A−1であり、電流と電荷粒子の式
(σ=ZFCB)からの計算値3.5mlmin−1A
−1とよく一致した。また、酸素の移動した方向は、電
極に印加する電流の極性を変えることで逆転することが
明らかとなった。よって、ジルコニアチューブによる排
気ガスカラの酸素除去作用が実験結果から裏づけられ
た。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、ガスを効率的に活性化
ないし浄化できるガス反応器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るガス反応器の断面図で
ある。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】図1のガス反応器のファンの回転羽根の断面形
状の一例を示す図である。
【図4】本発明の他の実施例に係るガス反応器の断面図
である。
【図5】本発明の他の実施例に係るガス反応器の断面図
である。
【図6】図1のガス反応器のファンの回転羽根の平面形
状の一例を示す図である。
【図7】本発明の他の実施例に係るガス反応器の側断面
図である。
【図8】図8の装置におけるプラズマ発生の状態をモデ
ル化した図である。
【図9】ジルコニアチューブを通過するガスの酸素濃度
測定チャートである。
【図10】ジルコニアチューブを通過するガスのプラス
電流印加による酸素濃度変化を示すグラスである。
【図11】ジルコニアチューブを通過するガスのマイナ
ス電流印加による酸素濃度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 ハウジング 11 回転羽根 12 ファン 14 吸気口 15 排気口 30 脱酸素処理部 50 金属層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 弥延 剛 神奈川県横浜市鶴見区尻手2丁目3番6号 北辰工業株式会社内 (72)発明者 林 佑二 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1枚の回転羽根を有するファ
    ンと、ガスが流入される吸気口と該吸気口から流入され
    たガスを排出するための排出口を備えると共に前記ファ
    ンを前記回転羽根との間にギャップを有した状態で収容
    するハウジングと、前記ハウジングの内面の前記回転羽
    根と対向する部位及び回転羽根の表面の少なくとも一方
    に形成された触媒作用を有する金属層と、前記吸気口よ
    りもガスの流れ方向上流側に配置された脱酸素機構と、
    を備えており、前記脱酸素機構が、固体電解質セラミッ
    クスによって形成された筒状部材と、酸素還元触媒活性
    及び電子導電性を有する金属又は金属酸化物セラミック
    スからなり前記筒状部材の内面に固着される第1電極
    と、酸素還元触媒活性及び電子導電性を有する金属又は
    金属酸化物セラミックスからなり前記筒状部材の外面に
    固着される第2電極と、前記第1電極と第2電極との間
    に電流を印加する電流印加手段と、を備えてなることを
    特徴とするガス反応器。
  2. 【請求項2】 前記筒状部材の前記第1電極及び第2電
    極の固着された部位を加熱する加熱手段が設けられてな
    る請求項1記載のガス反応器。
  3. 【請求項3】 プラズマを前記ギャップに発生させるプ
    ラズマ発生手段を備えてなる請求項1又は2記載のガス
    反応器。
  4. 【請求項4】 前記金属層が、複数種類の金属を露出状
    態で固着したものである請求項1ないし3のいずれか1
    項記載のガス反応器。
  5. 【請求項5】 前記金属層が、複数種類の金属を積層状
    態で形成したものである請求項1ないし4のいずれか1
    項記載のガス反応器。
  6. 【請求項6】 前記金属層が、白金、パラジウム、ルテ
    ニウム、ロジウムの少なくとも1種類の貴金属が固着さ
    れたものである請求項1ないし5のいずれか1項記載の
    ガス反応器。
  7. 【請求項7】 少なくとも1枚の回転羽根を有するファ
    ンと、ガスが流入される吸気口と該吸気口から流入され
    たガスを排出するための排出口を備えると共に前記ファ
    ンを前記回転羽根との間にギャップを有した状態で収容
    するハウジングと、プラズマを前記ギャップに発生させ
    るプラズマ発生手段と、前記吸気口のガスの流れ方向上
    流側に配置された脱酸素機構と、を備えており、前記脱
    酸素機構が、固体電解質セラミックスによって形成され
    た筒状部材と、酸素還元触媒活性及び電子導電性を有す
    る金属又は金属酸化物セラミックスからなり前記筒状部
    材の内面に固着される第1電極と、酸素還元触媒活性及
    び電子導電性を有する金属又は金属酸化物セラミックス
    からなり前記筒状部材の外面に固着される第2電極と、
    前記第1電極と第2電極との間に電圧を印加する電圧印
    加手段と、前記筒状部材の前記第1電極及び第2電極の
    固着された部位を加熱する加熱手段と、を備えてなるこ
    とを特徴とするガス反応器。
  8. 【請求項8】 前記プラズマ発生手段が、ハウジングの
    外壁面に設けられた磁石層と、前記ハウジングの内壁面
    に設けられた電極(a) と、前記内壁面と対向したファン
    の少なくとも先端部に設けられた電極(b) と、両電極間
    に高周波を印加することによって高密度のプラズマを発
    生可能な高周波印加手段と、を備えてなる請求項3又は
    7記載のガス反応器。
  9. 【請求項9】 前記ハウジング内の前記ギャップよりも
    ガスの流れ方向上流側に、ガスの流れ方向へ向けて次第
    に外径が大きくなるガス流変更部材が設けられてなる請
    求項1ないし8のいずれか1項記載のガス反応器。
  10. 【請求項10】 前記ガス流変更部材が、円すい形状に設
    けられている請求項9記載のガス反応器。
  11. 【請求項11】 前記回転羽根が、同一の回転軸に複数設
    けられ各々が回転軸と一体となって回転する請求項1な
    いし10のいずれか1項記載のガス反応器。
  12. 【請求項12】 前記回転羽根が、同一の回転軸に複数設
    けられ各々が独立に回転軸に対して相対回転する請求項
    1ないし10のいずれか1項記載のガス反応器。
  13. 【請求項13】 前記回転羽根の回転方向の断面形状が、
    階段状を形成している請求項1ないし12のいずれか1
    項記載のガス反応器。
  14. 【請求項14】 前記回転羽根の平面形状が、左右非対称
    である請求項1ないし13のいずれか1項記載のガス反
    応器。
  15. 【請求項15】 前記回転羽根の長さが、少なくとも部分
    的に異なる請求項1ないし14のいずれか1項記載のガ
    ス反応器。
  16. 【請求項16】 前記回転羽根が請求項13ないし15に
    記載された少なくとも2種を併用したものである請求項
    1ないし12のいずれか1項記載のガス反応器。
  17. 【請求項17】 前記ハウジングの内壁が略円筒形に形成
    されたものである請求項1ないし16のいずれか1項記
    載のガス反応器。
  18. 【請求項18】 前記ハウジングの内壁に凹凸面が形成さ
    れている請求項1ないし17のいずれか1項記載のガス
    反応器。
  19. 【請求項19】 前記ハウジングの内壁が傾斜状に形成さ
    れている請求項1ないし18のいずれか1項記載のガス
    反応器。
  20. 【請求項20】 前記ファンが、吸気口から吹き込まれる
    ガス圧によって回転可能に構成されたものである請求項
    1ないし19のいずれか1項記載のガス反応器。
  21. 【請求項21】 前記ファンが、動力源によって回転可能
    に構成されたものである請求項1ないし20のいずれか
    1項記載のガス反応器。
  22. 【請求項22】 前記ガス反応器が、産業用エンジンの吸
    気系又は排気系に装着されたものである請求項1ないし
    21のいずれか1項記載のガス反応器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115199380A (zh) * 2022-03-22 2022-10-18 南京工业大学 一种尾气处理装置和尾气处理方法

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CN115199380A (zh) * 2022-03-22 2022-10-18 南京工业大学 一种尾气处理装置和尾气处理方法

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