JPH0975212A - 卓上用蒸籠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】蒸気発生部１０とその上に配置される内蓋部２
０と、その上に配置される蒸し調理部３０を備えた蒸籠
とすることにより、保温力を強化し、周囲の人間にそれ
ほど熱さを与えず、かつ蒸気を効率良く用いて高周波電
磁化熱源などを用いた卓上調理器として使用しやすい蒸
籠を提供する。 【解決手段】蒸気発生部１０は、鍋部１とその内部に配
置される円筒状蒸気整流部２と、鍋部１の外側に配置さ
れる外枠体４とからなり、内蓋部２０は、円筒状蒸気整
流部２の上に配置され、蒸気通過孔２１と、その外側に
ストッパー部２２を備え、蒸し調理部３０は、内蓋部２
０のストッパー部２２の外側に配置される枠体３１と、
枠体３１の底部に敷かれるすのこ部３３と、枠体３１の
上に配置される外蓋部３４で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主に食卓（テーブ
ル）上で使用される卓上用蒸籠（蒸し器）に関する。さ
らに詳しくは、高周波電磁力などを熱源とし、食事をす
る人が自分で調理できる卓上用蒸籠に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、蒸籠（蒸し器）は火力を熱源と
し、調理室や台所で使用されるものが大部分であった。
従来例としては、図７に示すように、古来からの和式の
蒸籠（せいろ）５０として、熱源４０の上に水５２を入
れた鍋５１を置き、その上にすのこ５４を置いた蒸し器
５３を置き、同様にすのこ５６を置いた蒸し器５５を置
き、その上に布巾５７を被せて蓋５８をのせて用いてい
た。また図８に示すように、古来からの中華式蒸籠（チ
ョンロン）６０の場合は、丸鍋６１の中に水を入れて熱
源の上に置き、丸鍋６１の上にすのこ６４を置いた蒸し
器６３を置き、同様にすのこ６６を置いた蒸し器６５を
置き、その上に竹製の蓋６７をのせて用いていた。

【０００３】ところで近年は、高周波電磁調理器が出現
し、クリーンな熱源として使用されるようになり、焼き
物や鍋物に好適に使用されている。電磁調理器は、商用
波数（５０または６０サイクル／秒）の交流電力をイン
バータによって周波数変換し、コイルに１５〜３５ｋＨ
ｚ（好適には２０〜２５ｋＨｚ）の高周波電力を発生さ
せ、前記コイルの上のセラミック製トッププレートの上
方に置かれた鉄やステンレススチール等の材料に渦電流
を発生させて加熱するものである。この高周波電磁調理
器は、加熱効率に優れ、排気ガスが発生しないことか
ら、クリーンな環境を保てるという利点がある。そし
て、プレートを用いた焼き肉等の焼き物や鍋物用卓上調
理器として、レストラン、料理屋、家庭用として実用化
されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図７に
示す従来の和式の蒸籠（せいろ）５０は、蒸し器の間や
布巾から蒸気が多く漏れ、また加熱鍋自体も保温がない
ので、卓上調理器として使用しようとしても周囲が熱く
なり、不都合があった。さらに図８に示す従来の中華式
蒸籠（チョンロン）６０の場合も同様に鍋の周囲や竹製
の蓋の部分から熱が逃げるので周囲が熱くなり、卓上調
理器としては不都合があった。さらに、前記高周波電磁
加熱器を利用して、蒸し調理を行う器具の提案はいまだ
多くなく、とくに卓上調理器として使用することは従来
の蒸籠では不都合があった。

【０００５】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、保温力を強化し、周囲の人間にそれほど熱さを与え
ず、かつ蒸気を効率良く用いて卓上調理器として使用し
やすい蒸し調理器を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の卓上用蒸籠は、蒸気発生部とその上に配置
される内蓋部と、その上に配置される蒸し調理部を備え
た蒸し器であって、前記蒸気発生部は、鍋部と、前記鍋
部の内部に配置される円筒状蒸気整流部と、前記鍋部の
外側に配置される外枠体とからなり、前記内蓋部は、前
記円筒状蒸気整流部の上に配置され、蒸気通過孔と、内
蓋部の上部であって前記蒸気通過孔の外側にストッパー
部を備え、前記蒸し調理部は、前記内蓋部のストッパー
の外側に配置される枠体と、前記枠体の底部に敷かれる
すのこ部と、前記枠体の上に配置される外蓋部を備えて
いることを特徴とする。

【０００７】前記卓上用蒸籠においては、鍋部が高周波
電磁力により加熱される材料で形成されていることが好
ましい。熱源が高周波電磁力の場合に好適だからであ
る。熱源が高周波電磁力の場合、たとえば鉄、ステンレ
ススチール等が好適である。熱源がハロゲンランプ等の
場合は、鉄、ステンレススチールに加えてアルミも使用
できる。

【０００８】また前記卓上用蒸籠においては、円筒状蒸
気整流部がステンレススチール材料で形成されているこ
とが好ましい。錆などが発生せず衛生上、美観上好まし
いからである。

【０００９】また前記卓上用蒸籠においては、内蓋部の
上部に形成されたストッパー部と、その上に配置される
蒸し調理部の枠体の底部の窓部が方形であることが好ま
しい。安定して蒸し調理部の枠体をセットできるからで
ある。

【００１０】前記した本発明の構成によれば、蒸気発生
部とその上に配置される内蓋部と、その上に配置される
蒸し調理部を備えた蒸し器であって、前記蒸気発生部
は、鍋部と、前記鍋部の内部に配置される円筒状蒸気整
流部と、前記鍋部の外側に配置される外枠体とからな
り、前記内蓋部は、前記円筒状蒸気整流部の上に配置さ
れ、蒸気通過孔と、内蓋部の上部であって前記蒸気通過
孔の外側にストッパー部を備え、前記蒸し調理部は、前
記内蓋部のストッパーの外側に配置される枠体と、前記
枠体の底部に敷かれるすのこ部と、前記枠体の上に配置
される外蓋部を備えていることにより、保温力を強化
し、周囲の人間にそれほど熱さを与えず、かつ蒸気を効
率良く用いて卓上調理器として使用しやすい蒸籠を実現
できる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明の一実施
例の蒸籠（蒸し調理器）を説明する。図１は本発明の一
実施例の蒸籠（蒸し調理器）の断面図である。また図２
は、同部品組み立て図である。この蒸籠（蒸し調理器）
は、蒸気発生部１０とその上に配置される内蓋部２０
と、その上に配置される蒸し調理部３０から構成されて
いる。図３は同実施例の蒸気を効率良く利用している説
明図、図４は同実施例の水滴が回収、落下している説明
図、図５は同実施例の加熱用鍋を外枠体に設置した説明
図、図６は同実施例の蒸籠の外観斜視図である。

【００１２】以下図１〜６を用いて各部分に分けて説明
する。 Ａ．蒸気発生部 蒸気発生部１０は、鍋部１と、その内部に配置される円
筒状蒸気整流部２と、鍋部１０の外側に配置される外枠
体４を備えている。鍋部１は加熱源４０（たとえば高周
波電磁加熱器のトッププレート）の上に置かれる。鍋部
１は高周波電磁力により加熱される鉄、ステンレススチ
ール製等で形成されている。鍋部１の大きさは、一例と
して内径直径２３４ｍｍ、外径直径２３８ｍｍ、内側深
さ７８ｍｍである。水は鍋の深さの１／３〜１／２程度
加える。次に円筒状蒸気整流部２はステンレススチール
製等で形成されている。円筒状蒸気整流部２の大きさ
は、一例として外径直径１５０ｍｍ、肉厚１ｍｍ、高さ
７５ｍｍである。鍋の高さより若干高い。これは後に説
明する内蓋を安定して設置するためである。鍋部１はほ
ぼ中央部の底の部分から加熱されるので、円筒状蒸気整
流部２を鍋部１のほぼ中央部に置くと、この内部が沸騰
部分となる。したがって、蒸気発生部分を円筒状蒸気整
流部２で区切ることになり、効率良く蒸気を発生でき
る。円筒状蒸気整流部２の内部の水が少なくなると、周
囲の加熱された水が円筒状蒸気整流部２の下部と鍋部１
の底の部分の隙間から内部に供給されるので、水位は常
に一定に保持される。

【００１３】次に、外枠体４は外観と保温性を考慮して
檜等の木材で形成されている。また、平面から見て外側
の一辺が１６０ｍｍの六角形状に形成した。これは鍋部
１が円形であるため、デッドスペースを少なくすること
と外観の良さを考慮したためである。しかしながら六角
形状に限定されるものではなく、四角形等の方形、また
は円形でも良い。外枠体４を形成することにより、内部
の熱が外部に放散されることが防止できるので卓上用蒸
籠に都合が良い。

【００１４】また、外枠体４を持つことにより、鍋部１
の取っ手部分１ａが外枠体４に引っ掛かるように、外枠
体４の内側下部にストッパー部４ａを２箇所形成した。
この様にすることにより、鍋部１が熱くても外枠体４を
手で持つことにより鍋部１ごと持つことができ、火傷等
の事故を防ぐことができる。このことはレストランや料
理や等の業務用蒸籠において安全性の観点から重要であ
る。

【００１５】さらに、外枠体４の内側上部にストッパー
部４ｂを４箇所形成した。これにより六角形状の外枠体
４の内部に円形の鍋部１を安定良くおさめることができ
る。 Ｂ．内蓋部 次に内蓋部２０は、円筒状蒸気整流部２の上に配置され
る。内蓋部２０の直径は２３７ｍｍ、厚さは１２ｍｍで
あり、円筒状蒸気整流部２の上に置くと、鍋部１の上側
の縁の内部に若干落とし込まれた位置で安定する。内蓋
部２０のほぼ中央部には蒸気通過孔２１が開けられてい
る。本実施例においては、蒸気通過孔２１は直径約１５
ｍｍの穴を４個設けたが、穴の数や大きさは任意のもの
とすることができる。ただし、内蓋部２０と円筒状蒸気
整流部２とは上部の加重により隙間がない状態になり、
発生蒸気は蒸気通過孔２１から上部へ放散されるので、
通過孔の面積があまり大きいと蒸気の放散力は小さくな
る。したがって、直径約１５ｍｍの穴を２〜４個程度設
けるのが好ましい。この様にすると蒸気の吹き上げ力が
高まる。

【００１６】また、内蓋部２０の上部であって蒸気通過
孔２１の外側にストッパー部２２を設けている。ストッ
パー部２２は厚さ１５ｍｍ、高さ１３ｍｍ、外側長さ１
６８ｍｍの角材を正方形に配置して内蓋部２０に固定し
た。この固定は木組みをしっかりと組み、ネジ釘で内蓋
部２０に固定することにより、液体が外部に漏れないよ
うにしてある。このようにすることにより、ストッパー
の外側に安定して蒸し調理部３０を配置することができ
る。さらに、蒸気通過孔２１から上部へ放散される蒸気
が凝縮したり、蒸気とともに随伴する水滴が凝集して滴
下する水（液体）を外部に落下させることなく、蒸気通
過孔２１から鍋部１へ戻すことができる。 Ｃ．蒸し調理部 次に蒸し調理部３０は、内蓋部のストッパー部２２の外
側に配置される枠体３１と、枠体３１の底部に敷かれる
すのこ部３３と、前記枠体の上に配置される外蓋部３４
を備えている。内蓋部のストッパー部２２は枠体３１の
底部の窓部３２と組み合わされる。鍋部１から発生する
蒸気は、内蓋部２０の蒸気通過孔２１を通過して枠体３
１の底部の窓部３２を通り、すのこ部３３を通って、す
のこ部３３に置かれる調理物を蒸す。枠体３１は外観を
考慮して檜等の木材で形成されている。本実施例では平
面から見て六角形に形成したが、これに限定されるもの
ではなく、四角形等の方形や円形でも良い。すのこ部３
３は、昔から使われている竹製のすのこが好ましい。

【００１７】次に図２の部品組み立て図を用いて説明す
る。外枠体４の中に鍋部１を置く。このとき外枠体４の
ストッパー部４ａ，４ａに鍋の取っ手１ａ，１ａが合う
ように位置決めする。次に円筒状蒸気整流部２を鍋部１
内の中央部に置き、水を加える。次いで内蓋部２０を円
筒状蒸気整流部２の上であってかつ鍋部１の上に置く。
次いで枠体３１の窓部３２を内蓋部２０のストッパー部
２２の外側にセットし、すのこ部３３を置き、外蓋部３
４を置く。

【００１８】次に図３は同実施例の蒸気を効率良く利用
している説明図で、（ａ）は、外枠体４の中に鍋部１を
置き、水３を沸かした状態を示している。蒸発面積が大
きいので蒸気の密度はそれほど高くならない。次に
（ｂ）は円筒状蒸気整流部２を鍋部１内の中央部に置い
た状態を示し、この様にすると蒸発面積が小さくなるの
で蒸気の密度が高くなる。次に（ｃ）は内蓋部２０を円
筒状蒸気整流部２の上に置いたもので、蒸気通過孔２１
から勢い良く上部に蒸気が放散される。（ｄ）は枠体３
１を置いて蒸籠にしたところを示している。

【００１９】次に図４は同実施例の水滴が回収、落下し
ている説明図で、蒸気通過孔２１から上部へ放散される
蒸気３ａが凝縮したり、蒸気とともに随伴する水滴が凝
集して滴下する水（液体）３ｂを外部に落下させること
なく、蒸気通過孔２１から鍋部１へ戻すことができる。

【００２０】次に図５は同実施例の加熱用鍋を外枠体に
設置した説明図、（ｂ）は、外枠体４を持ち上げた場合
を示す断面図である。外枠体４を持ち上げると、ストッ
パー部４ａが取っ手１ａと当接するので、外枠体４を持
ち上げることにより、鍋部１も持ち運びできる。

【００２１】次に図６は同実施例の蒸籠の外観斜視図で
ある。外観からは鍋部等は見えないので、美的に優れて
いると同時に、熱の放散がないので卓上用に優れたもの
となる。なお本実施例では枠体３１は１段の例を示した
が、２〜３段に重ねることももちろんできる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明の卓上蒸籠に
よれば、蒸気発生部とその上に配置される内蓋部と、そ
の上に配置される蒸し調理部を備えた蒸籠であって、前
記蒸気発生部は、鍋部と、前記鍋部の内部に配置される
円筒状蒸気整流部と、前記鍋部の外側に配置される外枠
体とからなり、前記内蓋部は、前記円筒状蒸気整流部の
上に配置され、蒸気通過孔と、内蓋部の上部であって前
記蒸気通過孔の外側にストッパー部を備え、前記蒸し調
理部は、前記内蓋部のストッパーの外側に配置される枠
体と、前記枠体の底部に敷かれるすのこ部と、前記枠体
の上に配置される外蓋部を有することにより、保温力を
強化し、周囲の人間にそれほど熱さを与えず、かつ蒸気
を効率良く用いて高周波電磁化熱源などを用いた卓上調
理器として使用しやすい蒸籠を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例の蒸籠（蒸し調理器）の断
面図である。

【図２】 本発明の一実施例の蒸籠（蒸し調理器）の部
品組み立て図である。

【図３】 同実施例の蒸気を利用している説明図で、
（ａ）は水３を沸かした状態、（ｂ）は円筒状蒸気整流
部を鍋部内の中央部に置いて蒸気密度が高めた状態、
（ｃ）は内蓋部を円筒状蒸気整流部の上き蒸気通過孔か
ら勢い良く上部に蒸気を放散した状態、（ｄ）は枠体を
置いて蒸籠にしたところを示す。

【図４】 同実施例の水滴が回収、落下している説明図
である。

【図５】 同実施例の加熱用鍋を外枠体に設置した説明
図で、（ａ）は平面図、（ｂ）は、外枠体４を持ち上げ
た場合を示す断面図である。

【図６】 同実施例の蒸籠の外観斜視図である。

【図７】 古来からの和式の蒸籠（せいろ）の断面図で
ある。

【図８】 古来からの中華式蒸籠（チョンロン）の断面
図である。

【符号の説明】

１ 鍋部 １ａ 鍋部の取っ手部 ２ 円筒状蒸気整流部 ３ 水 ３ａ 蒸気 ３ｂ 水滴 ４ 外枠体 ４ａ，４ｂ 外枠体ストッパー部 １０ 蒸気発生部 ２０ 内蓋部 ２１ 蒸気通過孔 ２２ 内蓋部のストッパー部 ３０ 蒸し調理部 ３１ 枠体 ３２ 窓部 ３３ すのこ部 ３４ 外蓋部 ４０ 熱源 ５０ 和式の蒸籠（せいろ） ５１，６１ 鍋 ５２，６２ 水 ５３，５５，６３，６５ 蒸し器 ５４，５６，６４，６６ すのこ ５７ 布巾 ５８，６７ 蓋 ６０ 中華式蒸籠（チョンロン）

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 蒸気発生部とその上に配置される内蓋部
   と、その上に配置される蒸し調理部を備えた卓上用蒸籠
   であって、 前記蒸気発生部は、鍋部と、前記鍋部の内部に配置され
   る円筒状蒸気整流部と、前記鍋部の外側に配置される外
   枠体とからなり、 前記内蓋部は、前記円筒状蒸気整流部の上に配置され、
   蒸気通過孔と、内蓋部の上部であって前記蒸気通過孔の
   外側にストッパー部を備え、 前記蒸し調理部は、前記内蓋部のストッパーの外側に配
   置される枠体と、前記枠体の底部に敷かれるすのこ部
   と、前記枠体の上に配置される外蓋部を備えていること
   を特徴とする卓上用蒸籠。
2. 【請求項２】 鍋部が高周波電磁力により加熱される材
   料で形成されている請求項１に記載の卓上用蒸籠。
3. 【請求項３】 円筒状蒸気整流部がステンレススチール
   材料で形成されている請求項１に記載の卓上用蒸籠。
4. 【請求項４】 内蓋部の上部に形成されたストッパー部
   と、その上に配置される蒸し調理部の枠体の底部の窓部
   が方形である請求項１に記載の卓上用蒸籠。