JPH0972883A - 四重極質量分析計の制御方法及びこの方法を実施するための制御回路装置 - Google Patents
四重極質量分析計の制御方法及びこの方法を実施するための制御回路装置Info
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- JPH0972883A JPH0972883A JP7228053A JP22805395A JPH0972883A JP H0972883 A JPH0972883 A JP H0972883A JP 7228053 A JP7228053 A JP 7228053A JP 22805395 A JP22805395 A JP 22805395A JP H0972883 A JPH0972883 A JP H0972883A
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J49/00—Particle spectrometers or separator tubes
- H01J49/26—Mass spectrometers or separator tubes
- H01J49/34—Dynamic spectrometers
- H01J49/42—Stability-of-path spectrometers, e.g. monopole, quadrupole, multipole, farvitrons
- H01J49/4205—Device types
- H01J49/421—Mass filters, i.e. deviating unwanted ions without trapping
- H01J49/4215—Quadrupole mass filters
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J49/00—Particle spectrometers or separator tubes
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- H01J49/022—Circuit arrangements, e.g. for generating deviation currents or voltages ; Components associated with high voltage supply
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- Electron Tubes For Measurement (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】四重極質量分析計において素子の非直線的な特
性に依存せず、広い質量範囲で均一の分解能(マスセパ
レーション)を得られるようにすること。 【解決手段】四重極に加える直流電圧とRF電圧を重畳し
たU+Vcosωt又は−U−Vcosωtの正負のピーク値
U+V、U−V、−U−V、−U+Vを制御すべき較正
電圧U0+V0、U0−V0、−U0−V0、−U0+V0と比
較しその差が小となるように制御する。或いはVcosω
t、−Vcosωtのみを取り出し制御すべき較正電圧
V0、−V0と較正しその差が小となるように制御する。
或いはU+Vcosωt、−U−Vcosωtを1/nに分割
し、抵抗容量結合でRF電圧のみを取り出し、1/n・V
0、−1/n・V0と較正してその差が小さくなるように
制御する。U、−U電圧は較正電圧をもとに精度よく発
生させRF電圧に重畳させ、四重極質量分析計の二対の電
極に加える。
性に依存せず、広い質量範囲で均一の分解能(マスセパ
レーション)を得られるようにすること。 【解決手段】四重極に加える直流電圧とRF電圧を重畳し
たU+Vcosωt又は−U−Vcosωtの正負のピーク値
U+V、U−V、−U−V、−U+Vを制御すべき較正
電圧U0+V0、U0−V0、−U0−V0、−U0+V0と比
較しその差が小となるように制御する。或いはVcosω
t、−Vcosωtのみを取り出し制御すべき較正電圧
V0、−V0と較正しその差が小となるように制御する。
或いはU+Vcosωt、−U−Vcosωtを1/nに分割
し、抵抗容量結合でRF電圧のみを取り出し、1/n・V
0、−1/n・V0と較正してその差が小さくなるように
制御する。U、−U電圧は較正電圧をもとに精度よく発
生させRF電圧に重畳させ、四重極質量分析計の二対の電
極に加える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体または固体原
子イオンまたは分子イオンの質量分析計として、真空中
のガス分析、LC−MS、GS−MS、二次イオン質量
分析等の医学、産業用分析システム、宇宙衛星搭載用希
薄ガス分析計として用いられ得る全固定回路高分解能四
重極質量分析計の制御方法及びこの方法を実施するため
の制御回路装置に関するものである。
子イオンまたは分子イオンの質量分析計として、真空中
のガス分析、LC−MS、GS−MS、二次イオン質量
分析等の医学、産業用分析システム、宇宙衛星搭載用希
薄ガス分析計として用いられ得る全固定回路高分解能四
重極質量分析計の制御方法及びこの方法を実施するため
の制御回路装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】四重極質量分析計は、図10に示すように
直角双曲柱四重極の二対の電極A1、A2;B1,B2にRF電圧
と直流電圧とを重畳したU+Vcosωt、−(U+Vcos
ωt)を加えてできた電場の一端の中心部に、分析すべ
き気体または固体蒸気のイオンを入射させ、直流電圧U
とRF電圧Vとの比を一定の適当な値に保つてかつ直流電
圧UとRF電圧Vとの値そのものも一定の値に保って、望
むところの一種類のイオンのみを四重極部を通過させて
検出するか、或いは、UとVとの比を一定の適当な値に
保ちつつU、Vの絶対値をスイープさせ質量数の順序に
次々に四重極部を通ってでてくるイオンを検出して質量
スペクトルを得るように構成されている。四重極電場内
でのイオンの運動方程式は次のようになる。 ξ=ωt/2、 a=8eU/mω2 r0 2、 q=4eV/mω2 r0 2(eはイオンの電荷、mはその
質量、2r0は相対する双曲柱の頂点間の距離(フィー
ルド半径と称する))とおくと、 d2x/dξ2+(a+2qcos2ξ)x=0 (1) d2y/dξ2−(a+2qcos2ξ)y=0 (2) となる。これらをMathieuの微分方程式の標準型: d2w/dζ2+(a’−q’cos2ζ)w=0 (3) と比較して、それらの安定領域を考えてみる。式(3)
は、パラメーターa’、q’が図11に示された安定領域
内にあるとき安定解をもち、この時には式(3)の解w
は、ζが増加していっても常に有限値内にある。a’、
q’が安定領域外にあるときはwはζの増加と共に振幅
が増大して行く。
直角双曲柱四重極の二対の電極A1、A2;B1,B2にRF電圧
と直流電圧とを重畳したU+Vcosωt、−(U+Vcos
ωt)を加えてできた電場の一端の中心部に、分析すべ
き気体または固体蒸気のイオンを入射させ、直流電圧U
とRF電圧Vとの比を一定の適当な値に保つてかつ直流電
圧UとRF電圧Vとの値そのものも一定の値に保って、望
むところの一種類のイオンのみを四重極部を通過させて
検出するか、或いは、UとVとの比を一定の適当な値に
保ちつつU、Vの絶対値をスイープさせ質量数の順序に
次々に四重極部を通ってでてくるイオンを検出して質量
スペクトルを得るように構成されている。四重極電場内
でのイオンの運動方程式は次のようになる。 ξ=ωt/2、 a=8eU/mω2 r0 2、 q=4eV/mω2 r0 2(eはイオンの電荷、mはその
質量、2r0は相対する双曲柱の頂点間の距離(フィー
ルド半径と称する))とおくと、 d2x/dξ2+(a+2qcos2ξ)x=0 (1) d2y/dξ2−(a+2qcos2ξ)y=0 (2) となる。これらをMathieuの微分方程式の標準型: d2w/dζ2+(a’−q’cos2ζ)w=0 (3) と比較して、それらの安定領域を考えてみる。式(3)
は、パラメーターa’、q’が図11に示された安定領域
内にあるとき安定解をもち、この時には式(3)の解w
は、ζが増加していっても常に有限値内にある。a’、
q’が安定領域外にあるときはwはζの増加と共に振幅
が増大して行く。
【0003】そこで、式(1)を標準型の式(3)と比
較してみると、式(1)ではa’=a>0、q’=−q
<0のとき図11の第2象限内にある安定領域のみが式
(1)の安定領域となる。同様にして、図11の第4象限
内にある安定領域のみが式(2)の安定領域となる。こ
れらの2つを重ね合わせると、x方向もy方向も安定な
領域が両者の重なった部分として得られる(図12参
照)。これらを第1、第2安定領域と名付けることとす
ると、普通の四重極質量分析計は第1安定領域を用い、
特に低質量数で高分解能を要する時には第2安定領域の
上部コーナー部を使ってD2 + と4He+とを質量分析で
き、実用化されている。
較してみると、式(1)ではa’=a>0、q’=−q
<0のとき図11の第2象限内にある安定領域のみが式
(1)の安定領域となる。同様にして、図11の第4象限
内にある安定領域のみが式(2)の安定領域となる。こ
れらの2つを重ね合わせると、x方向もy方向も安定な
領域が両者の重なった部分として得られる(図12参
照)。これらを第1、第2安定領域と名付けることとす
ると、普通の四重極質量分析計は第1安定領域を用い、
特に低質量数で高分解能を要する時には第2安定領域の
上部コーナー部を使ってD2 + と4He+とを質量分析で
き、実用化されている。
【0004】図13の(A)にはa、q面上での第1安定
領域を示す。質量数1,2,3,・・の一価のイオンにつ
いて安定領域を四重極部に加える直流電圧U及びRF電圧
のピーク値Vについて書くと、第1安定領域については
図13の(B)のようになる。この領域では隣合う質量数
差ΔMu の質量スペクトルが分離できしかもできるだけ
四重極部のトランスミションが良いように走査線は図13
の(A)のように原点を通るものではなく、質量数1,
2,3・・・・のピークを連ねた直線に平行に、RF電圧の振
動数をνメガヘルツ、相対する双曲柱の頂点間の距離を
2r0cmとするとき、 U=1.2118Muν2r0 2−0.699ν2r0 2ΔMu (4) V=7.2199Muν2r0 2+1.213ν2r0 2ΔMu (5) で表される直線となるようにとる。それにより全質量数
範囲で一定のマスセパレーション1/ΔMu、例えばマ
スセパレーションが1のときは質量スペクトルの隣合う
ピークが丁度裾の所で分かれることとなり、またマスセ
パレーションが2のときには丁度1つのピーク幅が空い
たような等間隔の質量スペクトルが得られる。式(4)
及び(5)で表されるような直線関係を保ってスイープ
を行うためにはDC電圧UとRF電圧Vとはこのような直
線関係をもってスイープされなければならない。
領域を示す。質量数1,2,3,・・の一価のイオンにつ
いて安定領域を四重極部に加える直流電圧U及びRF電圧
のピーク値Vについて書くと、第1安定領域については
図13の(B)のようになる。この領域では隣合う質量数
差ΔMu の質量スペクトルが分離できしかもできるだけ
四重極部のトランスミションが良いように走査線は図13
の(A)のように原点を通るものではなく、質量数1,
2,3・・・・のピークを連ねた直線に平行に、RF電圧の振
動数をνメガヘルツ、相対する双曲柱の頂点間の距離を
2r0cmとするとき、 U=1.2118Muν2r0 2−0.699ν2r0 2ΔMu (4) V=7.2199Muν2r0 2+1.213ν2r0 2ΔMu (5) で表される直線となるようにとる。それにより全質量数
範囲で一定のマスセパレーション1/ΔMu、例えばマ
スセパレーションが1のときは質量スペクトルの隣合う
ピークが丁度裾の所で分かれることとなり、またマスセ
パレーションが2のときには丁度1つのピーク幅が空い
たような等間隔の質量スペクトルが得られる。式(4)
及び(5)で表されるような直線関係を保ってスイープ
を行うためにはDC電圧UとRF電圧Vとはこのような直
線関係をもってスイープされなければならない。
【0005】従来の制御方式にはこのような完全な直線
関係をもって広い質量数範囲をスイープできるものはな
かった。図14及び図15に従来の制御方式の一例を示す。
まず水晶発振器C、緩衝増幅器D、平衡変調器E、直線
増幅器F、励振増幅器G、電力増幅器Hで増幅したRF電
圧を図15に示すような高圧発生部、検波部、直流重畳部
に送り、U+Vcosωt、−(U+Vcosωt)という電
圧を作って四重極部に加える。この時図15に示すような
双二極管を用いたRF電圧検波回路IでRF電圧を検波し主
制御部に送り、外部からの基準入力と比較してその差を
増幅し平衡変調回路にフィード・バックすると共に、外
部からの基準信号をもとに直流電圧を制御発生させUと
Vとが直線関係を保って図13の(B)に示すような走査
線上を走査するような設計になっていた。
関係をもって広い質量数範囲をスイープできるものはな
かった。図14及び図15に従来の制御方式の一例を示す。
まず水晶発振器C、緩衝増幅器D、平衡変調器E、直線
増幅器F、励振増幅器G、電力増幅器Hで増幅したRF電
圧を図15に示すような高圧発生部、検波部、直流重畳部
に送り、U+Vcosωt、−(U+Vcosωt)という電
圧を作って四重極部に加える。この時図15に示すような
双二極管を用いたRF電圧検波回路IでRF電圧を検波し主
制御部に送り、外部からの基準入力と比較してその差を
増幅し平衡変調回路にフィード・バックすると共に、外
部からの基準信号をもとに直流電圧を制御発生させUと
Vとが直線関係を保って図13の(B)に示すような走査
線上を走査するような設計になっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の技術
で問題となるのはRF電圧の検波の部分である。図15を参
照してRF電力増幅段H(図14)からのRF電圧をRFトラン
スJの一次側に入れ、図示のような巻線の二次側に共振
回路Kを形成し、所定のVcosωt、−Vcosωtが得ら
れるように可変コンデンサを調整する。このRF電圧に直
流電圧U及び−Uを重畳してU+Vcosωt、−U−Vc
osωtという電圧を作り、四重極の二対のロッドに加え
る。これらの電圧のうちRF電圧のみを図15に示すように
C2、C1;C4、C3で分割して例えば6AL5といった
双二極真空管を用いた回路でRF電圧に対応する電圧Vou
tを発生させる。このVoutを主制御部において外部から
の基準電圧と比較してその差を小さくするように平衡変
調回路にフィードバックする。この場合このRF電圧の整
流回路の特性はRF電圧Vに対して完全にはリニヤーでは
なく、整流素子の非直線性によって3/1000程度の非直
線性がみられこの方法では広い質量範囲を完全に均一の
マスセパーションで質量分離することは不可能であっ
た。
で問題となるのはRF電圧の検波の部分である。図15を参
照してRF電力増幅段H(図14)からのRF電圧をRFトラン
スJの一次側に入れ、図示のような巻線の二次側に共振
回路Kを形成し、所定のVcosωt、−Vcosωtが得ら
れるように可変コンデンサを調整する。このRF電圧に直
流電圧U及び−Uを重畳してU+Vcosωt、−U−Vc
osωtという電圧を作り、四重極の二対のロッドに加え
る。これらの電圧のうちRF電圧のみを図15に示すように
C2、C1;C4、C3で分割して例えば6AL5といった
双二極真空管を用いた回路でRF電圧に対応する電圧Vou
tを発生させる。このVoutを主制御部において外部から
の基準電圧と比較してその差を小さくするように平衡変
調回路にフィードバックする。この場合このRF電圧の整
流回路の特性はRF電圧Vに対して完全にはリニヤーでは
なく、整流素子の非直線性によって3/1000程度の非直
線性がみられこの方法では広い質量範囲を完全に均一の
マスセパーションで質量分離することは不可能であっ
た。
【0007】本発明はまさに、この点、すなわちRF電圧
を非直性素子で検波整流して得た整流電圧とRF電圧との
関係が直線関係ではなく、3/1000程度の非直線性を持
っていてこれが原因となって広い質量数範囲でマスセパ
レーションが完全に一定にならなかったり、第2安定領
域を使うミリマスの分解能を要する所で真空管の特性に
よって所要の複数の質量数の所で同一の分解能が得られ
なかった点を解決しようとするものである。
を非直性素子で検波整流して得た整流電圧とRF電圧との
関係が直線関係ではなく、3/1000程度の非直線性を持
っていてこれが原因となって広い質量数範囲でマスセパ
レーションが完全に一定にならなかったり、第2安定領
域を使うミリマスの分解能を要する所で真空管の特性に
よって所要の複数の質量数の所で同一の分解能が得られ
なかった点を解決しようとするものである。
【0008】ここでこのような非直線性の特性をもった
素子で直線的な整流電圧が得られない点について更に詳
細に説明する。図15に示すようにVcosωtと−Vcosω
tとをそれぞれ容量で分割し、双二極管で整流し、フィ
ルター回路を通してRF電圧に対応する整流信号電圧を作
る場合、双二極管のパービアンスをG1、G2とし、各部
の容量や抵抗の値、各部の電圧、電流を図15に示すよう
にとると、各部の電圧、電流の瞬時値は次の18通りの方
程式から求められる。 V0cosωt=q1/C1+q2/C2 V1=i2R1+i5R3=q1/C1 i1+i2=−d(q1−q2)/dt i1=G1V1 3/2(V1>0) (*) i1=0 (V1≦0) (*) i5R3=V5=Q5/C5 i2+i4−i5−i6=dq5/dt=C5dV5/dt V5−V=Ldi6/dt i6−i7=dq6/dt V=q6/C6=i7RL Vout=−αV α=Ra/RL V1−V5=i2R1 −V0cosωt=q3/C3+q4/C4 V2=i4R2+i5R3=q3/C3 i3+i4=−d(q3−q4)/dt i3=G2/V3/2(V2>0) (*) i3=0(V2≦0) (*) V2−V5=i4R4 これら18個の方程式を整理すると、次の6個の二次非線
形常微分方程式が得られる。 X=ωt d2V/dX2=1/C6Lω2・(−L/RL・dV/d
X−V+V5) dV5/dX=(V1/R1+V2/R2−(1/R1+1/
R2+1/R3)・V5−V/RL)/C5−C6/C5・d
V/dX dV1/dX=(−C2ω・V0sinX−G1V1 1.5−(V1
−V5)/R1)/(C1ω+C2ω)(V1>0のとき) dV1/dX=(−C2ωV0sinX−(V1−V5)/
R1)/(C1ω+C2ω) (V1≦0のとき) dV2/dX=(C4ωV0sinX−G2V2 1.5−(V2−V
5)/R2)/(C3ω+C4ω) (V2>0のとき) dV2/dX=(C4ωV0sinX−(V2−V5)/R2)
/(C3ω+C4ω)(V2≦のとき)
素子で直線的な整流電圧が得られない点について更に詳
細に説明する。図15に示すようにVcosωtと−Vcosω
tとをそれぞれ容量で分割し、双二極管で整流し、フィ
ルター回路を通してRF電圧に対応する整流信号電圧を作
る場合、双二極管のパービアンスをG1、G2とし、各部
の容量や抵抗の値、各部の電圧、電流を図15に示すよう
にとると、各部の電圧、電流の瞬時値は次の18通りの方
程式から求められる。 V0cosωt=q1/C1+q2/C2 V1=i2R1+i5R3=q1/C1 i1+i2=−d(q1−q2)/dt i1=G1V1 3/2(V1>0) (*) i1=0 (V1≦0) (*) i5R3=V5=Q5/C5 i2+i4−i5−i6=dq5/dt=C5dV5/dt V5−V=Ldi6/dt i6−i7=dq6/dt V=q6/C6=i7RL Vout=−αV α=Ra/RL V1−V5=i2R1 −V0cosωt=q3/C3+q4/C4 V2=i4R2+i5R3=q3/C3 i3+i4=−d(q3−q4)/dt i3=G2/V3/2(V2>0) (*) i3=0(V2≦0) (*) V2−V5=i4R4 これら18個の方程式を整理すると、次の6個の二次非線
形常微分方程式が得られる。 X=ωt d2V/dX2=1/C6Lω2・(−L/RL・dV/d
X−V+V5) dV5/dX=(V1/R1+V2/R2−(1/R1+1/
R2+1/R3)・V5−V/RL)/C5−C6/C5・d
V/dX dV1/dX=(−C2ω・V0sinX−G1V1 1.5−(V1
−V5)/R1)/(C1ω+C2ω)(V1>0のとき) dV1/dX=(−C2ωV0sinX−(V1−V5)/
R1)/(C1ω+C2ω) (V1≦0のとき) dV2/dX=(C4ωV0sinX−G2V2 1.5−(V2−V
5)/R2)/(C3ω+C4ω) (V2>0のとき) dV2/dX=(C4ωV0sinX−(V2−V5)/R2)
/(C3ω+C4ω)(V2≦のとき)
【0009】この6個の微分方程式を解くと、図16に示
すように1/300程度の非直線性をもった整流特性が得
られる。実際の回路でもこのような非直線的な特性にな
っていて、図17に示すような直線的な走査電圧波形と比
較して制御すると、(A)の部分では整流特性のVrect
電圧の方が走査比較電圧Vrefより高いのでVrectがVr
efに等しくなるように、同一のU電圧に対してより小さ
い値になるように制御される。(C)の部分でも同じで
ある。(B)の部分では整流特性のVrect電圧の方が走
査比較電圧より低いのでVrectがVrefに等しくなるよ
うに、同一のU電圧に対してより大きい値になるように
制御される。従って(A)の部分では制御されたU/V
の比の値が望ましい値より大きい値となり、(B)の部
分では制御されたU/Vの比の値が望ましい値より小さ
い値となり、(C)の部分では制御されたU/Vの比の
値が望ましい値より大きい値となる。このため(A)の
部分では所定の質量数の所でVの値に対してUの値が所
定の質量分解能(マスセパレーション)を与える値より
大きくなり分解能が高すぎるか、一部ピークが消えてし
まう。逆に(B)の部分では分解能(マスセパレーショ
ン)が低下し質量スペクトルのピーク値が相対的に高く
なりすぎ、定量性に問題が生じる。(C)の部分では
(A)の部分の説明と同じ理由により分解能が所定の値
より高すぎ、ピークが低く出て定量性に問題が生じるほ
か、高質量領域ではピークが消えてしまう。このため従
来技術では走査電圧波形を折れ線にしたり、ROMで整
流電圧波形を記憶させたりしているが、しかし全領域で
理想に近い質量分析能(マスセパレーション)を得るこ
とは困難であったり、整流回路の双二極管を取り替える
と特性が違ってしまう等の問題があった。
すように1/300程度の非直線性をもった整流特性が得
られる。実際の回路でもこのような非直線的な特性にな
っていて、図17に示すような直線的な走査電圧波形と比
較して制御すると、(A)の部分では整流特性のVrect
電圧の方が走査比較電圧Vrefより高いのでVrectがVr
efに等しくなるように、同一のU電圧に対してより小さ
い値になるように制御される。(C)の部分でも同じで
ある。(B)の部分では整流特性のVrect電圧の方が走
査比較電圧より低いのでVrectがVrefに等しくなるよ
うに、同一のU電圧に対してより大きい値になるように
制御される。従って(A)の部分では制御されたU/V
の比の値が望ましい値より大きい値となり、(B)の部
分では制御されたU/Vの比の値が望ましい値より小さ
い値となり、(C)の部分では制御されたU/Vの比の
値が望ましい値より大きい値となる。このため(A)の
部分では所定の質量数の所でVの値に対してUの値が所
定の質量分解能(マスセパレーション)を与える値より
大きくなり分解能が高すぎるか、一部ピークが消えてし
まう。逆に(B)の部分では分解能(マスセパレーショ
ン)が低下し質量スペクトルのピーク値が相対的に高く
なりすぎ、定量性に問題が生じる。(C)の部分では
(A)の部分の説明と同じ理由により分解能が所定の値
より高すぎ、ピークが低く出て定量性に問題が生じるほ
か、高質量領域ではピークが消えてしまう。このため従
来技術では走査電圧波形を折れ線にしたり、ROMで整
流電圧波形を記憶させたりしているが、しかし全領域で
理想に近い質量分析能(マスセパレーション)を得るこ
とは困難であったり、整流回路の双二極管を取り替える
と特性が違ってしまう等の問題があった。
【0010】そこで、本発明は、0−methodを用いてこ
の種の四重極質量分析計において素子の非直線的な特性
や温度特性に依存せず、広い質量範囲で均一の分解能
(マスセパレーション)を得られる制御方法及びこの方
法を実施するための全固体回路型の制御回路装置を提供
することを目的としている。
の種の四重極質量分析計において素子の非直線的な特性
や温度特性に依存せず、広い質量範囲で均一の分解能
(マスセパレーション)を得られる制御方法及びこの方
法を実施するための全固体回路型の制御回路装置を提供
することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第1の発明による制御方法は、真空中
で、精度よく平行にセットされた4本の双曲柱あるいは
円柱ロッドの相対する二本のロッドをそれぞれ一組と
し、一方の組のロッドに直流電圧とRF電圧を重畳した電
圧U+Vcosωtを印加し、他方の組のロッドに−U−V
cosωtを印加しるようにした四重極部の一方の端縁中心
部に、気体分子或いは固体蒸気をイオン化してできたイ
オンを入射させ、四重極部の内部を進むイオンの中心軸
に垂直な方向にとられたxおよびy座標の運動方程式が
Mathieuの微分方程式となり、そのa及 びqパラメター
が第1或いは第2安定領域の内にあるようにU,Vの値
を選ぶか、第1或いは第2安定領域の一部を過るように
変化させ、一定の質量数対電荷比をもったイオンを四重
極部を通過させて、イオン種を検出或いは質量スペクト
ルを得るようにした四重極質量分析計において、本発明
の第1の発明によれば、 RF電圧のピーク値Vと直流電
圧とを精密に制御するため、一方の組のロッドに加えら
れる電圧U+Vcosωtの正または負のピーク値U+V
またはU−V或いは 他方の組のロッドに加えられる−
U−Vcosωtの負または正のピーク値−U− Vまたは
−U+Vを、制御すべき高精度の基準電圧と直接比較し
てその誤差が小さな値になるようにRF電圧発生用RF増幅
器の変調回路にフィードバックすると共に、これらの基
準電圧を基にU電圧及び−U電圧を発生させ、このよう
にして制御されたRF電圧と直流電圧とを重畳して精密に
制御されたU+Vcosωt、− U−Vcosωtを形成
して、各組のロッドに加えることを特徴としている。
めに、本発明の第1の発明による制御方法は、真空中
で、精度よく平行にセットされた4本の双曲柱あるいは
円柱ロッドの相対する二本のロッドをそれぞれ一組と
し、一方の組のロッドに直流電圧とRF電圧を重畳した電
圧U+Vcosωtを印加し、他方の組のロッドに−U−V
cosωtを印加しるようにした四重極部の一方の端縁中心
部に、気体分子或いは固体蒸気をイオン化してできたイ
オンを入射させ、四重極部の内部を進むイオンの中心軸
に垂直な方向にとられたxおよびy座標の運動方程式が
Mathieuの微分方程式となり、そのa及 びqパラメター
が第1或いは第2安定領域の内にあるようにU,Vの値
を選ぶか、第1或いは第2安定領域の一部を過るように
変化させ、一定の質量数対電荷比をもったイオンを四重
極部を通過させて、イオン種を検出或いは質量スペクト
ルを得るようにした四重極質量分析計において、本発明
の第1の発明によれば、 RF電圧のピーク値Vと直流電
圧とを精密に制御するため、一方の組のロッドに加えら
れる電圧U+Vcosωtの正または負のピーク値U+V
またはU−V或いは 他方の組のロッドに加えられる−
U−Vcosωtの負または正のピーク値−U− Vまたは
−U+Vを、制御すべき高精度の基準電圧と直接比較し
てその誤差が小さな値になるようにRF電圧発生用RF増幅
器の変調回路にフィードバックすると共に、これらの基
準電圧を基にU電圧及び−U電圧を発生させ、このよう
にして制御されたRF電圧と直流電圧とを重畳して精密に
制御されたU+Vcosωt、− U−Vcosωtを形成
して、各組のロッドに加えることを特徴としている。
【0012】また、本発明の第2の発明は上記第1の発
明を実施するための全固体回路型の制御回路装置にあ
り、この制御回路装置は、変調回路を備え、四重極質量
分析計のロッドに加えるべきRF電圧を発生するRF増幅器
回路と、四重極質量分析計のロッドに加えるべき直流電
圧を発生する直流電圧発生回路と、四重極質量分析計の
ロッドに加えるべきこれら電圧を与えられた端子と制御
すべき高精度の基準電圧発生端子の間に接続され、2V
以上の逆耐電圧と2π/ωより短い逆復帰時間をもち、
逆電流の小さい高速ダイオード及び誤差信号電圧発生用
抵抗器回路と、RF電圧に対しては利得が小さく直流信号
電圧に対しては充分な利得をもち、誤差信号発生用抵抗
器回路に発生する電圧即ちRF電圧と直流電圧の重畳した
電圧のうち直流誤差電圧のみを選択的に増幅するような
周波数特性をもつように構成した演算増幅器回路と、演
算増幅器回路からの直流誤差信号をRF電圧発生用RF増幅
器回路の変調回路にフィードバックして直流誤差信号が
小さくなるように制御させるフィードバック回路とを有
することを特徴としている。
明を実施するための全固体回路型の制御回路装置にあ
り、この制御回路装置は、変調回路を備え、四重極質量
分析計のロッドに加えるべきRF電圧を発生するRF増幅器
回路と、四重極質量分析計のロッドに加えるべき直流電
圧を発生する直流電圧発生回路と、四重極質量分析計の
ロッドに加えるべきこれら電圧を与えられた端子と制御
すべき高精度の基準電圧発生端子の間に接続され、2V
以上の逆耐電圧と2π/ωより短い逆復帰時間をもち、
逆電流の小さい高速ダイオード及び誤差信号電圧発生用
抵抗器回路と、RF電圧に対しては利得が小さく直流信号
電圧に対しては充分な利得をもち、誤差信号発生用抵抗
器回路に発生する電圧即ちRF電圧と直流電圧の重畳した
電圧のうち直流誤差電圧のみを選択的に増幅するような
周波数特性をもつように構成した演算増幅器回路と、演
算増幅器回路からの直流誤差信号をRF電圧発生用RF増幅
器回路の変調回路にフィードバックして直流誤差信号が
小さくなるように制御させるフィードバック回路とを有
することを特徴としている。
【0013】さらに、本発明の第3の発明によれば、変
調回路を備え、四重極質量分析計のロッドに加えるべき
RF電圧を発生するRF増幅器回路と、四重極質量分析計の
ロッドに加えるべき直流電圧を発生する直流電圧発生回
路と、四重極質量分析計のロッドに加えるべき電圧を与
えられた端子と制御すべき高精度の基準電圧を発生する
基準電圧発生装置の端子の間に接続され、2V以上の逆
耐電圧と2π/ωより短い逆復帰時間をもち、逆電流の
小さい高速ダイオード及び誤差信号電圧発生用抵抗器回
路と、四重極質量分析計のロッドに加えられる電圧U+
Vcosωtまたは−U−VcosωtのRF電圧だけを取り出
すRF電圧取出し回路と、このRF電圧取出し回路からのRF
電圧を比較用の基準電圧と比較する比較回路とを有し、
比較回路からの出力信号をRF電圧発生用RF増幅器回路の
変調回路にフィードバックして誤差信号が小さくなるよ
うに制御するように構成したことを特徴としている。こ
の第3の発明においては、RF電圧取出し回路は好ましく
は、抵抗と容量とを並列に接続し、直流から全周波領域
にわたって一定の分割比をもつアッテネータから成り得
る。
調回路を備え、四重極質量分析計のロッドに加えるべき
RF電圧を発生するRF増幅器回路と、四重極質量分析計の
ロッドに加えるべき直流電圧を発生する直流電圧発生回
路と、四重極質量分析計のロッドに加えるべき電圧を与
えられた端子と制御すべき高精度の基準電圧を発生する
基準電圧発生装置の端子の間に接続され、2V以上の逆
耐電圧と2π/ωより短い逆復帰時間をもち、逆電流の
小さい高速ダイオード及び誤差信号電圧発生用抵抗器回
路と、四重極質量分析計のロッドに加えられる電圧U+
Vcosωtまたは−U−VcosωtのRF電圧だけを取り出
すRF電圧取出し回路と、このRF電圧取出し回路からのRF
電圧を比較用の基準電圧と比較する比較回路とを有し、
比較回路からの出力信号をRF電圧発生用RF増幅器回路の
変調回路にフィードバックして誤差信号が小さくなるよ
うに制御するように構成したことを特徴としている。こ
の第3の発明においては、RF電圧取出し回路は好ましく
は、抵抗と容量とを並列に接続し、直流から全周波領域
にわたって一定の分割比をもつアッテネータから成り得
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を添附図
面の図1〜図9に示す実施例に基づき説明する。
面の図1〜図9に示す実施例に基づき説明する。
【実施例】図1には本発明の高分解能四重極質量分析計
の制御回路装置の一実施例の回路構成を示す。図1にお
いて1は水晶発振器、2は弛緩増幅器、3は平衡増幅
器、4は高周波電圧増幅器、5は高周波電力増幅器であ
り、高周波電圧を発生する高周波増幅器回路を構成して
いる。6は高周波トランス、7、8は四重極質量分析計
のロッドに接続される出力端子、9は2V以上の逆耐電
圧と2π/ωより短い逆復帰時間をもち、逆電流の小さ
い高速ダイオード、10は誤差信号電圧発生用抵抗、11は
低周波増幅器、12は第1基準電圧発生回路、13はアイソ
レーション増幅器、14は差動増幅器でフィードバック回
路を構成しており、また15は第2基準電圧発生回路、16
は直流電圧発生回路であり、これらの各構成要素は図示
したように接続されている。この実施例では、−U−V
cosωtの正のピーク値を比較電圧V0−U0と比較して
制御する。
の制御回路装置の一実施例の回路構成を示す。図1にお
いて1は水晶発振器、2は弛緩増幅器、3は平衡増幅
器、4は高周波電圧増幅器、5は高周波電力増幅器であ
り、高周波電圧を発生する高周波増幅器回路を構成して
いる。6は高周波トランス、7、8は四重極質量分析計
のロッドに接続される出力端子、9は2V以上の逆耐電
圧と2π/ωより短い逆復帰時間をもち、逆電流の小さ
い高速ダイオード、10は誤差信号電圧発生用抵抗、11は
低周波増幅器、12は第1基準電圧発生回路、13はアイソ
レーション増幅器、14は差動増幅器でフィードバック回
路を構成しており、また15は第2基準電圧発生回路、16
は直流電圧発生回路であり、これらの各構成要素は図示
したように接続されている。この実施例では、−U−V
cosωtの正のピーク値を比較電圧V0−U0と比較して
制御する。
【0015】図2〜図4には第2安定領域の左上隅を過
る走査線の場合について示してある。−U−Vcosωt
のωt=(2n+1)π近傍のピーク値が第1基準電圧
発生回路12によって発生される制御すべき較正電圧V0
−U0(鋸歯状波)の上に僅か(10〜40mV)頭を出す所
を図9の回路構成図における高逆耐圧、高速型ダイオー
ド9と信号発生用抵抗10で検出する。図5及び図6には
ダイオード9として使用される実際に入手できるダイオ
ードの特性と逆復帰特性を示す。逆復帰時間としては35
ナノ秒のダイオードが得られる。ピーク復帰電流を0.1
μAとしても5MHzでは1.75×10-8Aの逆復帰電流しか流
れない。逆復帰電流というのは、順方向に電流が流れて
いる場合、P型の領域には少数キャリヤの電子が、N型
の領域には少数キャリヤのホールが注入され、逆電圧が
かかった時、接合面を通ってこれらの少数キャリヤがそ
れぞれN型及びP型部分に復帰する時に逆方向のパルス
として流れるために生ずる逆電流を意味する。順方向に
40mVというようなわずかな電圧しか掛からない場合は元
々注入されるキャリヤが少ないので逆復帰電流ピーク値
は小さい。理想的接合型ダイオードの順方向及び逆方向
の電流特性は、ツェナー電流が流れるまでは次の式で表
される。 I=Is(exp(ηeV/kT)−1) ηは1.0以下である。実際に得られる高逆耐圧ダイオー
ドでの逆方向電流は600Vで8.4×10-8A、順方向電流は0.
154Vで1×10ー7Aである。従って順方向に較正電圧の上
に0.154V頭を出し、逆方向に600VかかるようなRF電圧+
DC電圧を加える場合には8.25×10-9A+9.175×10-8A×c
osωtという、直流成分とRF成分とをもった電流が信号
発生用抵抗10に流れる。また順方向に0.153V頭を出し、
逆方向に600VかかるようなRF電圧+DC電圧を加える場合
には8.4×10-8A×cosωtという直流成分をもたないとR
F成分のみの電流が信号発生用抵抗10に流れる。つまり
−600Vの逆電圧における逆電流と等しい順電流を発生す
る順方向電圧(上の例では0.153V)をδVoffsetとし
て、これよりもε(V)順電圧を積み上げたところでは信
号発生用抵抗10を流れる電流の直流成分は8.25×10-9A
×ε×1000となる。こうして発生した電圧は低周波増幅
器11から成る演算増幅器で負帰還増幅され、1000Hzまで
は40dB、5MHzでは−40dBとなるようにできる。従って
信号発生用抵抗10として500kΩを使うと、4.125mV×100
ε=0.4125εVのDC誤差信号が発生される。これをアイ
ソレーション増幅器13でフロアー・レベルからの直流信
号とし更に20dB増幅して、差動増幅器14に送る。差動増
幅器14ではアイソレーション増幅器13から送られてきた
信号は較正電圧を1/30にアッテネートした第2基準電
圧発生回路15からの第2基準電圧と比較され、その差は
水晶発振器1からの電圧を増幅してVcosωtをつく る
高周波増幅器回路の平衡増幅器3のダブル・バランスト
・ミキサにフィードバックされる。
る走査線の場合について示してある。−U−Vcosωt
のωt=(2n+1)π近傍のピーク値が第1基準電圧
発生回路12によって発生される制御すべき較正電圧V0
−U0(鋸歯状波)の上に僅か(10〜40mV)頭を出す所
を図9の回路構成図における高逆耐圧、高速型ダイオー
ド9と信号発生用抵抗10で検出する。図5及び図6には
ダイオード9として使用される実際に入手できるダイオ
ードの特性と逆復帰特性を示す。逆復帰時間としては35
ナノ秒のダイオードが得られる。ピーク復帰電流を0.1
μAとしても5MHzでは1.75×10-8Aの逆復帰電流しか流
れない。逆復帰電流というのは、順方向に電流が流れて
いる場合、P型の領域には少数キャリヤの電子が、N型
の領域には少数キャリヤのホールが注入され、逆電圧が
かかった時、接合面を通ってこれらの少数キャリヤがそ
れぞれN型及びP型部分に復帰する時に逆方向のパルス
として流れるために生ずる逆電流を意味する。順方向に
40mVというようなわずかな電圧しか掛からない場合は元
々注入されるキャリヤが少ないので逆復帰電流ピーク値
は小さい。理想的接合型ダイオードの順方向及び逆方向
の電流特性は、ツェナー電流が流れるまでは次の式で表
される。 I=Is(exp(ηeV/kT)−1) ηは1.0以下である。実際に得られる高逆耐圧ダイオー
ドでの逆方向電流は600Vで8.4×10-8A、順方向電流は0.
154Vで1×10ー7Aである。従って順方向に較正電圧の上
に0.154V頭を出し、逆方向に600VかかるようなRF電圧+
DC電圧を加える場合には8.25×10-9A+9.175×10-8A×c
osωtという、直流成分とRF成分とをもった電流が信号
発生用抵抗10に流れる。また順方向に0.153V頭を出し、
逆方向に600VかかるようなRF電圧+DC電圧を加える場合
には8.4×10-8A×cosωtという直流成分をもたないとR
F成分のみの電流が信号発生用抵抗10に流れる。つまり
−600Vの逆電圧における逆電流と等しい順電流を発生す
る順方向電圧(上の例では0.153V)をδVoffsetとし
て、これよりもε(V)順電圧を積み上げたところでは信
号発生用抵抗10を流れる電流の直流成分は8.25×10-9A
×ε×1000となる。こうして発生した電圧は低周波増幅
器11から成る演算増幅器で負帰還増幅され、1000Hzまで
は40dB、5MHzでは−40dBとなるようにできる。従って
信号発生用抵抗10として500kΩを使うと、4.125mV×100
ε=0.4125εVのDC誤差信号が発生される。これをアイ
ソレーション増幅器13でフロアー・レベルからの直流信
号とし更に20dB増幅して、差動増幅器14に送る。差動増
幅器14ではアイソレーション増幅器13から送られてきた
信号は較正電圧を1/30にアッテネートした第2基準電
圧発生回路15からの第2基準電圧と比較され、その差は
水晶発振器1からの電圧を増幅してVcosωtをつく る
高周波増幅器回路の平衡増幅器3のダブル・バランスト
・ミキサにフィードバックされる。
【0016】結果としてどのくらいの程度までRF電圧を
制御できるかを計算してみる。図1で信号発生用抵抗10
に発生する信号は、 Vsig=4.125mV+45.875×cosωt mV であり、またアイソレーション増幅器13の出力として
は、 0.4125V+0.46×10-3cosωt V である。これを20dB増幅して、較正電圧を1/30にアッ
テネートした第2基準電圧と較正する。此処に−600Vの
逆電圧における逆電流と等しい順電流を発生する順方向
電圧をδVoffsetとして、これよりもεだけ順電圧を積
み上げた所で帰還回路が平衡になるとし、第2基準電圧
発生回路15からの比較基準電圧をσ(V0−U0)とする
と、図1で、平衡増幅器3のダブル・バランスト・ミキ
サの1F端子に加えられるDC電圧は、上の例では α=8.25×10-9A×500KΩ、 μsig=100×10=1000とすると、 σ(V0−U0)+δVoffset−αεμsig となる。いま第2安定領域の左上隅分解能1/200の所
では、四重極部の内半径を3mmとして(V0−U0)=0.
5118V0となる。
制御できるかを計算してみる。図1で信号発生用抵抗10
に発生する信号は、 Vsig=4.125mV+45.875×cosωt mV であり、またアイソレーション増幅器13の出力として
は、 0.4125V+0.46×10-3cosωt V である。これを20dB増幅して、較正電圧を1/30にアッ
テネートした第2基準電圧と較正する。此処に−600Vの
逆電圧における逆電流と等しい順電流を発生する順方向
電圧をδVoffsetとして、これよりもεだけ順電圧を積
み上げた所で帰還回路が平衡になるとし、第2基準電圧
発生回路15からの比較基準電圧をσ(V0−U0)とする
と、図1で、平衡増幅器3のダブル・バランスト・ミキ
サの1F端子に加えられるDC電圧は、上の例では α=8.25×10-9A×500KΩ、 μsig=100×10=1000とすると、 σ(V0−U0)+δVoffset−αεμsig となる。いま第2安定領域の左上隅分解能1/200の所
では、四重極部の内半径を3mmとして(V0−U0)=0.
5118V0となる。
【0017】図7にダブル・バランスト・ミキサの回路
図を示し、また図8にIF端子に直流電圧を加えた時の
特性を示す。但しこの場合には基本波に1/3の振幅をも
つ第3高調波を含んでいる。図7から分かるように、こ
の場合ダブル・バランスト・ミキサは掛け算回路として
作用する。従って水晶発振器1からダブル・バランスト
・ミキサ3に入る入力電圧をA+ΔA(ΔAは水晶発振
器1の振幅の変動分を示す)とし、IF端子にかかる変
調DC電圧をVIFとすると、ダブル・バランスト・ミキサ
ーの出力側には、 λ・(A+ΔA)・VIF という電圧が出力される。図8から、 λ=3/4・Volt-1 と概算される。ダブル・バランスト・ミキサ3の出力を
μ倍増幅したものがRF出力電圧として釣り合うとする
と、次の方程式が成り立つ。 λ・(A+ΔA)・(0.5118・σ・V0+δVoffset−αμsigε)・μ =V0+ε (6) この帰還ループの釣り合いの式から、 この式において第1項は約1.2mV、第2項は約0.03mVで
ある。即ちRF電圧は制御すべき基準電圧の4×10-6の精
度で制御できることになる。さらにU電圧は直流あるい
は鋸歯状波であるので制御すべき基準電圧から10-5の精
度で制御できる。
図を示し、また図8にIF端子に直流電圧を加えた時の
特性を示す。但しこの場合には基本波に1/3の振幅をも
つ第3高調波を含んでいる。図7から分かるように、こ
の場合ダブル・バランスト・ミキサは掛け算回路として
作用する。従って水晶発振器1からダブル・バランスト
・ミキサ3に入る入力電圧をA+ΔA(ΔAは水晶発振
器1の振幅の変動分を示す)とし、IF端子にかかる変
調DC電圧をVIFとすると、ダブル・バランスト・ミキサ
ーの出力側には、 λ・(A+ΔA)・VIF という電圧が出力される。図8から、 λ=3/4・Volt-1 と概算される。ダブル・バランスト・ミキサ3の出力を
μ倍増幅したものがRF出力電圧として釣り合うとする
と、次の方程式が成り立つ。 λ・(A+ΔA)・(0.5118・σ・V0+δVoffset−αμsigε)・μ =V0+ε (6) この帰還ループの釣り合いの式から、 この式において第1項は約1.2mV、第2項は約0.03mVで
ある。即ちRF電圧は制御すべき基準電圧の4×10-6の精
度で制御できることになる。さらにU電圧は直流あるい
は鋸歯状波であるので制御すべき基準電圧から10-5の精
度で制御できる。
【0018】上記の実施例では四重極質量分析計に加え
る電圧のうち−U−Vcosωtの正のピーク値を比較較
正する場合について述べたが、負のピーク値を負の較正
電圧−U0−V0と較正してもよい。その場合は較正ダイ
オードおよび誤差信号増幅器の極性は上記の場合と逆に
なる。
る電圧のうち−U−Vcosωtの正のピーク値を比較較
正する場合について述べたが、負のピーク値を負の較正
電圧−U0−V0と較正してもよい。その場合は較正ダイ
オードおよび誤差信号増幅器の極性は上記の場合と逆に
なる。
【0019】また四重極質量分析計のもう一対の電極に
加える電圧U+Vcosωtの正または負のピーク値をU0
+V0或いはU0−V0と較正制御しても良い。正のピー
ク値を較正制御するときは上記の場合と同様の極性で行
い、負のピーク値を較正制御するときは較正ダイオード
と誤差信号増幅器の極性は上記の場合と逆にする。
加える電圧U+Vcosωtの正または負のピーク値をU0
+V0或いはU0−V0と較正制御しても良い。正のピー
ク値を較正制御するときは上記の場合と同様の極性で行
い、負のピーク値を較正制御するときは較正ダイオード
と誤差信号増幅器の極性は上記の場合と逆にする。
【0020】更に別の実施例としては図9に示すよう
に、四重極質量分析計に加える電圧U+Vcosωtはア
ッテネータで波形を全く損なわず正確にアッテネートさ
れる。アッテネータは抵抗R1と容量C1とを並列に接続
したものと、抵抗R2と容量C2とを並列に接続したもの
で構成され、しかもC2・R1=C2・R2となるように容
量C1、C2の値は選定される。このように構成すること
により任意の波形の電圧を全く波形を損なわず正確にア
ッテネートすることができる。例えば任意の波形の任意
のフーリエ成分v・cosω’tはアッテネータの分割イ
ンピーダンス比によって分割される。この比の値は次の
様になる。 すなわち、すべてのフーリエ成分は周波数によらず純抵
抗の比:R1/R2に分割され、従って任意の波形の電圧
は全く波形を損なわずR1/R2の比にアッテネートされ
る。こうして分割した(U+Vcosωt)R1/R2のう
ちRF成分だけを抵抗・容量結合でとりだす。結合容量を
Cg、結合抵抗をRgとすると、出力電圧は V・R1/R2・Rg/(Rg+1/jω’Cg) となり、1/ω’CgをRgの1/100以下に選ぶと、結
合容量のインピーダンスと結合容量のインピーダンスは
複素面上で位相が90度違うので、出力電圧は V・R1/R2・0.99995〜V・R1/R2 となり、5×10-5以上の誤差は生じない。この出力電力
を比較基準電圧 V0・R1/R2 と較正制御すればよい。
に、四重極質量分析計に加える電圧U+Vcosωtはア
ッテネータで波形を全く損なわず正確にアッテネートさ
れる。アッテネータは抵抗R1と容量C1とを並列に接続
したものと、抵抗R2と容量C2とを並列に接続したもの
で構成され、しかもC2・R1=C2・R2となるように容
量C1、C2の値は選定される。このように構成すること
により任意の波形の電圧を全く波形を損なわず正確にア
ッテネートすることができる。例えば任意の波形の任意
のフーリエ成分v・cosω’tはアッテネータの分割イ
ンピーダンス比によって分割される。この比の値は次の
様になる。 すなわち、すべてのフーリエ成分は周波数によらず純抵
抗の比:R1/R2に分割され、従って任意の波形の電圧
は全く波形を損なわずR1/R2の比にアッテネートされ
る。こうして分割した(U+Vcosωt)R1/R2のう
ちRF成分だけを抵抗・容量結合でとりだす。結合容量を
Cg、結合抵抗をRgとすると、出力電圧は V・R1/R2・Rg/(Rg+1/jω’Cg) となり、1/ω’CgをRgの1/100以下に選ぶと、結
合容量のインピーダンスと結合容量のインピーダンスは
複素面上で位相が90度違うので、出力電圧は V・R1/R2・0.99995〜V・R1/R2 となり、5×10-5以上の誤差は生じない。この出力電力
を比較基準電圧 V0・R1/R2 と較正制御すればよい。
【0021】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、RF電圧のピーク値と直流電圧とを精密に制御するた
め、四重極のロッドに加えられる電圧の正または負のピ
ーク値を、制御すべき高精度の基準電圧と直接比較して
その誤差が小さな値になるように高周波電圧発生回路に
フィードバックすると共に、これらの基準電圧を基に直
流電圧を発生させ、このようにして制御された高周波電
圧と直流電圧とを重畳して精密に制御されたU+Vcos
ωt、−U−Vcosωtを形成して、四重極のロッドに加
えるように構成しているので、従来の技術で見られるよ
うな、U/Vの比の非線形性が全く見られず、また検出
素子の特性に依存する項も極めて小さく、殆ど素子の個
々の特性に依存する部分は無視できるほど小さい。従っ
て四重極質量分析計の走査線も質量数に依らず(Uまた
はVの値に依らず)極めて精度の高い直線となり、しか
も素子の温度特性によらず極めて安定なものとなり、第
1安定領域を使う四重極質量分析計では、質量数1から
高質量領域まで、質量数によらずΔM一定で走査でき、
四重極質量分析計の定量性と安定性を非常に高めること
ができる。また第2安定領域では、高分解能を質量数に
よらず安定に実現でき、今まで実現できなかった、HD
−He 3、D2−He 4の二つのダブレットを同一の質量 ス
ペクトル走査線上に高精度で実現でき、定量性も格段に
向上する。
ば、RF電圧のピーク値と直流電圧とを精密に制御するた
め、四重極のロッドに加えられる電圧の正または負のピ
ーク値を、制御すべき高精度の基準電圧と直接比較して
その誤差が小さな値になるように高周波電圧発生回路に
フィードバックすると共に、これらの基準電圧を基に直
流電圧を発生させ、このようにして制御された高周波電
圧と直流電圧とを重畳して精密に制御されたU+Vcos
ωt、−U−Vcosωtを形成して、四重極のロッドに加
えるように構成しているので、従来の技術で見られるよ
うな、U/Vの比の非線形性が全く見られず、また検出
素子の特性に依存する項も極めて小さく、殆ど素子の個
々の特性に依存する部分は無視できるほど小さい。従っ
て四重極質量分析計の走査線も質量数に依らず(Uまた
はVの値に依らず)極めて精度の高い直線となり、しか
も素子の温度特性によらず極めて安定なものとなり、第
1安定領域を使う四重極質量分析計では、質量数1から
高質量領域まで、質量数によらずΔM一定で走査でき、
四重極質量分析計の定量性と安定性を非常に高めること
ができる。また第2安定領域では、高分解能を質量数に
よらず安定に実現でき、今まで実現できなかった、HD
−He 3、D2−He 4の二つのダブレットを同一の質量 ス
ペクトル走査線上に高精度で実現でき、定量性も格段に
向上する。
【図1】 本発明の一実施例を示す四重極質量分析計の
制御回路装置の回路構成を示すブロック線図。
制御回路装置の回路構成を示すブロック線図。
【図2】 図1の回路装置における高速ダイオード及び
誤差信号電圧発生用抵抗回路の動作説明図。
誤差信号電圧発生用抵抗回路の動作説明図。
【図3】 図1の回路装置の動作説明図。
【図4】 本発明が適用される四重極質量分析計におけ
る第1、第2安定領域と走査線との関係を示す図1の回
路装置の動作説明図。
る第1、第2安定領域と走査線との関係を示す図1の回
路装置の動作説明図。
【図5】 図1の回路装置に使用され得る高速ダイオー
ドの順方向特性を示すグラフ。
ドの順方向特性を示すグラフ。
【図6】 図1の回路装置に使用され得る高速ダイオー
ドの逆方向特性を示すグラフ。
ドの逆方向特性を示すグラフ。
【図7】 図1の回路装置における高周波増幅器回路の
ダブル・バランスト・ミキサを示す回路線図。
ダブル・バランスト・ミキサを示す回路線図。
【図8】 図1における高周波増幅器回路のダブル・バ
ランスト・ミキサにおける出力電圧ピーク値と直流入力
電圧のとの関係を示すグラフ。
ランスト・ミキサにおける出力電圧ピーク値と直流入力
電圧のとの関係を示すグラフ。
【図9】 図1の回路装置に使用され得るアッテネータ
回路の一例を示す回路線図。
回路の一例を示す回路線図。
【図10】(A)は本発明が適用される四重極質量分析
計の四重極部を示す概略断面図。(B)は四重極部の斜
視図。
計の四重極部を示す概略断面図。(B)は四重極部の斜
視図。
【図11】Mathieuの微分方程式の安定領域を示す線
図。
図。
【図12】本発明が適用される四重極質量分析計の安定
領域を示す線図。
領域を示す線図。
【図13】(A)はa、q面上での第1安定領域を示す
線図。(B)はU、V面上での第1安定領域を示す線
図。
線図。(B)はU、V面上での第1安定領域を示す線
図。
【図14】四重極質量分析計における従来の制御回路の
構成の一例を示すブロック線図。
構成の一例を示すブロック線図。
【図15】図14に示す制御回路の要部の回路を示す回路
線図。
線図。
【図16】図14及び図15に示す従来の制御回路の動作説
明図。
明図。
【図17】図14及び図15に示す従来の制御回路の動作説
明図。
明図。
1:水晶発振器 2:弛緩増幅器 3:平衡増幅器 4:高周波電圧増幅器 5:高周波電力増幅器 6:高周波トランス 7、8:四重極質量分析計のロッドに接続される出力端
子 9:高速ダイオード 10:誤差信号電圧発生用抵抗 11:低周波増幅器 12:第1基準電圧発生回路 13:アイソレーション増幅器 14:差動増幅器 15:第2基準電圧発生回路 16:直流電圧発生回路
子 9:高速ダイオード 10:誤差信号電圧発生用抵抗 11:低周波増幅器 12:第1基準電圧発生回路 13:アイソレーション増幅器 14:差動増幅器 15:第2基準電圧発生回路 16:直流電圧発生回路
Claims (4)
- 【請求項1】 真空中で、精度よく平行にセットされた
4本の双曲柱あるいは円柱ロッドの相対する二本のロッ
ドをそれぞれ一組とし、一方の組のロッドに直流電圧と
RF電圧を重畳した電圧U+Vcosωtを印加し、他方の
組のロッドに−U−Vcosωtを印加しるようにした四
重極部の一方の端縁中心部に、気体分子或いは固体蒸気
をイオン化してできたイオンを入射させ、四重極部の内
部を進むイオンの中心軸に垂直な方向にとられたxおよ
びy座標の運動方程式がMathieuの微分方程式となり、
そのa及びqパラメターが第1或いは第2安定領域の内
にあるようにU,Vの値を選ぶか、第1或いは第2安定
領域の一部を過るように変化させ、一定の質量数対電荷
比をもったイオンを四重極部を通過させて、イオン種を
検出或いは質量スペクトルを得るようにした四重極質量
分析計において、 RF電圧のピーク値Vと直流電圧とを精密に制御するた
め、一方の組のロッドに加えられる電圧U+Vcosωt
の正または負のピーク値U+VまたはU−V或いは他方
の組のロッドに加えられる−U−Vcosωtの負または
正のピーク値−U−Vまたは−U+Vを、制御すべき高
精度の基準電圧と直接比較してその誤差が小さな値にな
るようにRF電圧発生用のRF増幅器の変調回路にフィード
バックすると共に、これらの基準電圧を基にU電圧及び
−U電圧を発生させ、このようにして制御されたRF電圧
と直流電圧とを重畳して精密に制御されたU+Vcosω
t、−U−Vcosωtを形成して、各組のロッドに加え
ることを特徴とする四重極質量分析計の制御方法。 - 【請求項2】 真空中で、精度よく平行にセットされた
4本の双曲柱あるいは円柱ロッドの相対する二本のロッ
ドをそれぞれ一組とし、一方の組のロッドに直流電圧と
RF電圧を重畳した電圧U+Vcosωtを印加し、他方の
組のロッドに−U−Vcosωtを印加しるようにした四
重極部の一方の端縁中心部に、気体分子或いは固体蒸気
をイオン化してできたイオンを入射させ、四重極部の内
部を進むイオンの中心軸に垂直な方向にとられたxおよ
びy座標の運動方程式がMathieuの微分方程式となり、
そのa及びqパラメターが第1或いは第2安定領域の内
にあるようにU,Vの値を選ぶか、第1或いは第2安定
領域の一部を過るように変化させ、一定の質量数対電荷
比をもったイオンを四重極部を通過させて、イオン種を
検出或いは質量スペクトルを得るようにした四重極質量
分析計において、 変調回路を備え、四重極質量分析計のロッドに加えるべ
きRF電圧を発生するRF増幅器回路と、四重極質量分析計
のロッドに加えるべき直流電圧を発生する直流電圧発生
回路と、四重極質量分析計のロッドに加えるべきこれら
電圧を与えられた端子と制御すべき高精度の基準電圧発
生端子の間に接続され、2V以上の逆耐電圧と2π/ω
より短い逆復帰時間をもち、逆電流の小さい高速ダイオ
ード及び誤差信号電圧発生用抵抗器回路と、RF電圧に対
しては利得が小さく直流信号電圧に対しては充分な利得
をもち、誤差信号発生用抵抗器回路に発生する電圧即ち
RF電圧と直流電圧の重畳した電圧のうち直流誤差電圧の
みを選択的に増幅するように構成した演算増幅器回路
と、演算増幅器回路からの直流誤差信号をRF電圧発生用
RF増幅器回路の変調回路にフィードバックして直流誤差
信号が小さくなるように制御させるフィードバック回路
とを有することを特徴とする四重極質量分析計の制御回
路装置。 - 【請求項3】 真空中で、精度よく平行にセットされた
4本の双曲柱あるいは円柱ロッドの相対する二本のロッ
ドをそれぞれ一組とし、一方の組のロッドに直流電圧と
RF電圧を重畳した電圧U+Vcosωtを印加し、他方の
組のロッドに−U−Vcosωtを印加しるようにした四
重極部の一方の端縁中心部に、気体分子或いは固体蒸気
をイオン化してできたイオンを入射させ、四重極部の内
部を進むイオンの中心軸に垂直な方向にとられたxおよ
びy座標の運動方程式がMathieuの微分方程式となり、
そのa及びqパラメターが第1或いは第2安定領域の内
にあるようにU,Vの値を選ぶか、第1或いは第2安定
領域の一部を過るように変化させ、一定の質量数対電荷
比をもったイオンを四重極部を通過させて、イオン種を
検出或いは質量スペクトルを得るようにした四重極質量
分析計において、 変調回路を備え、四重極質量分析計のロッド加えるべき
RF電圧を発生するRF増幅器回路と、四重極質量分析計の
ロッド加えるべき直流電圧を発生する直流電圧発生回路
と、四重極質量分析計のロッド加えるべき電圧を与えら
れた端子と制御すべき高精度の基準電圧を発生する基準
電圧発生装置の端子の間に接続され、2V以上の逆耐電
圧と2π/ωより短い逆復帰時間をもち、逆電流の小さ
い高速ダイオード及び誤差信号電圧発生用抵抗器回路
と、四重極質量分析計のロッドに加えられる電圧U+V
cosωtまたは−U−VcosωtのRF電圧だけを取り出す
RF電圧取出し回路と、このRF電圧取出し回路からのRF電
圧を比較用の基準電圧と比較する比較回路とを有し、比
較回路からの出力信号をRF電圧発生用RF増幅器回路の変
調回路にフィードバックして誤差信号が小さくなるよう
に制御するように構成したことを特徴とする四重極質量
分析計の制御回路装置。 - 【請求項4】 RF電圧取出し回路が、抵抗と容量とを並
列に接続し、直流から全周波領域にわたって一定の分割
比をもつアッテネータから成る請求項3に記載の四重極
質量分析計の制御回路装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7228053A JPH0972883A (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 四重極質量分析計の制御方法及びこの方法を実施するための制御回路装置 |
US08/707,462 US5734163A (en) | 1995-09-05 | 1996-09-04 | Zero method of controlling quadrupole mass spectrometer and control circuit arrangement to carry out this method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7228053A JPH0972883A (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 四重極質量分析計の制御方法及びこの方法を実施するための制御回路装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0972883A true JPH0972883A (ja) | 1997-03-18 |
Family
ID=16870466
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7228053A Pending JPH0972883A (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 四重極質量分析計の制御方法及びこの方法を実施するための制御回路装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5734163A (ja) |
JP (1) | JPH0972883A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013507725A (ja) * | 2009-10-09 | 2013-03-04 | ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド | 質量分析計内の四重極からのrf電圧を測定するための装置 |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6982413B2 (en) * | 2003-09-05 | 2006-01-03 | Griffin Analytical Technologies, Inc. | Method of automatically calibrating electronic controls in a mass spectrometer |
US7161142B1 (en) | 2003-09-05 | 2007-01-09 | Griffin Analytical Technologies | Portable mass spectrometers |
JP4165479B2 (ja) * | 2004-09-08 | 2008-10-15 | セイコーエプソン株式会社 | プロジェクタ |
NO20044434D0 (no) * | 2004-10-19 | 2004-10-19 | Nuclear Prot Products As | Lang-tids lagringscontainer og fremgangsmate for fremstilling av denne |
US7683709B1 (en) | 2008-06-05 | 2010-03-23 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy | Low frequency power amplifier employing high frequency magnetic components |
US8455815B2 (en) * | 2011-07-15 | 2013-06-04 | Bruker Daltonics, Inc. | Radio frequency voltage temperature stabilization |
JP2015507328A (ja) * | 2011-12-27 | 2015-03-05 | ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド | 高電圧電力供給部フィルタ |
US8704193B1 (en) | 2012-11-16 | 2014-04-22 | Thermo Fisher Scientific (Bremen) Gmbh | RF transformer |
GB2508002A (en) * | 2012-11-16 | 2014-05-21 | Thermo Fisher Scient Bremen | Power supply for providing an ion optical device with a RF potential and a DC potential |
CN105931944A (zh) * | 2016-05-18 | 2016-09-07 | 中山大学 | 一种离子传输系统 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3784814A (en) * | 1970-03-14 | 1974-01-08 | Nippon Electric Varian Ltd | Quadrupole mass spectrometer having resolution variation capability |
JPS52714B1 (ja) * | 1971-06-21 | 1977-01-10 | ||
US4816675A (en) * | 1985-10-01 | 1989-03-28 | Finnigan Corporation | Quadrupole mass filter with unbalanced R.F. voltage |
JP3002521B2 (ja) * | 1990-10-22 | 2000-01-24 | 日本原子力研究所 | 四重極型質量分析計 |
JPH06290733A (ja) * | 1993-04-01 | 1994-10-18 | Hitachi Ltd | 四重極質量分析計 |
-
1995
- 1995-09-05 JP JP7228053A patent/JPH0972883A/ja active Pending
-
1996
- 1996-09-04 US US08/707,462 patent/US5734163A/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013507725A (ja) * | 2009-10-09 | 2013-03-04 | ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド | 質量分析計内の四重極からのrf電圧を測定するための装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US5734163A (en) | 1998-03-31 |
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