JPH0971850A - 表面品質に優れた溶融めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

表面品質に優れた溶融めっき鋼板の製造方法

Info

Publication number
JPH0971850A
JPH0971850A JP22628795A JP22628795A JPH0971850A JP H0971850 A JPH0971850 A JP H0971850A JP 22628795 A JP22628795 A JP 22628795A JP 22628795 A JP22628795 A JP 22628795A JP H0971850 A JPH0971850 A JP H0971850A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
hot
plating
hot dip
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22628795A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsuhisa Yagawa
敦久 矢川
Hikari Okada
光 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP22628795A priority Critical patent/JPH0971850A/ja
Publication of JPH0971850A publication Critical patent/JPH0971850A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating With Molten Metal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】溶融めっき鋼板に求められる耐食性、加工性、
皮膜密着性、塗装性等を損なうことなく、また、めっき
操業でのライン速度を低下させることなく、めっきの光
沢むら、光沢度低下及び合金化反応むらの発生を防止す
ることができ、また、熱延鋼板表面に薄いスケールが存
在した状態でめっきしても優れた表面品質が得られるめ
っき方法を提供する。 【解決手段】鋼帯を溶融めっき連続炉内を通過させた
後、溶融めっき浴でめっきするに際し、溶融めっき連続
炉の冷却帯以降の過程で、300〜650℃の温度範囲
内にある鋼帯を0.1%以上の圧下率で圧下した後、溶
融めっきすることを特徴とする表面品質に優れた溶融め
っき鋼板の製造方法、及びこの製造方法において、溶融
めっき連続炉に入る前の鋼帯が、表面のスケール厚さが
3μm以下である熱延鋼帯である溶融めっき鋼板の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、家電、建
材等の用途に広く用いられているZn、Al、Pb、S
n等のような溶融めっき鋼板、又はこれらの合金の溶融
めっき鋼板、更にはめっき後の熱処理により鋼板とめっ
き皮膜とを相互拡散させた合金化溶融めっき鋼板の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼板にP、Si、Mn等が添加されてい
ると、それらは鋼中に必ずしも均一に存在しているとは
限らず、熱間圧延工程までの高温状態の鋼板表面にそれ
らの濃化層の不均一分布が発生し、めっき連続炉内での
鋼板表面の酸化・還元反応の速度及び量が不均一にな
る。その影響で、めっき浴侵入前の鋼板表面には還元鉄
が不均一に分布することになり、めっき浴中及びめっき
直後に進行するところの鋼板/めっき皮膜界面での初期
合金化反応の不均一化につながり、めっきの光沢むらや
光沢度低下等の表面品質の低下を招く。
【0003】これらの問題点を解決するために、プレめ
っきを施す方法や連続炉入側で鋼板表層を研削する方法
等が提案されている。プレめっきする方法として、特公
昭61−9386号公報では0.01〜1μm厚のNi
やCoめっきを、特開昭57−79160号公報では
0.5g/m2 以上のFeめっきを施すことにより、め
っき濡れ性を改善し、合金化反応を均一化する方法が開
示されている。しかし、これらの方法は、工程が増える
ことからコスト面で問題がある。
【0004】また、特開平3−61352号公報には、
Si添加熱延鋼板を対象に、焼鈍前の鋼板表層を1〜2
g/m2 程度研削することにより、表層の酸化層、成分
濃化層を研削除去し、めっき外観を改善する方法及びめ
っき皮膜の密着性を改善する方法が開示されている。こ
れらの方法により、相対的には改善効果が認められる
が、絶対的にはまだまだ不十分である。例えば、Siが
積極的に添加されていないところの普通鋼熱延鋼板や冷
延鋼板へのめっき品質と比べると需要家の要望には耐え
られない。
【0005】特公昭63−58225号公報では、軟化
焼鈍後の炉内あるいはめっき浴中の段階で、研磨、研削
等の機械加工で表面層を除去して新生面を付与すること
により、合金化速度を促進させる方法が示されている。
確かに、合金化促進効果は認められるが、長期にわたる
安定した均一反応を考えると、均一な表面層の除去及び
均一表面歪の付与が必要と思われ、研磨、研削装置の劣
化が課題となる。
【0006】更に、炉内で研磨、研削されて発生した鉄
粉末は鋼板への押し込み疵の原因となりやすく、浴中で
研磨、研削された場合は浴中のドロスの増加につなが
り、めっき品質を低下させることが懸念される。
【0007】ところで、めっき用鋼板として冷延鋼板が
多用されているが、めっき鋼板の用途によっては熱延鋼
板も用いられる。熱延鋼板にめっきを施す場合は、熱延
により生成したスケールを予め除去しておかなければな
らない。従って、熱延鋼板のめっきの効率化及び低コス
ト化を図るためには、熱延鋼板の酸洗工程の高速化、更
には酸洗工程の省略が課題の一つとなる。そのために
は、熱延仕上がりの表面スケールを薄くする技術が必要
であり、いくつかの技術が提案され、一部実用化されて
いる。しかしながら、熱延仕上がり状態で、完全にスケ
ールのない鋼板は得られないので、いずれの従来方法に
おいても熱延後酸洗によるスケール除去が必要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記したようにSi、
P、Mn等を添加した鋼板のめっきでは、めっき浴中で
の鋼板/めっき界面の合金化生成、拡散反応の不均一化
に起因するめっきの光沢むらや光沢度低下等の表面品質
の不均一が発生しがちである。
【0009】また、めっき連続炉内では、鋼板表面に擦
り疵や押し込み疵等の表面凹凸欠陥が発生した場合、そ
の形状及び表面歪の影響で、疵部に対応するめっき部で
局部的な光沢むらが発生しやすい。更に、めっき後の熱
処理による合金化反応の不均一が発生し、合金化後の色
調及び表面形状の不均一につながる。
【0010】上記したように、熱延鋼板にめっきを行う
場合、熱延後鋼板表面に生成したスケールを酸洗等によ
り除去してからめっきを施すが、スケール除去後の鋼板
表面は冷延鋼板に比べかなり凹凸になっている(以下、
鋼板表面の凹凸の程度を平坦度という)。平坦度の悪い
鋼板は、めっき後の表面の平坦度も低下し、また合金化
反応むらが発生する。合金化反応むらが発生するとめっ
きの色調にむらが生じる。
【0011】この発明は、溶融めっき鋼板に求められる
耐食性、加工性、皮膜密着性、塗装性等を損なうことな
く、また、めっき操業でのライン速度を低下させること
なく上記したようなめっきの光沢むら、光沢度低下及び
合金化反応むらの発生を防止することができ、また、熱
延鋼板表面に薄いスケールが存在した状態でめっきして
も優れた表面品質が得られるめっき方法を提供すること
を目的とする。
【0012】なお、この発明では、光沢むら、光沢度低
下及び合金化処理時の合金化反応むら(色調むら)がな
い外観のよいめっき鋼板を総称して表面品質に優れため
っき鋼板という。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、溶融めっ
き鋼板に求められる耐食性、加工性、皮膜密着性、塗装
性等を損なうことなく、また、めっき操業でのライン速
度を低下させることなくめっき鋼板の表面品質を改善す
る方法について鋭意実験検討を行った結果、次のような
知見を得るに到った。
【0014】A )溶融めっき鋼板及び合金化溶融めっき
鋼板の表面品質を均一化、良好化するためには、母材鋼
板の凹凸、疵等の表面形状及びSi、Mn、P等の鋼中
添加元素の不均一濃化、鋼板表面層の酸化、還元反応速
度、反応量の分布を均一にすることが重要である。
【0015】B )そのためには、溶融めっき連続炉内の
冷却帯以降で比較的鋼板温度が低くなったところで軽圧
下を加えるのが有効である。
【0016】C )熱延鋼板の表面に3μm 以下の薄いス
ケールが存在した状態で、溶融めっきラインの連続焼鈍
炉に搬入され、還元焼鈍された後で、上記の軽圧下を加
えるとめっきの表面品質は低下しない。
【0017】この発明は、このような知見に基づき完成
したもので、その要旨は、「鋼帯を溶融めっき連続炉内
を通過させた後、溶融めっき浴でめっきするに際し、溶
融めっき連続炉の冷却帯以降の過程において、300〜
650℃の温度範囲内にある鋼帯を0.1%以上の圧下
率で圧下した後、溶融めっきすることを特徴とする表面
品質に優れた溶融めっき鋼板の製造方法、及びこの製造
方法において、溶融めっき連続炉に入る前の鋼帯が、表
面のスケール厚さが3μm以下である熱延鋼帯である溶
融めっき鋼板の製造方法」にある。
【0018】ここで、上記溶融めっき鋼板とは、溶融め
っきした後単に冷却して製品とする溶融めっき鋼板と、
溶融めっき直後に熱処理を施し、鋼板とめっき皮膜間で
相互拡散させた合金化溶融めっき鋼板の両者を示すもの
とする。
【0019】めっき鋼板の表面品質は、前記したように
母材鋼板の表面性状により左右されるが、鋼板がめっき
浴に入る直前に鋼板に軽圧下を加え、鋼板表面に残留歪
を付与することにより、母材鋼板の表面性状の影響を抑
制、除去することができる。
【0020】この理由は明かではないが、表面に均一な
残留歪を付与することで、その歪により、鋼板とめっき
界面での拡散反応が均一化し、従来有していた鋼板表層
の不均一な形態、特性による影響を相対的に小さくでき
るためと考えられる。
【0021】また、熱延鋼板を母材とする場合に、表層
スケールが3μm以下の厚みであれば、その鋼板に軽圧
下を加え、鋼板表面に残留歪が存在する状態でめっきを
すると良好な表面品質が得られる。通常、この程度の厚
みのスケールであれば、連続炉内の還元帯で還元が可能
である。しかし、スケールの厚みや鋼板表面形状の不均
一性により、完全には還元できないため、めっき表面品
質は使用者にとって十分満足できるレベルには至らな
い。また、スケールが還元され生成した還元鉄はおよそ
0.5μm以上の厚さになると、めっき皮膜の密着性が
低下する。しかしながら、本発明の方法によれば、めっ
き皮膜の密着性も大幅に改善される。詳細な理由につい
ては不明であるが、還元帯を通過した後の鋼板を軽度で
はあるが圧下するため、表層のスケール還元体(Fe主
成分)が変形され、空隙(もともとスケール内に存在す
る空隙とスケールが還元され変態する際に生成する空
隙)がなくなり、その結果密着性が改善されるものと思
われる。
【0022】また、この圧下により付与した表面歪によ
り、めっき反応性や合金化反応性がマクロ的に均一なも
のとなり、めっき皮膜外観も良好なものとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、ゼンジミア法(または無
酸化炉法)の縦型めっきラインの側面図で、図2は、同
法の横型めっきラインの側面図である。
【0024】鋼板をめっきライン内で焼鈍するゼンジミ
ア法(または無酸化炉法)では、図1あるいは図2に示
すように、ペイオフリール2から供給された鋼帯1は、
予備加熱帯3を経て、加熱および均熱帯等の再結晶還元
帯4に入り、次いで冷却帯5、低温保持帯6、スナウト
7を通ってめっき浴8に入り、ガスワイピング等のめっ
き付着量制御装置9を通過後、冷却装置10又は合金化
処理炉10を通過する。このめっき付着量制御装置を通
過後冷却装置10で冷却すると、いわゆる溶融めっき鋼
板となり、めっき後合金化処理炉で加熱処理をすると合
金化溶融めっき鋼板となる。
【0025】この発明において連続炉内で圧下を実施す
る段階は、冷却帯以降の過程における鋼帯温度がが30
0℃以上650℃以下の範囲で比較的低温域である。圧
下の実施段階が再結晶還元帯4以前の過程では、圧下に
よる歪付与効果が消失してしまう。また、冷却帯以降の
過程でも650℃を超えて鋼板温度が高くなると、残留
表面歪量が低下し、その効果が小さくなる。従って、圧
下温度の上限は650℃とする必要がある。より望まし
い上限は600℃である。また、炉内で300℃未満に
鋼板温度を低下させると、めっき浴侵入までに再加熱を
行わないとめっき濡れ性および反応性の不均一が生じ
る。その結果めっき外観不良を招く可能性が高くなるた
め、圧下温度の最低温度を300℃とした。なお、ここ
で示した縦型および横型の連続炉の構成はあくまで一例
であり、同様の工程を経るものには全て適用できる。
【0026】炉内に圧下装置を設ける位置は、図1また
は図2の黒丸11の位置が好適である。しかし、この位
置に限定するものではなく、本発明の条件さえ満たして
いればどの位置でもよく、圧下箇所も1ヶ所に限定する
ものではない。
【0027】さて、炉内での圧下方法については特に限
定するものではないが、板幅方向に均一な圧下を加える
手段としては、ロールによる圧下が好適である。圧下率
は効果的に残留歪を得るためには0.1%以上が必要
で、0.1%未満では鋼板の表面歪が小さく、特に熱延
鋼板等では平坦度の改善効果が小さかった。また、圧下
率の上昇に伴い表面歪量は増加するが、圧下率が2%を
超えると表面歪量が飽和あるいは低下する傾向が認めら
れた。従って、圧下率の上限は2%程度とするのが好ま
しい。ここでの圧下方法は、一対あるいは2対以上の圧
延ロールで実施しても、またレベラー矯正圧延で実施し
ても良く、更にはそれらを複合した装置でも可能であ
る。圧下率は特に一度に得る必要はなく、複数の圧下装
置の場合、トータルの圧下率で決定される。また、圧下
用にロールを適用した場合、そのワークロール表面は、
従来使われている、ブライト、ダルのいずれでも良い。
【0028】ここで、熱延鋼板の表層スケール厚を3μ
m以下とする方法としては、(1)熱延を低温(例えば
α域)で圧下する、(2)高圧水によるデスケーリング
を熱間圧延の巻取り直前に実施する、(3)デスケーリ
ング後の鋼板を雰囲気シールしてスケールの成長を抑制
する、等の方法がある。
【0029】以下、実施例により本発明の効果を詳細に
説明する。
【0030】
【実施例】
(実施例1)図2に示す予備加熱帯を備えた横型実験装
置を用いて、以下に示す条件でめっきを実施した。
【0031】表1に示す2種の成分組成の鋼を溶製し、
通常の圧延により厚さ0.8mm、幅300mmの冷延鋼帯
を製造し、母材として用いた。
【0032】
【表1】
【0033】連続炉による加熱からめっきまでの条件は
以下の通りであった。
【0034】連続炉条件 予備加熱炉温度:550℃ 還元炉温度 :800℃ 還元炉雰囲気 :26%H2 +N2 、露点=−60℃ 低温保持帯温度:290〜730℃圧下条件 圧延用ロール :外径600mm、2段式ロール、ダル仕
上ロール(ロール表面粗さRa =1.5±0.2μm) 圧下位置 :低温保持帯出側 圧下温度 :290〜730℃(表2参照) 圧下率 :0〜5.6%(表2参照) めっき条件 めっき浴、温度:浴a= Zn−0.14%Al、460℃ 浴b= Zn−55%Al−1.6%Si、600℃ めっき浴浸漬 :a、b浴とも2秒 時間 付着量制御 :浴引き上げ後、Heガスを用いたワイピングガスの圧 力、流量を調整し、めっき付着量をa浴では60±5 g/m2 、b浴では75±5g/m2 とした。
【0035】めっき後冷却 :ガスワイピングに続い
て、めっき材にHeガスを吹き当て、めっき浴引き上げ
後から凝固までの平均冷却速度を約−50〜−70℃/
秒として溶融めっき材を得た。
【0036】合金化処理 :浴aを用いてめっきした
鋼板については、大気下500℃で合金化処理を行っ
た。
【0037】このような条件でめっきを行った後、各め
っき鋼帯から長さ5mのサンプルを採取し、下記の基準
で各めっき鋼板の表面品質の評価を行った。
【0038】目視による光沢むら性評価 ○・・・光沢均一 △・・・光沢むら小 ×・・・光沢むら大 光沢度測定(JIS Z8741 、入射角=反射角=∠60°) ○・・・光沢度≧180% △・・・120%<光沢度<180% ×・・・光沢度≦120% 合金化処理材の色調評価 合金化処理後の皮膜中平均組成が8.5 ≦Fe重量%≦9.
5 のめっき材にて、目視での色調(合金化むら)を判
定。
【0039】○・・・色調均一 △・・・色調むら小 ×・・・色調むら大 評価結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】同表より明かなように、本発明で規定する
圧下温度と圧下率を満足している本発明例は全て、光沢
むら、光沢度低下及び合金化後の色調むらは発生しなか
った。一方、炉内圧下を加えなかった比較例1、4、7
は光沢むらが多発し、光沢度低下も少し発生した。圧下
率が本発明の規定範囲内にあっても、圧下温度の高い比
較例の6、8、9、11は特に光沢むらが多発し、光沢
度も好ましくないことが分かる。
【0042】(実施例2)表3に示す2種の成分組成の
板厚3.6mm、板幅300mmの熱延鋼帯を酸洗によりス
ケールを完全に除去した後、乾燥させ、実施例1と同様
の工程で溶融めっきを行った。スケールを除去した後、
表面粗さを測定した結果は下記の通りであった。
【0043】鋼種C : Ra=2.4±0.2 鋼種D : Ra=3.5±0.3
【0044】
【表3】
【0045】表4に示すように、圧下条件は、圧下温
度:290〜690℃、圧下率:0〜5.5%であっ
た。めっき浴は、実施例1の浴aを用い、めっき付着量
は50±5g/m2 とし、その他の条件は実施例1と同
じとした。
【0046】めっき鋼板の品質評価は実施例1と同じ基
準で行った。その結果は表4に示す通りであった。
【0047】
【表4】
【0048】表4より、炉内で圧下を施さなかった比較
例の1、5の表面品質は最も悪かった。これは、母材形
状がめっき表面形状に反映されたこと、及び鋼表面への
SiMn、P等の成分不均一濃化による不均一合金化反
応が抑制できなかったものと思われる。また、熱延鋼板
の表面粗さが粗かったため炉内搬送ロールとの局部接触
による局部歪が付与されたことにより局部的に合金化反
応が促進し、表面品質が低下したものと思われる。
【0049】一方、本発明例では全て光沢むら、光沢度
低下及び色調むらは発生しなかった。これは、炉内での
軽圧下により、母材形状をある程度平坦化でき、あわせ
て全面にほぼ均一な歪付与ができたため、合金化反応が
均一となり、よい表面品質が得られたと思われる。ま
た、炉内圧下を加えた比較例の2、6、7はそれぞれ圧
下温度が650℃以上と高かったため、鋼板表面に歪が
蓄積されなかったため、圧下の効果がでなかったためよ
い表面品質が得られなかったと思われる。
【0050】(実施例3)表5に示す成分組成の板厚
3.6mm、板幅300mmの、薄スケール化した熱延鋼板
を製造し、スケールが付着したまま実施例1と同様の工
程で溶融めっきを行った。
【0051】
【表5】
【0052】スケールの厚さは、熱間圧延時に高圧水デ
スケーリングの水圧、デスケーリング実施時の材料温
度、デスケーリング実施回数を操作することにより、ス
ケール厚さを調整し、表6に示すように0.4〜4.5
μm と変化させた。
【0053】
【表6】
【0054】めっき浴は、実施例1の浴aのみを用い
た。また、めっき付着量は60±5g/m2 とした。そ
の他の条件及び合金化処理条件は実施例1と同じとし
た。
【0055】表面品質の評価は実施例1と同様の基準
で、光沢むら、光沢度むらについて行い、更にめっき密
着性を調べるために、下記の方法で接着剪断試験を行っ
た。
【0056】図3は、接着剪断引張試験片の作製要領を
示す図である。同図(a)点線で示すように、めっき鋼
板のほぼ中央部より幅25mm、長さ100mm のサンプルを各
4枚(各2組分)切り出し、同図(b)に示すように接
着貼り合わせ部12のラップ長を12.5mmとして構造用エ
ポキシ系接着剤を用い、接着剤厚みが150 μm となるよ
うにして貼り合わせ試験片13とした。この試験片を加
熱して貼り合わせ部の接着剤を乾燥させた後、接着剪断
引張試験に供した。引張速度は、クロスヘッドスピード
で5mm/minとした。
【0057】密着性評価基準は以下の通りとした。
【0058】 ◎・・・皮膜剥離無し(全面接着剤の凝集破壊) ○・・・皮膜剥離がわずか(5%以下の面積率)に観察
される △・・・皮膜剥離が10%以下の面積率で発生 ×・・・皮膜剥離が10%超の面積率で発生 ××・・不めっき部が存在し、めっき部のほぼ全面が剥
離 評価結果を表6に示す。同表より、スケール厚さが3μ
m 以下の本発明例は、全て表面品質、めっき皮膜の密着
性とも良好であることが分かる。しかし、めっき厚さが
3μm を超える比較例1、5は光沢度むらの点では良い
ものの、合金化処理後の色調むら、密着性の点で好まし
くなかった。
【0059】
【発明の効果】この発明の方法によれば、めっき母材の
鋼板の表面性状(形状、疵、表面濃化成分等)の影響を
受けることなく、溶融めっき後の外観が均一で美麗な皮
膜が得られ、また合金化処理反応が均一化することよ
り、外観はもちろんのこと品質の優れた皮膜が得られ
る。更に、本発明の方法では、鋼板表面に薄いスケール
が存在した状態でも、めっき後の皮膜性能(外観、皮膜
密着性等)に悪影響を及ぼすことなく良好なめっき皮膜
が得られ、酸洗工程の省力化、省略化が可能であり、コ
スト的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゼンジミア法(または無酸化炉法)の縦型ライ
ン構成模式図
【図2】ゼンジミア法(または無酸化炉法)の横型ライ
ン構成模式図
【図3】接着剪断試験供試材のサンプリングから接着の
工程を示す図
【符号の説明】
1 鋼帯 3 予備加熱帯 4 還元帯 5 冷却帯 6 低温保持帯 7 スナウト 10 合金化処理炉または冷却装置 11 圧下装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼帯を溶融めっき連続炉内を通過させた
    後、溶融めっき浴でめっきするに際し、溶融めっき連続
    炉の冷却帯以降の過程で、300〜650℃の温度範囲
    内にある鋼帯を0.1%以上の圧下率で圧下した後、溶
    融めっきすることを特徴とする表面品質に優れた溶融め
    っき鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】溶融めっき連続炉に入る前の鋼帯が、表面
    のスケール厚さが3μm以下である熱延鋼帯であること
    を特徴とする請求項1記載の表面品質に優れた溶融めっ
    き鋼板の製造方法。
JP22628795A 1995-09-04 1995-09-04 表面品質に優れた溶融めっき鋼板の製造方法 Pending JPH0971850A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22628795A JPH0971850A (ja) 1995-09-04 1995-09-04 表面品質に優れた溶融めっき鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22628795A JPH0971850A (ja) 1995-09-04 1995-09-04 表面品質に優れた溶融めっき鋼板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0971850A true JPH0971850A (ja) 1997-03-18

Family

ID=16842857

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22628795A Pending JPH0971850A (ja) 1995-09-04 1995-09-04 表面品質に優れた溶融めっき鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0971850A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008163468A (ja) * 2008-03-28 2008-07-17 Jfe Steel Kk 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2012097326A (ja) * 2010-11-02 2012-05-24 Nippon Steel Corp 高強度溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008163468A (ja) * 2008-03-28 2008-07-17 Jfe Steel Kk 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP4656171B2 (ja) * 2008-03-28 2011-03-23 Jfeスチール株式会社 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2012097326A (ja) * 2010-11-02 2012-05-24 Nippon Steel Corp 高強度溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019167576A (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
KR19990043945A (ko) 도금 강판의 제조방법
JPH0790529A (ja) 珪素含有鋼溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH0971850A (ja) 表面品質に優れた溶融めっき鋼板の製造方法
JPH10130801A (ja) 表面品質に優れた溶融めっき鋼板の製造方法
JPH07126747A (ja) 溶融亜鉛めっき性に優れたSi含有鋼板の製造方法
JPH06158254A (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP3339615B2 (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2997971B2 (ja) めっき密着性に優れた熱延溶融めっき鋼帯の製造方法および製造装置
JPH06116653A (ja) めっき表面性状およびめっき密着性に優れた低コスト型熱延溶融めっき鋼帯の製造方法および製造装置
JP2002302749A (ja) 耐かじり性に優れた溶融Zn−Al系合金めっき鋼板とその製造方法
JP3248431B2 (ja) 溶融めっき鋼板の製造方法
JP2576329B2 (ja) 皮膜の均一性および耐パウダリング性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH0688193A (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP3219010B2 (ja) 熱延鋼板の溶融めっき設備および溶融めっき鋼板の製造方法
JP4131577B2 (ja) めっき鋼板の製造方法
JP4855290B2 (ja) 溶融亜鉛メッキ鋼板および合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法
JP3248432B2 (ja) 溶融めっき鋼板の製造方法
JP2003251401A (ja) 冷延鋼板の製造方法および溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2743774B2 (ja) 帯状縞鋼板の連続溶融金属めっき方法
JPH111755A (ja) 亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
JP2001294977A (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板
JPH03281764A (ja) 表面外観の優れた深絞り用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2998642B2 (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH11200003A (ja) 熱延下地溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっ き鋼板の製造方法