JPH0971607A - ビニルエステル系重合体組成物からの単量体除去方法及び装置 - Google Patents

ビニルエステル系重合体組成物からの単量体除去方法及び装置

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JPH0971607A
JPH0971607A JP25194895A JP25194895A JPH0971607A JP H0971607 A JPH0971607 A JP H0971607A JP 25194895 A JP25194895 A JP 25194895A JP 25194895 A JP25194895 A JP 25194895A JP H0971607 A JPH0971607 A JP H0971607A
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JP
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monomer
vinyl ester
vinyl
blades
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JP25194895A
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Yoichi Tanifuji
陽一 谷藤
Hitoshi Nakajima
斉 中島
Makoto Oura
誠 大浦
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 未反応単量体を含有するビニルエステル
系重合体組成物が入れられ、加熱用ジャケット(4)が
付設された円筒平底容器(1)と、この容器(1)内に
自転かつ公転可能に配設され、上記重合体組成物を撹拌
する複数の枠型ブレード(5)とを具備した装置を用
い、上記ビニルエステル系重合体組成物を加熱下におい
て自転かつ公転する複数個の枠型ブレード(5)により
撹拌して、上記重合体組成物中の未反応単量体を蒸発除
去する。 【効果】 単量体を含有する重合体組成物から単量体を
殆ど含まない重合体を効率的かつ経済的に得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビニルエステル系
単量体等の未反応単量体(以下、単量体という)を含有
するポリビニルエステル系重合体(以下、重合体とい
う)組成物系から未反応の単量体を回分式で除去する方
法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】単量体を含有する重合体組成物系から未
反応の単量体を除去し、単量体を殆ど含まない重合体を
得ることは、例えばチューインガムベースを得る場合
や、接着剤として或いは脱エステル化反応の前プロセス
として汎用的に行われており、安全、衛生、品質上など
から重要である。
【0003】従来、酢酸ビニルを主体とする単量体を溶
液重合した系から未反応の単量体を除去する装置及びそ
の方法は、連続式の追出蒸留塔方式が一般的である。即
ち、複数の多孔板からなる棚段塔を用い、その塔下部か
らアルコール蒸気を吹き込みながら塔上部から未反応の
単量体を含む重合体溶液を流下させて接触、交換、蒸留
して、塔上部よりアルコールと単量体の共沸組成液とし
て留出させ、塔下部より単量体を殆ど含まない重合体溶
液を得るものである(例えば高分子刊行会発行「ポバー
ル」P109〜、FINCH「POLYVINYL A
LCOHOLDEVELOPMENTS」P50〜、J
OHN WILEY & SONS)。
【0004】回分式の場合も基本的には連続式と同一で
あり、例えばアンカー型、パドル型、ヘリカルリボン型
等の翼を備えた槽式の重合装置を用い、加熱、“かき混
ぜ”ながらアルコールを供給し、アルコールと単量体の
共沸組成液として留出させ、単量体を殆ど含まない重合
体溶液を得る方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来公
知の装置及びその方法では以下のような問題を有してい
る。即ち、連続式の追出蒸留塔方式設備の場合は、連
続運転の場合は単量体の除去が安定して効率的に行われ
るが、操作の安定化まで時間を要するため回分式で運転
した場合は非効率極まりなく、塔下部から得られる単
量体を殆ど含まない重合体溶液の濃度をあまり高められ
ない制約があり、装置が複雑で高価になり、広い設
置スペースを要する等の問題を有する。
【0006】また、上記のような回分式の場合は、単
量体を殆ど含まない重合体を得る効率は低く長時間を要
し、また、溶媒として使用される溶剤量が大量になる
等の問題がある。
【0007】従って、本発明の課題は、短時間で、かつ
使用溶剤量が少なくてすむ効率的な回分式の未反応の単
量体を除去する装置及びその方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った
結果、未反応単量体を含有するビニルエステル系重合体
組成物を加熱下において複数の枠型ブレードを自転かつ
公転させて撹拌(かき混ぜ)することにより、効率的か
つ経済的に重合体組成物系から未反応の単量体を回分式
で除去することができることを見い出し、本発明をなす
に至った。
【0009】即ち、本発明は、(1)未反応単量体を含
有するビニルエステル系重合体組成物から上記未反応単
量体を除去する方法において、上記ビニルエステル系重
合体組成物を加熱下において自転かつ公転する複数個の
枠型ブレードにより撹拌して、上記重合体組成物中の未
反応単量体を蒸発除去することを特徴とするビニルエス
テル系重合体組成物からの単量体除去方法、(2)ビニ
ルエステル系重合体組成物の加熱温度がこのビニルエス
テル系重合体の軟化点以上である上記の方法、(3)ビ
ニルエステル系重合体がポリ酢酸ビニル又はポリ酢酸ビ
ニルを主体とする共重合体である上記の方法、(4)未
反応単量体を含有するビニルエステル系重合体組成物が
入れられ、加熱用ジャケットが付設された円筒平底容器
と、この容器内に自転かつ公転可能に配設され、上記重
合体組成物を撹拌する複数の枠型ブレードとを具備した
ことを特徴とするビニルエステル系重合体組成物からの
単量体除去装置、(5)枠型ブレードの数が2又は3個
であり、かつこれらブレードが、その自転かつ公転時に
各ブレード及び上記容器内周壁に付着した重合体組成物
を掻き落し可能な間隔を持って互いに離間して配設され
た上記の装置を提供する。
【0010】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
【0011】本発明は未反応単量体を含有するビニルエ
ステル系重合体組成物から上記未反応単量体を蒸発除去
する方法及び装置に係わるものである。ここでビニルエ
ステル系重合体としては、ポリ酢酸ビニルが一般的であ
るが、これに限定されず、トリフルオロ酢酸ビニル,ギ
酸ビニル,プロピオン酸ビニル,酪酸ビニル,ピバリン
酸ビニル,2−エチルヘキサン酸ビニル,カプリル酸ビ
ニル,カプリン酸ビニル,ラウリン酸ビニル,ミリスチ
ン酸ビニル,パルミチン酸ビニル,メタクリル酸ビニ
ル,クロトン酸ビニル,ソルビン酸ビニル,安息香酸ビ
ニル,桂皮酸ビニル,t−ブチル安息香酸ビニル,バー
サティック酸ビニル等のビニルエステルの単独重合体や
これらビニルエステル及び酢酸ビニルの少なくとも2種
からなる共重合体、さらには例えばこれらビニルエステ
ルと共重合する不飽和モノカルボン酸又はその塩,アル
キルエステル,アミド,ニトリル、不飽和多価カルボン
酸又はその塩,部分アルキルエステル,完全アルキルエ
ステル,無水物,アミド,イミド,ニトリル、不飽和ス
ルホン酸又はその塩、ビニルエーテル、エチレン、塩化
ビニル、炭素数3〜30のαオレフィン等の少なくとも
1種との共重合体が含まれる。
【0012】これら重合体の製法は、溶液重合が一般的
であるが、これに限定されず、懸濁重合、パール重合、
乳化重合など公知の重合方法が利用でき、重合体組成物
の重合体濃度及び重合度は特に限定されないが、軟化点
の観点から重合度は高すぎない方が好ましい。
【0013】ビニルエステル系単量体等の未反応単量体
としては、酢酸ビニルが一般的であるが、これに限定さ
れず、上記重合体を重合した際に未反応で残された単量
体、即ちトリフルオロ酢酸ビニル,ギ酸ビニル,プロピ
オン酸ビニル,酪酸ビニル,ピバリン酸ビニル,2−エ
チルヘキサン酸ビニル,カプリル酸ビニル,カプリン酸
ビニル,ラウリン酸ビニル,ミリスチン酸ビニル,パル
ミチン酸ビニル,メタクリル酸ビニル,クロトン酸ビニ
ル,ソルビン酸ビニル,安息香酸ビニル,桂皮酸ビニ
ル,t−ブチル安息香酸ビニル,バーサティック酸ビニ
ル等のビニルエステル単量体やこれらビニルエステル及
び酢酸ビニルの少なくとも2種からなる単量体組成物、
さらには例えばこれらビニルエステルと共重合する不飽
和モノカルボン酸又はその塩,アルキルエステル,アミ
ド,ニトリル、不飽和多価カルボン酸又はその塩,部分
アルキルエステル,完全アルキルエステル,無水物,ア
ミド,イミド,ニトリル、不飽和スルホン酸又はその
塩、ビニルエーテル、エチレン、塩化ビニル、炭素数3
〜30のαオレフィン等の少なくとも1種との単量体組
成物が含まれる。
【0014】これら単量体の濃度は特に限定されない
が、低濃度ほど好ましい。重合体組成物系の単量体濃度
は5〜50%程度が一般的であり、その範囲であればよ
い。
【0015】本発明においては、上記重合体組成物から
の単量体の蒸発除去を複数、好ましくは2〜3個の枠型
ブレードを用いて加熱下に撹拌することにより行う。
【0016】図面はかかる方法に用いる装置の一例を示
す。但し、図面は本発明の方法に使用する装置の例示に
過ぎず、これのみに限定されるものではない。図1は装
置全体図であり、図2は枠型ブレードの側面図、図3は
円筒平底容器と遊星運動する枠型ブレードの平面図、図
4は遊星ギア機構の断面図である。
【0017】図1において、1は昇降装置2により上下
動可能に配設された基台3上に載置された円筒平底容器
であり、この容器1には加熱用ジャケット4が付設され
ている。なお4aは熱媒体の入口、4bは出口である。
また、5は複数(図においては2個)の枠型ブレード
で、この枠型ブレード5は、平面中空釣鐘状の平板状に
形成されており、変速機付き駆動装置(電動機)6及び
上部フード7内に設けられた遊星ギア機構により図3に
示すように自転かつ公転可能に配設されている。なお、
8は単量体の留出ノズル、9は覗き窓、10は操作盤で
ある。また、容器1は減圧及び加熱することができる構
造になっている。
【0018】ここで、遊星ギア機構は図4に示すように
構成されている。即ち、上部フード7内には、外周面が
フード7の内周壁に固着されていると共に、中央部に貫
通孔11が穿設された円板部12の下端内周縁に円筒部
13が一体に突設されてなる支持体14が配設され、こ
の支持体14の円筒部13の下端外周面には太陽ギア1
5が設けられている。また、上記円筒部13内を貫通し
て主回転軸16が配設され、この主回転軸16は上記円
筒体13内に配設された軸受17,17により回転可能
に支承されている。この主回転軸16の上端部は上記駆
動装置6に連結され、この駆動装置6により回転せしめ
られると共に、上記主回転軸16の下端部にはロータ1
8が固定されている。このロータ18には、互いに対向
する2個の軸挿通孔19,19が穿設されていると共
に、これら孔19,19をそれぞれ貫通して遊星ギア回
転軸20,20が配設されており、これら回転軸20,
20はそれぞれ上記孔19,19内に配設された軸受2
1,21により回転可能に支承されている。また、上記
遊星ギア回転軸20,20の上端部には、それぞれ上記
太陽ギア15と噛合する遊星ギア22,22が取り付け
られていると共に、上記軸20,20の下端部には、上
記枠型ブレード5,5が連結されている。
【0019】従って、上記駆動装置6の駆動により主回
転軸16が回転し、これと一体にロータ18が回転し、
このロータ18に支承された遊星ギア回転軸20,20
及びこれに連結された枠型ブレード5,5が一体に回転
(公転)する。これと同時に、遊星ギア回転軸20,2
0に取り付けられた遊星ギア22,22が太陽ギア15
と噛合しつつ太陽ギア15に沿って回転することによ
り、遊星ギア22,22が自転し、これと一体に回転軸
20,20及び枠型ブレード5,5が自転するものであ
る。
【0020】上記のように、枠型ブレードは自転かつ公
転するが、この際、枠型ブレード同士及び枠型ブレード
と円筒平底容器内壁とが接触しないで回転し、かつ僅か
な隙間になるように位置関係(位相差)とクリアランス
が調整されている。枠型ブレードは自転しながら公転す
ることにより重合体組成物をかき混ぜ、枠型ブレード同
士の狭いクリアランスは枠型ブレード付着物滞留物を掻
き落とし、枠型ブレードと円筒平底容器内壁との狭いク
リアランスは剪断効果で円筒平底容器内壁付着物滞留物
を掻き落とす効果が各々ある。
【0021】かかる精密ではあるが単純な構造により、
高粘度組成物の十分なかき混ぜ効果と熱伝達効果を達成
することができ、効率的に重合体組成物系から未反応の
単量体を除去することができる。また、滞留などによる
局部加熱での品質劣化も生じない。
【0022】ここで装置の構成材質は限定されるもので
ないが、ステンレスのような耐圧性、耐久性、防錆性材
料が一般的である。枠型ブレードの回転数は高速ほどか
き混ぜ効果は高まるが、液面上昇による充填量の減少や
所要動力の問題が生じ、低速の場合は高速の場合と反対
にあることを考慮し適宜選択される。自転数と公転数の
比(自転/公転)は2〜3、公転数は数〜150rpm
の範囲が一般的であり、本発明の目的を達成するのにも
好適な範囲である。
【0023】次に、上記装置の使用方法について説明す
ると、円筒平底容器中の単量体を含有する重合体組成物
を常圧或いは減圧下でかき混ぜながらジャケットを介し
て加熱し、単量体を含む溶媒を蒸発させて系外に除去す
るものである。これにより、円筒平底容器中の重合体組
成物は次第に濃縮され、溶液状態から遂には溶融状態に
変化する。この場合、蒸発促進のため窒素ガスなどをキ
ャリヤーガスとして使用することも有効である。
【0024】ここで、加熱の温度としては、溶媒が存在
する初期段階は少なくとも該円筒平底容器の内圧におけ
る単量体の沸点或いは単量体と共存する溶媒との共沸点
以上にする必要があり、高温ほど、減圧度が高いほど、
キャリヤーガスが多いほど単量体除去の効率は高まる。
【0025】溶媒が減少した段階では、該重合体の軟化
点以上にする必要がある。例えば酢酸ビニルとメタノー
ルを含有するポリ酢酸ビニルの場合、常圧における酢酸
ビニルの沸点は73.1℃、メタノールの沸点は64.
65℃、酢酸ビニルとメタノールの共沸点58.8℃
(化学便覧改定3版、丸善)、ポリ酢酸ビニルの軟化点
はその分子量に依存し、重量平均分子量11,000で
65℃、同500,000で230℃(KIRK−OT
HMER ENCYCLOPEDIA OF CHEM
ICAL TECHNOLOGY Vol.23.P.
830(1983)John Wiley & Son
s)であり、少なくともこれらの温度以上に設定する必
要があるが、減圧度、蒸発速度、該重合体の分子量、操
作性などを考慮して適宜選択することができる。操作は
最初から該重合体の軟化点以上に設定しても、当初は沸
点或いは共沸点以上とし、次いで軟化点以上に設定変更
してもよい。なお、加熱方法は熱媒、蒸気、電気などが
熱源として適宜選択し得る。また、蒸発して円筒平底容
器から系外に除去された溶媒はコンデンサーなどで熱交
換し凝縮させ、溶液として回収するのが一般的であり、
好適である。
【0026】単量体の除去は、チューインガムベース、
接着剤などに用いる場合には臭気や引火など安全、衛
生、品質上の要請から重要であり、また、脱エステル化
反応に用いる場合には着色など品質上の要請から重要で
ある。
【0027】単量体除去の程度は、少なくとも0.1%
以下にすることが必要であり、更に少ないほど望まし
い。
【0028】単量体を除去し終えた円筒平底容器中の重
合体は溶媒を加えて重合体溶液とするほか、該容器から
取り出し冷却固化することもできる。重合体溶液とする
場合は任意の濃度にすることができ、また溶媒の種類も
任意に選択することができる。例えば、重合時に使用し
た溶媒とは異なる溶媒とすることや2以上の混合溶媒と
することが可能である。このことは従来の追出蒸留塔方
式などでは達成できない本発明の特徴である。
【0029】これらの溶媒としては、メタノール、エタ
ノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケ
トンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエ
ステル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
類;ジオキサンなどのエーテル類;水等の単独或いは2
種以上の併用が含まれる。
【0030】重合体溶液は、けん化、エステル交換、ア
セタール化などの原料とすることができるほか、接着剤
などの製品あるいは原料とすることができる。冷却固化
物は、接着剤やガムなどの製品或いは原料とすることが
できる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の具体的態様を実施例により説
明するが、本発明はこの実施例の記載に限定されるもの
ではない。なお、下記の例において、単量体量の分析
は、JIS K6725(ポリ酢酸ビニル試験方法)に
準拠した方法で行った。
【0032】〔実施例1〕図1〜4の装置の円筒平底容
器に平均重合度800のポリ酢酸ビニル600重量部、
メタノール200重量部、酢酸ビニル200重量部を仕
込み、二本の枠型ブレードの回転数を公転50rpm、
自転125rpmに設定して溶解した。次に円筒平底容
器のジャケットに160℃に調整した熱媒を循環させ昇
温した。内温は急速に上昇し、昇温開始15分後には1
17℃に達し、30分後には150℃に達し、殆ど留出
しなくなった。すでにポリ酢酸ビニルは溶液状態から高
粘度の溶融状態となっていたが、かき混ぜ状態は良好で
あった。以降もこの状態は継続し、ポリ酢酸ビニルの溶
融物に含まれる単量体の除去は順調になされた。蒸発し
たメタノールと酢酸ビニルは上部フードにあるノズルか
ら系外に排出させ、コンデンサーで凝縮し、回収除去し
た。単量体除去の経時変化を定期的にサンプリング分析
して求めた。その結果を図5に示した。
【0033】〔実施例2〕仕込みを平均重合度300の
ポリ酢酸ビニル600重量部、メタノール300重量
部、酢酸ビニル100重量部とした以外は実施例1と同
様に行った。平均重合度が低いため溶融物のかき混ぜ状
態は更に良好であった。単量体除去の経時変化を図5に
示した。
【0034】〔比較例1〕実施例の装置を図6に示す錨
型の撹拌翼とジャケットを備えた円筒型鏡底のステンレ
ス製槽に代え、実施例1と同様に平均重合度800のポ
リ酢酸ビニル600重量部、メタノール200重量部、
酢酸ビニル200重量部を仕込み、125rpmの速度
で溶解した。次にジャケットに160℃に調整した熱媒
を循環させ昇温した。内温は急速に上昇し、昇温開始1
5分後には80℃に達したが、内容物全体が錨型の撹拌
翼に絡まり、共廻り状態になり、かき混ぜ状態は不良で
あった。30分後には142℃に達したが、内容物は高
粘度の溶融状態となり、器壁に沿って付着して殆どかき
混ぜられず、かき混ぜ状態は不良であった。以降もこの
状態は継続し、ポリ酢酸ビニルの溶融物に含まれる単量
体の除去性は低下し、1時間目以降は殆ど減少しなかっ
た。単量体除去の経時変化を実施例と共に図5に示し
た。
【0035】なお、図6において、aは容器、bはジャ
ケット、cは撹拌翼を示す。
【0036】〔比較例2〕比較例1と同じ装置を用い、
実施例1と同様に平均重合度800のポリ酢酸ビニル6
00重量部、メタノール200重量部、酢酸ビニル20
0重量部を仕込み、160rpmの速度で溶解した。次
にジャケットを80℃に設定して昇温し、メタノールを
排出されるメタノールの留出量に見合うように時間当た
り200重量部追加しながらメタノールと酢酸ビニルを
系外に排出させ、コンデンサーで凝縮し、回収除去し
た。この方法では追加した溶媒と共に単量体が蒸発除去
されるが、重合体溶液の濃度には変化がないため、かき
混ぜ状態は良好に維持されたが、単量体の除去には長時
間を要し、また多量の留出液が発生した。単量体除去の
経時変化を実施例とともに図5に示した。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、単量体を含有する重合
体組成物から単量体を殆ど含まない重合体を効率的かつ
経済的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の一実施例を示す側面図である。
【図2】枠型ブレードを示し、(A)は正面図、(B)
は側面図である。
【図3】枠型ブレードの遊星運動を説明する円筒平底容
器の平面図である。
【図4】遊星機構を説明する断面図である。
【図5】実施例及び比較例における単量体除去方法での
単量体除去量の経時変化を示すグラフである。
【図6】比較例で用いた装置の側面図である。
【符号の説明】
1 円筒平底容器 4 加熱ジャケット 5 枠型ブレード

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未反応単量体を含有するビニルエステル
    系重合体組成物から上記未反応単量体を除去する方法に
    おいて、上記ビニルエステル系重合体組成物を加熱下に
    おいて自転かつ公転する複数個の枠型ブレードにより撹
    拌して、上記重合体組成物中の未反応単量体を蒸発除去
    することを特徴とするビニルエステル系重合体組成物か
    らの単量体除去方法。
  2. 【請求項2】 ビニルエステル系重合体組成物の加熱温
    度がこのビニルエステル系重合体の軟化点以上である請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ビニルエステル系重合体がポリ酢酸ビニ
    ル又はポリ酢酸ビニルを主体とする共重合体である請求
    項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 未反応単量体を含有するビニルエステル
    系重合体組成物が入れられ、加熱用ジャケットが付設さ
    れた円筒平底容器と、この容器内に自転かつ公転可能に
    配設され、上記重合体組成物を撹拌する複数の枠型ブレ
    ードとを具備したことを特徴とするビニルエステル系重
    合体組成物からの単量体除去装置。
  5. 【請求項5】 枠型ブレードの数が2又は3個であり、
    かつこれらブレードが、その自転かつ公転時に各ブレー
    ド及び上記容器内周壁に付着した重合体組成物を掻き落
    し可能な間隔を持って互いに離間して配設された請求項
    4記載の装置。
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