JPH0971338A - 紙葉類繰出し調整機構 - Google Patents

紙葉類繰出し調整機構

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JPH0971338A
JPH0971338A JP22799495A JP22799495A JPH0971338A JP H0971338 A JPH0971338 A JP H0971338A JP 22799495 A JP22799495 A JP 22799495A JP 22799495 A JP22799495 A JP 22799495A JP H0971338 A JPH0971338 A JP H0971338A
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roller
state
feed roller
gate
control
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JP22799495A
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English (en)
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Masayasu Sato
正康 佐藤
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機構部材の劣化の状態や制御範囲の限界を推
論・判断してタイムリーな保守点検を実行し、長期に渡
り安定な搬送性能を実現することを目的とする。 【構成】 紙葉類2を繰出すフィードローラ5と、これ
に対向し、紙葉類2の複数枚繰出しを防止するゲートロ
ーラ6とを有し、紙葉類2を分離してフィードローラ5
とゲートローラ6とのすきまから順に繰出す紙葉類繰出
し機構の繰出しを調整する紙葉類繰出し調整機構におい
て、各フィードローラ5とゲートローラ6の対毎に対向
状態を調整する対向状態調整手段30、31と、紙葉類
2の搬送状態を検知する搬送状態検知手段12、13
と、この出力に基づき、通過紙葉類2の搬送状態の平均
値や標準偏差値等を算出する統計処理部16と、該統計
処理部16の出力をもとに制御信号を生成して対向状態
調整手段30、31を動作・調整する制御部32と、そ
の制御信号を累積する制御信号累積部34と、累積結果
をもとに機構部材の劣化の度合いや、調整範囲の限界等
を判断・評価する評価部35と、評価結果を表示する表
示部36を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金融機関等で利用さ
れ、紙幣や紙葉類を1枚ずつ繰出し、走行させながらそ
の通過枚数、真偽および金種等を検出するための複数の
光学センサおよび磁気センサを備えた紙幣自動取扱い装
置に用いられる紙葉類繰出し調整機構に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、銀行等の金融機関の窓口業務合理
化のため自動入金機や自動出金機あるいは自動入出金機
(以下、これらの機器を総称して紙幣自動取扱い装置と
呼ぶ。)が使用されている。
【0003】一般に、紙幣自動取扱い装置は、紙幣を1
枚ずつ分離し、繰出す紙幣繰出し機構と、繰出された紙
幣を、ベルトやローラ等で所定の場所へ搬送する紙幣搬
送系と、搬送中の紙幣の通過枚数、真偽および金種等を
認識判別するために不可欠な情報である光学的パター
ン、磁気量パターンを検出する複数のセンサが配置され
ている紙幣認識部と、認識部で正規紙幣と判断された紙
幣を金種毎に保管しておく紙幣収納部と、正規紙幣と判
断されずリジェクトされた紙幣を保管しておくリジェク
トプールとを備えている。
【0004】紙幣自動取扱い装置においては、従来よ
り、高速で、正確に紙幣の真偽、金種、枚数、折れ曲が
り状態等を判別でき、しかも紙幣が途中で折れ曲がった
り、破損したりせず、紙づまりによる機能の停止がない
高信頼、高安定で、小型、低価格の装置が要求されてい
る。
【0005】特に、金融機関における営業時間(運用時
間)の延長、完全週休2日制の実施等による休日運用や
無人化運用にともない故障による機能停止ができるだけ
少ない高安定、高信頼な装置が望まれている。このよう
な紙幣自動取扱い装置の紙幣処理能力や安定性は、紙幣
の分離、搬送状態に大きく左右される。
【0006】紙幣の分離搬送には、一般に、紙幣の集積
体をばね力により紙幣集積板を介してピックアップロー
ラおよびフィードローラに押圧し、このピックアップロ
ーラおよびフィードローラを回転させることによりロー
ラと紙幣表面の摩擦を利用して紙幣を1枚ずつ順にフィ
ードローラとフィードローラに対設して設けたゲートロ
ーラとのすきまから繰出すように構成した、いわゆる摩
擦分離型紙幣繰出し機構が用いられているが、すきまの
ばらつきや、環境変化、経年変化によりすきまが変化す
ると、積載された紙幣を分離搬送する際に、紙幣が斜め
に送られたり(以下、斜行あるいはスキューと記
す。)、紙幣の搬送間隔(以下、繰出しピッチと記
す。)が極端に狭まったり、拡がったり、あるいは一度
に複数枚の紙幣が繰出されたり(以下、重走と記す。)
することがある。
【0007】紙幣がスキューしたままで搬送されると、
スキューした紙幣のかどが搬送中に装置筐体と接触した
り、搬送系内の分岐点を通過する際に、紙幣のかどが搬
送ローラやベルトに異常に衝突したりしてスキュー量が
増大したり、紙幣が折れ曲がったり、さらには破損した
りすることがあるため、紙づまりが発生しやすくなる。
【0008】また、繰出しピッチの異常は、紙幣処理速
度に大きな影響を与えるし、重走が起こった場合には、
搬送経路内のゲート部や分岐点等で紙づまりが非常に発
生しやすくなる。このため、紙幣認識精度の低下、ある
いは認識不能さらには搬送経路内での紙づまりによる機
能停止が起こりやすくなる。
【0009】そこで、紙幣のスキューや繰出しピッチ異
常、重走の発生を抑圧するために、すきまを左右独立に
調整する機構を設けた紙幣繰出し機構が主流となってい
る。このような調整機構を有した紙幣繰出し機構として
は、例えば、特公平2−46993で提案されているも
のがある。
【0010】この従来の紙幣繰出し機構は、紙幣が送り
出される搬送路の幅方向に対して間隔をもって設けら
れ、紙幣に対して抵抗を与える少なくとも一対の抵抗ロ
ーラ(例えば、フィードローラとゲートローラ)と、こ
の抵抗ローラの抵抗(例えば、フィードローラとゲート
ローラ間のすきま量あるいはフィードローラとゲートロ
ーラの圧接力)をそれぞれ調整して、紙幣のスキューお
よび繰出しピッチを補正する補正機構を有する紙幣自動
取扱い装置において、通常の現金処理を行うための現金
処理モードと抵抗ローラの調整を行うための調整モード
とを切り換えるモード切替えスイッチと、搬送路の幅方
向に対して間隔をもって設けられ、紙幣の通過の有無を
検知する複数の検知器と、これら検知器の出力信号に基
づいて紙幣の搬送状態を検知し、紙幣の搬送状態に関す
るデータを出力する判別部と前記モード切替えスイッチ
が調整モードを選択している時に、所定枚数の紙幣を搬
送路上に搬送させて、前記判別部から出力されたデータ
を予め設定しておいた基準データと比較することによ
り、紙幣の搬送状態を判断するとともに、その判断結果
を表示部に表示させる制御部とを設けたもので、これに
より、判別部において、検知器からの出力信号に基づき
紙幣の搬送状態、例えば、各紙幣のスキュー量、繰出し
ピッチ等が判別され、さらに、制御部において、判別部
から出力された搬送状態に関するデータを基準データと
比較することにより、スキューの有無、繰出しピッチの
良否等の情報が表示部に表示されるので、操作者が表示
部に表示された情報を参照することによって、補正装置
を操作して紙幣に対して抵抗を与える抵抗ローラの調整
を行おうというものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の従来の紙幣繰出し機構は、紙幣繰出しピッチやスキ
ューのデータが表示されても、結局は手動で調整を行う
ためそのデータをもとに抵抗ローラの調整を最適に行う
のは非常に難しく、
【0012】個人差により調整にばらつきが生じるた
め、装置毎に安定性、信頼性がばらつく。 調整は熟練者の経験や勘に頼るところが多く、しかも
熟練者でさえ何回もの試行錯誤を行わないと良好な調整
が行えないため、作業がたいへん煩わしく、効率が悪
い。等の問題と、 経年変化により機構部材は劣化するが、劣化により低
下した機構部材の特性を調整機構により補正することに
も限界があり、劣化が進み調整機構による調整範囲の限
界を越えた場合には、急激な搬送性能の低下を引き起こ
すため、安定な搬送性能を維持するためには、作業者は
このような機構部材の磨耗や汚れ等による特性劣化を常
に確認、把握し、経験や勘を頼りに劣化部材のクリーニ
ング時期や交換、補修時期を推測しなければならない
が、これらの作業には熟練を要し、なかなかタイムリー
な保守調整を行うことは難しかった。等の問題点があっ
た。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転して紙葉
類を繰出すピックアップローラと、このピックアップロ
ーラによって繰出された紙葉類をさらに搬送路へ繰出す
フィードローラと、ピックアップローラに紙葉類の集積
体を押圧する紙葉類集積板と、フィードローラに対向し
て配置され、紙葉類の複数枚繰出しを防止するゲートロ
ーラとから成り、紙葉類を1枚ずつ分離してフィードロ
ーラとゲートローラとのすきまから順に繰出す紙葉類繰
出し機構の繰出しを調整する紙葉類繰出し調整機構にお
いて、フィードローラとゲートローラとの対向状態を各
フィードローラとゲートローラの対毎に調整する対向状
態調整手段と、繰出された紙葉類の搬送状態を検知する
搬送状態検知手段と、この搬送状態検知手段の出力に基
づき、通過紙葉類の搬送状態の平均値や標準偏差値等を
算出する統計処理部と、この統計処理部からの出力をも
とに制御信号を生成して前記対向状態調整手段を動作さ
せて常に良好な搬送特性を維持する制御部と、この制御
部から対向状態調整手段に出力される制御信号を累積す
る制御信号累積部と、累積結果をもとにフィードローラ
やゲートローラ等の機構部材の経年変化による劣化の度
合いや、対向状態調整手段の調整範囲の限界等を判断・
評価する評価部と、この評価結果を表示する表示部を設
けたことを特徴としている。
【0014】
【作用】ピックアップローラによって繰出された紙葉類
は、さらにフィードローラとゲートローラとの間を通っ
て1枚ずつ順に搬送路へと繰出される。制御部は、制御
信号を生成して対向状態調整手段を作動させることによ
り、フィードローラとゲートローラとの対向状態を自動
的に調整して常に良好な搬送状態を維持する。
【0015】その制御部からの制御信号を制御信号累積
部が累積し、評価部は、この累積結果をもとにフィード
ローラやゲートローラ等の機構部材の経年変化による劣
化の度合いや、対向状態調整手段の調整範囲の限界等を
判断・評価し、表示部がこの評価結果を表示する。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を図を用いて説明す
る。図1は実施例を示す概略構成図である。図2は図1
のAの方向から見た概略構成図であり、図1と同じ構成
要素には同一番号が付してあるが、同じものが左右1つ
ずつある場合には、区別するためaとbの記号をさらに
付した。なお、図中のS1 〜S8 は信号を示している。
【0017】図1および図2において、紙葉類集積板で
ある紙幣集積板1上に集積された紙幣2は、第1のばね
3によりピックアップローラ4に押圧されている。紙幣
2が繰出される方向にはフィードローラ5a、5bが設
けられ、このフィードローラ5a、5bに対向してゲー
トローラ6a、6bが設けられている。このゲートロー
ラ6a、6bは、反繰出し方向に回動を許容する図示し
ない一方向クラッチを介してアーム7a、7bにそれぞ
れ軸支持されており、また、アーム7a、7bは軸8
a、8bに枢着して、揺動可能に設けられている。
【0018】アーム7a、7bの下部には、フィードロ
ーラ5aとゲートローラ6a、フィードローラ5bとゲ
ートローラ6bとの対向状態(すきま量あるいは圧接
力、以下本文ではすきま量として説明を行う)を調整す
るためのすきま量調整用モータ30a、30bが設けて
あり、このすきま量調整用モータ30a、30bのモー
タシャフト31a、31bの先端は、アーム7a、7b
の下面にそれぞれ接するようにしてある。
【0019】さらに、アーム7a、7bは、第2のばね
11(11a、11b)ですきま量調整用モータ30
a、30b側に付勢されている。紙幣が送り出される搬
送路中には、搬送路の幅方向に対して間隔をおいて発光
素子12a、12bが設けられ、それぞれの発光素子1
2a、12bに対向して受光素子13a、13bが同様
に搬送路の幅方向に対して間隔をおいて設けられてい
る。発光素子12aと受光素子13a、発光素子12b
と受光素子13bは、搬送状態検知手段を構成してい
る。
【0020】受光素子13aは信号処理回路14aに、
さらに信号処理回路14aはデータ処理部15に接続さ
れており、受光素子13bは信号処理回路14bに、さ
らに信号処理回路14bはデータ処理部15にそれぞれ
接続されている。データ処理部15は統計処理部16を
介して制御部32に接続されている。制御部32はモー
タ駆動回路33aを介してすきま量調整用モータ30a
に、さらにモータ駆動回路33bを介してすきま量調整
用モータ30bにそれぞれ接続されている。
【0021】また、制御部32は制御信号累積部34
a、評価部35aを介して表示部36aに、制御信号累
積部34b、評価部35bを介して表示部36bにそれ
ぞれ接続されている。制御信号累積部34a、34bに
は制御信号の累積値をリセットするか/累積するかを切
り換えるカウント/リセット信号が接続されている。
【0022】以下、本実施例の動作を詳細に説明する。
紙幣集積板1上に集積された紙幣2は第1のばね3によ
りピックアップローラ4に押圧されている。ピックアッ
プローラ4が回転すると、ピックアップローラ4の表面
部材と紙幣表面の摩擦力により紙幣2が分離され繰出さ
れる。
【0023】紙幣2が繰出される方向には、紙幣2を搬
送路に繰出すためのフィードローラ5a、5bが設けら
れ、このフィードローラ5a、5bに対向して同時複数
枚繰出しを防止するためのゲートローラ6a、6bが設
けられている。紙幣2はフィードローラ5a、5bとゲ
ートローラ6a、6bで構成されるすきまを通って搬送
路に繰出される。フィードローラ5a、5bとゲートロ
ーラ6a、6bで構成されるすきまの状態は部品のばら
つきや組立誤差、経年変化等によりばらつき、変動し、
紙幣の搬送特性に影響を及ぼす。このためフィードロー
ラ5aとゲートローラ6aのすきまXa 、フィードロー
ラ5bとゲートローラ6bのすきまXbをそれぞれ独立
に調整できる機構が設けられている。
【0024】本実施例においては、すきま調整機構にす
きま量調整用モータ30a、30bを設けている。すき
ま量調整用モータ30a、30bのそれぞれのモータシ
ャフト31a、31bの先端は、第2のばね11(11
a、11b)ですきま量調整用モータ30a、30b側
に付勢されているアーム7a、7bの下面にそれぞれ接
するようにしてある。
【0025】すきま量調整用モータ30a、30bは、
例えばリニアステッピングモータであり、駆動信号によ
りモータシャフト31a、31bの先端が上下に移動す
るためアーム7a、7bは軸8a、8bを中心に上下に
揺動する。このためアーム7a、7bにそれぞれ回転可
能に軸支持されているゲートローラ6a、6bの位置を
調整できるためフィードローラ5aとゲートローラ6a
のすきまXa とフィードローラ5bとゲートローラ6b
のすきまXb を独立に調整できる。
【0026】紙幣2が送り出される搬送路中には、搬送
路の幅方向に対して間隔をおいて発光素子12a、12
bが設けられ、それぞれの発光素子12a、12bに対
向して受光素子13a、13bが同様に搬送路の幅方向
に対して間隔をおいて設けられている。受光素子13a
からの信号S1aは、信号処理回路14aで処理され信号
2aとしてデータ処理部15に入力される。同様に、受
光素子13bからの信号S1bは、信号処理回路14bで
処理され信号S2bとしてデータ処理部15に入力され
る。データ処理部15では信号S2a、S2bから紙幣2の
搬送状態(例えば紙幣繰出しピッチやスキュー等)を算
出し、搬送データS3 として統計処理部16に出力す
る。
【0027】図3は紙幣繰出しピッチとスキューの検出
方法の説明図である。フィードローラ5a、5bとゲー
トローラ6a、6b等で構成されるすきまから繰出され
た紙幣2は、既知の速度vで搬送されていく途中、搬送
経路の中心線に対して左右に等間隔ずつ離して設けられ
た2組の発光、受光素子(12a−13a、12b−1
3b)間を通過する際に、光路を遮る。
【0028】受光素子13a、13bからの信号S1a
1bをそれぞれ処理する信号処理回路14a、14bの
出力信号S2a、S2bは、紙幣2が通過していない時、つ
まり、発光素子12a、12bからの光が遮られず直接
それぞれの受光素子13a、13bに入射する時はLレ
ベル(例えば、0V)を示し、搬送紙幣により受光素子
13a、13bへの光が遮られているときは、Hレベル
(例えば、5V)を示すようになっている。
【0029】紙幣2が斜行(スキュー)なく搬送されて
いれば、2組の発光、受光素子の光路が紙幣2によって
遮られるのは同時であるが、紙幣が右先行か左先行にス
キューして搬送されていると、左右の発光、受光素子の
光路が紙幣によって遮られるのに時間差が発生する。
【0030】例えば、紙幣がスキューし、左先行で搬送
されていると、左側の発光、受光素子(12a−13
a)の光路の方が、右側の発光受光素子(12b−13
b)の光路よりも早く搬送紙幣によって遮光されるた
め、信号処理回路14aの出力S 2aが、先ずL→Hに変
わり、次に信号処理回路14bの出力S2bがL→Hに変
わり、紙幣が通過し終わる時は、左側の発光、受光素子
(12a−13a)の方が、やはり、先に紙幣により遮
光されなくなるため、信号処理回路14aの出力S 2a
H→Lに変わり、次に信号処理回路14bの出力S2b
H→Lに変わる。逆に、右先行で紙幣が搬送されれば、
右側の発光、受光素子(12b−13b)の光路の方
が、左側の光路(12a−13a)より先に遮光される
ため、先ず信号処理回路14bの出力S2bがL→Hに変
わり、続いて、左側の光路(12a−13a)が遮光さ
れると、信号処理回路14aの出力S2aがL→Hに変わ
る。また、紙幣が通過し終わる時は、右側の発光、受光
素子(12b−13b)の光路の方が左側の発光、受光
素子(12a−13a)の光路よりも先に、遮光されな
くなるため、まず先に、信号処理回路14bの出力S2b
が先にH→Lに変わり、次に、信号処理回路14aの出
力S2aがH→Lに変わる。
【0031】図3の(a)は先頭の紙幣2Aが左にスキ
ュー(左先行)し、次の紙幣2Bが右にスキュー(右先
行)して2組の発光、受光素子間を通過して行った様子
を示し、図3の(b)はその時の信号処理回路14a、
14bからのそれぞれの出力信号S2a、S2bの時系列波
形である。紙幣2A〜2Cは、速度vで、例えば、図3
に示すように図の右から左に搬送されており、その中の
紙幣2A、2Bは、すでに、発光、受光素子(12a−
13a、12b−13b)間を通過したものである。
【0032】また、発光、受光素子は、搬送経路の中心
線に対して、左右等間隔に離してあり、左右の発光素子
(12a−12b)あるいは受光素子(13a−13
b)同士の間隔は既知でd(mm)である。紙幣が左右
どちらにスキューしているかは、信号S2a、S2bのどち
らが先にL→Hに変わるかで判断できる。例えば、図3
の(b)においては、最初は、信号S2aの立ち上がりが
信号S2bより早く、次は、信号S2bの立ち上がりの方が
信号S2aの立ち上がりよりはやいため最初の紙幣2A
は、左先行で搬送されており、次に通過した紙幣2B
は、右先行で搬送されていたことが分かる。
【0033】また、紙幣搬送速度vは一定であるため、
スキュー量と左右の発光、受光素子が遮光される時間差
は比例関係にあるので、信号S2aのL→H立ち上がりと
信号S2bのL→Hへの立ち上がりの時間差Δt(se
c)と、搬送速度v(m/sec)と、右側の受光素子
13aと左側の受光素子13b(あるいは発光素子12
aと12b)の間隔d(mm)より、スキュー量θ
(°)は、θ=tan-1{(Δt×v)/d} で求
まる。また、紙幣繰出しピッチP(sec)は、信号S
2aとS2bのNAND信号ΔT(sec)である。
【0034】このように、信号処理回路14a、14b
からの信号S2a、S2bから紙幣繰出しピッチやスキュー
方向、スキュー量を求めるのがデータ処理部15であ
る。データ処理部15では、通過紙幣1枚毎の紙幣繰出
しピッチおよびスキューを算出し、次段の統計処理部1
6に出力する。統計処理部16では、データ処理部15
から出力される通過紙幣の紙幣繰出しピッチデータおよ
びスキューデータを蓄積し、データの個数(通過紙幣枚
数)Nが、ある値(例えば、1000個あるいは100
00個)以上になると、このN個のデータから紙幣繰出
しピッチの平均値および標準偏差とスキューの平均値お
よび標準偏差値をそれぞれ算出し、統計データS4 とし
て制御部32に出力する。
【0035】制御部32では通過紙幣の紙幣繰出しピッ
チの平均値および標準偏差値とスキューの平均値および
標準偏差値信号S4 をもとに紙幣の搬送状態が最適にな
るように、つまり紙幣繰出しピッチが設定値通りで、ス
キュー、重走の発生のないようにすきまXa とXb を最
適状態にするためにすきま量調整用モータ30a、30
bを駆動する制御信号S5a、S5bをそれぞれ生成する。
制御部32ですきま調整用モータ30aと30bへの制
御信号S5a、S5bを生成する方法は色々あるが、ここで
は一例としてファジィ制御を用いた方法について説明す
る。
【0036】制御部32では、統計処理部16から出力
される繰出しピッチの平均値と標準偏差値およびスキュ
ーの平均値、標準偏差値が、目標値からどの程度離れて
いるか、例えば、通過紙幣のスキューの平均値が目標値
とほぼ同じなのか、少し右(あるいは、左)にスキュー
しているのか、中ぐらい右(あるいは、左)にスキュー
しているのか、それとも、大きく右(あるいは、左)に
スキューしているのか、さらに、繰出しピッチの平均値
が目標値からどのくらいずれているか、例えば、目標値
とほぼ同じなのか、それとも目標値より長いのか(ある
いは、短いのか)、そして、その程度は、少しなのか、
中ぐらいなのか、大きいのかを判断し、スキューや紙幣
繰出しピッチの平均値が目標値に近づく様に、フィード
ローラ5a、5bとゲートローラ6a、6bで構成され
ている左右のすきまを調整するためのすきま量調整用モ
ータ30a、30bを駆動させるための制御量をファジ
ィ推論(例えば、Min−Max−重心法)により求
め、それぞれのモータ駆動回路33a、33bに出力す
る。
【0037】制御部32でファジィ制御を用いた場合の
処理手順を図を用いて説明する。図4は、ファジィ演算
で用いるメンバーシップ関数の1例である。この図の
(a)、(b)は前件部の2つのファジィ変数に対応す
るメンバーシップ関数であり、(a)は、例えば、紙幣
繰出しピッチ(Psec)に対応するものであり、
(b)は、スキュー(θ°)に対応するものである。
【0038】さらに同図(c)は、後件部のすきま量調
整用モータ30a、30bへの制御量に対するメンバー
シップ関数を示している。ここに、示しているメンバー
シップ関数は、一例であり、例えば、スキューに関して
は、同図(d)で示すようなメンバーシップ関数を用い
ても構わない。また、メンバーシップ関数の形状もここ
で用いた(三角形+S字型)形状のものだけでなく、釣
鐘型や台形型等の他の任意の形状のものを用いても構わ
ない。
【0039】なお、本説明では、前件部のメンバーシッ
プ関数を2つ示しているが、前件部のファジィ変数が増
えれば、メンバーシップ関数もその分増える。図4のそ
れぞれにおいて、縦軸は、メンバーシップ値を示し、横
軸はファジィ変数値を示している。つまり、本説明で
は、図4の(a)の横軸は、紙幣繰出しピッチ(Pse
c)、(b)の横軸はスキュー量(θ°)、(c)の横
軸は、すきま量調整用モータ30への制御量(S5 )で
ある。
【0040】また、NL、NM、・・・、PLはラベル
であり、各ラベルは、 〔紙幣繰出しピッチ(P)については、〕 NL:紙幣繰出しピッチが目標値よりかなり 短い。 NM:紙幣繰出しピッチが目標値より中程度に短い。 NS:紙幣繰出しピッチが目標値より少し 短い。 ZR:紙幣繰出しピッチが目標値とほとんど同じであ
る。 PS:紙幣繰出しピッチが目標値より少し 長い。 PM:紙幣繰出しピッチが目標値より中程度に長い。 PL:紙幣繰出しピッチが目標値よりかなり 長い。
【0041】〔スキュー(θ)については〕 NL:左に大きくスキューしている。 NM:左に中程度にスキューしている。 NS:左に少しスキューしている。 ZR:ほとんどスキューしていない。 PS:右に少しスキューしている。 PM:右に中程度にスキューしている。 PL:右に大きくスキューしている。
【0042】〔すきま量調整用モータへの制御量
(S5 )については、〕 NL:すきまが大きく狭まる方向にモータを駆動する。 NM:すきまが中程度に狭まる方向にモータを駆動す
る。 NS:すきまが少し狭まる方向にモータを駆動する。 ZR:モータをほとんど動かさない。 PS:すきまが少し拡がる方向にモータを駆動する。 PM:すきまが中程度に拡がる方向にモータを駆動す
る。 PL:すきまが大きく拡がる方向にモータを駆動する。
【0043】このようなメンバーシップ関数をもとに、
制御部32では、例えば以下の様に設定される制御ルー
ルを用いて推論が行われる。 (ルール1) もし(if) 紙幣繰出しピッチが目標値よりかなり長くなっており(P=PL)、 かつ(and)左に大きくスキューして搬送されている(θ=NL)。 ならば(then)、 調整用モータ30aは、ほとんど動かさず(S5a=ZR)、 調整用モータ30bは、大きく正方向に動かす(S5b=PL)。
【0044】 (ルール2) if P=PM and θ=NM then S5a=ZR S5b=PM
【0045】 (ルール3) if P=NS and θ=NS then S5a=NS S5b=ZR ・ ・ ・ ・
【0046】上記メンバーシップ関数と制御ルールを用
いて制御部32での演算処理をさらに図5、図6を用い
て説明する。ここで、統計処理部16から出力される紙
幣繰出しピッチの平均値をPm スキューの平均値をθm
とし、前件部の紙幣繰出しピッチに対応するメンバーシ
ップ関数をfi (P)、スキューに対応するメンバーシ
ップ関数をgi (θ)とし、後件部のすきま量調整用モ
ータの制御量に対応するメンバーシップ関数をhi (S
5 )とする。
【0047】また、i=1、2、3、・・・、7で、ラ
ベルのNL、NM、NS、・・・、PLに順に対応して
いる。つまり、前件部の紙幣繰出しピッチに対応するメ
ンバーシップ関数のNLはf 1 (P)、NMはf
2 (P)、・・・、PLはf7 (P)で表し、スキュー
に対応するメンバーシップ関数のNLはg1 (θ)、N
Mはg2 (θ)、・・・、PLはg7 (θ)で表す。後
件部に関しても同様である。
【0048】(ファジィ演算手順) (1)先ず、ルール1での出力を求める。 a)ルール1は、if P=PL and θ=NL then
5b=PLであるから、実際に、P=Pm 、θ=θm
入力された時の値(適合度)をそれぞれα1 、β1 とす
ると、α1 =f7 (Pm )、β1 =g1 (θm )、で求
まる。 b)適合度α1 、β1 を比較し、小さいほうの値で後件
部のh7 (S5 )を頭切りする。本説明では図5に示す
ようにα1 <β1 なのでα1 の値で後件部のh
7 (S5 )を頭切りし、同図の斜線部で示すような台形
部C1 を得る。
【0049】(2)ルール2での出力を求める。 a)ルール2は、if P=PM and θ=NM then
5b=PMであるから、α2 =f6 (Pm )、β2 =g
2 (θm )で求まる。 b)今度は、α2 >β2 なので、β2 の値で後件部h6
(S5 )を頭切りし、台形部C2 を得る。
【0050】(3)この各操作を各ルールに対して行
い、各ルール毎に出力された台形部を論理和し、その論
理和した部分(図6)の重心(記号G)を推論の確定値
として出力する。この方法は、Min−Max−重心法
と呼ばれている。
【0051】なお、本説明では、すきま量調整用モータ
30bへの制御量を求める手順のみを示したが、すきま
量調整用モータ30aに対する出力も同様の手順で求ま
る。このようにして求められた制御量は、制御信号
5a、S5bとしてモータ駆動回路33a、33bにそれ
ぞれ出力される。
【0052】モータ駆動回路33a、33bでは制御部
32で計算された制御信号S5a、S 5bをもとに駆動信号
6a、S6bを生成し、それぞれのすきま量調整用モータ
30a、30bに出力する。すきま量調整用モータ30
a、30bは例えばリニアステッピングモータであるた
め、それぞれのモータシャフト31a、31bの先端位
置を制御信号S5a、S5bにより制御できる。
【0053】例えば、前述した(ルール1)の場合は、
すきま量調整用モータ30aのモータシャフト31a
は、ほとんど動かないような制御信号S5aが、そしてす
きま量調整用モータ30bのモータシャフト31bの先
端が大きく下方向に移動するような制御信号S5bが出力
される。このモータシャフト31a、31bの動きによ
り第2のばね11(11a、11b)ですきま量調整用
モータ30a、30b側に付勢されているアーム7a、
7bはそれぞれ、アーム7aは現状態保持、アーム7b
は軸8bを中心に大きく下方向に揺動することになる。
【0054】このため、アーム7a、7bに回転可能に
軸支持されているゲートローラ6a、6bの位置は、ゲ
ートローラ6aは現状態保持、ゲートローラ6bはフィ
ードローラ5bとの間隔が大きく拡がるように下方向に
移動する。こうして通過紙幣2の搬送状態を検出し、統
計処理し、統計処理結果をもとにファジィ制御でフィー
ドローラ5aとゲートローラ6aのすきまXa 、フィー
ドローラ5bとゲートローラ6bのすきまXb が常に最
適状態になるように調整される。
【0055】ところで紙幣の処理枚数が増加して行くに
従って、紙粉や印刷インク等で各ローラ表面は汚れ、さ
らには紙幣との摩擦で磨耗してローラ表面の摩擦係数は
徐々に低下していく。このような経年変化に対しても通
過紙幣の搬送状態を検出し、常に通過紙幣の搬送状態が
目標範囲以内に入るようにすきま量調整用モータ30
a、30bを駆動することにより左右のすきまXa 、X
b が自動調整されるが、経年変化が極度に進み、ローラ
表面の磨耗、劣化が著しい場合は制御では補正しきれな
い状態になり、一気に媒体搬送特性が悪化し、装置の性
能を急激に劣化させる。
【0056】このため制御部32に接続されている制御
信号累積部34a、34bからの、制御信号S5a、S5b
の累積値S7a、S7bをもとに、評価部35a、35bで
すきま量調整用モータ30a、30bがどの様に駆動さ
れたか、モータシャフト31a、31bがどの位置にあ
るか、フィードローラ5(a、b)とゲートローラ6
(a、b)の摩擦部材の劣化、磨耗がどの程度進んでい
るか判断・評価し、制御だけでは補正しきれなくなる前
に情報を表示部36a、36bに表示する。
【0057】この動作をもう少し詳しく説明する。制御
信号累積部34a、34bはカウント/リセット信号に
より制御部32から出力される制御信号S5a、S5bを累
積するカウントモードとその累積値S7a、S7bをクリア
するリセットモードに切り換えられる。
【0058】装置を調整し、稼働させるときには、作業
者は制御信号累積部34a、34bをカウントモードに
しておく。装置は稼働中は、前述したように通過紙幣2
の搬送状態を検出し、その搬送データを統計処理し、統
計処理結果をもとに制御部32ですきまXa 、Xb が常
に最適状態になるようにすきま量調整用モータ30a、
30bを駆動制御するための制御信号S5a、S5bを演算
し、出力する。制御信号累積部34a、34bは制御部
32から出力される制御信号S5a、S5bを累積し、累積
値S7a、S7bを算出し、評価部35a、35bに出力す
る。評価部35a、35bでは累積値S7a、S7bをもと
に、すきま量調整用モータ30a、30bのモータシャ
フト31a、31bの先端位置がどこにあるか判断し、
まだ調整範囲にあるかどうかを判断し、さらにはローラ
等の摩擦部材の摩擦係数の低下を推測し、制御だけでは
紙幣2の搬送状態を補正しきれないかどうかを判断・評
価してその情報を表示部36a、36bにそれぞれ表示
する。作業者は表示部36a、36bに表示された情報
を元に機構部材の交換や清掃を行い、所定の搬送特性が
得られるように保守調整した時点で、カウント/リセッ
ト信号をリセット状態にし、制御信号累積部34a、3
4bに累積された累積値S7a、S7bをクリアする。
【0059】その後装置を稼働させる際に、再び制御信
号累積部34a、34bをカウント状態にし、制御部3
2からの制御信号S5a、S5bを新たに累積して行く。つ
まり、経年変化によりフィードローラ5(a、b)やゲ
ートローラ6(a、b)表面の摩擦係数は徐々に低下し
ていくことになり、摩擦分離方式においてはローラ表面
の摩擦係数が低下すると紙幣の繰出し力が低下し、紙幣
の繰出しピッチが長くなったり、スキューが発生した
り、重走が多発したりして、搬送特性に影響が出てく
る。
【0060】これを補正しようとすきま量調整用モータ
30a、30bが駆動され、ローラが紙幣に対して垂直
な力をより加えるようにすきまXa 、Xb が狭められ
る。経年変化が進み、ローラの摩擦係数がどんどん低下
していくと所定の繰出し力を得るためにすきまXa 、X
b は初期状態よりどんどん狭められていき、すきま
a 、Xb から繰出されるたびに紙幣が損傷を受けた
り、紙詰まりを起こしたりすることになりかねない。
【0061】このため初期調整状態からのすきま量調整
モータ30a、30bへの制御信号S5a、S5bを累積し
ておくことにより、すきまXa 、Xb がまだ調整可能な
範囲なのかそれとも調整不能状態で、制御による補正で
はなく、ローラの交換やローラ表面の清掃が必要なのか
を評価部35a、35bで評価、判断し、その結果を表
示部36a、36bにそれぞれ表示し、機構部材の交換
等の保守の必要性を知らせ、経年変化による機構部材の
劣化に伴う急激な装置性能低下や故障を回避し、長期に
安定な搬送特性を実現する。
【0062】以上のように、本実施例によれば、 手動調整時において発生していた個人差による調整の
ばらつきが全くないため装置間のばらつきがなく、全て
の装置、紙葉類分離搬送機構部に高安定性、高信頼性が
確保できる。 熟練者の経験や勘に頼るところが多く、しかも熟練者
でさえ何回もの試行錯誤を行わないと良好な結果が得ら
れなかった微妙な調整を、全て自動で、しかも短時間で
行えるため大幅な工数削減が可能となる。 経年変化が著しく進んで、自動制御だけでは補正しき
れなくなり急激な搬送性能の低下を引き起こす前に機構
部材の劣化の状態や制御範囲の限界を推論・判断し、知
らせてくれるため、タイムリーな機構部材の保守点検が
行え、長期に渡り安定な搬送特性を実現できる装置を提
供できる。
【0063】また、本実施例の説明では、制御部32で
の処理にファジィ演算を用いた方法により説明したが、
当然のことながら、制御部32でのすきま量調整用モー
タへの制御信号を生成する方法としては、例えば、あら
かじめ左右のすきまの状態と紙幣搬送状態のデータを測
定し、検出された搬送状態データと左右の駆動モータへ
の制御信号を記憶させておき、参照するルックアップテ
ーブル方式等各種方式を用いても構わない。
【0064】ただ、紙幣の分離、搬送時の特性は、環境
変化や経年変化等により変化するため定性的には把握で
きても定量的に把握するのは非常に難しく、制御のため
のモデル化は、現実的にはほとんど不可能であるし、紙
幣等の紙葉類は、温湿度等の環境条件やその流通過程で
の状態の変化等により、特性が一意に決まらないため、
紙葉類の分離、搬送制御を従来の制御方法、例えばPI
D制御等で代表される古典制御理論や状態空間で議論さ
れる現代制御理論の方法を用いて行うことは非常に難し
く、大きな労力を必要とするが、ファジィ理論を用いる
ことにより、装置の物理モデルを求めることなく、特性
を言語表現により記述して処理できるため、比較的容易
に、しかも安定な制御系を実現できる。
【0065】また、本実施例の説明では、ファジィ演算
において、前件部のファジィ変数を紙幣繰出しピッチの
平均値とスキューの平均値の2つとしたが、さらに、そ
れぞれの標準偏差を用いて4つのファジイ変数で処理を
行うことも考えられる。なお、本実施例では、紙幣自動
取引装置に適用した例を説明したが、プリンタ、FA
X、OCR、複写機を始めとする紙葉類等の媒体を分離
搬送する装置に広く適用可能である。
【0066】また、本実施例では、フィードローラとゲ
ートローラの対を2対として説明したが、これは3対以
上としてもよく、あるいは1対としてもよい(1対の場
合には主に繰出しピッチの調整を行うことになる。) さらに、本実施例では、すきま量調整用モータにリニア
ステッピングモータを用いたが、モータの回転を直線運
動に変えるラック&ピニオン機構等の他の方式を用いて
もよい。
【0067】
【発明の効果】以上詳細に説明した本発明によれば、機
構部材等の経年変化が著しく進んで、自動制御だけでは
補正しきれなくなり急激な搬送性能の低下を引き起こす
前に機構部材の劣化の状態や制御範囲の限界を推論・判
断し、知らせてくれるため、タイムリーな機構部材の保
守点検が行え、長期に渡り安定な搬送特性を実現できる
装置を提供できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を示す概略構成図(1)
【図2】実施例を示す概略構成図(2)
【図3】繰出しピッチとスキューの検出方法の説明図
【図4】メンバーシップ関数の一例の説明図
【図5】Min−Max−重心法によるファジイ推論方
法の説明図(1)
【図6】Min−Max−重心法によるファジイ推論方
法の説明図(2)
【符号の説明】
1 紙葉類集積板 2 紙葉類 4 ピックアップローラ 5 フィードローラ 6 ゲートローラ 12、13 搬送状態検知手段 16 統計処理部 30、31 対向状態調整手段 32 制御部 34 制御信号累積部 35 評価部 36 表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G07D 7/00 G06F 15/30 D

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転して紙葉類を繰出すピックアップロ
    ーラと、該ピックアップローラによって繰出された紙葉
    類をさらに搬送路へ繰出すフィードローラと、前記ピッ
    クアップローラに紙葉類の集積体を押圧する紙葉類集積
    板と、前記フィードローラに対向して配置され、紙葉類
    の複数枚繰出しを防止するゲートローラとから成り、紙
    葉類を1枚ずつ分離して前記フィードローラとゲートロ
    ーラとのすきまから順に繰出す紙葉類繰出し機構の繰出
    しを調整する紙葉類繰出し調整機構において、 前記フィードローラとゲートローラとの対向状態を各フ
    ィードローラとゲートローラの対毎に調整する対向状態
    調整手段と、 繰出された紙葉類の搬送状態を検知する搬送状態検知手
    段と、 該搬送状態検知手段の出力に基づき、通過紙葉類の搬送
    状態の平均値や標準偏差値等を算出する統計処理部と、 該統計処理部からの出力をもとに制御信号を生成して前
    記対向状態調整手段を動作させて常に良好な搬送特性を
    維持する制御部と、 該制御部から対向状態調整手段に出力される制御信号を
    累積する制御信号累積部と、 累積結果をもとに前記フィードローラやゲートローラ等
    の機構部材の経年変化による劣化の度合いや、前記対向
    状態調整手段の調整範囲の限界等を判断・評価する評価
    部と、 この評価結果を表示する表示部を設けたことを特徴とす
    る紙葉類繰出し調整機構。
  2. 【請求項2】 請求項1において、搬送状態検知手段か
    ら検知され、統計処理手段で処理される搬送状態の情報
    が通過紙葉類の繰出しピッチとスキューの情報であるこ
    とを特徴とする紙葉類繰出し調整機構。
  3. 【請求項3】 請求項1および請求項2において、対向
    状態調整手段にリニアステッピングモータを用いたこと
    を特徴とする紙葉類繰出し調整機構。
JP22799495A 1995-09-05 1995-09-05 紙葉類繰出し調整機構 Pending JPH0971338A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4553532B2 (ja) * 2001-09-11 2010-09-29 共同印刷株式会社 シート送出装置
WO2017014104A1 (ja) * 2015-07-17 2017-01-26 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置

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JPWO2017014104A1 (ja) * 2015-07-17 2018-04-26 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置

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