JPH097118A - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents
薄膜磁気ヘッドInfo
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- JPH097118A JPH097118A JP17818195A JP17818195A JPH097118A JP H097118 A JPH097118 A JP H097118A JP 17818195 A JP17818195 A JP 17818195A JP 17818195 A JP17818195 A JP 17818195A JP H097118 A JPH097118 A JP H097118A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 製作時における加熱工程を経ても、膜剥離、
基板割れ、磁性膜の磁気特性の劣化等が生じない薄膜磁
気ヘッドを提供する。 【構成】 下部磁気コア3と上部磁気コア16との一端
部に磁気空隙を構成させるための中間磁気コア10と、
他端部の結合磁路11と、前記の結合磁路11の位置を
巻回中心とし、上部,下部の両磁気コア3,16間の空
間を少なくとも含む空間部内に、所定コイルパターンの
コイル14が非磁性の無機絶縁材料薄膜12中に埋設さ
れた状態となるように導電体材料が充填される溝13が
設けられるコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜1
2の材料として、SiO2を主成分とする非磁性の無機
絶縁材料を用い、前記の非磁性の無機絶縁材料薄膜12
以外の非磁性の無機絶縁材料薄膜2,9,15,17と
してはAl2O3を用い、全体の内部応力を小さくし、ま
た薄膜磁気ヘッドの製作時の加熱工程を経ても、膜剥
離、基板割れ、磁性膜の磁気特性の劣化等の問題が生じ
ないようする。
基板割れ、磁性膜の磁気特性の劣化等が生じない薄膜磁
気ヘッドを提供する。 【構成】 下部磁気コア3と上部磁気コア16との一端
部に磁気空隙を構成させるための中間磁気コア10と、
他端部の結合磁路11と、前記の結合磁路11の位置を
巻回中心とし、上部,下部の両磁気コア3,16間の空
間を少なくとも含む空間部内に、所定コイルパターンの
コイル14が非磁性の無機絶縁材料薄膜12中に埋設さ
れた状態となるように導電体材料が充填される溝13が
設けられるコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜1
2の材料として、SiO2を主成分とする非磁性の無機
絶縁材料を用い、前記の非磁性の無機絶縁材料薄膜12
以外の非磁性の無機絶縁材料薄膜2,9,15,17と
してはAl2O3を用い、全体の内部応力を小さくし、ま
た薄膜磁気ヘッドの製作時の加熱工程を経ても、膜剥
離、基板割れ、磁性膜の磁気特性の劣化等の問題が生じ
ないようする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜磁気ヘッドに関す
る。
る。
【0002】
【従来の技術】磁気記録再生方式は、記録媒体に対する
情報信号の記録と、記録媒体からの情報信号の再生とを
極めて容易に行なうことができるために、多くの技術分
野における情報信号の記録再生の手段として広く採用さ
れている。ところで、磁気記録媒体に対する情報信号の
高密度記録化の要望が強まるのに伴い、例えば磁気記録
再生装置の各構成部分の機械精度を上げるとともに、記
録再生に使用される磁気ヘッドとしても、トラック巾の
狭いものが用いられるようになった。前記のように高密
度記録再生に際して、極めて狭い記録跡巾の記録跡とな
るように情報信号を記録したり、記録跡から情報信号を
再生したりするために用いられる磁気ヘッドとしては、
例えばフォトリソグラフィ法や各種の成膜技術を適用し
て、各構成部材相互間の電気的な絶縁が非磁性の無機絶
縁材料薄膜で施されるような状態で、基板上に、下部磁
気コア、非磁性材料の絶縁薄膜、導電材料の薄膜による
コイルパターン、非磁性材料の絶縁薄膜、上部磁気コ
ア、非磁性材料の絶縁薄膜等を順次に積層して作られる
周知構成の薄膜磁気ヘッドが、例えば、固定ディスク駆
動装置(HDD)における浮上型の磁気ヘッドとして、
従来から広く実用されて来ている他、薄膜磁気ヘッドを
VTR用の回転磁気ヘッドとして使用して、記録再生画
像の高品位化、高密度記録再生の実現、等の諸要望を満
たすことができるVTRを構成させようとする試みも行
なわれるようになった。
情報信号の記録と、記録媒体からの情報信号の再生とを
極めて容易に行なうことができるために、多くの技術分
野における情報信号の記録再生の手段として広く採用さ
れている。ところで、磁気記録媒体に対する情報信号の
高密度記録化の要望が強まるのに伴い、例えば磁気記録
再生装置の各構成部分の機械精度を上げるとともに、記
録再生に使用される磁気ヘッドとしても、トラック巾の
狭いものが用いられるようになった。前記のように高密
度記録再生に際して、極めて狭い記録跡巾の記録跡とな
るように情報信号を記録したり、記録跡から情報信号を
再生したりするために用いられる磁気ヘッドとしては、
例えばフォトリソグラフィ法や各種の成膜技術を適用し
て、各構成部材相互間の電気的な絶縁が非磁性の無機絶
縁材料薄膜で施されるような状態で、基板上に、下部磁
気コア、非磁性材料の絶縁薄膜、導電材料の薄膜による
コイルパターン、非磁性材料の絶縁薄膜、上部磁気コ
ア、非磁性材料の絶縁薄膜等を順次に積層して作られる
周知構成の薄膜磁気ヘッドが、例えば、固定ディスク駆
動装置(HDD)における浮上型の磁気ヘッドとして、
従来から広く実用されて来ている他、薄膜磁気ヘッドを
VTR用の回転磁気ヘッドとして使用して、記録再生画
像の高品位化、高密度記録再生の実現、等の諸要望を満
たすことができるVTRを構成させようとする試みも行
なわれるようになった。
【0003】図3の(a)は従来の一般的な誘導型の薄
膜磁気ヘッドの構成例を示す平面図、図3の(b)は、
図3の(a)中のA−A線位置における縦断面図であっ
て、図3において1は基板、2は基板1上に被着させた
非磁性材料の無機絶縁薄膜による下地膜、3は磁性材料
によって形成された下部磁気コア、4は磁気空隙(磁気
ギャップ)であり、この磁気空隙4は磁気空隙寸法と対
応する厚さの非磁性材料の無機絶縁薄膜によって構成さ
れている。また5,8は非磁性材料の無機絶縁薄膜、6
は導電材料の薄膜によるコイルパターン、6a,6bは
コイルの端部、7は磁性材料によって形成された上部磁
気コアである。なお図3においては、コイルの端部6
a,6bに接続される導電材料の薄膜による接続線や、
図3中に示されている上部磁気コア7の上方部分等を被
覆する絶縁薄膜による保護膜及び前記した絶縁薄膜によ
る保護膜に設けられるスルーホール等の図示を省略して
ある。
膜磁気ヘッドの構成例を示す平面図、図3の(b)は、
図3の(a)中のA−A線位置における縦断面図であっ
て、図3において1は基板、2は基板1上に被着させた
非磁性材料の無機絶縁薄膜による下地膜、3は磁性材料
によって形成された下部磁気コア、4は磁気空隙(磁気
ギャップ)であり、この磁気空隙4は磁気空隙寸法と対
応する厚さの非磁性材料の無機絶縁薄膜によって構成さ
れている。また5,8は非磁性材料の無機絶縁薄膜、6
は導電材料の薄膜によるコイルパターン、6a,6bは
コイルの端部、7は磁性材料によって形成された上部磁
気コアである。なお図3においては、コイルの端部6
a,6bに接続される導電材料の薄膜による接続線や、
図3中に示されている上部磁気コア7の上方部分等を被
覆する絶縁薄膜による保護膜及び前記した絶縁薄膜によ
る保護膜に設けられるスルーホール等の図示を省略して
ある。
【0004】そして、図3に示す従来の一般的な誘導型
の薄膜磁気ヘッドは、周知のように真空成膜技術とフォ
トリソグラフィ技術とエッチング手段とを適用して、各
構成部材相互間の電気的な絶縁が絶縁膜を用いて行なわ
れているような状態で、基板1または非磁性材料の無機
絶縁薄膜による下地膜2が被着されている基板1に、磁
性材料の薄膜や導電材料の薄膜や非磁性材料の無機絶縁
薄膜等を、所定のパターン、所定の順序で、順次に積層
することにより作られる。ところで、薄膜による各構成
部材を順次に積層して行く際に、例えばコイルパターン
6のように薄膜の厚さ方向に凹凸のある構成部材上へ、
成膜技術によって薄膜を被着させた場合には、その薄膜
の表面に、薄膜が被着された構成部材の凹凸の影響が現
われる。
の薄膜磁気ヘッドは、周知のように真空成膜技術とフォ
トリソグラフィ技術とエッチング手段とを適用して、各
構成部材相互間の電気的な絶縁が絶縁膜を用いて行なわ
れているような状態で、基板1または非磁性材料の無機
絶縁薄膜による下地膜2が被着されている基板1に、磁
性材料の薄膜や導電材料の薄膜や非磁性材料の無機絶縁
薄膜等を、所定のパターン、所定の順序で、順次に積層
することにより作られる。ところで、薄膜による各構成
部材を順次に積層して行く際に、例えばコイルパターン
6のように薄膜の厚さ方向に凹凸のある構成部材上へ、
成膜技術によって薄膜を被着させた場合には、その薄膜
の表面に、薄膜が被着された構成部材の凹凸の影響が現
われる。
【0005】それで、導電材料の薄膜によるコイルパタ
ーン6上に、真空蒸着法やスパッタリング法のような真
空成膜技術によって非磁性材料の無機絶縁薄膜8を構成
させた場合には、前記の非磁性材料の無機絶縁薄膜8の
表面には、導電材料の薄膜によるコイルパターン6の凹
凸形状が現われるから、前記の非磁性材料の無機絶縁薄
膜8の表面に、磁性材料の薄膜によって構成される上部
磁気コア7にも凹凸形状が転写されることになる。前記
のように、凹凸形状を示す面上に、軟磁気特性を示す磁
性膜を形成させた場合には、前記した磁性膜の軟磁気特
性、透磁率が著るしく低下してしまうために、必然的に
薄膜磁気ヘッドの記録,再生特性を極端に低下させるこ
とになる。
ーン6上に、真空蒸着法やスパッタリング法のような真
空成膜技術によって非磁性材料の無機絶縁薄膜8を構成
させた場合には、前記の非磁性材料の無機絶縁薄膜8の
表面には、導電材料の薄膜によるコイルパターン6の凹
凸形状が現われるから、前記の非磁性材料の無機絶縁薄
膜8の表面に、磁性材料の薄膜によって構成される上部
磁気コア7にも凹凸形状が転写されることになる。前記
のように、凹凸形状を示す面上に、軟磁気特性を示す磁
性膜を形成させた場合には、前記した磁性膜の軟磁気特
性、透磁率が著るしく低下してしまうために、必然的に
薄膜磁気ヘッドの記録,再生特性を極端に低下させるこ
とになる。
【0006】図3を参照して既述した従来の一般的な誘
導型の薄膜磁気ヘッドの問題点を解決しうる薄膜磁気ヘ
ッドとして、例えば特開平3ー58308号公報に開示
されているように、下部磁気コアと、上部磁気コアと、
前記の上部,下部の両磁気コアの一端部に磁気空隙を構
成させるために設けた中間磁気コアと、前記の上部,下
部の両磁気コアの他端部を接続する結合磁路と、前記の
結合磁路の位置を巻回中心位置として、前記した上部,
下部の両磁気コア間の空間を少なくとも含んでいる空間
部内に、所定のコイルパターンを有するコイルが非磁性
の無機絶縁薄膜中に設けた溝中に、導電体材料が充填さ
れることにより構成されているような構成態様の誘導型
の薄膜磁気ヘッドが提案されている。
導型の薄膜磁気ヘッドの問題点を解決しうる薄膜磁気ヘ
ッドとして、例えば特開平3ー58308号公報に開示
されているように、下部磁気コアと、上部磁気コアと、
前記の上部,下部の両磁気コアの一端部に磁気空隙を構
成させるために設けた中間磁気コアと、前記の上部,下
部の両磁気コアの他端部を接続する結合磁路と、前記の
結合磁路の位置を巻回中心位置として、前記した上部,
下部の両磁気コア間の空間を少なくとも含んでいる空間
部内に、所定のコイルパターンを有するコイルが非磁性
の無機絶縁薄膜中に設けた溝中に、導電体材料が充填さ
れることにより構成されているような構成態様の誘導型
の薄膜磁気ヘッドが提案されている。
【0007】図1及び図2は、本発明の薄膜磁気ヘッド
の概略の製作工程を図示説明している図であるが、薄膜
磁気ヘッドの構成部材の使用材料の違いを除けば、特開
平3ー58308号公報に開示された既提案の薄膜磁気
ヘッドの概略の製作工程の説明にも使用できるので、以
下、主として図1を参照して特開平3ー58308号公
報に開示された既提案の薄膜磁気ヘッドの概略の製作工
程について記述すると次のとおりである。
の概略の製作工程を図示説明している図であるが、薄膜
磁気ヘッドの構成部材の使用材料の違いを除けば、特開
平3ー58308号公報に開示された既提案の薄膜磁気
ヘッドの概略の製作工程の説明にも使用できるので、以
下、主として図1を参照して特開平3ー58308号公
報に開示された既提案の薄膜磁気ヘッドの概略の製作工
程について記述すると次のとおりである。
【0008】図1の(a)は、非磁性材料製の基板1上
に、例えば真空蒸着法、またはスパッタリング法等の真
空成膜技術を用いて、非磁性の無機絶縁材料薄膜2を構
成させた後に、前記の薄膜2上に、例えば真空蒸着法、
またはスパッタリング法等の真空成膜技術により磁性膜
を形成させ、次いで前記の磁性膜上に、例えばスピンコ
ート法によりフォトレジスト層を形成させ、前記のフォ
トレジスト層に対して周知のフォトリソグラフィ法を適
用して、下部磁気コアの形状のマスクパターンをフォト
レジスト層で形成させてから、前記の磁性膜におけるフ
ォトレジスト層によって被覆されていない部分を、例え
ばイオンビームミリング等の手段の適用により除去し
て、前記の磁性膜によって薄膜2上に下部磁気コア3を
形成させた状態を例示している。なお、図1の(a)
は、図1の(b)によって示されている平面図における
A−A線位置における縦断面図である。
に、例えば真空蒸着法、またはスパッタリング法等の真
空成膜技術を用いて、非磁性の無機絶縁材料薄膜2を構
成させた後に、前記の薄膜2上に、例えば真空蒸着法、
またはスパッタリング法等の真空成膜技術により磁性膜
を形成させ、次いで前記の磁性膜上に、例えばスピンコ
ート法によりフォトレジスト層を形成させ、前記のフォ
トレジスト層に対して周知のフォトリソグラフィ法を適
用して、下部磁気コアの形状のマスクパターンをフォト
レジスト層で形成させてから、前記の磁性膜におけるフ
ォトレジスト層によって被覆されていない部分を、例え
ばイオンビームミリング等の手段の適用により除去し
て、前記の磁性膜によって薄膜2上に下部磁気コア3を
形成させた状態を例示している。なお、図1の(a)
は、図1の(b)によって示されている平面図における
A−A線位置における縦断面図である。
【0009】次に、平面図が図1の(b)で示されると
ともに縦断面図が図1の(a)で示されるような素材に
対して、例えば真空成膜技術により、薄膜2上に形成さ
れている下部磁気コア3が、非磁性無機絶縁材料によっ
て埋設された状態にした後に、前記の非磁性無機絶縁材
料における盛上がっている部分を研磨すると、下部磁気
コア3が非磁性の無機絶縁材料薄膜9中に埋設された状
態で、かつ、下部磁気コア3の上面が非磁性の無機絶縁
材料薄膜9から露出している状態とされた図1の(c)
に示すような素材が得られる。
ともに縦断面図が図1の(a)で示されるような素材に
対して、例えば真空成膜技術により、薄膜2上に形成さ
れている下部磁気コア3が、非磁性無機絶縁材料によっ
て埋設された状態にした後に、前記の非磁性無機絶縁材
料における盛上がっている部分を研磨すると、下部磁気
コア3が非磁性の無機絶縁材料薄膜9中に埋設された状
態で、かつ、下部磁気コア3の上面が非磁性の無機絶縁
材料薄膜9から露出している状態とされた図1の(c)
に示すような素材が得られる。
【0010】次に、図1の(c)に示されている素材の
面上に、真空成膜技術により磁性膜を形成させ、次いで
前記の磁性膜上に、例えばスピンコート法によりフォト
レジスト層を形成させた後に、前記のフォトレジスト層
に対して周知のフォトリソグラフィ法を適用して、中間
磁気コア10,11の形状のマスクパターンをフォトレ
ジスト層で形成させてから、前記の磁性膜におけるフォ
トレジスト層によって被覆されていない部分を、例えば
イオンビームミリング等の手段の適用により除去して、
前記の磁性膜によって下部磁気コア3の両端に中間磁気
コア10,11を形成させた後に、例えば真空成膜技術
により、下部磁気コア3の両端の中間磁気コア10,1
1が、非磁性無機絶縁材料によって埋設された状態にし
た後に、非磁性無機絶縁材料における盛上がっている部
分を研磨して、前記の中間磁気コア10,11が非磁性
の無機絶縁材料薄膜12中に埋設された状態で、かつ、
中間磁気コア10,11の上面が非磁性の無機絶縁材料
薄膜12から露出している状態とされた図1の(d)に
示すような素材が得られる。なお、図1の(d)は、図
1の(e)によって示されている平面図におけるA−A
線位置における縦断面図である。
面上に、真空成膜技術により磁性膜を形成させ、次いで
前記の磁性膜上に、例えばスピンコート法によりフォト
レジスト層を形成させた後に、前記のフォトレジスト層
に対して周知のフォトリソグラフィ法を適用して、中間
磁気コア10,11の形状のマスクパターンをフォトレ
ジスト層で形成させてから、前記の磁性膜におけるフォ
トレジスト層によって被覆されていない部分を、例えば
イオンビームミリング等の手段の適用により除去して、
前記の磁性膜によって下部磁気コア3の両端に中間磁気
コア10,11を形成させた後に、例えば真空成膜技術
により、下部磁気コア3の両端の中間磁気コア10,1
1が、非磁性無機絶縁材料によって埋設された状態にし
た後に、非磁性無機絶縁材料における盛上がっている部
分を研磨して、前記の中間磁気コア10,11が非磁性
の無機絶縁材料薄膜12中に埋設された状態で、かつ、
中間磁気コア10,11の上面が非磁性の無機絶縁材料
薄膜12から露出している状態とされた図1の(d)に
示すような素材が得られる。なお、図1の(d)は、図
1の(e)によって示されている平面図におけるA−A
線位置における縦断面図である。
【0011】次に、平面図が図1の(e)で示されると
ともに縦断面図が図1の(d)で示されるような素材の
面上に、例えばスピンコート法によりフォトレジスト層
を形成させた後に、前記のフォトレジスト層に対して周
知のフォトリソグラフィ法を適用して、コイルパターン
を有するマスクパターンをフォトレジスト層で形成させ
てから、マスクパターンを用いて、例えばドライエッチ
ング手段を適用することにより、前記した非磁性の無機
絶縁材料薄膜12中に、コイルパターンと対応する溝1
3,13…を形成させ、次いで前記の非磁性の無機絶縁
材料薄膜12中にコイルパターンと対応する溝13,1
3…が設けられた状態の素材の全面に、真空成膜技術に
より導電材料、例えば銅の薄膜を被着させた後に、前記
の非磁性の無機絶縁材料薄膜12の表面や中間磁気コア
10,11の表面が露出する状態になるように研磨する
と、前記した非磁性の無機絶縁材料薄膜12中のコイル
パターンと対応する溝13,13…が、導電材料14に
よって充填された状態にされた図1の(f)に示される
ような素材が得られる。なお、図1の(f)は、図1の
(g)によって示されている平面図におけるA−A線位
置における縦断面図である。
ともに縦断面図が図1の(d)で示されるような素材の
面上に、例えばスピンコート法によりフォトレジスト層
を形成させた後に、前記のフォトレジスト層に対して周
知のフォトリソグラフィ法を適用して、コイルパターン
を有するマスクパターンをフォトレジスト層で形成させ
てから、マスクパターンを用いて、例えばドライエッチ
ング手段を適用することにより、前記した非磁性の無機
絶縁材料薄膜12中に、コイルパターンと対応する溝1
3,13…を形成させ、次いで前記の非磁性の無機絶縁
材料薄膜12中にコイルパターンと対応する溝13,1
3…が設けられた状態の素材の全面に、真空成膜技術に
より導電材料、例えば銅の薄膜を被着させた後に、前記
の非磁性の無機絶縁材料薄膜12の表面や中間磁気コア
10,11の表面が露出する状態になるように研磨する
と、前記した非磁性の無機絶縁材料薄膜12中のコイル
パターンと対応する溝13,13…が、導電材料14に
よって充填された状態にされた図1の(f)に示される
ような素材が得られる。なお、図1の(f)は、図1の
(g)によって示されている平面図におけるA−A線位
置における縦断面図である。
【0012】次に、図1の(f)に示されるような素材
の表面に、所定の磁気空隙長の磁気空隙部を形成させる
ために、非磁性の無機絶縁材料薄膜15を真空成膜技術
により構成させた後に、前記の素材の面上に、真空成膜
技術により磁性膜を形成させ、次いで前記の磁性膜上
に、例えばスピンコート法によりフォトレジスト層を形
成させた後に、前記のフォトレジスト層に対して周知の
フォトリソグラフィ法を適用して、上部磁気コア16の
形状のマスクパターンをフォトレジスト層で形成させて
から、前記の磁性膜におけるフォトレジスト層によって
被覆されていない部分を、例えばイオンビームミリング
等の手段の適用により除去して、前記の磁性膜によって
上部磁気コア16を形成させた後に、例えば真空成膜技
術により、上部磁気コア16が、非磁性無機絶縁材料に
よって埋設された状態にした後に、非磁性無機絶縁材料
における盛上がっている部分を研磨して、前記の上部磁
気コア16が非磁性の無機絶縁材料薄膜17中に埋設さ
れた状態で、かつ、上部磁気コア16の上面が非磁性の
無機絶縁材料薄膜17から露出している状態とされた図
1の(h)に示すような素材が得られる。前記の図1の
(h)に示す素材の全面に対して真空成膜技術を用い
て、非磁性の無機絶縁材料薄膜を保護膜として形成させ
る。
の表面に、所定の磁気空隙長の磁気空隙部を形成させる
ために、非磁性の無機絶縁材料薄膜15を真空成膜技術
により構成させた後に、前記の素材の面上に、真空成膜
技術により磁性膜を形成させ、次いで前記の磁性膜上
に、例えばスピンコート法によりフォトレジスト層を形
成させた後に、前記のフォトレジスト層に対して周知の
フォトリソグラフィ法を適用して、上部磁気コア16の
形状のマスクパターンをフォトレジスト層で形成させて
から、前記の磁性膜におけるフォトレジスト層によって
被覆されていない部分を、例えばイオンビームミリング
等の手段の適用により除去して、前記の磁性膜によって
上部磁気コア16を形成させた後に、例えば真空成膜技
術により、上部磁気コア16が、非磁性無機絶縁材料に
よって埋設された状態にした後に、非磁性無機絶縁材料
における盛上がっている部分を研磨して、前記の上部磁
気コア16が非磁性の無機絶縁材料薄膜17中に埋設さ
れた状態で、かつ、上部磁気コア16の上面が非磁性の
無機絶縁材料薄膜17から露出している状態とされた図
1の(h)に示すような素材が得られる。前記の図1の
(h)に示す素材の全面に対して真空成膜技術を用い
て、非磁性の無機絶縁材料薄膜を保護膜として形成させ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】さて、高出力が得られ
るような誘導型の薄膜磁気ヘッドを構成するためには、
コイルの巻回数を多くすることが必要とされる。そし
て、前記した薄膜磁気ヘッドのコイルは、下部磁気コア
と上部磁気コアとの連結部を中心として、コイルの形成
のために使用されるべき限られた空間内に、導電材料の
薄膜による渦巻状のコイルパターンによって形成され
る。前記のように渦巻状のコイルパターンによって形成
される薄膜コイルは、それの巻回幅を大きくして構成し
た場合に、コイル抵抗を小さくできるが、磁路長が大と
なってヘッド効率を低下させる。また、前記とは逆に、
コイルの巻回幅を小さくして構成すれば、ヘッド効率は
向上するが、コイルの抵抗は大きくなる。ところで、薄
膜磁気ヘッドで必要とされる諸特性が、その薄膜磁気ヘ
ッドの用途に応じて異なることがあるのは当然である
が、どのような用途に使用される薄膜磁気ヘッドについ
てみても、良好なS/Nの出力信号が得られるような巻
回数を有するコイルが必要とされる。
るような誘導型の薄膜磁気ヘッドを構成するためには、
コイルの巻回数を多くすることが必要とされる。そし
て、前記した薄膜磁気ヘッドのコイルは、下部磁気コア
と上部磁気コアとの連結部を中心として、コイルの形成
のために使用されるべき限られた空間内に、導電材料の
薄膜による渦巻状のコイルパターンによって形成され
る。前記のように渦巻状のコイルパターンによって形成
される薄膜コイルは、それの巻回幅を大きくして構成し
た場合に、コイル抵抗を小さくできるが、磁路長が大と
なってヘッド効率を低下させる。また、前記とは逆に、
コイルの巻回幅を小さくして構成すれば、ヘッド効率は
向上するが、コイルの抵抗は大きくなる。ところで、薄
膜磁気ヘッドで必要とされる諸特性が、その薄膜磁気ヘ
ッドの用途に応じて異なることがあるのは当然である
が、どのような用途に使用される薄膜磁気ヘッドについ
てみても、良好なS/Nの出力信号が得られるような巻
回数を有するコイルが必要とされる。
【0014】例えば、VTRでは、記録再生画像の高品
位化、高密度記録再生の実現、等の諸要望を満たすこと
ができる高性能な磁気ヘッドが必要とされるが、前記の
点について高密度記録再生特性、高周波特性、等におい
て優れている薄膜磁気ヘッドが着目されるようになっ
た。そして、回転磁気ヘッドとして使用されるVTR用
の磁気ヘッドでは、VTRの固定部分に設けられている
電気回路との間で、回転トランスを介して信号の送受が
行なわれる。そして、前記の回転トランスを介して、低
周波帯域の信号の伝送特性を良好にさせたり、ヘッドイ
ンピーダンスノイズを低減させるなどのために、前記の
薄膜磁気ヘッドの巻線は、直流抵抗が低いことが必要と
される。ところが、薄膜磁気ヘッドのコイルでは、周知
構成のバルクヘッドのように線材を巻回して構成させた
コイルに比べて、一般に、断面積が大幅に小さく、また
抵抗値が高いものになる。
位化、高密度記録再生の実現、等の諸要望を満たすこと
ができる高性能な磁気ヘッドが必要とされるが、前記の
点について高密度記録再生特性、高周波特性、等におい
て優れている薄膜磁気ヘッドが着目されるようになっ
た。そして、回転磁気ヘッドとして使用されるVTR用
の磁気ヘッドでは、VTRの固定部分に設けられている
電気回路との間で、回転トランスを介して信号の送受が
行なわれる。そして、前記の回転トランスを介して、低
周波帯域の信号の伝送特性を良好にさせたり、ヘッドイ
ンピーダンスノイズを低減させるなどのために、前記の
薄膜磁気ヘッドの巻線は、直流抵抗が低いことが必要と
される。ところが、薄膜磁気ヘッドのコイルでは、周知
構成のバルクヘッドのように線材を巻回して構成させた
コイルに比べて、一般に、断面積が大幅に小さく、また
抵抗値が高いものになる。
【0015】それで、従来から薄膜磁気ヘッドにおい
て、下部磁気コアと上部磁気コアとの連結部を中心にし
て導電材料の薄膜によるコイルパターンで構成されるコ
イルを低抵抗化するために、例えば特開平3ー2352
11号公報に開示されているような手段も提案されてい
る。すなわち、前記した導電材料の薄膜によるコイルパ
ターンで構成されるコイルのコイル幅を、内周部から外
周部に向かって広くするという解決策である。ところ
で、磁路長を変えずに所定の巻回数のコイルを備えさせ
た高い効率の薄膜磁気ヘッドを得ようとして、低い抵抗
値の薄膜コイルを形成させるために、従来から一般的に
採用されて来た手段は、コイルが巻回されるべき限られ
た空間内に、コイル幅の大きなコイルパターンを多層に
構成させるというものであった。
て、下部磁気コアと上部磁気コアとの連結部を中心にし
て導電材料の薄膜によるコイルパターンで構成されるコ
イルを低抵抗化するために、例えば特開平3ー2352
11号公報に開示されているような手段も提案されてい
る。すなわち、前記した導電材料の薄膜によるコイルパ
ターンで構成されるコイルのコイル幅を、内周部から外
周部に向かって広くするという解決策である。ところ
で、磁路長を変えずに所定の巻回数のコイルを備えさせ
た高い効率の薄膜磁気ヘッドを得ようとして、低い抵抗
値の薄膜コイルを形成させるために、従来から一般的に
採用されて来た手段は、コイルが巻回されるべき限られ
た空間内に、コイル幅の大きなコイルパターンを多層に
構成させるというものであった。
【0016】すなわち、コイルが巻回されるべき限られ
た面積の空間内に、所定の巻回数の一層のコイルを形成
させた場合には、コイル幅が細いものになるから、当然
のことながらコイルの抵抗値が高くなる。一方、抵抗値
の低いコイルを得るために、限られた面積内にコイル幅
の大きなコイルを形成させた場合には、巻回数が少ない
コイルしか得られない。それで、所定の巻回数を有し、
かつ、低い抵抗値のコイルを構成させる一方法として、
大きなコイル幅を有する薄膜コイルを、多段に積重ねた
状態に構成することも行なわれて来た。しかし、前記の
ように複数の薄膜コイルを多段に重ねた状態にし、前記
の薄膜コイルを直列に接続することによって、低い抵抗
値で所定の巻回数を有するコイルを構成させる場合に
は、当然のことながら製作工程数が多くなり、また製品
の歩留りが悪くなる。
た面積の空間内に、所定の巻回数の一層のコイルを形成
させた場合には、コイル幅が細いものになるから、当然
のことながらコイルの抵抗値が高くなる。一方、抵抗値
の低いコイルを得るために、限られた面積内にコイル幅
の大きなコイルを形成させた場合には、巻回数が少ない
コイルしか得られない。それで、所定の巻回数を有し、
かつ、低い抵抗値のコイルを構成させる一方法として、
大きなコイル幅を有する薄膜コイルを、多段に積重ねた
状態に構成することも行なわれて来た。しかし、前記の
ように複数の薄膜コイルを多段に重ねた状態にし、前記
の薄膜コイルを直列に接続することによって、低い抵抗
値で所定の巻回数を有するコイルを構成させる場合に
は、当然のことながら製作工程数が多くなり、また製品
の歩留りが悪くなる。
【0017】特に、薄膜磁気ヘッドの歩留りは、薄膜コ
イルの製作工程の歩留りに依存するといっても過言では
ない程に、薄膜コイルの製作工程の歩留りは薄膜磁気ヘ
ッドの総合歩留りに大きな影響を及ぼすことから、周知
のフォトリソグラフィー法、真空成膜法等を適用して、
複数層の薄膜コイルを繰返し形成させる際に生じる歩留
りの低下は重大な問題となる。そして前記のように、薄
膜コイルの製作工程における歩留りが、薄膜磁気ヘッド
の製作時の総合歩留りに大きく影響するということか
ら、薄膜コイルを配置するべく用意された限られた面積
の空間内に、所定の巻回数の一層のコイルを低い抵抗値
の状態で容易に形成できれるようにすれば大きなメリッ
トが得られることになる。
イルの製作工程の歩留りに依存するといっても過言では
ない程に、薄膜コイルの製作工程の歩留りは薄膜磁気ヘ
ッドの総合歩留りに大きな影響を及ぼすことから、周知
のフォトリソグラフィー法、真空成膜法等を適用して、
複数層の薄膜コイルを繰返し形成させる際に生じる歩留
りの低下は重大な問題となる。そして前記のように、薄
膜コイルの製作工程における歩留りが、薄膜磁気ヘッド
の製作時の総合歩留りに大きく影響するということか
ら、薄膜コイルを配置するべく用意された限られた面積
の空間内に、所定の巻回数の一層のコイルを低い抵抗値
の状態で容易に形成できれるようにすれば大きなメリッ
トが得られることになる。
【0018】そして周知のように、コイルの抵抗値は、
コイルの構成に用いられている導線の断面積に反比例す
るから、非磁性の無機絶縁材料薄膜に深いコイル溝を穿
設させて、コイル幅が小さくても導線の断面積の大きな
コイルを構成できれば、一層形状のコイルであっても、
抵抗値の低いコイルを作ることも可能である。それで、
図1を参照して説明した既提案の薄膜磁気ヘッドにおい
ても、非磁性の無機絶縁材料薄膜12中のコイルパター
ンと対応して設ける溝13,13…を充分に深いものに
し、その溝に充填された導電材料14によって構成され
るコイルを、抵抗値の低いコイルとされることが要求さ
れる。前記のように非磁性の無機絶縁材料薄膜12に、
導線の断面積の大きなコイルを構成させるための溝1
3,13…を効率良く構成させるのには、リアクティブ
イオンエッチング法によって非磁性の無機絶縁材料薄膜
12の構成材料が、高いエッチングレートでドライエッ
チングされることは勿論のこと、エッチングによって非
磁性の無機絶縁材料薄膜12中に形成された溝の形状が
良好であることが望まれる。
コイルの構成に用いられている導線の断面積に反比例す
るから、非磁性の無機絶縁材料薄膜に深いコイル溝を穿
設させて、コイル幅が小さくても導線の断面積の大きな
コイルを構成できれば、一層形状のコイルであっても、
抵抗値の低いコイルを作ることも可能である。それで、
図1を参照して説明した既提案の薄膜磁気ヘッドにおい
ても、非磁性の無機絶縁材料薄膜12中のコイルパター
ンと対応して設ける溝13,13…を充分に深いものに
し、その溝に充填された導電材料14によって構成され
るコイルを、抵抗値の低いコイルとされることが要求さ
れる。前記のように非磁性の無機絶縁材料薄膜12に、
導線の断面積の大きなコイルを構成させるための溝1
3,13…を効率良く構成させるのには、リアクティブ
イオンエッチング法によって非磁性の無機絶縁材料薄膜
12の構成材料が、高いエッチングレートでドライエッ
チングされることは勿論のこと、エッチングによって非
磁性の無機絶縁材料薄膜12中に形成された溝の形状が
良好であることが望まれる。
【0019】前記のような条件に合う非磁性の無機絶縁
材料薄膜としては、SiO2を主成分とする非磁性の無
機絶縁材料薄膜があり、SiO2を主成分とする非磁性
の無機絶縁材料薄膜に、フロロカーボン等の弗素系のエ
ッチングガスを用いてリアクティブイオンエッチング法
によるドライエッチングを行なうと、非磁性の無機絶縁
材料薄膜12として用いられるSiO2を主成分とする
非磁性の無機絶縁材料薄膜に、良好な形状の深い溝を比
較的に短時間に形成させることができる。しかしなが
ら、前記したSiO2を主成分とする非磁性の無機絶縁
材料は、それを蒸着法またはスパッタリング法によって
成膜した際に、成膜後の薄膜に1〜5かける十の九乗ダ
イン/平方センチメートル程度というような大きな圧縮
応力が加わる。また、SiO2の熱膨脹係数は、5〜1
0かける十のマイナス七乗であって、これは一般的に薄
膜磁気ヘッドで使用される金属磁性膜の熱膨脹係数に比
べると1桁以上小さい値である。なお、薄膜磁気ヘッド
の基板としては、従来から金属磁性膜の熱膨脹係数に近
い熱膨脹係数を有するものが使用されている。
材料薄膜としては、SiO2を主成分とする非磁性の無
機絶縁材料薄膜があり、SiO2を主成分とする非磁性
の無機絶縁材料薄膜に、フロロカーボン等の弗素系のエ
ッチングガスを用いてリアクティブイオンエッチング法
によるドライエッチングを行なうと、非磁性の無機絶縁
材料薄膜12として用いられるSiO2を主成分とする
非磁性の無機絶縁材料薄膜に、良好な形状の深い溝を比
較的に短時間に形成させることができる。しかしなが
ら、前記したSiO2を主成分とする非磁性の無機絶縁
材料は、それを蒸着法またはスパッタリング法によって
成膜した際に、成膜後の薄膜に1〜5かける十の九乗ダ
イン/平方センチメートル程度というような大きな圧縮
応力が加わる。また、SiO2の熱膨脹係数は、5〜1
0かける十のマイナス七乗であって、これは一般的に薄
膜磁気ヘッドで使用される金属磁性膜の熱膨脹係数に比
べると1桁以上小さい値である。なお、薄膜磁気ヘッド
の基板としては、従来から金属磁性膜の熱膨脹係数に近
い熱膨脹係数を有するものが使用されている。
【0020】それで、前記のように非磁性の無機絶縁材
料薄膜として、SiO2を主成分とする非磁性の無機絶
縁材料薄膜を使用した場合には、薄膜磁気ヘッドを構成
している他の構成部材の圧縮応力との差、熱膨脹係数の
差のために、膜剥離、基板割れ、磁性膜の磁気特性の劣
化等の諸問題が生じるので、それの解決策が求められ
た。
料薄膜として、SiO2を主成分とする非磁性の無機絶
縁材料薄膜を使用した場合には、薄膜磁気ヘッドを構成
している他の構成部材の圧縮応力との差、熱膨脹係数の
差のために、膜剥離、基板割れ、磁性膜の磁気特性の劣
化等の諸問題が生じるので、それの解決策が求められ
た。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は非磁性体材料製
基板上に、下部磁気コアと、上部磁気コアと、前記の上
部,下部の両磁気コアの一端部に磁気空隙を構成させる
ために設けた中間磁気コアと、前記の上部,下部の両磁
気コアの他端部を接続する結合磁路と、前記の結合磁路
の位置を巻回中心位置として、前記した上部,下部の両
磁気コア間の空間を少なくとも含んでいる空間部内に、
所定のコイルパターンを有するコイルが非磁性の無機絶
縁材料薄膜中に埋設された状態に設けられる状態となる
ように、導電体材料が充填されることにより所定のコイ
ルパターンを有するコイルが非磁性の無機絶縁材料薄膜
中に構成されるような溝を備えていてSiO2を主成分
とするコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜と、前
記したコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜以外の
非磁性の無機絶縁材料薄膜とが積層して構成された薄膜
磁気ヘッドにおいて、前記したコイル埋設用の非磁性の
無機絶縁材料薄膜以外の非磁性の無機絶縁材料薄膜とし
て、膜内部応力が前記したSiO2を主成分とするコイ
ル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜の膜内部応力に比
べて小さく、また、弗素系のエッチングガスによるリア
クティブイオンエッチング時のエッチング速度が、前記
したSiO2を主成分とするコイル埋設用の非磁性の無
機絶縁材料薄膜のエッチング速度に比べて小さく、か
つ、熱膨脹係数が前記したSiO2を主成分とするコイ
ル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜の熱膨脹係数より
も非磁性体材料製基板の熱膨脹係数に近い値を示す非磁
性の無機絶縁材料薄膜を用いて薄膜磁気ヘッドを構成し
たことを特徴とする薄膜磁気ヘッドを提供する。
基板上に、下部磁気コアと、上部磁気コアと、前記の上
部,下部の両磁気コアの一端部に磁気空隙を構成させる
ために設けた中間磁気コアと、前記の上部,下部の両磁
気コアの他端部を接続する結合磁路と、前記の結合磁路
の位置を巻回中心位置として、前記した上部,下部の両
磁気コア間の空間を少なくとも含んでいる空間部内に、
所定のコイルパターンを有するコイルが非磁性の無機絶
縁材料薄膜中に埋設された状態に設けられる状態となる
ように、導電体材料が充填されることにより所定のコイ
ルパターンを有するコイルが非磁性の無機絶縁材料薄膜
中に構成されるような溝を備えていてSiO2を主成分
とするコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜と、前
記したコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜以外の
非磁性の無機絶縁材料薄膜とが積層して構成された薄膜
磁気ヘッドにおいて、前記したコイル埋設用の非磁性の
無機絶縁材料薄膜以外の非磁性の無機絶縁材料薄膜とし
て、膜内部応力が前記したSiO2を主成分とするコイ
ル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜の膜内部応力に比
べて小さく、また、弗素系のエッチングガスによるリア
クティブイオンエッチング時のエッチング速度が、前記
したSiO2を主成分とするコイル埋設用の非磁性の無
機絶縁材料薄膜のエッチング速度に比べて小さく、か
つ、熱膨脹係数が前記したSiO2を主成分とするコイ
ル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜の熱膨脹係数より
も非磁性体材料製基板の熱膨脹係数に近い値を示す非磁
性の無機絶縁材料薄膜を用いて薄膜磁気ヘッドを構成し
たことを特徴とする薄膜磁気ヘッドを提供する。
【0022】
【作用】コイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜以外
の非磁性の無機絶縁材料薄膜として、膜内部応力が前記
したSiO2を主成分とするコイル埋設用の非磁性の無
機絶縁材料薄膜の膜内部応力に比べて小さく、また、弗
素系のエッチングガスによるリアクティブイオンエッチ
ング時のエッチング速度が、前記したSiO2を主成分
とするコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜のエッ
チング速度に比べて小さく、かつ、熱膨脹係数が前記し
たSiO2を主成分とするコイル埋設用の非磁性の無機
絶縁材料薄膜の熱膨脹係数よりも非磁性体材料製基板の
熱膨脹係数に近い値を示す非磁性の無機絶縁材料薄膜を
用いたことにより、薄膜磁気ヘッドで使用される非磁性
の無機絶縁材料薄膜のすべてを、SiO2を主成分とす
る非磁性の無機絶縁材料薄膜とした場合に比べて、圧縮
応力が著るしく減少し、また、薄膜磁気ヘッドの製作時
における加熱される工程を経ても、膜剥離、基板割れ、
磁性膜の磁気特性の劣化等の問題が生じない。
の非磁性の無機絶縁材料薄膜として、膜内部応力が前記
したSiO2を主成分とするコイル埋設用の非磁性の無
機絶縁材料薄膜の膜内部応力に比べて小さく、また、弗
素系のエッチングガスによるリアクティブイオンエッチ
ング時のエッチング速度が、前記したSiO2を主成分
とするコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜のエッ
チング速度に比べて小さく、かつ、熱膨脹係数が前記し
たSiO2を主成分とするコイル埋設用の非磁性の無機
絶縁材料薄膜の熱膨脹係数よりも非磁性体材料製基板の
熱膨脹係数に近い値を示す非磁性の無機絶縁材料薄膜を
用いたことにより、薄膜磁気ヘッドで使用される非磁性
の無機絶縁材料薄膜のすべてを、SiO2を主成分とす
る非磁性の無機絶縁材料薄膜とした場合に比べて、圧縮
応力が著るしく減少し、また、薄膜磁気ヘッドの製作時
における加熱される工程を経ても、膜剥離、基板割れ、
磁性膜の磁気特性の劣化等の問題が生じない。
【0023】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の薄膜磁気
ヘッドの具体的な内容について詳細に説明する。図1及
び図2は本発明の薄膜磁気ヘッドの説明に使用される薄
膜磁気ヘッドの概略の製作工程を示している図である。
本発明の薄膜磁気ヘッドは、磁性体材料製基板1上に、
下部磁気コア3と、上部磁気コア16と、前記の上部,
下部の両磁気コア3,16の一端部に磁気空隙を構成さ
せるために設けた中間磁気コア10と、前記の上部,下
部の両磁気コア3,16の他端部を接続する結合磁路1
1と、前記の結合磁路11の位置を巻回中心位置とし
て、前記した上部,下部の両磁気コア間の空間を少なく
とも含んでいる空間部内に、所定のコイルパターンを有
するコイル14が非磁性の無機絶縁材料薄膜12中に埋
設された状態に設けられる状態となるように、導電体材
料が充填されることにより所定のコイルパターンを有す
るコイルが非磁性の無機絶縁材料薄膜12中に構成され
るような溝13を備えているコイル埋設用の非磁性の無
機絶縁材料薄膜12と、前記したコイル埋設用の非磁性
の無機絶縁材料薄膜12以外の非磁性の無機絶縁材料薄
膜2,9,15,17とが所要のように積層して構成さ
れている、例えば図1の(h)及び図2の(i)の断面
図によって例示されているような薄膜磁気ヘッドにおい
て、前記した導電体材料が充填されることにより所定の
コイルパターンを有するコイルが非磁性の無機絶縁材料
薄膜12中に構成されるような溝13を備えているコイ
ル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜12は、SiO2
を主成分とする非磁性の無機絶縁材料薄膜を用い、ま
た、前記したコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜
12以外の非磁性の無機絶縁材料薄膜2,9,15,1
7としては、膜内部応力が前記したSiO2を主成分と
するコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜12の膜
内部応力に比べて小さく、また、弗素系のエッチングガ
スによるリアクティブイオンエッチング時のエッチング
速度が、前記したSiO2を主成分とするコイル埋設用
の非磁性の無機絶縁材料薄膜12のエッチング速度に比
べて小さく、かつ、熱膨脹係数が前記したSiO2を主
成分とするコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜1
2の熱膨脹係数よりも非磁性体材料製基板の熱膨脹係数
に近い値を示す非磁性の無機絶縁材料の薄膜(例えばA
l2O3の薄膜)を用いて構成したものである。
ヘッドの具体的な内容について詳細に説明する。図1及
び図2は本発明の薄膜磁気ヘッドの説明に使用される薄
膜磁気ヘッドの概略の製作工程を示している図である。
本発明の薄膜磁気ヘッドは、磁性体材料製基板1上に、
下部磁気コア3と、上部磁気コア16と、前記の上部,
下部の両磁気コア3,16の一端部に磁気空隙を構成さ
せるために設けた中間磁気コア10と、前記の上部,下
部の両磁気コア3,16の他端部を接続する結合磁路1
1と、前記の結合磁路11の位置を巻回中心位置とし
て、前記した上部,下部の両磁気コア間の空間を少なく
とも含んでいる空間部内に、所定のコイルパターンを有
するコイル14が非磁性の無機絶縁材料薄膜12中に埋
設された状態に設けられる状態となるように、導電体材
料が充填されることにより所定のコイルパターンを有す
るコイルが非磁性の無機絶縁材料薄膜12中に構成され
るような溝13を備えているコイル埋設用の非磁性の無
機絶縁材料薄膜12と、前記したコイル埋設用の非磁性
の無機絶縁材料薄膜12以外の非磁性の無機絶縁材料薄
膜2,9,15,17とが所要のように積層して構成さ
れている、例えば図1の(h)及び図2の(i)の断面
図によって例示されているような薄膜磁気ヘッドにおい
て、前記した導電体材料が充填されることにより所定の
コイルパターンを有するコイルが非磁性の無機絶縁材料
薄膜12中に構成されるような溝13を備えているコイ
ル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜12は、SiO2
を主成分とする非磁性の無機絶縁材料薄膜を用い、ま
た、前記したコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜
12以外の非磁性の無機絶縁材料薄膜2,9,15,1
7としては、膜内部応力が前記したSiO2を主成分と
するコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜12の膜
内部応力に比べて小さく、また、弗素系のエッチングガ
スによるリアクティブイオンエッチング時のエッチング
速度が、前記したSiO2を主成分とするコイル埋設用
の非磁性の無機絶縁材料薄膜12のエッチング速度に比
べて小さく、かつ、熱膨脹係数が前記したSiO2を主
成分とするコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜1
2の熱膨脹係数よりも非磁性体材料製基板の熱膨脹係数
に近い値を示す非磁性の無機絶縁材料の薄膜(例えばA
l2O3の薄膜)を用いて構成したものである。
【0024】まず、図1の(h)に示されているような
構成態様の薄膜磁気ヘッドとして本発明の薄膜磁気ヘッ
ドを作製する場合について、図1を参照して説明すると
次のとおりである。図1において1は薄膜磁気ヘッドの
基板として用いられる非磁性材料製の基板(または非磁
性絶縁材料製の基板)であり、前記の非磁性材料製の基
板1としてはCaTiO3のウエファ(またはBaTi
O3のウエファ、またはあるいはAl2O3-TiC材のウ
エファ)その他の材料から適当な材料が選択して用いる
ことができる{なお、図2の(i)に示されているよう
な構成態様の薄膜磁気ヘッドにおける非磁性材料製の基
板1の材料としても、前述の材料を用いることができ
る}。
構成態様の薄膜磁気ヘッドとして本発明の薄膜磁気ヘッ
ドを作製する場合について、図1を参照して説明すると
次のとおりである。図1において1は薄膜磁気ヘッドの
基板として用いられる非磁性材料製の基板(または非磁
性絶縁材料製の基板)であり、前記の非磁性材料製の基
板1としてはCaTiO3のウエファ(またはBaTi
O3のウエファ、またはあるいはAl2O3-TiC材のウ
エファ)その他の材料から適当な材料が選択して用いる
ことができる{なお、図2の(i)に示されているよう
な構成態様の薄膜磁気ヘッドにおける非磁性材料製の基
板1の材料としても、前述の材料を用いることができ
る}。
【0025】図1の(a)に示されている基板1は、例
えばCaTiO3のような非磁性材料製の基板である。
前記の基板1上には、例えば真空蒸着法、またはスパッ
タリング法等の真空成膜技術を用いて、例えば1μm〜
10μmの膜厚のAl2O3の薄膜を、非磁性の無機絶縁
材料薄膜2として形成させる。前記の薄膜2の構成材料
としては、Al2O3、の他にTiO2、ZrO2等の非磁
性の無機絶縁材料の内から適当な材料が選択使用されて
よい。スパッタリング法によってAl2O3の薄膜を成膜
するのに、成膜室内のアルゴンガス圧を5ミリTorr
とし、5インチのターゲットを用いて、1KWの電力を
供給し、室温で成膜を行なったときに、成膜されたAl
2O3の薄膜の圧縮応力は、3かける十の八乗ダイン/平
方センチメートルであった。また、マグネトロンスパッ
タリング法によってTiO2の薄膜を成膜するのに、成
膜室内のアルゴンガス圧を15ミリTorrとし、6イ
ンチのターゲットを用いて、0.6KWの電力を供給
し、室温で成膜を行なったときに、成膜されたTiO2
の薄膜の圧縮応力は、7かける十の八乗ダイン/平方セ
ンチメートルであった。
えばCaTiO3のような非磁性材料製の基板である。
前記の基板1上には、例えば真空蒸着法、またはスパッ
タリング法等の真空成膜技術を用いて、例えば1μm〜
10μmの膜厚のAl2O3の薄膜を、非磁性の無機絶縁
材料薄膜2として形成させる。前記の薄膜2の構成材料
としては、Al2O3、の他にTiO2、ZrO2等の非磁
性の無機絶縁材料の内から適当な材料が選択使用されて
よい。スパッタリング法によってAl2O3の薄膜を成膜
するのに、成膜室内のアルゴンガス圧を5ミリTorr
とし、5インチのターゲットを用いて、1KWの電力を
供給し、室温で成膜を行なったときに、成膜されたAl
2O3の薄膜の圧縮応力は、3かける十の八乗ダイン/平
方センチメートルであった。また、マグネトロンスパッ
タリング法によってTiO2の薄膜を成膜するのに、成
膜室内のアルゴンガス圧を15ミリTorrとし、6イ
ンチのターゲットを用いて、0.6KWの電力を供給
し、室温で成膜を行なったときに、成膜されたTiO2
の薄膜の圧縮応力は、7かける十の八乗ダイン/平方セ
ンチメートルであった。
【0026】既述のようにして基板1上に形成させたA
l2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材料薄膜2上に
は、図1の(a)中の3で示されるような下部磁気コア
3が例えば次のようにして形成される。すなわち、ま
ず、例えば真空蒸着法、またはスパッタリング法等の真
空成膜技術を適用して、前記したAl2O3の薄膜からな
る非磁性の無機絶縁材料薄膜2の全面に磁性膜を形成さ
せる。前記した磁性膜は、例えばCo系のアモルファ
ス、FeTaNなどの磁性材料を使用して、例えば4μ
m〜5μmの膜厚のものと形成される。次に、前記の磁
性膜の全面に、例えばスピンコート法により、フォトレ
ジスト層を形成させる。前記のフォトレジスト、及び後
述される各工程で使用されているフォトレジストとして
は、例えば、東京応化(株)製のOFPR−800を用
いることができる。
l2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材料薄膜2上に
は、図1の(a)中の3で示されるような下部磁気コア
3が例えば次のようにして形成される。すなわち、ま
ず、例えば真空蒸着法、またはスパッタリング法等の真
空成膜技術を適用して、前記したAl2O3の薄膜からな
る非磁性の無機絶縁材料薄膜2の全面に磁性膜を形成さ
せる。前記した磁性膜は、例えばCo系のアモルファ
ス、FeTaNなどの磁性材料を使用して、例えば4μ
m〜5μmの膜厚のものと形成される。次に、前記の磁
性膜の全面に、例えばスピンコート法により、フォトレ
ジスト層を形成させる。前記のフォトレジスト、及び後
述される各工程で使用されているフォトレジストとして
は、例えば、東京応化(株)製のOFPR−800を用
いることができる。
【0027】そして、前記のフォトレジスト層には、周
知のフォトリソグラフィ法を適用し、フォトレジスト層
に対する露光,現像処理を経て、下部磁気コア3の形状
のマスクパターンをフォトレジスト層で形成させてか
ら、前記の磁性膜におけるフォトレジスト層によって被
覆されていない部分を、例えばイオンビームミリング等
のドライエッチング手段の適用により除去して、基板1
上に形成させたAl2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶
縁材料薄膜2上には、図1の(a)に示されているよう
に、下部磁気コア3が形成される。なお、図1の(a)
は、図1の(b)によって示されている平面図における
A−A線位置における縦断面図である。
知のフォトリソグラフィ法を適用し、フォトレジスト層
に対する露光,現像処理を経て、下部磁気コア3の形状
のマスクパターンをフォトレジスト層で形成させてか
ら、前記の磁性膜におけるフォトレジスト層によって被
覆されていない部分を、例えばイオンビームミリング等
のドライエッチング手段の適用により除去して、基板1
上に形成させたAl2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶
縁材料薄膜2上には、図1の(a)に示されているよう
に、下部磁気コア3が形成される。なお、図1の(a)
は、図1の(b)によって示されている平面図における
A−A線位置における縦断面図である。
【0028】次に、平面図が図1の(b)で示されると
ともに縦断面図が図1の(a)で示されるような素材に
対して、非磁性の無機絶縁材料としてAl2O3を用い
て、例えば真空蒸着法、またはスパッタリング法(ステ
ップカバレージの良好な…パターンに対して被覆率の良
好な…例えば、基板に高周波バイアスを印加したバイア
ススパッタリング法)等の真空成膜技術により、Al2
O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材料の薄膜を、前
記した下部磁気コア3の厚さ以上の膜厚のものとして形
成させる。次いで、前記したAl2O3の薄膜からなる非
磁性の無機絶縁材料の薄膜における盛上がっている部分
を研磨して、図1の(c)に示されているように、下部
磁気コア3がAl2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁
材料の薄膜9中に埋設された状態で、かつ、下部磁気コ
ア3の上面がAl2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁
材料の薄膜9から露出している状態の素材を得る。
ともに縦断面図が図1の(a)で示されるような素材に
対して、非磁性の無機絶縁材料としてAl2O3を用い
て、例えば真空蒸着法、またはスパッタリング法(ステ
ップカバレージの良好な…パターンに対して被覆率の良
好な…例えば、基板に高周波バイアスを印加したバイア
ススパッタリング法)等の真空成膜技術により、Al2
O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材料の薄膜を、前
記した下部磁気コア3の厚さ以上の膜厚のものとして形
成させる。次いで、前記したAl2O3の薄膜からなる非
磁性の無機絶縁材料の薄膜における盛上がっている部分
を研磨して、図1の(c)に示されているように、下部
磁気コア3がAl2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁
材料の薄膜9中に埋設された状態で、かつ、下部磁気コ
ア3の上面がAl2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁
材料の薄膜9から露出している状態の素材を得る。
【0029】次に、図1の(c)に示されている素材の
全面に、例えばCo系のアモルファス、FeTaNなど
の磁性材料を使用して、例えば4μm〜5μmの膜厚の
磁性膜を形成させ、次いで前記の磁性膜の全面に、例え
ばスピンコート法により、フォトレジスト層を形成させ
る。前記のフォトレジスト層に対して周知のフォトリソ
グラフィ法を適用し、フォトレジスト層に露光,現像処
理を施して、中間磁気コア10と結合磁路11との形状
を備えたマスクパターンをフォトレジスト層で形成させ
てから、前記のフォトレジスト層によるマスクパターン
で被覆されていない磁性膜の部分を、例えばイオンビー
ムミリング等のドライエッチング手段を適用して除去し
て、下部磁気コア3の両端に、前記の磁性膜により中間
磁気コア10と結合磁路11とが形成されている状態の
素材を得る。
全面に、例えばCo系のアモルファス、FeTaNなど
の磁性材料を使用して、例えば4μm〜5μmの膜厚の
磁性膜を形成させ、次いで前記の磁性膜の全面に、例え
ばスピンコート法により、フォトレジスト層を形成させ
る。前記のフォトレジスト層に対して周知のフォトリソ
グラフィ法を適用し、フォトレジスト層に露光,現像処
理を施して、中間磁気コア10と結合磁路11との形状
を備えたマスクパターンをフォトレジスト層で形成させ
てから、前記のフォトレジスト層によるマスクパターン
で被覆されていない磁性膜の部分を、例えばイオンビー
ムミリング等のドライエッチング手段を適用して除去し
て、下部磁気コア3の両端に、前記の磁性膜により中間
磁気コア10と結合磁路11とが形成されている状態の
素材を得る。
【0030】次いで、例えば真空蒸着法、またはスパッ
タリング法等の真空成膜技術を用いて、SiO2を主成
分とする非磁性の無機絶縁材料により、前記した中間磁
気コア10と結合磁路11との厚さ以上の膜厚の薄膜を
前記の素材に対して形成させた後に、前記のSiO2を
主成分とする非磁性の無機絶縁材料の薄膜における盛上
がっている部分を研磨して、中間磁気コア10と結合磁
路11とが、SiO2を主成分とする非磁性の無機絶縁
材料の薄膜12中に埋設された状態で、かつ、中間磁気
コア10の上面と結合磁路11との上面とが、SiO2
を主成分とする非磁性の無機絶縁材料の薄膜12から露
出している状態の素材、すなわち、図1の(d)に示す
ような素材を得る。なお、図1の(d)は、図1の
(e)によって示されている平面図におけるA−A線位
置における縦断面図である。
タリング法等の真空成膜技術を用いて、SiO2を主成
分とする非磁性の無機絶縁材料により、前記した中間磁
気コア10と結合磁路11との厚さ以上の膜厚の薄膜を
前記の素材に対して形成させた後に、前記のSiO2を
主成分とする非磁性の無機絶縁材料の薄膜における盛上
がっている部分を研磨して、中間磁気コア10と結合磁
路11とが、SiO2を主成分とする非磁性の無機絶縁
材料の薄膜12中に埋設された状態で、かつ、中間磁気
コア10の上面と結合磁路11との上面とが、SiO2
を主成分とする非磁性の無機絶縁材料の薄膜12から露
出している状態の素材、すなわち、図1の(d)に示す
ような素材を得る。なお、図1の(d)は、図1の
(e)によって示されている平面図におけるA−A線位
置における縦断面図である。
【0031】次に、平面図が図1の(e)で示されると
ともに縦断面図が図1の(d)で示されるような素材の
面上に、例えばスピンコート法によりフォトレジスト層
を形成させた後に、前記のフォトレジスト層に対して周
知のフォトリソグラフィ法を適用し、フォトレジスト層
に対する露光,現像処理を経て、所望のコイルパターン
を有するマスクパターンをフォトレジスト層で形成させ
る。そして、前記の所望のコイルパターンを有するマス
クパターンを用いて、リアクティブイオンエッチング法
によるドライエッチングを行なって、前記したSiO2
を主成分とする非磁性の無機絶縁材料の薄膜12中に、
前記した所望のコイルパターンと対応する溝13,13
…を形成させる。
ともに縦断面図が図1の(d)で示されるような素材の
面上に、例えばスピンコート法によりフォトレジスト層
を形成させた後に、前記のフォトレジスト層に対して周
知のフォトリソグラフィ法を適用し、フォトレジスト層
に対する露光,現像処理を経て、所望のコイルパターン
を有するマスクパターンをフォトレジスト層で形成させ
る。そして、前記の所望のコイルパターンを有するマス
クパターンを用いて、リアクティブイオンエッチング法
によるドライエッチングを行なって、前記したSiO2
を主成分とする非磁性の無機絶縁材料の薄膜12中に、
前記した所望のコイルパターンと対応する溝13,13
…を形成させる。
【0032】すなわち、前記のコイルパターンを有する
マスクパターンが設けられた素材を被エッチング部材と
して、成膜室(真空外囲器)中の電極上に載置し、真空
外囲器を密封した後に、真空ポンプを始動させて真空外
囲器内の排気動作を行なった後に、エッチングガス源と
されるエッチングガスの容器から、エッチングガス(例
えばCHF3,CHF4のようなフロロカーボン等の弗素
系のエッチングガス)を真空外囲器内に導入する。真空
外囲器内のエッチングガスの圧力を適正にし、電極間に
高周波電源から高周波電力の供給を開始させてフロロカ
ーボン等の弗素系のエッチングガスのプラズマが発生さ
せて、電極上に載置されている被エッチング部材におけ
るSiO2を主成分とする非磁性の無機絶縁材料の薄膜
12に、前記したCHF3ガスのプラズマにより、リア
クティブイオンエッチング法によるドライエッチングを
行なう。それにより、前記したSiO2を主成分とする
非磁性の無機絶縁材料の薄膜12には、図1の(f)に
示されているように溝13,13…が形成される。
マスクパターンが設けられた素材を被エッチング部材と
して、成膜室(真空外囲器)中の電極上に載置し、真空
外囲器を密封した後に、真空ポンプを始動させて真空外
囲器内の排気動作を行なった後に、エッチングガス源と
されるエッチングガスの容器から、エッチングガス(例
えばCHF3,CHF4のようなフロロカーボン等の弗素
系のエッチングガス)を真空外囲器内に導入する。真空
外囲器内のエッチングガスの圧力を適正にし、電極間に
高周波電源から高周波電力の供給を開始させてフロロカ
ーボン等の弗素系のエッチングガスのプラズマが発生さ
せて、電極上に載置されている被エッチング部材におけ
るSiO2を主成分とする非磁性の無機絶縁材料の薄膜
12に、前記したCHF3ガスのプラズマにより、リア
クティブイオンエッチング法によるドライエッチングを
行なう。それにより、前記したSiO2を主成分とする
非磁性の無機絶縁材料の薄膜12には、図1の(f)に
示されているように溝13,13…が形成される。
【0033】前記のようにして、SiO2を主成分とす
る非磁性の無機絶縁材料の薄膜12に所定の深さの溝1
3,13…が構成されたならば、真空外囲器内で行なわ
れていたエッチング動作を停止させて、素材を真空外囲
器外に取出し、素材に残されたフォトレジスト層による
マスク部材を除去する。次いで、前記したSiO2を主
成分とする非磁性の無機絶縁材料薄膜12中にコイルパ
ターンと対応する溝13,13…が設けられた状態の素
材の全面に、真空成膜技術により導電材料、例えば銅の
薄膜を被着させた後に、前記のSiO2を主成分とする
非磁性の無機絶縁材料薄膜12の表面や、中間磁気コア
10と結合磁路11の表面などが露出する状態になるよ
うに研磨する。それにより前記したSiO2を主成分と
する非磁性の無機絶縁材料薄膜12中のコイルパターン
と対応する溝13,13…が、導電材料14によって充
填された状態にされた図1の(f)に示されるような素
材が得られる。なお、図1の(f)は、図1の(g)に
よって示されている平面図におけるA−A線位置におけ
る縦断面図である。
る非磁性の無機絶縁材料の薄膜12に所定の深さの溝1
3,13…が構成されたならば、真空外囲器内で行なわ
れていたエッチング動作を停止させて、素材を真空外囲
器外に取出し、素材に残されたフォトレジスト層による
マスク部材を除去する。次いで、前記したSiO2を主
成分とする非磁性の無機絶縁材料薄膜12中にコイルパ
ターンと対応する溝13,13…が設けられた状態の素
材の全面に、真空成膜技術により導電材料、例えば銅の
薄膜を被着させた後に、前記のSiO2を主成分とする
非磁性の無機絶縁材料薄膜12の表面や、中間磁気コア
10と結合磁路11の表面などが露出する状態になるよ
うに研磨する。それにより前記したSiO2を主成分と
する非磁性の無機絶縁材料薄膜12中のコイルパターン
と対応する溝13,13…が、導電材料14によって充
填された状態にされた図1の(f)に示されるような素
材が得られる。なお、図1の(f)は、図1の(g)に
よって示されている平面図におけるA−A線位置におけ
る縦断面図である。
【0034】次に、図1の(f)に示されるような素材
の表面に、所定の磁気空隙長の磁気空隙部を形成させる
ために、例えば真空蒸着法、またはスパッタリング法等
の真空成膜技術を用いて、Al2O3の薄膜からなる非磁
性の無機絶縁材料の薄膜15を構成させた後に、前記の
素材の面上に例えば真空蒸着法、またはスパッタリング
法等の真空成膜技術を適用して、前記したAl2O3の薄
膜からなる非磁性の無機絶縁材料薄膜15の全面に、例
えばCo系のアモルファス、FeTaNなどの磁性材料
を使用して、例えば4μm〜5μmの膜厚の磁性膜を形
成させ、次に、前記の磁性膜の全面に、例えばスピンコ
ート法により、フォトレジスト層を形成させる。
の表面に、所定の磁気空隙長の磁気空隙部を形成させる
ために、例えば真空蒸着法、またはスパッタリング法等
の真空成膜技術を用いて、Al2O3の薄膜からなる非磁
性の無機絶縁材料の薄膜15を構成させた後に、前記の
素材の面上に例えば真空蒸着法、またはスパッタリング
法等の真空成膜技術を適用して、前記したAl2O3の薄
膜からなる非磁性の無機絶縁材料薄膜15の全面に、例
えばCo系のアモルファス、FeTaNなどの磁性材料
を使用して、例えば4μm〜5μmの膜厚の磁性膜を形
成させ、次に、前記の磁性膜の全面に、例えばスピンコ
ート法により、フォトレジスト層を形成させる。
【0035】そして、前記のフォトレジスト層に対し
て、周知のフォトリソグラフィ法を適用し、フォトレジ
スト層に対する露光,現像処理を経て、上部磁気コア1
6の形状を備えたマスクパターンをフォトレジスト層に
より形成させてから、前記の磁性膜におけるフォトレジ
スト層によって被覆されていない部分を、例えばイオン
ビームミリング等のドライエッチング手段の適用により
除去することにより、Al2O3の薄膜からなる非磁性の
無機絶縁材料薄膜15上には、図1の(h)に示されて
いるように、上部磁気コア16が形成される。次に、例
えば真空成膜技術により、上部磁気コア16が、Al2
O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材料によって埋設
された状態となるようにした後に、前記のAl2O3の薄
膜からなる非磁性の無機絶縁材料における盛上がってい
る部分を研磨して、前記の上部磁気コア16がAl2O3
の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材料薄膜17中に埋設
された状態で、かつ、上部磁気コア16の上面がAl2
O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材料薄膜17から
露出している状態とされた図1の(h)に示すような素
材を得る。
て、周知のフォトリソグラフィ法を適用し、フォトレジ
スト層に対する露光,現像処理を経て、上部磁気コア1
6の形状を備えたマスクパターンをフォトレジスト層に
より形成させてから、前記の磁性膜におけるフォトレジ
スト層によって被覆されていない部分を、例えばイオン
ビームミリング等のドライエッチング手段の適用により
除去することにより、Al2O3の薄膜からなる非磁性の
無機絶縁材料薄膜15上には、図1の(h)に示されて
いるように、上部磁気コア16が形成される。次に、例
えば真空成膜技術により、上部磁気コア16が、Al2
O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材料によって埋設
された状態となるようにした後に、前記のAl2O3の薄
膜からなる非磁性の無機絶縁材料における盛上がってい
る部分を研磨して、前記の上部磁気コア16がAl2O3
の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材料薄膜17中に埋設
された状態で、かつ、上部磁気コア16の上面がAl2
O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材料薄膜17から
露出している状態とされた図1の(h)に示すような素
材を得る。
【0036】図1の(h)に示されている状態の素材に
は、次いで、成膜技術と、フォトリソグラフィ技術と、
エッチング技術等を適用して、コイルパターンの始端部
とコイルパターンの終端部とにスルーホール部を設けた
り、リード線を形成したり、ボンディングパットを形成
させたり、Al2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材
料薄膜を保護膜として形成させて薄膜磁気ヘッドを完成
させる。
は、次いで、成膜技術と、フォトリソグラフィ技術と、
エッチング技術等を適用して、コイルパターンの始端部
とコイルパターンの終端部とにスルーホール部を設けた
り、リード線を形成したり、ボンディングパットを形成
させたり、Al2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材
料薄膜を保護膜として形成させて薄膜磁気ヘッドを完成
させる。
【0037】次に図2の(i)に示されているような構
成態様の薄膜磁気ヘッドとして、本発明の薄膜磁気ヘッ
ドを作製する場合について、図2の(a)〜(i)を参
照して説明する。図2の(a)〜(i)に示す順次の各
工程において、図2の(a),(b)と対応する工程の説
明内容は、図1の(a),(b)を参照して既述した工
程の内容と全く同じであるので、その具体的な記述は省
略する。図2の(a),(b)に示されている、例えば
CaTiO3のような非磁性材料製の基板1上に形成さ
せたAl2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材料薄膜
2上に、例えばCo系のアモルファス、FeTaNなど
の磁性材料を使用して、例えば4μm〜5μmの膜厚の
所望形状の磁性膜により形成させた下部磁気コア3を有
する素材に対して、非磁性の無機絶縁材料としてAl2
O3を用いて、例えば真空蒸着法、またはスパッタリン
グ法等の真空成膜技術により、Al2O3の薄膜からなる
非磁性の無機絶縁材料の薄膜を、前記した下部磁気コア
3の厚さ以上の膜厚のものとして形成させる。
成態様の薄膜磁気ヘッドとして、本発明の薄膜磁気ヘッ
ドを作製する場合について、図2の(a)〜(i)を参
照して説明する。図2の(a)〜(i)に示す順次の各
工程において、図2の(a),(b)と対応する工程の説
明内容は、図1の(a),(b)を参照して既述した工
程の内容と全く同じであるので、その具体的な記述は省
略する。図2の(a),(b)に示されている、例えば
CaTiO3のような非磁性材料製の基板1上に形成さ
せたAl2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材料薄膜
2上に、例えばCo系のアモルファス、FeTaNなど
の磁性材料を使用して、例えば4μm〜5μmの膜厚の
所望形状の磁性膜により形成させた下部磁気コア3を有
する素材に対して、非磁性の無機絶縁材料としてAl2
O3を用いて、例えば真空蒸着法、またはスパッタリン
グ法等の真空成膜技術により、Al2O3の薄膜からなる
非磁性の無機絶縁材料の薄膜を、前記した下部磁気コア
3の厚さ以上の膜厚のものとして形成させる。
【0038】次いで、前記したAl2O3の薄膜からなる
非磁性の無機絶縁材料の薄膜における盛上がっている部
分を研磨して、図2の(c)に示されているように、下
部磁気コア3がAl2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶
縁材料の薄膜9中に埋設された状態で、かつ、下部磁気
コア3の上面が、Al2O3の薄膜からなる非磁性の無機
絶縁材料の薄膜9の表面からΔHの位置にある状態の素
材を得る。図中のHは下部磁気コア3の厚さである。
非磁性の無機絶縁材料の薄膜における盛上がっている部
分を研磨して、図2の(c)に示されているように、下
部磁気コア3がAl2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶
縁材料の薄膜9中に埋設された状態で、かつ、下部磁気
コア3の上面が、Al2O3の薄膜からなる非磁性の無機
絶縁材料の薄膜9の表面からΔHの位置にある状態の素
材を得る。図中のHは下部磁気コア3の厚さである。
【0039】次に、図2の(c)に示されている状態の
素材の上面に、例えばスピンコート法により、フォトレ
ジスト層を形成させる。前記のフォトレジスト層に対し
て周知のフォトリソグラフィ法を適用し、フォトレジス
ト層に露光,現像処理を施して、中間磁気コア10と結
合磁路11との形状を備えたマスクパターンをフォトレ
ジスト層で形成させてから、前記のフォトレジスト層に
よるマスクパターンで被覆されていないAl2O3の薄膜
からなる非磁性の無機絶縁材料の薄膜9の部分を、表面
からΔHの深さまで、例えばイオンビームミリング等の
ドライエッチング手段を適用して除去9a,9aして、
その部分に下部磁気コア3を露出させて、の磁性膜によ
り中間磁気コア10と結合磁路11とが形成されている
状態の図2の(d)に示されている状態の素材を得る。
素材の上面に、例えばスピンコート法により、フォトレ
ジスト層を形成させる。前記のフォトレジスト層に対し
て周知のフォトリソグラフィ法を適用し、フォトレジス
ト層に露光,現像処理を施して、中間磁気コア10と結
合磁路11との形状を備えたマスクパターンをフォトレ
ジスト層で形成させてから、前記のフォトレジスト層に
よるマスクパターンで被覆されていないAl2O3の薄膜
からなる非磁性の無機絶縁材料の薄膜9の部分を、表面
からΔHの深さまで、例えばイオンビームミリング等の
ドライエッチング手段を適用して除去9a,9aして、
その部分に下部磁気コア3を露出させて、の磁性膜によ
り中間磁気コア10と結合磁路11とが形成されている
状態の図2の(d)に示されている状態の素材を得る。
【0040】次に、図2の(d)に示されている素材の
全面に、例えばCo系のアモルファス、FeTaNなど
の磁性材料を使用して、例えば4μm〜5μmの膜厚の
磁性膜を形成させ、次いで前記の磁性膜の全面に、例え
ばスピンコート法により、フォトレジスト層を形成させ
る。前記のフォトレジスト層に対して周知のフォトリソ
グラフィ法を適用し、フォトレジスト層に露光,現像処
理を施して、中間磁気コア10と結合磁路11との形状
を備えたマスクパターンをフォトレジスト層で形成させ
てから、前記のフォトレジスト層によるマスクパターン
て被覆されていない磁性膜の部分を、例えばイオンビー
ムミリング等のドライエッチング手段を適用して除去し
て、下部磁気コア3の両端に、前記の磁性膜により中間
磁気コア10と結合磁路11とが形成されている状態の
素材を得る。
全面に、例えばCo系のアモルファス、FeTaNなど
の磁性材料を使用して、例えば4μm〜5μmの膜厚の
磁性膜を形成させ、次いで前記の磁性膜の全面に、例え
ばスピンコート法により、フォトレジスト層を形成させ
る。前記のフォトレジスト層に対して周知のフォトリソ
グラフィ法を適用し、フォトレジスト層に露光,現像処
理を施して、中間磁気コア10と結合磁路11との形状
を備えたマスクパターンをフォトレジスト層で形成させ
てから、前記のフォトレジスト層によるマスクパターン
て被覆されていない磁性膜の部分を、例えばイオンビー
ムミリング等のドライエッチング手段を適用して除去し
て、下部磁気コア3の両端に、前記の磁性膜により中間
磁気コア10と結合磁路11とが形成されている状態の
素材を得る。
【0041】次いで、例えば真空蒸着法、またはスパッ
タリング法等の真空成膜技術を用いて、SiO2を主成
分とする非磁性の無機絶縁材料により、前記した中間磁
気コア10と結合磁路11との厚さ以上の膜厚の薄膜を
前記の素材に対して形成させた後に、前記のSiO2を
主成分とする非磁性の無機絶縁材料の薄膜における盛上
がっている部分を研磨して、中間磁気コア10と結合磁
路11とが、SiO2を主成分とする非磁性の無機絶縁
材料の薄膜12中に埋設された状態で、かつ、中間磁気
コア10の上面と結合磁路11との上面とが、SiO2
を主成分とする非磁性の無機絶縁材料の薄膜12から露
出している状態の素材、すなわち、図2の(e)に示す
ような素材を得る。なお、図2の(e)は、図2の
(f)によって示されている平面図におけるA−A線位
置における縦断面図である。
タリング法等の真空成膜技術を用いて、SiO2を主成
分とする非磁性の無機絶縁材料により、前記した中間磁
気コア10と結合磁路11との厚さ以上の膜厚の薄膜を
前記の素材に対して形成させた後に、前記のSiO2を
主成分とする非磁性の無機絶縁材料の薄膜における盛上
がっている部分を研磨して、中間磁気コア10と結合磁
路11とが、SiO2を主成分とする非磁性の無機絶縁
材料の薄膜12中に埋設された状態で、かつ、中間磁気
コア10の上面と結合磁路11との上面とが、SiO2
を主成分とする非磁性の無機絶縁材料の薄膜12から露
出している状態の素材、すなわち、図2の(e)に示す
ような素材を得る。なお、図2の(e)は、図2の
(f)によって示されている平面図におけるA−A線位
置における縦断面図である。
【0042】次に、平面図が図2の(f)で示されると
ともに縦断面図が図2の(e)で示されるような素材の
面上に、例えばスピンコート法によりフォトレジスト層
を形成させた後に、前記のフォトレジスト層に対して周
知のフォトリソグラフィ法を適用し、フォトレジスト層
に対する露光,現像処理を経て、所望のコイルパターン
を有するマスクパターンをフォトレジスト層で形成させ
る。そして、前記の所望のコイルパターンを有するマス
クパターンを用いて、リアクティブイオンエッチング法
によりフロロカーボン等の弗素系のエッチングガスを使
用したドライエッチングを行なって、前記したSiO2
を主成分とする非磁性の無機絶縁材料の薄膜12中に、
前記した所望のコイルパターンと対応する溝13,13
…を形成させる。それにより、前記したSiO2を主成
分とする非磁性の無機絶縁材料の薄膜12には、図2の
(g)に示されているように溝13,13…が形成され
る。
ともに縦断面図が図2の(e)で示されるような素材の
面上に、例えばスピンコート法によりフォトレジスト層
を形成させた後に、前記のフォトレジスト層に対して周
知のフォトリソグラフィ法を適用し、フォトレジスト層
に対する露光,現像処理を経て、所望のコイルパターン
を有するマスクパターンをフォトレジスト層で形成させ
る。そして、前記の所望のコイルパターンを有するマス
クパターンを用いて、リアクティブイオンエッチング法
によりフロロカーボン等の弗素系のエッチングガスを使
用したドライエッチングを行なって、前記したSiO2
を主成分とする非磁性の無機絶縁材料の薄膜12中に、
前記した所望のコイルパターンと対応する溝13,13
…を形成させる。それにより、前記したSiO2を主成
分とする非磁性の無機絶縁材料の薄膜12には、図2の
(g)に示されているように溝13,13…が形成され
る。
【0043】前記したフロロカーボン等の弗素系のエッ
チングガスを使用し、SiO2を主成分とする非磁性の
無機絶縁材料の薄膜12に対して、リアクティブイオン
エッチング法によりドライエッチングを行なう場合に
は、早いエッチング速度でSiO2を主成分とする非磁
性の無機絶縁材料の薄膜12に対するエッチング動作を
行なうことができるが、前記したSiO2を主成分とす
る非磁性の無機絶縁材料の薄膜12の下方に接して設け
られているAl2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材
料の薄膜9に対しては、早い速度でのエッチングが行な
われないので、2図を参照して述べている薄膜磁気ヘッ
ドの製作工程に従った薄膜磁気ヘッドを製作する場合に
は、SiO2を主成分とする非磁性の無機絶縁材料の薄
膜12中に、前記した所望のコイルパターンと対応する
所定の溝13,13…を形成させる場合のリアクティブ
イオンエッチング法によるドライエッチングの条件の設
定が容易となる。
チングガスを使用し、SiO2を主成分とする非磁性の
無機絶縁材料の薄膜12に対して、リアクティブイオン
エッチング法によりドライエッチングを行なう場合に
は、早いエッチング速度でSiO2を主成分とする非磁
性の無機絶縁材料の薄膜12に対するエッチング動作を
行なうことができるが、前記したSiO2を主成分とす
る非磁性の無機絶縁材料の薄膜12の下方に接して設け
られているAl2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材
料の薄膜9に対しては、早い速度でのエッチングが行な
われないので、2図を参照して述べている薄膜磁気ヘッ
ドの製作工程に従った薄膜磁気ヘッドを製作する場合に
は、SiO2を主成分とする非磁性の無機絶縁材料の薄
膜12中に、前記した所望のコイルパターンと対応する
所定の溝13,13…を形成させる場合のリアクティブ
イオンエッチング法によるドライエッチングの条件の設
定が容易となる。
【0044】素材に残されたフォトレジスト層によるマ
スク部材を除去した後に、前記したSiO2を主成分と
する非磁性の無機絶縁材料薄膜12中にコイルパターン
と対応する溝13,13…が設けられた状態の素材の全
面に、真空成膜技術により導電材料、例えば銅の薄膜を
被着させた後に、前記のSiO2を主成分とする非磁性
の無機絶縁材料薄膜12の表面や、中間磁気コア10と
結合磁路11の表面などが露出する状態になるように研
磨して、前記したSiO2を主成分とする非磁性の無機
絶縁材料薄膜12中のコイルパターンと対応する溝1
3,13…が、導電材料14によって充填された状態に
された図2の(g)に示されるような素材が得られる。
なお、図2の(g)は、図2の(h)によって示されて
いる平面図におけるA−A線位置における縦断面図であ
る。
スク部材を除去した後に、前記したSiO2を主成分と
する非磁性の無機絶縁材料薄膜12中にコイルパターン
と対応する溝13,13…が設けられた状態の素材の全
面に、真空成膜技術により導電材料、例えば銅の薄膜を
被着させた後に、前記のSiO2を主成分とする非磁性
の無機絶縁材料薄膜12の表面や、中間磁気コア10と
結合磁路11の表面などが露出する状態になるように研
磨して、前記したSiO2を主成分とする非磁性の無機
絶縁材料薄膜12中のコイルパターンと対応する溝1
3,13…が、導電材料14によって充填された状態に
された図2の(g)に示されるような素材が得られる。
なお、図2の(g)は、図2の(h)によって示されて
いる平面図におけるA−A線位置における縦断面図であ
る。
【0045】次に、図2の(g)に示されるような素材
の表面に、所定の磁気空隙長の磁気空隙部を形成させる
ためのAl2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材料の
薄膜15を構成させたり、前記したAl2O3の薄膜から
なる非磁性の無機絶縁材料薄膜15上に、上部磁気コア
16を形成させたり、上部磁気コア16がAl2O3の薄
膜からなる非磁性の無機絶縁材料によって埋設された状
態となるようにしたりして図2の(i)に示してあるよ
うな素材を得るようにしたり、図2の(i)に示してあ
るような素材に対して、成膜技術と、フォトリソグラフ
ィ技術と、エッチング技術等を適用して、コイルパター
ンの始端部とコイルパターンの終端部とにスルーホール
部を設けたり、リード線を形成したり、ボンディングパ
ットを形成させたり、Al2O3の薄膜からなる非磁性の
無機絶縁材料薄膜を保護膜として形成させて薄膜磁気ヘ
ッドを完成させるようにする点は、図1の(h)以降の
工程について既述したところと同じである。
の表面に、所定の磁気空隙長の磁気空隙部を形成させる
ためのAl2O3の薄膜からなる非磁性の無機絶縁材料の
薄膜15を構成させたり、前記したAl2O3の薄膜から
なる非磁性の無機絶縁材料薄膜15上に、上部磁気コア
16を形成させたり、上部磁気コア16がAl2O3の薄
膜からなる非磁性の無機絶縁材料によって埋設された状
態となるようにしたりして図2の(i)に示してあるよ
うな素材を得るようにしたり、図2の(i)に示してあ
るような素材に対して、成膜技術と、フォトリソグラフ
ィ技術と、エッチング技術等を適用して、コイルパター
ンの始端部とコイルパターンの終端部とにスルーホール
部を設けたり、リード線を形成したり、ボンディングパ
ットを形成させたり、Al2O3の薄膜からなる非磁性の
無機絶縁材料薄膜を保護膜として形成させて薄膜磁気ヘ
ッドを完成させるようにする点は、図1の(h)以降の
工程について既述したところと同じである。
【0046】これまでの説明から明らかなように本発明
の薄膜磁気ヘッドは、対向して配置されている下部磁気
コア3と上部磁気コア16との一端部に磁気空隙を構成
させるために設けた中間磁気コア10と、前記の上部,
下部の両磁気コア3,16の他端部を接続する結合磁路
11と、前記の結合磁路11の位置を巻回中心位置とし
て、前記した上部,下部の両磁気コア3,16間の空間
を少なくとも含んでいる空間部内に、所定のコイルパタ
ーンを有するコイル14が非磁性の無機絶縁材料薄膜1
2中に埋設された状態に設けられる状態となるように、
導電体材料が充填される溝13が設けられるべきコイル
埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜12の材料として、
SiO2を主成分とする非磁性の無機絶縁材料を用いる
ことにより、前記したコイル埋設用の非磁性の無機絶縁
材料薄膜12に設けるべき溝13を、フロロカーボン等
の弗素系のエッチングガスによるリアクティブイオンエ
ッチング手段の適用によって早いエッチング速度で、し
かも良好な溝形状の溝を容易に形成することができ、ま
た、前記したコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜
12以外の非磁性の無機絶縁材料薄膜2,9,15,1
7としては、前記したコイル埋設用の非磁性の無機絶縁
材料薄膜12に用いられたSiO2を主成分とする非磁
性の無機絶縁材料の膜内部応力1〜5かける十の九乗ダ
イン/平方センチメートルに比べると小さな膜内部応力
(3かける十の八乗ダイン/平方センチメートル)を有
し、また、フロロカーボン等の弗素系のエッチングガス
によるリアクティブイオンエッチング時のエッチング速
度が、前記したSiO2を主成分とするコイル埋設用の
非磁性の無機絶縁材料薄膜12のエッチング速度に比べ
て約十分の一というように小さく、かつ、熱膨脹係数が
前記したSiO2を主成分とするコイル埋設用の非磁性
の無機絶縁材料薄膜12の熱膨脹係数5〜10かける十
のマイナス七乗の値よりも、非磁性体材料製基板(セラ
ミック基板)の熱膨脹係数100かける十のマイナス七
乗の値に近い、熱膨脹係数の値40〜60かける十のマ
イナス七乗を示すAl2O3を用いたことにより、薄膜磁
気ヘッドの製作時における加熱される工程を経ても、膜
剥離、基板割れ、磁性膜の磁気特性の劣化等の問題が生
じないようにできる。
の薄膜磁気ヘッドは、対向して配置されている下部磁気
コア3と上部磁気コア16との一端部に磁気空隙を構成
させるために設けた中間磁気コア10と、前記の上部,
下部の両磁気コア3,16の他端部を接続する結合磁路
11と、前記の結合磁路11の位置を巻回中心位置とし
て、前記した上部,下部の両磁気コア3,16間の空間
を少なくとも含んでいる空間部内に、所定のコイルパタ
ーンを有するコイル14が非磁性の無機絶縁材料薄膜1
2中に埋設された状態に設けられる状態となるように、
導電体材料が充填される溝13が設けられるべきコイル
埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜12の材料として、
SiO2を主成分とする非磁性の無機絶縁材料を用いる
ことにより、前記したコイル埋設用の非磁性の無機絶縁
材料薄膜12に設けるべき溝13を、フロロカーボン等
の弗素系のエッチングガスによるリアクティブイオンエ
ッチング手段の適用によって早いエッチング速度で、し
かも良好な溝形状の溝を容易に形成することができ、ま
た、前記したコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜
12以外の非磁性の無機絶縁材料薄膜2,9,15,1
7としては、前記したコイル埋設用の非磁性の無機絶縁
材料薄膜12に用いられたSiO2を主成分とする非磁
性の無機絶縁材料の膜内部応力1〜5かける十の九乗ダ
イン/平方センチメートルに比べると小さな膜内部応力
(3かける十の八乗ダイン/平方センチメートル)を有
し、また、フロロカーボン等の弗素系のエッチングガス
によるリアクティブイオンエッチング時のエッチング速
度が、前記したSiO2を主成分とするコイル埋設用の
非磁性の無機絶縁材料薄膜12のエッチング速度に比べ
て約十分の一というように小さく、かつ、熱膨脹係数が
前記したSiO2を主成分とするコイル埋設用の非磁性
の無機絶縁材料薄膜12の熱膨脹係数5〜10かける十
のマイナス七乗の値よりも、非磁性体材料製基板(セラ
ミック基板)の熱膨脹係数100かける十のマイナス七
乗の値に近い、熱膨脹係数の値40〜60かける十のマ
イナス七乗を示すAl2O3を用いたことにより、薄膜磁
気ヘッドの製作時における加熱される工程を経ても、膜
剥離、基板割れ、磁性膜の磁気特性の劣化等の問題が生
じないようにできる。
【0047】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの実施に際
して、コイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜12以
外の非磁性の無機絶縁材料薄膜2,9,15,17の構
成材料としてAl2O3を使用した場合には、次のような
利点も得られる。すなわち、薄膜磁気ヘッドの磁性膜を
被覆する非磁性の無機絶縁材料薄膜は、磁性膜の段差部
分についても良好な状態で形成されることが必要とされ
る。それで、ステップカバレージの良好なバイアス・ス
パッタリング法を用いて、磁性膜の段差部分も非磁性の
無機絶縁材料薄膜で良好に被覆された状態に構成させる
ことが行なわれる。ところで、バイアス・スパッタリン
グ法を適用して薄膜を形成させると、一般的に膜応力が
増加する。しかし、バイアススパッタリング法を用いて
形成させたAl2O3の薄膜は、低い膜応力の薄膜として
形成させることが可能である。また、Al2O3の薄膜は
機械的特性にも優れているために、例えば、薄膜磁気ヘ
ッドを固定ディスク駆動装置(HDD)用の薄膜ヘッド
として使用した場合には、コンタクト・スタート・スト
ップ(CSS)試験でも良好な結果が得られている。
して、コイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜12以
外の非磁性の無機絶縁材料薄膜2,9,15,17の構
成材料としてAl2O3を使用した場合には、次のような
利点も得られる。すなわち、薄膜磁気ヘッドの磁性膜を
被覆する非磁性の無機絶縁材料薄膜は、磁性膜の段差部
分についても良好な状態で形成されることが必要とされ
る。それで、ステップカバレージの良好なバイアス・ス
パッタリング法を用いて、磁性膜の段差部分も非磁性の
無機絶縁材料薄膜で良好に被覆された状態に構成させる
ことが行なわれる。ところで、バイアス・スパッタリン
グ法を適用して薄膜を形成させると、一般的に膜応力が
増加する。しかし、バイアススパッタリング法を用いて
形成させたAl2O3の薄膜は、低い膜応力の薄膜として
形成させることが可能である。また、Al2O3の薄膜は
機械的特性にも優れているために、例えば、薄膜磁気ヘ
ッドを固定ディスク駆動装置(HDD)用の薄膜ヘッド
として使用した場合には、コンタクト・スタート・スト
ップ(CSS)試験でも良好な結果が得られている。
【0048】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、薄膜磁気ヘッ
ドで使用される非磁性の無機絶縁材料薄膜のすべてを、
SiO2を主成分とする非磁性の無機絶縁材料薄膜とし
た場合に比べて、圧縮応力が著るしく減少し、また、薄
膜磁気ヘッドの製作時における加熱される工程を経て
も、高温時の基板と絶縁膜との熱膨脹の差によって発生
する歪も小さくなるために、薄膜磁気ヘッドの磁気回路
の透磁率が10%(10MHzにおいて)以上向上し、
摂氏600度での熱処理時において従来発生していた絶
縁膜剥離、基板割れ、クラックなどの不良が皆無とな
り、また磁性膜の磁気特性の劣化等の問題も生じないよ
うにできた。
なように、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、薄膜磁気ヘッ
ドで使用される非磁性の無機絶縁材料薄膜のすべてを、
SiO2を主成分とする非磁性の無機絶縁材料薄膜とし
た場合に比べて、圧縮応力が著るしく減少し、また、薄
膜磁気ヘッドの製作時における加熱される工程を経て
も、高温時の基板と絶縁膜との熱膨脹の差によって発生
する歪も小さくなるために、薄膜磁気ヘッドの磁気回路
の透磁率が10%(10MHzにおいて)以上向上し、
摂氏600度での熱処理時において従来発生していた絶
縁膜剥離、基板割れ、クラックなどの不良が皆無とな
り、また磁性膜の磁気特性の劣化等の問題も生じないよ
うにできた。
【図1】本発明の薄膜磁気ヘッドの説明に使用される薄
膜磁気ヘッドの概略の製作工程を示している図である。
膜磁気ヘッドの概略の製作工程を示している図である。
【図2】本発明の薄膜磁気ヘッドの説明に使用される薄
膜磁気ヘッドの概略の製作工程を示している図である。
膜磁気ヘッドの概略の製作工程を示している図である。
【図3】従来の薄膜磁気ヘッドを示す図である。
1…基板、2,5,8,9,12,15,17…非磁性
の無機絶縁材料薄膜、3…下部磁気コア、6…コイルパ
ターン、7,16…上部磁気コア、10…中間磁気コ
ア、11…結合磁路、13…溝、14…所定のコイルパ
ターンを有するコイル、
の無機絶縁材料薄膜、3…下部磁気コア、6…コイルパ
ターン、7,16…上部磁気コア、10…中間磁気コ
ア、11…結合磁路、13…溝、14…所定のコイルパ
ターンを有するコイル、
Claims (2)
- 【請求項1】 非磁性体材料製基板上に、下部磁気コア
と、上部磁気コアと、前記の上部,下部の両磁気コアの
一端部に磁気空隙を構成させるために設けた中間磁気コ
アと、前記の上部,下部の両磁気コアの他端部を接続す
る結合磁路と、前記の結合磁路の位置を巻回中心位置と
して、前記した上部,下部の両磁気コア間の空間を少な
くとも含んでいる空間部内に、所定のコイルパターンを
有するコイルが非磁性の無機絶縁材料薄膜中に埋設され
た状態に設けられる状態となるように、導電体材料が充
填されることにより所定のコイルパターンを有するコイ
ルが非磁性の無機絶縁材料薄膜中に構成されるような溝
を備えていてSiO2を主成分とするコイル埋設用の非
磁性の無機絶縁材料薄膜と、前記したコイル埋設用の非
磁性の無機絶縁材料薄膜以外の非磁性の無機絶縁材料薄
膜とが積層して構成された薄膜磁気ヘッドにおいて、前
記したコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜以外の
非磁性の無機絶縁材料薄膜として、膜内部応力が前記し
たSiO2を主成分とするコイル埋設用の非磁性の無機
絶縁材料薄膜の膜内部応力に比べて小さく、また、弗素
系のエッチングガスによるリアクティブイオンエッチン
グ時のエッチング速度が、前記したSiO2を主成分と
するコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜のエッチ
ング速度に比べて小さく、かつ、熱膨脹係数が前記した
SiO2を主成分とするコイル埋設用の非磁性の無機絶
縁材料薄膜の熱膨脹係数よりも非磁性体材料製基板の熱
膨脹係数に近い値を示す非磁性の無機絶縁材料薄膜を用
いて構成したことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項2】 非磁性体材料製基板上に、下部磁気コア
と、上部磁気コアと、前記の上部,下部の両磁気コアの
一端部に磁気空隙を構成させるために設けた中間磁気コ
アと、前記の上部,下部の両磁気コアの他端部を接続す
る結合磁路と、前記の結合磁路の位置を巻回中心位置と
して、前記した上部,下部の両磁気コア間の空間を少な
くとも含んでいる空間部内に、所定のコイルパターンを
有するコイルが非磁性の無機絶縁材料薄膜中に埋設され
た状態に設けられる状態となるように、導電体材料が充
填されることにより所定のコイルパターンを有するコイ
ルが非磁性の無機絶縁材料薄膜中に構成されるような溝
を備えていてSiO2を主成分とするコイル埋設用の非
磁性の無機絶縁材料薄膜と、前記したコイル埋設用の非
磁性の無機絶縁材料薄膜以外の非磁性の無機絶縁材料薄
膜とが積層して構成された薄膜磁気ヘッドにおいて、前
記したコイル埋設用の非磁性の無機絶縁材料薄膜以外の
非磁性の無機絶縁材料薄膜として、Al2O3を用いて構
成したことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17818195A JPH097118A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 薄膜磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17818195A JPH097118A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 薄膜磁気ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH097118A true JPH097118A (ja) | 1997-01-10 |
Family
ID=16044024
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17818195A Pending JPH097118A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 薄膜磁気ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH097118A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7190553B2 (en) | 2000-04-04 | 2007-03-13 | Alps Electric Co., Ltd. | Thin-film magnetic head having lower magnetic pole layer and insulator layer behind the lower magnetic pole layer in the direction of height of the pole layer, and method for manufacturing the thin-film magnetic head |
JP2007523776A (ja) * | 2004-02-24 | 2007-08-23 | サン−ゴバン グラス フランス | 疎水性表面を有し、当該疎水性の耐久性が改良されたガラス基材などの基材 |
-
1995
- 1995-06-21 JP JP17818195A patent/JPH097118A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7190553B2 (en) | 2000-04-04 | 2007-03-13 | Alps Electric Co., Ltd. | Thin-film magnetic head having lower magnetic pole layer and insulator layer behind the lower magnetic pole layer in the direction of height of the pole layer, and method for manufacturing the thin-film magnetic head |
JP2007523776A (ja) * | 2004-02-24 | 2007-08-23 | サン−ゴバン グラス フランス | 疎水性表面を有し、当該疎水性の耐久性が改良されたガラス基材などの基材 |
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