JPH0969467A - 温度補償用積層セラミックコンデンサならびにその製造方法 - Google Patents

温度補償用積層セラミックコンデンサならびにその製造方法

Info

Publication number
JPH0969467A
JPH0969467A JP7224123A JP22412395A JPH0969467A JP H0969467 A JPH0969467 A JP H0969467A JP 7224123 A JP7224123 A JP 7224123A JP 22412395 A JP22412395 A JP 22412395A JP H0969467 A JPH0969467 A JP H0969467A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric material
dielectric
volume
capacitor
internal electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7224123A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3481740B2 (ja
Inventor
Tadakatsu Asano
忠克 浅野
Takao Hashiguchi
隆生 橋口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP22412395A priority Critical patent/JP3481740B2/ja
Publication of JPH0969467A publication Critical patent/JPH0969467A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3481740B2 publication Critical patent/JP3481740B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体層の組成比や焼成条件を変更せずに、
温度係数を容易に補正した温度補償用積層セラミックコ
ンデンサならびにその製造方法を提供する。 【解決手段】 温度補償用積層セラミックコンデンサ1
に、複数の誘電体層2間に、金属粉末 100容量%に対し
て誘電体層2の誘電体材料を13容量%以下(ただし、0
容量%を除く)含有せしめた内部電極層3を挟んで多層
に積層して成るコンデンサ本体部4を具備させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は温度補償用積層セラ
ミックコンデンサに関し、詳しくは温度係数の補正を容
易にした温度補償用積層セラミックコンデンサならびに
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサは、表面に導
電性ペーストを塗布した誘電体材料のグリーンシートを
複数積層して一体焼成し、誘電体層間に内部電極を形成
したものをコンデンサ本体部とし、その本体部の側面に
一対の外部電極を形成して前記内部電極を交互に並列に
接続するような構造とされており、その外部電極を回路
基板に直接半田付けして実装され使用される。
【0003】このような積層セラミックコンデンサはそ
の特性により大きく2種類に大別されており、電子機器
の共振回路や一般にQが高く温度に対する静電容量の安
定性が重要な回路に用いられるものは、温度補償用積層
セラミックコンデンサと呼ばれている。
【0004】温度補償用積層セラミックコンデンサは、
温度に対する静電容量の変化が直線的で、再現性もあ
り、小型で大容量のコンデンサとして種々の電子回路や
電子機器に幅広く使用されている。
【0005】温度補償用積層セラミックコンデンサの温
度に対する静電容量の変化率、すなわち温度係数は、主
として誘電体層に使用する誘電体材料の特性により異な
るが、その温度係数を補正は、従来、次のようにして行
なわれていた。
【0006】まず、温度係数を±20ppm/℃以上の比
較的大きい範囲で補正する場合は、誘電体層に使用する
誘電体材料の組成比を変更する方法が採られていた。
【0007】また、温度係数を±20ppm/℃以内の比
較的小さい範囲で補正する場合は、使用する誘電体材料
の組成比は変更せず、コンデンサ本体部を焼成する際の
焼成条件を変更する方法が採られていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
補正方法では、以下のような問題点が生じ易かった。
【0009】すなわち、温度係数を補正するために誘電
体材料の組成比を変更する場合は、温度係数のずれた誘
電体材料のグリーンシートは調整して再生利用すること
ができないという問題点があり、そのようなグリーンシ
ートは廃棄処分するしかないという問題点があった。
【0010】また、温度係数をN(負)側またはP
(正)側へ調整する際に誘電体材料の組成比を変更する
ことで、焼成条件の変更も余儀なくされ、そのために誘
電体材料の誘電率が変化し、コンデンサを形成したとき
に容量変動が生じ易くなるという問題点もあった。
【0011】さらに、誘電体材料の組成比や焼成条件を
変更することにより、製造工程に混乱が生じ易くなり、
それによっても上記と同様の不良が発生し易くなるとい
う問題点もあった。
【0012】これに対して、例えば特開平5−36569 号
公報には、静電容量の温度変化率(温度係数)の小さい
積層セラミックコンデンサを容易に形成する方法とし
て、複数の誘電体磁器生シート層の相互間に配設された
複数の導電性ペースト塗布層の内の一部または全部に、
誘電体磁器層のキュリー点を変化させるための物質を混
入させることが開示されている。
【0013】これによれば、チタン酸バリウム系磁器主
成分から成る誘電体磁器層に対して、キュリー点を変え
るための物質としてCeO2 (酸化セリウム)を始めと
する1種または複数種の希土類酸化物を内部電極層に添
加することにより、誘電体磁器層のキュリー点がマイナ
ス側あるいはプラス側にシフトするので、キュリー点を
変えるための物質の含有量または種類を異ならせたり、
誘電体磁器層の材料を異ならせたりして、キュリー点の
異なる誘電体磁器層を組み合わせて形成することにより
所望の温度特性が得られ、静電容量の温度係数の小さい
積層セラミックコンデンサを容易に形成することができ
るというものである。
【0014】しかしながら、このような方法によって
も、キュリー点変動を伴わない温度補償用材料において
はこの様な希土類酸化物の添加では温度係数の補正は困
難であるというような問題点があった。
【0015】本発明は上記事情に鑑みて問題点を解決す
べく完成されたもので、その目的は、誘電体材料の組成
比や焼成条件を変更することなく容易に温度係数を補正
することができた温度補償用積層セラミックコンデンサ
を提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、誘電体材料の組成比
や焼成条件を変更することなく容易に温度係数を補正す
ることができ、これまでは廃棄処分するしかなかった誘
電体材料のグリーンシートを再生利用することができる
とともに、焼成条件の変更を必要としないことから種々
の不良が発生することもない温度補償用積層セラミック
コンデンサの製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の温度補償用積層
セラミックコンデンサは、複数の誘電体層間に、金属粉
末 100容量%に対して前記誘電体層の誘電体材料を13容
量%以下(ただし、0容量%を除く)含有せしめた内部
電極層を挟んで多層に積層して成るコンデンサ本体部を
具備することを特徴とするものである。
【0018】また本発明の温度補償用積層セラミックコ
ンデンサの製造方法は、誘電体材料から成る複数のグリ
ーンシートの表面に、金属粉末 100容量%に対して前記
誘電体材料を13容量%以下(ただし、0容量%を除く)
含有せしめた導電性ペースト層を塗布し、次に前記導電
性ペースト層を塗布した複数のグリーンシートを各グリ
ーンシート間に導電性ペースト層が挟まれるように多層
に積層して生積層体と成し、しかる後、その生積層体を
焼成することを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の温度補償用積層セラミッ
クコンデンサによれば、内部電極層中に誘電体層を成す
誘電体材料を所定量含有せしめたことにより、内部電極
部に含まれる誘電体材料が焼結時に本来の誘電体材料
(グリーンシート部)と結合し、その結果、誘電体層の
誘電体材料の組成比やコンデンサ本体部の焼成条件を変
更することなくコンデンサの温度係数を補正することが
できる。
【0020】このとき、温度係数の補正の程度は、P側
およびN側で、使用する誘電体材料の選択またはその添
加量によって調整することができ、それにより所望の温
度係数を有する温度補償用積層セラミックコンデンサを
容易に得ることができる。
【0021】また本発明の温度補償用積層セラミックコ
ンデンサの製造方法によれば、誘電体層となるグリーン
シートの表面に内部電極層となる導電性ペースト層を塗
布するのに際して、その導電性ペースト層中に誘電体層
と同じ誘電体材料を所定量含有させることにより、それ
らの生積層体の焼成後に、誘電体層と誘電体材料が含有
せしめられた内部電極層とが交互に積層されて成るコン
デンサ本体部が形成される。そして、使用する誘電体材
料やその添加量を調整することにより、誘電体層の組成
比や焼成条件を変更することなく、温度係数が所望の値
に補正された温度補償用積層セラミックコンデンサを製
造することができる。
【0022】従って、本発明の温度補償用積層セラミッ
クコンデンサならびにその製造方法によれば、コンデン
サの温度係数を補正するために誘電体材料の組成比を変
更する必要がなくなり、これまでは組成比を変更したた
めに廃棄処分するしかなかったグリーンシートを再生利
用することができるようになる。さらに、焼成条件を変
更する必要もないため、そのような変更に伴う種々の不
良や製造工程の混乱が発生することもなくなる。
【0023】以下、本発明の温度補償用積層セラミック
コンデンサならびにその製造方法について図面に基づい
て詳述する。なお本発明は以下の例に限定されるもので
はなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更や
改良を加えることは何ら差し支えない。
【0024】図1は本発明の温度補償用積層セラミック
コンデンサの構造を示す断面図である。本発明の温度補
償用積層セラミックコンデンサ1は、複数の誘電体層2
の間にその誘電体層2の誘電体材料を含有せしめた複数
の内部電極層3が交互に積層されて成るコンデンサ本体
部4を具備しており、コンデンサ本体部4の側面には、
内部電極層3と交互に接続された一対の外部電極5が形
成されている。
【0025】誘電体層2は誘電体材料から成る複数のグ
リーンシートを焼成することにより形成され、内部電極
層3はそれらグリーンシートの表面に塗布した導電性ペ
ースト層を焼成することにより形成される。従って、表
面に導電性ペーストが塗布された複数のグリーンシート
を積層した生積層体を焼成することにより、複数の誘電
体層2の間に複数の内部電極層3が交互に積層されて成
るコンデンサ本体部4が形成される。
【0026】また外部電極5は、内部電極層3の端面が
露出しているコンデンサ本体部4の側面に外部電極用の
導電性ペーストを塗布して焼き付けたりすることによ
り、内部電極層3と交互に接続するように形成される。
【0027】誘電体層2の誘電体材料には、通常の温度
補償用の誘電体材料を用いることができ、例えばチタン
酸バリウム(BaTiO3 )やチタン酸ランタン(La
2 Ti2 7 )・チタン酸マグネシウム(MgTi
3 )・チタン酸カルシウム(CaTiO3 )・チタン
酸ネオジウム(Nd2 Ti2 7 )などの主成分に、酸
化チタン(TiO2 )や酸化マンガン(MnO2 )・ア
ルミナ(Al2 3 )・シリカ(SiO2 )・粘土(蛙
目粘土等)などを添加したものがある。
【0028】また内部電極層3の導電性材料にも、通常
の内部電極層3用の材料を用いることができ、例えばパ
ラジウム(Pd)・銀(Ag)・金(Au)・白金(P
t)・Ag−Pdなどの貴金属、ニッケル(Ni)・銅
(Cu)・亜鉛(Zn)などの卑金属がある。中でも、
後述するように誘電体材料を含有させる場合は、材料と
して比表面積が小さく形状が球状のものを用いると、凝
集が生じにくく、より高分散化できるといった点で好適
となる。
【0029】そしてこれらの金属粉末を有機バインダお
よび有機ビヒクルあるいは必要に応じて種々の添加剤と
ともに混練することにより導電性ペーストとして調整さ
れ、グリーンシートの表面に塗布されて焼成されること
により、内部電極層3が得られる。
【0030】本発明の温度補償用積層セラミックコンデ
ンサ1においては、内部電極層3に誘電体層2の誘電体
材料を含有せしめたことが特徴である。含有せしめる誘
電体材料としては上記のようなものがあり、その含有量
は、誘電体層2の誘電体材料の種類に応じて、また所望
の温度係数の補正の程度に応じて適宜設定するが、内部
電極層3に用いる金属粉末 100容量%に対して、誘電体
層2の誘電体材料が13容量%以下(ただし、0容量%を
除く)の含有量となるように設定するとよい。
【0031】上記含有量が13容量%を超えると、コンデ
ンサの容量値が低下して所望の容量特性が得られなくな
ったり、温度係数の補正が大きくなり所望の温度係数が
得られなくなったりする傾向がある。
【0032】このように内部電極層3に対して誘電体材
料を含有させるに当たっては、誘電体層2の誘電体材料
に加えて他の誘電体材料も合わせて用いることもできる
が、その場合、合計含有量が上記範囲を超えないことが
望ましい。
【0033】内部電極層3に含有させる主な誘電体材料
について例を挙げると、以下のようなものがある。例え
ば、誘電体材料としてチタン酸ランタン(La2 Ti2
7 )を用いる場合には、内部電極層3の金属粉末 100
容量%に対して、13容量%以下(ただし0容量%は除
く)の範囲内に設定するとよい。この含有量が0容量%
では温度係数を補正することができず、また13容量%を
超えるとコンデンサの容量値が小さくなってしまう傾向
がある。
【0034】また、誘電体材料としてチタン酸マグネシ
ウム(MgTiO3 )を用いる場合にも、内部電極層3
の金属粉末 100容量%に対して、13容量%以下(ただし
0容量%は除く)の範囲内に設定するとよい。この含有
量が0容量%では温度係数を補正することができず、ま
た13容量%を超えると、温度係数がP側へ大きくなって
補正することができなくなるとともに、コンデンサの容
量値が小さくなってしまう傾向がある。
【0035】また、誘電体材料としてチタン酸カルシウ
ム(CaTiO3 )を用いる場合にも、内部電極層3の
金属粉末 100容量%に対して、13容量%以下(ただし0
容量%は除く)の範囲内に設定するとよい。この含有量
が0容量%では温度係数を補正することができず、また
13容量%を超えると、温度係数がN側へ大きくなって補
正することができなくなるとともに、コンデンサの容量
値が小さくなってしまう傾向がある。
【0036】なお、以上のように誘電体材料の含有量が
好適な範囲を超えて多くなったときにコンデンサの容量
値が小さくなってしまうのは、誘電体材料の含有量が増
大することにより内部電極層3の金属粉末の量が減少
し、内部電極の有効印刷面積が小さくなってしまうこと
によるものと考えられる。
【0037】また、上記の含有量の範囲および他の誘電
体材料を用いる場合の含有量の範囲を設定するに当たっ
てその判断基準としては、温度係数を0±30ppm/
℃、容量値の変化を元の容量値に対して±10%以内とす
ることが、JISやEIAなどの規格上、実用的な商品
化という点で好ましい。
【0038】さらに、誘電体材料の含有量の判断基準と
しては、内部電極層3の抵抗値も考慮に入れることが望
ましい。その抵抗値もコンデンサの必要特性に応じて適
宜選択されるが、例えば誘電体材料含有後の内部電極層
3の抵抗値が、470 MHzにおいて 300mΩ程度よりあ
まり大きくならないというように設定することが、コン
デンサ本体部4での消費電力が大きくなり過ぎないとい
う点で好ましい。
【0039】また、内部電極層3中の誘電体材料の材料
組成あるいは含有量は、所望の温度係数に補正するため
に内部電極層3毎に変えてもよい。例えば、積層するグ
リーンシート毎に添加する誘電体材料の種類や添加量を
変更したりすると、温度係数の補正がより細かい範囲内
で行なえるようになる。
【0040】なお、内部電極層3中に含有させる誘電体
材料の形状は球状とし、比表面積をより小さくすると、
内部電極材の中でより分散性が増すといった点で好まし
い。
【0041】またその大きさ(粒径など)は、内部電極
層に使用する金属粉末と同等程度とすると分散性の点で
好ましく、金属粉末より小さくなると凝集粒が生じ易く
なり、均一な印刷が行なえなくなる傾向が見られ、金属
粉末の大きさを超えると大きな誘電体粉末により均一な
印刷が行なえなくなる傾向が見られる。
【0042】上記のようなコンデンサ本体部4を形成す
るに当たっては、誘電体層2となるグリーンシートの厚
みは生厚みで10〜80μm程度とし、内部電極層3となる
導電性ペースト層の厚みは生厚みで1〜5μm程度とす
るとよい。これらの厚みや積層数などはコンデンサの仕
様に応じて適宜設定する。
【0043】外部電極5の導電性材料も、通常の外部電
極5用の材料を用いることができ、例えば銀(Ag)・
パラジウム(Pd)・Ag−Pd・金(Au)・ニッケ
ル(Ni)・銅(Cu)・コバルト(Co)・錫(S
n)・アンチモン(Sb)などがある。
【0044】そしてこれらの金属粉末を有機バインダお
よび有機ビヒクルならびにガラスフリットあるいは必要
に応じて種々の添加剤とともに混練することにより外部
電極用の導電性ペーストとして調整され、積層体または
コンデンサ本体部4の側面に塗布されて焼き付けられる
ことにより、外部電極5が形成される。
【0045】
【実施例】以下、本発明の温度補償用積層セラミックコ
ンデンサならびにその製造方法について具体例を示す。
【0046】まず、誘電体層2の誘電体材料としてチタ
ン酸ランタン(La2 Ti2 7 )・チタン酸カルシウ
ム(CaTiO3 )・チタン酸マグネシウム(MgTi
3)を主成分とする原料粉末を用意し、これに有機バ
インダとして30〜50重量%のエマルジョン系バインダを
加えてスラリー状にしたものを用いて、ドクターブレー
ド法により厚さ20〜30μmのセラミックグリーンシート
を作製した。
【0047】一方、内部電極層3の導電性材料として高
分散タイプのPd粉末と、有機ビヒクルとしてエチルセ
ルロース系の樹脂とを用意した。また、これに温度補正
用に含有させる誘電体材料として、チタン酸ランタンと
チタン酸マグネシウムとチタン酸カルシウムを用意し
た。
【0048】次いで、各々1種類の誘電体材料を含有す
る導電性ペーストとして、その含有量をPd 100重量%
に対して0重量%および2重量%、5重量%、8重量
%、11重量%、14重量%と変え、それぞれ適量の有機ビ
ヒクルを加えて導電性ペーストを作製した。
【0049】そして、チタン酸ランタン(La2 Ti2
7 )を含有する導電性ペーストを用いて上記のセラミ
ックグリーンシートに厚み3〜4μmの内部電極層パタ
ーンを印刷したものを計30層積層し、熱圧着・切断して
2.0mm×1.25mmのチップ状にした後、1,330 〜1,35
0 ℃にてピークキープ2〜3時間の条件で焼成を行なっ
てコンデンサ本体部4を得た。その後、Ag塗布後にN
i/Snメッキにより外部電極5を形成して、表1に示
すコンデンサ試料1〜6を作製した。
【0050】また、チタン酸マグネシウム(MgTiO
3 )を含有する導電性ペーストを用いて上記のセラミッ
クグリーンシートに厚み3〜4μmの内部電極層パター
ンを印刷したものを計20層積層し、同様に熱圧着・切断
・焼成を行なってコンデンサ本体部4を得た。その後、
上記と同様に外部電極5を形成して、表2に示すコンデ
ンサ試料7〜12を作製した。
【0051】また、チタン酸カルシウム(CaTi
3 )を含有する導電性ペーストを用いて上記のセラミ
ックグリーンシートに厚み3〜4μmの内部電極層パタ
ーンを印刷したものを計20層積層し、同様に熱圧着・切
断・焼成を行なってコンデンサ本体部4を得た。そし
て、上記と同様に外部電極5を形成して、表3に示すコ
ンデンサ試料13〜18を作製した。
【0052】このようにして作製したコンデンサ試料1
〜18について、容量値・容量値の温度係数・内外部欠陥
・内部電極層の面抵抗値を以下のようにして評価した。
【0053】容量値の評価は、周波数が1MHz、電圧
が1Vrms 、温度が室温の条件により測定し、設定容量
値に対して±10%以内のものを良とした。
【0054】容量値の温度係数の評価は、周波数が1M
Hz、電圧が1Vrms 、温度が−55℃〜+125 ℃の条件
により測定し、温度係数が0±30ppm/℃以内のもの
を良とした。
【0055】また内外部欠陥について、外部欠陥は、完
成品磁器 500〜600 個を10倍の倍率で顕微鏡により観察
し、表面・側面・端面にカケやライン状のデラミネーシ
ョンなどの不良がないものを良とした。また内部欠陥
は、完成品磁器を50〜100 個研磨して10倍の倍率で顕微
鏡により観察し、内部にデラミネーションや密着不良な
どの不具合がないものを良とした。
【0056】そして内部電極層の面抵抗値の評価は、上
記のようにして作製した内部電極ペーストをアルミナ基
板上に塗布して焼成したものを用いて測定し、その値が
300mΩ以下のものを良とした。
【0057】これらの結果を、各内部電極層3に含有さ
せた誘電体材料の含有量とともに表1〜表3にまとめ
た。なお、試料番号に*を記したものは本発明の範囲外
のものであることを示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】これらの結果より、本発明の温度補償用積
層セラミックコンデンサである試料2〜5、8〜11なら
びに14〜17では、容量値が設定値に対して±10%以内と
なって良好で、容量値の温度係数も0±30ppm/℃以
内と小さくて温度補償用として良好な容量特性を有して
いることが分かる。しかも、内外部欠陥も見られず、内
部電極層の抵抗値も 300mΩ以下であって、いずれも良
好な温度補償用積層セラミックコンデンサであることが
分かる。
【0062】これに対して試料1・7・13のように内部
電極層に誘電体材料であるチタン酸ランタン(La2
2 7 )またはチタン酸マグネシウム(MgTi
3 )・チタン酸カルシウム(CaTiO3 )を含有さ
せなかった場合、本発明の範囲内のものと比べていずれ
も温度係数が0±30ppm/℃を超えて大きくなり、温
度特性が劣ることが分かる。
【0063】また試料6・12・18においては、チタン酸
ランタン(La2 Ti2 7 )またはチタン酸マグネシ
ウム(MgTiO3 )・チタン酸カルシウム(CaTi
3)の含有量が13容量%を超えて大きいため、本発明
の範囲内のものと比べていずれも設定容量値に対して±
10%を超えて容量が低下し、容量特性に劣ることが分か
る。
【0064】以上の結果より、本発明の温度補償用積層
セラミックコンデンサならびにその製造方法によれば、
誘電体材料の組成比や焼成条件を変更することなく容易
に温度係数を補正することが確認できた。
【0065】また、誘電体材料の組成比や焼成条件を変
更することなく容易に温度係数を補正することができた
ので、これまでは廃棄処分するしかなかった誘電体材料
のグリーンシートを再生利用することができた。
【0066】さらに、焼成条件の変更を必要としなかっ
たので、条件変更に伴う種々の不良が発生することもな
かった。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の温度補償
用積層セラミックコンデンサならびにその製造方法によ
れば、誘電体材料の組成比や焼成条件を変更することな
く容易に温度係数を補正することができた温度補償用積
層セラミックコンデンサを提供できた。
【0068】また、本発明によれば、誘電体材料の組成
比や焼成条件を変更することなく容易に温度係数を補正
することができたので、温度補償用積層セラミックコン
デンサの製造に際して、これまでは廃棄処分するしかな
かった誘電体材料のグリーンシートを再生利用すること
ができた。
【0069】さらに、温度係数を補正した温度補償用積
層セラミックコンデンサの製造に際して、焼成条件の変
更を必要としなかったので、条件変更に伴う種々の不良
が発生することがなく、製造工程に混乱が生じることも
なかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温度補償用積層セラミックコンデンサ
の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 温度補償用積層セラミックコンデンサ 2 誘電体層 3 内部電極層 4 コンデンサ本体部 5 外部電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体層間に、金属粉末100容
    量%に対して前記誘電体層の誘電体材料を13容量%以
    下(ただし、0容量%を除く)含有せしめた内部電極層
    を挟んで多層に積層して成るコンデンサ本体部を具備す
    ることを特徴とする温度補償用積層セラミックコンデン
    サ。
  2. 【請求項2】 誘電体材料から成る複数のグリーンシー
    トの表面に、金属粉末100容量%に対して前記誘電体
    材料を13容量%以下(ただし、0容量%を除く)含有
    せしめた導電性ペースト層を塗布し、次に前記導電性ペ
    ースト層を塗布した複数のグリーンシートを各グリーン
    シート間に導電性ペースト層が挟まれるように多層に積
    層して生積層体と成し、しかる後、該生積層体を焼成す
    ることを特徴とする温度補償用積層セラミックコンデン
    サの製造方法。
JP22412395A 1995-08-31 1995-08-31 温度補償用積層セラミックコンデンサ Expired - Fee Related JP3481740B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22412395A JP3481740B2 (ja) 1995-08-31 1995-08-31 温度補償用積層セラミックコンデンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22412395A JP3481740B2 (ja) 1995-08-31 1995-08-31 温度補償用積層セラミックコンデンサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0969467A true JPH0969467A (ja) 1997-03-11
JP3481740B2 JP3481740B2 (ja) 2003-12-22

Family

ID=16808909

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22412395A Expired - Fee Related JP3481740B2 (ja) 1995-08-31 1995-08-31 温度補償用積層セラミックコンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3481740B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004336023A (ja) * 2003-04-14 2004-11-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層セラミック電子部品の製造方法
WO2023053676A1 (ja) * 2021-09-30 2023-04-06 株式会社村田製作所 導電性ペースト
WO2023053675A1 (ja) * 2021-09-30 2023-04-06 株式会社村田製作所 積層セラミックコンデンサ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004336023A (ja) * 2003-04-14 2004-11-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層セラミック電子部品の製造方法
JP4513388B2 (ja) * 2003-04-14 2010-07-28 パナソニック株式会社 積層セラミック電子部品の製造方法
WO2023053676A1 (ja) * 2021-09-30 2023-04-06 株式会社村田製作所 導電性ペースト
WO2023053675A1 (ja) * 2021-09-30 2023-04-06 株式会社村田製作所 積層セラミックコンデンサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP3481740B2 (ja) 2003-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110767454B (zh) 多层陶瓷电容器
JP4782598B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP3180690B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
US20130009515A1 (en) Conductive paste composition for internal electrodes and multilayer ceramic electronic component including the same
JP4859593B2 (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその製法
JP2015026801A (ja) 積層セラミックキャパシタ、その製造方法及び積層セラミックキャパシタの実装基板
US20130009516A1 (en) Conductive paste composition for internal electrodes and multilayer ceramic electronic component including the same
KR20190121187A (ko) 적층 세라믹 커패시터
JP4682426B2 (ja) 電子部品およびその製造方法
JP3039426B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP4752340B2 (ja) 誘電体セラミック組成物、および積層セラミックコンデンサ
JPH10199748A (ja) 積層セラミックコンデンサ
KR101792275B1 (ko) 내부 전극용 도전성 페이스트, 이를 포함하는 적층 세라믹 전자 부품 및 그 제조 방법
JP3514117B2 (ja) 積層セラミック電子部品、積層セラミック電子部品の製造方法及び内部電極形成用導電ペースト
JP2001015374A (ja) 積層セラミックコンデンサ及びその製造方法
JP4135443B2 (ja) 積層型セラミック電子部品の製造方法
JPH1025157A (ja) 誘電体セラミック組成物および積層セラミックコンデンサ
JP3481740B2 (ja) 温度補償用積層セラミックコンデンサ
KR102414829B1 (ko) 적층 세라믹 커패시터
JP4496639B2 (ja) 電子部品およびその製造方法
JP2006202857A (ja) 積層セラミック電子部品および積層セラミック電子部品の製造方法
KR20200095443A (ko) 적층 세라믹 커패시터
KR20190019117A (ko) 내부전극용 도전성 페이스트 조성물 및 이를 포함하는 적층 세라믹 전자부품
KR102500112B1 (ko) 적층 세라믹 커패시터
JP3675077B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071010

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081010

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees