JPH0967128A - 複動タイプファンネルメカニズム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファンネルアーム駆動スピードを両移動方向
とも調整可能とし高速化に対応させるとともに、切換弁
部の配管構造を簡単化すること。 【解決手段】 ガラス製品成形用粗型２へのゴブを案内
するファンネルが装着されたファンネルアーム５を揺動
させるエアシリンダ装置３を複動タイプとするととも
に、そのエアシリンダに作動空気を給排する切換弁１２
をシリンダヘッド７に内蔵させた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス製品成形用
粗型へのゴブを案内するファンネルを装着したファンネ
ルアームを揺動駆動するためのファンネルメカニズムに
関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般に
ガラス製品例えばガラス壜等の製品を製造する場合に
は、ガラスの溶融塊すなわちゴブを成形用の粗型に供給
し、そこで粗形品を製造し、それを仕上型に入れて成形
することが行われている。この場合、上記粗型の上部に
は上記ゴブを粗型内に案内するためのファンネルが配設
されており、上記ファンネルは、粗型で粗形品が形成さ
れた後これを仕上型に移し換える場合に邪魔にならない
ように、上記粗型の上方から側上方に移動させることが
行われている。

【０００３】すなわち、上記ファンネルは、エアシリン
ダ装置によって揺動駆動されるファンネルアームに載置
支持されており、そのファンネルアームの揺動によって
上記ファンネルが粗型の直上位置とその側上方位置間を
揺動するようにしてある。

【０００４】ところで、上記エアシリンダ装置は、一般
にピストンの上下動に対応してそのピストンに連結され
ているピストンロッドがその軸線回りに回動するように
構成されており、上記ピストンの上下に応じて上記ピス
トンロッドに装着されているファンネルアームが上記ピ
ストンロッドの軸線回りに揺動される。

【０００５】従来、上記エアシリンダ装置としては単動
式、すなわちピストンの下部室にはスプリングが配設さ
れ上部室にエアを供給することによりピストンがスプリ
ングに抗して圧下され、ファンネルが粗型の直上位置に
移動され、上記エアを排気することによりピストンがス
プリングによって上方に移動されファンネルが側上方位
置に移動されるような構成が採用されている。

【０００６】ところが、このようなものにおいては、エ
アシリンダの上部室へのエアの給排のみでファンネルア
ームを駆動させるので、エア給排用の配管がシンプルで
あり、かつエアを給排するソレノイドバルブがオフの状
態ではピストンが上がったままに保持されている等の長
所はあるが、ピストンの上方への移動スピードすなわち
ファンネルアームが粗型の直上位置から側上方の待機位
置へ移動するときの移動スピードがスプリングに依存
し、そのスピードの調整が不可能である等の問題があ
る。

【０００７】そこで、エアシリンダ装置を複動式とする
ことも提案されている。ところが、このようなものにお
いては、エアシリンダ装置を複動式とすることにより切
換弁として５方弁を使用する必要があることから、その
配管構造が複雑となり、そのための設置スペースが必要
となる等の問題がある。

【０００８】本発明はこのような点に鑑み、エアシリン
ダ装置を複動式にしてファンネルアームの移動スピード
を両移動方向ともに調整可能とするとともに、配管構造
を簡単化し得るようにしたファンネルメカニズムを得る
ことを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、ガラス製品成
形用粗型へのゴブを案内するファンネルが装着されたフ
ァンネルアームを揺動させるエアシリンダ装置を複動式
として、ファンネルアームの往復動のスピードを調整可
能とするとともに、エアシリンダ装置の切換弁をシリン
ダヘッドに内蔵させた。したがって、エアシリンダの外
部に複雑な配管を追設する必要がなく、設置スペース等
の問題を解消することができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態について説明する。

【００１１】図１は、ファンネルメカニズム部の概略配
置構成を示す図であり、セクションフレーム１の上部に
は粗型２及び図示しない仕上型が隣接して配設されてお
り、上記粗型２の後方にはファンネルメカニズムのエア
シリンダ３が配設されている。上記エアシリンダ３から
上方に突出するピストンロッド４にはファンネルアーム
５の基端部が固着されている。上記ファンネルアーム５
の先端に設けられた開口部５ａには図示しないファンネ
ルが装着してあり、図示しないデリベリーから供給落下
されるゴブが上記ファンネルに案内されて粗型２内に供
給されるようにしてある。

【００１２】上記エアシリンダ３のピストンロッド４
は、後述するようにその上下動に応じて軸線回りに回動
するようにしてあり、そのピストンロッド４の動きに対
応して、上記ファンネルアーム５は矢印に示すようにピ
ストンロッド４の軸線回りに揺動しながら斜め上方或い
は下方に移動し、ファンネルアーム５に装着されたファ
ンネルが粗型の直上方位置及び粗型で形成された粗成形
品の取出しに邪魔とならない側上方位置間を移動する。

【００１３】図２は、上記エアシリンダ装置の概略構成
を示す断面図であって、エアシリンダ３内に配設された
ピストン６には、シリンダヘッド７を貫通して上方に延
びるピストンロッド４及び下方に突出するガイドロッド
８が設けれている。そして、上記ピストンロッド４に図
１で示すようにファンネルアーム５の基端部が固着され
ている。

【００１４】一方、上記ガイドロッド８の下部には、ガ
イドローラ９がガイドロッド８の軸線に直交する軸線回
りに回動可能に装着されており、またエアシリンダ３の
下方には案内筒１０が設けられ、その案内筒１０に形成
されている斜め上方に延びる案内溝１１に図３に示すよ
うに上記ガイドローラ９が係合されている。

【００１５】しかして、図２に示す状態において、シリ
ンダ３の下部室３ａに作動用エアを供給すると、ピスト
ン６が上方に移動し、これに伴なってガイドローラ９と
案内溝１１との係合によってガイドロッド８が軸線回り
に回動され、同時にピストンロッド４が上方に移動しな
がら軸線回りに回動する。したがって、そのピストン４
の動きに対応して前述のようにファンネルアーム５が回
動しながら斜め上方に移動する。逆にシリンダ下部室３
ｂにエアが供給されるとピストン６が下降しながら逆方
向に回動し、ファンネルアーム５が粗型２の上方位置に
移動される。

【００１６】ところで、シリンダヘッド７内には、シリ
ンダ３内に作動用エアの切換を行う切換弁１２が組込ま
れている。図４は、上記切換弁１２部の縦断面図であ
り、シリンダヘッド７には上下方向に延びる断面円形の
弁穴１３が穿設してあり、その弁穴１３の内周面には周
方向に延びる５個の周溝１４ａ，１４ｂ，１４ｃ，１４
ｄ、及び１４ｅが上下関係位置に形成されている。

【００１７】上記弁穴１３の内面には、円筒状のスリー
ブ１５が弁穴１３と同心的に固着されており、そのスリ
ーブ１５内に弁体１６が摺動可能に挿入されている。上
記スリーブ１５には、前記周溝１４ａ，１４ｂ，…と対
応する位置にそれぞれ複数のポート１７ａ，１７ｂ，１
７ｃ，１７ｄ，１７ｅが穿設してある。また、上記弁体
１６はスプリング１８によって常時下方に付勢されてお
り、その弁体１６の外周面には、図４のように弁体１６
が下方位置にあるとき、ポート１７ｃを１７ｂに連通す
る連通溝１９ａ及びポート１７ｄを１７ｅに連通する連
通溝１９ｂが形成されている。そして、上記弁体１６が
上方に移動されたときには、上記連通溝１９ａ及び１９
ｂによって、ポート１７ｂが１７ａにまたポート１７ｃ
が１７ｄに連通するようにしてある。

【００１８】一方、上記中央の周溝１４ｃはメーンエア
供給路２０に連通されており、さらにシリンダヘッド７
の下部には、弁体１６の下方に開口するパイロットエア
通路２１が形成されている。

【００１９】図５の（ａ），（ｂ），（ｃ），（ｄ）及
び（ｅ）は、シリンダヘッド７の各周溝１４ａ，１４
ｂ，１４ｃ，１４ｄ及び１４ｅ部の平断面図であり、図
５（ａ）に示すように最上部の周溝１４ａは通路２２及
び縦方向通路２３を介して排気管（図示せず）に連通さ
れており、また最下部の周溝１４ｅは図５（ｅ）に示す
ように通路２４及び縦方向通路２５を介して排気管（図
示せず）に接続されている。

【００２０】上から２段目の周溝１４ｂには、同図
（ｂ）に示すように横方向通路２６が接続され、その横
方向通路２６が図６に示すように縦通路２７に連通さ
れ、その縦通路２７が、シリンダ３の壁面に形成された
通路２８に連通されており、その通路２８がシリンダ下
部室３ａの底面に開口されている。

【００２１】一方、下から２段目の周溝１４ｄには、図
５（ｄ）に示すように横方向通路２９が連通されてお
り、その横方向通路２９が図７に示すように縦通路３０
に連通され、その縦通路３０が逆止弁３１を介してシリ
ンダ上部室３ｂの頂面に開口されており、さらに上記横
方向通路２９には、同様にシリンダ上部室３ｂに開口す
るとともに図示しないニードルバルブが設けられた絞り
通路３２が接続されている（図８）。

【００２２】また上記横方向通路２９には通路３３が連
通されており、この通路３３が、シリンダ３のフランジ
部に形成されシリンダ上部室３ｂの上記側壁部に開口す
る連通路３４に接続されている（図７）。

【００２３】しかして、弁体１６が図４に示すように下
方位置にある場合には、連通溝１９ａによって周溝１４
ｃと１４ｂが連通され、連通溝１９ｂによって周溝１４
ｄと１４ｅが連通されている。したがって、メーンエア
供給路２０に供給されたエアが、その連通溝１９ａを介
して周溝１４ｂに供給され、さらに横方向通路２６及び
縦通路２７、並びに通路２８を経てシリンダ下部室３ａ
に供給されピストン６が上方に移動される。このとき、
シリンダ上部室３ｂ内のエアは連通路３４及び通路３
３、並びに絞り通路３２を通り、さらに横方向通路２
９、周溝１４ｄ、連通溝１９ｂ、周溝１４ｅ及び縦方向
通路２５を通って排気される。そこでピストン６が上昇
し連通路３４を塞ぐと上記エアは絞り通路３２のみを通
り、横方向通路２９等を介して排気され、ピストン６は
そのスピードを規制されながら上昇する。

【００２４】そこで、パイロットエア通路２１を介して
パイロットエアが弁体１６の下面に供給されると、弁体
１６がスプリング１８に抗して上動され、連通溝１９
ａ，１９ｂによって、周溝１４ｂと１４ａ及び１４ｃと
１４ｄがそれぞれ連通される。したがって、メーンエア
供給路２０に供給されたエアが、周溝１４ｄ、横方向通
路２９を通り、縦通路３０及び逆止弁３１、並びに通路
３３と連通路３４を介してシリンダ上部室３ｂに導入さ
れるとともに、シリンダ下部室３ａが通路２８、縦通路
２７、横方向通路２６、周溝１４ｂ、及び周溝１４ａ、
並びに縦方向通路２５等を経て大気に連通され、ピスト
ン６が下方に移動される。

【００２５】このように弁体１６の上下切換動作によっ
てピストン６が上下に駆動され、ファンネルアームの揺
動を行わせることができる。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明はファンネ
ルアームを駆動するためのエアシリンダを複動タイプと
したので、ピストンの上下動すなわちファンネルアーム
の揺動スピードを調整することができ、高速化に対応さ
せることができる。しかも、本発明は作動エアの切換弁
をシリンダヘッド内に内蔵させたので、複雑な配管を外
部に配設する必要がなく、スペース的に問題が生ずるこ
ともない。

【図面の簡単な説明】

【図１】ファンネルメカニズム部の概略配置構成を示す
図。

【図２】ファンネルアーム駆動用エアシリンダ装置の概
略構成を示す図。

【図３】ピストンロッドの揺動機構の説明図。

【図４】シリンダヘッドに内蔵された切換え部の縦断面
図。

【図５】（ａ），（ｂ），（ｃ），（ｄ），（ｅ）はそ
れぞれ図４における周溝１４ａ，１４ｂ，１４ｃ，１４
ｄ，１４ｅ部の平断面図。

【図６】図５（ａ）におけるＡ−Ａ線に沿う断面図。

【図７】図５（ｄ）におけるＢ−Ｂ線に沿う断面図。

【図８】図５（ｄ）におけるＣ−Ｃ線に沿う断面図。

【符号の説明】

２ 粗型 ３ エアシリンダ ５ ファンネルアーム ６ ピストン ８ ガイドロッド ９ ガイドローラ １０ 案内筒 １１ 案内溝 １２ 切換弁 １３ 弁穴 １４ａ，１４ｂ，１４ｃ，１４ｄ，１４ｅ 周溝 １５ スリーブ １６ 弁体 １８ スプリング １９ａ，１９ｂ 連通溝

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ガラス製品成形用粗型へのゴブを案内する
   ファンネルが装着されたファンネルアームを揺動させる
   エアシリンダ装置を複動タイプとするとともに、そのエ
   アシリンダに作動空気を給排する切換弁をシリンダヘッ
   ドに内蔵させたことを特徴とする、複動タイプファンネ
   ルメカニズム。