JPH0965833A - チューインガムチップの製法及びそれに用いる装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】極小粒のチューインガムチップであっても、簡
単な設備で安定生産することができるチューインガムチ
ップの製法およびそれに用いる装置を提供するにある。 【解決手段】チューインガムシートに搬送方向に対し垂
直方向に切り込みを設けて切り込み入りチューインガム
シートとした後、該切り込み入りチューインガムシート
を牽引しつつ搬送方向に対し平行方向に切断することに
より縦横に切断し、チップ化することを特徴とするチュ
ーインガムチップの製法、及び、チューインガムシート
を搬送しつつ連続的に縦横に切断してチューインガムチ
ップを製造する装置であって、該チューインガムシート
に搬送方向に対し垂直方向に切り込みを形成する切り込
み手段と、該切り込み手段の搬送方向前方にあって、チ
ューインガムシートを牽引しつつ搬送方向に対し平行方
向に切断する切断手段とからなり、前記切断手段におい
てチューインガムシートを縦横に切断し、チップ化する
ことを特徴とするチューインガムチップ製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する分野】本発明は、チューインガムシート
から多量のチューインガムチップを安定して製造する方
法に関し、更に詳しくは、例えば１粒０．１ｇ以下の超
小粒のチューインガムチップであっても、連続大量生産
可能なチューインガムチップの製造方法及びそれに用い
る装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、チューインガムチップを連続的に
製造する方法としては、図６に示すように、成形ローラ
ー３５によって所定の厚みに成形されたチューインガム
シート３０を搬送して、温度調節チャンバー３６を通過
させた後、搬送コンベア両側の幅揃えカッター２２でチ
ューインガムシート３０の両側を切断して幅揃えし、上
下１対の縦ロータリーカッター２３で搬送方向に対し平
行方向に切り込み（図示せず）を入れ、次に横ロータリ
ーカッター２４で搬送方向に対し垂直方向に切り込み２
５を入れることにより、縦横に切り込みを入れ、切り込
み入りチューインガムシート３１とし、その後横ロータ
リーカッター２４に設けた切り離し刃２４ａによって、
切り込み入りチューインガムシート３１を所定間隔で切
り離し、ガムブロック３２とする。そして、ガムブロッ
ク３２を図７に示す回転釜２５や、図８に示すほぐし装
置２７等の回転体へと移し、かき上げ板２６やじゃま板
２９の回転時の衝撃力によって、ガムブロック３２を切
り込みに沿ってバラバラにし、チューインガムチップ３
７とする。しかしながら、上記方法では、重量が０．１
ｇ／粒以下の極小粒のチューインガムチップを得る場
合、バラし工程で全ての切り込みを確実に切り離すこと
ができず、図５（Ｂ）、図５（Ｃ）に示すように、２粒
以上が連なった断片３３、３４ができる。そのため、こ
れらを人手や分別装置を使って切り離し、それでも切り
離せない断片は、不良品として処分しなければならず、
生産性が悪くなる。この改善方法として、横ロータリー
カッターに切り離し刃を多数並べておけば、細かく切り
離せるものの、チューインガムの粘弾性によって切り離
し刃ピッチの間にチューインガム生地が詰まってしま
う。

【０００３】そこで、上記問題を解決する方法として、
チューインガムをロープ状に成形したものを多数並列し
て、ギロチンカッターと呼ばれる押し切りカッター等を
用いて一挙に切断する方法も考えられる。しかし、この
方法では、切断時にロープ状チューインガム同士が付着
しないように、間隔を空けてロープ状チューインガムを
整列させる必要があり、更に、カッター刃にチューイン
ガムチップが付着しないように押さえ金具等を設置する
必要がある。また、ギロチンカッターを用いて、極小粒
のチューインガムチップを得るためには、カッター刃の
昇降スピードを速めなくてはならないが、スピードアッ
プには、ガム送り機構、及びカッター昇降機構の両方を
適正に制御する必要があり、機械的限界がある。そのた
め、切り幅を大きく設定するか、ギロチンカッターを多
数配列しなくてはならず、特殊な設備と多大なスペース
を要する。

【０００４】更に別の方法としては、エクストルーダー
を用いてチューインガム生地をロープ状に押出したもの
を所定長さに切断する装置も考案されているが、この方
法では、エクストルーダー内での移送のために軟化され
たチューインガム生地を、押出し直後に軟らかいまま切
断するため、変形が生じてチューインガムチップの形状
が一定しなかったり、ガム生地がカッター刃に付着する
という問題がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みなされたものであって、その目的とするところ
は、極小粒のチューインガムチップであっても、簡単な
設備で安定生産することができるチューインガムチップ
の製法およびそれに用いる装置を提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的は、チューイ
ンガムシートに搬送方向に対し垂直方向に切り込みを設
けて切り込み入りチューインガムシートとした後、該切
り込み入りチューインガムシートを牽引しつつ搬送方向
に対し平行方向に切断することにより縦横に切断し、チ
ップ化することを特徴とするチューインガムチップの製
法、及び、チューインガムシートを搬送しつつ連続的に
縦横に切断してチューインガムチップを製造する装置で
あって、該チューインガムシートに搬送方向に対し垂直
方向に切り込みを形成する切り込み手段と、該切り込み
手段の搬送方向前方にあって、チューインガムシートを
牽引しつつ搬送方向に対し平行方向に切断する切断手段
とからなり、前記切断手段においてチューインガムシー
トを縦横に切断し、チップ化することを特徴とするチュ
ーインガムチップ製造装置によって達成される。

【０００７】

【作用】本発明は、切り込み手段を用いてチューインガ
ムシートに搬送方向に対し垂直方向に切り込みを設け、
次いで、切断手段を用いて、切り込み入りチューインガ
ムシートを搬送方向に対し平行方向に切断してチューイ
ンガムロープとするとともに、同手段によって上記チュ
ーインガムロープを牽引し、前記切り込みに沿って連続
的に切り離すことにより、縦横に切断してチップ化する
ものである。従って、チューインガムチップ同士が複数
連なったりせず、一定形状の極小粒チューインガムチッ
プを安定して連続製造することができる。

【０００８】（実施例）次に本発明の一実施例を図面に
基づき説明する。図１は、本発明のチューインガムチッ
プ製造装置の一例を示す説明図である。同図において、
１は第１ロータリーカッター、２は第２ロータリーカッ
ター、１２はチューインガムシートである。第１ロータ
リーカッター１は、一対の円筒体１ａ，１ｂからなり、
各円筒体の周縁には、回転方向（矢印）に対し垂直方向
に切り刃１ｃ，１ｄが複数設けられている。

【０００９】回転のしくみは、図２に示すように、イン
バーター制御等により速度可変な駆動モーター３の回転
が、チェーン，ベルト，ギヤ等の駆動伝達手段４を介し
て第１ロータリーカッター１の軸受け１０へと伝達され
ることにより、チューインガムシートの供給スピードに
合わせて回転するようになっている。

【００１０】第１ロータリーカッター１は、上記のよう
な回転動作によって、両円筒体１ａ，１ｂの間隙に供給
されてくるチューインガムシート１２に切り込みを形成
しつつ、送り出すはたらきをする。なお、円筒体１ａ，
１ｂの間隔は、カッター刃１ｃ，１ｄ（図２では省略）
による切り込みが、チューインガムシートの切断寸前ま
で入るように調節すると、後述の切り離しを容易にする
点で好適である。例えば、切り込み深さを、チューイン
ガムの組成、エージング条件、温度条件等に合わせて変
化させたい場合に、同ロータリーカッター１の円筒体１
ａ，１ｂの間隔を自在に調節できるように、図２に示す
ような隙間調節ハンドル８を設けると好適である。すな
わち、隙間調節ハンドル８によって、両円筒体の軸受け
１０を移動させれば、カッター刃１ｃ，１ｄの先端の隙
間を、例えば０．１ｍｍ〜２．０ｍｍまで調節すること
ができ、円筒体１ａ，１ｂの位置を変えて、切り込み深
さを自在に変化させることができる。カッター刃１ｃ，
１ｄの先端の隙間は、０．１〜０．７ｍｍ程度が特に好
適である。隙間調節ハンドル８は、人手もしくは自動制
御で操作すればよい。また、本実施例では、隙間調整ハ
ンドル８を緩めたときに、円筒体１ａ，１ｂの軸受け１
０の隙間が広がるように、軸受け間にスプリング９を設
けているが、隙間が調整可能な構造なら、スプリングの
他に、例えばギヤ，ネジ等を用いてもよい。

【００１１】また、本実施例では、切り込み手段として
ロータリーカッターを使用したが、この他に、カッター
刃間隔を適宜調節したギロチンカッター等を用いてもよ
い。

【００１２】図１に戻り、次に第１ロータリーカッター
の搬送方向前方には、第２ロータリーカッター２が配置
される。第２ロータリーカッターは、一対の円筒体２
ａ，２ｂからなり、各々の円筒体周縁に回転方向（矢
印）と平行方向にカッター刃が２ｃ，２ｄ（図示せず）
が複数設けられており、これらカッター刃２ｃ，２ｄは
互いに完全に噛み合うようになっている。そして、上記
円筒体２ａ，２ｂは、第１ロータリーカッターと同方向
（矢印）へと回転し、回転のしくみも第１ロータリーカ
ッターと同様に、インバーター制御等により速度可変な
駆動モーターの回転が、駆動伝達手段により伝達され、
切り込み入りチューインガムシートの供給に合わせて回
転する。

【００１３】第２ロータリーカッター２の周速度（回転
によってロータリーカッターの円筒体周上の定点が所定
距離移動する速度）は、第１ロータリーカッター１の周
速度よりも速く設定される。設定方法としては、駆動モ
ーターの回転数を変化させることによって速度調節を行
えばよく、好適速度は、第１ロータリーカッターの速度
を１とした場合、第２ロータリーカッターの速度を好ま
しくは１．０５〜１．５程度、更に好ましくは１．３〜
１．７程度にすればよい。これによって、第２ロータリ
ーカッター２は、第１ロータリーカッターによって切り
込みの入った切り込み入りチューインガムシート１２ａ
を、搬送方向に対し平行方向に切断してチューインガム
ロープとするとともに、第１ロータリーカッターとの周
速度差により生じる牽引力によって、上記チューインガ
ムロープを搬送方向に牽引することにより、切り込みに
沿って順次切り離しチューインガムチップ１３とする。

【００１４】なお、短辺の長さが２ｍｍ以下の極小粒の
チューインガムチップを得たい場合には、第２ロータリ
ーカッター２のカッター刃２ｃ，２ｄを、図４に示す形
状にすると、確実に切断することができ好適である。同
図は第２ロータリーカッターの筒状体２ａ，２ｂを上方
から見た場合のカッター刃２ｃ，２ｄの拡大図である。
図のように、カッター刃２ｃ，２ｄの形状は、好ましく
は、切り刃厚Ｌが０．７ｍｍ以下、好ましくは０．５ｍ
ｍ以下で、かつ切り刃の刃先角度αが好ましくは２０°
以下、更に好ましくは１５°以下とするとよい。

【００１５】本発明に係るチューインガムチップの製造
装置は、上述のように構成されるが、次にその作動につ
いて図１に基づき説明する。まず、複数の成形ローラー
２０によってチューインガム生地１２’を所定厚みに成
形した後、カッター（図示せず）によって幅揃えし、温
度調節チャンバー２１により切断に適した温度に調節し
てチューインガムシート１２とする。次いで、チューイ
ンガムシート１２は、製品供給シュート７ａを経て第１
ロータリーカッター１へと供給される。第１ロータリー
カッターの円筒体１ａ，１ｂは回転しながら、予め間隔
調節されたカッター刃１ｃ，１ｄによって、チューイン
ガムシート１２ａに搬送方向に対し垂直方向に切り込み
１４を入れる。

【００１６】すなわちこのとき、図３に示すように、チ
ューインガムシート１２（図中（Ａ））は、第１ロータ
リーカッターを通過して、切り込み入りチューインガム
シート１２ａ（図中（Ｂ））となる。

【００１７】再び図１に戻り、次に切り込み入りチュー
インガムシート１２ａは、供給シュート７ｂを経て第２
ロータリーカッター２へと供給される。第２ロータリー
カッター２の円筒体２ａ，２ｂは、第１ロータリーカッ
ターよりも高速回転しながら、完全に噛み合ったカッタ
ー刃２ｃ，２ｄ（図示せず）によって、切り込み入りチ
ューインガムシート１２ａを搬送方向に対し平行方向に
切断し、切り込み入りチューインガムロープ１２ｂ（図
示せず）とするとともに、これを牽引して切り込みに沿
って切り離しチューインガムチップ１３とする。

【００１８】すなわちこのとき、図３に示すように、切
り込み入りチューインガムシート１２ａ（図中（Ｂ））
は、第２ロータリーカッター通過中に搬送方向に対し平
行方向に切断されて切り込み入りチューインガムロープ
１２ｂとなるとともに（図中（Ｃ））、牽引されて切り
込み１４に沿って切り離され、チューインガムチップ１
３となる（図中（Ｄ））。

【００１９】再び図１に戻り、以上のようにして得られ
たチューインガムチップ１３は、回収手段１１を用いて
回収され、仕上げ等の次工程へと搬送される。なお、図
１に示すように、コンベア等の回収手段１１を第２ロー
タリーカッターの下方に設置し、チューインガムチップ
１３を自然落下させるようにすると、確実に切断できる
とともに回収作業が容易になり好適である。

【００２０】なお、特に図１に示すように、粉糖やコー
ンスターチ等の粉体５の供給手段６を、第１ロータリー
カッター１の円筒体の片方または両方の側方に設け、チ
ューインガムシート１２に粉体５を振りかけるようにす
ると、切り込み入りチューインガムシート１２ａがカッ
ター刃１ｃ，１ｄへに付着することを防ぎ、スムーズに
送りだすことができ好適である。更に、第１ロータリー
カッターによって設けられた切り込みが、第２ロータリ
ーカッターの引っ張りによって浅くなるために、一旦切
り離されたチューインガムチップ同士が再結着しやすく
なる場合がある。これを防止するため、図１に示すよう
に、前述の粉体供給手段６を、第２ロータリーカッター
の直前に設け、切り込み入りチューインガムシート１２
ａに粉体５を振りかけると、チューインガムチップ１３
同士の再結着を防止することができ好適である。

【００２１】なお、本発明の製法及び装置に特に好適な
チューインガム組成としては、水飴（水分１５重量％程
度）含有割合を、好ましくは１〜７重量％、更に好まし
くは３〜５重量％、また、ガムベース割合を、好ましく
は１８〜２５重量％、更に好ましくは２０〜２３重量％
に設定しておくと、チューインガムシートの成形性を保
ちつつ、切り込み形成や切り離しをスムーズにする点で
好適である。

【００２２】

【発明の効果】以上のように、本発明のチューインガム
チップの製法及び装置は、切り込み手段と切断手段とを
設け、まず切り込み手段によってチューインガムシート
に搬送方向に対し垂直方向に切り込みを設け、次に切断
手段によって、切り込み入りチューインガムシートを牽
引しつつ搬送方向と平行方向に切断することにより、縦
横に切断しチップ化するので、製造全工程を一連の装置
で連続して行うことができる。また、例えば０．１ｇ／
粒以下の超小粒のチューインガムチップであっても、複
数連なったりせず、一定形状のものを安定生産すること
ができる。しかも、チューインガム生地の物性を様々に
変えても、それに合わせて製造装置を調節することによ
り対応でき、チューインガムチップの変形を防止するこ
とができる。従って、製造歩留りが向上し、計量や包装
工程での管理も容易であり、安定した連続生産が可能と
なる。また、簡単で小規模な設備で製造可能であるた
め、省力化、省スペース化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のチューインガムチップ製造装置の一例
を示す説明図。

【図２】本発明のチューインガムチップ製造装置の一部
を示す説明図。

【図３】本発明のチューインガムチップ製造過程を示す
説明図。

【図４】本発明の切断手段の一例を示す説明図。

【図５】従来のチューインガムチップの製造過程での状
態を示す説明図。

【図６】従来のチューインガムチップの製造装置を示す
説明図。

【図７】従来のチューインガムチップの製造に用いる装
置の一例を示す説明図。

【図８】従来のチューインガムチップの製造に用いる装
置の一例を示す説明図。

【符号の説明】

１ 第１ロータリーカッター １ａ 円筒体 １ｂ 円筒体 １ｃ カッター刃 １ｄ カッター刃 ２ 第２ロータリーカッター ２ａ 円筒体 ２ｂ 円筒体 ２ｃ カッター刃 ２ｄ カッター刃 ３ 駆動モーター ４ 駆動伝達手段 ５ 粉体 ６ 粉体供給手段 ７ａ 供給シュート ７ｂ 供給シュート ８ 隙間調節ハンドル ９ スプリング １０ 軸受け １１ 回収手段 １２´ チューインガム生地 １２ チューインガムシート １２ａ 切り込み入りチューインガムシート １２ｂ 切り込み入りチューインガムロープ １３ チューインガムチップ １４ 切り込み ２０ 成形ローラー ２１ 温度調節チャンバー ２２ 幅揃えカッター ２３ 縦ロータリーカッター ２４ 横ロータリーカッター ２４ａ 切り離し刃 ２５ 回転釜 ２６ かき上げ板 ２７ ほぐし装置 ２８ 投入口 ２９ じゃま板 ３０ チューインガムシート ３１ 切り込み入りチューインガムシート ３２ ガムブロック ３３ 断片 ３４ 断片 ３５ 成形ローラー ３６ 温度調節チャンバー ３７ チューインガムチップ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 チューインガムシートに搬送方向に対し
   垂直方向に切り込みを設けて切り込み入りチューインガ
   ムシートとした後、該切り込み入りチューインガムシー
   トを牽引しつつ搬送方向に対し平行方向に切断すること
   により縦横に切断し、チップ化することを特徴とするチ
   ューインガムチップの製法。
2. 【請求項２】 チューインガムシートを搬送しつつ連続
   的に縦横に切断してチューインガムチップを製造する装
   置であって、該チューインガムシートに搬送方向に対し
   垂直方向に切り込みを形成する切り込み手段と、該切り
   込み手段の搬送方向前方にあって、チューインガムシー
   トを牽引しつつ搬送方向に対し平行方向に切断する切断
   手段とからなり、前記切断手段においてチューインガム
   シートを縦横に切断し、チップ化することを特徴とする
   チューインガムチップ製造装置。