JPH0965432A - 送信出力制御装置 - Google Patents

送信出力制御装置

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JPH0965432A
JPH0965432A JP22087695A JP22087695A JPH0965432A JP H0965432 A JPH0965432 A JP H0965432A JP 22087695 A JP22087695 A JP 22087695A JP 22087695 A JP22087695 A JP 22087695A JP H0965432 A JPH0965432 A JP H0965432A
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Takashi Nakayama
隆 仲山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送信と受信とを同時に行わないTDMA無線
通信方式において、回線品質に影響を与えず、かつ環境
条件に左右されずに一定の送信出力を得る。 【解決手段】 送信期間中、可変減衰器2の減衰量は、
ラッチ9により保持された減衰量制御値により制御され
ている。可変減衰器2へ入力されたRF信号は、上記減
衰量制御値に基づいた一定の減衰量で減衰され、電力増
幅器3により増幅される。検波回路6は、電力増幅器3
の出力信号の一部を検波する。検波電圧データ算出部2
0は、同期ワード送信期間中の検波信号から検波電圧デ
ータを算出する。比較部22は、検波電圧データテーブ
ル21より読み出した、所望の送信出力を示す検波電圧
データと算出した検波電圧データとを比較する。制御部
24は、比較部22の比較に応じて減衰量制御値を修正
し、送信休止期間にラッチ9へ送出して保持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、TDMA( time
division multiple access:時分割多元接続)無線通信
方式における送信機に供される送信出力制御装置に関
し、特に、APC(Auto Power Control :自動パワー
制御)回路など、送信出力を一定に保つ送信出力制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】移動しながら通話ができるセルラー電話
などの移動通信システムの移動端末装置は近年益々普及
してきている。これらの移動通信システムの伝送方式
は、音声の聞き取りやすさや、盗聴防止機構などの付加
しやすさなどから、アナログ伝送方式からデジタル伝送
方式へと移行しつつある。また、今日では新たに、デジ
タル伝送方式を採用した移動通信システムとしてPHS
(パーソナル・ハンディホン・システム)も実用化段階
に達し、その需要も益々大きくなっている。
【0003】これらの移動端末装置においては、無線に
よって接続された回線の回線品質を保つために、送信出
力を一定に保つAPC回路が送信出力制御装置として広
く使われている。
【0004】ここで、従来の送信出力制御装置であるA
PC回路について、図4に基づき説明すると以下の通り
である。すなわち、APC回路は、入力されたRF信号
をAPC電圧に基づいた利得で増幅する電力増幅器53
と、増幅されたRF信号を分割する方向性結合器54
と、分割されたRF信号の一方を送信するアンテナ55
とを備えており、出力が一定となるように入力されたR
F信号を増幅して送信する構成である。
【0005】具体的には、APC回路は、上記方向性結
合器54で分割されたRF信号を帰還させて、APC電
圧を制御することにより、送信出力を所望の値に制御し
ている。APC回路の帰還路は、方向性結合器54で分
割されたRF信号の他方を検波する検波回路56と、所
望の送信出力を示す制御電圧を生成する制御電圧生成回
路57と、検波回路56によって得られる検波電圧と、
上記制御電圧とを比較して、APC電圧を調整する比較
回路58とから構成されている。
【0006】上記比較回路58は、上記検波電圧が制御
電圧より高いときは、APC電圧を下げると共に、検波
電圧が制御電圧より低いときは、APC電圧を上げる。
この結果、電力増幅器53の送信出力は、制御電圧に応
じて、所望の送信出力となるように自動的に制御され
る。
【0007】ところが、バースト送信を行うTDMA無
線通信方式では、一定時間、矩形状の送信出力を出そう
とするため、上記制御電圧生成回路57は、矩形状の制
御電圧を生成する。したがって、基準となる制御電圧の
波形である制御波形の急峻な立ち上がりや立ち下がりに
比較回路58が追従できず、APC回路の送信出力にリ
ンキングを起こしたり、送信波形の立ち上がりや立ち下
がり時に送信スペクトルが拡がるという問題を生じてい
た。
【0008】そこで、この問題を解決するために、例え
ば、特開平5−67982号公報のように、比較回路5
8が追従できるように、制御電圧生成回路により予め歪
ませた制御電圧を生成する構成が開示されている。ここ
で、他の従来例として、上記の予め歪ませた制御電圧を
生成する制御電圧生成回路を備えるAPC回路につい
て、図5に基づき説明する。
【0009】この従来例においては、上記制御電圧生成
回路57に代えて、予め歪ませた制御電圧を生成する制
御電圧生成回路59が設けられている。当該制御電圧生
成回路59は、波形テーブル59a、カウンタ59b、
レジスタ59c、および、比較用D/A変換器59dを
備えており、上記波形テーブル59aに時系列に記憶さ
れた波形データ列を、カウンタ59bのカウント値に従
って、順次、レジスタ59cへ保持し、比較用D/A変
換器59dでアナログ値に変換することによって、予め
歪められた波形を生成する構成である。上記波形テーブ
ル59aには、実際の出力にリンキングが起こらず、し
かも立ち上がりおよび立ち下がりが短くなるように設定
された波形データが、予め記憶されている。
【0010】以上のように、従来のAPC回路は、何れ
も、検波信号波形と制御波形とを比較しながら、常時、
電力増幅器53の利得を制御している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のAPC回路においては、アナログ的な閉ループ動作
を行っているために、検波回路56および比較回路58
を急峻な立ち上がり立ち下がりに追従させると、送信信
号の振幅成分を一定レベルに抑え込む虞れがある。特
に、日本のPDC( Personal Digital Cellular)や、
北米のデジタル自動車・携帯電話の標準方式であるIS
54BあるいはIS54Cなどで採用されている変調方
式であるπ/4DQPSK( Differential Quadrature
Phase ShiftKeying )方式などの線型デジタル変調方
式を用いて変調する場合は、この働きにより、送信信号
の波形は歪み、送信信号の変調精度が低下すると共に送
信スペクトルが歪む。送信スペクトルの歪みは、隣接チ
ャネル漏洩電力の増加や占有帯域幅の拡がりを招来す
る。これにより、無線接続された回線品質が低下すると
いう問題を生じており、その解決が切望されている。
【0012】本発明は、上記の問題点を鑑みてなされた
ものであり、その目的は、回線品質に影響を与えず、か
つ環境条件に左右されずに一定の出力を送信できる送信
出力制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る送
信出力制御装置は、上記課題を解決するために、送信を
行う送信期間と送信を行わない送信休止期間とが別に設
けられた時分割多元接続方式を用いる送信装置に供さ
れ、指定された利得で送信信号を増幅する送信電力増幅
部を備えている送信出力制御装置において、以下の手段
を講じたことを特徴としている。
【0014】すなわち、上記送信期間中は上記送信電力
増幅部の利得を一定に保つと共に、上記送信休止期間に
上記利得を制御する制御手段を備えている。
【0015】送信電力増幅部の利得は、送信期間中、変
化せず、送信休止期間に変化するので、利得の変化に伴
う送信信号波形の歪みを生じずに送信出力を調整でき
る。送信信号波形の歪みを削減できるので、変調精度の
低下および送信スペクトルの歪みを削減できる。この結
果、占有帯域幅を所望の幅に抑えることができると共に
隣接チャネルへの漏洩電力を低減でき、回線品質を向上
させることができる。
【0016】請求項2の発明に係る送信出力制御装置
は、上記課題を解決するために、請求項1の発明の構成
において、上記送信電力増幅部からの送信出力を検出す
る送信出力検出手段と、当該送信出力検出手段で検出さ
れた送信出力と所望の送信出力とを比較する比較手段と
を備えている。また、上記制御手段は、上記比較手段の
比較に基づき、送信出力が所望の値となるように上記送
信電力増幅部の利得を制御することを特徴としている。
【0017】なお、上記送信出力検出手段としては、送
信信号を検波する検波回路などが用いられる。
【0018】上記構成において、送信期間中、送信電力
増幅部は、予め指定された一定の利得で送信信号を増幅
して送信する。送信出力検出手段は、送信される送信信
号の出力を、例えば、検波するなどして検出する。比較
手段は上記送信出力検出手段で検出された送信出力と所
望の送信出力とを比較する。送信期間が終了し、送信休
止期間になると、制御手段は、比較手段の判断に従い、
送信出力が所望の値となるように送信電力増幅部の利得
を制御する。具体的には、制御手段は、送信出力が所望
の値に達していないときは、送信電力増幅部の利得を増
大させ、送信出力が所望の値を越えているときには、送
信電力増幅部の利得を減少させる。次の送信期間になる
と、制御手段は、送信電力増幅部の利得を一定に保つ。
これにより、送信電力増幅部は、送信期間中、修正され
た利得で送信信号を増幅して送信する。
【0019】送信出力制御装置は、送信期間中に送信さ
れた送信出力と所望の送信出力とを比較して、送信休止
期間に送信出力を調整しているので、環境条件に左右さ
れずに一定の送信出力を得ることができる。
【0020】また、送信期間中に比較手段で得られた比
較結果は、その送信期間中、送信出力に反映されない。
したがって、急峻な立ち上がりおよび立ち下がりに送信
出力検出手段や比較手段を追従させても、送信信号の振
幅成分を抑制することがない。この結果、送信出力の波
形歪みをさらに削減でき、回線品質をより向上すること
ができる。
【0021】請求項3の発明に係る送信出力制御装置
は、上記課題を解決するために、請求項2の発明の構成
において、上記送信電力増幅部の利得を制御する利得制
御値を送信出力に対応させて記憶した利得制御用テーブ
ルを備え、上記制御手段は、所望の送信出力が新たに指
定された場合、当該利得制御用テーブルに記憶された利
得制御値に基づいて、上記送信電力増幅部の利得の初期
値を決定することを特徴としている。
【0022】なお、利得制御用テーブルは、ROM( R
ead-Only Memory )やRAM( Random access Memory
)などによって記憶される。
【0023】上記構成においては、所望の送信出力が変
更された場合、制御手段は、新たに与えられた送信出力
に対応する利得制御値を、利得制御用テーブルより読み
出す。その後、制御手段は、得られた利得制御値に基づ
いて、送信電力増幅部の利得を送信休止期間に調整す
る。
【0024】それゆえ、所望の送信出力が変更された場
合、送信電力増幅部に与えられる利得の初期値を、指示
された送信出力に応じて設定することができ、送信出力
を最初から所望の値に近づけることができる。したがっ
て、送信出力制御装置が不所望に異なった出力で送信す
ることを防止できると共に、送信出力制御装置の送信出
力が所望の値に安定するまでの時間を短縮できる。
【0025】請求項4の発明に係る送信出力制御装置
は、上記課題を解決するために、請求項2または3の発
明の構成において、上記比較手段は、送信期間のうち、
所定のビット列を変調した送信信号を送信電力増幅部が
送出する期間における上記送信出力検出手段の検出結果
に基づき、送信期間中の送信出力と所望の送信出力との
大小関係を判断することを特徴としている。
【0026】送信期間中、送信電力増幅部は、送信信号
を一定の利得で増幅して送信し、送信出力検出手段は、
送信出力を検出している。送信期間中、送信電力増幅部
の利得が一定に保たれているので、例えば、送信電力増
幅部が同期ワードを送信する期間など、所定のビット列
を送信している期間における送信出力検出手段の検出結
果に基づいて、比較手段は、送信期間中の送信出力と所
望の送信出力との大小関係を判断できる。
【0027】所定のビット列に対応する送信信号の波形
は予め決められているので、所定のビット列を送信して
いる期間における送信電力増幅部の送信信号の波形は、
送信出力に関わらず、各送信期間毎に互いに略相似形と
なっている。したがって、送信出力検出手段は、当該期
間における送信出力をより正確に検出できる。この結
果、比較手段は、送信出力と所望の送信出力との大小関
係をより正確に判断できる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について、図
1および図2に基づき説明すると、以下の通りである。
図1に示すように、本実施形態に係る送信出力制御装置
であるAPC回路1は、PHSなど、送受信を同時に行
わないTDMA無線通信方式における移動無線機に供さ
れ、RF信号を一定の送信出力で送信するために用いら
れるものである。
【0029】上記APC回路1は、図示しない変調回路
より入力されるRF信号を与えられた減衰量制御値に基
づいて減衰させる可変減衰器2と、減衰されたRF信号
を増幅する電力増幅器3とを備えている。当該電力増幅
器3の出力は、方向性結合器4により分割され、一方は
アンテナ5により送信されると共に、他方は帰還され
る。帰還された送信出力に応じ、可変減衰器2へ与える
減衰量制御値を変化させることによって、APC回路1
の送信出力は一定に保たれる。なお、可変減衰器2およ
び電力増幅器3が特許請求の範囲に記載の送信電力増幅
部に対応している。
【0030】電力増幅器3は、予め決められた利得で可
変減衰器2の出力を増幅するものである。当該電力増幅
器3においては、可変減衰器2で減衰されるRF信号の
変化範囲において、増幅後のRF信号に歪みを生じない
ように利得などが設定されている。
【0031】APC回路1の帰還路は、検波回路(送信
出力検出手段)6、A/D変換器7、デジタル処理部
8、ラッチ9、およびD/A変換器10により構成され
ている。上記検波回路6は、温度および周波数の影響を
補償されたものであり、上記方向性結合器4によって分
割された送信出力の一部を検波する。検波された検波信
号は、A/D変換器7により所定の時間間隔でデジタル
値に変換された後、デジタル処理部(制御手段)8へ送
出される。デジタル処理部8は、順次入力される検波信
号に基づいて可変減衰器2の減衰量を示す減衰量制御値
を修正し、受信時や待ち受け時など、無線機の送信休止
期間にラッチ9へ出力する。また、デジタル処理部8
は、送信期間中、減衰量制御値をラッチ9へは送出しな
い。なお、デジタル処理部8は、送信休止期間毎にラッ
チ9へ減衰量制御値を送出してもよいし、特定の送信休
止期間に減衰量制御値を送出してもよい。ラッチ9は、
減衰量制御値がデジタル処理部8から与えられる度に、
これを記憶し、次に減衰量制御値が与えられるまで保持
する。保持された減衰量制御値は、D/A変換器10に
よってアナログ値に変換される。可変減衰器2の減衰量
は、この減衰量制御値に基づく電圧により決定される。
【0032】これにより、送信期間中には、可変減衰器
2の減衰量を一定の値に保持することができる。また、
送信休止期間には、当該送信期間中の送信出力に応じ
て、可変減衰器2の減衰量を調整することができる。
【0033】上記デジタル処理部8において、上記減衰
量制御値の修正は、送信中の送信出力を示す検波電圧デ
ータと所望の送信出力を示す検波電圧データとを比較す
ることによって行われる。
【0034】すなわち、デジタル処理部8は、両検波電
圧データを比較するために、同期ワードの送信期間中に
A/D変換器7より与えられるデジタル値に基づき、検
波電圧データを算出する検波電圧データ算出部20と、
送信出力に対応する検波電圧データを記憶した検波電圧
データテーブル21と、上記検波電圧データ算出部20
で算出された検波電圧データと上記検波電圧データテー
ブル21より読み出した所望の送信出力を示す検波電圧
データとを比較する比較部(比較手段)22とを備えて
いる。また、デジタル処理部8は、比較結果に応じて減
衰量制御値を修正するために、送信出力に対応する減衰
量制御値を記憶した減衰量制御用テーブル(利得制御用
テーブル)23と、ラッチ9へ与える減衰量制御値を比
較部22の比較結果に応じて修正する制御部(制御手
段)24とを備えている。
【0035】なお、上記検波電圧データ算出部20、比
較部22、および制御部24は、デジタル処理部8の有
するCPU(Central Processing Unit)25が所定のプ
ログラムを実行することによって実現される機能モジュ
ールである。また、上記検波電圧データテーブル21お
よび減衰量制御用テーブル23は、ROM( Read-Only
Memory )26によって保持され、比較部22および制
御部24によって読み出すことができる。なお、デジタ
ル処理部8は、上記各プログラムを記憶する図示しない
ROMや、当該プログラムが使用するワークエリアを設
けた図示しないRAM( Random access Memory )など
を備えている。
【0036】上記検波電圧データ算出部20は、例え
ば、同期ワードの送信期間など、所定のビット列を変調
したRF信号を電力増幅器3が送信する期間において、
所定の時間間隔でA/D変換器7より得られるデジタル
値を、例えば、合計するなどして検波電圧データを算出
する。
【0037】上記検波電圧データテーブル21は、送信
したい出力を示す検波電圧データを順番に並べてテーブ
ル状に保存したものである。当該検波電圧データテーブ
ル21において、当該送信出力を示す検波電圧データが
記憶されているアドレスは、所望の送信出力から取得で
きる。
【0038】また、比較部22は、検波電圧データテー
ブル21上の所望の送信出力に対応するアドレスから、
当該送信出力に対応する検波電圧データを読み出し、検
波電圧データ算出部20より得られる検波電圧データと
比較する。これにより、比較部22は、送信期間中の送
信出力と所望の送信出力との大小関係を判断する。
【0039】一方、減衰量制御用テーブル23は、図2
に示すように、送信したい出力に対応する減衰量制御値
を順番に並べてテーブル状に保存したものである。な
お、図2では、例えば、n個の送信出力に対応する減衰
量制御値を記憶する場合の減衰量制御用テーブル23の
構成例を示している。
【0040】図1に示す制御部24は、送信したい出力
が与えられると、該送信出力に対応する減衰量制御値が
記憶されているアドレスを取得する。さらに、制御部2
4は、このアドレスから減衰量制御値を読み出し、送信
休止期間にラッチ9へ出力する。また、制御部24は、
送信したい出力が変化しない間は、上記比較部22によ
る送信期間中の比較結果に基づいて減衰量制御値を修正
し、送信休止期間にラッチ9へ送出する。すなわち、制
御部24は、送信期間中の送信出力が所望の値を越えて
いると比較部22が判断した場合、可変減衰器2の減衰
量が大きくなるように減衰量制御値を修正し、上記送信
出力が所望に達していないと判断した場合、可変減衰器
2の減衰量が小さくなるように減衰量制御値を修正す
る。
【0041】なお、パワーメーター30は、次に説明す
る検波電圧データテーブル21および減衰量制御用テー
ブル23の書き込み時に用いられるものであり、APC
回路1内に備える必要はない。
【0042】次に、ROM26に設けられた、検波電圧
データテーブル21および減衰量制御用テーブル23に
記憶されているデータについて説明する。各テーブル2
1・23は、移動無線機の出荷時など、通常の送信を行
う前に、以下の手順によって予め記憶されたものであ
る。
【0043】すなわち、APC回路1を常温など一定の
環境条件下に保つ。したがって、温度などの環境条件の
変化に起因する送信出力の変化は生じず、減衰量制御値
を一定に保持しても、APC回路1の出力変化は少なく
なっている。この状態において、デジタル処理部8は、
ラッチ9へ、ある減衰量制御値を与える。可変減衰器2
は、D/A変換器10によりアナログ値へ変換された減
衰量制御値に基づきRF信号を減衰させる。減衰された
RF信号は、電力増幅器3により増幅され、方向性結合
器4を介してアンテナ5より送信される。
【0044】アンテナ5より送信されたRF信号の出力
は、パワーメーター30により測定される。デジタル処
理部8は、パワーメーター30の測定値に基づき、パワ
ーメーター30の測定値が予め決められた送信出力の1
つと等しくなるように、減衰量制御値を増減する。この
減衰量制御値は、送信休止期間にラッチ9へ送られ、保
持される。減衰量制御値が修正されることによって、A
PC回路1の送信出力は、所望の送信出力に近づく。
【0045】減衰量制御値の修正を繰り返すことによっ
て、パワーメーター30の測定値は、予め決められた送
信出力の1つと等しくなる。この状態における減衰量制
御値が当該送信出力に対応する減衰量制御値として採用
されると共に、このときの検波電圧データが当該送信出
力に対応する検波電圧データとして採用される。
【0046】具体的には、検波回路6によって検波され
た検波信号は、A/D変換器7により所定の時間間隔で
デジタル値に変換される。検波電圧データ算出部20
は、同期ワードの送信期間におけるA/D変換器7の出
力から検波電圧データを算出し、デジタル処理部8は、
この検波電圧データを当該送信出力に対応する検波電圧
データとして採用する。
【0047】これらの処理を予め決められた送信出力の
それぞれに対して行い、各送信出力に対する検波電圧デ
ータおよび減衰量制御値を得る。各送信出力に応じた検
波電圧データは、検波電圧データテーブル21の当該送
信出力に対応したアドレスに記憶されると共に、各送信
出力に対する減衰量制御値は、減衰量制御用テーブル2
3の当該送信出力に対応したアドレスに記憶される。
【0048】これにより、各テーブル21・23には、
一定の環境条件下においてAPC回路1が実際に所定の
出力を送信したときの検波電圧データおよび減衰量制御
値が記憶される。すなわち、検波電圧データテーブル2
1に記憶された検波電圧データは、検波回路6やA/D
変換器7の特性、および検波電圧データ算出部20にお
ける検波電圧データの算出方法に起因する系統誤差を含
んでいる。さらに、上記検波電圧データは、回路素子の
誤差などから生ずる各APC回路1固有の特性をも含ん
でいる。
【0049】この結果、一定の環境条件下における通常
の送信時に、APC回路1が所望の出力で送信している
場合、検波電圧データ算出部20が算出した検波電圧デ
ータは、検波電圧データテーブル21に記憶されている
検波電圧データと略等しくなる。したがって、比較部2
2は、APC回路1が所望の出力で送信しているか否か
を、より正確に判定できる。
【0050】また、送信期間中、可変減衰器2の減衰量
を示す減衰量制御値は、検波電圧データの記憶時と同様
に、一定の値のまま保持される。したがって、環境条件
が一定で、かつ、同じビット列を送出している場合、上
記検波電圧データの記憶する際の検波信号波形と通常の
送信期間中の検波信号波形とは、略相似形となる。ま
た、環境条件などが変化して送信出力が変化しても、A
PC回路1は、アナログ的な閉ループ動作を行っていな
いため、送信信号波形の波形歪み、すなわち検波信号波
形の波形歪みが低減されている。この結果、同期ワード
の送信期間など、同一のビット列を送出している期間に
おける検波信号から算出される検波電圧データ同士を比
較することにより、送信期間中の送信出力と所望の送信
出力との大小関係をより正確に判断できる。
【0051】同様にして、減衰量制御用テーブル23に
記憶される減衰量制御値は、各APC回路1に対応した
値となる。より正確な減衰量制御値を得ることができる
ので、可変減衰器2の減衰量をより正確に制御できる。
【0052】加えて、検波電圧データテーブル21およ
び減衰量制御用テーブル23に各データを記憶する際、
各データを取得するための特別な構成を必要としない。
したがって、各テーブル21・23に記憶するデータを
容易に得ることができる。
【0053】続いて、上記の構成において、移動無線機
の通信時におけるAPC回路1各部の動作を説明する。
【0054】移動無線機の送信を受信する受信側から送
信出力が新たに指定されるなどして送信したいRF信号
の出力が変化すると、デジタル処理部8に設けられた制
御部24は、所望の送信出力に対応する減衰量制御値を
減衰量制御用テーブル23より読み出し、送信休止期間
に当該減衰量制御値をラッチ9へ送出する。D/A変換
器10は、ラッチ9に保持された減衰量制御値をアナロ
グ値に変換して可変減衰器2へ常時印加する。これによ
り、可変減衰器2の減衰量は決定される。
【0055】可変減衰器2へ最初に与えられる減衰量
は、送信出力に応じた減衰量制御値である。APC回路
1の送信出力と所望の送信出力との誤差を最初から少な
くすることができるので、APC回路1の送信出力が所
望の値に安定するまでの時間を短くできる。
【0056】送信期間中、制御部24が減衰量制御値を
ラッチ9へ送らないので、ラッチ9は、少なくとも送信
期間中、受け取った減衰量制御値を保持する。したがっ
て、決定された可変減衰器2の減衰量は、送信期間中、
変化しない。
【0057】次の送信期間になると、図示しない変調回
路から可変減衰器2へRF信号が入力される。可変減衰
器2は、この送信期間中、上記で決められた減衰量制御
値に従い、入力されたRF信号を一定の減衰量で減衰さ
せる。減衰されたRF信号は、電力増幅器3により増幅
された後、方向性結合器4を介してアンテナ5によって
送信される。
【0058】一方、方向性結合器4により分割されたR
F信号の一部は、検波回路6で検波され、A/D変換器
7によって、所定の時間間隔でデジタル値に変換され
る。検波電圧データ算出部20は、同期ワードの送信期
間中にA/D変換器7から得られるデジタル値の列を加
算して、検波電圧データを算出する。また、比較部22
は、検波電圧データテーブル21から所望の送信出力に
対応する検波電圧データを読み出し、検波電圧データ算
出部20より得られた検波電圧データと比較する。両検
波電圧データを比較することにより、同期ワードの送信
期間における送信出力が所望の値に達しているか否かを
判断できる。これにより、比較部22は、送信期間中の
送信出力が所望の値に達しているか否かを判断する。
【0059】例えば、所望の送信出力より大きな出力で
送信されている場合、検波回路6で検波される検波信号
波形は、所望の出力で送信されている場合の検波信号波
形よりも振幅が大きくなる。したがって、検波電圧デー
タ算出部20が算出する検波電圧データは、比較部22
が検波電圧データテーブル21より読み出した検波電圧
データより大きくなる。したがって、比較部22は、送
信期間中の送信出力が所望の値を越えていると判断す
る。制御部24は、比較部22の判断結果を受けて、減
衰量制御値を修正する。この送信期間中においては、送
信出力が大きいので、可変減衰器2の減衰量が大きくな
るように減衰量制御値を修正する。
【0060】送信期間が終わり、送信休止期間になる
と、制御部24は、修正した減衰量制御値をラッチ9へ
出力する。この結果、次の送信期間における可変減衰器
2の減衰量が決定される。
【0061】また、APC回路1の送信出力が所望の値
に達していない場合は、上記とは逆に、検波電圧データ
算出部20が算出する検波電圧データは、比較部22が
検波電圧データテーブル21より読み出す検波電圧デー
タより小さくなる。したがって、比較部22は、送信出
力が所望の値に達していないと判断する。これにより、
制御部24は、可変減衰器2の減衰量が小さくなるよう
に減衰量制御値を修正する。送信出力が所望の値を越え
ている場合と同様に、修正した減衰量制御値を送信期間
の合間の送信休止期間にラッチ9へ出力することによっ
て、次の送信期間における可変減衰器2の減衰量が決め
られる。
【0062】なお、制御部24で修正する減衰量制御値
の変化量は、一定でもよいし、比較部22で比較される
両検波電圧データの差に応じて変化させてもよい。比較
部22および制御部24はデジタル処理を行っているの
で、減衰量制御値を修正する際に、様々なアルゴリズム
を容易に適用することができる。
【0063】また、本実施形態に係るデジタル処理部8
は、所望の送信出力に対する減衰量制御値を記憶した減
衰量制御用テーブル23を備えているが、これに限るも
のではない。図1および図3に示すように、減衰量制御
用テーブル23に代えて、例えば、所望の送信出力と温
度との組み合わせに対する減衰量制御値を記憶した減衰
量制御用テーブル23aを備える構成でもよい。当該減
衰量制御用テーブル23aは、所望の送信出力と温度と
の組み合わせに対する減衰量制御値を並べてテーブル状
に記憶している。なお、図3では、例えばn個の送信出
力とm個の温度との組み合わせを記憶する場合におけ
る、減衰量制御用テーブル23aの構成例を示してい
る。
【0064】上記減衰量制御用テーブル23aには、図
2に示す減衰量制御用テーブル23と略同様にして、各
送信出力と温度との組み合わせに対応する減衰量制御値
が記憶される。すなわち、まず、減衰量制御用テーブル
23aに記憶する送信出力と温度との組み合わせを1つ
選ぶ。次に、APC回路1を、選択した温度条件下に保
持する。後は減衰量制御用テーブル23の場合と同じ
く、アンテナ5より送信される出力をパワーメーター3
0により測定しながら、パワーメーター30の測定値が
所望の送信出力に達するまで、減衰量制御値を調整す
る。このときの減衰量制御値が、上記組み合わせに対す
る減衰量制御値として、減衰量制御用テーブル23aの
当該組み合わせに応じたアドレスに記憶される。各組み
合わせ毎に、以上の動作を繰り返すことにより、各組み
合わせに対する減衰量制御値は、減衰量制御用テーブル
23aに記憶される。
【0065】制御部24は、送信したいRF信号の出力
を変更した場合、図示しない温度検出部により検出した
温度と送信したいRF信号の出力とから、対応する減衰
量制御値が記憶されているアドレスを取得し、当該減衰
量制御値を読み出す。そして、送信休止期間に制御部2
4がラッチ9へ、この減衰量制御値を送出することによ
って、次の送信期間における可変減衰器2の減衰量が決
められる。
【0066】この結果、送信出力が変更された場合、可
変減衰器2へ最初に与えられる減衰量は、温度の影響を
加味したより正確な値となる。したがって、APC回路
1の送信出力と所望の送信出力との誤差を最初から、よ
り少なくすることができ、送信出力は、より早く所定の
値に安定する。
【0067】以上のように、上記各本実施形態に係るA
PC回路1は、図1に示す、可変減衰器2とデジタル処
理部8とラッチ9とD/A変換器10とを備えている。
送信期間中、デジタル処理部8は、可変減衰器2の減衰
量を決定する減衰量制御値をラッチ9に保持させると共
に、送信休止期間には、ラッチ9に保持されている減衰
量制御値を修正する。ラッチ9に保持されている減衰量
制御値は、D/A変換器10によりアナログ値に変換さ
れ、可変減衰器2へ常時印加される。
【0068】これにより、APC回路1は、送信期間
中、可変減衰器2の減衰量を一定に保つと共に、送信休
止期間には、可変減衰器2の減衰量を調整できる。した
がって、送信時に可変減衰器2の減衰量を変化させるこ
とに起因する送信出力の波形歪みが無くなる。この結
果、送信信号の変調精度の低下や送信スペクトルの歪み
を削減でき、回線品質を向上できる。
【0069】上記構成に、検波回路6とA/D変換器7
とを加え、デジタル処理部8が比較部22および制御部
24を備えることにより帰還路が形成される。送信出力
の一部は、検波回路6により検波され、A/D変換器7
でデジタル値に変換された後、比較部22により所望の
送信出力と比較される。制御部24は、比較部22の判
断に従い、送信出力が所望の値に近づくように、可変減
衰器2へ与える減衰量制御値を制御する。
【0070】これにより、環境条件の変化に関わらず、
送信出力を所望の値に保つことができる。送信期間中
は、可変減衰器2の減衰量が一定に保たれているので、
当該送信期間中の比較結果は、次の送信期間まで反映さ
れない。したがって、常時、比較結果に基づき送信出力
を制御する従来のAPC回路のように、振幅成分を一定
に抑え込まない。この結果、送信信号波形の歪みを従来
に比べ抑制できるので、送信信号の変調精度の低下や送
信スペクトルの歪みをより削減でき、さらに回線品質を
向上できる。
【0071】また、上記構成に減衰量制御用テーブル2
3を加え、所望の送信出力が変化したときに、減衰量制
御用テーブル23から当該出力に対応する減衰量制御値
を制御部24が読み出して、送信休止期間にラッチ9へ
送出することにより、可変減衰器2へ与える減衰量制御
値の初期値を所望の送信出力に応じて設定することがで
きる。
【0072】この結果、送信出力の変更が指示された
際、APC回路1が最初に送信する送信出力を所望の送
信出力に近づけることができる。したがって、APC回
路1は、所望の送信出力と大きく異なる出力で送信する
ことが無くなり、送信出力を早く所望の値に安定させる
ことができる。
【0073】なお、本実施形態に係る減衰量制御用テー
ブル23・23aは、ROM26により保存されている
が、これに限らず、RAMに記憶してもよい。この場
合、制御部24が、送信したいRF信号の出力の変更指
示を受けたときに、現在の送信出力に応じたアドレスの
減衰量制御値を現在の減衰量制御値に基づいて変更する
ことによって、次に当該送信出力が指定された場合の減
衰量制御値の初期値を修正できる。この結果、次にこの
送信出力が指定されたとき、所望の送信出力を得るため
に必要な減衰量制御値と初期値との誤差を修正すること
ができる。
【0074】さらに、上記構成に加えて、APC回路1
が検波電圧データ算出部20と検波電圧データテーブル
21とを備えることにより、比較部22は、同期ワード
の送信期間における送信出力に基づいて、送信出力と所
望の送信出力との何れが大きいかを判断できる。可変減
衰器2の減衰量を示す減衰量制御値は、送信期間中、一
定の値に保たれているので、送信期間中のある期間にお
ける送信出力に基づいて、送信期間中の送信出力と所望
の送信出力との大小関係を判断できる。
【0075】同期ワードの送信期間中、その送信波形
は、上記ビット列に対応する予め決められた波形となっ
ている。したがって、同期ワードの送信期間における送
信波形は、送信出力に関わらず、各送信期間毎に互いに
略相似形となっている。この結果、検波電圧データ算出
部20が同期ワードの送信期間におけるA/D変換器7
の出力から算出する検波電圧データは、送信するビット
列が相違し、送信信号の波形が相違するために生ずる誤
差を含まない。したがって、比較部22は、送信出力と
所望の送信出力との大小関係をより正確に比較できる。
【0076】なお、本実施形態に係る検波電圧データ算
出部20において、送信期間中の送信出力を検出する期
間として同期ワードの送信期間を選んでいるが、これに
限るものではない。他に所定のビット列を送信する期間
があれば、その期間において送信出力を検出してもよい
し、特に検出する期間を予め設定せず、送信信号から所
定のビット列が送信されているときに送信出力を検出し
てもよい。電力増幅器3が所定の波形の送信信号を出力
している期間に送信出力を検出することによって、本実
施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態にお
いては、同期ワードが1種類の場合について説明してい
るが、これに限るものではない。複数の同期ワードが存
在する場合には、検波電圧データテーブル21が同期ワ
ードと送信出力との組み合わせに対する検波電圧データ
を記憶し、当該検波電圧データテーブル21から比較部
22が、送信中の同期ワードと所望の送信出力との組み
合わせに対応する検波電圧データを読み出すことによっ
て、本実施形態と同様の効果が得られる。
【0077】また、所望の出力でAPC回路1が送信し
ているとき、検波電圧データ算出部20が算出した検波
電圧データを検波電圧データテーブル21に記憶するこ
とによって、各APC回路1固有の特性を加味した検波
電圧データを容易に得ることができる。これにより、比
較部22は、送信中に、検波電圧データ算出部20が算
出する検波電圧データと検波電圧データテーブル21よ
り読み出した検波電圧データとの大小関係、すなわち、
実際の送信出力と所望の送信出力との大小関係をさらに
正確に判断できる。
【0078】なお、本実施形態に係るAPC回路1で
は、検波電圧データの算出方法として、例えば、同期ワ
ードの送信期間におけるA/D変換器7の出力の合計を
選んでいるがこれに限るものではない。例えば、各デジ
タル値に重みを持たせて加算してもよいし、合計の代わ
りに平均をとることにより検波電圧データを算出しても
よい。また、同期ワードの送信期間中の一点を選び、こ
の時点におけるA/D変換器7の出力するデジタル値を
検波電圧データとして採用してもよい。検波電圧データ
算出部20は、CPU25の機能モジュールとして実現
されているので、検波電圧データの算出方法として様々
な方法を容易に採用することができる。同期ワードの送
信期間におけるA/D変換器7の出力から検波電圧デー
タ算出部20が検波電圧データを算出できると共に、算
出された検波電圧データ同士から送信出力の大小関係が
判断できる方法であれば、本実施形態と同様の効果が得
られる。
【0079】さらに、減衰量制御用テーブル23aと同
様に、検波電圧データテーブル21が各温度条件に応じ
た検波電圧データを記憶すると共に、比較部22が図示
しない温度検出部により検出された温度と所望の送信出
力との組み合わせに対する検波電圧データを読み出すこ
とによって、送信中の送信出力と所望の送信出力とをさ
らに正確に比較できる。
【0080】また、本実施形態に係るAPC回路1にお
いては、A/D変換器7、検波電圧データ算出部20、
検波電圧データテーブル21、および比較部22を用い
て、同期ワードの送信期間中におけるA/D変換器7の
出力に基づき、比較部22は、送信出力と所望の送信出
力とを比較しているが、これに限るものではない。例え
ば、検波回路6の検波信号からアナログ回路を用いて同
期ワードの送信期間中における送信出力を取得してもよ
い。同期ワードの送信期間中における検波回路6の検波
信号に基づいて、送信中の送信出力と所望の送信出力と
を比較する構成であれば、本実施形態と同様の効果が得
られる。
【0081】ただし、本実施形態に係るAPC回路1の
ように、検波電圧データ算出部20、検波電圧データテ
ーブル21、比較部22、減衰量制御用テーブル23、
および制御部24からなるデジタル処理部8を、CPU
25およびROM26などのデジタル処理回路によって
実現することにより、無線機が他のデジタル処理回路を
備えている場合、当該デジタル処理回路とデジタル処理
部8とを一緒にLSI( Large Scale Integrated circ
uit )などの内部へ容易に取り込むことができる。この
結果、無線機全体の構成を簡略にすることができる。
【0082】なお、本実施形態に係る検波電圧データ算
出部20、比較部22、および制御部24は、CPU2
5の機能モジュールとして実現されているが、各部20
・22・24をハードウェアにより実現することも容易
である。
【0083】
【発明の効果】請求項1の発明に係る送信出力制御装置
は、以上のように、送信期間中は上記送信電力増幅部の
利得を一定に保つと共に、上記送信休止期間に上記利得
を制御する制御手段を備えている構成である。
【0084】それゆえ、送信出力の調整に伴う送信信号
波形の歪みを生じない。送信信号波形の歪みを削減でき
るので、変調精度の低下および送信スペクトルの歪みを
削減でき、回線の品質が向上するという効果を奏する。
【0085】請求項2の発明に係る送信出力制御装置
は、以上のように、請求項1の発明の構成において、送
信電力増幅部からの送信出力を検出する送信出力検出手
段と、当該送信出力検出手段で検出された送信出力と所
望の送信出力とを比較する比較手段とを備え、上記制御
手段は、上記比較手段の比較に基づき、送信出力が所望
の値となるように上記送信電力増幅部の利得を制御する
構成である。
【0086】上記の構成により、送信期間中に送信され
た送信出力と所望の送信出力とを比較して、送信休止期
間に送信出力を調整することができる。この結果、環境
条件に左右されずに送信出力を所望の値に保つことがで
きるという効果を奏する。
【0087】また、送信期間中に比較手段で得られた比
較結果は、その送信期間中、送信出力に反映されないの
で、送信出力の波形歪みをさらに削減できる。この結
果、回線品質がより向上するという効果を奏する。
【0088】請求項3の発明に係る送信出力制御装置
は、以上のように、請求項2の発明の構成において、送
信電力増幅部の利得を制御する利得制御値を送信出力に
対応させて記憶した利得制御用テーブルを備え、上記制
御手段は、所望の送信出力が新たに指定された場合、当
該利得制御用テーブルに記憶された利得制御値に基づい
て、上記送信電力増幅部の利得の初期値を決定する構成
である。
【0089】それゆえ、所望の送信出力が変更された場
合、送信電力増幅部に与えられる利得の初期値を指示さ
れた送信出力に応じて設定することができ、送信出力を
最初から所望の値に近づけることができる。この結果、
送信出力制御装置の送信出力を変更した場合に、不所望
に異なった出力で送信することを防止できると共に、送
信出力が所望の値に安定するまでの時間を短縮できると
いう効果を奏する。
【0090】請求項4の発明に係る送信出力制御装置
は、以上のように、請求項2または3の発明の構成にお
いて、比較手段は、送信期間のうち、所定のビット列を
変調した送信信号を送信電力増幅部が送出する期間にお
ける上記送信出力検出手段の検出結果に基づき、送信期
間中の送信出力と所望の送信出力との大小関係を判断す
る構成である。
【0091】所定のビット列を送信している期間におけ
る送信電力増幅部の送信信号の波形は、送信出力に関わ
らず、各送信期間毎に互いに略相似形となっているの
で、比較手段は、送信出力と所望の送信出力との大小関
係をより正確に判断できる。この結果、送信出力制御装
置の送信出力をより正確に制御でき、回線品質をさらに
向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、送信出
力制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記送信出力制御装置において、減衰量制御用
テーブルにおける減衰量制御値の格納法を示す説明図で
ある。
【図3】上記送信出力制御装置の一変形例を示すもので
あり、減衰量制御用テーブルにおける減衰量制御値の格
納法を示す説明図である。
【図4】従来例を示すものであり、送信出力制御装置の
要部構成を示すブロック図である。
【図5】他の従来例を示すものであり、送信出力制御装
置の要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 APC回路(送信出力制御装置) 2 可変減衰器(送信電力増幅部) 3 電力増幅器(送信電力増幅部) 6 検波回路(送信出力検出手段) 7 A/D変換器 8 デジタル処理部(制御手段) 20 検波電圧データ算出部 21 検波電圧データテーブル 22 比較部(比較手段) 23 減衰量制御用テーブル(利得制御用テーブル) 24 制御部(制御手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】送信を行う送信期間と送信を行わない送信
    休止期間とが別に設けられた時分割多元接続方式を用い
    る送信装置に供され、 指定された利得で送信信号を増幅する送信電力増幅部を
    備えている送信出力制御装置において、 上記送信期間中は上記送信電力増幅部の利得を一定に保
    つと共に、上記送信休止期間に上記利得を制御する制御
    手段を備えていることを特徴とする送信出力制御装置。
  2. 【請求項2】上記送信電力増幅部からの送信出力を検出
    する送信出力検出手段と、 当該送信出力検出手段で検出された送信出力と所望の送
    信出力とを比較する比較手段とを備え、 上記制御手段は、上記比較手段の比較に基づき、送信出
    力が所望の値となるように上記送信電力増幅部の利得を
    制御することを特徴とする請求項1記載の送信出力制御
    装置。
  3. 【請求項3】上記送信電力増幅部の利得を制御する利得
    制御値を送信出力に対応させて記憶した利得制御用テー
    ブルを備え、 上記制御手段は、所望の送信出力が新たに指定された場
    合、当該利得制御用テーブルに記憶された利得制御値に
    基づいて、上記送信電力増幅部の利得の初期値を決定す
    ることを特徴とする請求項2記載の送信出力制御装置。
  4. 【請求項4】上記比較手段は、送信期間のうち、所定の
    ビット列を変調した送信信号を送信電力増幅部が送出す
    る期間における上記送信出力検出手段の検出結果に基づ
    き、送信期間中の送信出力と所望の送信出力との大小関
    係を判断することを特徴とする請求項2または3記載の
    送信出力制御装置。
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