JP2006352525A - 通信装置及び補正テーブル作成方法 - Google Patents

通信装置及び補正テーブル作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 特性が既知の可変利得手段を用いずに、高精度で広ダイナミックレンジの可変利得手段の校正を簡単な構成で低コストにて実現すること。
【解決手段】 アナログ回路受信部101、102は、アンテナより入力した信号をアナログ・ディジタル変換部125、126に最適な周波数及びレベルに変換する。位相・振幅補正部107は、可変利得部115、116の制御に伴うアナログ誤差を含んだ信号処理部117に入力した信号を、利得制御量補正用テーブル108の補正値に基づいて補正する。アナログ回路制御部109は、受信信号が所定のレベルになるように、可変利得部115、116の最適な制御量を判断して、可変利得部115、116を制御する。信号処理部117は、各ブランチからの入力信号の振幅または位相を補正した後にアレイ合成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、通信装置及び補正テーブル作成方法に関し、特に、アンテナ指向性を制御するアダプティブアレイアンテナ装置を具備する通信装置及び補正テーブル作成方法に関する。
従来より、複数のアンテナと無線部とを備え、アンテナ指向性を制御するアダプティブアレイアンテナ方式の無線通信装置が知られている。アダプティブアレイアンテナは、複数のアンテナで構成されたアレイアンテナを用い、各アンテナの送信、受信出力に振幅および位相に重み付けをして、合成することで、アレイアンテナ全体として指向性を持たせることができる。また、その重み付けを変化させることによって、アレイアンテナの指向性を変化させることができる。アダプティブアレイアンテナを移動体通信に適用し、所定のアルゴリズムにしたがって重み付けを変化させ、良好な指向性パターンを実現すれば、他局間干渉を有効に抑制することができる。
しかし、一般に移動体通信システムにおいては、レイリーフェージングによる振幅レベル変動があるため、受信装置においては、AGC(Automatic Gain Control)制御機能が設けられている。また、送信装置においては、送信信号レベルを可変させるTPC(Transmitting Power Control)制御機能が設けられている。
広ダイナミックレンジの信号レベルを制御する移動体通信システムでは、一般に、ディジタル回路部のみでダイナミックレンジの確保が難しいため、アナログ回路部にてレベル制御を行う。アナログ回路部でのレベル制御には、可変利得増幅器、可変減衰器を用いる等各種の方法があるが、可変利得制御量毎に位相、利得誤差(ばらつき)を持つ。このため、ディジタル回路部にて全ブランチのレベル、位相を高精度に制御してもAGC制御、TPC制御を行うと、ブランチ間の位相、振幅誤差が大きくなる。このような利得(振幅)変動及び位相変動のばらつきは、アルゴリズムによる制御で得られることが期待される指向性パターンと実際に得られる指向性パターンとに差異を生じさせるので、アレイ動作を高精度に行う上で障害となる。
高精度のアレイ制御を行うには、AGC制御量、TPC制御量によらず、受信した信号、送信した信号の位相、振幅を一定にする必要がある。これにより、AGC、TPC制御にかかわらず、また、ブランチ間において異なるAGC制御量、TPC制御量でも正しくアレイ動作が行える。
図15は、アレイアンテナ機能を備えた従来の受信装置の構成を示す図である。図15において、受信装置1500は、アンテナ1520、1521より入力した信号をアナログ・ディジタル変換部に最適な周波数及びレベルに変換する受信手段1501、1502と、受信手段1501、1502より入力したアナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換部1505、1506と、アナログ・ディジタル変換部1505、1506より入力した信号をディジタル信号処理するベースバンド部1504を有している。
受信手段1501、1502は、アナログ信号のレベルを可変させる可変利得部1507、1508を備えており、可変利得部1507、1508は、例えば、図16に示すようなディジタルアッテネータ1600が用いられる。ここで、ディジタルアッテネータとは、異なる減衰量を持ったスイッチ制御のアッテネータを直列に接続したアナログ信号用デバイスである。スイッチの選択により任意に減衰量を(離散的に)制御できる。一般的なディジタルアッテネータの温度特性を、図17、図18に示す。このディジタルアッテネータは、ダイナミックレンジ40dBにおいて、利得偏差(各利得制御量の温度変動差)約0.2dB、位相偏差約0.7°であることが分かる。ディジタルアッテネータを用いることにより、可変利得制御における利得誤差、位相誤差量の温度特性を小さくすることができる。
ベースバンド部1504は、可変利得手段補正テーブル1510を備えており、可変利得手段補正テーブル1510には、可変利得部1507、1508の利得制御量毎の利得誤差、位相誤差補正値が記録されている。
可変利得部1507、1508の利得を切り替えた際に、可変利得手段補正テーブル1510の補正値を基に、ベースバンド部1504にて入力信号の利得、位相誤差を補正することで、受信装置のアレイアンテナ機能をAGC、TPC制御によらず高精度に保つことができる。
しかし、可変利得手段にディジタルアッテネータを用いたとしても、装置内にて温度変動がある場合、一般にアナログ部には、素子ばらつきなどに基づき、温度変動に対してそれぞれ異なる振幅(利得)変動、および位相変動を有しており、また、それらは経年変化する。このため、ブランチ間誤差が大きくなる。
このばらつきを補正するために、各無線受信部に既知信号を受信させて、それぞれの有する振幅変動及び位相変動量を測定し、その結果を重み付け合成にフィードバックする受信ブランチ間キャリブレーションと呼ばれる操作が行われる。
図19は、例えば、特許文献1に示された従来の受信ブランチ間キャリブレーションを備えたアレイアンテナ受信装置の構成を示す図である。図19において、1901、1902はアンテナ素子、1907、1908はスイッチ、1909、1910は受信手段、1904は受信校正演算部、1905は信号処理部、1906は既知信号出力手段である。
この図に示されるように、受信アダプティブアレイアンテナの各ブランチの校正を受信装置単体で実施する場合は、既知信号出力手段1906より既知信号をスイッチ1907、1908で受信手段1909、1910に入力させて、各ブランチの振幅、位相の誤差情報を受信校正演算部1904にて求めて、それを信号処理部1905に与えて、受信手段1909、1910にて発生する変動の校正を行っている。
また、各無線送信部の出力信号を一部取り出し、各無線送信部への入力信号と比較することで、それぞれの有する振幅変動及び位相シフトを測定し、その結果を重み付け合成にフィードバックする送信ブランチ間キャリブレーションと呼ばれる操作が行われる。
図20は、例えば、特許文献1に示された従来の送信ブランチ間キャリブレーションを備えたアレイアンテナ送信装置の構成を示す図である。図20において、2001、2002はアンテナ素子、2007、2008は方向性結合器、2009、2010は送信手段、2004は送信校正演算部、2005は信号処理部である。
この図に示されるように、送信アダプティブアレイアンテナの各ブランチの校正を送信装置単体で実施する場合は、送信手段2009、2010の出力信号を方向性結合器2007、2008で分岐させて、各ブランチの振幅、位相等の誤差情報を送信校正演算部2004で求めて、それを信号処理部2005に与えて、送信手段2009、2010にて発生する変動の校正をしている。
図19及び図20のブランチ間キャリブレーション方法においては、AGC制御量、TPC制御量切り替え毎にキャリブレーションを実施する必要があり、AGC制御、TPC制御が高速の場合、演算を高速に行う必要があるため、キャリブレーション回路の回路規模を大きくする必要がある。また、高速のキャリブレーションを行うためアベレージングを多く取れないために、キャリブレーション精度が劣化する。
運用中に高精度なキャリブレーションを行う場合、ブランチ間において、異なるAGC制御量、TPC制御量でも正しくブランチ間誤差をキャリブレーションできる必要がある。
図21は、図15に示した受信装置の可変利得手段補正テーブルと図19の受信キャリブレーションを備えたアレイアンテナ受信装置である。図19と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図21の受信装置においては、受信手段1909、1910に備えた可変利得手段の切り替え時に、既知信号出力手段1906の可変利得手段を受信手段制御量に対応した制御量に切り替え、信号処理部1905内に備えた可変利得手段補正テーブルの補正値を用いて、受信手段1909、1910、既知信号出力手段1906の振幅・位相誤差を補正することにより、受信手段内の可変利得手段の制御量によらずキャリブレーションを行うことが可能となる。
ここで、図15及び図21に示す受信装置においては、可変利得手段補正テーブルに記録する値を運用前に測定する必要がある。従来、補正テーブルを作成するために、全ダイナミックレンジの利得・位相特性が既知の外付け可変利得手段を用いる方法があった。図22に利得・位相特性が既知の外付け可変利得手段を用いた受信装置内の可変利得手段の補正テーブル作成方法を示す。図22において、図15と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
可変利得手段テーブル作成時においては、受信装置1500の校正ブランチ(図22ではブランチ2)を、既知可変アッテネータ2250を介して校正用送信装置2210に接続する。校正用送信装置2210は、受信装置1500より入力した情報を基にした校正信号をレベル、位相を一定として出力する。受信装置1500では、受信手段1502の可変利得部1508の制御量を測定する値に設定する。既知可変アッテネータ2250は、受信装置1500(設定した可変利得手段)に最適な入力レベルになるようにレベルを可変する。既知可変アッテネータ2250は、すべての利得制御量での通過特性(利得特性、位相特性)は既知である。
ベースバンド部1504では、校正用送信装置2210へ出力した信号とベースバンド部1504へ入力した信号より、既知可変アッテネータ特性を含んだ利得制御量時の振幅、位相特性を求めることができる。この求めた振幅・位相特性より既知可変アッテネータ2250の利得・位相特性を引くことで、設定した利得制御量時の利得・位相誤差を求めることができる。ただし、既知可変アッテネータ2250の利得・位相誤差があった場合は、補正テーブルの誤差となる。すべての利得制御量時の特性を求めることで、利得可変時において、可変前と可変後の利得誤差、位相誤差を補正することが可能となる。
特開2001−185933号公報
しかしながら、従来の装置においては、完全な既知の可変利得手段を用意することは実際には不可能であり、図22の構成においては、既知の可変利得手段を測定した測定器の誤差、既知の可変利得手段自身の温度、経時誤差を含んでしまい、補正値の精度が劣化するという問題がある。
また、従来の校正方法においては、事前にレベルを最適値に調整しないと受信手段での信号歪みやアナログ・ディジタル変換処理での量子化雑音によって測定精度が劣化するため、受信装置においては、受信手段の入力レベルの測定と調整、送信装置においては、送信手段の出力レベル測定と調整を行う必要があり、測定機器が必要となりコストアップになると共に、調整時間が長くなるという問題がある。
また、複数の可変利得手段を備えた装置において、切り替えタイミングがずれていた場合、瞬時のピークの発生、瞬時の信号低下が発生し、送受信特性の劣化となるため、複数の可変手段の切り替えタイミングの調整が必要となる。
複数の可変手段の切り替えタイミングの調整は、専用の測定器を用意して、測定者が調整していたため、コストアップになると共に、調整時間が長くなるという問題がある。
また、図21の構成の装置においては、運用中に可変利得手段補正値の更新が行えないため、キャリブレーション精度が劣化するという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、特性が既知の可変利得手段を用いずに、高精度で広ダイナミックレンジの可変利得手段の校正を簡単な構成で低コストにて実現することができる通信装置及び補正用テーブル作成方法を提供することを目的とする。
本発明の通信装置は、受信信号が所定のレベルになるように前記受信信号の利得を制御する利得制御手段と、所定のレベル間隔毎の位相または振幅の補正値を記憶する記憶手段と、前記利得制御手段にて利得制御されたレベル及び前記記憶手段に記憶されている前記補正値に基づいて受信信号の位相及び振幅を補正する信号処理手段と、を具備する構成を採る。
また、本発明の通信装置は、所定のレベル間隔毎の位相または振幅の補正値を記憶する記憶手段と、送信信号が所定のレベルになるように前記送信信号の利得を制御する利得制御手段と、前記利得制御手段にて制御された利得及び前記記憶手段に記憶されている前記補正値に基づいて送信信号の位相または振幅を補正する信号処理手段と、前記信号処理手段にて位相または振幅が補正されて前記利得制御手段にて利得が制御された送信信号を送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
本発明の補正テーブル作成方法は、受信信号が所定のレベルになるように前記受信信号の利得を制御するステップと、前記受信信号の利得を一定幅にて変化させた際の前記受信信号の位相の変動誤差及び振幅の変動誤差を前記一定幅毎に測定するステップと、前記変動誤差の測定結果に基づいて前記受信信号の位相または振幅を補正するための補正値を前記一定幅毎に設定するステップと、設定された前記補正値を前記一定幅毎に記憶するステップと、を具備するようにした。
本発明によれば、特性が既知の可変利得手段を用いずに、高精度で広ダイナミックレンジの可変利得手段の校正を簡単な構成で低コストにて実現することができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る通信装置100の構成を示すブロック図である。
通信装置100は、アダプティブアレイアンテナ機能を備えた受信装置であって、図示しないアンテナより入力した信号をアナログ・ディジタル変換部に最適な周波数及びレベルに変換するアナログ回路受信部101、102と、アナログ回路受信部101、102の出力したアナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換部(ADC)125、126と、アナログ・ディジタル変換部125、126の出力した信号をディジタル信号処理して復調するベースバンド部104とを具備している。
アナログ回路受信部101、102は、それぞれ、アナログ信号の信号レベルを制御信号により任意に可変できる可変利得部115、116を備えている。ベースバンド部104は、ディジタル信号処理部105と可変利得手段校正部106とを備えている。ディジタル信号処理部105は、信号処理部117を備えている。信号処理部117は、各ブランチからの入力信号の振幅または位相を補正した後にアレイ合成することで、高精度のアレイ制御を行うことができる。また、ディジタル信号処理部105は、受信信号が所定のレベルになるように、可変利得部115、116の最適な制御量を判断して、可変利得部115、116を制御するアナログ回路制御部109を備えている。アナログ回路制御部109は、可変利得部115、116を制御した利得の情報を利得制御量補正用テーブル108へ出力する。位相・振幅補正部107は、可変利得部115、116の制御に伴うアナログ誤差を含んだ信号処理部117に入力した信号を、利得制御量補正用テーブル108の補正値に基づいて補正する。
可変利得手段校正部106は、入力した校正信号と受信信号に基づき、信号の振幅・位相情報を求める位相振幅測定部112と、位相振幅測定部112で測定された2つの振幅・位相情報より、可変利得部の利得切り替えに伴う振幅・位相情報から、可変利得部115、116の利得切り替えに伴う位相誤差・振幅誤差(位相変化量、利得変化量)を算出する制御偏差演算部110とを備える。制御偏差演算部110の演算結果に基づき、アナログ回路受信部101、102の受信特性を補正するための補正値を利得制御量補正用テーブル108に記録する。
次に、このように構成した通信装置100の補正テーブル作成方法について説明する。ここでは、運用前に行う補正テーブル作成方法において、ブランチ2の可変利得部116の制御量を−40dBから−39dBへ変化させたときの変動誤差を求める場合について説明する。
図2に示すように、通信装置100の校正するブランチ2のアンテナ端子を、校正用送信装置150に接続する。校正用送信装置150は、校正信号を出力する装置であって、例えば、図2に示すように、通信装置100が出力する校正情報に基づき、校正信号を出力するディジタル信号処理部154と、ディジタル信号処理部154より出力された信号をアナログ信号に変換するディジタル・アナログ変換部(DAC)153と、ディジタル・アナログ変換部153より出力された信号を通信装置100に最適な周波数及び信号レベルに変換するアナログ回路校正信号送信部151とを有している。アナログ回路校正信号送信部151は、可変利得部152を備えており、これを用いて校正信号レベルを可変する。校正用送信装置150においては、レベル可変に伴い変化する利得及び位相を正しく知る必要はない。校正用送信装置150には、出力する校正信号に周波数オフセット等の誤差はない。例えば、通信装置100の入力レベル範囲は、−50dBmから−90dBmであり、ダイナミックレンジ40dBの可変利得部(AGC回路)を備えている。可変利得部115、116は、図16に示すようなディジタルアッテネータであり、利得制御量補正用テーブル108は、例えば、図3に示す図表の設定条件によって測定され、作成される。このようにして作成された利得制御量補正用テーブル108は、所定のレベル間隔(例えば1dB)毎の位相または振幅の補正値として記憶される。
図3の図表に示されるように、通信装置100には、校正用送信装置150より約−50dBm(信号レベルが一定で、位相変動のない)の校正信号を入力する。
通信装置100は、可変利得部116の制御量を−40dBとして、位相振幅測定部112にて、このときの振幅、位相情報を求める。例えば、校正信号にQPSK変調信号を用いた場合、コンスタレーションは、図4(A)に示すコンスタレーションAであるとする。次に、校正用送信装置150の出力レベルを変えないで、可変利得部116の制御量を1ステップ変化させ、−39dBとして、可変利得手段校正部106にてこのときの振幅、位相情報を求める。この時、図4(B)に示すコンスタレーションBになったとする。
図4(C)に、コンスタレーションB特性(実線で示す)と、コンスタレーションAより理想的(1dBレベル減衰、位相変動なし)に切り換わった場合のコンスタレーションCを示す。図4(C)において、点線のシンボルがコンスタレーションCである。
図4(C)に示すコンスタレーションBとコンスタレーションCとの振幅差分α、位相差分φが、可変利得部116の制御量を−40dBから−39dBに可変した際の誤差成分となる。この誤差成分を制御偏差演算部110にて求め、利得制御量補正用テーブル108に記録する。図4に示すように、誤差成分をコンスタレーション上で表すことができる場合は、補正値を複素数として表し、補正に際して補正値を乗算する方法も可能となる。上記した1ステップの補正値算出ルーチンを全ダイナミックレンジにわたり行うことで、利得制御量補正用テーブル108を完成することができる。
例えば、図3の利得制御量補正用テーブル108を用いて制御時の補正値を求める場合、利得制御前の制御量と切り替え後の制御量間の補正値をすべて加算する。例えば、可変利得部116の制御量を−40dBより−38dBに切り換わった時には、−40dBから−39dBへの可変時の補正値と−39dBから−38dBへの可変時の補正値とを加算した値が求める補正値となる。
運用前にブランチ間の利得、位相特性を調整し、運用時にはディジタル信号処理部105にて可変利得部116の制御変化量より、利得制御量補正用テーブル108より補正値を読み出し、入力信号を補正するように制御することで、高精度のアレイ制御が可能となる。
このように、本実施の形態1によれば、特性が既知の可変利得部を用いずに、高精度で広ダイナミックレンジの可変利得部の校正を簡単な構成で低コストにて実現することができる。
なお、移動体通信方式においては、一般にパイロット信号を用いたチャネル推定を行っており、従って、パイロット信号を用いることで機能削減が可能となる。校正用装置がパイロット送信機能を備えていれば、通信装置100は、校正用装置に校正情報を送信する必要はなくなり、また、チャネル推定機能が位相振幅測定部112の役割をするために、可変利得手段校正部106が位相振幅測定部112を具備しなくともよい。また、図1、2では受信ブランチ数が2つであるが、受信ブランチ数が3つ以上でも上記したと同様な効果が得られる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る通信装置500の構成を示すブロック図である。
通信装置500は、アダプティブアレイアンテナ機能を備えた送信装置であって、送信データをディジタル信号処理して変調するベースバンド部504と、ベースバンド部504の出力したディジタル信号をアナログ信号に変換するディジタル・アナログ変換部(DAC)523、524と、ディジタル・アナログ変換部523、524の出力した信号を規定された周波数及び最適な信号レベルに変換して図示しないアンテナに出力するアナログ回路送信部521、522とを有している。
アナログ回路送信部521、522は、それぞれ、アナログ信号の信号レベルを制御信号によって任意に可変できる可変利得部525、526を備えている。ベースバンド部504は、ディジタル信号処理部505と可変利得手段校正部506とを備えている。ディジタル信号処理部505は、信号処理部527を備えている。信号処理部527は、可変利得部525、526の制御に伴うアナログ誤差を補正するために事前に記録された利得制御量補正用テーブル508の補正値を参照して、位相・振幅補正部507にて補正した信号を出力する。
即ち、信号処理部527は、各ブランチの可変利得部525、526の制御に伴う出力信号の振幅または位相誤差を補正し、各ブランチにおいてアレイ制御を行った信号を出力する。また、ディジタル信号処理部505は、送信信号が所定のレベルになるように、可変利得部525、526の最適な制御量を判断して、可変利得部525、526を制御するアナログ回路制御部509を備えている。
可変利得手段校正部506は、信号処理部527の出力信号と校正用受信装置550の出力信号から、信号の振幅・位相情報を求める位相振幅測定部512と、アナログ回路送信部の可変利得部を切り替えた際に位相振幅測定部512で測定された2つの振幅及び位相情報より、可変利得部525、526の利得切り替えに伴う位相誤差または振幅誤差(位相変化量または利得変化量)を算出する制御偏差演算部510とを備えている。制御偏差演算部510は、演算結果に基づき補正値を利得制御量補正用テーブル508に記録する。
次に、このように構成した送信装置の補正テーブルの更新方法について説明する。ここでは、利得制御量補正用テーブルの作成で、ブランチ2の送信出力レベルを0dBmから+1dBm(利得制御量−40dBら−39dB)へ変化させたときの変動誤差を求める場合について説明する。
図5に示すように、通信装置500の校正するブランチのアンテナ端子を、校正用受信装置550に接続する。
校正用受信装置550は、校正信号を受信する装置であって、図5に示すように、通信装置500より入力したアナログ信号をアナログ・ディジタル変換部553に最適な周波数及びレベルに変換するアナログ回路受信部551と、アナログ回路受信部551の出力したアナログ信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換部553と、アナログ・ディジタル変換部553の出力した信号をディジタル信号処理して受信情報を通信装置500へ出力するディジタル信号処理部554とを具備している。校正用受信装置550は、通信装置500より校正情報(同期信号)を入力しており、校正信号に周波数オフセット等の誤差はない。例えば、通信装置500の出力レベル範囲は0dBmから40dBmであり、ダイナミックレンジ40dBの可変利得部(TPC回路)を備えている。可変利得部525、526は、図16に示すようなディジタルアッテネータであり、このとき、利得制御量補正用テーブル508は、例えば、図6に示す図表の設定条件によって測定される。このようにして作成された利得制御量補正用テーブル508は、所定のレベル間隔(例えば1dB)毎の位相または振幅の補正値として記憶される。
利得制御量補正用テーブル508の作成においては、実施の形態1の作成方法と同じであり、図6の図表に示すように、校正用受信装置550の可変利得部552の利得制御量を一定とした状態で、通信装置500内の可変利得部526の利得制御量を切り替え、可変利得手段校正部506にて利得及び位相誤差を算出して補正値を求める。前記した1ステップ毎の補正値の算出を全ダイナミックレンジにわたり行うことで、利得制御量補正用テーブルを作成することができる。
このように、本実施の形態2によれば、特性が既知の可変利得部を用いずに、高精度で広ダイナミックレンジの可変利得部の校正を簡単な構成で低コストにて実現することができる。
なお、図5では、送信ブランチ数が2つであるが、送信ブランチ数が3つ以上でも同様な効果が得られる。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3に係る通信装置700の構成を示すブロック図である。
実施の形態3は、可変利得手段校正部706に入力レベル最適化部701を新たに設けた例である。図2と同一の構成については同一の符号を付して、その説明を省略する。
入力レベル最適化部701は、通信装置700への異なる入力レベルにおける可変利得部の同一ステップでの切り替えに伴う利得、位相誤差情報を記録し、正常入力レベルと異常入力レベルを判断する。ここで、正常入力レベルとは、正しく校正が行える信号レベルであり、異常レベルとは、アナログ回路受信部101、102での歪み成分や、アナログ・ディジタル変換部125、126での歪み成分、量子化誤差ノイズを発生させる信号レベルを意味する。
実施の形態1における利得制御量補正用テーブルの作成方法では、校正信号レベルを、測定器を用いて測定して最適化する必要がある。信号レベルが最適化されていなかった場合、例えば、受信装置への入力信号レベルが大きいことによってアナログ回路受信部101、102、アナログ・ディジタル変換部125、126において信号が歪み、その結果、測定精度が劣化する。また、アナログ回路受信部101、102への入力信号レベルが小さい場合、アナログ・ディジタル変換部125、126にて量子化誤差ノイズの影響のため、測定精度が劣化する。
また、移動体通信に用いる信号においては、一般に、PAPR(Peak to Average Power Ratio)が大きい。受信装置においては、PAPRの影響及びフェージングの影響を考慮して、受信レベルと可変利得部の制御量に対して、マージンを持たせた設定にしている。しかし、このようなマージンを持たせたレベルで、運用前に校正を行う場合、アナログ・ディジタル変換部125、126のダイナミックレンジを有効に活用していない場合が多い。
次に、このように構成した受信装置の動作について説明をする。ここでは、通信装置700のブランチ2に配置された可変利得部116の制御量を、−40dBから−39dBへ変化させたときの誤差特性を求める場合の、通信装置700へ入力する校正信号レベルの最適化処理について説明する。
図7に示すように、通信装置700の校正するブランチ2のアンテナ端子を、校正用送信装置150に接続する。例えば、校正用送信装置150より未知の入力レベル(仮に、Pow1[dBm])の校正信号を、通信装置700の校正ブランチに入力し、可変利得部116の利得を−40dBから−39dBに切り替えた時の利得、位相誤差を測定する。例えば、このときの2つのコンスタレーションが図8(A)であるとする。このとき、制御偏差演算部110で利得誤差αdB、位相誤差φ°を求めたものとする。
次に、Pow1[dBm]より大きな信号レベルPow2[dBm]の校正信号を通信装置700に入力し、可変利得部116の利得を−40dBから−39dBに切り替えた時の利得、位相誤差を測定する。例えば、このときの2つのコンスタレーションが図8(B)であったとする。このとき、制御偏差演算部110で利得誤差αdB、位相誤差φ°を求めたものとする。
次に、Pow2[dBm]より大きな信号レベルPow3[dBm]の校正信号を通信装置700に入力し、可変利得部122の利得を−40dBから−39dBに切り替えた時の利得、位相誤差を測定する。このとき、2つのコンスタレーションが図8(C)であったとする。このとき、制御偏差演算部110で利得誤差βdB、位相誤差γ°を求めたものとする。
異なる入力レベルで同一ステップの利得切り替えを行った結果、一定の入力レベル範囲で、ほぼ同一の利得、位相誤差特性を確認できたので、入力レベル最適化部701では、このレベル範囲を正常入力レベルと判断する。例えば、入力レベルが、Pow1[dBm]時及びPow2[dBm]時の利得切り替えで、同じ利得、位相誤差特性であり、この入力レベル間であれば、アナログ回路受信部101、102、アナログ・ディジタル変換部125、126において劣化成分が発生しないと判断する。
そして、正常入力レベルでの利得、位相誤差特性と異なる利得、位相誤差特性を示す場合、入力レベル最適化部701では、このレベル範囲を異常入力レベルと判断する。例えば、入力レベルPow3[dBm]時にアナログ回路受信部101、102にて信号が飽和して歪みを生じた場合、入力レベルPow3[dBm]での利得、位相誤差特性は、入力レベルPow1[dBm]、Pow2[dBm]時の特性と異なる。
入力レベルが正常入力レベル範囲内で、且つ大きな入力レベルにて校正を行うことにより、アナログ回路での歪みを発生させることなく、アナログ・ディジタル変換部101、102のダイナミックレンジを有効に活用できるため、高精度の測定が可能となる。
このように、本実施の形態3によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、専用測定器を用いることなく、実施の形態1の可変利得部補正用テーブル作成機能を用いて、受信装置に入力する校正信号のレベルを最適化することができる。また、本実施の形態3によれば、特性が既知の可変利得部を用いずに、高精度で広ダイナミックレンジの可変利得部の校正が可能で、外部の測定器を用いずに校正信号レベルを最適化できる受信装置を簡単な構成で提供することができる。
なお、実施の形態3においては、実施の形態1の受信装置について記載したが、実施の形態2の送信装置に入力レベル最適化部701を持たせることにより、送信装置においても、同様の効果が得られる。この場合、校正用受信装置550の可変利得部の制御量を容易に最適化することが可能となる。
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4に係る通信装置900の構成を示すブロック図である。
通信装置900は、実施の形態1の通信装置100において、アナログ回路受信部101に複数の可変利得部921、922を設け、アナログ回路受信部102に複数の可変利得部923、924を設け、可変利得手段校正部906に信号モニタ部910を新たに設けたものである。図2と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
信号モニタ部910は、ディジタル信号処理部105で復調されたデータシンボルの時間変化をモニタできるようになっている。
次に、このように構成した受信装置の動作を説明する。ここでは、通信装置900のブランチ2に設けられた複数の可変利得部923、924の制御タイミング調整処理について説明する。図9に示すように、通信装置900の校正するブランチのアンテナ端子を、校正用送信装置150に接続する。
例えば、通信装置900内の可変利得部923は、0dBから−40dBまで1dBステップにて切り替え可能なディジタルアッテネータであり、可変利得部924は、0dBか−40dBのどちらかを選択するディジタルアッテネータである。
2つの可変利得部の合成利得を−40dBから−41dBに切り替える際には、可変利得部923は−40dBから−1dBに、924は0dBから−40dBに同時に切り換わる制御となる。このとき、可変利得部923と可変利得部924の切り替えタイミングが、図10に示すように、タイミングaで同時に切り替えられるならば、図10に示すような信号振幅−時間特性となる。図10においては、横軸が時間、縦軸が信号振幅を示しており、通信装置900の入力レベルが一定時、二つの可変利得部923、924を切り替えたときのアナログ回路受信部102の出力特性である。
しかし、切り替え制御タイミングが同じでもデバイス種類、バラツキによって切り替わり時間が異なることがある。例えば、図11に示すように、可変利得部923の切り替わりがタイミングaで、可変利得部924の切り替わりがタイミングbであるように切り替わり、切り替えタイミングにズレがあった場合、受信信号は、瞬時的にピーク波形となり、これによりアナログ回路受信部101、102での信号歪み、アナログ・ディジタル変換部125、126での飽和により信号品質が劣化する。このため、可変利得部の切り替わり特性にズレが合った場合、複数の可変利得部923、924間の切り替えタイミングを補正する必要がある。
例えば、校正信号がQPSK変調信号であり、入力レベル一定時に−40dBと−41dB時の利得、位相特性を校正用送信装置150で確認したとき、それぞれ、図12(A)、12(B)に示すコンスタレーションであったとする。
可変利得部923と可変利得部924の切り替えタイミングがずれていた場合、切り替わった瞬間のシンボルは、図12(C)に示すように、安定時のシンボル位置と異なる。
信号モニタ部910は、可変利得部が切り替わった瞬間からのシンボルの時間変化をモニタし、アナログ回路制御部109で可変利得部923と可変利得部924の制御タイミングを調整する。利得切り替え直後のシンボルが、例えば、図12(C)に示すように安定時のシンボルにくらべ大きな振幅であるときは、可変利得部923の切り替わりが924に比べ早いということであり、安定時のシンボルに比べ小さな振幅であるときは、可変利得部923の切り替わりが924に比べ遅いということであり、これを補正するようにアナログ回路制御部109で調整する。即ち、アナログ回路制御部109は、利得切り替え直後の振幅と安定時の振幅との差が小さくなるように、切り替えタイミングを制御する。
このように、本実施の形態4によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、専用測定器を用いることなく、実施の形態1の補正テーブル作成機能を用いて、受信装置に備えた複数の可変利得部の制御タイミングを最適化することができる。
なお、実施の形態4においては、実施の形態1の受信装置について記載したが、実施の形態2の送信装置に複数の可変利得部と信号モニタ部を具備するように構成することで、送信装置においても、本実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。
(実施の形態5)
図13は、本発明の実施の形態5に係る通信装置1300の構成を示すブロック図であり、ブランチ間キャリブレーション型アレイ受信装置である。
実施の形態5は、実施の形態1の通信装置100において、受信ブランチ間キャリブレーションを行うために、受信キャリブレーション処理部1301、ディジタル・アナログ変換部1302、アナログ回路校正信号送信部1303からなる受信キャリブレーション部1320と、ブランチ選択部1311と、キャリブレーション信号入力部1312、1313とを新たに設けたものである。
受信キャリブレーション処理部1301は、キャリブレーション信号を生成し、ディジタル・アナログ変換部1302を介してアナログ回路校正信号送信部1303へ出力した校正信号とディジタル信号処理部105に入力された校正信号よりブランチ間の位相及び振幅の誤差量を求める機能を有する。受信キャリブレーション処理部1301にて求められた位相及び振幅の誤差量は、制御偏差演算部110を介して、利得制御量補正用テーブルに入力する。そして、利得制御量補正用テーブル108は、受信キャリブレーション処理部1301から位相及び振幅の誤差量が出力される都度、位相または振幅の補正値を更新する。
ブランチ選択部1311は、アナログ回路校正信号送信部1303より入力した校正信号を任意のブランチのアナログ回路受信部101、102にキャリブレーション信号入力部1312、1313を介して入力するように構成している。
通信装置1300は、運用中にアナログ回路校正信号送信部1303の可変利得部1304を制御して、受信信号の復調にほとんど影響ない電力で校正信号を受信信号に多重して送出し、アナログ回路受信部の利得、位相誤差を受信キャリブレーション処理部1301にて測定するブランチ間キャリブレーションを各ブランチについて行い、ブランチ間の誤差を補正する。例えば、校正信号にCDMA変調を用いることで、信号電力が小さい場合も逆拡散利得が得られ、電力の大きさに関係なく利得、位相誤差情報を求めることができる。
次に、以上のように構成した通信装置1300の動作を説明をする。ブランチ間キャリブレーション型アレイ通信装置においては、運用中にも可変利得部115、116の補正値を求めることが可能である。可変利得部115、116の補正値を測定する時には、ブランチ間キャリブレーション機能を利用する。
運用中に可変利得部115、116の補正値を求める方法としては、受信キャリブレーション部1320を用いて、アナログ回路校正信号送信部1303より出力する校正信号レベルを一定として受信ブランチに校正信号を入力する。
アナログ回路受信部101、102の可変利得部115、116の切り替わる際に、実施の形態1に記載した可変利得部の補正テーブル作成方法により、切り替えに伴う利得誤差及び位相誤差を求めることができ、運用中に切り替えステップの誤差測定(精度確認)を行うことが可能となる。
可変利得部115、116の補正値を求めるタイミングとしては、受信レベルの変動に応じてAGC動作として可変利得部115、116が切り替わる時、又、受信レベルが高い高CN時には、可変利得部115、116を1dB程度下げても復調精度に問題はない。
これにより、温度変化、経時変化によって可変利得部115、116の制御ステップ誤差が変化しても、アレイ動作を停止することなく可変利得部115、116の補正テーブルを最適な補正値に更新することができる。
また、通信装置1300においては、実施の形態1に示した運用前に行う利得制御量補正用テーブル作成においても、前記運用中に行うキャリブレーションと同様に受信キャリブレーション部1320、ブランチ選択部1311、キャリブレーション信号入力部1312、1313を用いることができる。これにより、図2に示した校正用送信装置150を用いる必要がなくなる。このように、受信キャリブレーション部1320、ブランチ選択部1311、キャリブレーション信号入力部1312、1313を共有することにより、受信装置の小型化、低コスト化を図ることが出来る。更に、受信キャリブレーション処理部1301は、位相振幅測定機能を有している為に、可変利得手段校正部1306より位相振幅測定部を削減できる。
このように、本実施の形態5によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、受信キャリブレーション部を利用して、運用中に補正テーブルを最適化でき、また、受信キャリブレーション部を運用前の可変利得部の校正用に用いることで、受信装置の小型化及び低コスト化を図ることができる。また、本実施の形態5によれば、高精度に広ダイナミックレンジの可変利得部の校正ができるとともに、運用中に補正値を求めることが可能なブランチ間キャリブレーション型アレイ受信装置を簡単な構成で提供することができる。
(実施の形態6)
図14は、本発明の実施の形態6に係る通信装置1400の構成を示すブロック図であり、ブランチ間キャリブレーション型アレイ送信装置である。
実施の形態6は、実施の形態2の通信装置500において、送信ブランチ間キャリブレーションを行うために、送信キャリブレーション処理部1401、アナログ・ディジタル変換部1402、アナログ回路校正信号受信部1403からなる送信キャリブレーション部1420と、ブランチ選択部1411と、キャリブレーション信号出力部1412、1413とを新たに設けたものである。
送信キャリブレーション処理部1401は、アナログ・ディジタル変換部1402を介してアナログ回路校正信号受信部1403より受信した送信信号とディジタル信号処理部505より出力された送信信号よりブランチ間誤差量を求める機能を有する。
ブランチ選択部1411は、キャリブレーション信号出力部1412、1413を介してアナログ回路送信部521、522から出力された送信信号をアナログ回路校正信号受信部1403に出力する。
通信装置1400は、アナログ回路送信部521、522の信号を一部取り出して、アナログ回路校正信号受信部1403、アナログ・ディジタル変換部1402を介して送信キャリブレーション処理部1401に帰還させ、利得、位相を測定するキャリブレーションを各ブランチについて行い、ブランチ間の誤差を補正する。アナログ回路校正信号受信部1403の可変利得部1404を送信信号レベルに応じて可変させることにより、アナログ・ディジタル変換部1402への入力信号レベルを一定にでき、高精度の測定が可能となる。
次に、このように構成した通信装置1400の動作を説明をする。ブランチ間キャリブレーション型アレイ通信装置においては、運用中にも可変利得部525、526の補正値を求めることが可能である。可変利得部525、526の補正値を測定する時には、ブランチ間キャリブレーション機能を利用する。
運用中に可変利得部525、526の補正値を求める方法としては、送信キャリブレーション部1420の可変利得部525、526の制御量を固定として、アナログ回路送信部521、522の可変利得部525、526の利得がTPC制御によって切り替わる際に、実施の形態2に記載した補正テーブル作成方法により、切り替えに伴う利得誤差、位相誤差を求める。これにより、運用中に可変利得部525、526の切り替えステップの誤差測定(精度確認)を行うことが可能となる。
また、TPC制御がなく出力送信レベルが一定時には、送信キャリブレーション部1420の可変利得部1404の制御量を固定として、アナログ回路送信部521、522の可変利得部525、526の制御量切り替えと、ディジタル信号処理部505の制御により、アンテナより出力する送信信号レベルを一定としながら、可変利得部525、526の切り替えに伴う補正値が正しいか確認することが可能となる。
また、通信装置1400においては、実施の形態2に示した運用前に行う補正テーブル作成においても、前記運用中に行うキャリブレーションと同様に送信キャリブレーション部1420、ブランチ選択部1411、キャリブレーション信号出力部1412、1413を用いることができる。これにより、図5に示した校正用受信装置550を用いる必要はなくなる。このように、送信キャリブレーション部1420、ブランチ選択部1411、キャリブレーション信号出力部1412、1413を共有することにより、送信装置の小型化、低コスト化を図れる。更に、送信キャリブレーション処理部1401は、位相振幅測定機能を有している為に、可変利得手段校正部1406より位相振幅測定部を削減できる。
このように、本実施の形態6によれば、上記実施の形態2の効果に加えて、送信キャリブレーション部を利用して運用中に補正テーブルを最適化でき、また、送信キャリブレーション部を可変利得部の校正時にも使用することで、送信装置の小型化及び低コスト化を図ることができる。また、本実施の形態6によれば、高精度で広ダイナミックレンジの可変利得部の校正ができるとともに、運用中に補正値を求めることが可能なブランチ間キャリブレーション型アレイ送信装置を簡単な構成で提供することができる。
本発明は、特に、アンテナ指向性を制御するアダプティブアレイアンテナ装置を具備する無線通信装置に用いるのに好適である。
本発明の実施の形態1に係る通信装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1に係る通信装置の校正方法を示す図 本発明の実施の形態1に係る補正用テーブル作成時の設定条件を示す図 本発明の実施の形態1に係る補正用テーブルを作成する際の動作を説明する図 本発明の実施の形態2に係る通信装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態2に係る補正用テーブルを作成する際の動作を説明する図 本発明の実施の形態3に係る通信装置の校正方法を示す図 本発明の実施の形態3に係る通信装置の動作を説明する図 本発明の実施の形態4に係る通信装置の校正方法を示す図 本発明の実施の形態4に係る通信装置の動作を説明する図 本発明の実施の形態4に係る通信装置の動作を説明する図 本発明の実施の形態4に係る通信装置の動作を説明する図 本発明の実施の形態5に係る通信装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態6に係る通信装置の構成を示すブロック図 従来のアレイアンテナ機能を備えた受信装置の構成を示す図 ディジタルアッテネータの一例を示す図 ディジタルアッテネータの特性を示す図 ディジタルアッテネータの特性を示す図 従来のキャリブレーション型アレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図 従来のキャリブレーション型アレイアンテナ送信装置の構成を示すブロック図 従来の可変利得手段補正テーブルを備えたキャリブレーション型アレイアンテナ受信装置の構成を示すブロック図 従来の可変利得手段補正テーブルを備えた受信装置の校正方法を示すブロック図
符号の説明
100 通信装置
101、102 アナログ回路受信部
104 ベースバンド部
105ディジタル信号処理部
106 可変利得手段校正部
107 位相・振幅補正部
108 利得制御量補正用テーブル
109 アナログ回路制御部
110 制御偏差演算部
112 位相振幅測定部
115、116 可変利得部
117 信号処理部

Claims (9)

  1. 受信信号が所定のレベルになるように前記受信信号の利得を制御する利得制御手段と、
    所定のレベル間隔毎の位相または振幅の補正値を記憶する記憶手段と、
    前記利得制御手段にて利得制御されたレベル及び前記記憶手段に記憶されている前記補正値に基づいて受信信号の位相及び振幅を補正する信号処理手段と、
    を具備する通信装置。
  2. 前記信号処理手段は、前記記憶手段に記憶されている前記レベル間隔毎の前記補正値を加算することにより実際に利得制御されたレベルの補正値を求め、求めた前記実際に利得制御されたレベルの補正値にて受信信号の位相及び振幅を補正する請求項1記載の通信装置。
  3. 前記利得制御手段は、複数の段階毎に順次切り替えて所定のレベルになるように前記受信信号の利得を制御するとともに、各段階における切り替え直後の位相または振幅と安定時の位相または振幅との変化量に基づいて前記段階毎の切り替えのタイミングを制御する請求項1または請求項2記載の通信装置。
  4. 前記利得制御手段は、前記変化量が小さくなるように前記タイミングを制御する請求項3記載の通信装置。
  5. 複数のアンテナ素子を有するアレイアンテナと、
    前記アレイアンテナの各アンテナ素子にて受信した各ブランチの受信信号の位相及び振幅に基づいてブランチ間の受信信号における位相及び振幅の誤差を補正するキャリブレーション手段とを具備し、
    前記記憶手段は、前記キャリブレーション手段にて補正した際の位相及び振幅を前記補正値として都度更新して記憶する請求項1から請求項4のいずれかに記載の通信装置。
  6. 所定のレベル間隔毎の位相または振幅の補正値を記憶する記憶手段と、
    送信信号が所定のレベルになるように前記送信信号の利得を制御する利得制御手段と、
    前記利得制御手段にて制御された利得及び前記記憶手段に記憶されている前記補正値に基づいて送信信号の位相または振幅を補正する信号処理手段と、
    前記信号処理手段にて位相または振幅が補正されて前記利得制御手段にて利得が制御された送信信号を送信する送信手段と、
    を具備する通信装置。
  7. 前記信号処理手段は、前記記憶手段に記憶されている前記レベル間隔毎の前記補正値を加算することにより実際に利得制御されたレベルの補正値を求め、求めた前記実際に利得制御されたレベルの補正値にて送信信号の位相及び振幅を補正する請求項6記載の通信装置。
  8. 受信信号が所定のレベルになるように前記受信信号の利得を制御するステップと、
    前記受信信号の利得を一定幅にて変化させた際の前記受信信号の位相の変動誤差及び振幅の変動誤差を前記一定幅毎に測定するステップと、
    前記変動誤差の測定結果に基づいて前記受信信号の位相または振幅を補正するための補正値を前記一定幅毎に設定するステップと、
    設定された前記補正値を前記一定幅毎に記憶するステップと、
    を具備する補正テーブル作成方法。
  9. 任意の異なるレベルの受信信号を受信するステップと、
    受信した各レベルの受信信号の位相の変動誤差及び振幅の変動誤差が同一の特性を示すように受信信号のレベルを調整するステップとを具備し、
    レベルが調整された受信信号の利得を制御する請求項8記載の補正テーブル作成方法。
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