JPH0965260A - 映像表示装置とこれに用いる凹面鏡及びスクリ−ン - Google Patents

映像表示装置とこれに用いる凹面鏡及びスクリ−ン

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JPH0965260A
JPH0965260A JP21471595A JP21471595A JPH0965260A JP H0965260 A JPH0965260 A JP H0965260A JP 21471595 A JP21471595 A JP 21471595A JP 21471595 A JP21471595 A JP 21471595A JP H0965260 A JPH0965260 A JP H0965260A
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JP
Japan
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screen
concave mirror
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image display
display device
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JP21471595A
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English (en)
Inventor
Satoru Oishi
哲 大石
Hiroki Yoshikawa
博樹 吉川
Hideo Tanide
秀雄 谷出
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 観視スペースが広くかつ装置の設置スペース
が小規模な凹面鏡を用いた映像表示装置を提供するにあ
る。 【構成】 投写部4の陰極線管2から出力される映像は
投写レンズ3によってスクリーン5上に拡大表示され、
この表示映像は凹面鏡6で反射されて視点位置1に居る
観視者で監視される。ここで、スクリ−ン5と凹面鏡6
との垂直高さの比率を0.6:1よりもスクリ−ン5の
垂直高さを小さくするように構成されている。 【効果】 設置スペースを小規模とするために、スクリ
−ン5や凹面鏡6を小形にしても、スクリ−ン5の下端
と視点位置1との間の垂直方向での距離を充分広くで
き、充分な観視スペースを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2m四方程度以下の小
規模で1〜5人の少人数に臨場感ある映像を提供するゲ
ームやシミュレータなどに用いる映像表示装置及びこれ
に用いる凹面鏡とスクリ−ンに係り、特に、スクリ−ン
に表示された映像を凹面鏡で観視側に折り返えして観視
するようにして、奥行き感のある映像を観視者に与える
ことができるようにした映像表示装置及びこれに用いる
凹面鏡とスクリ−ンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年のパソコンやワークステーションな
どの小形,低価格化と画像情報信号の出力性能の向上と
により、従来の産業用大規模フライトシミュレータで実
現していた臨場感のある映像を小規模なゲームやシミュ
レータなどの分野に提供できるようになってきた。
【0003】臨場感のある映像を得るためには、上記の
ように、映像情報信号の出力性能の向上とともに、それ
を表示する映像表示装置が重要である。
【0004】従来より、臨場感のある映像を表示するた
めに、色々な映像表示装置が提案されてきた。なかで
も、スクリ−ンに表示された映像を凹面鏡で観視側に折
り返して観視する映像表示装置では、奥行き感のある映
像を観視者に与えることができるため、運動力学の厳密
性や忠実性を追及する大規模な操縦訓練用フライトシミ
ュレータなどで実用化されている。
【0005】かかる大規模な映像表示装置については特
公昭55−13031号公報に開示されており、図7に
より、これを説明する。但し、1は視点位置、4は投写
部、22はスクリーン、23は楕円凹面鏡、7,8は出
射光線、9,10は透過光線、11,12は反射光線で
ある。
【0006】同図において、投写部4の投写レンズ(図
示せず)から出射される出射光線7,8がスクリ−ン2
2上に照射されることにより、この投写部4から出力さ
れる映像が拡大表示され、このスクリ−ン22を透過し
た透過光線9,10が楕円凹面鏡23で反射されて、そ
の反射光線11,12が視点位置方向に進む。これによ
り、視点位置1の監視者は観視方向Fからこの表示され
た映像を観視することができる。
【0007】ここで、スクリ−ン22は、投写部4から
みて凸面状をなし、かつ、楕円凹面鏡23のほぼ焦点面
に配置している。また、このスクリーン22の外形は、
縦1525mm,横1830mmで縦横比6:5の略正
方形であり、曲率半径が約2440mmの球の断面であ
る。
【0008】上記特許公告公報には、以上の数値しか公
報で開示されていないため、図面から推察するに、視点
位置1とスクリ−ン22の下端との間の距離Dは約30
0mm、楕円凹面鏡23の大きさは、縦方向が約202
7mm、横方向が約3950mmと推定できる。
【0009】このような構成の映像表示装置では、スク
リ−ン22が楕円凹面鏡30のほぼ焦点面に位置するた
め、スクリ−ン22からの透過光線9,10が楕円凹面
鏡23で反射して得られる反射光線11,12はほぼ平
行光線となり、視点位置1の観視者1に対してはほぼ無
限遠に虚像が観視され、この結果、奥行感のある映像を
観視者に感じさせることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、凹面鏡
を用いた映像表示装置では、臨場感のある映像表示が可
能であるが、大型な凹面鏡やスクリ−ンを用いるため、
実用化されたものとしては、非常に大規模なものとなっ
てしまう。これを小規模な装置へ展開するためには、設
置面積が大きく、装置の価格も高価であるという問題が
あった。
【0011】凹面鏡は、縦が約2mで横が約4mの超大
型であって、特別な形状の回転楕円の1部を構成する凹
面を有するため、基材を型を用いた真空成形で作り、そ
の基材に反射膜を真空被覆してなる。この場合、基材が
超大型のため、凹面鏡の全面にわたって均一な面形状や
反射特性を得ることは難しく、また、価格も高価となる
問題がある。
【0012】また、スクリ−ンは、縦が約1.5mで横
ず約1.8mの超大型のものであって、球形に成形した
後、拡散材料を化学被覆したものである。このとき、拡
散材料を均一に被覆する必要があるが、スクリ−ンが超
大型であるため、全面にわたって均一に被覆することは
難しく、また、価格も高価となる問題がある。
【0013】また、上記の特公昭55−13031号公
報によれば、1台の画像投写装置で縦横比が6:5の略
正方形の映像を発生している。これは、1台の画像投写
装置で所望の映像の明るさを確保するために決まるスク
リ−ンの大きさであると推定される。そのため、例え
ば、左右視野角を60度程度以上に広げる場合には、例
えば、特開平1−290386号公報に開示されている
ように、複数の画像投写装置でスクリ−ンに60度以上
の映像を表示する必要があり、装置がより大型化し、よ
り高価になるという問題があった。
【0014】また、上記の特公昭55−13031号公
報で開示された技術では、光学的配置を相似的に縮尺し
て小規模な映像表示装置に展開した場合、観視者の視点
からスクリ−ンまでの距離Dが非常に短くなり、観視者
が所望の視点位置に存在できないという問題があった。
【0015】そのため、設置スペースが2m四方程度以
下の小規模な、例えば、簡便なシミュレータやアミュー
ズメントに適した安価で、かつ凹面鏡をもちいた映像表
示装置を実現することはできなかった。
【0016】本発明の目的は、かかる問題を解消し、安
価で小規模な凹面鏡を用いた映像表示装置を提供するこ
とにある。
【0017】特に、人間の全視野をほぼカバーする18
0度より狭く、観視者の前面に水平方向に50度〜80
度程度、垂直方向に30度以上50度程度の映像が表示
されれば、観視者が画面に集中できることから、水平視
野角が50度以上で180度以下、好ましくは80度以
下で、垂直視野角が30度以上で50度以下の映像を提
供するにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による映像表示装置は、視点位置から凹面鏡
を見て水平方向をx軸、垂直方向をy軸、凹面鏡に向か
う方向をz軸とし、そのxyz座標系の原点を観視者の
視点位置としたときに、この原点を含むyz平面で切断
したスクリ−ンと凹面鏡の垂直高さの比率を0.6:1
よりもスクリ−ンの垂直高さを小さくするように構成す
る。
【0019】また、本発明による映像表示装置は、画像
投写装置の投写映像が、その縦横の比率を9:16より
横に長い映像とする。
【0020】本発明によるスクリ−ンは、拡散剤を混入
させた合成樹脂シートを加熱して軟化させた後、該シー
トの周縁を固定した金型と該シートとの間に圧縮空気を
流入あるいは空気を吸引などして、該シートを略球冠形
状に成形し、しかる後、所定の形状に切除したものとす
る。
【0021】本発明による凹面鏡は、合成樹脂シートを
加熱して軟化させた後、周縁を固定した金型と該シート
との間に圧縮空気を流入あるいは空気を吸引などして、
該シートを略球冠形状に成形した基材を略球帯形状に切
断し、さらに、かかる複数個に切断したもののうちの1
つの基材の少なくとも片側の面に反射層を形成したもの
とする。
【0022】
【作用】本発明による映像表示装置においては、原点を
含むyz平面で切断したスクリ−ンと凹面鏡との垂直高
さの比率を0.6:1よりもスクリ−ンの垂直高さを小
さくなるように構成したため、従来の上記比率約0.7
5:1のときに比べて視点とスクリ−ンの下端との間の
距離が広がり、スクリ−ン下方の所定の位置に観視者の
視点位置を設定することができる。
【0023】例えば、従来例によると、凹面鏡の高さ約
2mでスクリ−ン高さの約1.5mということから、上
記比率は0.75:1であり、スクリ−ンの下端と視点
位置との距離が300mmとなっている。このことを1
/2に縮尺すると、凹面鏡の高さは約1m、スクリ−ン
の高さは約0.75m、スクリ−ンの下端と視点位置と
の距離が150mmとなり、この距離でき、観視者の頭
部の入らないことになる。
【0024】これに対し、本発明では、上記比率を0.
6:1よりもスクリ−ンの垂直高さを小さくなるように
構成するため、凹面鏡の高さが約1mでは、スクリ−ン
の高さが約0.6mよりも小さくて従来例よりも約15
0mm以上小さくなり、この150mm以上がスクリ−
ンの下端と視点との間の上記の距離に加わるので、この
距離は300mmとなり、ここに観視者の頭部が充分入
ることになる。このとき、単にスクリ−ンを小さくする
と、映像が小さくなるので、拡大倍率を増やすようにス
クリ−ンをより凹面鏡の焦点に近付けて構成すればよ
い。
【0025】また、本発明による映像表示装置において
は、画像投写装置から投写される映像を、その縦横の比
率を9:16より横に長い映像となるようにしているた
め、垂直視野角が30度以上で水平視野角が50度以
上、80度以下の範囲を画像投写装置1台で充分映像投
写できるため、装置自体の小形軽量が図れ、かつ、安価
になる。
【0026】ここで、スクリ−ンの表示面積は、従来の
超大型スクリ−ンに比べて1/4程度となるため、水平
視野角80度程度までは一般的に市販されている1台の
画像表示装置でも充分な明るさの映像を表示できて問題
はない。また、視野角が大きくなって1台で表示できな
い場合には、複数台の画像表示装置をxz平面にお互い
の構造体が干渉しないように設け、水平方向の映像表示
幅を広げればよい。
【0027】また、本発明によるスクリ−ンにおいて
は、拡散剤を混入させた合成樹脂シートを加熱して軟化
させ後、このシートの周縁を固定した金型とこのシート
との間に圧縮空気を流入あるいは空気を吸引などして、
このシートを略球冠形状に成形し、しかる後、所定の形
状に切除したものとしたため、全面にわたって均一に拡
散性能を有するスクリ−ンを得ることが容易であり、ま
た、価格も安価である。
【0028】また、本発明による凹面鏡においては、合
成樹脂シートを加熱して軟化させた後、周縁を固定した
金型とこのシートとの間に圧縮空気を流入あるいは空気
を吸引などして、このシートを略球冠形状に成形した基
材を略球帯形状に切断し、さらに、複数個に切断したも
ののうちの1つの基材の少なくとも片側の面に反射層を
形成しているため、成形工程を1度にできて、1個当た
りのコストが安価になる。また、従来では、1度の成形
で1個の凹面鏡を得ていたため、余分な部分を廃棄して
いたが、本発明によれば、複数個に適用するため、廃棄
部分が少なくて省資源の効果がある。
【0029】このように、本発明によれば、設置スペー
スが2m四方程度以下の小規模な、例えば、簡便なシミ
ュレータやアミューズメントに適した安価で、凹面鏡を
もちいた映像表示装置を実現できる。
【0030】ここで、上記凹面鏡や上記スクリ−ンの曲
率半径は、映像表示装置の大きさによって制限される。
【0031】映像表示装置の横幅が最も狭い寸法は、投
写部の横幅である約600mmで決まる。このため、こ
の約600mmの幅で水平視野角50度の映像を表示し
て観視するためには、凹面鏡の曲率半径は約700mm
である。次に、映像表示装置を2m四方以内に納めるた
めには、凹面鏡の曲率中心から観視するとすれば、凹面
鏡の曲率半径は2000mmとなる。このとき、スクリ
−ンの曲率半径は、凹面鏡の焦点面近傍に設置されるこ
とから、凹面鏡の曲率半径の約1/2となるため、35
0〜1000mmの範囲になる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0033】図1は本発明による映像表示装置の第1の
実施例の要部を示す構成図であって、2aは赤色投写型
陰極線管、2bは緑色投写型陰極線管、2cは青色投写
型陰極線管、3aは赤色投写レンズ、3bは緑色投写レ
ンズ、3cは青色投写レンズであり、図7に対応する部
分には同一符号を付けている。
【0034】同図において、観視者の視点位置1はxy
z座標系の原点である。投写部4は、赤色投写型陰極線
管2a,緑色投写型陰極線管2b,青色投写型陰極線管
2c(以下、これらを総称して投写型陰極線管2とい
う)と赤色投写レンズ3a,緑色投写レンズ3b,青色
投写レンズ3c(以下、これらを総称して投写レンズ3
という)とからなっている。かかる投写部4において、
投写型陰極線管2とこれに対する投写レンズ3とは図示
しない連結器により機械的及び光学的に結合し、さら
に、これら投写型陰極線管2と投写レンズ3との連結体
は互いに所定の位置関係を持つ状態で固定的に一体化さ
れている。
【0035】図2は図1での原点を含むyz平面で切断
した断面図であって、図1に対応する部分には同一符号
を付けており、また、各光線7〜12は図7に示したも
のと同様である。
【0036】図2において、スクリ−ン5は曲率半径約
600mmの略球冠形状の一部をなし、映像の表示範囲
は原点を含むyz平面で切断する高さh1が約350m
m、最大水平表示角度θ1(図1)が約85度である。
スクリ−ン5の下端と視点位置1との間のy軸方向の距
離Dは約280mmであって、そこに充分観視者の頭部
が入る。
【0037】ここでは、このスクリ−ン5は凹面鏡6の
焦点面近傍にその面が位置するように配置されており、
このスクリ−ン5の曲率中心Aの座標(x,y,z)を
ほぼ(0mm,550mm,0mm)としている。
【0038】また、凹面鏡6は曲率半径約1100mm
の略球帯形状の一部をなし、スクリーン5に対向する片
側の面が光を反射する機能を有している。その映像光を
反射する範囲は、原点を含むyz平面で切断した高さh
2が約700mm、最大水平反射部分の角度θ2(図1)
が約85度であり、ここでは、凹面鏡6の曲率中心Bの
座標(x,y,z)をほぼ(0mm,450mm,0m
m)としている。
【0039】かかる構成により、スクリーン5と凹面鏡
6との垂直高さの比は、0.6:1よりもスクリーン5
の垂直高さが小さくなっており、また、投写表示される
映像の縦横比は9:16よりも横に長い映像となってい
る。なお、図面上では明らかでないが、スクリーン5や
凹面鏡6の大きさはその表示範囲とほとんどかわりな
い。
【0040】また、ここでは、投写部4の駆動回路や各
部材を固定するシャーシ類などは図示していない。
【0041】映像源である投写型陰極線管2の螢光面
(図示せず)で発光した光は、投写レンズ3を通って出
射光線7,8となり、スクリーン5に照射されて映像が
拡大表示され、このスクリ−ン5を透過した透過光線
9,10は凹面鏡6で反射して反射光線11,12とな
り、観視者1はこの反射光線11,12の光束を目でと
らえて映像を観視する。
【0042】ここで、スクリ−ン5が凹面鏡6の焦点面
近傍に位置するため、スクリ−ン5に表示された映像は
観視者1に虚像として観視され、これにより、観視者1
は奥行感を感じる。
【0043】かかる構成により、この実施例は、幅が1
500mmで長さが1700mmと小規模な設置面積と
なり、簡便なシミュレータやアミューズメント用機器に
適した装置を実現できた。
【0044】なお、この実施例では、水平視野角が80
度、垂直視野角が40度の映像を得るように構成されて
いるが、上に挙げた数値や条件は単なる1例であって、
本発明はかかる数値や条件に限定されるものではない。
【0045】次に、スクリ−ン5について説明する。
【0046】スクリ−ン5は、上述のように、所定の曲
率半径、上記実施例では、約600mmの曲率半径をも
ち、投写部4から略球冠形状の凹面側に出射光7,8を
照射して映像をスクリ−ン面上に拡大表示し、凹面側か
ら凸面側に入射光(出射光7,8)の30〜50%の強
度の拡散光を透過させて出射する。
【0047】このスクリーン5の大きさは、表示仕様に
よって異なるが、上記実施例では、図2で説明したよう
に、映像の表示範囲、即ち、原点を含むyz平面で切断
する高さh1 が約350mm以上で最大水平表示角度θ
1が約85度以上の大きさがあればよく、その構成は限
定されるものではない。
【0048】しかし、スクリーン5としては、図3に示
すように、安価で製作のし易い工業的効果の高い次の方
法が好ましい。
【0049】図3において、拡散剤を混入した板厚3m
mの合成樹脂シートを加熱して軟化させた後、図示しな
いが、このシートの周縁を固定した金型とこのシートと
の間に圧縮空気を流入あるいは空気を吸引などすること
により、このシートを成形して略球冠形状のシート13
を得、このシート13を所定の大きさに切除線14に沿
って切断してスクリ−ン5を得るものである。
【0050】また、図示しないが、このようにして成形
されたスクリ−ン5は、板厚が元の半分以下と薄くなる
ため、強度的に弱い。そこで、略球冠形状のシート13
を切除線14に沿って所定の形状に切除する前か後に、
切り出したスクリ−ン5の変形を防止する手段を設ける
ことが望ましい。なお、スクリ−ン5の板厚は、厚過ぎ
ると、拡散する範囲が増して投写された映像光は鮮明に
表示されない。このため、この板厚は成形後で5mm以
下であることが好ましい。
【0051】次に、凹面鏡6の構成について詳述する。
【0052】凹面鏡6は、上述のように、所定の曲率半
径、上記実施例では、約1100mmの曲率半径をも
ち、略球冠形状の凹面側に入射するスクリ−ン5からの
映像光を観視者の視点位置1側に反射する。この凹面鏡
6の大きさは、表示仕様によって異なるが、上記実施例
では、映像の反射範囲が原点を含むyz平面で切断した
高さh2 で約700mm、最大水平表示角度θ2が約8
5度以上であればよく、その構成は限定するものではな
い。
【0053】しかし、凹面鏡6としては、図4に示すよ
うに、安価で製作のし易い工業的効果の高い次の方法が
好ましい。
【0054】図4において、板厚10mmの合成樹脂シ
ートを加熱して軟化させた後、図示しないが、周縁を固
定した金型とこのシートとの間に圧縮空気を流入あるい
は空気を吸引などすることにより、このシートを略球冠
形状に成形してシート16を得、これを略球帯形状に切
断線17に沿って切断し、さらに、複数個に切断線18
に沿って切断して複数個の基材19を得、かかる基材夫
々の少なくとも片側の面に反射層を形成してその上に反
射層の保護層を形成して凹面鏡6を得る。
【0055】かかる凹面鏡6では、反射率が70%以上
あればよく、各層を形成する材料や形成方法は特に限定
されない。また、このようして作製された凹面鏡6は、
曲面形状を保持する補強手段を設けることが望ましい。
例えば、略球冠形状の樹脂製曲面体から2〜6個の略同
一形状の曲面体を切り出す前か後に補強手段を設け、こ
の補強手段には、切り出された2〜6個の曲面体を一体
に固定する固定機能を持たせ、この固定機能で複数個一
体に固定した曲面体群に一括で反射膜を形成することに
より、反射膜形成を1度で行なうことができ、価格や作
製時間の面で工業的効果が高い。また、略球冠形状の樹
脂製曲面体に反射膜を形成して、2〜6個の略同一形状
の曲面体を切り出す前か後に、これら切り出した曲面体
の変形を防止する機能を設けてもよい。
【0056】図5は本発明による映像表示装置の第2の
実施例の要部を示す構成図であって、4a,4bは投写
部、20は透過型のスクリーン、21は凹面鏡であり、
図1に対応する部分には同一符号を付けている。
【0057】同図において、観視者の視点位置1はxy
z座標系(この座標系は図1の場合と同様であるから、
ここでは、図示していない)の原点である。投写部4
a,4b(これらを総称して投写部4という)は互いに
干渉しないように設けられており、夫々、図1で示した
実施例と同様に、赤色,緑色,青色の投写型陰極線管と
これに対する投写レンズとを連結器により機械的及び光
学的に結合し、さらに、結合したこれらを互いに所定の
位置関係を持たせた状態で固定的に一体化されてなって
いる。
【0058】図6は図5での原点を含むyz平面で切断
した断面図であり、図5に対応する部分には同一符号を
付けている。また、また、各光線7〜12は図7に示し
たものと同様である。
【0059】図6において、スクリ−ン20は曲率半径
が約600mmの略球冠形状の一部をなし、映像の表示
範囲は、原点を含むyz平面で切断する高さh3が約4
00mmで最大水平表示角度θ3(これは図1の場合と
同様であり、図示を省略する)が約130度であり、ス
クリ−ン20の下端と視点位置1との間のy軸方向の距
離D’は約280mmである。
【0060】ここで、スクリーン20が凹面鏡21の焦
点面近傍に位置するように、スクリ−ン面の曲率中心の
座標(x,y,z)をほぼ(0mm,500mm,0m
m)とした。また、凹面鏡21は曲率半径が約1100
mmの略球帯形状の一部をなし、スクリーン20に対向
する面が光を反射する機能を持つ。この映像光を反射す
る範囲は、原点を含むyz平面で切断した高さh4が約
700mm、最大水平反射部分の角度θ4(これは図1
の場合と同様であり、図示を省略する)が約130度で
あり、凹面鏡21の曲率中心の座標(x,y,z)をほ
ぼ(0mm,500mm,0mm)とした。
【0061】映像源である投写型陰極線管2の螢光面
(図示せず)で発光した光は、投写レンズ3を通って出
射光線7,8となり、スクリーン20に照射されて映像
を拡大表示する。スクリ−ン20を透過した透過光線
9,10は凹面鏡21で反射されて反射光線11,12
となり、観視者1は、この反射光線11,12の光束を
目でとらえることにより、この映像を観視する。
【0062】ここで、スクリ−ン20が凹面鏡21の焦
点面近傍に位置しているため、スクリ−ン20に表示さ
れた映像は観視者1に虚像として観視され、これによ
り、観視者1は奥行感を感じる。
【0063】この実施例では、幅が2000mmで長さ
が2000mmの小規模な設置面積となり、簡便なシミ
ュレータやアミューズメント用機器に適した装置を実現
できた。
【0064】なお、この実施例は、水平視野角130
度,垂直視野角40度の映像を得るように構成されたも
のであるが、上記した数値や条件は単なる1例であっ
て、本発明はかかる数値や条件に限定されるものではな
い。
【0065】また、スクリ−ン20や凹面鏡21は、図
3,図4で説明した構成を使用できることはいうまでも
ない。
【0066】さらに、上記第1,第2の実施例では、ス
クリ−ンの曲率半径を600mmとしたが、上記のよう
に、本発明はかかる数値に限定されるものではなく、曲
率半径が350mm以上で1000mm以下の範囲にあ
る透過型スクリ−ンと、反射面での曲率半径が700m
m以上で1400mm以下の範囲にある凹面鏡とを用い
ても、水平視野角を50度〜180度、垂直視野角を3
0度〜50度の範囲を実現でき、装置を設置面積が約2
m四方程度以下の小規模ものにすることができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
原点を含むyz平面で切断したときのスクリ−ンと凹面
鏡との垂直高さの比率を0.6:1よりも該スクリ−ン
の垂直高さを小さくするようにしているので、スクリ−
ン下端と観視者の視点との距離を充分広くすることがで
きる。
【0068】また、スクリ−ンでの表示映像の横縦比
を、16:9より横に長くするので、少ない投写部で広
い水平視野角の映像を得ることができる。
【0069】また、本発明によるスクリ−ンによれば、
拡散剤を混入させた合成樹脂シートを加熱して軟化させ
た後、このシートの周縁を固定した金型とこのシートと
の間に圧縮空気を流入あるいは空気を吸引などすること
により、このシートを略球冠形状に成形し、しかる後、
所定の形状に切除してなるものであるため、工業的生産
性が高く、安価なものとなる。
【0070】また、本発明による凹面鏡によれば、合成
樹脂シートを加熱して軟化させた後、周縁を固定した金
型とこのシートとの間に圧縮空気を流入あるいは空気を
吸引などすることにより、このシートを略球冠形状の基
材に成形し、この基材を略球帯形状に切断し、さらに、
複数個に切断したうちの1つの基材の少なくとも片側の
面に反射層を形成し、さらに、その反射層を保護する層
を形成してなるため、工業的生産性が高く、安価であ
り、さらに、一度の成形でできた基材から複数個の凹面
鏡を得ることができるため、廃棄部分が少なくて省資源
の効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による映像表示装置の第1の実施例の要
部を示す構成図である。
【図2】図1での原点を含むyz平面で切断した断面図
である。
【図3】図1,図2におけるスクリ−ンの製作方法の一
具体例を示す図である。
【図4】図1,図2における凹面鏡の製作方法の一具体
例を示す図である。
【図5】本発明による映像表示装置の第2の実施例の要
部を示す構成図である。
【図6】図5での原点を含むyz平面で切断した断面図
である。
【図7】従来の映像表示装置の一例の要部を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 観視者視点位置 2 投写形陰極線管 3 投写レンズ 4 投写部 5,15,20,22 スクリ−ン 6,19,21,23 凹面鏡 7,8 出射光線 9,10 透過光線 11,12 反射光線 13 スクリ−ンの基材 16 凹面鏡の基材 20 スクリ−ン 21 凹面鏡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷出 秀雄 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所マルチメディアシステム 開発本部内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筐体内に少なくともスクリ−ンと凹面鏡
    とを備え、該スクリ−ンの映像表示面側に表示された映
    像を該凹面鏡で観視位置側に折り返すようにした映像表
    示装置において、 該観視位置側から該凹面鏡を見て、水平方向をx軸、垂
    直方向をy軸、該凹面鏡に向かう方向をz軸とし、原点
    を観視者の視点としたときに、該原点を含むyz平面で
    切断したときの該スクリ−ンと該凹面鏡との垂直方向の
    高さの比率を0.6:1よりも該スクリ−ンの垂直方向
    の高さが小さいことを特徴とする映像表示装置。
  2. 【請求項2】 筐体内に少なくともスクリ−ンと凹面鏡
    とを備え、該スクリ−ンの映像表示面側に表示された映
    像を該凹面鏡で観視位置側に折り返すようにした映像表
    示装置において、 該スクリ−ンに表示される映像は、その横方向の長さが
    横縦比16:9のときよりも長いことを特徴とする映像
    表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記スクリ−ンに表示される映像は、その横方向の長さ
    が横縦比16:9のときよりも長いことをことを特徴と
    する映像表示装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3において、 前記スクリ−ンは、350mm以上で1000mm以下
    の範囲の曲率半径の略球帯形状の一部の形状をなす透過
    型スクリ−ンであることを特徴とする映像表示装置。
  5. 【請求項5】 映像表示装置内に設けられ、スクリーン
    の映像表示面側に表示される映像を観視位置側に折り返
    す凹面鏡において、 合成樹脂シートを加熱して軟化させた後、周縁を固定し
    た金型と該合成樹脂シートと間に圧縮空気を流入あるい
    は空気を吸引などして該合成樹脂シートを略球冠形状に
    成形した基材を略球帯形状に切断し、さらに、2から複
    数個に切断した内の1つの基材の少なくとも片側の面に
    反射層を形成し、その上に保護する層を形成してなるこ
    とを特徴とする凹面鏡。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 反射面の曲率半径が700mm以上で2000mm以下
    の範囲にあることを特徴とする凹面鏡。
  7. 【請求項7】 請求項5または6において、 樹脂製の曲面形状を保持する補強手段を有することを特
    徴とする凹面鏡。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記凹面鏡は、少なくとも1つの略球冠形状の樹脂製曲
    面体から2〜6個の略同一形状の曲面体を切り出した各
    々の曲面体と、該曲面体に曲面形状を保持する補強手段
    を切り出す以前あるいは以後に設け、該補強手段は切り
    出された2から6個の曲面体を複数個一体に固定する固
    定機能を有し、該固定機能で複数個一体に固定した曲面
    体群に一括で反射膜を形成してなる凹面鏡のうちの1つ
    であることを特徴とする凹面鏡。
  9. 【請求項9】 請求項7において、 前記凹面鏡は、少なくとも1つの略球冠形状の樹脂製曲
    面体に反射膜を形成し、該反射膜を形成した略球冠形状
    の樹脂製曲面体を切断して2から6個の略同一形状の曲
    面体を切り出し、該切り出した曲面体の変形を防止する
    機能を樹脂製曲面体を切断する前あるいは後もしくは切
    り出した以後に設けてなることを特徴とする凹面鏡。
  10. 【請求項10】 請求項1〜4のうちのいずれか1つに
    おいて、 前記凹面鏡は、請求項5乃至9のうちの1つに記載の凹
    面鏡であることを特徴とする映像表示装置。
  11. 【請求項11】 映像表示装置内に設けられ、凹面鏡で
    観視位置側に折り返すための映像を映像表示面側に表示
    するスクリーンであって、 拡散剤を混入させた合成樹脂シートを加熱して軟化させ
    た後、該合成樹脂シートの周縁を固定した金型と該合成
    樹脂シートとの間に圧縮空気を流入し、あるいは、空気
    を吸引するなどして、該合成樹脂シートを略球冠形状に
    成形し、しかる後、該成形した該合成樹脂シートを所定
    の形状に切除してなることを特徴とするスクリ−ン。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 前記略球冠形状の曲率半径が350mm以上で1000
    mm以下の範囲にあることを特徴とするスクリ−ン。
  13. 【請求項13】 請求項11または12において、 前記スクリ−ンは、略球冠形状のシートを前記所定の形
    状に切除する前あるいは後に切り出した後の形状変形を
    防止する手段を設けたことを特徴とするスクリ−ン。
  14. 【請求項14】 請求項1〜3のうちのいずれか1つに
    おいて、 前記スクリ−ンは、請求項11〜13のうちのいずれか
    1つに記載のスクリ−ンであることを特徴とする映像表
    示装置。
  15. 【請求項15】 請求項14において、 前記凹面鏡は、請求項5〜9のうちのいずれか1つに記
    載の凹面鏡であることを特徴とする映像表示装置。
  16. 【請求項16】 請求項1〜4,10,14,15のう
    ちのいずれか1つにおいて、 観視者が観視する視界角が左右方向に50度以上,18
    0度以下、好ましくは80度以下であることを特徴とす
    る映像表示装置。
  17. 【請求項17】 請求項1〜4、10,14,15のう
    ちのいずれか1つにおいて、 観視者が観視する視界角が上下方向に30度以上,50
    度以下であることを特徴とする映像表示装置。
  18. 【請求項18】 請求項16において、 観視者が観視する視界角が上下方向に30度以上,50
    度以下であることを特徴とする映像表示装置。
  19. 【請求項19】 請求項1〜4,10,14〜18のう
    ちのいずれか1つにおいて、 前記スクリ−ンに映像を表示する映像投写装置は、少な
    くとも、 複数の映像源と、 該映像源の夫々毎に設けられ、該映像源から発生する映
    像を前記スクリーンに拡大投写する投写レンズとからな
    り、該映像源とこれに対して設けられた該投写レンズと
    を互いに所定の位置関係を持たせた状態で固定的に一体
    化してなることを特徴とする映像表示装置。
JP21471595A 1995-08-23 1995-08-23 映像表示装置とこれに用いる凹面鏡及びスクリ−ン Pending JPH0965260A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007141933A1 (en) * 2006-06-08 2007-12-13 Panasonic Electric Works Co., Ltd. Image display device
KR100925641B1 (ko) * 2007-12-10 2009-11-06 고려대학교 산학협력단 신체 내부 영상 출력을 위한 디스플레이 시스템

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