JPH0963348A - 壁取付型照明器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 壁面に略沿って焦電型センサから離れた位置
でも、人体を確実に検知して点灯制御できるようにす
る。 【解決手段】 人体の発する熱線を検知する焦電型セン
サ３を備え、壁面１に取り付けられると共に焦電型セン
サ３の検知信号によりランプを点灯制御してなる壁取付
型照明器具において、焦電型センサ３の検知エリア５
を、床面４と平行な横断面方向で焦電型センサ３の前面
側に放射状に形成された複数の熱線検知エリア５ａを含
んで形成し、複数の熱線検知エリア５ａを壁面１に垂直
方向から平行方向になるにしたがって視野角Ａが小さく
なるように形成すると共に、焦電型センサ３の壁面１に
最も近接した熱線検知エリア５ａを、焦電型センサ３の
最大検知距離で検知対象の幅よりも狭い幅に設定した。
また、さらに熱線検知エリア５ａを、壁面１に垂直方向
から平行方向になるにしたがって密とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、壁取付型照明器具
に関し、特に人体の存在を検知する焦電型センサを備え
てなる壁取付型照明器具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４は、従来の壁取付型照明器具（第１
の従来例）を示すもので、この壁取付型照明器具は、ラ
ンプ（図示せず）を収納し壁面１に埋め込み取り付けさ
れた略箱型をなす器具本体２に、人体の発する熱線（赤
外線）を検知する焦電型センサ３が、その前面側である
壁面１に略垂直をなす床面４と平行な水平方向に向けて
取り付けられて構成されている。

【０００３】焦電型センサ３は、レンズ等を用いず、そ
の検知エリア５が、横断面方向である水平面内方向にお
いて、焦電型センサ３の前面側の比較的広い視野角ａを
有する１つの熱線検知エリア５ａにより形成されてい
る。また、焦電型センサ３は、入射する赤外線強度が変
化した時にのみ、つまり、入射する赤外線強度が変化し
た時にのみ出力を発するもので、その検知エリア５内を
人体が横切った場合、人体と背景との放射赤外線エネル
ギーの差によって焦電型センサ３に入射するエネルギー
が変化し、この変化に応じて出力を発生して人体の検知
を行うものである。

【０００４】図５及び図６は、従来の別の壁取付型照明
器具（第２の従来例）を示すものであり、前記第１の従
来例と異なる点は、焦電型センサ３の前面側にレンズ６
を配設し、その検知エリア５を、横断面方向において焦
電型センサ３から前面側に放射状とされた複数の熱線検
知エリア５ａにより形成させて、その熱線検知エリア５
ａ内から入射する熱線を焦電型センサ３に集光させた点
であり、他は前記第１の従来例と同様に構成されてい
る。

【０００５】複数の熱線検知エリア５ａは、横断面にお
いて、それぞれ視野角ａが略等しく設定されており、ま
た、隣接する熱線検知エリア５ａ間の角度ｂもまた略等
しくなるように形成されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように構成された第１の従来例に示す壁取付型照明器具
においては、焦電型センサ３の前面側にはレンズ等の熱
線を集光させるものがなく、その検知が焦電素子の検知
性能にのみ依存するものであり、また、検知エリア５が
比較的視野角ａが広い１本の熱線検知エリア５ａにより
形成されているために、検知対象である人体の移動の仕
方によっては、熱線検知エリア５ａに人体が存在する場
合であっても焦電型センサ３に入射する赤外線エネルギ
ーが変化せず出力が得られない恐れも生じ、安定した検
知性能が得られにくいという問題点があった。

【０００７】また、第２の従来例に示す壁取付型照明器
具においては、複数の熱線検知エリア５ａの全ての視野
角ａが略等しく、また、隣接する熱線検知エリア５ａ間
の角度ｂも略等しくなっているために、例えば壁面１と
略平行方向に移動する人体を検知したい場合には、焦電
型センサ３から壁面１に略沿って遠くに離れる程、見か
け上の熱線検知エリア５ａの幅、及び隣接する熱線検知
エリア５ａ間の幅が広くなることになる。つまり、熱線
検知エリア５ａの一端から他端まで移動するまでの時間
が長くなって、検知対象である人体の移動の仕方によっ
ては、第１の従来例と同様に、熱線検知エリア５ａに人
体が存在する場合であっても出力が得られない恐れも生
じ、また、隣接する熱線検知エリア５ａ間では熱線は焦
電型センサ３には入射しないため、焦電型センサ３から
離れた位置で、その間で人体が存在してもやや長い時
間、つまり、次の熱線検知エリア５ａ内に移動するまで
は、その検知はできず、安定した検知性能が得られにく
いという問題点があった。

【０００８】本発明は、上記問題点に鑑みてなされもの
で、その目的とするところは、壁面に略沿って焦電型セ
ンサから離れた位置でも、人体を確実に検知して点灯制
御される壁取付型照明器具を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点を
解決するため、請求項１記載の発明にあっては、人体の
発する熱線を検知する焦電型センサ３を備え、壁面１に
取り付けられると共に前記焦電型センサ３の検知信号に
よりランプを点灯制御してなる壁取付型照明器具におい
て、前記焦電型センサ３の検知エリア５が、床面４と平
行な横断面方向で、前記焦電型センサ３の前面側に放射
状に形成された複数の熱線検知エリア５ａを含んで形成
されると共に、該複数の熱線検知エリア５ａが、前記横
断面方向で壁面１に垂直方向から平行方向になるにした
がって視野角Ａが小さくなるように形成されたことを特
徴とするものである。

【００１０】請求項２記載の発明にあっては、請求項１
記載の壁取付型照明器具において、前記焦電型センサ３
の壁面１に最も近接した熱線検知エリア５ａが、前記横
断面方向において、前記焦電型センサ３の最大検知距離
で検知対象の幅よりも狭い幅に設定されたことを特徴と
するものである。

【００１１】請求項３記載の発明にあっては、請求項
１、または請求項２記載の壁取付型照明器具において、
前記熱線検知エリア５ａが、前記横断面方向において、
前記壁面１に垂直方向から平行方向になるにしたがって
密に設けられたことを特徴とするものである。

【００１２】請求項４記載の発明にあっては、請求項
１、乃至請求項３のうち１つの請求項記載の壁取付型照
明器具において、前記焦電型センサ３の前面側に、前記
焦電型センサ３の横断面方向において前記壁面１に近接
した熱線検知エリア５ａを遮蔽するカバー７を装着した
ことを特徴とするものである。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１及び図２は、本発明の壁取付
型照明器具の第１の実施の形態を示すものであり、この
壁取付型照明器具は、器具本体２と、焦電型センサ３、
レンズ６、前面パネル８、及び枠体９とを有して構成さ
れている。

【００１４】器具本体２は、前面側に開口した例えば金
属製の略箱型であって、内部にランプ（図示せず）が収
納されてなり、床面４と略垂直をなす壁面１に埋め込み
取り付けされている。また、焦電型センサ３は、人体の
発する熱線を検知するものであって、入射する赤外線強
度が変化した時にのみ出力を発するもので、その検知エ
リア５内を人体が横切った場合、人体と背景との放射赤
外線エネルギーの差によって焦電型センサ３に入射する
エネルギーが変化し、この変化に応じて出力を発生して
人体の検知を行うものである。このため、焦電型センサ
３は、ランプからの光の影響を受けないように、そし
て、その検知エリア５を人体を検知させたい所望の方向
である器具本体２の前面側に向けて器具本体２に収納さ
れる。

【００１５】レンズ６は、焦電型センサ３に器具本体２
の外部から入射する光を集光させるものであって、焦電
型センサ３の検知エリア５が、異なる視野角Ａを有する
複数の熱線検知エリア５ａを備えるように形成されてい
る。つまり、焦電型センサ３の前面側に配設されて壁面
１に取り付けられた状態の横断面方向において、レンズ
６は、各熱線検知エリア５ａに対応する部分の焦点距離
が調節されて、壁面１に垂直な方向に近接した熱線検知
エリア５ａの視野角Ａは広く、壁面１と平行方向に近づ
くにしたがって狭く形成されている。また、隣接する熱
線検知エリア５ａ間の角度Ｂ、つまり焦電型センサ３に
熱線が入射しない隙間部分の角度Ｂもまた、壁面１に垂
直な方向から壁面１と平行方向に近づくにしたがって狭
く形成されており、壁面１と平行方向に近づくにしたが
って視野角Ａの狭い熱線検知エリア５ａが密となるよう
にされているのである。そして、その壁面１に最も近接
した熱線検知エリア５ａの幅は、その焦電型センサ３の
最大検知距離において、検知対象である人体の幅よりも
狭く形成されている。

【００１６】図１は、その検知エリア５の一例を示すも
ので、焦電型センサ３の前面側であって壁面１と垂直な
線（中心線）Ｃに対して対象となるように１６本の放射
状の熱線検知エリア５ａを有して構成されている。した
がって、中心線Ｃの一方側のみを説明すると、中心線Ｃ
か１５°の角度をあけて、５°の視野角Ａを有する２本
の熱線検知エリア５ａが５°の間隔をあけて形成され、
その壁面１に近接する側には１２°の角度をあけて、４
°の視野角Ａを有する２本の熱線検知エリア５ａが４°
の間隔をあけて配設されており、さらに１２°の角度を
あけて、３°の視野角Ａを有する４本の熱線検知エリア
５ａが、それぞれ中心線Ｃ側から２°、４°、２°の間
隔をあけて配設されている。なお、図において９００mm
の位置は、一般住宅における平均的な廊下の幅寸法を示
す。

【００１７】前面パネル８は、器具本体２の開口側に枠
体９により取り付けられてなり、少なくともランプの前
面側に配設される部分が透光性の樹脂により形成されて
おり、ランプから離れた部分にはレンズ５が前面側に突
出するように配設されている。

【００１８】このように構成されているため、本実施の
形態においては、検知対象物である人体が、取付面であ
る壁面と略平行方向に移動する場合、焦電型センサ３の
検知エリア５を形成する熱線検知エリア５ａが、壁面１
に平行方向となるにしたがって視野角Ａの狭い熱線検知
エリア５ａとされ、また、隣接する熱線検知エリア５ａ
の間の角度Ｂも狭く形成されているため、焦電型センサ
３から壁面１に沿って離れた位置でも各熱線検知エリア
５ａや隣接する熱線検知エリア５ａの間の幅が狭くなっ
て、人体が短時間でそれらを通過できるようになる。こ
のため、焦電型センサ３の検知可能距離内では人体の存
在が確実に検知できるようになり、焦電型センサ３と離
れた位置でも近接した位置と略同じ検知性能を得ること
ができる。また、壁面１に最も近接した熱線検知エリア
５ａが、その検知可能距離で検知対象である人体の幅よ
りも狭い幅とされているため、人体が熱線検知エリア５
ａ内でわずかに移動すれば、焦電型センサ３に入射する
熱線が変化して出力が得られ、さらに確実な人体検知が
できる。さらには、壁面１に近接した側では、熱線検知
エリア５ａが密に配設されているため、焦電型センサ３
の検知可能距離内では、焦電型センサ３から離れた位置
であって人体の移動量が少ない場合であっても、さらに
確実な人体検知ができる。

【００１９】図３は、本発明の壁取付型照明器具の第２
の実施の形態を示すものであり、前記第１の実施の形態
と異なる点は、レンズ６の前面側に、焦電型センサ３の
横断面方向において、壁面１に近接した熱線検知エリア
５ａを覆いその部分に入射する熱線を遮蔽するカバー７
を装着し、検知エリア５を制限させた点であり、他は前
記第１の実施の形態と同様に構成されている。

【００２０】このように構成されているため、本実施の
形態における壁取付型照明器具においては、前記第１の
実施の形態における壁取付型照明器具の効果に加えて、
必要に応じて検知エリア５をさらに制限することができ
る。

【００２１】なお、前記各実施の形態においては、熱線
検知エリア５ａの視野角Ａ及び隣接する熱線検知エリア
５ａの間の角度Ｂを、それぞれ数値を例示して説明を行
ったが、本発明はこの数値に限らず、焦電型センサの正
面側から壁面に近接する程小さな角度とされるものであ
れば、それらは何度に設定されたものであっても良く、
また、熱線検知エリア５ａは、中心線から壁面側に向か
って順次視野角が狭くなるようにされたものであっても
良い。また、前記各実施の形態においては、器具本体２
を壁面１に埋め込み取り付けされるものとしたが、本発
明はこれに限らず、器具本体が壁面に直付け取り付けさ
れるものであっても良い。さらには、焦電型センサの前
面側に配設したレンズは、前面パネルと別々に形成する
必要はなく、前面パネルと一体で形成されたようなもの
であっても良い。

【００２２】

【発明の効果】このように構成されているため本発明
は、請求項１記載の発明にあっては、検知対象物である
人体が、取付面である壁面と略平行方向に移動する場
合、焦電型センサの検知エリアを形成する熱線検知エリ
アが、壁面に平行方向となるにしたがって視野角の狭い
熱線検知エリアとされ、また、隣接する熱線検知エリア
の間の角度も狭く形成されているため、焦電型センサか
ら壁面に沿って離れた位置でも各熱線検知エリアや隣接
する熱線検知エリアの間の幅が狭くなって、人体が短時
間でそれらを通過できるようになる。このため、焦電型
センサの検知可能距離内では人体の存在が確実に検知で
きるようになり、焦電型センサと離れた位置でも近接し
た位置と略同じ検知性能を得ることができる。

【００２３】また、請求項２記載の発明にあっては、請
求項１記載の発明の効果に加えて、壁面に最も近接した
熱線検知エリアが、その検知可能距離で検知対象である
人体の幅よりも狭い幅とされているため、人体が熱線検
知エリア内でわずかに移動すれば、焦電型センサに入射
する熱線が変化して出力が得られ、さらに確実な人体検
知ができる。

【００２４】また、請求項３記載の発明にあっては、請
求項１、または請求項２記載の発明の効果に加えて、焦
電型センサの検知可能距離内においては、焦電型センサ
から離れた位置で人体の移動量が少ない場合であって
も、さらに確実な人体検知ができる。

【００２５】さらには、請求項４記載の発明にあって
は、請求項１、乃至請求項３のうち１つの請求項記載の
発明の効果に加えて、必要に応じて焦電型センサの検知
エリアをさらに制限することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の壁取付型照明器具の第１の実施形態の
取付状態における検知エリアを説明する一部断面側面図
である。

【図２】同上の壁取付型照明器具の斜視図である。

【図３】本発明の壁取付型照明器具の第２の実施の形態
に係る要部を示す正面図である。

【図４】従来の壁取付型照明器具（第１の従来例）の取
付状態における検知エリアを説明する一部断面側面図で
ある。

【図５】従来の別の壁取付型照明器具（第２の従来例）
の取付状態における検知エリアを説明する一部断面側面
図である。

【図６】同上の変形例を示す一部断面側面図である。

【符号の説明】

１ 壁面 ２ 器具本体 ３ 焦電型センサ ４ 床面 ５ 検知エリア ５ａ 熱線検知エリア ７ カバー Ａ 視野角

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥代 茂樹 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 人体の発する熱線を検知する焦電型セン
   サを備え、壁面に取り付けられると共に前記焦電型セン
   サの検知信号によりランプを点灯制御してなる壁取付型
   照明器具において、前記焦電型センサの検知エリアが、
   床面と平行な横断面方向で、前記焦電型センサの前面側
   に放射状に形成された複数の熱線検知エリアを含んで形
   成されると共に、該複数の熱線検知エリアが、前記横断
   面方向で壁面に垂直方向から平行方向になるにしたがっ
   て視野角が小さくなるように形成されたことを特徴とす
   る壁取付型照明器具。
2. 【請求項２】 前記焦電型センサの壁面に最も近接した
   熱線検知エリアが、前記横断面方向において、前記焦電
   型センサの最大検知距離で検知対象の幅よりも狭い幅に
   設定されたことを特徴とする請求項１記載の壁取付型照
   明器具。
3. 【請求項３】 前記熱線検知エリアが、前記横断面方向
   において、前記壁面に垂直方向から平行方向になるにし
   たがって密に設けられたことを特徴とする請求項１、ま
   たは請求項２記載の壁取付型照明器具。
4. 【請求項４】 前記焦電型センサの前面側に、前記焦電
   型センサの横断面方向において前記壁面に近接した熱線
   検知エリアを遮蔽するカバーを装着したことを特徴とす
   る請求項１、乃至請求項３のうち１つの請求項記載の壁
   取付型照明器具。