JPH0962964A - 火災覚知センサ - Google Patents

火災覚知センサ

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JPH0962964A
JPH0962964A JP23598095A JP23598095A JPH0962964A JP H0962964 A JPH0962964 A JP H0962964A JP 23598095 A JP23598095 A JP 23598095A JP 23598095 A JP23598095 A JP 23598095A JP H0962964 A JPH0962964 A JP H0962964A
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直人 坂東
Akio Furuhira
章夫 古平
Shigeo Uehara
茂男 上原
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Takenaka Komuten Co Ltd
Nippon Dry Chemical Co Ltd
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Nippon Dry Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 照明レベル以下の小さな火災や遠方の火災ま
たは極めて初期状態の火災を早期に覚知する。 【解決手段】 ステップ11では赤外線テレビカメラ1
による撮像を行い、ステップ12で設定温度を越えたか
否か判定する。次にステップ13で温度分布図の差分処
理を行い、ステップ14で差分成分が残っているか否か
を判断する。そして、ステップ15で温度分布図の差分
結果に基づき画像の重心位置計算を行い、ステップ16
で重心位置が変動したか否かを判断する。更に、ステッ
プ17では、温度分布図についての面積計算を行い、ス
テップ18で面積の変動があるか否かを判断する。ステ
ップ19では、ステップ11の赤外線テレビカメラ1に
よる撮像から以降の各処理ステップを3回以上繰り返
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドーム型建築物、
アトリウム等の大空間建築物の内部空間または、工場、
発電所等の種々のプラントの建屋や設備を外部から連続
監視する火災覚知センサに係わり、特に照明や聖火等の
存在に影響されることなく、遠方の若しくは規模の小さ
い火災を初期の内にその空間的位置座標をも含め覚知す
ることの出来る火災覚知センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大空間建築物の内部空間や種々の
プラントの建屋や設備で発生する火災を監視する目的
で、赤外線検出素子、電動回転鏡及び電動雲台を組み合
わせて機械的に監視領域を走査する方法や、赤外線テレ
ビカメラを同様に電動雲台に搭載し監視領域を走査する
方法が知られている。以上は受光素子の種類により多少
差があるが赤外領域に受光感度を持ち、検出される赤外
光エネルギーを熱輻射として発せられるエネルギーとし
て取り扱い、温度に換算し撮像対象物の温度の高低を画
像上の輝度または色の差で表示するものである。図15
はこうした設備の下で火災が発生した場合を考察するた
めに行った実験データである。図15において、縦軸は
赤外線テレビカメラの受けた赤外光エネルギーを温度に
換算した数値を示す。一方、横軸は測定対象火炎までの
距離を示す。今、0.04m2 火皿火炎(n−ヘプタ
ン)を赤外線テレビカメラから100mの所に配置した
ときに、赤外線テレビカメラで観測した表示温度は24
0℃である。上下に20℃程幅のあるのは炎のゆらぎの
ためである。また、0.01m2 火皿火炎(n−ヘプタ
ン)を赤外線テレビカメラから100mの所に配置した
ときに、赤外線テレビカメラで観測した表示温度は12
0℃である。上下に20℃程幅のあるのは同様に炎のゆ
らぎのためである。両者の温度に120℃の差を生じた
のは、0.01m2火皿火炎と0.04m2 火皿火炎と
では放射されるエネルギーが異なるからである。一方、
例えば600ワットの反射板付き電球について同様の観
測を行うと、20mの距離の所で150℃である。そし
て、距離が離れるにつれて電球から発せられる赤外光エ
ネルギーの赤外線テレビカメラに到達する成分が少なく
なるため表示温度は低くなる。例えば80mの所では1
00℃である。
【0003】次に、上記電球と火皿火炎とが同時に存在
した場合を考えると、共に赤外光エネルギーを放出する
ため区別することが困難となる場合が生ずる。この間の
事情を説明すると、例えば0.04m2 火皿火炎のとき
には表示温度が240℃であるため仮に200℃にしき
い値を設定しておけば、電球がどの距離に存在していて
も当該火炎を覚知する事が出来る。しかし、0.01m
2 火皿火炎のときには火炎が小さく表示温度が120℃
と低いため、上記設定しきい値200℃では火炎を覚知
する事が出来ない。即ち、当該しきい値は電球が存在す
ることにより下げることに限界が生じ、また電球の容量
が大きくなればなる程しきい値も上げなければならな
い。この様に、火災監視領域内に大規模な照明が存在す
る場合にはここから発せられる光エネルギーを検出して
しまい、誤報を発するという可能性があった。
【0004】従って、従来は誤報を回避するために監視
領域内に検出される種々の熱源の表示温度を明らかに越
える新たな熱源が発見された場合に、火災覚知信号を発
するようしきい値設定を工夫していた(火災学会誌「火
災」VOL.37 NO.1、財団法人 日本消防設備
安全センター「フェスク」1994年1月号、第41回
全国消防技術者会議資料(1993年10月))。ま
た、従来の方式では覚知した火災の火点位置情報は、火
災覚知センサから見た方位(方向)の情報のみであるた
め、火点までの距離を計測するのに充分間隔のあいた2
箇所に火災覚知センサを2台設置し、それぞれからの火
点方位の交点を求めることによって3次元の火点位置座
標を確定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た様なしきい値設定による火災の覚知では誤報を避ける
ために予想されるしきい値を予め高く設定せざるを得
ず、設定しきい値を越える程度にまで火災が成長するの
を待つことを余儀なくされていた。その結果、照明レベ
ル以下の小さな火災や遠方の火災または極めて初期状態
の火災を早期に覚知することは困難だった。同様に、工
場や発電所等種々のプラントの建屋や設備で発生する火
災を外部から監視する場合にも照明の他にも高圧電源設
備、燃焼プロセス、加熱プロセス等の赤外光放射源が存
在する場合が多いため、この場合でも大空間建築物の内
部空間の火災監視と同様の問題が存在していた。また、
以上の様にしきい値設定だけで火災の覚知を行っていた
ことから、監視領域内に聖火や煙突上の排気処理として
利用されるフレアースタック等(以下、非火災火炎とい
う。)が存在する場合にも火災として覚知してしまうと
いう問題点があった。
【0006】更に、大空間建築物の内部空間等では、監
視領域を複数に分けて監視手段として複数の赤外線テレ
ビカメラを設置することが多いが、かかる場合に設備構
成を出来るだけ簡素化し、また早期に火災を覚知する必
要があった。また、従来の方式では3次元の位置座標を
確定するのに2台の火災覚知センサを必要とし、1台の
火災覚知センサのみで火点を3次元位置座標として確定
することが出来ず設備費が高価になっていた。更に、従
来は火災覚知センサを旋回及び俯仰の2軸で回動自在な
電動雲台に設置することで火災覚知センサの監視領域の
狭さをカバーしてきたが、監視領域全体を掃引するのに
時間を要していた。また、掃引には機械的な移動を伴う
ことから、火災覚知センサが同一地点に戻った場合でも
機械精度によるずれを生じ、結果として監視画像に誤差
を生ずるという問題があった。本発明はこのような従来
の課題に鑑みてなされたもので、監視領域内に種々の熱
源が存在する場合にもこれらの熱源の影響を受けること
なく小さな火災や遠方の火災または極めて初期状態の火
災を早期かつ確実に覚知することの出来る火災覚知セン
サを提供し、また1台の火災覚知センサのみで火点を3
次元位置座標として確定することが出来る火災覚知セン
サを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため本発明(請求項
1)は、火災源から放出された輻射熱あるいは光のエネ
ルギーを情報信号に置換する熱画像撮像手段と、該熱画
像撮像手段からの情報信号に基づき温度分布図を平面的
に作成する静止熱画像作成手段と、該静止熱画像作成手
段で作成された第1の温度分布図と所定時間経過後に再
び前記熱画像撮像手段から入力された情報信号に基づき
前記静止熱画像作成手段で作成された第2の温度分布図
との間で画像の差分処理を行う画像差分処理手段と、該
画像差分処理手段で行った差分処理の結果差分成分が残
留しているときは第1の火災覚知信号を出力し、差分成
分が残留していないときは再び前記熱画像撮像手段によ
る熱画像の撮像から順次同様の処理を実行させる差分成
分残留判定手段とを備えて構成した。
【0008】また本発明(請求項2)は、火災源から放
出された輻射熱あるいは光のエネルギーを情報信号に置
換する熱画像撮像手段と、該熱画像撮像手段からの情報
信号に基づき温度分布図を平面的に作成する静止熱画像
作成手段と、該静止熱画像作成手段で作成された温度分
布図に基づき重心位置計算を行う重心位置計算手段と、
該重心位置計算手段により求められた第1の重心位置と
所定時間経過後に再び前記熱画像撮像手段から入力され
た情報信号に基づき前記静止熱画像作成手段を介し前記
重心位置計算手段により求められた第2の重心位置との
間で重心位置の変動の無かったときは第1の火災覚知信
号を出力し、重心位置の変動のあったときは再び前記熱
画像撮像手段による熱画像の撮像から順次同様の処理を
実行させる重心位置変動判定手段とを備えて構成した。
【0009】更に本発明(請求項3)は、火災源から放
出された輻射熱あるいは光のエネルギーを情報信号に置
換する熱画像撮像手段と、該熱画像撮像手段からの情報
信号に基づき温度分布図を平面的に作成する静止熱画像
作成手段と、該静止熱画像作成手段で作成された温度分
布図に基づき高温部の面積計算を行う高温部面積計算手
段と、該高温部面積計算手段により求められた第1の高
温部面積値と所定時間経過後に再び前記熱画像撮像手段
から入力された情報信号に基づき前記静止熱画像作成手
段を介し前記高温部面積計算手段で求められた第2の高
温部面積値との間で高温部面積値の変動のあったときは
第1の火災覚知信号を出力し、高温部面積値の変動の無
かったときは再び前記熱画像撮像手段による熱画像の撮
像から順次同様の処理を実行させる高温部面積値変動判
定手段とを備えて構成した。
【0010】更に本発明(請求項4)は、前記熱画像撮
像手段による熱画像の撮像から前記第1の火災覚知信号
を検出するまでの一連の処理を繰り返し行い、前記第1
の火災覚知信号を所定回数以上確認したときに火災検出
信号を出力する回数判定手段を備えて構成した。
【0011】更に本発明(請求項5)は、前記第1の火
災覚知信号を入力したときに、前記静止熱画像作成手段
で作成された第1の温度分布図と所定時間経過後に再び
前記熱画像撮像手段から入力された情報信号に基づき前
記静止熱画像作成手段で作成された第2の温度分布図と
の間で画像の差分処理を行う画像差分処理手段と、該画
像差分処理手段で行った差分処理の結果差分成分が残留
しているときは第2の火災覚知信号を出力し、差分成分
が残留していないときは再び前記熱画像撮像手段による
熱画像の撮像から順次同様の処理を実行させる差分成分
残留判定手段とを備えて構成した。
【0012】更に本発明(請求項6)は、前記第1の火
災覚知信号を入力したときに、前記静止熱画像作成手段
で作成された温度分布図に基づき重心位置計算を行う重
心位置計算手段と、該重心位置計算手段により求められ
た第1の重心位置と所定時間経過後に再び前記熱画像撮
像手段から入力された情報信号に基づき前記静止熱画像
作成手段を介し前記重心位置計算手段により求められた
第2の重心位置との間で重心位置の変動の無かったとき
は第2の火災覚知信号を出力し、重心位置の変動のあっ
たときは再び前記熱画像撮像手段による熱画像の撮像か
ら順次同様の処理を実行させる重心位置変動判定手段と
を備えて構成した。
【0013】更に本発明(請求項7)は、前記第1の火
災覚知信号を入力したときに、前記静止熱画像作成手段
で作成された温度分布図に基づき重心位置計算を行う重
心位置計算手段に代えて、前記第1の火災覚知信号を入
力したときに、前記画像差分処理手段で行った差分処理
の残留画像に基づき重心位置計算を行う重心位置計算手
段を備えて構成した。
【0014】更に本発明(請求項8)は、前記第1の火
災覚知信号を入力したときに、前記静止熱画像作成手段
で作成された温度分布図に基づき高温部の面積計算を行
う高温部面積計算手段と、該高温部面積計算手段により
求められた第1の高温部面積値と所定時間経過後に再び
前記熱画像撮像手段から入力された情報信号に基づき前
記静止熱画像作成手段を介し前記高温部面積計算手段で
求められた第2の高温部面積値との間で高温部面積値の
変動のあったときは第2の火災覚知信号を出力し、高温
部面積値の変動の無かったときは再び前記熱画像撮像手
段による熱画像の撮像から順次同様の処理を実行させる
高温部面積値変動判定手段とを備えて構成した。
【0015】更に本発明(請求項9)は、前記熱画像撮
像手段による熱画像の撮像から前記第2の火災覚知信号
を検出するまでの一連の処理を繰り返し行い、前記第2
の火災覚知信号を所定回数以上確認したときに火災検出
信号を出力する回数判定手段を備えて構成した。
【0016】更に本発明(請求項10)は、前記第2の
火災覚知信号を入力したときに、前記静止熱画像作成手
段で作成された第1の温度分布図と所定時間経過後に再
び前記熱画像撮像手段から入力された情報信号に基づき
前記静止熱画像作成手段で作成された第2の温度分布図
との間で画像の差分処理を行う画像差分処理手段と、該
画像差分処理手段で行った差分処理の結果差分成分が残
留しているときは第3の火災覚知信号を出力し、差分成
分が残留していないときは再び前記熱画像撮像手段によ
る熱画像の撮像から順次同様の処理を実行させる差分成
分残留判定手段とを備えて構成した。
【0017】更に本発明(請求項11)は、前記第2の
火災覚知信号を入力したときに、前記静止熱画像作成手
段で作成された温度分布図に基づき重心位置計算を行う
重心位置計算手段と、該重心位置計算手段により求めら
れた第1の重心位置と所定時間経過後に再び前記熱画像
撮像手段から入力された情報信号に基づき前記静止熱画
像作成手段を介し前記重心位置計算手段により求められ
た第2の重心位置との間で重心位置の変動の無かったと
きは第3の火災覚知信号を出力し、重心位置の変動のあ
ったときは再び前記熱画像撮像手段による熱画像の撮像
から順次同様の処理を実行させる重心位置変動判定手段
とを備えて構成した。
【0018】更に本発明(請求項12)は、前記第2の
火災覚知信号を入力したときに、前記静止熱画像作成手
段で作成された温度分布図に基づき重心位置計算を行う
重心位置計算手段に代えて、前記第2の火災覚知信号を
入力したときに、前記画像差分処理手段で行った差分処
理の残留画像に基づき重心位置計算を行う重心位置計算
手段を備えて構成した。
【0019】更に本発明(請求項13)は、前記第2の
火災覚知信号を入力したときに、前記静止熱画像作成手
段で作成された温度分布図に基づき高温部の面積計算を
行う高温部面積計算手段と、該高温部面積計算手段によ
り求められた第1の高温部面積値と所定時間経過後に再
び前記熱画像撮像手段から入力された情報信号に基づき
前記静止熱画像作成手段を介し前記高温部面積計算手段
で求められた第2の高温部面積値との間で高温部面積値
の変動のあったときは第3の火災覚知信号を出力し、高
温部面積値の変動の無かったときは再び前記熱画像撮像
手段による熱画像の撮像から順次同様の処理を実行させ
る高温部面積値変動判定手段とを備えて構成した。
【0020】更に本発明(請求項14)は、前記熱画像
撮像手段による熱画像の撮像から前記第3の火災覚知信
号を検出するまでの一連の処理を繰り返し行い、前記第
3の火災覚知信号を所定回数以上確認したときに火災検
出信号を出力する回数判定手段を備えて構成した。
【0021】更に本発明(請求項15)は、前記所定時
間は、前記熱画像撮像手段による熱画像の撮像から前記
静止熱画像作成手段による温度分布図の完成に至るまで
に要する動作時間以上とするが、該動作時間は少なくと
も0.01秒以上であるよう構成した。
【0022】更に本発明(請求項16)は、前記所定回
数は3回となるよう構成した。
【0023】更に本発明(請求項17)は、前記火災検
出信号を最初に入力したときに、前記火災源が非火災火
炎であることを初期設定し非火災火炎指定信号を出力す
る非火災火炎判断手段と、該非火災火炎判断手段から非
火災火炎指定信号が出力されているときは前記静止熱画
像作成手段で作成された温度分布図は非火災火炎に相当
する熱画像部分を削除した新たな温度分布図に置換し、
非火災火炎指定信号が出力されていないときは置換を行
わない非火災火炎削除手段とを備え、該非火災火炎削除
手段は前記静止熱画像作成手段の次部段に配設し、前記
非火災火炎削除手段で作成された温度分布図について以
降の画像差分処理、重心位置計算、若しくは高温部面積
計算を行うよう構成した。
【0024】更に本発明(請求項18)は、非火災火炎
等の存在位置を予め指定する非火災火炎等位置座標指定
手段と、火災源から放出された輻射熱あるいは光のエネ
ルギーを情報信号に置換する熱画像撮像手段と、該熱画
像撮像手段からの情報信号に基づき温度分布図を平面的
に作成する静止熱画像作成手段と、該静止熱画像作成手
段で作成された温度分布図中の高温部分が前記非火災火
炎等位置座標指定手段で指定した位置座標を含むか否か
を判断する非火災火炎等位置座標判定手段と、該非火災
火炎等位置座標判定手段で前記非火災火炎等位置座標指
定手段で指定した位置座標を含むと判断されたときは前
記静止熱画像作成手段で作成された温度分布図は非火災
火炎等に相当する熱画像部分を削除した新たな温度分布
図に置換し、指定した位置座標を含まないと判断された
ときは置換を行わない非火災火炎等削除手段と、該非火
災火炎等削除手段で作成された温度分布図中に高温部分
が残留するか否かを判断して残留しているときは火災覚
知信号を出力し、残留していないときは再び前記熱画像
撮像手段による熱画像の撮像から順次同様の処理を実行
させる成分残留判定手段とを備えて構成した。
【0025】更に本発明(請求項19)は、火災源から
放出された輻射熱あるいは光のエネルギーを情報信号に
置換する熱画像撮像手段と、該熱画像撮像手段からの情
報信号に基づき温度分布図を平面的に作成する静止熱画
像作成手段と、非火災火炎等の存在を指定する非火災火
炎等指定信号が出力されているか否かを判断する非火災
火炎等指定検出手段と、該非火災火炎等指定検出手段で
非火災火炎等指定信号が検出されたときは前記静止熱画
像作成手段で作成された温度分布図は非火災火炎等に相
当する熱画像部分を削除した新たな温度分布図に置換
し、非火災火炎等指定信号が検出されなかったときは置
換を行わない非火災火炎等削除手段と、該非火災火炎等
削除手段で作成された温度分布図中に高温部分が残留す
るか否かを判断して残留しているときは火災覚知信号を
出力し、残留していないときは再び前記熱画像撮像手段
による熱画像の撮像から順次同様の処理を実行させる成
分残留判定手段と、前記火災覚知信号を最初に入力した
ときに前記火災源が非火災火炎等であることを初期設定
して非火災火炎等指定信号を出力し、再び前記熱画像撮
像手段による熱画像の撮像から順次同様の処理を実行さ
せる非火災火炎等判断手段とを備えて構成した。
【0026】更に本発明(請求項20)は、非火災火炎
等の存在位置を予め指定する非火災火炎等位置座標指定
手段を前記熱画像撮像手段の前部段に備え、かつ前記静
止熱画像作成手段で作成された温度分布図中の高温部分
が前記非火災火炎等位置座標指定手段で指定された位置
座標を含むか否かを判断する非火災火炎等位置座標判定
手段と、前記非火災火炎等位置座標指定手段で指定した
位置座標を含むときは前記静止熱画像作成手段で作成さ
れた温度分布図は非火災火炎等に相当する熱画像部分を
削除した新たな温度分布図に置換し、指定された位置座
標を含まないときは置換を行わない非火災火炎等削除手
段と、該非火災火炎等削除手段で作成された温度分布図
中に高温部分が残留するか否かを判断して残留している
ときは火災覚知信号を出力し、残留していないときは再
び前記熱画像撮像手段による熱画像の撮像から順次同様
の処理を実行させる成分残留判定手段とを前記静止熱画
像作成手段の次部段に備え、前記非火災火炎等削除手段
で作成された温度分布図について以降の画像差分処理、
重心位置計算、高温部面積計算若しくは非火災火炎削除
を行うよう構成した。
【0027】更に本発明(請求項21)は、非火災火炎
等の存在を指定する非火災火炎等指定信号が出力されて
いるか否かを判断する非火災火炎等指定検出手段と、該
非火災火炎等指定検出手段で非火災火炎等指定信号が検
出されたときは前記静止熱画像作成手段で作成された温
度分布図は非火災火炎等に相当する熱画像部分を削除し
た新たな温度分布図に置換し、非火災火炎等指定信号が
検出されなかったときは置換を行わない非火災火炎等削
除手段と、該非火災火炎等削除手段で作成された温度分
布図中に高温部分が残留するか否かを判断して残留して
いるときは火災覚知信号を出力し、残留していないとき
は再び前記熱画像撮像手段による熱画像の撮像から順次
同様の処理を実行させる成分残留判定手段と、前記火災
覚知信号を最初に入力したときに前記火災源が非火災火
炎等であることを初期設定して非火災火炎等指定信号を
出力し、再び前記熱画像撮像手段による熱画像の撮像か
ら順次同様の処理を実行させる非火災火炎等判断手段と
を前記静止熱画像作成手段の次部段に備え、前記非火災
火炎等削除手段で作成された温度分布図について以降の
画像差分処理、重心位置計算、高温部面積計算若しくは
非火災火炎削除を行うよう構成した。
【0028】更に本発明(請求項22)は、前記熱画像
撮像手段で置換された情報信号に含まれる温度値を予め
設定した設定温度値と比較して設定温度値以上のときは
以降の画像差分処理、重心位置計算、高温部面積計算若
しくは非火災火炎削除を行い、設定温度値未満のときは
再び前記熱画像撮像手段による熱画像の撮像から順次同
様の処理を実行させる高温点検出手段を前記熱画像撮像
手段の次部段に備えて構成した。
【0029】更に本発明(請求項23)は、前記熱画像
撮像手段と前記静止熱画像作成手段に代えて、複数箇所
の熱画像を撮像する複数(N個)の前記熱画像撮像手段
と、該熱画像撮像手段からの情報信号に基づき作成され
た複数(N個)の温度分布図を複数枚(1以上N個以
下)の合成画面若しくは単一画面にて作成する合成画面
作成手段とを備えて構成した。
【0030】更に本発明(請求項24)は、前記熱画像
撮像手段に近接設置され、火災源までの距離計測を非接
触に行う距離計測手段と、該距離計測手段の方位角を前
記重心位置計算手段の重心位置計算結果に基づき制御す
る方位角制御手段とを備えて構成した。
【0031】更に本発明(請求項25)は、前記熱画像
撮像手段に近接設置され、火災源までの距離計測を非接
触に行う距離計測手段から監視領域内に定めた複数箇所
の指定位置までの方向と距離データを保存する方向距離
データ保存手段と、該方向距離データ保存手段に保存さ
れた方向を前記重心位置計算手段の重心位置計算結果と
比較し近似する方向を見いだす方向検出手段と、該方向
検出手段により検出された方向に基づき前記方向距離デ
ータ保存手段から対応する距離を推測する距離推測手段
とを備えて構成した。
【0032】更に本発明(請求項26)は、前記熱画像
撮像手段は広範囲の監視領域を監視可能な広角レンズを
備えた赤外線テレビカメラで構成した。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1乃至図9に本発明の第1の実施
形態を示す。図1において、赤外線テレビカメラ1は監
視領域内の火災を監視し、赤外光エネルギーを熱輻射と
して発せられるエネルギーとして取り扱い、温度等の情
報信号に置換するもので熱画像撮像手段に相当する。ビ
デオキャプチャ回路2は、赤外線テレビカメラ1で撮像
された情報信号に基づき温度分布図を平面的に作成する
もので静止熱画像作成手段に相当する。画像メモリ3、
4はビデオキャプチャ回路2から温度分布図の情報を取
り込み記憶保持するよう構成されている。また、画像メ
モリ5は画像メモリ3と画像メモリ4の間の演算結果を
保存するようになっている。FA(FACTORY A
UTOMATION)パーソナルコンピュータ6は、画
像メモリ3と画像メモリ4に保存された温度分布図情報
に基づき後述する種々の演算処理を実行し、またビデオ
キャプチャ回路2等のタイミング制御を行うように構成
されている。中央監視コンピュータ7はFAパーソナル
コンピュータ6からの火災情報に基づき火災警報等を行
うように構成されている。
【0034】次に図2のフローチャートに基づきその作
用を説明する。図2において、ステップ10(図中S1
0と示す。以下同様)で火災監視領域内での火災の監視
が開始される。そして、ステップ11で赤外線テレビカ
メラ1による撮像が行われ、撮像された情報信号に基づ
き温度分布図がビデオキャプチャ回路2により作成され
る。
【0035】ステップ12の工程は、高温点検出手段に
相当する。ステップ12では、ステップ11で赤外線テ
レビカメラ1により捉えた情報信号(温度と当該温度を
含む領域)中の温度に関し、予め設定した設定温度と比
較し、設定温度を越えたか否かを判断する。ここで、設
定温度は通常の背景温度を越える程度に設定すればよ
く、後述するように電球(蛍光灯等の種々の照明やその
他の熱源を含む。以下同じ。)の存在を考慮しなくても
良い程度に低く設定出来る(設定温度は以下同旨)。そ
して、捉えられた情報信号中に設定温度を越える部分が
全く無い様な場合には、ステップ11の赤外線テレビカ
メラ1による撮像からステップ12の温度分布図の作成
までの処理を繰り返し行い次のステップ13には進まな
いことを原則とする。その結果火災の監視時間間隔も早
くなり、火災の覚知速度が向上する。更に、画像差分処
理等のルーチンは設定温度値以上のときに初めて実行さ
れるため、計算機の処理に空きを作ることが出来る。し
かし、処理速度等を考慮しなければ次のステップ13以
降で火災であるか否かは判断出来、火災でなければステ
ップ11の赤外線テレビカメラ1による撮像から再び処
理をし直すので、そのままステップ13に進んでもよ
い。
【0036】ステップ13の工程は、画像差分処理手段
に相当する。ステップ13では、ステップ12で求めた
温度分布図と、更に所定時間を経た後に同様のステップ
11及びステップ12の各工程を繰り返して作成された
温度分布図の間の画像の差分処理を行う。最初の温度分
布図の情報は画像メモリ3に記憶保持され、次に作成さ
れた温度分布図の情報は画像メモリ4に記憶保持され
る。その後再び画像メモリ3、画像メモリ4と順次最新
の温度分布図の情報が画像メモリに繰り返し記憶保持さ
れる。画像の差分処理は、温度分布図に含まれる温度と
当該温度を含む領域の2要素について行われる。具体的
には、画像メモリ3と画像メモリ4の両画像メモリに記
憶保持されている画像を構成する最小単位である画素に
ついて、対応する画素に含まれる1か0の情報同士の差
を取りその後絶対値をとることで行う。一方、対応する
画素に含まれる1か0の情報について排他的論理和をと
ることによっても同じ処理が可能である。かかる場合も
画像の差分処理に含めて考える。差分された結果の画像
には温度等の2要素が存在することになるが、次工程の
処理を容易にするため予め設定しておいた設定温度値と
比較し2値状態の画像とする。差分処理の結果は、画像
メモリ5に記憶保持される。なお、設定温度値との比較
は、画像メモリ3と画像メモリ4の両画像メモリに記憶
保持されている画像について予め行うことも出来る。こ
の場合は、2値画像について差分を取ることになり温度
の要素についての差分が制約される。かかる方法も差分
処理に含めて考える。
【0037】ステップ14の工程は、差分成分残留判定
手段に相当する。ステップ14では、ステップ13で求
めた画像の差分処理の結果画像メモリ5に差分成分、例
えば1が残っている場合には差分成分残留と判断し、次
のステップ15に火災覚知信号を出力する。一方、画像
メモリ5に差分成分が残っていない場合には、ステップ
11の赤外線テレビカメラ1による撮像から再び同様の
処理を繰り返す。
【0038】図3には、実際の火炎について画像の差分
処理を行った様子を示す。燃焼による火炎は、よく知ら
れるように燃焼物の状態、酸素供給のバランスや熱によ
り発生する気流等により燃焼速度が変動しメラメラと形
状が変化し、その結果当然温度分布も変化する。うまく
制御すればバーナーのように殆ど変動が見られない安定
した火炎を形成することも可能であるが、実際の火炎で
は不安定であり、経時的に不規則に変動するものと考え
て差し支えない。(a)乃至(d)には、以降の説明を
容易にするためステップ12の設定温度による判定で2
値化したと仮定した場合の温度分布図を示す(実際の温
度分布図は、温度を多値化した状態で温度と当該温度を
含む領域の2要素について差分処理を行っている。)。
後述する各図についても同様である。図中(a)の画面
1から(d)の画面4まで時間の経過に連れて火炎の外
形は変動する。(e)、(f)、(g)は、例えば
(e)が画像メモリ3と画像メモリ4の両画像メモリに
記憶保持されていた画面1と画面2の各温度分布図につ
いて、画像同士の差分をとったものである。温度分布図
の差分をとった結果は画像メモリ5に記憶保持される。
(e)、(f)、(g)を見て分かる様に、火炎の場合
には差分処理の結果差分成分が残るため火災と覚知さ
れ、次工程であるステップ15に第1の火災覚知信号が
出力される。
【0039】図4には、火炎と同様に赤外線エネルギー
を発するため、前述した設定温度による判定のみでは火
災と区別し難い電球について画像の差分処理を行った様
子を示す。電球は連続点灯していれば光エネルギーの発
生源として安定であり、当然形状は不変であるし表示温
度分布も経時的に安定であるという特性を有する。今電
球はずっと点灯状態であるとすると、電球の温度分布図
の外形及び温度は変わらないため、(e)、(f)、
(g)に示す様に画像の差分処理を行った結果は何も残
らない。従って、温度分布図の差分処理をとることによ
り火災と区別することが出来る。
【0040】次に、ステップ15の工程は、重心位置計
算手段に相当する。ステップ15では、ステップ14か
ら第1の火災覚知信号を入力するとステップ14で求め
られた画像メモリ5に記憶保持された温度分布図の差分
結果に基づき、画像の重心位置計算を行う。係る重心位
置計算を行うのは、ステップ14により火災覚知ができ
る訳であるが、なお実際の火災でない場合と誤認される
可能性があるからである。図5にその想定される場合を
示す。例えば、松明を手に持ち人が歩き回る様な場合に
は、図中(a)の画面1から(d)の画面4まで時間の
経過に連れて火炎の位置は移動する。この(a)乃至
(d)の各温度分布図は画像メモリ3と画像メモリ4に
順次最新の情報として記憶保持されている。そして、温
度分布図の差分処理をとった結果は(e)、(f)、
(g)に示す様に差分成分が残るため火災と覚知されて
しまい、誤報に繋がる。しかし、実際の火災はその重心
位置を変えることが可能性として非常に少ないため、重
心位置を求めその変動が誤差範囲内かどうか判定するこ
とで火災か否かを区別することが出来る。このことより
(e)、(f)、(g)の場合は、その重心位置が
(e)、(f)、(g)と時間が進むにつれて右方向に
移動しているため、火災ではないと判断することが出来
る。重心位置計算は、差分処理の結果が記憶保持されて
いる画像メモリ5について、X座標とY座標の各座標に
ついて数値の平均化を行うことにより重心位置座標(X
1,Y1)を求める。
【0041】なお、本実施形態で重心位置計算は差分処
理の結果の画面について行うとしたが、その他の方法と
して、ステップ11で作成した画像メモリ3又は画像メ
モリ4に記憶保持された温度分布図について重心位置計
算を行ってもよい。この場合は、予め設定しておいた設
定温度値と比較し2値状態の画像とした上で重心位置計
算を行う。また、円、菱形若しくは四角形の重心は図形
の中心であるという性質を利用して、画像メモリ5の差
分された画像(若しくは画像メモリ3又は画像メモリ4
に記憶保持された温度分布図中の高温部)の外縁を内包
するような最小円若しくは最小四角形等を求めその中心
を重心位置と擬制してもよい。この場合、火炎による差
分処理結果の真実の重心位置とは多少ずれを生ずるた
め、誤差範囲に多少余裕を持たせる必要がある。これら
の方法による場合も重心位置計算手段に含めて考える。
【0042】ステップ16の工程は、重心位置変動判定
手段に相当する。ステップ16では、ステップ15で求
められた重心位置が変動しない場合には次工程であるス
テップ17に第2の火災覚知信号を出力し、重心位置が
変動する場合にはステップ11の赤外線テレビカメラ1
による撮像から同様の処理を繰り返す。
【0043】次に、ステップ17の工程は、高温部面積
計算手段に相当する。ステップ17では、ステップ16
から第2の火災覚知信号を入力すると画像メモリ3又は
画像メモリ4に記憶保持された最新の温度分布図につい
て、予め設定しておいた設定温度値と比較し2値状態の
画像とした上で高温部の面積計算を行う。係る面積計算
を行うのは、ステップ16迄の処理により精度の高い火
災覚知ができる訳であるが、なお実際の火災でない場合
と誤認される可能性が稀ではあるが存在するからであ
る。図6にその想定される場合を示す。例えば、図6に
示す様に電球が瞬時に2回点滅した場合を想定すると、
その差分処理結果は(e)、(f)、(g)の様に差分
成分が連続的に継続観測される。しかも、(e)、
(f)、(g)の重心位置は同一であるため、差分処理
及び重心位置計算によるだけでは火災と覚知されてしま
い、誤報に繋がる可能性がある。しかし、実際の火炎は
時々刻々その大きさを変化するものである。従って、画
像メモリ3又は画像メモリ4に記憶保持された最新の温
度分布図の面積計算を行い、その面積値を比較すること
で電球の様に面積値の変動の無い場合に生じる可能性の
ある火災との誤報を回避することが出来る。その他の方
法として、画像メモリ3又は画像メモリ4に記憶保持さ
れた最新の温度分布図の対応する画素に含まれる1か0
の情報について差分若しくは排他的論理和をとり、例え
ば1の成分が結果に残っていない場合を火災でないと判
断してもよい。この方法による場合も高温部面積計算手
段に含めて考える。
【0044】ステップ18の工程は、高温部面積値変動
判定手段に相当する。ステップ18では、ステップ17
による面積計算の結果面積の変動のあった場合には第3
の火災覚知信号を次工程であるステップ19に出力し、
面積の変動の無かった場合にはステップ11の赤外線テ
レビカメラ1による撮像から同様の処理を繰り返す。
【0045】ステップ19の工程は、回数判定手段に相
当する。ステップ19では、ステップ18から第3の火
災覚知信号を入力するとステップ11の赤外線テレビカ
メラ1による撮像から以降の各処理ステップを所定回数
繰り返す。係る処理回数の判定を行い各処理ステップを
繰り返すのは、ステップ11よりステップ18までの処
理により精度の高い火災覚知ができる訳であるが、なお
実際の火災でない場合と誤認される可能性が極めて稀に
ではあるが存在するからである。図6乃至図9にその想
定される場合を示す。例えば、図6に示す様に電球が瞬
時に2回点滅した場合を想定すると、その差分処理結果
は(e)、(f)、(g)の様に差分成分が連続的に3
回(所定回数3回)継続観測される。そして、(e)、
(f)、(g)の重心位置は不変である。しかし、この
場合には前述した様にステップ17よりステップ18ま
での高温部面積計算の結果、画面1と画面3についての
面積の変動は無いことから火炎では無いとして区別する
ことが出来る。この点は差分成分が連続的に4回以上継
続観測される場合でも同じである。図7には、差分成分
が連続的に4回(所定回数4回)継続観測された場合を
示す。この時も差分成分は残留し、かつ重心位置は変動
しないが高温部面積計算の結果、画面1、画面3及び画
面5についての面積の変動は無いことから火炎では無い
として区別することが出来る。
【0046】次に、今度は図8に示す様に差分成分が2
回(所定回数2回)継続して観測された場合を考察す
る。このケースは、電球が(c)の画面3の様にほんの
一瞬だけ点灯した場合に起こる。この時(g)、(h)
を見て分かる様に差分成分は残留し、かつ重心位置は変
動していない。また、画像メモリ3若しくは画像メモリ
4のいずれか一方に一回のみ高温部画像が存在したこと
になるから、高温部面積計算の結果は変動したことにな
り火災と誤認されることになる。
【0047】更に、今度は図9に示す様に差分成分が1
回(所定回数1回)だけ観測された場合を考察する。こ
のケースは、電球が途中点灯((A)に示す。)又は途
中消灯((B)に示す。)した場合に起こる。この時
(f)、(m)を見て分かる様に差分成分は残留し、か
つ重心位置の変動は検出されない。また、画面1と画面
3等を比較した高温部面積計算の結果は変動したことに
なり火災と誤認されることになる。以上考察した結果か
ら、所定回数を3回以上繰り返すことにすれば電球の点
滅する様な場合にも火災と誤認することを防ぐことが出
来る。この所定回数は、多ければ多い程火災覚知の確実
性は上がるが、火災覚知に要する判断時間が増加する。
一方で所定回数を少なくすれば、処理速度を上げること
になり火災覚知判断時間の短縮に繋がる。所定回数は1
回でも一通りの火災覚知は可能である。しかし、上述し
たように確実性を問題にすれば所定回数の下限は3回
(このとき熱画像は4回作成され処理されている。)で
ある。ステップ20では、ステップ10乃至ステップ1
9により覚知された火災検出信号が例えば中央監視コン
ピュータ7に送られ、火災警報や自動消火等が行われ
る。
【0048】次に、ビデオキャプチャ回路2に静止画像
をアクセスするタイミングは所定時間に相当するが、所
定時間は火炎の特性から以下の様に決定する。一般に火
炎の形状変化は毎秒十数回から数十回程度の頻度で発生
することが経験的に知られている。このことから、非常
に経過時間が少ない2つの火炎画像の差分処理を行って
も変化成分が微妙であり、変化を検知することが出来な
いことが分かる。顕著な変化成分の検出を可能にするた
めに、実際には0.1秒以上が望ましい。そこで、火炎
の形状変化を的確に把握するために赤外線テレビカメラ
の1フレーム撮像時間以上の時間間隔を所定時間の原則
とする。赤外線テレビカメラの1フレーム撮像時間は日
本の統一規格では30フレーム/秒であり、1フレーム
の撮像に要する時間はおよそ0.033秒となる。0.
033秒は上述した火炎の形状変化を的確に把握するの
に充分な時間である。なお、発明者の試行によれば所定
時間の下限は0.01秒であった。
【0049】以上、各処理ステップは従属的に説明して
きたが、差分処理、重心位置計算及び面積計算の各処理
手段は本来独立した性格のものであり、単一に若しくは
組み合わせにより構成することが可能である。単一に構
成した場合の請求項が請求項1乃至4に相当する。この
場合、例えばステップ10乃至ステップ14とステップ
19、20で構成したり(請求項1、4、22の実施形
態に相当する。)、ステップ10乃至ステップ12とス
テップ15、16及びステップ19、20で構成したり
(請求項2、4、22の実施形態に相当する。)、ステ
ップ10乃至ステップ12とステップ17乃至ステップ
20(請求項3、4、22の実施形態に相当する。)で
構成できる。これらの場合でも、従来行われてきた設定
温度値との比較に加え各処理を実行するため火災覚知の
精度は高い。次に2段に組み合わせた場合の請求項が請
求項5乃至9に相当する。例えば1例を示せば、ステッ
プ10乃至ステップ16とステップ19、20(請求項
7、9、22の実施形態に相当する。)で構成できる。
この場合、設定温度値との比較に加え各処理を2段分直
列に実行するため、火災覚知の精度は前記1段分に比べ
ずっと向上する。更に、3段に組み合わせた場合の請求
項が請求項10乃至14に相当する。例えば本実施形態
は、請求項7、13、14、22の構成の内の1例に相
当する。この場合、設定温度値との比較に加え各処理を
3段分直列に実行するため、火災覚知の精度は前記1段
分及び2段分に比べ確実に向上する。なお、ステップ1
3乃至ステップ20の各処理は、FAパーソナルコンピ
ュータ6に予め記憶された工程に従い実行される。ま
た、先述した赤外線テレビカメラ1には赤外線検出素子
等の単一受光素子と電動回転鏡の組み合わせによるもの
や、面受光によるもの等が考えられる。また、赤外線テ
レビカメラでは無いが焦電素子と電動回転鏡の組み合わ
せによるもの等も熱画像撮像手段に含むと考える。
【0050】次に、図10に本発明の第2の実施形態を
示す。ハード構成については、図1の第1実施形態の場
合と同じなので説明を省略する。以下図10のフローチ
ャートに従ってその作用を説明する。尚、第1実施形態
と同一のものには同一の符号を付して説明を省略する。
聖火やフレアスタック等の非火災火炎が監視領域内にあ
る場合、火災と同様火炎により生ずるものであるため、
それと火災との区別を付けることは困難である。そこ
で、一度火炎として検出された後にそれを非火災火炎と
指定することとする。具体的に説明すると、聖火やフレ
アスタックが監視されると、温度分布図の差分が残留
し、重心は変動せず、炎の面積は変動するため、ステッ
プ10乃至ステップ20の各処理によりまず火災検出信
号がステップ30に送出される。ステップ30では、こ
の火災検出信号が非火災火炎によるものであることを確
認し、ステップ31で非火災火炎指定を行う。非火災火
炎指定は環境に変化の無い限り、一度だけ最初の火災検
出信号を受けたときに指定すればよい。非火災火炎指定
が行われた場合には、ステップ15で既に計算済の当該
非火災火炎の重心位置座標が記憶保持される。ここで、
ステップ30及びステップ31の工程は非火災火炎判断
手段に相当する。火災検出信号が非火災火炎によるもの
でないときは、ステップ32により火災警報信号が例え
ば中央監視コンピュータ7等に送られ、火災警報や自動
消火等が行われる。
【0051】ステップ33では、ステップ11で求めら
れた温度分布図について非火災火炎指定が行われていな
い場合には、何も処理をせず次のステップ13に進む。
そして、非火災火炎指定が行われている場合には、ステ
ップ34で非火災火炎の重心位置座標を含む高温部領域
は画像メモリ3又は画像メモリ4に格納する際に、当該
高温部領域の画素値を0(赤外線テレビカメラ1の表示
レンジ内の最低温度)にセットした上で格納する。その
後は、ステップ13に進む。ここで、ステップ33及び
ステップ34は非火災火炎削除手段に相当する。この結
果、非火災火炎の重心位置座標を含む全ての形状の非火
災火炎は温度分布図から消去され、非火災火炎の影響を
受けずに火災の覚知が出来る。即ち、非火災火炎の近傍
に小規模若しくは遠方の火災が撮像された場合でも、こ
れらの火災を確実に覚知することが出来る。
【0052】なお、本実施形態では非火災火炎の重心位
置座標を含む全ての形状の非火災火炎を温度分布図から
消去するとしたが、他の方法として時々刻々の非火災火
炎の炎の形状を複数回撮像し、その温度分布図を画像メ
モリに保存しておき新たに撮像された非火災火炎の炎の
形状がこれらに類似した場合にはその非火災火炎の温度
分布図を削除するようにしてもよい。あるいは、この方
法と前述の重心位置座標を含む全ての形状の非火災火炎
を温度分布図から消去する方法と組み合わせてもよい。
かかる場合も非火災火炎削除手段に含めて考える。
【0053】また、上記実施形態では非火災火炎のみを
削除する構成としたが、これに限らず非火災火炎と他の
照明等の熱源(以下「非火災火炎等」という。)を含め
た形で最初に該当部分を温度分布図から削除するように
してもよい。この場合は、図10でステップ10の次部
段にステップ40(非火災火炎等位置座標指定)を、ま
たステップ33とステップ34に代えてステップ41
(非火災火炎等位置座標判定)とステップ42(非火災
火炎等削除)を設ける。そして、ステップ13とステッ
プ15乃至ステップ19及びステップ30乃至ステップ
32を省略し、ステップ14に代えてステップ43(成
分残留判定)を設けた構成とする(請求項18の実施形
態に相当する。図面は省略する。)。ここで、ステップ
40は非火災火炎等位置座標指定手段に、ステップ41
は非火災火炎等位置座標判定手段に、ステップ42は非
火災火炎等削除手段に、またステップ43は成分残留判
定手段に各々相当する。
【0054】本実施形態では、まずステップ40で非火
災火炎等の位置を予め指定する。その指定の仕方は、ス
テップ11で撮像される(若しくは撮像されると予測さ
れる)画像中の非火災火炎等の位置を画面に対応する座
標上で特定し、記憶保持する。ステップ41ではステッ
プ11で作成された温度分布図を予め設定しておいた設
定温度値と比較し、設定温度値を越えた部分について多
値状態(2値も含む。)の画像とする。そして、設定温
度値を越えた部分がステップ40で指定した位置座標を
含むか否かを判断する。指定した位置座標を含む場合に
はステップ42で温度分布図中の該当する高温部分を削
除する。そして、ステップ43で削除後の温度分布図中
に残留成分があるか否かが判断され、残留成分がある場
合には火災検出信号が出力される。この結果、非火災火
炎等の存在を予め画像上で排除した上で火災を判断出来
る。また、本構成を差分処理等と直列に組み合わせた構
成としたのが請求項20の実施形態に相当する。差分処
理等と組み合わせることで、火災の覚知を一層確実にす
ることが出来る。
【0055】更に、同様の観点から非火災火炎と照明等
を最初に温度分布図から削除する別実施形態を挙げる。
この場合、図10のステップ13とステップ15乃至ス
テップ19を省略し、ステップ14に代えてステップ4
3(成分残留判定)を設けた構成とする(請求項19の
実施形態に相当する。図面は省略する。)。ここで、各
ステップ中の「非火災火炎」は「非火災火炎等」と読み
代える。
【0056】本実施形態では最初に非火災火炎等の指定
はされておらず、非火災火炎等が監視領域内に存在する
場合にはステップ43で高温部の残留成分があるため、
火災検出信号が出力される。この時、ステップ43では
予め設定した設定温度値と比較し2値状態にした上で残
留成分の有無が判定される。その後、ステップ30で非
火災火炎等の存在を確認し、ステップ31で非火災火炎
等指定信号を出力し、再びステップ11の赤外線テレビ
カメラ1による撮像から繰り返す。そして、ステップ3
3で非火災火炎等指定信号を検出した場合には、ステッ
プ34で温度分布図中の非火災火炎等に該当する高温部
分を削除する。次に、ステップ43で高温部の残留成分
が残っているか否か判断し、残っている場合には火災検
出信号が出力される。この結果、非火災火炎等の存在を
予め画像上で排除した上で火災を判断出来る。また、本
構成を差分処理等と直列に組み合わせた構成としたのが
請求項21の実施形態に相当する。差分処理等と組み合
わせることで、火災の覚知を一層確実にすることが出来
る。
【0057】なお、上述した温度分布図には画像処理技
術上ラベリング(走査線に沿って高温部領域を逐次検出
し当該領域にナンバーを付していく。)という手法が施
されている。従って、作成された一枚の温度分布図中に
複数の高温部領域が存在する場合には、それぞれの高温
部領域にラベリングが施され区別がされる。その結果、
複数の火災が同時に発生した場合でもそれぞれの高温部
領域毎に重心等が求められる。
【0058】次に、図11乃至図13に本発明の第3の
実施形態を示す。尚、第1実施形態と同一のものには同
一の符号を付して説明を省略する。図11において、赤
外線テレビカメラ1は複数箇所の火災を監視するため、
赤外線テレビカメラ1a乃至1dの様に複数台(この場
合4台)設置されている。選択切り換えスイッチ10
は、赤外線テレビカメラ1a乃至1dで撮像された情報
信号を、選択的に画像単位で切り換える様に構成されて
いる。仮に、選択切り換えスイッチ10を設けなかった
場合の構成は、図12に示すようになる。この場合、複
数台のビデオキャプチャ回路2a乃至2d、画像メモリ
3a乃至3d、画像メモリ4a乃至4d及び画像メモリ
5a乃至5dが必要となる。
【0059】以下、図11乃至図13に基づいてその作
用を説明する。尚、第1実施形態と同一のものには同一
の符号を付して説明を省略する。大空間建築物の内部空
間や工場等のプラント設備を監視する場合には、監視手
段として複数台の赤外線テレビカメラ1が必要となる。
図12は、複数台の赤外線テレビカメラ1a乃至1dで
撮像された情報信号をそれぞれのビデオキャプチャ回路
2a乃至2dに取り込み、対応する画像メモリ3a乃至
3d、画像メモリ4a乃至4d及び画像メモリ5a乃至
5dに記憶保持する場合を示す。一方図11は、選択切
り換えスイッチ10により情報信号を選択的に切り換え
ることで、以降のビデオキャプチャ回路2、画像メモリ
3、画像メモリ4及び画像メモリ5は一つで兼用する場
合を示す。いずれも、各赤外線テレビカメラ1a乃至1
dで撮像された情報信号を画像単位で時分割にシリアル
処理する点で共通するが、図11は、図12に比べ構成
部品点数の少ない点で有利である。この場合、画面は一
枚毎の単一画面で処理される。
【0060】図13は、各赤外線テレビカメラ1a乃至
1dで撮像された情報信号に基づき作成された複数(こ
の場合4つ)の温度分布図(a)乃至(d)を、一枚の
画面(e)に合成した場合を示す。また、この合成画面
は必ずしも1枚にする必要は無く、例えば3つの温度分
布図を、一枚の画面に合成して残りの1つの温度分布図
を単一の温度分布図として合計2枚の画面を作成しても
よい。従って、4つの温度分布図が存在する場合には、
温度分布図の組み合わせにより1乃至3枚のいずれかの
合成画面が作成可能である。そして、作成された合成画
面若しくは単一画面は画面完成の都度順次画像メモリ3
及び画像メモリ4に記憶保持され、以下のステップ13
による差分処理等はこの合成画面若しくは単一画面につ
いて一枚ずつシリアルに行われる。その結果、接続赤外
線テレビカメラ1の増加に伴う処理速度の遅延を防止出
来、火災覚知判断時間の短縮に繋がる。なお、合成画面
作成手段には先述した画面が一枚毎の単一画面で作成さ
れた場合と、図13の例で示したように合成画面若しく
は単一画面の組み合わせにて作成された場合の両方を含
めて考える。
【0061】次に、図14に本発明の第4の実施形態を
示す。尚、第1実施形態と同一のものには同一の符号を
付して説明を省略する。レーザレーダ8は、レーザ光に
より火災源までの距離計測が可能なレーダ装置で構成す
る。またレーザレーダ8は、赤外線テレビカメラ1に近
接して設置され、計測された距離データはFAパーソナ
ルコンピュータ6に送られる様になっている。電動雲台
9は、レーザレーダ8を搭載しFAパーソナルコンピュ
ータ6からの方向制御指令に基づき、自由に360度回
動自在な様に構成されている。ここで、レーザレーダ8
及び電動雲台9は、距離計測手段に相当する。方位角制
御手段は(図面中に記載は省略してあるが、FAパーソ
ナルコンピュータ6で構成される。)、ステップ15に
よる重心位置計算結果に基づき電動雲台9に方向制御指
令を出力し、火炎の重心位置にレーザレーダ8の方位角
を制御するように構成されている。
【0062】次に、その作用を説明する。尚、第1実施
形態と同一のものには同一の符号を付して説明を省略す
る。ステップ20により火災覚知信号が検出されると、
ステップ15により求められた火炎の重心位置計算結果
に基づき方位角制御手段より方向制御指令が電動雲台9
に出力される。電動雲台9は旋回及び俯仰の2軸で回動
自在であり、監視領域内に適宜レーザレーダ8を方向制
御する。電動雲台9が指定された方向に定まると、レー
ザレーダ8よりレーザ光が発せられその反射により火炎
までの距離が計測される。測定された距離はFAパーソ
ナルコンピュータ6に送られる。その結果、1台の火災
覚知センサのみで火炎までの距離が計測され、火炎の重
心位置座標に加えることで火点位置座標を3次元座標で
覚知することが出来る。即ち、火炎の方向と火炎までの
距離と火炎の規模の3つの要素を把握することが出来
る。そして,覚知された火災情報は中央監視コンピュー
タ7に送られ、火災警報や自動放水等がなされる。な
お、レーザレーダ8は他に超音波等を利用した構成であ
ってもよい。
【0063】また、火炎に伴う発煙によりレーザ光によ
る距離測定が不能となる場合も想定されるが、事前に監
視領域内を等間隔の碁盤の目に切りその各点までの方向
と距離を測っておき、火災発生時に火点位置(重心位置
方向)と最初に測定してあった方向・距離データを照合
することによって火点の3次元位置座標を確定してもよ
い。この場合は請求項25に記載した発明に相当する。
【0064】次に、本発明の第5の実施形態について説
明する。図面中に記載は省略してあるが、赤外線テレビ
カメラ1のレンズには広範囲の監視領域を一度に監視可
能な様に広角レンズ(発明者は180度の広視野角を有
する広角レンズを開発した。)を備えて構成する。次
に、その作用を説明する。赤外線テレビカメラ1に広角
レンズを装備したことで、赤外線テレビカメラ1を搭載
する目的での電動雲台は不要となり、何ら方位角の制御
をすることなく瞬時の内に広範囲の監視領域の撮像が可
能となる。その結果、監視領域全体を掃引する必要は少
なくなり、処理時間即ち火災覚知判断時間の短縮に繋が
る。また掃引には機械的な移動を伴うが、赤外線テレビ
カメラ1が同一地点に戻った場合に機械精度によるずれ
から監視画像に誤差を生ずるということは無くなる。更
に、電動雲台等の部品やその制御回路も不要になるため
設備費の低減に繋がる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明(請求項1乃
至請求項4)によれば、設定温度値との比較に加え、画
像差分処理、重心位置計算、若しくは高温部面積計算の
いずれかの処理を行い火災の覚知を行う構成としたの
で、火炎の形状の変化、火炎の重心の変化又は火炎の大
きさの変化を経時的に把握出来、設定温度による火災の
判別に加えより一層の精度を上げることが出来る。この
ため、設定温度を低く抑え、照明レベル以下の小さな火
災や遠方の火災または極めて初期状態の火災等を早期に
覚知することが出来、火災覚知の性能が向上する。
【0066】また、本発明(請求項5乃至請求項9)に
よれば、設定温度値との比較に加え、画像差分処理、重
心位置計算、若しくは高温部面積計算の各処理を適宜2
段直列に組み合わせる構成としたので、請求項1乃至請
求項4の構成に比べより確実に小さな火災等を覚知する
ことが出来る。
【0067】更に、本発明(請求項10乃至請求項1
4)によれば、設定温度値との比較に加え、画像差分処
理、重心位置計算、若しくは高温部面積計算の各処理を
適宜3段直列に組み合わせる構成としたので、請求項5
乃至請求項9の構成に比べより確実に小さな火災等を覚
知することが出来る。
【0068】更に、本発明(請求項15)によれば、静
止熱画像作成手段による温度分布図作成のアクセス時間
に下限を設けたことで、火炎の形状の微妙な変化を確実
に捉えることが出来る。
【0069】更に、本発明(請求項16)によれば、火
災覚知信号の所定回数の下限を定めたことにより電球等
が点滅したことによる火災との誤報を避けることが出
来、しかも火災覚知判断時間の短縮を図ることが出来
る。
【0070】更に、本発明(請求項17)によれば、火
災源が非火災火炎であるときは温度分布図から非火災火
炎に相当する熱画像部分を削除して以降の画像差分処理
等を行う構成としたので、火災と同様に温度分布図に現
れ、また火災と同様に炎の形状変化等を示す非火災火炎
の影響に基づく火災との誤報を避けることが出来る。更
に、本発明(請求項18)によれば、非火災火炎等位置
座標指定手段で非火災火炎等の存在位置を予め指定して
おき、指定した位置座標を含む温度分布図中の高温部分
は削除する構成としたので、監視領域内に常時存在する
ような非火災火炎等の影響を受けずに火災を覚知するこ
とが出来る。
【0071】更に、本発明(請求項19)によれば、非
火災火炎等判断手段で火災源が非火災火炎等であること
を判断し初期設定する。その後は非火災火炎等に相当す
る熱画像部分を削除する構成としたので、監視領域内に
常時存在するような非火災火炎等の影響を受けずに火災
を覚知することが出来る。
【0072】更に、本発明(請求項20)によれば、請
求項18による構成に加え、画像差分処理手段、重心位
置計算手段若しくは高温部面積計算手段等を適宜直列に
組み合わせる構成としたので、監視領域内に常時存在す
るような非火災火炎等の影響を受けずに火災を覚知する
ことが出来る。加えて、画像差分処理等の処理をも行う
ので火災の覚知がより確実に行える。
【0073】更に、本発明(請求項21)によれば、請
求項19による構成に加え、画像差分処理手段、重心位
置計算手段若しくは高温部面積計算手段等を適宜直列に
組み合わせる構成としたので、請求項20とほぼ同様に
火災の覚知が確実に行える。更に、本発明(請求項2
2)によれば、設定温度値を越えたときに次の画像差分
処理手段等を実行する構成としたので、火災の監視時間
間隔も早くなり、火災の覚知速度が向上する。また、計
算機の処理に空きを作ることが出来る。
【0074】更に、本発明(請求項23)によれば、複
数の熱画像撮像手段により撮像された温度分布図を合成
画面若しくは単一画面の組み合わせとした上で以降の画
像差分処理等の処理を行う構成としたので、熱画像撮像
手段の台数(N個)だけ画像メモリ等を要さず構成部品
点数が簡素化される。また、複数の熱画像撮像手段で撮
像された複数の温度分布図について、合成画面単位で同
時に以降の画像差分処理等の処理が可能となるので、処
理時間即ち火災覚知判断時間の短縮に繋がる。更に、本
発明(請求項24)によれば、火災源までの距離計測を
行う距離計測手段を設け、距離計測手段の方位角の制御
を方位角制御手段により行う構成としたので、1台の火
災覚知センサのみで火点位置を3次元位置座標として表
すことが出来、消火の際の自動消火等に役立てることが
出来る。
【0075】更に、本発明(請求項25)によれば、方
向距離データ保存手段の実測データと方向検出手段で求
められた火災源までの方向との対比から距離を推測する
構成としたので、距離計測手段が使用出来ないか、若し
くは距離計測手段を設置しない場合でも近似的に火災源
までの距離を推測出来、火点位置を3次元位置座標とし
て表すことが出来る。
【0076】更に、本発明(請求項26)によれば、広
角レンズを赤外線テレビカメラに備えたことで、監視領
域全体を掃引する必要は少なくなり、処理時間即ち火災
覚知判断時間の短縮に繋がる。また掃引には機械的な移
動を伴うが、熱画像撮像手段が同一地点に戻った場合に
機械精度によるずれから監視画像に誤差を生ずるという
ことは無くなる。
【0077】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示す火災覚知センサ
の構成図
【図2】 本発明の第1実施形態を示す火災覚知センサ
のフローチャート
【図3】 画像差分処理を火炎に適用した場合の温度分
布図画面
【図4】 画像差分処理を電球(継続点灯)に適用した
場合の温度分布図画面
【図5】 重心位置の変動を示す温度分布図画面
【図6】 画像差分処理を電球(2回点滅)に適用した
場合の温度分布図画面
【図7】 画像差分処理を電球(3回点滅)に適用した
場合の温度分布図画面
【図8】 画像差分処理を電球(1回点滅)に適用した
場合の温度分布図画面
【図9】 画像差分処理を電球(途中点灯(A)、途中
消灯(B))に適用した場合の温度分布図画面
【図10】 本発明の第2実施形態を示す火災覚知セン
サのフローチャート
【図11】 本発明の第3実施形態を示す火災覚知セン
サの構成図の一例
【図12】 本発明の第3実施形態を示す火災覚知セン
サの構成図の別例
【図13】 本発明の第3実施形態を示す合成画面の概
念図
【図14】 本発明の第4実施形態を示す火災覚知セン
サの構成図
【図15】 赤外線テレビカメラによる火炎及び電球の
表示温度測定データ
【符号の説明】
1 赤外線テレビカメラ 2 ビデオキャプチャ回路 3 画像メモリ 4 画像メモリ 5 画像メモリ 6 FAパーソナルコンピュータ 7 中央監視コンピュータ 8 レーザレーダ 9 電動雲台 10 選択切り換えスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上原 茂男 千葉県印旛郡印西町大塚一丁目5番 株式 会社竹中工務店技術研究所内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火災源から放出された輻射熱あるいは光
    のエネルギーを情報信号に置換する熱画像撮像手段と、
    該熱画像撮像手段からの情報信号に基づき温度分布図を
    平面的に作成する静止熱画像作成手段と、該静止熱画像
    作成手段で作成された第1の温度分布図と所定時間経過
    後に再び前記熱画像撮像手段から入力された情報信号に
    基づき前記静止熱画像作成手段で作成された第2の温度
    分布図との間で画像の差分処理を行う画像差分処理手段
    と、該画像差分処理手段で行った差分処理の結果差分成
    分が残留しているときは第1の火災覚知信号を出力し、
    差分成分が残留していないときは再び前記熱画像撮像手
    段による熱画像の撮像から順次同様の処理を実行させる
    差分成分残留判定手段とを備えて構成したことを特徴と
    する火災覚知センサ。
  2. 【請求項2】 火災源から放出された輻射熱あるいは光
    のエネルギーを情報信号に置換する熱画像撮像手段と、
    該熱画像撮像手段からの情報信号に基づき温度分布図を
    平面的に作成する静止熱画像作成手段と、該静止熱画像
    作成手段で作成された温度分布図に基づき重心位置計算
    を行う重心位置計算手段と、該重心位置計算手段により
    求められた第1の重心位置と所定時間経過後に再び前記
    熱画像撮像手段から入力された情報信号に基づき前記静
    止熱画像作成手段を介し前記重心位置計算手段により求
    められた第2の重心位置との間で重心位置の変動の無か
    ったときは第1の火災覚知信号を出力し、重心位置の変
    動のあったときは再び前記熱画像撮像手段による熱画像
    の撮像から順次同様の処理を実行させる重心位置変動判
    定手段とを備えて構成したことを特徴とする火災覚知セ
    ンサ。
  3. 【請求項3】 火災源から放出された輻射熱あるいは光
    のエネルギーを情報信号に置換する熱画像撮像手段と、
    該熱画像撮像手段からの情報信号に基づき温度分布図を
    平面的に作成する静止熱画像作成手段と、該静止熱画像
    作成手段で作成された温度分布図に基づき高温部の面積
    計算を行う高温部面積計算手段と、該高温部面積計算手
    段により求められた第1の高温部面積値と所定時間経過
    後に再び前記熱画像撮像手段から入力された情報信号に
    基づき前記静止熱画像作成手段を介し前記高温部面積計
    算手段で求められた第2の高温部面積値との間で高温部
    面積値の変動のあったときは第1の火災覚知信号を出力
    し、高温部面積値の変動の無かったときは再び前記熱画
    像撮像手段による熱画像の撮像から順次同様の処理を実
    行させる高温部面積値変動判定手段とを備えて構成した
    ことを特徴とする火災覚知センサ。
  4. 【請求項4】 前記熱画像撮像手段による熱画像の撮像
    から前記第1の火災覚知信号を検出するまでの一連の処
    理を繰り返し行い、前記第1の火災覚知信号を所定回数
    以上確認したときに火災検出信号を出力する回数判定手
    段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の火災覚知センサ。
  5. 【請求項5】 前記第1の火災覚知信号を入力したとき
    に、前記静止熱画像作成手段で作成された第1の温度分
    布図と所定時間経過後に再び前記熱画像撮像手段から入
    力された情報信号に基づき前記静止熱画像作成手段で作
    成された第2の温度分布図との間で画像の差分処理を行
    う画像差分処理手段と、該画像差分処理手段で行った差
    分処理の結果差分成分が残留しているときは第2の火災
    覚知信号を出力し、差分成分が残留していないときは再
    び前記熱画像撮像手段による熱画像の撮像から順次同様
    の処理を実行させる差分成分残留判定手段とを備えて構
    成したことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の火
    災覚知センサ。
  6. 【請求項6】 前記第1の火災覚知信号を入力したとき
    に、前記静止熱画像作成手段で作成された温度分布図に
    基づき重心位置計算を行う重心位置計算手段と、該重心
    位置計算手段により求められた第1の重心位置と所定時
    間経過後に再び前記熱画像撮像手段から入力された情報
    信号に基づき前記静止熱画像作成手段を介し前記重心位
    置計算手段により求められた第2の重心位置との間で重
    心位置の変動の無かったときは第2の火災覚知信号を出
    力し、重心位置の変動のあったときは再び前記熱画像撮
    像手段による熱画像の撮像から順次同様の処理を実行さ
    せる重心位置変動判定手段とを備えて構成したことを特
    徴とする請求項1又は請求項3記載の火災覚知センサ。
  7. 【請求項7】 前記第1の火災覚知信号を入力したとき
    に、前記静止熱画像作成手段で作成された温度分布図に
    基づき重心位置計算を行う重心位置計算手段に代えて、
    前記第1の火災覚知信号を入力したときに、前記画像差
    分処理手段で行った差分処理の残留画像に基づき重心位
    置計算を行う重心位置計算手段を備えて構成したことを
    特徴とする請求項6記載の火災覚知センサ。
  8. 【請求項8】 前記第1の火災覚知信号を入力したとき
    に、前記静止熱画像作成手段で作成された温度分布図に
    基づき高温部の面積計算を行う高温部面積計算手段と、
    該高温部面積計算手段により求められた第1の高温部面
    積値と所定時間経過後に再び前記熱画像撮像手段から入
    力された情報信号に基づき前記静止熱画像作成手段を介
    し前記高温部面積計算手段で求められた第2の高温部面
    積値との間で高温部面積値の変動のあったときは第2の
    火災覚知信号を出力し、高温部面積値の変動の無かった
    ときは再び前記熱画像撮像手段による熱画像の撮像から
    順次同様の処理を実行させる高温部面積値変動判定手段
    とを備えて構成したことを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載の火災覚知センサ。
  9. 【請求項9】 前記熱画像撮像手段による熱画像の撮像
    から前記第2の火災覚知信号を検出するまでの一連の処
    理を繰り返し行い、前記第2の火災覚知信号を所定回数
    以上確認したときに火災検出信号を出力する回数判定手
    段を備えたことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1
    項に記載の火災覚知センサ。
  10. 【請求項10】 前記第2の火災覚知信号を入力したと
    きに、前記静止熱画像作成手段で作成された第1の温度
    分布図と所定時間経過後に再び前記熱画像撮像手段から
    入力された情報信号に基づき前記静止熱画像作成手段で
    作成された第2の温度分布図との間で画像の差分処理を
    行う画像差分処理手段と、該画像差分処理手段で行った
    差分処理の結果差分成分が残留しているときは第3の火
    災覚知信号を出力し、差分成分が残留していないときは
    再び前記熱画像撮像手段による熱画像の撮像から順次同
    様の処理を実行させる差分成分残留判定手段とを備えて
    構成したことを特徴とする請求項6、7又は8記載の火
    災覚知センサ。
  11. 【請求項11】 前記第2の火災覚知信号を入力したと
    きに、前記静止熱画像作成手段で作成された温度分布図
    に基づき重心位置計算を行う重心位置計算手段と、該重
    心位置計算手段により求められた第1の重心位置と所定
    時間経過後に再び前記熱画像撮像手段から入力された情
    報信号に基づき前記静止熱画像作成手段を介し前記重心
    位置計算手段により求められた第2の重心位置との間で
    重心位置の変動の無かったときは第3の火災覚知信号を
    出力し、重心位置の変動のあったときは再び前記熱画像
    撮像手段による熱画像の撮像から順次同様の処理を実行
    させる重心位置変動判定手段とを備えて構成したことを
    特徴とする請求項5又は請求項8記載の火災覚知セン
    サ。
  12. 【請求項12】 前記第2の火災覚知信号を入力したと
    きに、前記静止熱画像作成手段で作成された温度分布図
    に基づき重心位置計算を行う重心位置計算手段に代え
    て、前記第2の火災覚知信号を入力したときに、前記画
    像差分処理手段で行った差分処理の残留画像に基づき重
    心位置計算を行う重心位置計算手段を備えて構成したこ
    とを特徴とする請求項11記載の火災覚知センサ。
  13. 【請求項13】 前記第2の火災覚知信号を入力したと
    きに、前記静止熱画像作成手段で作成された温度分布図
    に基づき高温部の面積計算を行う高温部面積計算手段
    と、該高温部面積計算手段により求められた第1の高温
    部面積値と所定時間経過後に再び前記熱画像撮像手段か
    ら入力された情報信号に基づき前記静止熱画像作成手段
    を介し前記高温部面積計算手段で求められた第2の高温
    部面積値との間で高温部面積値の変動のあったときは第
    3の火災覚知信号を出力し、高温部面積値の変動の無か
    ったときは再び前記熱画像撮像手段による熱画像の撮像
    から順次同様の処理を実行させる高温部面積値変動判定
    手段とを備えて構成したことを特徴とする請求項5、6
    又は7記載の火災覚知センサ。
  14. 【請求項14】 前記熱画像撮像手段による熱画像の撮
    像から前記第3の火災覚知信号を検出するまでの一連の
    処理を繰り返し行い、前記第3の火災覚知信号を所定回
    数以上確認したときに火災検出信号を出力する回数判定
    手段を備えたことを特徴とする請求項10〜13のいず
    れか1項に記載の火災覚知センサ。
  15. 【請求項15】 前記所定時間は、前記熱画像撮像手段
    による熱画像の撮像から前記静止熱画像作成手段による
    温度分布図の完成に至るまでに要する動作時間以上とす
    るが、該動作時間は少なくとも0.01秒以上であるこ
    とを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の
    火災覚知センサ。
  16. 【請求項16】 前記所定回数は3回であることを特徴
    とする請求項4、9又は14記載の火災覚知センサ。
  17. 【請求項17】 前記火災検出信号を最初に入力したと
    きに、前記火災源が非火災火炎であることを初期設定し
    非火災火炎指定信号を出力する非火災火炎判断手段と、
    該非火災火炎判断手段から非火災火炎指定信号が出力さ
    れているときは前記静止熱画像作成手段で作成された温
    度分布図は非火災火炎に相当する熱画像部分を削除した
    新たな温度分布図に置換し、非火災火炎指定信号が出力
    されていないときは置換を行わない非火災火炎削除手段
    とを備え、該非火災火炎削除手段は前記静止熱画像作成
    手段の次部段に配設し、前記非火災火炎削除手段で作成
    された温度分布図について以降の画像差分処理、重心位
    置計算、若しくは高温部面積計算を行うことを特徴とす
    る請求項4、9、14、15又は16記載の火災覚知セ
    ンサ。
  18. 【請求項18】 非火災火炎等の存在位置を予め指定す
    る非火災火炎等位置座標指定手段と、火災源から放出さ
    れた輻射熱あるいは光のエネルギーを情報信号に置換す
    る熱画像撮像手段と、該熱画像撮像手段からの情報信号
    に基づき温度分布図を平面的に作成する静止熱画像作成
    手段と、該静止熱画像作成手段で作成された温度分布図
    中の高温部分が前記非火災火炎等位置座標指定手段で指
    定した位置座標を含むか否かを判断する非火災火炎等位
    置座標判定手段と、該非火災火炎等位置座標判定手段で
    前記非火災火炎等位置座標指定手段で指定した位置座標
    を含むと判断されたときは前記静止熱画像作成手段で作
    成された温度分布図は非火災火炎等に相当する熱画像部
    分を削除した新たな温度分布図に置換し、指定した位置
    座標を含まないと判断されたときは置換を行わない非火
    災火炎等削除手段と、該非火災火炎等削除手段で作成さ
    れた温度分布図中に高温部分が残留するか否かを判断し
    て残留しているときは火災覚知信号を出力し、残留して
    いないときは再び前記熱画像撮像手段による熱画像の撮
    像から順次同様の処理を実行させる成分残留判定手段と
    を備えて構成したことを特徴とする火災覚知センサ。
  19. 【請求項19】 火災源から放出された輻射熱あるいは
    光のエネルギーを情報信号に置換する熱画像撮像手段
    と、該熱画像撮像手段からの情報信号に基づき温度分布
    図を平面的に作成する静止熱画像作成手段と、非火災火
    炎等の存在を指定する非火災火炎等指定信号が出力され
    ているか否かを判断する非火災火炎等指定検出手段と、
    該非火災火炎等指定検出手段で非火災火炎等指定信号が
    検出されたときは前記静止熱画像作成手段で作成された
    温度分布図は非火災火炎等に相当する熱画像部分を削除
    した新たな温度分布図に置換し、非火災火炎等指定信号
    が検出されなかったときは置換を行わない非火災火炎等
    削除手段と、該非火災火炎等削除手段で作成された温度
    分布図中に高温部分が残留するか否かを判断して残留し
    ているときは火災覚知信号を出力し、残留していないと
    きは再び前記熱画像撮像手段による熱画像の撮像から順
    次同様の処理を実行させる成分残留判定手段と、前記火
    災覚知信号を最初に入力したときに前記火災源が非火災
    火炎等であることを初期設定して非火災火炎等指定信号
    を出力し、再び前記熱画像撮像手段による熱画像の撮像
    から順次同様の処理を実行させる非火災火炎等判断手段
    とを備えて構成したことを特徴とする火災覚知センサ。
  20. 【請求項20】 非火災火炎等の存在位置を予め指定す
    る非火災火炎等位置座標指定手段を前記熱画像撮像手段
    の前部段に備え、かつ前記静止熱画像作成手段で作成さ
    れた温度分布図中の高温部分が前記非火災火炎等位置座
    標指定手段で指定された位置座標を含むか否かを判断す
    る非火災火炎等位置座標判定手段と、前記非火災火炎等
    位置座標指定手段で指定した位置座標を含むときは前記
    静止熱画像作成手段で作成された温度分布図は非火災火
    炎等に相当する熱画像部分を削除した新たな温度分布図
    に置換し、指定された位置座標を含まないときは置換を
    行わない非火災火炎等削除手段と、該非火災火炎等削除
    手段で作成された温度分布図中に高温部分が残留するか
    否かを判断して残留しているときは火災覚知信号を出力
    し、残留していないときは再び前記熱画像撮像手段によ
    る熱画像の撮像から順次同様の処理を実行させる成分残
    留判定手段とを前記静止熱画像作成手段の次部段に備
    え、前記非火災火炎等削除手段で作成された温度分布図
    について以降の画像差分処理、重心位置計算、高温部面
    積計算若しくは非火災火炎削除を行うことを特徴とする
    請求項1〜17のいずれか1項に記載の火災覚知セン
    サ。
  21. 【請求項21】 非火災火炎等の存在を指定する非火災
    火炎等指定信号が出力されているか否かを判断する非火
    災火炎等指定検出手段と、該非火災火炎等指定検出手段
    で非火災火炎等指定信号が検出されたときは前記静止熱
    画像作成手段で作成された温度分布図は非火災火炎等に
    相当する熱画像部分を削除した新たな温度分布図に置換
    し、非火災火炎等指定信号が検出されなかったときは置
    換を行わない非火災火炎等削除手段と、該非火災火炎等
    削除手段で作成された温度分布図中に高温部分が残留す
    るか否かを判断して残留しているときは火災覚知信号を
    出力し、残留していないときは再び前記熱画像撮像手段
    による熱画像の撮像から順次同様の処理を実行させる成
    分残留判定手段と、前記火災覚知信号を最初に入力した
    ときに前記火災源が非火災火炎等であることを初期設定
    して非火災火炎等指定信号を出力し、再び前記熱画像撮
    像手段による熱画像の撮像から順次同様の処理を実行さ
    せる非火災火炎等判断手段とを前記静止熱画像作成手段
    の次部段に備え、前記非火災火炎等削除手段で作成され
    た温度分布図について以降の画像差分処理、重心位置計
    算、高温部面積計算若しくは非火災火炎削除を行うこと
    を特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の火
    災覚知センサ。
  22. 【請求項22】 前記熱画像撮像手段で置換された情報
    信号に含まれる温度値を予め設定した設定温度値と比較
    して設定温度値以上のときは以降の画像差分処理、重心
    位置計算、高温部面積計算若しくは非火災火炎削除を行
    い、設定温度値未満のときは再び前記熱画像撮像手段に
    よる熱画像の撮像から順次同様の処理を実行させる高温
    点検出手段を前記熱画像撮像手段の次部段に備えたこと
    を特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の火
    災覚知センサ。
  23. 【請求項23】 前記熱画像撮像手段と前記静止熱画像
    作成手段に代えて、複数箇所の熱画像を撮像する複数
    (N個)の前記熱画像撮像手段と、該熱画像撮像手段か
    らの情報信号に基づき作成された複数(N個)の温度分
    布図を複数枚(1以上N個以下)の合成画面若しくは単
    一画面にて作成する合成画面作成手段とを備えて構成し
    たことを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記
    載の火災覚知センサ。
  24. 【請求項24】 前記熱画像撮像手段に近接設置され、
    火災源までの距離計測を非接触に行う距離計測手段と、
    該距離計測手段の方位角を前記重心位置計算手段の重心
    位置計算結果に基づき制御する方位角制御手段とを備え
    て構成したことを特徴とする請求項2、4、6、7、
    9、11、12、14、15、16、17、20又は2
    1記載の火災覚知センサ。
  25. 【請求項25】 前記熱画像撮像手段に近接設置され、
    火災源までの距離計測を非接触に行う距離計測手段から
    監視領域内に定めた複数箇所の指定位置までの方向と距
    離データを保存する方向距離データ保存手段と、該方向
    距離データ保存手段に保存された方向を前記重心位置計
    算手段の重心位置計算結果と比較し近似する方向を見い
    だす方向検出手段と、該方向検出手段により検出された
    方向に基づき前記方向距離データ保存手段から対応する
    距離を推測する距離推測手段とを備えて構成したことを
    特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の火災
    覚知センサ。
  26. 【請求項26】 前記熱画像撮像手段は広範囲の監視領
    域を監視可能な広角レンズを備えた赤外線テレビカメラ
    であることを特徴とする請求項1〜25のいずれか1項
    に記載の火災覚知センサ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11144166A (ja) * 1997-11-06 1999-05-28 Nohmi Bosai Ltd 火災検出装置
JP2001034864A (ja) * 1999-07-16 2001-02-09 Nippon Dry Chem Co Ltd 火災の火点位置検出装置
JP2017134611A (ja) * 2016-01-27 2017-08-03 国立大学法人弘前大学 火炎検出センサ及び火炎検出方法

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