JPH0960837A - 循環流動床燃焼における付着物の除去方法 - Google Patents

循環流動床燃焼における付着物の除去方法

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JPH0960837A
JPH0960837A JP23767595A JP23767595A JPH0960837A JP H0960837 A JPH0960837 A JP H0960837A JP 23767595 A JP23767595 A JP 23767595A JP 23767595 A JP23767595 A JP 23767595A JP H0960837 A JPH0960837 A JP H0960837A
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fluidized bed
combustion
heat recovery
heat
water concentration
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JP23767595A
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English (en)
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Yukiya Ito
征矢 伊藤
Shuichi Morioka
修一 守岡
Zenshi Okada
善嗣 岡田
Yukio Kubo
幸雄 久保
Taisuke Shibata
泰典 柴田
Katsuya Morimoto
勝哉 森本
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Cl化合物及びCa化合物を含む可燃物の循
環流動床燃焼において、流動物質の表面に付着している
付着物、伝熱管や炉内壁に付着している付着物を、短時
間で容易に剥離除去する。 【解決手段】 塩素化合物を含有する可燃物をカルシウ
ム化合物とともに燃焼させる燃焼流動層12と、この燃
焼流動層12からの燃焼排ガスに含まれるダストを分離
して、このダストを熱を回収する熱回収流動層44に導
入して熱を回収し、熱回収流動層44のダストを前記燃
焼流動層12に戻すようにした循環流動床燃焼方法にお
いて、熱回収流動層44内の流動ガス中の水分濃度を、
平常運転中の水分濃度よりも一時的に高くして、流動物
質に付着している付着物に水分を反応させて水和物と
し、この水和物の膨張により水和物にヒビ割れを生じさ
せて、付着物を流動物質から剥離させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素化合物及びカ
ルシウム化合物を含有する可燃物の流動床燃焼、カルシ
ウム化合物を供給しながら塩素化合物を含有する可燃物
を流動床燃焼させること、又はごみ転換燃料の流動床燃
焼において、流動物質(流動媒体)、伝熱管、炉内壁な
どの付着物(コーチング)の除去方法に関するものであ
る。なお、ごみ転換燃料(RDF、Refuse De
rived Fuel)とは、産業廃棄物、都市ごみな
どにカルシウム化合物を加えて成型した燃料を言う。
【0002】
【従来の技術】塩素化合物を含有する可燃物として、都
市ごみ、廃プラスチックなどがあり、これらの可燃物の
燃焼方法として流動床燃焼法が知られている。この方法
では、燃焼流動層内に伝熱管を設けたり、排ガス煙道内
に廃熱ボイラを設けたりして熱回収を行っている。これ
らの可燃物の燃焼によって、可燃物に含有されている塩
素化合物からHClが発生することが知られている。こ
のHClは伝熱管を腐食し、伝熱管の温度を高くすると
腐食が激しくなるので、伝熱管の温度が高くならないよ
うにして腐食を抑制している。このために、蒸気温度を
低くする必要性から、熱回収効率が低くなり熱回収効率
を高める研究が進められている。その手段として、耐食
材料の開発あるいはCaO、Ca(OH)2 などのCa
化合物を添加してHClと反応させて、HCl濃度を少
なくする方法が行われている。
【0003】特開平5−215309号公報には、流動
層のガス分散管内の付着物を剥離させるために、水蒸気
を断続的に供給する方法が記載されている。また、特開
平5−223213号公報には、流動層内に水蒸気を断
続的に供給して、流動層内の不動部を解除する方法が記
載されている。しかし、これらの公報に記載された方法
は、水蒸気の衝突エネルギーを利用して機械的に付着物
を剥離させたり、不動部を解除したりするものに過ぎ
ず、水和反応のような化学的過程は何も利用していな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような可燃物を
流動層で燃焼させると、流動床燃焼炉内壁、流動物質及
び伝熱管などの表面にCa化合物が付着して成長する現
象が起こる。流動物質の粒径としては、一般的に0.5
〜1mm程度が採用され、安定した流動状態が得られるよ
うに、空塔速度などの流動化条件が選定されているが、
流動物質の表面にCa化合物が付着し成長して、粒径が
大きくなると流動化開始速度が高くなり、同一空塔速度
では安定した流動状態が得られなくなる。また、伝熱管
などの表面に付着して成長すると、伝熱管での収熱が少
なくなるなどの弊害が発生する。このため、ボイラプラ
ントであれば所定の能力が出なくなるなどの重大なトラ
ブルとなる。
【0005】上記の問題点を解決するために、本発明者
は鋭意研究を重ねた結果、可燃物の種類によって流動層
内のガス中の水分濃度は異なるが、その水分濃度よりも
一時的に高くすることによって、流動物質の表面に付着
している付着物(コーチング)、あるいは伝熱管などに
付着している付着物(コーチング)が剥離することを見
い出した。本発明は上記の知見に基づきなされたもの
で、本発明の目的は、熱回収流動層部の流動ガス中の水
分濃度を一時的に高めることにより、流動物質の表面に
付着している付着物、伝熱管や炉内壁に付着している付
着物を短時間で効率よく剥離除去する方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の循環流動床燃焼における付着物の除去方
法は、塩素化合物を含有する可燃物をカルシウム化合物
とともに燃焼させる燃焼流動層と、この燃焼流動層から
の燃焼排ガスに含まれるダストを分離して、このダスト
を熱を回収する熱回収流動層に導入して熱を回収し、熱
回収流動層のダストを前記燃焼流動層に戻すようにした
循環流動床燃焼方法において、熱回収流動層内の流動ガ
ス中の水分濃度を、平常運転中の水分濃度よりも一時的
に高くして、流動物質に付着している付着物に水分を反
応させて水和物とし、この水和物の膨張により水和物に
ヒビ割れを生じさせて、付着物を流動物質から剥離させ
るように構成している。
【0007】上記の方法において、可燃物の燃焼は、塩
素化合物及びカルシウム化合物を含有する可燃物の燃
焼、カルシウム化合物を供給しながら塩素化合物を含有
する可燃物を燃焼させること、及びごみ転換燃料の燃焼
の少なくともいずれかである。水分濃度を一時的に高く
する方法として、熱回収流動層の流動化空気に水蒸気を
加えて、熱回収流動層内の流動ガス中の水分濃度を一時
的に高くしたり、熱回収流動層の流動化空気の少なくと
も一部として、燃焼流動層からの燃焼排ガスを一時的に
使用したり、燃焼流動層からの燃焼排ガス中に水蒸気を
加えて水分濃度を高くし、この燃焼排ガスを一時的に熱
回収流動層に循環して、熱回収流動層内の流動ガス中の
水分濃度を一時的に高くしたり、熱回収流動層に水を直
接添加して、熱回収流動層内の流動ガス中の水分濃度を
一時的に高くしたりする方法が採用される。
【0008】熱回収流動層内の流動ガス中の水分濃度が
100%(水蒸気のみ)であれば、より短時間で効果が
あるが、高価な水蒸気の使用量を低減して、経済的に実
施するとすれば、水分濃度を少なくとも20%、望まし
くは少なくとも40%とする。水分濃度が20%未満の
場合でも、付着物は剥離するが、付着物の剥離に時間が
かかりすぎる。熱回収流動層内には伝熱管を設けて熱回
収を図るとともに、伝熱管に付着した付着物を剥離させ
るように構成される。また、水分を一時的に高くする操
作を行うとともに、熱回収流動層温度を平常運転時の温
度より一時的に下げることも効果的である。
【0009】前述のように、Ca化合物及びCl化合物
を含有する可燃物の流動床燃焼を行うと、流動床炉内
壁、流動物質及び伝熱管などの表面にCa化合物が付着
して成長する現象が起こる。このような現象は、Cl化
合物を含有する可燃物の流動床燃焼をCa化合物を供給
しながら実施した場合、あるいはRDF(ごみ転換燃
料)の流動床燃焼でも認められる。生成した付着物の組
成分析を実施すると、Ca及びSiが主成分で、Fe、
Al、Na、K、Cl、Sなどが若干認められた。この
付着物を除去する方法について試験・研究をした結果、
「一時的に水蒸気濃度を高くする」ことで流動物質及び
伝熱管などの付着物が剥離することが明らかとなった。
付着物の剥離試験は、図3に示すルツボ試験設備で実施
した。1は電気炉、2はルツボ、3は空気分散板、4は
空気供給管、5は流動層で約0.5mmの珪砂を流動物質
として使用している。6は空気冷却の模擬伝熱管、7は
模擬伝熱管内部に設けた温度計、8は流動層内の温度
計、9は燃料供給口である。6の空気冷却の模擬伝熱管
内に供給する空気量を変えて、空冷模擬伝熱管6の外表
面に取りつけた熱電対(温度計7)で計測される温度を
自由に設定出来るようになっている。水分濃度は流動層
5に供給する空気に混入する水蒸気流量を変えて設定出
来るようになっている。10は排気管、11は風箱であ
る。なお、温度計7は空冷模擬伝熱管6の内側から取り
付けているが、管の外表面の温度を計測できるように構
成されている。
【0010】試験燃料は都市ごみから作ったRDFを使
用し、このRDFには都市ごみに含まれているClが概
略1%程度含まれており、また、Caも3%程度含まれ
ている。このRDFの燃焼を実施した結果、空冷模擬伝
熱管6外表面に付着物が生成して成長するにつれて、模
擬伝熱管6の表面温度が低下するのが観察された。これ
は、空冷模擬伝熱管6表面にCaを主成分とする付着物
の生成により、流動層5から伝熱管6への熱の供給が少
なくなったためである。また、試験開始時には新しい珪
砂を流動物質として使用したが、試験の継続につれて流
動物質の表面に白色付着物の成長が認められた。試験条
件は、流動層5温度が750℃、空冷模擬伝熱管6表面
温度が550℃、空塔速度が概略0.5m /s で1時
間、空冷模擬伝熱管6に付着物を生成させた。その時の
水分濃度は、概略5〜10%であった。すなわち、平常
運転中の流動層内の流動ガス中の水分濃度は概略5〜1
0%である。次いで、燃焼用空気中の水分濃度を変化さ
せて、付着物の挙動を調査した結果、次の事項が明らか
になった。なお、付着物の剥離は、模擬伝熱管6の内側
から設けられた温度計7により、模擬伝熱管6外表面の
温度を検出することにより知ることができる。すなわ
ち、付着物が剥離すれば、模擬伝熱管6表面の温度が上
昇するので、付着物の剥離を検知することができる。 水分濃度20%では、ほぼ30分で付着物が剥離し
た。 水分濃度40%では、ほぼ15分で付着物が剥離し
た。 水分濃度100%では、ほぼ10分で付着物が剥離し
た。 流動層温度を650℃と低くすると、付着物の剥離時
間が短くなった。 空塔速度を速くすると、付着物の剥離時間が短くなっ
た。 このように、水分濃度を一時的に高くすることによっ
て、付着物を剥離させることができる。これら空冷伝熱
管の付着物及び流動物質の付着物を分析した結果、Ca
及びSiが主成分でFe、Al、Na、K、Cl、Sな
どが若干認められた。
【0011】付着物が生成した状態で、雰囲気中の水分
濃度を高くすると、付着物の主成分であるCa化合物と
水分との反応が起こり、反応生成物の体積が増加するの
で、その結果、付着物層にヒビ割れ等の欠陥が発生す
る。このため、流動化によって付着物が流動物質あるい
は伝熱管などから剥離したものであると考えられる。こ
の時、雰囲気の温度を低くすると、Ca化合物と水分と
の反応がより進むため、付着物はより早い時間で剥離し
たものと考えられる。このように、付着物が生成した雰
囲気中の水分濃度よりも高い水分濃度に、一時的にする
ことにより、Ca化合物と水分との反応を進めてCa化
合物の水和物を生成させる。この水和物は体積が膨張す
るので、付着物層にヒビ割れ等の欠陥が発生する。この
時、付着物と水分との反応は、水分濃度が高く雰囲気温
度が低い程より多く進み、付着物層のヒビ割れなどの欠
陥がより速く、より確実に起こるので、流動化によって
付着物が速やかに剥離するものであると考えられる。
【0012】流動物質及び伝熱管などへの付着は、その
燃焼雰囲気温度、水分濃度などにより影響を受ける。例
えば、上記の例では水分濃度5〜10%での付着で、こ
の水分濃度での付着が発生することになる。そこで、付
着物を剥離する場合には、付着が発生した水分濃度より
も高い水分濃度、例えば30%にすることによって、付
着物の主成分であるCa化合物と水分との反応の状態が
異なり、付着物層にヒビ割れなどの欠陥が発生して剥離
に至るものであると考えられる。この時、水分濃度30
%で更に長時間運転すると、この条件での付着が発生す
ることになるので、この水分濃度30%での付着物を剥
離するためには、更に高い水分濃度にする必要がある。
このため水分濃度を変える場合は、一時的に水分濃度を
変えることが重要であり、剥離すれば速やかに水分濃度
を元の条件に戻す必要がある。
【0013】流動物質の付着物が剥離すれば、流動物質
の重量が減少するので、流動層の圧力損失の低下によっ
て判定することができる。また、伝熱管の付着物が剥離
すれば、伝熱管からの収熱量が増加することで判定する
ことができるので、これらの情報で剥離の開始時期及び
剥離の終了時期判定することができる。熱回収流動層の
流動ガス中の水分濃度の一時的に増加方法としては、下
記に示す種々の方法を採用することができる。 可燃物に水を添加して水分濃度を増加する方法。 流動化空気に、水蒸気を加えて水分濃度を増加する方
法。 循環排ガスに水蒸気を加えて水分濃度を増加する方
法。 熱回収流動層内に直接、水蒸気あるいは水を供給して
水分濃度を増加する方法。 また、流動層温度を下げる方法としては、下記に示す種
々の方法を採用することができる。 燃料の供給量を少なくする方法。 流動化空気量を多くする方法。 熱回収流動層内に直接、水を供給する方法。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の循環流動床燃焼に
おける付着物の除去方法を実施する装置の一例を示して
いる。流動層燃焼室40の空塔部28には可燃物供給機
18から可燃物が供給され、風箱24からの燃焼空気に
よって燃焼される。燃焼ガスに伴われて空塔部の上部か
ら排出されるダストは高温サイクロン54で分離され
て、熱回収室42に導入される。熱回収室42は流動層
方式で、伝熱管14を設けてダスト(循環粒子)から熱
を回収し、冷却されたダストは流動層燃焼室40に循環
される。可燃物は可燃物供給機18から燃焼室40に供
給され、燃焼用空気は押込みファン(FDF)20から
空気予熱器22で加熱され、風箱24に入り空気分散板
26から流動層内に供給され、必要に応じて3次空気が
空気予熱器22の出口部から流動層の空塔部28に供給
される。誘引ファン(IDF)34の出口には排ガス循
環ブロワ36を設けて、排ガスを熱回収室42に循環す
るようになっている。30は対流伝熱部、32はバグフ
ィルター、46は層内仕切り、50は風箱の仕切り、5
6は循環流動床炉である。
【0015】燃焼室40の内寸法は、例えば400mm角
断面で、熱回収室42の内寸法は400mm×250mmの
断面である。可燃物はRDFで、概略1%のClと概略
3%のCaを含有している。RDFは可燃物供給機18
から120kg/h の供給量で燃焼室40に供給され、空
気分散板26から供給される燃焼用空気350Nm3 /h
によって燃焼される。熱回収室42は50Nm3 /h の流
動化空気によって流動化されており、この空気は熱回収
室42の上部から燃焼室40に2次空気として供給され
ている。更に燃焼室40の上部には3次空気として18
0Nm3 /h の空気が供給されている。燃焼室温度は概略
850℃で、上部の空塔部も概略850℃前後で燃焼が
行われる。
【0016】流動物質は、例えば粒径約0.5mmの珪砂
が使用されるが、RDFの燃焼につれて、RDFに含有
されているCa化合物の一部分が、流動物質の表面及び
熱回収室の伝熱管14の表面に付着する。伝熱管14に
Ca化合物が付着して成長すると、付着物の成長ととも
に伝熱管14からの収熱量が減少するので、付着物の発
生が確認される。伝熱管14からの収熱量が減少する
と、熱回収室42の温度及び燃焼室40の温度が高くな
るので、熱回収室42での収熱量の増大を図るために、
熱回収室42の空塔速度を速くして収熱量を増加する必
要がある。更に付着物が成長するとRDFの供給量を減
少する必要が生じるなど、重大な性能低下となる。ま
た、流動物質の表面にもCa化合物が付着して成長す
る。この時の熱回収室42では燃焼が起こらないので水
分は少ない。伝熱管14の表面に、水分濃度の低い条件
でのCa化合物の付着が発生することになる。
【0017】熱回収室42内の流動ガス中の水分濃度を
高くする方法としては、 熱回収室の流動化空気に水蒸気を加える方法。 熱回収室の流動化空気に排ガスを加える方法。 熱回収室の流動化空気の代わりに排ガスを供給する方
法。 熱回収室内に水を供給する方法。 上記の〜のうち2以上を組み合わせる方法。 がある。また、熱回収室42内の流動化ガス中の水分濃
度を高くして、付着物を剥離除去する時に、熱回収室4
2の温度を低くすると、より短い時間で付着物を剥離除
去することができる。このように、熱回収流動層44内
の雰囲気ガス中の水分濃度を、常時運転している濃度よ
りも一時的に高くすることによって、付着物を剥離除去
することが可能である。
【0018】図2は本発明の方法を実施する装置の他の
例を示している。本例は、Cl化合物を含む可燃物と、
Ca化合物、例えばCaOとを別々に供給するようにし
たものである。52はCa化合物供給機である。他の構
成及び作用は図1の場合と同様である。
【0019】
【実施例】
実施例1 図1に示す循環流動床炉56において、伝熱管14への
付着物約10時間の運転で厚さ0.1〜0.2mm程度発
生した。この付着物を除去するために、熱回収室42の
流動化空気31を50Nm3 /h から40Nm3 /h にする
と同時に10Nm3 /h の水蒸気を供給した。この時の水
分濃度は概略20%と高くなって、約30分後には流動
物質及び伝熱管の表面に付着している付着物が剥離除去
された。付着物が剥離除去されると、伝熱管14からの
収熱量の増加から判定することができるので、流動化空
気に加えた水蒸気の供給を停止した。このように、熱回
収室内の水分濃度を高くすることによって、伝熱管表面
の付着物及び流動物質表面の付着物を剥離除去すること
ができた。
【0020】実施例2 実施例1において、概略10時間の運転で付着物が発生
した時点で、熱回収室の流動化空気の代わりに、排ガス
を循環して使用したところ、概略60分で付着物が剥離
除去されるのが、伝熱管からの収熱量の増加を検知する
ことによって確認された。この時の排ガス中の水分濃度
は概略13%であった。
【0021】実施例3 実施例1において、概略10時間の運転で付着物が発生
した時点で、RDFの供給量を少なくして熱回収室42
の温度を750℃から700℃に低くして、熱回収室内
の水分濃度を概略20%にすると、概略20分で付着物
が剥離除去されるのが、伝熱管からの収熱量の増加を検
知することによって確認された。
【0022】実施例4 図2に示す装置において、可燃物供給機18から廃プラ
スチックを80kg/h供給するとともに、Ca化合物供
給機52から5kg/h のCaOを供給して燃焼を実施し
た。その結果、概略10時間の運転で厚さ約0.1〜
0.2mmの付着物が、熱回収室42の伝熱管14の表面
に発生した。そこで、流動化空気に水蒸気を添加して熱
回収室内の水分濃度を概略20%と高くすると、RDF
の時と同様に概略30分で付着物が剥離除去されるの
が、伝熱管からの収熱量の増加を検知することによって
確認された。また、概略10時間の運転で付着物が発生
した時点で、流動化空気に水蒸気を添加して水分濃度を
概略40%と高くすると、概略20分で付着物が剥離除
去されるのが、伝熱管からの収熱量の増加を検知するこ
とによって確認された。
【0023】実施例5 実施例4において、概略10時間の運転で付着物が発生
した時点で、熱回収室42内に水を25kg/h の流量で
供給した。その結果、概略15分で付着物が剥離除去さ
れるのが、伝熱管からの収熱量の増加を検知することに
よって確認された。この時の水分濃度は概略24%で、
熱回収室の温度は750℃から約700℃と低くなった
ので、水分濃度を高くした効果と熱回収室の温度を下げ
た効果によって、短い時間で付着物を剥離除去すること
ができた。
【0024】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 熱回収流動層内の流動ガス中の水分濃度を一時
的に高くすることにより、流動物質の表面に付着してい
る付着物、伝熱管や炉内壁に付着している付着物を、短
時間で容易に剥離除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の循環流動床燃焼における付着物の除去
方法を実施する装置の一例を示す系統図である。
【図2】本発明の方法を実施する装置の他の例を示す系
統図である。
【図3】付着物の剥離試験を行ったルツボ試験装置であ
る。
【符号の説明】
12 燃焼流動層 14 伝熱管 18 可燃物供給機 20 押込みファン(FDF) 22 空気予熱器 24 風箱 26 空気分散板 28 空塔部 30 対流伝熱部 32 バグフィルター 34 誘引ファン(IDF) 36 循環ファン 40 燃焼室 42 熱回収室 44 熱回収流動層 46 層内仕切り 50 風箱の仕切り 52 Ca化合物供給機 54 高温サイクロン 56 循環流動床炉
フロントページの続き (72)発明者 岡田 善嗣 神戸市中央区東川崎町1丁目1番3号 川 崎重工業株式会社神戸本社内 (72)発明者 久保 幸雄 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 柴田 泰典 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 森本 勝哉 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素化合物を含有する可燃物をカルシウ
    ム化合物とともに燃焼させる燃焼流動層と、この燃焼流
    動層からの燃焼排ガスに含まれるダストを分離して、こ
    のダストを熱を回収する熱回収流動層に導入して熱を回
    収し、熱回収流動層のダストを前記燃焼流動層に戻すよ
    うにした循環流動床燃焼方法において、 熱回収流動層内の流動ガス中の水分濃度を、平常運転中
    の水分濃度よりも一時的に高くして、流動物質に付着し
    ている付着物に水分を反応させて水和物とし、この水和
    物の膨張により水和物にヒビ割れを生じさせて、付着物
    を流動物質から剥離させることを特徴とする循環流動床
    燃焼における付着物の除去方法。
  2. 【請求項2】 可燃物の燃焼が、塩素化合物及びカルシ
    ウム化合物を含有する可燃物の燃焼、カルシウム化合物
    を供給しながら塩素化合物を含有する可燃物を燃焼させ
    ること、及びごみ転換燃料の燃焼の少なくともいずれか
    である請求項1記載の循環流動床燃焼における付着物の
    除去方法。
  3. 【請求項3】 熱回収流動層の流動化空気に水蒸気を加
    えて、熱回収流動層内の流動ガス中の水分濃度を一時的
    に高くする請求項1又は2記載の循環流動床燃焼におけ
    る付着物の除去方法。
  4. 【請求項4】 熱回収流動層の流動化空気の少なくとも
    一部として、燃焼流動層からの燃焼排ガスを一時的に使
    用する請求項1又は2記載の循環流動床燃焼における付
    着物の除去方法。
  5. 【請求項5】 燃焼流動層からの燃焼排ガス中に水蒸気
    を加えて水分濃度を高くし、この燃焼排ガスを一時的に
    熱回収流動層に循環して、熱回収流動層内の流動ガス中
    の水分濃度を一時的に高くする請求項1又は2記載の循
    環流動床燃焼における付着物の除去方法。
  6. 【請求項6】 熱回収流動層に水を直接添加して、熱回
    収流動層内の流動ガス中の水分濃度を一時的に高くする
    請求項1又は2記載の循環流動床燃焼における付着物の
    除去方法。
  7. 【請求項7】 熱回収流動層内の流動ガス中の水分濃度
    を少なくとも20%とする請求項1〜6のいずれかに記
    載の循環流動床燃焼における付着物の除去方法。
  8. 【請求項8】 熱回収流動層内に伝熱管を設けて熱回収
    するとともに、伝熱管に付着した付着物を剥離させる請
    求項1〜7のいずれかに記載の循環流動床燃焼における
    付着物の除去方法。
  9. 【請求項9】 熱回収流動層温度を平常運転時の温度よ
    り一時的に下げる請求項1〜8のいずれかに記載の循環
    流動床燃焼における付着物の除去方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111678151A (zh) * 2020-06-29 2020-09-18 山东龙之源节能环保科技有限公司 一种直接式污泥干化焚烧系统及其干化焚烧方法

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