JPH11287413A - 一般廃棄物処理における熱分解ガスの処理方法、およびその方法を備える一般廃棄物の処理方法 - Google Patents

一般廃棄物処理における熱分解ガスの処理方法、およびその方法を備える一般廃棄物の処理方法

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JPH11287413A
JPH11287413A JP10086859A JP8685998A JPH11287413A JP H11287413 A JPH11287413 A JP H11287413A JP 10086859 A JP10086859 A JP 10086859A JP 8685998 A JP8685998 A JP 8685998A JP H11287413 A JPH11287413 A JP H11287413A
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pyrolysis
gas
oil
treating
furnace
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Keiichi Den
慶一 傳
Takao Kondo
隆生 近藤
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RONFORD KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般廃棄物の熱分解において発生する熱分解
ガスの処理におけるタール処理をより容易に、かつ廃液
を生じない一般廃棄物の熱分解ガスの処理方法の提供。 【解決手段】 一般廃棄物を熱分解炉において熱分解す
ることによって発生する熱分解ガスの処理方法におい
て、一般廃棄物を該熱分解炉で熱分解して得られる熱分
解ガスを取り出し、その熱分解ガス中のタール成分を可
燃性油に吸収させてタール成分を除去し、タール成分を
吸収させた可燃性油を除去した熱分解ガスを脱塩処理す
る。続いてこの熱分解ガスは、ガス燃焼炉、廃熱ボイラ
ー、集塵器を経て排出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般廃棄物の処理
方法において、熱分解することにより生じる熱分解ガス
の処理方法に関しており、特に、熱分解ガス中のタール
成分の処理に関する。さらに、その熱分解ガスの処理方
法を備えた一般廃棄物の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般廃棄物は、焼却され、その残
渣を最終処分場に埋め立てるという極めてシンプルな方
式をとっていた。しかし、最終処分場不足、また焼却に
よるダイオキシンなどの有害ガス対策、有害重金属対
策、物質回収、ゴミエネルギーの利用などの焼却処理に
伴う課題が生じている。
【0003】焼却炉は、燃焼方式の観点からバッチ炉、
ストーカー炉、流動床炉の3つに大きく分けられる。バ
ッチ炉は少量のごみ処理に適するが、連続運転や高温焼
却には向かない。ストーカー炉は炉内に供給した廃棄物
に、火格子から乾燥・燃焼空気を供給し、炉内の輻射熱
により緩慢燃焼させる方法をとり、1日当たり100ト
ン以上のゴミを連続運転により処理する大型炉に採用さ
れている。また流動床炉は、焼却炉内に加熱された砂な
どの流動用媒体が入っており、炉底部から吹き込まれた
空気で沸騰状態となったところに、廃棄物を供給し流動
媒体に巻き込みながら、ゴミを急速に燃焼する。これは
准連続運転できる中型炉として、装置そのものがあまり
大きくないので最も需要の多いタイプである。さらに、
先に述べたダイオキシンの発生抑制に対応するためにガ
ス化溶融炉の開発が進められている。
【0004】ガス化溶融炉は、供給された廃棄物をまず
熱分解し、乾留ガス(熱分解ガス)と未燃の熱分解渣に
分解して処理し、さらに熱分解渣を溶融するシステムで
ある。ここで未燃の熱分解渣とは、チャーといわれる未
燃カーボンや無機物質をいう。このシステムは、ゴミの
減容化と特殊金属類の無害化を目的とした灰溶融技術の
発展とあいまって、溶融による最終廃棄物の減容化、溶
融スラグが再利用できること、高温処理を行うのでダイ
オキシン類が分解すること、および廃熱の回収効率もよ
いなどの利点がある。
【0005】しかし、このように分解された熱分解ガス
中には、一般廃棄物である都市ゴミに大量に含まれる塩
化ビニルなどに由来する塩素分が塩化水素ガスとして含
まれており、これがガス流路である配管や機器・設備の
内壁腐蝕や、ダイオキシンの発生の原因となるなどの問
題が提起されている。
【0006】通常、熱分解ガスなどに含まれる塩化水素
を取り除くための脱塩処理には、乾式脱塩法と湿式脱塩
法がある。乾式脱塩法には、例えば、塩化カルシウムや
生石灰などのアルカリ性物質を、直接に熱分解炉や熱分
解ガスの排出経路に加えて塩化水素を除去する方法があ
る。湿式脱塩法には、例えば、水酸化ナトリウム水溶液
などのアルカリ水溶液や水などを噴霧することにより塩
化水素を除去する方法がある。
【0007】一方、熱分解ガス中には副生成物として、
温度が下がることにより粘稠性を帯びる油状物質、すな
わちタール成分を含む。タール成分は粘着性が高く、タ
ール成分が熱分解ガス処理中の機器や管路に付着しメン
テナンス上、大きな問題を生じる。この問題を解決する
ために、特開昭57−38923号公報に記載された方
法が提供されている。この方法では熱分解ガスをサイク
ロンに導き、大部分の固体粒子を除去した後、サイクロ
ンを出たガスを流動媒体の移動層に通過させ、サイクロ
ンで未捕集の粒子を移動層に付着させて除いている。そ
して、湿式冷却洗浄塔で油およびタール分を凝縮して、
洗浄水にて洗浄して油およびタール分を除去している。
こうして熱分解ガスの清浄化が行われている。
【0008】また、タール成分による他の問題点は、そ
の後に脱塩処理が湿式で行われた場合の廃液処理であ
る。熱分解を550℃程度で行い、この温度で熱分解し
て生成した熱分解ガスに脱塩処理のために水酸化ナトリ
ウム水溶液や水を噴霧すると、冷却されてタールを生
じ、さらに廃液処理が困難となるなどの取り扱い上の問
題が生じる。これを解決するために、特開平7−324
716号公報に記載の方法が提供されている。この方法
では第1の熱分解により生じた熱分解ガスを、第2の熱
分解で第1の熱分解より高い温度に再度加熱してタール
を分解した後、水やアルカリ水溶液を噴霧することで脱
塩処理を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ダイオキシン発生を制
御するために早い段階でその原因となる塩素源を除去、
例えば、熱分解炉中で、あるいは熱分解ガスから除去す
ることが有効である。しかし、先に述べた従来技術の乾
式脱塩法では十分に脱塩が行えないという問題があり、
これを解決するために熱分解ガスに脱塩効果の高い湿式
脱塩法が行われている。ところが、湿式脱塩法では水溶
液を使用するため熱分解ガスの温度を下げなければなら
ず、そのため熱分解ガス中に含まれているタール成分が
粘度の高い成分となって析出し、水溶液を使用しての湿
式脱塩処理の大きな障害となる。
【0010】この問題を解決するために、上述した方法
が教示されている。しかし、タールを大量の洗浄水で処
理した場合は、湿式脱塩処理の廃液と合わせて大量の廃
液処理の問題が生じる。一方、タール成分を分解するた
めに熱分解後にさらに高い温度に加熱して再度、熱分解
を行った場合は、処理工程が増えてプロセスが複雑にな
り、また熱効率の観点からも問題がある。
【0011】本発明は、一般廃棄物を処理する際に発生
する熱分解ガスを処理していく上で、特に、熱分解ガス
中のタール成分による影響を工程の初期の段階でなくす
ことにより、タール成分の付着などによる各装置におけ
るトラブルを防止し、またタール除去により発生する廃
液を無くし、一般廃棄物処理の全体の処理工程を容易に
し、かつダイオキシンなどの有害物質の発散を効果的に
防止することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、一般廃棄物を熱分解炉において熱分解することによ
って発生する熱分解ガスの処理方法は、一般廃棄物10
1を熱分解炉で熱分解して発生する熱分解ガス102を
取り出す工程と、該熱分解ガス中のタール成分を可燃性
油104に吸収させ、タール成分を除去する工程と、タ
ール成分を吸収させた可燃性油106を除去した熱分解
ガス105を脱塩処理する工程と、を備えている。
【0013】また、前述のタール成分を吸収させた可燃
性油106は、ガス燃焼炉および/または熱分解渣燃焼
溶融炉で燃焼させことが好ましい。
【0014】さらに、上述の熱分解ガスの処理方法を用
いた一般廃棄物の処理方法は、(1)一般廃棄物101
を熱分解炉において熱分解をして、熱分解ガス102お
よび熱分解渣103に分離する工程と、(2)該熱分解
ガス102を熱分解炉から取り出し、熱分解ガス中のタ
ール成分を可燃性油104に吸収させ、タール成分を除
去する工程と、(3)タール成分を吸収させた可燃性油
106を除去したあとの熱分解ガス105を脱塩処理す
る工程と、(4)この脱塩処理したあとの熱分解ガス1
07をガス燃焼炉で燃焼する工程と、(5)前述の工程
(1)において分離された熱分解渣103を燃焼する工
程と、(6)前述の工程(4)においてガス燃焼炉で燃
焼した後の高温排ガスおよび前述の工程(5)において
熱分解渣103を燃焼して発生した高温排ガスから熱交
換により熱回収する工程と、(7)排ガス116を排出
をする工程と、を備えている。
【0015】ここで、熱分解渣103を燃焼する工程
(5)が、熱分解渣燃焼溶融炉で行われていることが好
ましい。さらに、その場合、タール成分を吸収させた可
燃性油106が、熱分解渣燃焼溶融炉で熱分解渣103
とともに、および/またはガス燃焼炉で熱分解ガス10
7とともに燃焼されてもよい。
【0016】また、熱分解渣103を燃焼する工程
(5)が、ガス燃焼炉で熱分解ガス107およびタール
成分を吸収させた可燃性油106とともに燃焼されても
よい。
【0017】上述の熱分解ガスの処理方法およびそれを
用いた一般廃棄物の処理方法に用いられる可燃性油は、
廃食油、再生オイル、重油、軽油、機械油、および灯油
よりなる群より選ばれた少なくとも一種であることが好
ましい。ここでいう再生オイルは、廃食油をアルコール
とエステル交換反応させて得られる。
【0018】さらに、上述の熱分解ガスの処理方法中の
脱塩処理においては湿式脱塩法を用いることが好まし
い。
【0019】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明に基づ
く一般廃棄物の処理方法の略図であり、図中、同じ番号
は同じものを意味する。
【0020】図1と図2の工程は、熱分解によって生じ
る熱分解渣を処理する工程、つまり、図1の工程では熱
分解渣を熱分解渣燃焼溶融炉で処理しており、図2の工
程ではガス燃焼炉で処理しているところが異なってい
る。
【0021】以下、図1および図2をもとに、本発明に
ついて詳細に説明する。特に記載のない場合は、図1の
工程と図2の工程の両方について述べている。
【0022】ここでいう一般廃棄物とは、家庭からでる
ゴミなどの一般の都市ゴミである。
【0023】先ず、回収された一般廃棄物101を熱分
解炉1において、加熱して熱分解を行う。熱分解温度
は、高いほうが熱分解を行うのにはよいが、高すぎると
廃棄物中の再利用可能なアルミニウムなどの金属成分が
溶融してしまい、回収できなくなるなどの不都合が生じ
るので、400〜600℃が好ましい。典型的には、約
450〜550℃である。熱分解炉1における熱分解に
より、熱分解ガス102と熱分解渣103を生じる。
【0024】次に、熱分解ガス102をタール分離塔2
に送る。ここでいうタール成分とは、熱分解ガスの温度
が下がることにより生じる粘稠性の液体および固体をい
う。タール分離塔において、熱分解ガスを好ましくは冷
却し、熱分解ガス中のタール成分を可燃性油104に吸
収させて、熱分解ガスより取り除く。このときの冷却温
度は、50〜250℃、好ましくは100〜200℃で
ある。250℃より高いとタール中の低分子量物質が気
化し、ガスに同伴されて除去できなくなり、50℃より
低いと粘性が上昇し取り扱いが困難となる。また、ター
ル成分を吸収させる可燃性油104としては、油性で燃
焼可能な物質ならなんでもよく、熱分解渣燃焼溶融炉あ
るいはガス燃焼炉で補助燃料として利用できるものであ
れば、ここに挙げる例に限定されないが、例えば、廃食
油、再生オイル、重油、軽油、機械油、灯油などが挙げ
られる。好ましくは廃食油または再生オイルである。
【0025】ここで、再生オイルとは、廃食油をアルコ
ールとエステル交換反応させることによって再生された
もので、例えば、E−oil(登録商標)(ロンフォー
ド社製)が挙げられる。再生オイルを製造するのに用い
られる廃食油としては、菜種油廃油、ごま油廃油、大豆
油廃油、トウモロコシ油廃油、向日葵油廃油、パーム核
油廃油、椰子油廃油、コーン油廃油、および紅花油廃油
などが挙げられる。また、再生オイルを製造するのに用
いられるアルコールとしては、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、イソブチルアルコールなどの炭素数1〜
10のアルキルアルコールなどが挙げられる。
【0026】タール成分を吸収した可燃性油106は、
図1の工程では熱分解渣燃焼溶融炉6および/またはガ
ス燃焼炉4に送られ、図2の工程ではガス燃焼炉4に送
られ、燃焼される。一方、タール成分を除去された熱分
解ガス105は脱塩塔3に送られる。
【0027】この脱塩塔3において、送られてきたター
ル成分を除去された熱分解ガス105が、脱塩処理され
る。ここで用いられる脱塩方法は、通常行われているア
ルカリを加える方法で、乾式脱塩法または湿式脱塩法の
いずれでもよいが、湿式脱塩法を用いるほうが好まし
い。その理由は、HClの回収率が湿式脱塩法では98
%以上であるのに対し、乾式脱塩法では50〜60%と
格段に異なることである。湿式脱塩法では水溶液を使う
ために熱分解ガス105を100℃以下に冷却する必要
がある。これは、ガス燃焼炉などの燃焼用空気で熱交換
することにより熱回収ができる。
【0028】ここでいう脱塩処理とは、熱分解ガス中の
塩化水素ガスを取り除くことをいう。
【0029】脱塩塔3において脱塩処理された熱分解ガ
ス(可燃ガス)107を、ガス燃焼炉4に送り、燃焼す
る。このガス燃焼炉4では、図1の工程では、可燃ガス
107のみか、または可燃ガス107とともにタール分
離塔2でタールを吸収した可燃性油106を燃焼させ
る。この図1の工程におけるガス燃焼炉4での燃焼温度
は、800〜1100℃、好ましくは900〜1000
℃である。また、図2に示す工程では、可燃ガス107
とともにタールを吸収した可燃性油106および熱分解
渣103を燃焼させる。この図2の工程におけるガス燃
焼炉4での燃焼温度は1300〜1500℃、好ましく
は1350〜1450℃である。
【0030】ガス燃焼炉で燃焼されたガス(高温排ガ
ス)108(図1の工程)または117(図2の工程)
は廃熱ボイラー5に送られる。
【0031】一方、熱分解炉1で熱分解され、生じた熱
分解渣103は、図1の工程では熱分解渣燃焼溶融炉6
に、図2の工程では前述のようにガス燃焼炉4に送られ
る。ここで、熱分解渣燃焼溶融炉6またはガス燃焼炉4
に送られる前に、この熱分解渣103からアルミニウム
や鉄などの再利用可能な金属109と熱分解カーボン
(チャー)110に分別することもできる。そして図1
の工程では、熱分解渣燃焼溶融炉6で、タール分離塔2
より送られてきたタール成分を吸収した可燃性油106
と熱分解渣103を、再生オイル111などを補助燃料
として加熱し、スラグ112と高温排ガス113に分離
する。このときの燃焼温度は、1400〜1600℃、
好ましくは1450〜1550℃である。1600℃よ
り高いと炉自体の熱による損傷が激しくなり、1400
℃より低いと灰溶融が不完全となる。ここで、再生オイ
ルとは、廃食油をアルコールとエステル交換反応させる
ことによって再生されたE−oil(登録商標)(ロン
フォード社製)を含む。再生オイルの製造に用いられる
廃食油、およびアルコールとしては前述したものと同じ
ものが挙げられる。
【0032】図2の工程では、前述のように、熱分解渣
103はガス燃焼炉4で、タール成分を吸収した可燃性
油106と可燃ガス107とともに燃焼され、スラグ1
12と高温排ガス117を生じる。
【0033】得られたスラグ112は回収されてコンク
リートの骨材などとして再利用され、図1の工程では、
高温排ガス113は、可燃ガス107を処理して発生し
た高温排ガス108とともに廃熱ボイラー5において、
熱交換されて熱回収される。図2の工程では、ガス燃焼
炉で処理されて発生した高温排ガス117は、廃熱ボイ
ラー5において、熱交換されて熱回収される。
【0034】廃熱ボイラー5から排出した排ガス114
は、通常の排ガス処理と同様に集塵器7に移り、次いで
集塵器7より排出された排ガス115は洗浄器8を通過
して洗浄される。そしてダイオキシン分解工程(図中に
記載なし)でダイオキシン分解をして排ガス116とし
て排気される。既に、熱分解炉において十分な高温で有
機成分が分解され、かつ脱塩塔3で脱塩処理がなされ
て、塩素分は除去されているのでダイオキシンは合成さ
れないはずだが、完全にダイオキシンを大気に排出しな
いように、ここで再度ダイオキシン分解を行うことが好
ましい。また、完全にダイオキシンが含まれていないこ
とを確認するためのモニタリングを排出ガスの出口で行
うこともさらに好ましい。
【0035】
【発明の効果】本発明では、上述したように熱分解によ
って生じた熱分解ガスの処理において、ガス燃焼前に熱
分解ガス中のタール成分の除去、次いで塩化水素ガスの
除去を行っている。本発明のような順序にすることによ
って、一般廃棄物の処理の早期段階でタールと塩化水素
分が除去されるので、タールの付着による装置のトラブ
ルもなく、また塩化水素分による装置の腐蝕もなく、環
境的にも安全なものとなる。
【0036】さらに、本発明では、タール成分除去を可
燃性油へのタールの吸収により行っており、タール成分
を吸収した可燃性油を、熱分解によって得られた熱分解
渣とともに熱分解渣燃焼溶融炉で、あるいはガス燃焼炉
で燃料として燃焼することができる。これにより、これ
らのタール成分を吸収した可燃性油を燃料として有効に
活用することができ、なおかつ従来例のような、タール
成分処理を行った洗浄水の大量廃液が生じない。
【0037】さらに、タール成分を分解するために、熱
分解後に更なる加熱を行う必要がなく、処理工程も容易
になる。
【0038】また、可燃性油として廃食油や再生オイル
を利用すると、経済的にも有利である。
【0039】本発明のようにタール成分の除去工程を熱
分解工程に続けて設け、次いで脱塩工程を設け、可燃性
油に吸収させるというタール成分の処理方法によって、
前述のような優れた効果が初めて得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一般廃棄物の処理方法であっ
て、熱分解渣を熱分解渣燃焼溶融炉で処理する場合の略
図である。
【図2】本発明における一般廃棄物の処理方法であっ
て、熱分解渣をガス燃焼炉で処理する場合の略図であ
る。
【符号の説明】
1 熱分解炉 2 タール分離塔 3 脱塩塔 4 ガス燃焼炉 5 廃熱ボイラー 6 熱分解渣燃焼溶融炉 7 集塵器 8 洗浄器 101 一般廃棄物 102 熱分解ガス 103 熱分解渣 104 可燃性油 105 タール除去された熱分解ガス 106 タール成分を吸収した可燃性油 107 脱塩処理された熱分解ガス(可燃ガス) 108、113、117 高温排ガス 109 アルミニウム、鉄などの金属 110 熱分解カーボン(チャー) 111 再生オイル 112 スラグ 114、115、116 排ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F23G 5/14

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般廃棄物を熱分解炉において熱分解す
    ることによって発生する熱分解ガスの処理方法であっ
    て、 一般廃棄物101を熱分解炉で熱分解して発生する熱分
    解ガス102を取り出す工程と、 該熱分解ガス中のタール成分を可燃性油104に吸収さ
    せ、タール成分を除去する工程と、 前記タール成分を吸収させた可燃性油106を除去した
    熱分解ガス105を脱塩処理する工程と、を具えること
    を特徴とする熱分解ガスの処理方法。
  2. 【請求項2】 前記タール成分を吸収させた可燃性油1
    06をガス燃焼炉で燃焼することを特徴とする請求項1
    に記載の熱分解ガスの処理方法。
  3. 【請求項3】 前記タール成分を吸収させた可燃性油1
    06を熱分解渣燃焼溶融炉で燃焼することを特徴とする
    請求項1または2に記載の熱分解ガスの処理方法。
  4. 【請求項4】 前記可燃性油が、廃食油、再生オイル、
    重油、軽油、機械油、および灯油よりなる群より選ばれ
    た少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の熱分解ガスの処理方法。
  5. 【請求項5】 前記再生オイルが、廃食油をアルコール
    とエステル交換反応させて得られることを特徴とする請
    求項4に記載の熱分解ガスの処理方法。
  6. 【請求項6】 前記脱塩処理において、湿式脱塩法を用
    いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    熱分解ガスの処理方法。
  7. 【請求項7】 一般廃棄物の処理方法であって、 (1)一般廃棄物101を熱分解炉において熱分解をし
    て、熱分解ガス102および熱分解渣103に分離する
    工程と、 (2)前記熱分解ガス102を熱分解炉から取り出し、
    熱分解ガス中のタール成分を可燃性油104に吸収さ
    せ、タール成分を除去する工程と、 (3)前記タール成分を吸収させた可燃性油106を除
    去したあとの熱分解ガス105を脱塩処理する工程と、 (4)前記脱塩処理したあとの熱分解ガス107をガス
    燃焼炉で燃焼する工程と、 (5)前記工程(1)において分離された熱分解渣10
    3を燃焼する工程と、 (6)前記工程(4)においてガス燃焼炉で燃焼した後
    の高温排ガスおよび前記工程(5)において熱分解渣1
    03を燃焼して発生した高温排ガスから熱交換により熱
    回収する工程と、 (7)排ガス116を排出をする工程と、を備えること
    を特徴とする一般廃棄物の処理方法。
  8. 【請求項8】 前記熱分解渣103を燃焼する工程
    (5)が、熱分解渣燃焼溶融炉で行われることを特徴と
    する請求項7に記載の一般廃棄物の処理方法。
  9. 【請求項9】 前記タール成分を吸収させた可燃性油1
    06が、熱分解渣燃焼溶融炉で熱分解渣103とともに
    燃焼されることを特徴とする請求項7または8に記載の
    一般廃棄物の処理方法。
  10. 【請求項10】 前記タール成分を吸収させた可燃性油
    106が、前記ガス燃焼炉で熱分解ガス107とともに
    燃焼されることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに
    記載の一般廃棄物の処理方法。
  11. 【請求項11】 前記熱分解渣103を燃焼する工程
    (5)が、ガス燃焼炉で熱分解ガス107および前記タ
    ール成分を吸収させた可燃性油106とともに燃焼され
    ることを特徴とする請求項7に記載の一般廃棄物の処理
    方法。
  12. 【請求項12】 前記可燃性油が、廃食油、再生オイ
    ル、重油、軽油、機械油、および灯油よりなる群より選
    ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項7
    〜11のいずれかに記載の一般廃棄物の処理方法。
  13. 【請求項13】 前記再生オイルが、廃食油をアルコー
    ルとエステル交換反応させて得られることを特徴とする
    請求項12に記載の一般廃棄物の処理方法。
  14. 【請求項14】 前記脱塩処理において、湿式脱塩法を
    用いることを特徴とする請求項7〜13のいずれかに記
    載の一般廃棄物の処理方法。
JP10086859A 1998-03-31 1998-03-31 一般廃棄物処理における熱分解ガスの処理方法、およびその方法を備える一般廃棄物の処理方法 Pending JPH11287413A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006075677A (ja) * 2004-09-07 2006-03-23 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 汚染物質の処理方法および処理装置
CN106287733A (zh) * 2016-08-11 2017-01-04 赛能杰高新技术股份有限公司 一种生活垃圾处理方法
CN113020215A (zh) * 2021-03-09 2021-06-25 中国华能集团清洁能源技术研究院有限公司 从风机叶片中提取玻璃纤维和裂解油的系统及其工作方法

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