JPH0959507A - 高分子組成物の製法および架橋体の製法ならびにそれにより得られた架橋体 - Google Patents

高分子組成物の製法および架橋体の製法ならびにそれにより得られた架橋体

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JPH0959507A
JPH0959507A JP21033895A JP21033895A JPH0959507A JP H0959507 A JPH0959507 A JP H0959507A JP 21033895 A JP21033895 A JP 21033895A JP 21033895 A JP21033895 A JP 21033895A JP H0959507 A JPH0959507 A JP H0959507A
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eco
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Hitoshi Yoshikawa
均 吉川
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】架橋剤が添加されたポリメチルメタクリレート
とエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体の
相溶物を効率良く、かつ容易に製造してこれに架橋剤を
添加して架橋体を製造する架橋体の製法を提供する。 【解決手段】ポリメチルメタクリレートとエピクロルヒ
ドリン−エチレンオキサイド共重合体とを上記ポリメチ
ルメタクリレートの軟化点以上の温度条件下において、
混練して相溶させ、この相溶物に架橋剤を添加し、この
相溶物を架橋剤により架橋反応させることにより架橋体
を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋剤が添加され
たポリメチルメタクリレート(以下「PMMA」と称
す)とエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合
体(以下「ECO」と称す)の相溶物を効率良く、かつ
容易に製造することのできる高分子組成物の製法、およ
び、その高分子組成物の製法にさらに架橋工程を経由さ
せる架橋体の製法、ならびに、それにより得られた架橋
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、PMMAとECOの両者の特
性を生かした混練物が様々な分野に用いられている。こ
の混練物は、一般に、つぎのようにして製造される。す
なわち、バンバリーミキサー等の密閉式混練機内に、P
MMAとECOとを配合し、130〜200℃の温度条
件下、内蔵するローターにて混練することにより上記両
者の混練物が製造される。あるいは、PMMAとECO
を混練機内に投入し、この混練機内で混練し射出成形し
て所望の成形物を製造することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の製法
において、例えば、密閉式混練機を用いて得られた混練
物は、電気抵抗が大きく帯電防止性に劣り、静摩擦係数
の大きいものであった。さらに、上記混練物に架橋剤を
添加し、この架橋剤により架橋反応させて架橋体を製造
するためには、例えば、密閉式混練機での上記PMMA
とECOの混練工程の後、得られた混練物を取り出し、
ついで、ロールミキサーによりこの混練物に架橋剤を添
加し、さらに、架橋剤添加後の混練物を用いプレス架橋
により所望の形状の架橋成形物を製造するという煩雑な
工程を経由しなければならない。このように、一般的
に、PMMAとECOとの混練物を架橋させてなる成形
物(架橋体)の製造工程は煩雑であり、現状では行われ
ていない。また、上記射出成形による製法により架橋体
を製造しようとすれば、PMMAとECOとともに架橋
剤を配合し、この配合物を混練機内に投入して混練させ
た後、架橋反応させて射出成形して成形物を製造すると
いう製造工程が考えられる。しかしながら、上記射出成
形のためには射出時の上記配合物の温度を180℃程度
まで加熱しなければならなず、上記のように架橋剤を添
加すると、上記射出温度の設定では、ECOが架橋して
射出成形が不可能となる。したがって、上記混練機を用
いての射出成形では、架橋剤を配合することができず、
従来から、PMMAとECOを単に混練した混練物を用
いての射出成形による成形物しか製造することができな
かった。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、架橋剤が添加されたPMMAとECOの相溶物
を効率良く、かつ容易に製造することのできる高分子組
成物の製法、および、架橋体を容易に製造することので
きる架橋体の製法、ならびに、それにより得られた帯電
防止性に優れ、動摩擦係数の低い架橋体の提供をその目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、PMMAとECOとを上記PMMAの軟
化点以上の温度条件下において、混練して相溶させ、こ
の相溶物に架橋剤を添加する高分子組成物の製法を第1
の要旨とし、上記高分子組成物の製法につづいて、相溶
物を架橋剤により架橋反応させる架橋体の製法を第2の
要旨とする。そして、上記架橋体の製法により得られた
架橋体を第3の要旨とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、PMMAとECOとを
上記PMMAの軟化点以上の温度条件下において、混練
して相溶させ高分子組成物を製造する。このように、上
記温度条件でPMMAとECOを混練することにより、
PMMAとECOとが単に混練されるのではなく分子レ
ベルまで混練され両者が相溶した状態の高分子組成物
(相溶物)が得られるようになる。ついで、このような
相溶状態の高分子組成物に架橋剤を添加し、この架橋剤
により上記高分子組成物を架橋反応させて架橋体を製造
する。このようにして得られた架橋体は、架橋したゴム
というよりも、その特性が熱可塑性樹脂に近いものが得
られる。このため、電気抵抗値および静摩擦係数が小さ
く、抗張力の大きいものである。したがって、帯電防止
性および引張強さに優れた良好な特性を備えた成形物が
得られるようになる。しかも、上記PMMAとECOの
混練・相溶工程、架橋剤の添加工程、架橋反応工程の一
連の工程を連続的に行うことができ、作業効率が向上す
る。
【0007】特に、上記PMMA(A)とECO(B)
の配合割合(A/B)を、重量比で、A/B=10/9
0〜90/10の範囲に設定し、かつ架橋剤の添加量を
ECO100重量部(以下「部」と略す)に対して0.
25〜5部の範囲に設定すると、柔軟性を有するととも
に、電気抵抗値および静摩擦係数が小さく、抗張力の大
きい架橋体が得られ好ましいものである。さらに、上記
ECOとして、前記式(1)で表される繰り返し単位か
ら構成されるものを用い、また、PMMAとして重量平
均分子量が2×104 〜1×106 の範囲のものを用い
ることが、ECOとの相溶性に優れ、溶融時の流動性が
良好となり一層好ましいものである。
【0008】そして、上記添加される架橋剤としては、
得られる架橋体の物性を考慮してチオウレア、過酸化物
を用いることが好ましい。
【0009】つぎに、本発明を詳しく説明する。
【0010】本発明の高分子組成物の製法では、PMM
Aと、ECOと、架橋剤とが用いられる。
【0011】上記PMMAとしては、特に限定するもの
ではなく従来公知のものが用いられる。そして、上記P
MMAにおいて、物性として、溶融時において低粘度で
高流動性を有するものを用いることが好ましい。さら
に、重量平均分子量が2×10 4 〜1×106 の範囲の
ものを用いることが好ましい。特に好ましくは2×10
4 〜1×105 である。すなわち、上記範囲の重量平均
分子量であるPMMAを用いることにより、溶融時の流
動性が良好になるからである。
【0012】上記PMMAとともに用いられるECO
は、エピクロルヒドリンとエチレンオキサイドを従来公
知の方法によって共重合させて得られたものであり、下
記の式(1)で表される繰り返し単位から構成されてい
る。
【0013】
【化2】
【0014】上記式(1)において、各繰り返し単位
m,n,pの比率(重量比)は、m:n:p=(30〜
70):(70〜30):(0〜10)の範囲に設定さ
れ、特に好ましくはm:n:p=(40〜60):(4
0〜60):(2〜6)である。
【0015】上記PMMA(A)とECO(B)の配合
割合(A/B)は、重量比で、A/B=10/90〜9
0/10の範囲に設定することが好ましく、特に好まし
くはA/B=35/65〜65/35の範囲である。す
なわち、PMMAが10未満のように少量では、摩擦係
数が大きく、強度が小さくなり、逆に、PMMAが90
を超えると、ECOの配合量が少な過ぎて、電気抵抗を
充分に下げることができない。また、柔軟性が少なく伸
びも小さくなる傾向がみられるからである。
【0016】上記PMMAおよびECOとともに用いら
れる架橋剤は、特に限定するものではなく従来公知の架
橋剤、具体的には、下記の式(2)で表されるトリアジ
ン、
【0017】
【化3】
【0018】例えば、下記の式(3)で表されるような
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
塩(DBU塩)、
【0019】
【化4】
【0020】H2 N(CH2 6 NH2 CO2 等のポリ
アミン類、下記の式(4)で表されるチオウレア、
【0021】
【化5】
【0022】下記の式(5)で表されるような1,8−
ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DB
U)、
【0023】
【化6】
【0024】および各種過酸化物等があげられる。これ
らは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。上記各
種過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、ジアル
キルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオ
キシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシ
ケタール、ハイドロパーオキサイド等があげられる。そ
して、上記架橋剤のなかでも、良好な物性が得られると
いう点から、上記式(4)で表されるチオウレアが好適
に用いられる。
【0025】上記架橋剤の添加量は、ECO100部に
対して0.25〜5部の範囲に設定することが好まし
く、特に好ましくは1〜3部である。すなわち、架橋剤
の添加量が0.25部未満では、摩擦係数が大きく、強
度が小さくなり、5部を超えると、溶融時の流動性が悪
くなる傾向がみられるからである。
【0026】本発明の高分子組成物の製法には、上記P
MMA、ECOおよび架橋剤以外に、必要に応じて受酸
剤を添加してもよい。上記受酸剤としては、Pb
3 4 、PbO(リサージ)、MgO、CaO、Ca
(OH)2 、ZnO等があげられる。これらは単独でも
しくは2種以上併せて用いられる。上記受酸剤を添加す
ることにより、良好な物性が得られるようになる。そし
て、受酸剤を添加する場合の添加量は、ECO100部
に対して2〜6部の範囲に設定することが好ましい。
【0027】本発明の高分子組成物は、例えばつぎのよ
うにして製造される。すなわち、まず、図1に示すよう
な、内部にローター2を備えた密閉式混練機(バンバリ
ミキサー)1内に、PMMAとECOを投入する。そし
て、この密閉式混練機1内を、PMMAの軟化点以上の
温度に設定するとともに、ローター2を駆動させて上記
PMMAとECOを混練して両者の相溶物を作製する。
そして、上記温度設定の状態で混練を続けながら上記相
溶物に架橋剤を添加することにより架橋剤が混練された
相溶物である高分子組成物が製造される。
【0028】つづいて、上記ECOの架橋温度で混練を
継続することにより上記高分子組成物が架橋剤により架
橋反応して架橋体が得られる(動的加硫)。ついで、こ
のようにして得られた架橋体を、例えば、プレス成形、
インジェクション成形等により所望の形状の成形体に形
成する。
【0029】このように、上記製法では、PMMAとE
COの混練、架橋剤の添加、架橋反応の一連の工程が、
図1に示す密閉式混練機1内で順次処理される。
【0030】一方、図1に示す密閉式混練機1以外の混
練機を用いた高分子組成物の製法を説明する。これは図
2に示すような、混練用スクリュー3が内蔵された混練
機4を用いて高分子組成物を製造するものであり、例え
ばつぎのようにして製造される。すなわち、図2に示す
混練機4の原料投入口5から、PMMAとECOを投入
する。そして、内蔵する混練用スクリュー3を駆動・回
転させて両者を混練するとともに、混練機4の所定部分
X(混練部分)の少なくとも一部をPMMAの軟化点以
上の温度に設定することにより両者の相溶物を作製す
る。そして、上記温度設定の状態で混練を続け、架橋剤
投入口6から架橋剤を投入して上記相溶物に架橋剤を添
加することにより架橋剤が混練された相溶物である高分
子組成物を製造する。
【0031】つづいて、架橋剤添加後の混練機4の所定
部分を架橋反応させるに必要な温度に設定することによ
り、混練機4内で、上記高分子組成物が架橋剤により架
橋反応して架橋体が得られる。このようにして得られた
架橋体を、混練機4先端のダイス7を通過させて所望形
状に成形する。
【0032】このように、図2に示す混練機4を用いた
場合においても、PMMAとECOの混練、架橋剤の添
加、架橋反応の一連の工程が、混練機4内で順次処理さ
れる。
【0033】本発明の高分子組成物の製法では、上記の
ように、PMMAとECOを混練して両者の相溶物を作
製する際には、上記混練時の温度条件をPMMAの軟化
点以上に設定する必要がある。具体的には、150℃以
上に設定することが好ましく、特に好ましくは170〜
200℃の範囲である。
【0034】このような温度条件で混練することによ
り、PMMAとECOとが単に混練されるのではなく分
子レベルまで混練され相溶した状態の高分子組成物(相
溶物)が得られるようになる。このような相溶状態の高
分子組成物に架橋剤を添加し、この架橋剤を添加した高
分子組成物を架橋させると、相溶状態の高分子組成物の
うち、ECOのみが架橋するが、PMMAが分子レベル
で相溶しているため、架橋後もPMMAの流動性が保た
れることから、得られる架橋体は架橋したゴムというよ
りも、その特性が熱可塑性樹脂に近いものが得られる。
【0035】このようにして得られた架橋体と、単にP
MMAとECOとを混練したブレンド物との特性を比較
すると、つぎのような結果が得られる。例えば、抗張力
(引張強さ)においては、本発明のチオウレア加硫によ
る架橋体(動的加硫を行ったもの)とブレンド物では図
3に示すような結果が得られる。図3に示す図におい
て、aは本発明の架橋体、bは単なるブレンド物であ
る。図3の結果から、本発明の架橋体の抗張力がブレン
ド物の抗張力を上回っており、引張強さに優れているこ
とがわかる。なお、抗張力の測定は、ストログラフR2
2(東洋精機社製)によって測定した。
【0036】また、電気抵抗値について比較した結果を
図4に示す。図4に示す図において、cは本発明のパー
オキサイド加硫による架橋体、dは本発明のチオウレア
加硫による架橋体、eは単なるブレンド物である。図4
の結果から、本発明の2種類の架橋体の電気抵抗値は、
いずれもブレンド物のそれを下回っていることから、帯
電防止性に優れていることがわかる。特に、dのチオウ
レア加硫による架橋体が、パーオキサイド加硫による架
橋体によりも帯電防止性に優れていることがわかる。な
お、電気抵抗値の測定は、絶縁抵抗計(YHP−432
9A、横河ヒューレットパッカード社製)によって測定
した。
【0037】静摩擦係数について比較した結果を図5に
示す。図5に示す図において、hは本発明のチオウレア
加硫による架橋体、曲線iは単なるブレンド物である。
図5の結果から、ECOの体積比が約37%程度までは
両者とも近似した値を示すが、40%を超えるとブレン
ド物は急激に値が上昇するのに対して、本発明の架橋体
の上昇は非常に緩やかである。このことから、動的架橋
物がタックのない滑らかな材料であることがわかる。な
お、静摩擦係数の測定は、静・動摩擦係数計(DFPM
型、協和界面科学社製)によって測定した。
【0038】伸びについて比較した結果を図6に示す。
図6に示す図において、jは本発明のチオウレア加硫に
よる架橋体、kは単なるブレンド物である。図6は、E
COの体積比が約37〜8%程度の範囲での比較であっ
て、本発明の架橋体はブレンド物よりも伸び(%)が大
きく機械的特性に優れていることがわかる。なお、伸び
(%)の測定は、ストログラフR22(東洋精機社製)
によって測定した。
【0039】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0040】
【実施例1〜6】図2に示す、混練用スクリュー3が内
蔵された混練機4(KCK社製)を準備した。そして、
混練機4の原料投入口5から、PMMAとECOの配合
物(ペレット状)を下記の表1に示す割合で投入した。
そして、内蔵する混練用スクリュー3を駆動・回転させ
て両者を混練し相溶物を作製した。そして、混練を続け
ながら、架橋剤投入口6から、下記の表1に示す架橋剤
を同表に示す割合で投入して上記相溶物に架橋剤を添加
した。つづいて、架橋剤添加後の混練機4内で、架橋反
応させて架橋体を製造し、この架橋体を、混練機4の先
端に取付けられたダイス7を通してフィルム形状の成形
体を得た。なお、図2に示す混練機4内の各部分〜
の各温度は、80℃、150℃、170℃、1
80℃、190℃、200℃に設定し、回転数は3
0rpmとした。また、原料に使用したECOは前記式
(1)で表される繰り返し単位から構成されるもので、
式(1)中の繰り返し単位m,n,pの比率(重量比)
はm:n:p=48:48:4である。そして、上記P
MMAの重量平均分子量は8×104 、軟化点は104
℃である。
【0041】
【表1】
【0042】
【比較例1】図2に示す混練機4により、下記の表2に
示す割合でPMMAとECOの配合物(ペレット状)を
投入するとともに、架橋剤を添加せず、単に上記両者の
ブレンド物を作製した。なお、図2に示す混練機4内の
各部分〜の各温度は、80℃、150℃、1
70℃、180℃、190℃、200℃に設定
し、回転数は30rpmとした。
【0043】
【比較例2】図2に示す混練機4の原料投入口5から、
下記の表2に示す割合で、PMMA、ECO、架橋剤を
投入した。その他の条件は比較例1と同様に行った。こ
の場合は、PMMA、ECO、架橋剤を同時に投入して
いるため、PMMAとECOが相溶する前にECOが架
橋する。したがって、PMMAとECO架橋物が混在
し、架橋ゴムの物性を示すために流動性が不足して満足
な成形体は得られなかった。
【0044】
【表2】
【0045】つぎに、図1に示すような、内部にロータ
ー2を備えた密閉式混練機(バンバリミキサー)1(神
戸製鋼所社製)を用いた実施例を説明する。
【0046】
【実施例7〜12】図1に示す、ローター2を内蔵した
バンバリーミキサー1を準備した。そして、このバンバ
リーミキサー1内に、上記実施例1〜6と同じPMMA
とECOの配合物(ペレット状)を下記の表3に示す割
合で投入した。そして、バンバリーミキサー1内の温度
を170℃に設定して、まず、80rpmで5分間混練
し相溶物を作製した。この温度で混練を続けながら、つ
ぎに、上記相溶物に、下記の表3に示す架橋剤を同表に
示す割合で投入して上記相溶物に架橋剤を添加した。添
加後、バンバリーミキサー1内で、架橋反応させて架橋
体を製造した。この架橋体を取り出し、シート形状にプ
レス成形(金型温度:170℃))して成形体を得た。
【0047】
【表3】
【0048】このようにして得られた実施例品および比
較例品について、各特性を測定し評価した。その結果を
下記の表4および表5に示す。なお、上記各特性の測定
は、前述の方法に従って測定した。
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】上記表4および表5の結果から、実施例品
は電気抵抗値および静摩擦係数が小さく、抗張力の大き
いものであることがわかる。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明では、PMMAと
ECOとを上記PMMAの軟化点以上の温度条件下にお
いて、混練して相溶させ高分子組成物を製造する。この
ように、上記温度条件でPMMAとECOを混練するこ
とにより、PMMAとECOとが単に混練されるのでは
なく分子レベルまで混練され両者が相溶した状態の高分
子組成物(相溶物)が得られる。ついで、このような相
溶状態の高分子組成物に架橋剤を添加し、この架橋剤に
より上記高分子組成物を架橋反応させて架橋体を製造す
る。このようにして得られた架橋体は、相溶した状態の
ECOが加硫したものであって、加硫したゴムというよ
りも、その特性が熱可塑性樹脂に近いものが得られる。
このため、電気抵抗値および静摩擦係数が小さく、抗張
力の大きいものである。したがって、帯電防止性および
引張強さに優れた良好な特性を備えた成形物が得られ
る。
【0053】特に、上記混練時において、PMMA
(A)とECO(B)の配合割合(A/B)を、重量比
で、A/B=10/90〜90/10の範囲に設定し、
かつ架橋剤の添加量をECO100部に対して0.25
〜5部の範囲に設定することにより、柔軟性を有すると
ともに、電気抵抗値および静摩擦係数が小さく、抗張力
の大きい架橋体が得られ好ましいものである。さらに、
上記ECOとして、前記式(1)で表される繰り返し単
位から構成されるものを用い、また、PMMAとして重
量平均分子量が2×104 〜1×106 の範囲のものを
用いることが、ECOとの相溶性に優れ、溶融時の流動
性が良好となり一層好ましいものである。
【0054】このようにして得られる架橋体を用いた成
形物の用途としては、上記優れた特性を有することか
ら、リサイクル可能な熱可塑性エラストマーとして好適
に用いられる。しかも、上記PMMAとECOの混練・
相溶工程、架橋剤の添加工程、架橋反応工程の一連の工
程を連続的に行うことができ、作業効率が向上して大幅
な生産性の向上が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の架橋体を製造するために用いられる密
閉式混練機の構造を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の架橋体を製造するために用いられる混
練用スクリュー内蔵の混練機の構造を模式的に示す説明
図である。
【図3】抗張力−ECO体積比の関係を示す図である。
【図4】電気抵抗値−ECO体積比の関係を示す図であ
る。
【図5】静摩擦係数−ECO体積比の関係を示す図であ
る。
【図6】伸び−ECO体積比の関係を示す図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリメチルメタクリレートとエピクロル
    ヒドリン−エチレンオキサイド共重合体とを上記ポリメ
    チルメタクリレートの軟化点以上の温度条件下におい
    て、混練して相溶させ、この相溶物に架橋剤を添加する
    ことを特徴とする高分子組成物の製法。
  2. 【請求項2】 ポリメチルメタクリレート(A)とエピ
    クロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(B)の
    配合割合(A/B)が、重量比で、A/B=10/90
    〜90/10の範囲に設定され、かつ架橋剤の添加量
    が、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体
    100重量部に対して0.25〜5重量部の範囲に設定
    されている請求項1記載の高分子組成物の製法。
  3. 【請求項3】 エピクロルヒドリン−エチレンオキサイ
    ド共重合体が、下記の式(1)で表される繰り返し単位
    から構成されている請求項1または2記載の高分子組成
    物の製法。 【化1】
  4. 【請求項4】 ポリメチルメタクリレートの重量平均分
    子量が2×104 〜1×106 の範囲である請求項1〜
    3のいずれか一項に記載の高分子組成物の製法。
  5. 【請求項5】 架橋剤が、チオウレアおよび過酸化物の
    少なくとも一方である請求項1〜4のいずれか一項に記
    載の高分子組成物の製法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の高
    分子組成物の製法につづいて、相溶物を架橋剤により架
    橋反応させることを特徴とする架橋体の製法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の架橋体の製法により得ら
    れた架橋体。
JP21033895A 1995-08-18 1995-08-18 高分子組成物の製法および架橋体の製法ならびにそれにより得られた架橋体 Pending JPH0959507A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004050761A1 (ja) * 2002-11-29 2004-06-17 Zeon Corporation 半導電性ゴムロール用ゴム組成物及び半導電性ゴムロール
WO2022075300A1 (ja) * 2020-10-06 2022-04-14 株式会社大阪ソーダ 架橋物

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