JPH0959473A - 共押出し用メタクリル樹脂組成物 - Google Patents

共押出し用メタクリル樹脂組成物

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JPH0959473A
JPH0959473A JP7240426A JP24042695A JPH0959473A JP H0959473 A JPH0959473 A JP H0959473A JP 7240426 A JP7240426 A JP 7240426A JP 24042695 A JP24042695 A JP 24042695A JP H0959473 A JPH0959473 A JP H0959473A
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JP
Japan
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weight
methacrylic resin
resin composition
copolymer
monomer
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Application number
JP7240426A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Nakanishi
寛 中西
Masamitsu Tateyama
正光 立山
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐候性、表面外観(光沢)および耐衝
撃性を有する共押出し用メタクリル樹脂組成物の提供。 【解決手段】 (I)特定の極限粘度を有するメタクリ
ル樹脂45〜95重量部と、(II)特定の粒子径を有
し、かつ特定成分の多層構造体からなるグラフト共重合
体55〜5重量部とを合計量が100重量部となるよう
に配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共押出し用メタク
リル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AAS樹
脂等の熱可塑性樹脂は、加工性、機械的性質等が優れて
いることから、建材、各種ディスプレー・看板等の製品
として屋内外に広く使用されているが、耐候性と表面外
観が十分でないという欠点を有している。
【0003】このため、熱可塑性樹脂の耐候性や表面外
観を改良する目的で、製品表面に、メタクリル酸メチル
系樹脂組成物の樹脂層を設ける方法が提案されている
(特公昭55−27848号公報、特開昭4−2554
4号公報)。
【0004】しかしながら、共押出し方法によってベー
ス材となる熱可塑性樹脂の製品表面に、メタクリル酸メ
チル系樹脂組成物(以下、メタクリル樹脂組成物とい
う)の樹脂層を設ける場合、共押出しした時に、熱可塑
性樹脂とメタクリル樹脂組成物との混合が起り、目的と
する多層化された製品が得られなかったり、製品の耐衝
撃性が損なわれたりする場合がある。
【0005】一方、耐衝撃性樹脂として、耐衝撃性を付
与したゴム状のアクリル共重合体またこれを含有するメ
タクリル樹脂組成物が知られているが(例えば、米国特
許第3,661,994号明細書、同第4,169,1
80号明細書等)、これらの樹脂を共押出し用メタクリ
ル樹脂として用いた場合、得られる多層体の耐候性、表
面外観、および耐衝撃性が十分でないという欠点があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解消し、耐候性、表面外観(光沢)、耐衝撃性に優
れた共押出し用メタクリル樹脂組成物を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、共押出し用メタ
クリル樹脂組成物として、特定のメタクリル系樹脂と特
定構造のグラフト共重合体とからなる樹脂組成物を用い
ることにより、上記の目的が達成できることを見い出
し、本発明に到った。
【0008】すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂(A)
と共押出しして多層体を得るために用いられるメタクリ
ル樹脂組成物(B)であって、該メタクリル樹脂組成物
(B)が、 (I)メタクリル酸メチル80〜100重量%、アルキ
ル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル2
0〜0重量%および共重合可能な他の単量体0〜10重
量%からなる重合体または共重合体であり、かつ極限粘
度が0.035〜0.050(リットル/g)であるメ
タクリル樹脂45〜95重量部と、 (II)(a)メタクリル酸メチル30〜70重量%、ア
ルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステ
ル69.5〜29.5重量%および共重合可能な他の単
量体0.5〜20重量%からなる単量体混合物50〜9
0重量部を重合し、(b)次いで、上記(a)成分の共
重合体の存在下に、アルキル基の炭素数が1〜8のアク
リル酸アルキルエステル70〜90重量%、芳香族ビニ
ル化合物29.5〜9.5重量%および共重合可能な多
官能単量体0.5〜5重量%とからなる単量体混合物5
0〜10重量部を重合し、(c)さらに、上記(a)成
分の共重合体および上記(b)成分の共重合体の存在下
に、メタクリル酸メチル80〜100重量%、アルキル
基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル20
〜0重量%および共重合可能な他の単量体0〜10重量
%からなる単量体または単量体混合物30〜100重量
部を重合して得られる粒子径が0.2〜0.4μmであ
るグラフト共重合体55〜5重量部と、からなることを
特徴とする共押出し用メタクリル樹脂組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の共押出し用メタクリル樹
脂組成物(B)と共押出しするために用いられる熱可塑
性樹脂(A)としては、特に限定されないが塩化ビニル
系樹脂、ABS樹脂およびAAS樹脂から選ばれる樹脂
が好ましく用いられる。
【0010】本発明において用いられる塩化ビニル系樹
脂は、塩化ビニル単独重合体、または塩化ビニル80重
量%以上と20重量%以下の他の共重合可能な単量体と
の共重合体である。これらの単独重合体および共重合体
は、単独でまたは混合して用いられる。共重合可能な単
量体としては、例えば酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸
エステル、アクリロニトリル、α−オレフィン、塩化オ
レフィン等が挙げられる。塩化ビニル系樹脂の平均重合
度は、600〜1100程度のものが成形上好ましい。
なお、本発明において用いられる塩化ビニル系樹脂は、
各種の配合剤、例えばポリブタジエン等の耐衝撃改良
剤、アクリル樹脂系の加工助剤の他、各種の安定剤、抗
酸化剤、酸化チタン等の充填剤、着色剤、発泡剤等が配
合されたものも使用できる。
【0011】また、本発明において用いられるABS樹
脂は、ブタジエンを主成分とするゴム成分に、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合
物およびスチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニ
ル化合物、無水マレイン酸、芳香族マレイミド等の単量
体をグラフト重合したグラフト共重合体、さらにはかか
るグラフト共重合体と上記グラフト用単量体の共重合体
からなるものであり、汎用ABS樹脂、耐熱性ABS樹
脂等が含まれる。
【0012】また、本発明に用いられるAAS樹脂は、
アクリルゴムの存在下に、スチレンおよびアクリロニト
リルをグラフト重合して得られる樹脂である。
【0013】上記の塩化ビニル系樹脂、ABS樹脂およ
びAAS樹脂はそれぞれ単独、または必要により2種以
上を併用して用いられる。
【0014】次に、上記の熱可塑性樹脂(A)と共押出
しするために用いられるメタクリル樹脂組成物(B)
は、メタクリル樹脂(I)と、グラフト共重合体(II)
とから構成される。
【0015】メタクリル樹脂(I)は、メタクリル酸メ
チル80〜100重量%、アルキル基の炭素数が1〜8
のアクリル酸アルキルエステル20〜0重量%および共
重合可能な他の単量体0〜10重量%からなる重合体ま
たは共重合体であり、かつ極限粘度が0.035〜0.
050(リットル/g)の範囲のものである。
【0016】メタクリル樹脂(I)を構成するのに用い
られるアルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキ
ルエステルの例としては、例えばアクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル等が挙げられる。これらの単量体は1種ま
たは2種以上を併用することができるが、その使用量は
メタクリル樹脂(I)中0〜20重量%となる範囲であ
る。使用量が20重量%を超えると樹脂の耐熱性が低下
するようになる。
【0017】また、メタクリル樹脂(I)を構成するの
に用いられる共重合可能な他の単量体の例としては、ス
チレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビ
ニル化合物などが挙げられる。これらの単量体は1種ま
たは2種以上を併用することができるが、その使用量は
メタクリル樹脂(I)中0〜10重量%となる範囲であ
る。使用量が10重量%を超えると耐熱性が低下するよ
うになる。
【0018】メタクリル樹脂(I)の分子量は、極限粘
度で0.035〜0.050(リットル/g)(クロロ
ホルムを用いて25℃で測定した)のものであり、極限
粘度が0.035未満では、共押出しして得られた製品
の耐アルコール性が低下し、一方、極限粘度が0.05
0を超えると溶融粘度が増加し、ベース材である熱可塑
性樹脂(A)の溶融粘度とかけ離れるために良好な多層
化が行えず、混合されたりする場合がある。
【0019】メタクリル樹脂(I)の製造方法について
は、特に限定されず公知の方法、例えば塊状重合、溶液
重合、懸濁重合方法により得ることができる。極限粘度
の調整は、メルカプタン等の連鎖移動剤を用いて行なわ
れる。
【0020】メタクリル樹脂組成物(B)を構成するグ
ラフト共重合体(II)は、下記の(a)〜(c)成分を
順次重合することにより得ることができる。
【0021】(a)成分は、メタクリル酸メチル30〜
70重量%、アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸
アルキルエステル69.5〜29.5重量%および共重
合可能な他の単量体0.5〜20重量%からなる単量体
混合物である。
【0022】(a)成分において、メタクリル酸メチル
と共重合させるのに使用されるアルキル基の炭素数が1
〜8のアクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定
されないが、好ましくはアクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル等が挙げられる。また、共重合可能な他の単量体も
特に限定されないが、好ましくはスチレン、α−メチル
スチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、および
シクロマレイミド等のマレイン酸誘導体などの単官能単
量体;エチレンジメタクリレート、1,3−ブチレング
リコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジ
アクリレート、メタクリル酸アリル、ケイヒ酸アリル、
ソルビン酸アリル、フタル酸ジアリルなどの2官能単量
体;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、トリメリット酸トリアリル、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、フマール酸トリアリル、マレイ
ン酸トリアリルなどの3官能単量体;ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ピロメリット酸テトラアクリ
レートなどの4官能単量体が挙げられる。これ等の単量
体は、1種でまたは2種以上を併用して用いることがで
きる。
【0023】(a)成分の使用量は、(a)成分と
(b)成分の合計量100重量部に対し50〜90重量
部である。(a)成分の使用量が50重量部未満では弾
性率の低下が大きく、剛性が得られず、一方、(a)成
分の使用量が90重量部を超えると耐衝撃性が得られな
くなる。
【0024】(b)成分は、上記(a)成分の共重合体
の存在下に重合される。(b)成分は、アルキル基の炭
素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル70〜90
重量%、芳香族ビニル化合物29.5〜9.5重量%お
よび共重合可能な多官能単量体0.5〜5重量%とから
なる単量体混合物である。
【0025】(b)成分で使用されるアルキル基の炭素
数が1〜8のアクリル酸アルキルエステルとしては、上
記(a)成分で記載したものと同様のアクリル酸アルキ
ルエステルが用いられるが、好ましくはアクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル
が挙げられる。また、芳香族ビニル化合物としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が好ま
しく用いられる。また、共重合可能な多官能単量体とし
ては、上記(a)成分で記載したものと同様の多官能単
量体が使用できる。
【0026】(b)成分の使用量は、(a)成分と
(b)成分の合計量100重量部に対して50〜10重
量部であり、この領域以外では、上述したように剛性と
耐衝撃性の物性バランスが得られず好ましくない。
【0027】(c)成分は、上記(a)成分の共重合体
および上記(b)成分の共重合体の存在下に重合され
る。(c)成分は、メタクリル酸メチル80〜100重
量%、アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキ
ルエステル20〜0重量%および共重合可能な他の単量
体0〜10重量%とからなる単量体または単量体混合物
である。(c)成分として使用されるアルキル基の炭素
数が1〜8のアクリル酸アルキルエステルおよび共重合
可能な他の単量体は、上記(a)成分で記載したものと
同様なものが用いられる。
【0028】(c)成分の使用量は、(a)成分と
(b)成分の合計量100重量部に対して30〜100
重量部であり、その使用量が30重量部未満では押出し
成形加工時に良好な成形外観が得られず、一方、(c)
成分の使用量が100重量部を超えると衝撃強度の発現
性が劣るようになる。
【0029】上記(a)〜(c)成分からなるグラフト
共重合体(II)は、多層構造体であり、粒子径が0.2
〜0.4μmの範囲のものである。グラフト共重合体
(II)の粒子径が0.2μm未満では耐衝撃性が低下
し、一方、0.4μmを超える場合には重合安定性が劣
り、本発明のグラフト共重合体が得られない場合がある
他、樹脂組成物外観特性が劣るようになる。
【0030】本発明のグラフト共重合体(II)は、上記
(a)〜(c)成分を順次添加し、重合させることによ
って得られるが、その重合方法としては、乳化重合、懸
濁重合、塊状重合などが挙げられ、これらの中でも乳化
重合法が好ましい。乳化重合の場合の乳化剤としては通
常のアニオン系、カチオン系またはノニオン系界面活性
剤を使用することが可能であり、重合開始剤としては水
溶性、油溶性の単独系または酸化還元系のものが使用で
きる。また、極限粘度の調整は、通常用いられるメルカ
プタン系の連鎖移動剤が使用できる。
【0031】重合温度は、重合方法により異なるため一
概に決められないが50〜160℃の範囲である。
【0032】メタクリル樹脂組成物(B)は、メタクリ
ル樹脂(I)45〜95重量部とグラフト共重合体(I
I)55〜5重量部とを合計量が100重量部となるよ
うに配合し、これをヘンシェルミキサーやV型ブレンダ
ー等で予め混合した後、スクリュー式押出機等でさらに
溶融混合して得るのが好ましい。メタクリル樹脂(I)
/グラフト共重合体(II)の混合比率が上記の範囲以外
では、本発明の効果が発現されにくく、メタクリル樹脂
(I)が多すぎる場合、耐衝撃性が劣り、また、グラフ
ト共重合体(II)が多すぎる場合表面硬度が低下し、耐
擦傷性が劣るようになる。
【0033】本発明のメタクリル樹脂組成物(B)を用
いて共押出しにより多層化された製品を得る方法として
は、特に限定されないが、特に好ましくは、押出成形方
法であって、複数の溶融可塑化シリンダーから熱可塑性
樹脂(A)の一種以上を夫々のシリンダーで溶融し、別
のシリンダーでメタクリル樹脂組成物(B)を溶融し同
一の多層化装置内に逐次充填して共押出しする方法であ
る。
【0034】多層化装置としては、マルチマニホールド
方式とフィードブロック方式が知られており、本発明に
おいて、これらの方法により、用途に応じた形状の製品
とすることができる。例えば、看板や各種外装用には、
真空成形(圧空成形)するかまたはそのままで使用する
ためのシート状物、窓枠・サッシ、雨樋等に使用するた
めの異形(プロファイル)物、およびパイプ、ロッドな
どの製品を得ることができる。
【0035】多層化は、通常は2層で構成されるが、必
要に応じて3層以上にしてもよい。
【0036】ベース材となる熱可塑性樹脂(A)とメタ
クリル樹脂組成物(B)の各層の厚みは製品の用途によ
って異なるため、一概に言えないが、メタクリル樹脂組
成物(B)が0.1〜5mm厚の層となるように配する
ことが好ましい。
【0037】多層化された共押出し製品の成形温度は、
熱可塑性樹脂の種類によって異なるが、概ね170〜2
70℃の範囲である。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。なお、下記実施例および比較例における部は重
量部を表わす。また、実施例および比較例における物性
の評価は以下に示す方法を用いて行った。
【0039】(1)耐候性 加速暴露試験機(スガ試験機(株)製、サンシャインカ
ーボンアーク試験機)を用い、バックパネル温度63
℃、1時間当たり12分の降雨の条件下にサンプルを暴
露し、試験前後の色差(ΔE)を(JISK−710
5)に準拠して測定した。
【0040】(2)落錘衝撃試験 1kgwの球状の重錘を使用し、表層のメタクリル樹脂
組成物にヒビ割れを生じる50%破壊高さを(JISK
−7211)に準拠して測定した。
【0041】(3)ロックウエル硬度 (JISK−7202)に準拠して、M法により測定し
た。
【0042】(4)表面光沢 入射角60度で、鏡面ガラス基準板を100%とした時
のサンプルの値を測定した。測定は(JISK−710
5)に準拠して測定した。
【0043】(5)表面外観 成形品の表面状態・異樹脂層界面状態について目視観察
した。
【0044】(6)耐エタノール性試験 成形品を、25℃で10分間エタノールに浸漬して風乾
後外観を観察した。
【0045】メタクリル樹脂(I)の製造 (1)メタクリル樹脂(I−1)の製造 攪拌装置を備えた内容積300リットルのオートクレー
ブに脱イオン水200kgを仕込み、メタクリル酸メチ
ルとメタクリル酸カリウムの共重合物30g、リン酸水
素1ナトリウム150gおよびリン酸水素2ナトリウム
250gを重合分散安定剤として加えた後、メタクリル
酸メチル90kg、アクリル酸メチル10kg、メトキ
シブチルメルカプトプロピオネート580gおよびt−
ブチルパーオキシ2エチルヘキサノエート250gから
なる単量体混合物を追加して仕込み攪拌しながら、装置
内部を窒素置換した後70℃の温度条件下に240分間
重合した。次いで、得られた重合体を、洗浄、脱水、乾
燥してビーズ状のメタクリル樹脂(I)を得た。得られ
たメタクリル樹脂(I−1)の極限粘度は0.041
(リットル/g)であった。なお、極限粘度は重合体を
クロロホルムに溶解し25℃で測定した。
【0046】(2)メタクリル樹脂(I−2)の製造 メタクリル樹脂(I−1)の製造において、メトキシブ
チルメルカプトプロピオネートの使用量を150gに変
更した以外は、メタクリル樹脂(I−1)の製造と同様
にしてメタクリル樹脂(I−2)を得た。得られたメタ
クリル樹脂(I−2)の極限粘度は0.078(リット
ル/g)であった。
【0047】(3)メタクリル樹脂(I−3)の製造 メタクリル樹脂(I−1)の製造において、メトキシブ
チルメルカプトプロピオネートをn−オクチルメルカプ
タンに代え、かつその使用量を470gに変更した以外
は、メタクリル樹脂(I−1)の製造と同様にしてメタ
クリル樹脂(I−3)を得た。得られたメタクリル樹脂
(I−3)の極限粘度は0.031(リットル/g)で
あった。
【0048】グラフト共重合体(II)の製造 1.グラフト共重合体(II−1)の製造 (1)第1段階(a)成分の重合 攪拌装置を備えた内容積50リットルのオートクレーブ
に、脱イオン水25kg、ホウ酸100g、炭酸ナトリ
ウム10g、硫酸第一鉄0.01g、エチレンジアミン
4酢酸2ナトリウム0.04g、表1の乳化剤(1)
(N−ラウロイルザルコシンナトリウム)8g、および
表1の単量体組成と重合開始剤とからなる第1段階
(a)成分(単量体合計量2kg、重合開始剤6g)の
802.4gを一括して投入し、窒素ガスを吹き込み実
質的に酸素の影響のない状態とした後、80℃に昇温し
て、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(以
下SFSと略称する)の10%水溶液800gを加え、
60分間重合を行い、その後第1段階(a)成分の残量
1203.6gを30分間にわたり、連続的に添加して
重合させ、添加終了後さらに90分間重合を継続した。
【0049】(2)第2段階(b)成分の重合 上記(1)の第1段階(a)成分の共重合体2kgがは
いった同容器内に、脱イオン水500gにSFS20g
および表1の乳化剤(2)(N−ラウロイルザルコシン
ナトリウム)50gを溶解させたものを加え、これにア
クリル酸ブチル81重量%、スチレン17.5重量%、
トリアリルイソシアヌレート1.1重量%、1,4−ブ
タンジオールジアクリレート0.4重量%からなる単量
体混合物8kgにt−ブチルハイドロパーオキサイド
(t−BH)32gを加えたものを、150分間にわた
り連続的に添加しながら重合させ、添加終了後さらに1
80分間重合を継続した。
【0050】(3)第3段階(c)成分の重合 さらに、上記(2)で得られた、(a)成分の共重合体
および(b)成分の共重合体を10kg含むポリマーラ
テックスの入った同容器に、10%乳化剤(3)(N−
ラウロイルザルコシンナトリウム)水溶液500gを加
え、内温を80℃に保持して、メタクリル酸メチル95
重量%およびアクリル酸メチル5重量%からなる単量体
混合物6kgに、n−オクチルメルカプタン24gおよ
びt−BH9gを溶解した混合液を90分間にわたって
連続的に添加して重合させ、添加終了後、さらに60分
間重合を継続して、グラフト共重合体(II−1)を含む
ポリマーラテックスを得た。表1に得られたポリマーラ
テックスの粒子径の測定した結果を示す。
【0051】次に、このポリマーラテックスを70℃の
1%硫酸水中に投入して凝固させ、脱イオン水で洗浄し
た後、脱水し、80℃で気流乾燥させてグラフト共重合
体(II−1)の粉状体を得た。
【0052】2.グラフト共重合体(II−2)の製造 グラフト共重合体(II−1)の製造において、(1)第
1段階(a)成分の単量体組成を表1の如くに変更する
以外は、グラフト共重合体(II−1)の製造と同様にし
てグラフト共重合体(II−2)の粉状体を得た。表1に
グラフト共重合体(II−2)ラテックスの粒子径を示
す。
【0053】3.グラフト共重合体(II−3)の製造 グラフト共重合体(II−1)の製造において、(1)第
1段階(a)成分の単量体組成および乳化剤(1)の
量、ならびに(2)第2段階での乳化剤(2)の量を表
1の如くに変更する以外は、グラフト共重合体(II−
1)の製造と同様にしてグラフト共重合体(II−3)の
粉状体を得た。表1にグラフト共重合体(II−3)ラテ
ックスの粒子径を示す。
【0054】
【表1】
【0055】メタクリル樹脂組成物(B)の製造 上記のメタクリル樹脂(I)の製造において得られたメ
タクリル樹脂(I−1)〜(I−3)、上記のグラフト
共重合体(II)の製造において得られたグラフト共重合
体(II−1)〜(II−3)、トリフェニルフォスファイ
トおよびチヌビン−P(チバガイギー社製、紫外線吸収
剤)を表2に示す割合で配合し、これをヘンシェルミキ
サーにて5分間混合した後、スクリュー式押出機を使用
してシリンダー温度200〜240℃、ダイス温度23
0℃で溶融混練してペレットを得た。
【0056】
【表2】
【0057】〔実施例1〜4、比較例1〜6〕メイン押
出機SHT−45B(日立造船産業(株)製)、サブ押
出機UT−25TおよびUT−32T(プラスチック工
学研究所製)からなる多層押出機を使用し、表3に示す
条件下でメイン押出機およびサブ押出機から、熱可塑性
樹脂(A)ならびにメタクリル樹脂組成物(B)をマル
チプルダイユニットより共押出しして図1に示すような
形状の多層成形体を得た(押出し幅600mm)。表4
に得られた多層成形体の物性の評価結果を示す。
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【発明の効果】本発明の共押出し用メタクリル樹脂組成
物を使用することにより耐候性、耐衝撃性、外観(光
沢)等に優れた多層成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で得られた多層成形体の断
面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 33:00 B29L 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(A)と共押出しして多層
    体を得るために用いられるメタクリル樹脂組成物(B)
    であって、該メタクリル樹脂組成物(B)が、 (I)メタクリル酸メチル80〜100重量%、アルキ
    ル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル2
    0〜0重量%および共重合可能な他の単量体0〜10重
    量%からなる重合体または共重合体であり、かつ極限粘
    度が0.035〜0.050(リットル/g)であるメ
    タクリル樹脂45〜95重量部と、 (II)(a)メタクリル酸メチル30〜70重量%、ア
    ルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステ
    ル69.5〜29.5重量%および共重合可能な他の単
    量体0.5〜20重量%からなる単量体混合物50〜9
    0重量部を重合し、(b)次いで、上記(a)成分の共
    重合体の存在下に、アルキル基の炭素数が1〜8のアク
    リル酸アルキルエステル70〜90重量%、芳香族ビニ
    ル化合物29.5〜9.5重量%および共重合可能な多
    官能単量体0.5〜5重量%とからなる単量体混合物5
    0〜10重量部を重合し、(c)さらに、上記(a)成
    分の共重合体および上記(b)成分の共重合体の存在下
    に、メタクリル酸メチル80〜100重量%、アルキル
    基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル20
    〜0重量%および共重合可能な他の単量体0〜10重量
    %からなる単量体または単量体混合物30〜100重量
    部を重合して得られる粒子径が0.2〜0.4μmであ
    るグラフト共重合体55〜5重量部と、からなることを
    特徴とする共押出し用メタクリル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(A)が塩化ビニル系樹
    脂、ABS樹脂およびAAS樹脂から選ばれるものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の共押出し用メタクリ
    ル樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006131826A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Mitsubishi Rayon Co Ltd 樹脂組成物
CN1293140C (zh) * 1998-02-05 2007-01-03 台湾塑胶工业股份有限公司 聚卤化乙烯树脂组合物

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