JPH0959053A - 珪酸カルシウム成形体およびその製造方法 - Google Patents

珪酸カルシウム成形体およびその製造方法

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JPH0959053A
JPH0959053A JP7213591A JP21359195A JPH0959053A JP H0959053 A JPH0959053 A JP H0959053A JP 7213591 A JP7213591 A JP 7213591A JP 21359195 A JP21359195 A JP 21359195A JP H0959053 A JPH0959053 A JP H0959053A
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Ichiro Midorikawa
一郎 緑川
Susumu Isohata
進 五十畑
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/18Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing mixtures of the silica-lime type
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    • C04B28/188Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing mixtures of the silica-lime type containing formed Ca-silicates before the final hardening step the Ca-silicates being present in the starting mixture

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量、耐熱性、防火性等の特徴を有し、更に
従来のものに比べて、高強度、低吸水性で、かつ鋸引き
や釘打ち等の加工性にも優れる珪酸カルシウム成形体お
よびその製造方法を提供する。 【解決手段】 珪酸カルシウム水和物が100重量部、
樹脂か5〜30重量部からなる、独立気泡を含有する珪
酸カルシウム成形体、および珪酸カルシウム水和物、樹
脂および水を混合したスラリーを脱水し、成形し、乾燥
して、ついで樹脂の溶融温度以上に保持する珪酸カルシ
ウム成形体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、珪酸カルシウム成
形体およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、軽
量、高強度、低吸水性、耐熱性、防火性等の特徴を有
し、かつ鋸引きや釘打ち等の加工性にも優れる、建築材
料として好適な珪酸カルシウム成形体およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、軽量、高耐熱性で鋸引きや釘打ち
等の加工性にも優れ、建築材料に使用される珪酸カルシ
ウム成形体として、珪酸カルシウム水和物、水分散性の
樹指(例えばカルボキシル基を含むスチレン−ブタジエ
ン共重合体ラテックス)、カチオン型高分子凝集剤、補
強繊維および水を混合した水性スラリーを、加圧濾過な
どの方法により脱水し、成形、乾燥してなる合成木材が
提案されている(特公昭62−32148号公報)。
【0003】しかし、この技術による珪酸カルシウム成
形体は、嵩密度0.5g/cm3で曲げ強度が100kg
/cm2前後と天然木材に比較すると機械的強度は非常
に低く、例えば建築用の構造部材として使用することは
困難であった。また、非常に高い吸水性を示すために、
耐凍害性に劣る、表面が汚染されやすい等の問題点を有
しており、塗装等の大がかりな表面処理を施すことなし
に屋外や水廻りで使用することも困難であった。
【0004】そこで、この珪酸カルシウム成形体の問題
点を改良する方法として、珪酸カルシウム水和物−樹脂
−補強繊維等からなる成形体に、 (1)カップリング剤を添加する方法(特公平5−17
187号公報、特開昭63−100049号公報) (2)セメント用分散剤を添加する方法(特開昭62−
123053号公報) (3)水と反応してエトリンガイトを生成する物質を添
加する方法(特開平3−3635号公報) (4)アルカリ金属またはマグネシウムの硫酸塩を添加
する方法(特開平6ー48807号公報) (5)樹脂に熱硬化性水溶性カチオン樹脂と高分子ラテ
ックス組み合わせて用いる方法(特開平1−11955
4号公報) (6)樹脂に特定の合成樹脂ラテックス、エマルジョン
を用いる方法(特公平4ー72788号公報、特開昭6
4ー72950号公報) (7)撥水剤を添加する方法(特開平1−264948
号公報) 等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)〜(6)に記載の方法による珪酸カルシウム成形
体は、機械的強度に向上は認められるものの、吸水性に
ついてはいずれもまだ高いレベルにある。また上記
(7)に記載の方法による珪酸カルシウム成形体は低吸
水性にはなっているものの機械的強度がほとんど向上し
ていないことに加え、ポリジメチルシリオキサン等の高
価な撥水剤を使用するため、珪酸カルシウム成形体の製
造コストの大幅なアップにつながり実用的なものではな
い。
【0006】一方、強度不足、高吸水性といった前述の
問題点を改良する方法として、珪酸カルシウム成形体の
樹脂含有量を増加させることが公知の方法であるといえ
るが、何れの問題点をも改良するためにはかなり多量の
樹脂の含有が必要であり、その結果、珪酸カルシウム成
形体の耐熱性、防火性が大幅に低下するという問題点が
ある。
【0007】本発明の目的は、従来の珪酸カルシウム成
形体が有する軽量、耐熱性、防火性、良加工性等の特徴
に加えて、高強度、低吸水性といった特徴をも有してお
り、従来の珪酸カルシウム成形体に比較して簡単な表面
処理を施すのみで、あるいは表面処理を施すことなしに
屋外や水廻り等でも建築材料として使用可能な珪酸カル
シウム成形体およびその製造方法を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この様な
状況を鑑み鋭意研究を重ねた結果、特定の製造方法を用
いることにより、樹脂含有量が珪酸カルシウム成形体の
耐熱性、防火性を大きく低下させない比較的少量であり
かつ撥水剤等の高価な添加剤を含有しなくても、高強度
でかつ低吸水性の珪酸カルシウム成形体が得られること
を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、珪酸カルシウム水和
物100重量部、樹脂5〜30重量部からなり、独立空
隙を含有することを特徴とする珪酸カルシウム成形体、
であり、また、珪酸カルシウム水和物、樹脂および水を
混合したスラリーを脱水し、成形し、乾燥して珪酸カル
シウム成形体を製造する方法において、上記乾燥した後
の成形体を樹脂の溶融温度以上の温度に保持することを
特徴とする珪酸カルシウム成形体の製造方法、である。
【0010】以下本発明を詳しく説明する。本発明に係
る珪酸カルシウム水和物とは、生石灰、消石灰等の石灰
質原料と珪石粉等の珪酸質原料とをそれぞれ水中に分散
させて水性スラリーとした後、水熱反応させて得られる
もので、トバモライト、ゾノトライト等の結晶質のもの
やCSH- I、CSH- IIと呼ばれる比較的結晶性の
低いものを例示できる。
【0011】その石灰質原料と珪酸質原料との配合割合
は、合成する珪酸カルシウム水和物の種類によって異な
り特に限定されるものではないが、トバモライトの場合
はCaO/SiO2モル比で0.8程度、ゾノトライトの
場合には1程度とするのが好ましい。珪酸カルシウム水
和物は水性スラリーとして得られるが、本発明において
はこのスラリーをそのまま乾燥せずに用いてもよいし、
スラリーを乾燥して粉末にしたものを用いてもよい。
【0012】本発明に係る樹脂としては、熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂いずれであっても、また両者の混合で
あってもよいが、熱硬化性樹脂を含有していることが好
ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等を、熱可塑性樹
脂としては、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニ
ル樹脂等をそれぞれ例示できるが、これらに限定される
ものではない。樹脂は一種類であっても、二種類以上の
混合であってもよい。
【0013】樹脂含有量は珪酸カルシウム水和物100
重量部に対して5〜30重量部、好ましくは10〜25
重量部である。樹脂含有量が少ないと高強度、低吸水性
の成形体が得られなくなり、多すぎると成形体の耐熱
性、防火性が著しく低下する。なお、熱硬化性樹脂樹指
用の硬化剤を含有する場合は、樹脂と硬化剤との合計量
を樹脂含有量とする。
【0014】本発明の珪酸カルシウム成形体は、補強繊
維を含有したものであってもよい。補強繊維の含有は高
強度化に有効である。補強繊維としては、ガラス繊維、
カーボン繊維、ロックウール等の無機繊維、パルプ、レ
ーヨン、ポリエチレン、ビニロン、アラミド等の有機繊
維が例示できるが、補強繊維は一種類であっても二種類
以上の混合であってもよい。
【0015】補強繊維の含有量には特に制限はないが、
珪酸カルシウム水和物100重量部に対して30重量部
以下であることが好ましい。30重量部を越えると補強
繊維が均一に分散した成形体が得にくくなり含有量に見
合った補強効果が得られなくなると共に、用いる繊維の
種類によっては耐熱性、防火性の低下が見られるように
なる。
【0016】なお有機繊維を用いる場合には、樹脂と有
機繊維との合計量が珪酸カルシウム水和物100重量部
に対して30重量部以下である必要がある。30重量部
を越えた場合には、耐熱性、防火性の低下が見られるよ
うになる。また本発明では、珪酸カルシウム水和物の一
部を、ワラストナイト、セピオライト、タルク、水酸化
アルミニウム等、一般に充填材として知られている無機
物に置換することも可能であるが、置換率は20%以下
にすることが好ましい。20%を越えると珪酸カルシウ
ム成形体の強度が低下する傾向が見られる。
【0017】次に本発明の珪酸カルシウム成形体は、独
立空隙を含有している必要がある。一般に珪酸カルシウ
ム成形体はかなり多くの空隙を含有しており、例えば前
述の特公昭62−32148公報に記載の方法による成
形体は、嵩密度が0.5g/cm3であれば、珪酸カル
シウム水和物、樹脂、補強繊維等が占める容積すなわち
マトリックス容積の、珪酸カルシウム成形体のみかけ容
積(外寸法から求められる容積)に対する割合は30〜
40%以下であり、残りの容積は空隙である。
【0018】本発明でいう独立気泡とは、成形体内に含
有されるこの空隙のうち、成形体の表面まで連通してい
ない空隙である。一方、成形体の表面まで連通している
空隙が連続空隙である。したがって以下の関係が成立す
る。 みかけ容積=マトリックス容積+独立空隙容積+連通空
隙容積 そして、独立空隙容積の、 珪酸カルシウム成形体のみか
け容積に対する割合が独立空隙率であり、それは以下の
方法で求める。
【0019】まず、25×25×30mmの試験体を温
度20℃、相対湿度60%の室内に含水率が平衡に達す
るまで放置した後、空気比較式比重計(東京サイエンス
(株)製、商品名 1000型)を用い標準使用方法
(1〜2気圧方法)で試験体の実容積(マトリックス容
積と独立空隙容積との和)Vxを測定する。また試験体
の外寸法からみかけの容積Vaを求め、次式により試験
体の連続空隙率Foを算出する。 Fo(%)=(Va−Vx)/Va×100 次に、マトリックス容積の、 成形体のみかけ容積に対す
る割合Fwを次式により求める。 Fw(%)=Vw/Va×100=ρf/ρs×100 ρf:試験体の嵩密度(g/cm3) ρs:マトリックスの密度(g/cm3) 試験体の独立空隙率Fc(%)は次式で求められる。 Fc(%)=100−Fo−Fw 本発明の珪酸カルシウム成形体は、独立空隙を含有して
いることが必要であるが、独立空隙率が高いほど、 より
高強度かつ低吸水性を示す傾向があるため、独立空隙率
は高い方が好ましい。
【0020】従来技術による珪酸カルシウム成形体は、
独立空隙をほとんど含有しておらず空隙は殆ど全て連続
空隙である。すなわち独立空隙率は殆ど0%となる。従
来技術による珪酸カルシウム成形体(例えば前述の特公
昭62−32148号公報に記載の方法による成形体)
は、電子顕微鏡観察(SEM観察)によれば成形体中で
は樹脂は非常に嵩高な珪酸カルシウム水和物の粒子間に
介在しているものの三次元に連続した層を形成していな
い。そのために、独立空隙を形成することができず、珪
酸カルシウム成形体は強度不足に加え高い吸水性を示す
ものと考えられる。
【0021】また、本発明による珪酸カルシウム成形体
は、嵩密度が、1.0g/cm3以下であることが好まし
く、0.8g/cm3以下であることがさらに好ましい。
嵩密度が大きくなると、加工性が悪くなる傾向が見られ
ると共に軽量であるという特徴も失われてくる。本発明
の珪酸カルシウム成形体は、以下に示す製造方法により
得ることができる。
【0022】本発明の珪酸カルシウム成形体の製造方法
は、まず前述の珪酸カルシウム水和物、樹脂および水、
さらに必要に応じて添加する補強繊維等を混合して均一
な水性スラリーとする。原料の投入順序や混合方法につ
いては、各原料が均一に混合されれば特に限定されるも
のではなく、状況に応じて決定すればよい。またスラリ
ー中には、各原料の均一混合を促進するための分散剤、
成形時のスラリーの濾水性、脱水性を向上するための凝
集剤、成形性、保形性を向上するための成形助剤等を必
要に応じて添加してもよい。
【0023】添加する際の樹脂の形態は、水中で溶解あ
るいは分散するのであれば何れの形態でもよく、水溶性
のもの、エマルジョンタイプのもの、固体状のもの等を
単独でまた形態の異なるものを複数組み合わせて用いる
ことができる。しかし水溶性樹脂、エマルジョンタイプ
の樹脂を用いた場合には、成形時にスラリーの脱水性が
悪くなったり、脱水の際に水と共に樹脂が抜け出てしま
ったりすることがあるために、その対策が必要になる。
また、これらの樹脂には界面活性剤等が通常かなり含有
されているため、成形時に脱水により生じた水を排水す
るのに特殊な処理が必要になったりもする。
【0024】一方、固体状樹脂を使用する場合は、これ
ら対策が不要になったり低減されたりすることから、固
体状樹脂の使用が好ましい。固体状樹脂の粒度は、脱水
の際に用いる濾布の目の大きさにもよるが、平均粒径5
〜250μmの範囲の粉末状のものを用いることが好ま
しい。前述のようにして得られたスラリーを加圧濾過な
どの方法によって脱水し、加圧成形して成形体を得る。
【0025】成形方法としては、プレス成形法、抄造成
形法、押し出し成形法等の従来公知の方法が目的、用途
に応じて適宜採用できる。本発明の珪酸カルシウム成形
体の製造方法は、このようにして得た成形体を加熱等に
より乾燥した後、さらに樹脂の溶融温度以上の温度に保
持する。溶融温度が異なる二種類以上の樹脂を混合して
用いた場合は、最も高い溶融温度以上の温度に保持する
ことが好ましい。
【0026】本発明でいう樹脂の溶融温度とは、JIS
K 6910に準じて測定した融点をいい、それが幅
を持って測定される場合には上限温度を溶融温度とい
う。熱硬化性樹脂に対しては架橋反応を進行させていな
い段階の樹脂について測定した融点をいう。成形体の乾
燥を行う温度は、樹脂の溶融温度以上であっても溶融温
度未満であってもよいが、樹脂の溶融温度以上で乾燥を
行った場合でも、乾燥終了後に樹脂の溶融温度以上の温
度に保持することが必要である。ただし、固体状の熱硬
化性樹脂を用いた場合の成形体の乾燥は、この樹脂の溶
融温度以下で行うことが好ましい。
【0027】また熱硬化性樹脂を用いた場合、溶融温度
以上の温度での保持は、成形体の乾燥を行った温度以上
で行うことが好ましい。本発明では、熱硬化性樹脂を用
いた場合、成形体の乾燥および樹脂の溶融温度以上の温
度での保持という一連の処理は、熱硬化性樹脂の架橋反
応を極端に進行させない条件で行うことが好ましい。樹
脂の架橋反応を極端に進行させない条件とは、樹脂をそ
の条件で処理した後に、JIS K 6910に準じて
測定したゲル化時間が、処理前のゲル化時間の20%以
上の値を示す条件をいうが、50%以上の値を示す条件
で行うことが好ましく、70%以上の値を示す条件で行
うことがさらに好ましい。
【0028】溶融温度以上の温度に保持する時間は、温
度、成形体の形状、樹脂の種類等の条件により一概に決
定することはできないが、通常乾燥終了後1時間以上保
持することが好ましい。本発明においては、乾燥が終了
した後の成形体をさらに樹脂の溶融温度以上の温度に保
持する(以下、この処理)ことが重要である。この処理
により、樹脂が溶融し、流動する。
【0029】従来技術による成形体は、成形体中に樹脂
の連続層が形成されていなかったが、この処理を施すこ
とにより三次元方向に連続した樹脂の層が形成され、独
立空隙を含有する珪酸カルシウム成形体となり、機械的
強度が向上すると共に低吸水性になるものと考えられ
る。特に吸水性に関しては撥水剤等を添加することなし
に、従来技術による成形体の数分の1に低減することが
できる。
【0030】樹脂の溶融温度以上で乾燥を行っても、乾
燥終了後にこの処理を施さない場合には、独立空隙を含
有する珪酸カルシウム成形体は得られない。これは水の
蒸発時に樹脂層に欠陥が生じたままの状態で樹脂層が固
化するために独立空隙が形成できないと考えられる。樹
脂の溶融温度以上の温度に保持する、この処理、におい
ては、架橋反応進行前の段階の熱硬化性樹脂は一般に分
子量が小さく溶融時の粘度が低く流動しやすため、三次
元方向に連続した樹脂層を形成するには熱可塑性樹脂に
比較して有利な場合が多い。そして、この利点をより生
かすためにも前述したように、成形体の乾燥および樹脂
の溶融温度以上の温度での保持という一連の処理で、熱
硬化性樹脂の架橋反応の進行をなるべく抑制することが
好ましい。
【0031】熱硬化性樹脂を用いた場合は、樹脂の溶融
温度以上の温度に保持して樹脂を溶融、流動させた後、
さらに加熱して樹脂の架橋反応を進行させて樹脂を硬化
させる。なお、本発明においては、成形後の一連の加熱
処理は樹脂を劣化させない条件で行うことが望ましい。
【0032】本発明の珪酸カルシウム成形体の製造方法
によれば、10%以上の独立空隙率を含有する珪酸カル
シウム成形体が容易に得られ、さらに樹脂の溶融温度以
上の温度に保持する条件の最適化により20%以上の独
立空隙率を含有する珪酸カルシウム成形体を得ることが
可能である。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、実施例によりさらに本発明
を具体的に説明する。なお、実施例における物性等は以
下に示す方法で測定した。 (1)嵩密度: 100×100×10mmの試験体を
約105℃に調整した撹拌機付き空気乾燥器に入れ、2
4時間乾燥後取り出して、シリカゲルで調湿したデシケ
ーターに入れて常温まで冷却し、重量Wを測定する。
【0034】次にこの試験体の外寸法から、計算により
体積Vを求める。嵩密度は次式より算出する。 嵩密度(g/cm3)=W/V (2)耐熱性: 100×100×10mmの試験体を
700℃で30分間加熱し、加熱後の強度および変形状
態より、良を○、不良を×と判定した。 (3)独立空隙率: 前述の方法で測定した。 (4)曲げ強度: JIS A 1408に準じて測定
した。 (5)吸水量: 200×200×2mmの試験体を温
度20℃、相対湿度60%の室内に含水率が平衡に達す
るまで放置した後、重量測定しこれを乾燥重量Mdとす
る。
【0035】次に、この試験体を200×200mmの
面を水平にして20〜25℃の水中に上面が水面下約3
0mmの位置になるように置き、24時間放置する。2
4時間経過した後、試験体を取り出し表面に付着してい
る水を湿布でふき取り、直ちに重量測定しこれを吸水時
の重量Mwとする。吸水量は次式でによって算出する。 吸水量(g/cm3)=(Mw−Md)/V V:乾燥重量測定時の試験体について行った外寸測定結
果より算出した試験体体積(cm3
【0036】
【実施例1】珪石粉と消石灰とをCaO/SiO2モル
比が1になるように混合し、珪石粉と消石灰との合計重
量に対して10倍量の水を加えてオートクレーブ中で撹
拌しながら温度210℃、圧力19kg/cm2で6時
間水熱反応させて珪酸カルシウム水和物スラリーを得
た。このスラリーに、珪酸カルシウム水和物100重量
部に対してアクリル酸エステル重合体エマルジョン(成
膜した際の膜の溶融温度:139℃)を20重量部(固
形分換算)、ガラス繊維3重量部を添加し、均一になる
ように混合した。
【0037】このスラリーを300×300mmの型枠
に注入して、加圧脱水成形し、120℃で10時間加熱
乾燥し加熱による重量減少が見られなくなることを確認
した後、160℃で3時間加熱して珪酸カルシウム成形
体を得た。得られた珪酸カルシウム成形体の試験結果を
表1に示した。
【0038】
【実施例2】添加する樹脂を粉末状ポリエチレン樹脂
(溶融温度:139℃)とし、添加量を珪酸カルシウム
水和物100重量部に対して25重量部とした以外は、
実施例1と同様の方法で、珪酸カルシウム成形体を得
た。得られた珪酸カルシウム成形体の試験結果を表1に
示した。
【0039】
【実施例3】実施例1と同様の珪酸カルシウム水和物ス
ラリーに珪酸カルシウム水和物100重量部に対して粉
末状エポキシ樹脂(溶融温度:131℃、硬化剤を含有
する)10重量部、ガラス繊維3重量部を添加し、均一
になるように混合した。このスラリーを300×300
mmの型枠に注入して、加圧脱水成形し、120℃で9
時間加熱乾燥し加熱による重量減少が見られなくなるこ
とを確認した後、135℃で1時間30分加熱した。さ
らに170℃で2時間加熱してエポキシ樹脂の架橋反応
を進行させて珪酸カルシウム成形体を得た。
【0040】得られた珪酸カルシウム成形体の試験結果
を表1に示した。
【0041】
【実施例4】実施例1と同様の珪酸カルシウム水和物ス
ラリーに珪酸カルシウム水和物100重量部に対して粉
末状フェノール樹脂(溶融温度:87℃)20重量部、
ガラス繊維3重量部を添加し、均一になるように混合し
た。このスラリーを300×300mmの型枠に注入し
て、加圧脱水成形し、75℃で8時間真空加熱乾燥し加
熱による重量減少が見られなくなることを確認した後、
95℃で1時間加熱した。さらに130℃で1時間加熱
してフェノール樹脂の架橋反応を進行させて珪酸カルシ
ウム成形体を得た。
【0042】得られた珪酸カルシウム成形体の試験結果
を表1に示した。
【0043】
【実施例5】実施例1と同様の珪酸カルシウム水和物ス
ラリーに珪酸カルシウム水和物100重量部に対して粉
末状フェノール樹脂(溶融温度:114℃)10重量
部、ガラス繊維3重量部を添加し、均一になるように混
合した。このスラリーを300×300mmの型枠に注
入して、加圧脱水成形し、105℃で15時間加熱乾燥
し加熱による重量減少が見られなくなることを確認した
後、120℃で1時間加熱した。さらに150℃で1時
間加熱してフェノール樹脂の架橋反応を進行させて珪酸
カルシウム成形体を得た。
【0044】得られた珪酸カルシウム成形体の試験結果
を表1に示した。
【0045】
【比較例1】乾燥後に160℃での加熱処理を行わなか
ったこと以外は実施例1と同様の方法で珪酸カルシウム
成形体を得た。得られた珪酸カルシウム成形体の試験結
果を表1に示した。
【0046】
【比較例2】加圧脱水成形後の乾燥を125℃で12時
間行い、また160℃での加熱を行わなかったこと以外
は実施例2と同様の方法で珪酸カルシウム成形体を得
た。得られた珪酸カルシウム成形体の試験結果を表1に
示した。
【0047】
【比較例3】加圧脱水成形後、170℃で10時間の加
熱のみを行ったこと以外は実施例4と同様の方法で珪酸
カルシウム成形体を得た。得られた珪酸カルシウム成形
体の試験結果を表1に示した。
【0048】
【比較例4】粉末状フェノール樹脂の添加量を、珪酸カ
ルシウム水和物100重量部に対して3重量部としたこ
と以外は実施例5と同様の方法で珪酸カルシウム成形体
を得た。得られた珪酸カルシウム成形体の試験結果を表
1に示した。
【0049】
【比較例5】脱水成形後に、150℃で12時間の加熱
のみを行ったこと以外は実施例5と同様の方法で珪酸カ
ルシウム成形体を得た。得られた珪酸カルシウム成形体
の試験結果を表1に示した。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、従来の珪酸カルシウム
系合成木材の特徴に加えて高強度、低吸水性をも具備し
た、即ち軽量、高強度、低吸水性、耐熱性、防火性等の
特徴を有し、かつ加工性にも優れる建築材料として好適
な珪酸カルシウム成形体が提供できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪酸カルシウム水和物100重量部、樹
    脂5〜30重量部からなり、独立空隙を含有することを
    特徴とする珪酸カルシウム成形体。
  2. 【請求項2】 珪酸カルシウム水和物、樹脂および水を
    混合したスラリーを脱水し、成形し、乾燥して珪酸カル
    シウム成形体を製造する方法において、上記乾燥した後
    の成形体を樹脂の溶融温度以上の温度に保持することを
    特徴とする珪酸カルシウム成形体の製造方法。
JP7213591A 1995-08-22 1995-08-22 珪酸カルシウム成形体およびその製造方法 Withdrawn JPH0959053A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021059461A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 株式会社エーアンドエーマテリアル 樹脂混合ケイ酸カルシウム成形体

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