JPH0958563A - 自転車用電源装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多くのタイプの自転車に取り付けることの
できる、汎用性に富んだ電源装置を提供する。 【解決手段】スタッガード形フレーム１における、ヘッ
ドパイプ２、立パイプ３、上パイプ４および下パイプ５
で囲まれたスペースには、電動自転車Ｐの電源となる電
源装置Ｄが配設されている。電源装置Ｄは、電池ケース
６と接続端子部材７とロック部材８とを備えてなる。電
池ケース６は、下パイプ５に取り付けられた接続端子部
材７に電動自転車Ｐの左側から係合させることが可能で
あり、下パイプ５に取り付けられたロック部材８に施さ
れるロック解除操作により電動自転車Ｐの左側へ取り外
すことが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自転車用電源装置に
関するものであり、さらに詳しくは、電動自転車の駆動
輪駆動用モータあるいは一般の自転車の前照灯や点灯式
方向指示器などの、電池を電源とする電装用部品を備え
た各種の自転車に用いられる電源装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の自転車用電源装置として
は、電池を収納するための電池ケースや、電池ケース内
の電池と電装用部品とを電気的に接続するための接続端
子部材などを備えてなり、自転車のフレームやキャリヤ
に取り付けられるようにされたものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような電源装置に
おいては、通常、特定タイプの自転車に特有のフレーム
やキャリヤに取り付けられるようにされているため、他
のタイプの自転車に取り付けることができないことが多
く、汎用性がないという問題があった。

【０００４】本発明は、このような実情を考慮してなさ
れたものであり、その主要目的は、多くのタイプの自転
車に取り付けることのできる、汎用性に富んだ自転車用
電源装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、電池を
電源とする電装用部品を備えた自転車に用いられる電源
装置であって、スタッガード形フレームにおける下パイ
プと上パイプとの間のスペースに配設可能な形状および
大きさを有し、電池を収納するための着脱可能な電池ケ
ースと、下パイプに取り付けることができ、電池ケース
の一方端部が解除可能に係合されて電池ケース内の電池
と電装用部品とを電気的に接続するための接続端子部材
と、下パイプに取り付けることができ、電池ケースが一
方端部で接続端子部材に係合された際に他方端部を解除
可能にロックするためのロック部材とを備えてなり、電
池ケースが、下パイプに取り付けられた接続端子部材に
自転車の側方から係合させることが可能であり、下パイ
プに取り付けられたロック部材に施されるロック解除操
作により自転車の側方へ取り外すことが可能であるよう
にされている自転車用電源装置が提供される。

【０００６】本発明に係る電源装置は、電動自転車の駆
動輪駆動用モータあるいは一般の自転車の前照灯や点灯
式方向指示器などの、電池を電源とする電装用部品を備
えた各種の自転車に用いられる電。電池としては、充電
式乾電池、充電式蓄電池、非充電式乾電池などが適宜選
択されて所定個数用いられる。

【０００７】本発明に係る電源装置の形状および大きさ
は、スタッガード形フレームにおける下パイプと上パイ
プとの間のスペースに配設可能なように設定される。

【０００８】ここで、スタッガード形フレームとは、日
本工業規格（ＪＩＳ）のＤ９４０１に規定された、自転
車に用いられるフレームである。すなわち、２本の直線
状パイプである、上パイプと下パイプとが、各前端でヘ
ッドパイプに接続され各後端で立パイプに接続されたフ
レームであって、上パイプと下パイプとの間隔が各前端
側で狭く各後端側で広いものである。このスタッガード
形フレームは、機械的強度が大きく、サドルへの乗り降
りが容易であるなどの理由で、現在、各種の自転車に広
く採用されている。

【０００９】本発明に係る電源装置は、電池ケースと接
続端子部材とロック部材とを備えてなる。電池ケースは
着脱可能なものであって、たとえば充電式乾電池が所定
個数収納される。接続端子部材は、ねじ部材や溶接など
で下パイプに取り付けることができるように構成され、
電池ケースの一方端部が解除可能に係合されるものであ
る。そして、電池ケースの一方端部が係合されると、電
池ケース内の電池と電装用部品とを電気的に接続する。
ロック部材は、ねじ部材や溶接などで下パイプに取り付
けることができるように構成され、電池ケースが一方端
部で接続端子部材に係合されたときに他方端部を解除可
能にロックするものである。

【００１０】電池ケースは、自転車の側方（左側または
右側）からフレームへ装着することができ同側方へ取り
外すことができるように構成される。すなわち、電池ケ
ースは、下パイプに取り付けられた接続端子部材に自転
車の側方から係合させることが可能であり、下パイプに
取り付けられたロック部材に施されるロック解除操作に
より自転車の側方へ取り外すことが可能であるようにさ
れる。

【００１１】この電源装置はたとえば、接続端子部材が
係合用凹部を有し、ロック部材が、キーの回動操作によ
り突出・没入するロックピンを有し、電池ケースが、接
続端子部材の係合用凹部に係合する係合用凸部を一方端
部に有し、ロック部材の突出したロックピンの嵌まり込
むロック孔を他方端部に有してなるものとして構成され
る。電源装置がこのように構成されている場合、電池ケ
ースは、その係合用凸部で接続端子部材の係合用凹部に
簡単に係合するとともに、そのロック孔に嵌まり込むロ
ック部材のロックピンにより解除可能に確実にロックさ
れる。

【００１２】本発明に係る電源装置は、形状および大き
さがスタッガード形フレームにおける下パイプと上パイ
プとの間のスペースに配設可能なように設定されるの
で、同フレームの下パイプに接続端子部材とロック部材
とで取り付けることができる。本発明に係る電源装置
は、このスタッガード形フレームの他に、前記ＪＩＳに
規定された、ミキスト形フレーム、ループ形フレーム、
ダイヤモンド形フレーム、ダブルトップ形フレームなど
の、下パイプが直線状であって上パイプと下パイプとの
間隔がスタッガード形フレームにおけるそれよりも広い
か同程度のフレームにも同様に取り付けることが可能で
ある。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態である
電動自転車用電源装置について、図面に基づいて詳しく
説明する。なお、これによって本発明が限定されるもの
ではない。なお、ここで「左」とは、使用者が電動自転
車のサドルに正しく腰掛けたときにその左側をいい、
「右」とはその右側をいう。

【００１４】図１において、電動自転車Ｐはスタッガー
ド形フレーム１を備えてなる。フレーム１は、直線状ヘ
ッドパイプ２と、このヘッドパイプ２に平行な直線状立
パイプ３と、前端でヘッドパイプ２に接続され後端で立
パイプ３に接続された直線状上パイプ４と、この上パイ
プ４の下方に配されかつ前端でヘッドパイプ２に接続さ
れ後端で立パイプ３に接続された直線状下パイプ５とを
備えてなる。上パイプ４と下パイプ５との間隔は各パイ
プ４・５の前端側で狭く後端側で広くされており、スタ
ッガード形フレーム１の特徴となっている。

【００１５】このフレーム１における、ヘッドパイプ
２、立パイプ３、上パイプ４および下パイプ５で囲まれ
たスペースには、電動自転車Ｐの駆動輪である後輪を駆
動するために、後輪のハブ軸を保護するケーシング２０
の内側に収納された電装用部品としてのモータ２１の電
源となる電源装置Ｄが配設されている。

【００１６】すなわち、電源装置Ｄは、図２および図３
に拡大して示すように、電池ケース６と接続端子部材７
とロック部材８とを備えてなる。電池ケース６、接続端
子部材７およびロック部材８の形状および大きさは、ヘ
ッドパイプ２、立パイプ３、上パイプ４および下パイプ
５で囲まれたスペースに配設可能なように設定されてい
る。電池ケース６は把手部６ａを有する着脱可能なもの
であって、内部には、図４および図５に示すように、２
０個の単１型充電式乾電池９（１．２Ｖ×２０＝２４
Ｖ）が１段に１０個ずつ２段に収納されるようになって
いる。

【００１７】接続端子部材７は、下パイプ５の上端寄り
箇所を除く上面部に溶接で取り付けられた細長い取付板
１０の上面の下端部に溶接で取り付けられている。取付
板１０は、接続端子部材７とともに電池ケース６を載せ
ることができるように、その長さが決められている。ロ
ック部材８は、下パイプ５の上端寄り箇所の上面部に溶
接で取り付けられた取付板１１の上面に４つのねじ部材
１２・１２・１２・１２で取り付けられ、取付板１１の
後方近傍で下パイプ５の側面部に当接する左右一対の取
付用舌片部８ａ（左側のみ図示）で、舌片部８ａおよび
下パイプ５を貫通するボルト１３およびナット（図示
略）により固定されている。

【００１８】図４および図５に示すように、電池ケース
６の一方端部（下端部）には係合用凸部６ｂが設けられ
ている。凸部６ｂは、側面形状が略直角三角形状であっ
てその三角形の最短辺が下パイプ５の上面に平行でかつ
突出先端の角度が約６０度にされている。電池ケース６
の他方端部（上端部）は、その平面形状が、長方形の右
隅部を略直角三角形状に切り欠いた形状にされている。
電池ケース６の他方端部には、同端部の端面に開口する
ロック孔６ｃが設けられている。

【００１９】接続端子部材７には、その内部にリード線
７ａが配されており、電池ケース６に対向する面の上部
に、電池ケース６の凸部６ｂに係合する係合用凹部７ｂ
が設けられている。リード線７ａは、電池ケース６の一
方端部が接続端子部材７に係合された際に電池ケース６
内の乾電池９とモータ２１とを電気的に接続するための
接続端子に連なっている。凹部７ｂの形状は、電池ケー
ス６の凸部６ｂが密に係合するように、凸部６ｂの形状
に対応したものにされている。

【００２０】ロック部材８は、電池ケース６が一方端部
で接続端子部材７に係合された際に他方端部を解除可能
にロックする。ロック部材８には、その左側面に錠部８
ｂが設けられ、内部にロックピン８ｃが設けられてい
る。錠部８ｂには図６に示すロックキー１４の挿入され
るキー孔が設けられている。ロックキー１４を錠部８ｂ
のキー孔に挿入すると、内蔵されたカム８ｄを９０度の
角度で回動させることができる。ロックピン８ｃは、電
池ケース６のロック孔６ｃに嵌まり込むものであり、取
付具８ｅに取り付けられ、圧縮型コイルバネ８ｆにより
突出方向へ付勢されている。

【００２１】ロック部材８のうちの、電池ケース６に対
向する面には、電池ケース６の他方端部における右半部
に対応して、平面形状が略直角三角形状の張出部８ｇが
設けられている。この張出部８ｇは、電池ケース６が接
続端子部材７とロック部材８との間に装着された際に電
池ケース６が右側へ外れるのを阻止する。

【００２２】次に、この電源装置Ｄにおける電池ケース
６の着脱の方法について、図５〜図８に基づいて説明す
る。

【００２３】電池ケース６を装着する場合は、図６に示
すように、まずロックキー１４をロック部材８の錠部８
ｂのキー孔に挿入し、ロックキー１４をその頭部が下パ
イプ５と平行になるように回動させる。すると、カム８
ｄが回動して、取付具８ｅを介してコイルバネ８ｆを縮
める。これにより、ロックピン８ｃの先端がロック部材
８内に没入するので、電動自転車Ｐの左側から電池ケー
ス６の凸部６ｂを接続端子部材７の凹部７ｂに嵌め込
み、電池ケース６の他方端部を右側へ回動させる。する
と、ロック部材８の張出部８ｇにより、電池ケース６の
余分な回動が阻止されて、電池ケース６が下パイプ５に
対して平行になる。

【００２４】このとき、図５に示すように、電池ケース
６のロック孔６ｃがロック部材８のロックピン８ｃに対
向するので、ロックキー１４をその頭部が下パイプ５に
垂直になるように回動させる。これにより、カム８ｄが
回動してコイルバネ８ｆが伸びる。そして、ロックピン
８ｃの先端がロック部材８から突出し、電池ケース６の
ロック孔６ｃに嵌まり込んで、電池ケース６の装着が終
わる。

【００２５】電池ケース６を取り外す場合は、図５の状
態でロックキー１４をロック部材８の錠部８ｂのキー孔
に挿入し、ロックピン８ｃの先端をロック部材８内に没
入させる。これにより、図６に示すように、電池ケース
６を電動自転車Ｐの左側へ取り外すことができる。

【００２６】この電源装置Ｄは、以上のように構成され
ているので、多くのタイプの電動自転車に取り付けるこ
とのできる、汎用性に富んだものである。

【００２７】すなわち、電源装置Ｄを構成する電池ケー
ス６、接続端子部材７およびロック部材８の形状および
大きさが、ヘッドパイプ２、立パイプ３、上パイプ４お
よび下パイプ５で囲まれたスペースに配設可能なように
設定され、接続端子部材７およびロック部材８が、いず
れも下パイプ５の上面部に取り付けられるようにされ、
電池ケース６が着脱可能なものである。したがって、電
源装置Ｄは、スタッガード形フレーム１のみならず、ミ
キスト形フレーム、ループ形フレーム、ダイヤモンド形
フレーム、ダブルトップ形フレームなどの、下パイプが
直線状であって上パイプと下パイプとの間隔がスタッガ
ード形フレーム１におけるそれよりも広いか同程度のフ
レームにも同様に取り付けることが可能である。

【００２８】また、電池ケース６は、下パイプ５に取り
付けられた接続端子部材７に電動自転車Ｐの左側から係
合させることが可能であり、下パイプ５に取り付けられ
たロック部材８に施されるロック解除操作（ロックキー
１４の回動操作）により電動自転車Ｐの左側へ取り外す
ことが可能であるようにされている。したがって、電動
自転車Ｐの左側から乗り降りすることが圧倒的に多い使
用者にとって、スタッガード形フレーム１への電池ケー
ス６の着脱操作を、乗り降りする左側で簡単に行うこと
ができる。

【００２９】さらに、電池ケース６は、その一方端部に
おいて凸部６ｂと接続端子部材７の凹部７ｂとで、その
他方端部においてロック孔６ｃとロック部材８のロック
ピン８ｃとで、確実に保持されるので、使用中に外れ落
ちるおそれを回避することができる。

【００３０】加えて、ロック部材８の張出部８ｇによ
り、電池ケース６の余分な回動が阻止されるので、電池
ケース６の着脱操作が簡単になる。

【００３１】

【発明の効果】本発明の請求項１に記載の自転車用電源
装置は、電池ケース、接続端子部材およびロック部材の
形状および大きさが、スタッガード形フレームにおける
下パイプと上パイプとの間のスペースに配設可能なよう
に設定され、接続端子部材およびロック部材がいずれも
下パイプに取り付けられるようにされ、電池ケースが着
脱可能なものである。したがって、この電源装置は、ス
タッガード形フレームのみならず、下パイプが直線状で
あって上パイプと下パイプとの間隔がスタッガード形フ
レームにおけるそれよりも広いか同程度のフレームにも
同様に取り付けることが可能な、汎用性に富んだもので
ある。

【００３２】また、電池ケースは、下パイプに取り付け
られた接続端子部材に自転車の側方から係合させること
が可能であり、下パイプに取り付けられたロック部材に
施されるロック解除操作により自転車の側方へ取り外す
ことが可能であるようにされている。したがって、この
電源装置によれば、スタッガード形フレームへの電池ケ
ースの着脱操作を自転車の側方で簡単に行うことができ
る。

【００３３】本発明の請求項２に記載の自転車用電源装
置にあっては、接続端子部材が係合用凹部を有し、ロッ
ク部材が、キーの回動操作により突出・没入するロック
ピンを有し、電池ケースが、接続端子部材の係合用凹部
に係合する係合用凸部を一方端部に有し、ロック部材の
突出したロックピンの嵌まり込むロック孔を他方端部に
有してなる。したがって、請求項１記載の電源装置が奏
する前記効果に加えて、電池ケースは、一方端部におい
て凸部と接続端子部材の凹部とで、また他方端部におい
てロック孔とロック部材のロックピンとで、確実に保持
され、使用中に外れ落ちるおそれを回避することができ
る。

【００３４】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の１形態に係る電動自転車用電源
装置が取り付けられた電動自転車の全体外観を示す側面
図。

【図２】図１の電源装置を拡大して示す側面図。

【図３】図１の電源装置を拡大して示す平面図。

【図４】図１の電源装置の内部を拡大して示す側面図。

【図５】図１の電源装置の内部を拡大して示す平面図。

【図６】図１の電源装置における電池ケースの装着中ま
たは取り外し中の状態を拡大して示す平面図。

【図７】図１の電源装置における電池ケースの装着後に
おけるロック部材の状態を拡大して示す側面図。

【図８】図１の電源装置における電池ケースの装着中ま
たは取り外し中におけるロック部材の状態を拡大して示
す側面図。

【符号の説明】

１ スタッガード形フレーム ４ 上パイプ ５ 下パイプ ６ 電池ケース ６ｂ 凸部 ６ｃ ロック孔 ７ 接続端子部材 ７ｂ 凹部 ８ ロック部材 ８ｃ ロックピン ９ 乾電池 ２１ モータ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電池を電源とする電装用部品を備えた自
   転車に用いられる電源装置であって、 スタッガード形フレームにおける下パイプと上パイプと
   の間のスペースに配設可能な形状および大きさを有し、 電池を収納するための着脱可能な電池ケースと、 下パイプに取り付けることができ、電池ケースの一方端
   部が解除可能に係合されて電池ケース内の電池と電装用
   部品とを電気的に接続するための接続端子部材と、 下パイプに取り付けることができ、電池ケースが一方端
   部で接続端子部材に係合された際に他方端部を解除可能
   にロックするためのロック部材とを備えてなり、 電池ケースが、下パイプに取り付けられた接続端子部材
   に自転車の側方から係合させることが可能であり、下パ
   イプに取り付けられたロック部材に施されるロック解除
   操作により自転車の側方へ取り外すことが可能であるよ
   うにされている自転車用電源装置。
2. 【請求項２】 接続端子部材が係合用凹部を有し、 ロック部材が、キーの回動操作により突出・没入するロ
   ックピンを有し、 電池ケースが、接続端子部材の係合用凹部に係合する係
   合用凸部を一方端部に有し、ロック部材の突出したロッ
   クピンの嵌まり込むロック孔を他方端部に有してなる請
   求項１記載の自転車用電源装置。