JPH095596A - 二溝スロット用サイジング装置および同スロットの製造方法 - Google Patents

二溝スロット用サイジング装置および同スロットの製造方法

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JPH095596A
JPH095596A JP7147971A JP14797195A JPH095596A JP H095596 A JPH095596 A JP H095596A JP 7147971 A JP7147971 A JP 7147971A JP 14797195 A JP14797195 A JP 14797195A JP H095596 A JPH095596 A JP H095596A
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groove
slot
cooling water
water
water supply
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Application number
JP7147971A
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English (en)
Inventor
Kenji Kozuka
健次 小塚
Masato Isobe
政人 磯部
Shigehiro Matsuno
繁宏 松野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Exsymo Co Ltd
Original Assignee
Ube Nitto Kasei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産速度を上げても、寸法精度がよく、表面
も滑らかな成形品が得られるサイジング装置の提供。 【構成】 装置6は、サイジングダイ10と、給水ジャケ
ット12と、減圧チャンバー14とを有している。サイジン
グダイ10は、上,下型10a,10b からなる分割型を有
し、上, 下型10a,10b の給水ジャケット内に配置される
小径半円筒部100a,100b には、外周から、二溝スロット
の本体部外周と、溝部内周とに冷却水を供給する給水孔
105a〜111a, 105b〜111bが設けられている。上, 下型10
a,10b の減圧チャンバー内に配置される大径半円筒部10
2a,102b の中間部に、溝部内周からのみ冷却水を排出す
る排水孔113a,113b が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二溝スロット用サイジ
ング装置および同スロットの製造方法に関し、特に、光
ファイバを担持する溝部の寸法精度や表面粗さを高精度
に保ちつつ、高速で押出し成形が可能になるサイジグ装
置およびスロットの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】押出し成形品のうち、例えば、超高密度
光ファイバケーブルに使用されるスロットや窓枠などの
ように、内方に陥入する溝部を有する異形断面の押出し
成形品では、凹状の溝部の内側寸法精度が高く、その表
面が滑らかなことが要求されている。
【0003】特に、最近新聞紙上などで脚光を浴びてい
る光ハイウェー構想で用いられる超高密度光ファイバー
ケーブルの部品であるスロットにおいては、このような
要求がより一層大きくなっている。すなわち、この種の
光ファイバケーブルでは、より一層の高密度化を図るた
め、スロットの溝部内に収納される光ファイバテープ芯
線も高密度化が進められ、光ファイバを保護するバッフ
ァ層を非常に薄くして、収納する芯線数の増加を図って
いる。
【0004】この結果、溝の内周に寸法変化や表面に凹
凸があると、従来のものよりもより一層マイクロベンデ
ィングロスが発生し易くなっており、溝側の寸法精度と
表面粗さのより一層の向上が求められている。ところ
で、この種のスロットは、従来より以下に示す製造工程
により製造されていた。 テンションメンバーの外周に、溶融状態の熱可塑性樹
脂を、所定の断面形状、例えば、円形の断面に中心を指
向する凹状の溝部を設けた異形断面に近似した状態で押
出す。 サイジングダイ(所定の断面形状の空隙を有する型で
あって、成形品を冷却しながら整形する装置)に導き、
熱可塑性樹脂を冷却しながら整形する。 得られた成形品をボビンに巻き取る。
【0005】なお、スロットの溝部に撚りを加えたい場
合には、以上の工程に連続するか、あるいは、分離され
た状態で以下の処理工程が行なわれる。 得られた成形品を軟化点以上融点未満の温度に加熱す
る。 撚りを加えながら冷却する。この場合、再度サイジン
クを行なうことも行なわれている。 ボビンに巻き取る。
【0006】このような製造工程におけるサイジングの
方法としては、先端部だけが水槽の外側に出ている2分
割のサイジングダイにスロットを導き、整形しながら冷
却する方法(特開平5−261844号公報)や、サイ
ジングダイを長くして、冷却ジッヤケットに納めた二分
割できるザイジングダイに導く方法などが考えられてい
る。
【0007】しかしながら、このようなサイジング方法
には、いずれも以下に説明する技術的課題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、まず、前者
の方法では、低速での製造では比較的問題がないが、生
産速度を上げると、溝部の冷却が不十分になり、溝部の
寸法精度が悪化するという問題があった。また、後者の
方法では、前者の方法よりも寸法精度がよく、高い寸法
精度を確保しながら生産速度を上げるためには、サイジ
ングダイとジャケットの長さを長くするとよいが、この
ようにすると、スロットの引抜き抵抗が非常に大きくな
り、スロットが破断するおそれがある。
【0009】さらに、後者の方法では、サイジングダイ
の両端部をシールし、ジャケット内に供給する冷却水を
加圧し、サイジングダイの合わせ目から水を侵入させス
ロットを直接冷却することも考えられるが、特に、横引
き構造の場合などには、冷却水が逆流し、逆流した冷却
水がサイジングダイの入口付近に滞留すると、これが沸
騰して、成形品の表面にアバタが発生するという問題が
ある。
【0010】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、その目的とするところは、生
産速度を上げても、寸法精度がよく、かつ、表面も滑ら
かな成形品が得られる二溝スロット用サイジング装置お
よび同スロットの製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、サイジングダイと、冷却水が満たされる
給水ジャケットと、減圧チャンバーとを備え、光ファイ
バを担持する二溝スロット用のサイジング装置であっ
て、前記サイジングダイは、前記給水ジャケット内に配
置される入口側に、前記二溝スロットとの接触面に冷却
水を供給する給水孔が設けられ、前記減圧チャンバー内
に配置される中間部に冷却水が排出される排水孔を設け
たことを特徴とする。前記二溝スロットは、略円形断面
の本体部と、この本体部の対向する位置に凹設された一
対の溝部とを有し、前記サンジングダイは、前記二溝ス
ロットの外周形状に対応した空間部を有する分割型であ
り、前記給水孔は、前記本体部の外周と前記溝部の内周
とに冷却水を供給するように前記分割型に設けられると
ともに、前記排水孔は、前記溝部内周から冷却水を排出
するように前記分割型に設けることができる。また、第
二の発明は、略円形断面の本体部と、この本体部の対向
する位置に凹設され、光ファイバが収納される一対の溝
部とを有する二溝スロットを、押出した後にサイジング
装置で冷却,整形する二溝スロットの製造方法におい
て、前記サイジング装置は、サイジングダイと、冷却水
が満たされる給水ジャケットと、減圧チャンバーとを備
え、前記給水ジャケット内に配置される入口側で、前記
二溝スロットと前記サイジングダイとの接触面に冷却水
を供給し、前記減圧チャンバー内に配置される中間部
で、前記冷却水を排出することを特徴とする。前記冷却
水は、前記給水ジャケット内に配置される前記サイジン
グダイの入口側で、前記本体部の外周と前記溝部の内周
とに供給され、前記冷却水の排出が、前記減圧チャンバ
ー内に配置される前記サイジングダイの中間部で、前記
溝部内周から行なうことができる。
【0012】
【作用】上記構成のサイジング装置および二溝スロット
の製造方法によれば、まず、給水ジャケット内に配置さ
れる入口側で、成形品である二溝スロットとサイジング
ダイとの接触面に冷却水を供給するので、二溝スロット
がサイジングダイと接触する面との間に水膜が形成さ
れ、この水膜により、二溝スロットが、冷却水により直
接冷却され、成形品を短時間に熱変形温度未満まで冷却
することができる。また、この水膜は、二溝スロットの
冷却だけでなく、サイジングダイと二溝スロットとの間
に介在して、潤滑剤として機能するため、二溝スロット
の引抜き抵抗が大幅に低下し、これにより生産速度を上
げることができる。一方、給水ジャケット内には、冷却
水が満たされているので、その水圧により、サイジング
ダイと二溝スロットとの間への冷却水の供給は、確実か
つ大量に行なえる。また、冷却水の排出は、減圧チャン
バー内に配置されるサイジングダイの中間部から行なう
ので、減圧による強制的な排水により、冷却水の流れ方
向が一定になり、逆流が発生しない。このとき、冷却水
を排出すると、減圧作用により二溝スロットがサイジン
グダイに吸い付けられるので、二溝スロットの寸法精度
や表面精度が向上する。
【0013】
【実施例】以下本発明の好適な実施例について添附図面
を参照して詳細に説明する。図1〜図11は、本発明に
かかる二溝スロット用サイジング装置および同スロット
の製造方法の一実施例を示している。図1に製造する光
ファイバ担持用二溝スロットAの断面形状を示してい
る。
【0014】同図に示す二溝スロットAは、対向する2
箇所が切欠された略円形断面を有する熱可塑性樹脂製の
本体部A1 と、本体部A1 の中心に所定の間隔をおいて
埋設された3本のテンションメンバーA2 と、本体部A
1 の中心に対して上下方向に対称に設けられ、内方を指
向するようにして陥設された凹状の一対の上,下溝部A
3 ,A4 とから構成されていて、溝部A3 ,A4 は、本
体部A1 の長手方向に沿ってその全長に形成されてい
る。なお、図1に示した数値は、得ようとする二溝スロ
ットAの設計寸法である。
【0015】図2は、二溝スロットAの製造方法の一例
を示している。同図に示す製造方法では、テンションメ
ンバーA2 として、芳香族ポリアミド繊維(デュポン社
製:商品名ケブラー49 1140de)を、また、ス
ロットAの本体部A1 形成用の樹脂として、ポリブチレ
ンテレフタレート(帝人株式会社製:商品名C−700
0N)を使用した。
【0016】テンションメンバーA2 は、クリールスタ
ンド1に支持されたボビン2に捲回され、このボビン2
から繰り出しながらダンサーローラ3により、450g
/本のテンションを付与して、予熱装置4を通して、押
出機5のクロスヘッドダイに供給する。押出機5の樹脂
押出し温度は、245℃に設定した。押出機5に装着さ
れている吐出ダイス5aは、図3に示すような断面形状
とした。
【0017】すなわち、吐出ダイス5aの孔部形状は、
押出機5から押し出された熱可塑性樹脂が固化する際の
寸法収縮を考慮して、溝部A3 に相当する部分の幅と長
さとを設計寸法(図1参照)よりも大きくし、本体部A
1 の最も肉厚となる部分の外周を切欠した形状とした。
このような形状の吐出ダイス5aからテンションメンバ
ーA2 の外周に樹脂を溶融状態で押出し被覆し、押出機
5から横方向に押し出された中間品をサイジング装置6
に導入した。
【0018】なお、この時の成形品の引取速度は、8m
/分、サイジング装置6への冷却水の給水量は、900
ml/分、水圧は、0.2kg/cm2 であった。ま
た、後述する減圧チャンバー内の圧力は、40mmHg
に設定した。図4〜図11に、このとき使用したサイジ
ンク装置6の詳細を示している。図4は、サイジング装
置6の全体図であって、サイジング装置6は、サイジン
グダイ10と、冷却水が満たされる給水ジャケット12
と、減圧チャンバー14とを有している。
【0019】サイジングダイ10は、給水ジャケット1
2と減圧チャンバー14の中心を貫通するようにして配
置され、図5〜図10にその詳細を示すように、二溝ス
ロットA(成形品)の本体部A1 と一対の上,下溝部A
3 ,A4 に対応した空間部を有する上,下型10a,1
0bからなる分割型から構成され、細長い円筒状に形成
されている。
【0020】上, 下型10a,10bを分離した状態を
図6に示している。上型10aは、は、給水ジャケット
12内に位置される小径半円筒部100aと、この小径
半円筒部100aの後端に一体に形成された半円板状の
フランジ部101aと、このフランジ部101aの後端
側に連なる大径半円筒部102aとを有している。小径
半円筒部100aと大径半円筒部102aの内側には、
押出機5から押し出された二溝スロットAの上溝部A3
に挿入される凸部103aがその全長に渡って設けられ
ている。
【0021】また、この凸部103aの両側には、押出
機5から押し出された二溝スロットAの本体部A1 の上
半分が嵌入される一対の半円状溝104aがその全長に
渡って形成されている。一方、小径半円筒部100aの
外周には、5個の給水孔105a〜109aと、下型1
0bとの接合面の両側に設けられた一対の半円給水孔1
10a,111aとが貫通形成されている。これらの給
水孔105a〜111aは、同一円周上に位置してい
て、この円周上に対応する凸部103aの位置には、凸
部103aの外周を所定の大きさで切欠した切欠溝11
2aが形成されている。
【0022】給水孔105a〜109aの内、中心側の
2個が凸部103aの側面に沿った位置に開口し、中心
の1個が凸部103aの中心上において、切欠溝112
aに開口しており、外周側の残りの2個は、半円状溝1
04aにそれぞれ開口している(図9参照)。大径半円
筒部102aの後部側の中間位置には、排水孔113a
が貫通形成されていて、この排水孔113aの貫通位置
には、凸部103aを分断する溝114aが設けられて
おり、この溝114aに排水孔113aが開口している
(図10参照)。さらに、大径半円筒部102aの下面
側には、下型10bと嵌合させるための突起115aが
一対設けられている。
【0023】一方、下型10bは、上型10aとの分割
線を中心としたほぼ対称の形状に形成され、上型10a
の小径半円筒部100a,フランジ部101a,大径半
円筒部102aとそれぞれ接合される小径半円筒部10
0b,フランジ部101b,大径半円筒部102bを有
している。小径半円筒部100bと大径半円筒部102
bの内側には、押出機5から押し出された二溝スロット
Aの下溝部A4 に挿入される凸部103bがその全長に
渡って設けられている。
【0024】また、この凸部103bの両側には、押出
機5から押し出された二溝スロットAの本体部A1 の下
半分が嵌入される一対の半円状溝104bがその全長に
渡って形成されている。一方、小径半円筒部100bの
外周には、上型10aと対応する位置に、5個の給水孔
105b〜109bと、上型10aとの接合面の両側に
設けられた一対の半円給水孔110b,111bとが貫
通形成され、給水孔105b〜111bの円周上に対応
する凸部103bの位置には、凸部103bの外周を所
定の大きさで切欠した切欠溝112bが形成されてい
る。
【0025】各給水孔105b〜109bは、上型10
aと同様な位置に開口している(図9参照)。大径半円
筒部102bの後部側には、排水孔113bが貫通形成
されていて、この排水孔113bの貫通位置には、凸部
103bを分断する溝114bが上型10aと同じ位置
に設けられており、この溝114bに排水孔113bが
開口している(図10参照)。
【0026】また、大径半円筒部102bの上面には、
突起115aと嵌合する段部115bが設けられてい
る。なお、図5に符号116a,b,117a,b,1
18a,bで示した部分は、サイジングダイ10に設け
られた取付フランジである。図7〜10には、上,下型
10a,10bを組み合わせたときに、これらの型10
a,10b間に形成される空間、すなわち、スロットA
が挿通される空間部の形状を示している。図5に示すよ
うに組み合わされたサイジングダイ10は、図4に示す
ように、取付フランジ116a,bを隔壁14aに設け
られた貫通孔14e内に挿入して、フランジ101a,
bに0ーリングを介装して減圧チャンバー14を画成す
る隔壁14aに当接され、給水ジャケット12と減圧チ
ャンバー14との間を液密的にシールする。また、残り
の2個の取付フランジ部117a,b,118a,b
は、減圧チャンバー14内に設けられた支持体16上に
当接して、サイジングダイ10の位置決め用に使用され
る。
【0027】一方、給水ジャケット12は、減圧チャン
バー14の隔壁14aに固設される両端が開口した筒部
12aと、中心にサイジングダイ10の挿通孔12bが
設けられた蓋部12cとから構成され、挿通孔12bと
サイジングダイ10との間には、Oーリングが介装さ
れ、また、筒部12aと隔壁14aとの間にもOーリン
グを介装して、液密的に密閉されている。
【0028】筒部12aには、冷却水の溢水口12dと
注水口12eとが設けられている。注水口12eには、
給水ジャケット12内の水圧ないしは水量を調整する注
水制御装置30が接続されている。図11にこの注水制
御装置30の詳細を示している。同図に示す注水制御装
置30は、給水ジャケット12内に開口する注水口12
eに接続された給水変動緩和タンク30aと、緩和タン
ク30aの入口側に接続された流量センサー30bと、
流量センサー30bの上流側に設置された調圧弁30
c,流量表示計30d、圧力ゲージ30e,減圧弁30
f,定量ポンプ30g,給水タンク30h,圧力ゲージ
30i,減圧弁30j,圧力ゲージ30kとを有してい
る。
【0029】圧力ゲージ30kの一端側に給水源が設置
され、流量センサー30bには、流量表示器30lが接
続されている。また、給水ジャケット12には、ジャケ
ット12内の圧力を検出する水圧センサー30mが設置
され、この水圧センサー30mには、水圧表示器30n
が接続されている。給水タンク30hには、オーバーフ
ロー通路30oが設けられ、給水タンク30hの上流側
には、減圧チャンバー14内に設置されたノズル21に
冷却水を供給する供給路30qが設置されている。
【0030】このように構成された注水制御装置30で
は、給水タンク30hでその上流側の水圧変動が絶縁さ
れ、給水タンク30hの下流側に設置されている減圧弁
30fで注水口12eに供給する冷却水の圧力を設定す
るとともに、流量センサー30bにより供給する冷却水
の流量を検出して、この検出値に基づいて定量ポンプ3
0gの駆動をフィードバック制御している。このような
構成および制御が行なわれる注水制御装置30を設置す
ると、冷却水の水圧変動が、例えば、単に水道水を直接
供給した場合には、2〜4kg/cm2 と非常に大きく
なり、以下のような不具合が発生していたが、このよう
な問題がなくなる。
【0031】すなわち、給水圧が低くなり、冷却ジャケ
ット12内の圧力が低くなると、水量が不足し、冷却不
足となり、溝部A3,4 の平滑性が損なわれ、給水圧が
高くなると、冷却水がサンジングダイ10の入口から逆
流し、スロットAの形状が大きく乱れてしまい、場合に
よっては、押出機5のノズルまで到達することもあっ
た。
【0032】そこで、本実施例では、上述したような注
水制御装置30を設置し、給水ジャケット12への給水
圧の変動がどの程度まで許容されるかを実験してみた。
この実験結果では、給水圧の変動を±2.5%以内に調
整すれば、安定した品質のスロットAが生産できること
が確認された。上記注水制御装置30では、給水圧の変
動をこの範囲内に押さえることができる。なお、この注
水制御装置30では、水圧センサー30mの検出信号に
基づいて調圧弁30cをフィードバック制御してもよ
い。
【0033】一方、減圧チャンバー14は、中空な密閉
空間を隔成する隔壁14aと、隔壁14aに設けられた
出口パッキン14bと、押さえ板14cとを有してい
る。出口パッキン14bは、整形、冷却されたスロット
Aに対応した断面形状を有していて、スロットAの外周
及び内周に密着して、減圧チャンバー14内の気密性を
保持するものであり、中心に透孔が設けられた押さえ板
14cにより隔壁14aに固設されている。
【0034】また、隔壁14aには、排気および排水孔
14dが貫通形成され、この孔14dには、図2に示す
ように、開閉バルブ18を介して、減圧タンク20が連
通接続されている。そして、減圧タンク20には、排気
および排水を行なう真空ポンプ22が接続されている。
なお、図4に符号21で示した部材は、サイジングダイ
10の外周に冷却水を噴射して、これを冷却するシャワ
ーノズルである。
【0035】以上のように構成されたサイジンク装置1
0に中間成形物が導入されると、給水ジャケット12内
に配置される入口側で、二溝スロットA(成形品)の本
体A 1 の外周と、上,下溝部A3 ,A4 の内周とに、給
水孔100a〜111aを介して冷却水を供給するの
で、サイジングダイ10の上型10aおよび下型10b
の内周面と二溝スロットA(成形品)の全外周面との間
に水膜が形成され、この水膜により、二溝スロットA
(成形品)の外周と溝部の内周とが、冷却水により直接
冷却され、二溝スロットA(成形品)は、短時間に熱変
形温度未満まで冷却することができる。
【0036】また、この水膜は、二溝スロットA(成形
品)の冷却だけでなく、サイジングダイ10と二溝スロ
ットA(成形品)との間に介在して、潤滑剤として機能
するため、二溝スロットA(成形品)の引抜き抵抗が大
幅に低下し、これにより生産速度を上げることができ
る。一方、給水ジャケット12内には、冷却水が満たさ
れているので、その水圧により、サイジングダイ10と
スロットA(成形品)との間への冷却水の供給は、確実
かつ大量に行なえるとともに、その圧力変動が注水制御
装置30により非常に小さくなるように抑えられる。
【0037】また、冷却水の排出は、減圧チャンバー1
4内に配置される出口では、外周および内周から、ま
た、中間部では、上,下溝部A3 ,A4 の内周から排出
孔113a,113bを介してのみ行なうので、減圧に
よる強制的な排水により、冷却水の流れ方向は、常に給
水ジャケット12から減圧チャンバー14の方向とな
り、逆流が発生しない。
【0038】このとき、上,下溝部A3 ,A4 の内周か
らのみ冷却水を排出すると、上,下溝部A3 ,A4
内周が減圧作用によりサイジングダイ10の凸部103
a,103bに吸い付けられるので、上,下溝部A3
4 内周の寸法精度や表面精度が向上する。以上のよう
にして整形,冷却された二溝スロットAは引取機24に
よって引取り、その後、図外の巻取りによりボビンに巻
き取られる。図12は、以上の製造工程で得られた二溝
スロットAの断面形状を示したものであり、以下に示す
表1は、その時の製造条件および各部の寸法を示したも
のである。
【0039】得られた二溝スロットAの寸法は、溝幅内
が3.65m、溝幅中が3.65m、溝幅外が3.60
m、溝深さ2.05mでほぼ設計寸法を満たすものであ
った。二溝スロットAの断面を光学顕微鏡で観察したと
ころ、スロットAの表面層は、非常に透明で、内層部
は、少し白濁しており、二重構造が認められた。このこ
とは、サイジングダイ10の給水孔105a〜111
a,105b〜111bから侵入した冷却水のために、
スロットAの本体部A1 を形成する樹脂の表面部分が急
冷され、非晶状態になっているためと思われる。
【0040】そして、以上のようにして得られた二溝ス
ロットAが巻き取られたボビンを回転供給機に取付、二
溝直線スロットAに撚りが掛かるように(ピッチ500
mm)回転させながら巻き戻しつつ、熱処理炉に供給
し、スロットAを約160℃に加熱して、冷却後引取機
を介してボビンに巻き取った。撚りの加えられた後のス
ロットの溝形状は、撚りを加える前と全く変化していな
かった。 比較例1〜3 実施例に対して、減圧チャンバー14と減圧タンク20
との間を接続する配管に設けられた開閉バルブ18を閉
じて、減圧チャンバー14内の排水および排気を全く行
なわない条件で、実施例と同様にして一溝直線スロット
を作製した。このとき、引取速度を3m/分、給水ジャ
ケット12への給水量を200ml/分としたところ
(比較例1)、このような条件下までの製造では、寸法
精度のよいものが得られた。
【0041】しかし、引取速度を4m/分に上げると、
給水ジャケット12への給水量が200ml/分では、
不足し、溝部の寸法精度がかなり悪化し、スロットの溝
表面には、冷却斑からくる歪みによる細かな凹凸が発生
した(比較例2)。比較例2の冷却不足を補うため、給
水量を300ml/分に増加させたところ、サイジング
ダイ10からクロスヘッドダイ側に冷却水が逆流し、冷
却ポイントが変動し、形状が悪化するとともに、スロッ
トの溝表面に滞留した冷却水の沸騰による痘痕状の欠陥
が発生した。また、場合によっては、クロスヘッドダイ
に冷却水がかかり、吐出量が変動するトラブルも発生し
た。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、
本発明にかかる二溝スロット用サイジング装置および同
スロットの製造方法によれば、生産速度を上げても、寸
法精度がよく、かつ、表面も滑らかな成形品が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるサイジング装置および製造方法
が適用される二溝スロットの一例を示す断面図である。
【図2】本発明にかかる製造方法の一実施例を示す工程
説明図である。
【図3】図3に示した押出機の吐出ダイスの孔部形状を
示す説明図である。
【図4】本発明にかかるサイジング装置の一実施例を示
す断面図である。
【図5】図4に示したサイジング装置のサイジングダイ
の正面図である。
【図6】図4に示したサイジング装置のサイジングダイ
の要部分解斜視図である。
【図7】図5のA−A線に沿った矢視図である。
【図8】図5のB−B線断面図である。
【図9】図5のC−C線断面図である。
【図10】図5のD−D線断面図である。
【図11】図2に示した注水制御装置の詳細説明図であ
る。
【符号の説明】
A スロット(成形品) A1 本体部 A2 テンションメンバー A3 ,A4 溝部 10 サイジングダイ 10a 上型 10b 下型 105a〜111a 給水孔 105b〜111b 給水孔 113a,113b 排水孔 12 給水ジャケット 14 減圧チャンバー 30 注水制御装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サイジングダイと、冷却水が満たされる
    給水ジャケットと、減圧チャンバーとを備え、光ファイ
    バを担持する二溝スロット用のサイジング装置であっ
    て、 前記サイジングダイは、前記給水ジャケット内に配置さ
    れる入口側に、前記二溝スロットとの接触面に冷却水を
    供給する給水孔が設けられ、 前記減圧チャンバー内に配置される中間部に冷却水が排
    出される排水孔を設けたことを特徴とする二溝スロット
    用サイジング装置。
  2. 【請求項2】 前記二溝スロットは、略円形断面の本体
    部と、この本体部の対向する位置に凹設された一対の溝
    部とを有し、 前記サンジングダイは、前記二溝スロットの外周形状に
    対応した空間部を有する分割型であり、 前記給水孔は、前記本体部の外周と前記溝部の内周とに
    冷却水を供給するように前記分割型に設けられるととも
    に、 前記排水孔は、前記溝部内周から冷却水を排出するよう
    に前記分割型に設けたことを特徴とする請求項1記載の
    二溝スロット用サイジング装置。
  3. 【請求項3】 略円形断面の本体部と、この本体部の対
    向する位置に凹設され、光ファイバが収納される一対の
    溝部とを有する二溝スロットを、押出した後にサイジン
    グ装置で冷却,整形する二溝スロットの製造方法におい
    て、 前記サイジング装置は、サイジングダイと、冷却水が満
    たされる給水ジャケットと、減圧チャンバーとを備え、 前記給水ジャケット内に配置される入口側で、前記二溝
    スロットと前記サイジングダイとの接触面に冷却水を供
    給し、 前記減圧チャンバー内に配置される中間部で、前記冷却
    水を排出することを特徴とする二溝スロットの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記冷却水は、前記給水ジャケット内に
    配置される前記サイジングダイの入口側で、前記本体部
    の外周と前記溝部の内周とに供給され、 前記冷却水の排出が、前記減圧チャンバー内に配置され
    る前記サイジングダイの中間部で、前記溝部内周から行
    なわれることを特徴とする請求項3記載の二溝スロット
    の製造方法。
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